JP3642474B2 - 多段圧延機の芯ずれ量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管や条鋼の圧延工程等で使用する多段圧延機において、各スタンドに組み込まれた圧延ロールの通り芯の状態を計測し、ずれが生じている場合にどの方向にどれだけずれているのかを計測して圧延ロールの位置を修正するのに利用し得る芯ずれ量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、継目無鋼管の圧延工程等において、各種の圧延機(多スタンドミル、定径機等)が使用されているが、これら圧延機の圧延ロールは、常時高温の加工材料に圧接されているため、比較的消耗が早い上、また圧延ロール表面に疵が発生することもあるので、時々交換する必要がある。また、圧延機によっては加工材料の大きさに応じて圧延ロールを交換することもある。
【0003】
上記のような理由で圧延ロールを組み替える場合、圧延機を構成する複数台のハウジングに組み込まれた各圧延ロールの間で材料が通過すべき孔型の芯(通り芯)は、すべて同一線上にあることが重要である。
【0004】
従来、圧延ロールを組み替える際には、ロールショップで予備のハウジングに圧延ロールを組み込み、各ハウジング毎に圧延ロールを研磨し、各圧延ロール間の隙間が同じ寸法になるように調整し芯出しするのみであった。すなわち、斯かる予備ハウジングでの調整後、全ハウジングをスタンドに据え付けた後の芯出し、つまり圧延機の組み替え完了後、圧延可能な状態での全スタンドを通しての芯出しは行わないのが通常であった。
【0005】
また、一般に圧延ロールは、改削による寸法精度が圧延ロール毎に若干異なるため、各ハウジングに適切に組み込んだとしても、スタンド全体の通り芯としては若干の芯ずれが生じることがある。さらに、前述のように複数スタンドを通しての芯出しを行わないため、芯ずれが生じたままで圧延作業を行ってしまう場合がある。斯かる芯ずれは、肉厚、外径や形状などの圧延寸法精度の低下を招いたり、圧延ロールに起因する疵が発生したりする原因となっていた。
【0006】
上述した問題に対処すべく、従来より種々の通り芯測定方法、芯出し方法が提案され、実施されている。
【0007】
まず、一般的な方法として、定修工事等、操業が長期に亘って停止した際等に、基準となるパスラインに沿ってピアノ線を張設し、該ピアノ線から錘を付けたピアノ線を吊設して、該吊設したピアノ線の位置と設計図面とを対比することにより圧延ロールの水平方向の位置を測定する方法が知られている。また、垂直方向の位置については、光学式レベル計の測定値と前記図面上の寸法とを比較することにより測定され、芯ずれ量に応じて適宜必要な調整がなされる。
【0008】
また、他の芯出し方法として、特開昭57-121810号公報には、第1スタンドの搬入側に近接してレーザ照射部を、また最終スタンドの搬出側に近接して前記レーザ照射部の発射ビームを受信するビーム検出器を設け、各一対のカリバーによって形成された略円形の空間にそれぞれ該空間の中心と一致する中心部を有する治具を着脱自在に取り付け、前記レーザ照射部から第1スタンドの側壁と垂直にレーザービームを照射し、前記各治具の中心部がレーザービームのセンターと一致するように各一対のロールを修正する方法が開示されている。
【0009】
また、実開平3−68901号公報には、中心に基準ターゲットを有し、多段圧延機の各スタンドの圧延ロール間に狭持された鼓型状の治具ロールと、前記基準ターゲットの中心位置を測定する光学式読み取り装置からなる通り芯測定装置が開示されている。
【0010】
さらに、実開平4−33401号公報には、多段鋼管圧延機の圧延ロールの鋼管搬送方向入側から出側に向けて平行光線を照射する光源と、該平行光線を前記圧延ロールの鋼管搬送方向出側で受光する受光器と、該受光器の受光結果に基づき得られた前記圧延ロールの位置により芯出し位置を求めて表示する演算表示装置とを備えた圧延ロール芯出し装置が開示されている。
【0011】
また、その他、特開昭59−19030号公報には、単一圧延機の一対のロールにより形成された穴型の前後に光源とテレビカメラとを配置し、テレビカメラが撮像した穴型のズレ量を表示装置に表示し、穴型のずれ量を容易に知ることができる穴型ずれ測定装置が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ピアノ線による方法では、圧延ロールがパスラインに対してどのような位置にあるかが間接的にしか測定できず、加工材料が実際に接触する部位との位置関係は直接確認できないという問題がある。このため、上記従来方法では、多段圧延ロールの相対位置のずれによる偏芯に起因する偏肉が生じても、必要な修正量を測定できず、間接的に計算するしかない。また、このような多段圧延機における圧延ロール軸芯の調整は、時間を要する上に、通常3ヶ月毎にしか実施できず、上記方法による芯出し精度は±1mm程度である。
【0013】
また、前記特開昭57−121810号公報及び実開平3−68901号公報に開示された技術は、いずれも圧延ロール間に治具を挿嵌し、該治具の中心と、照射したレーザービームとの位置関係から圧延ロールの軸芯を測定するものである。しかし、例えば、3本の圧延ロールによって形成される孔型は、その形状が複雑であり、しかも1本の圧延ロールだけがずれているような場合に、治具の中心が軸芯に一致するよう、圧延ロール間に治具を適切に狭持させることは構造上困難で、芯出しの精度を確保することは極めて困難である。
【0014】
さらに、実開平4−33401号公報に開示された装置は、圧延ロールの最凹部の投影により圧延ロールの軸芯を測定するものであって、圧延ロール孔型の最凸部の位置関係しか判定できないため、圧延機が光軸に対して傾いた場合の通り芯を測定することができないという問題がある。
【0015】
また、特開昭59−19030号公報に開示された装置については、光源をスタンドの外側に設置するため、多段鋼管圧延機のように圧延ロールが何段も続く場合には、複数の圧延ロールのエッジ画像が重なり、測定したい圧延ロールの芯と他のロールの芯とを区別し難いという問題がある。
【0016】
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、多段圧延機の圧延ロール交換の所要時間を短縮すると共に、通り芯の芯出し精度を高め得る芯ずれ量測定装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明は、多段圧延機の圧延ロールにより形成された孔型の芯ずれ量を測定する芯ずれ量測定装置であって、前記多段圧延機の搬入側又は搬出側において、該多段圧延機に対向し且つ該多段圧延機のパスラインと光軸とが略一致するように配置された撮像装置と、前記多段圧延機を構成する各スタンド間に挿入配置され、前記撮像装置側と反対側から測定対象である圧延ロールを照明する照明装置と、前記撮像装置による前記圧延ロールの撮像画像に基づき、該圧延ロールの芯ずれ量を算出する信号処理装置とを備えており、前記照明装置は、拡散板と、該拡散板を介して前記圧延ロールのエッジ部を照射する光源とを備え、該拡散板は、前記測定対象の圧延ロールに対し、前記撮像装置側と反対方向に隣接する他の圧延ロールのエッジ部を遮蔽し得る大きさを有することを特徴とする芯ずれ量測定装置を提供するものである。
【0018】
斯かる発明によれば、芯ずれ測定の基準となるパスラインと光軸とが略一致するように撮像装置が配置されているため、斯かる光軸を基準として芯ずれ量を測定することができる。また、測定対象である圧延ロールを照明する照明装置が各スタンド間に挿入配置されるため、撮像に際し十分な照度を確保することが可能である。また、照明装置は、拡散板を介して圧延ロールのエッジ部を照射するように構成されているため、光源の輝度むらを緩和し、圧延ロールのエッジ全体を均一に照射できる。さらに、前記拡散板は、測定対象の圧延ロールに対し、前記撮像装置側と反対方向に隣接する他の圧延ロール(すなわち、背景となる他の圧延ロール)のエッジ部を遮蔽し得る大きさを有するため、測定対象となる圧延ロールのエッジを誤認識することがない。以上の構成において、照明装置を測定対象とする各圧延ロールの背景位置まで移動させ、順次撮像を繰り返すことにより、多段圧延機の通り芯を精度良く測定することができる。
【0019】
好ましくは、前記多段圧延機の最前段スタンド及び最後段スタンドにおける前記パスラインに沿った位置に、同一形状を有する前記撮像装置の校正用治具が備えられる。
【0020】
斯かる発明によれば、最前段スタンド及び最後段スタンドの校正用治具を撮像装置で順次撮像し、両治具の撮像画像の中心が重なるように撮像装置を調整することにより、比較的容易に多段圧延機のパスラインと撮像装置の光軸とを一致させることができる。特に、撮像装置をズームレンズ付きのカメラ等で構成した場合には、前記2つの校正用治具の撮像倍率を合致させて、両治具の撮像画像が完全に重なるように調整すればよい。
【0021】
好ましくは、前記照明装置は、前記測定対象の圧延ロールと共に撮像し得る位置に設けられた校正窓を備える。
【0022】
斯かる発明によれば、予め実寸法が分かった校正窓を、測定対象の圧延ロールと共に撮像し、校正窓の撮像画像寸法と前記実寸法とを比較して実寸法への補正率(重み)を算出することにより、前記圧延ロールの芯ずれ量を実寸法として正確に算出することができる。
【0023】
好ましくは、前記信号処理装置は、前記圧延ロールの撮像画像から該圧延ロールエッジ部のプロフィールを抽出した後、該プロフィールに基づき演算した芯の位置と、前記パスラインの位置との差を芯ずれ量として算出する。
【0024】
斯かる発明によれば、圧延ロールの撮像画像に2値化等の処理を施すことによって、該圧延ロールエッジ部のプロフィールを抽出し、当該プロフィールの重心等を芯の位置として算出することができる。撮像装置の光軸はパスラインと略一致するように配置されているため、撮像画面の中心がパスラインの位置と略等しくなり、前記芯の位置と前記パスラインの位置との差を芯ずれ量として算出することができる。
【0025】
好ましくは、前記信号処理装置は、前記多段圧延機を構成する全スタンドにおいて測定された圧延ロールの芯ずれ量を一覧表示するように構成される。
【0026】
斯かる発明によれば、全スタンドにおいて測定された圧延ロールの芯ずれ量が一覧表示されるため、多段圧延機の通り芯の状況を容易に確認することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る芯ずれ量測定装置の概略構成を多段圧延機に設置した状態で示す平面図である。本実施形態において、多段圧延機は3ロール方式のサイザースタンドミル(12段・圧延ロール径φ365〜φ447mm)とされている。図1に示すように、本実施形態の芯ずれ量測定装置は、撮像装置として、2次元CCDカメラ1を備えており、該カメラ1には、ズーミング機構を有するレンズ2と、該レンズ2のズーミングを調整するレンズコントローラ3とが付設されている。また、信号処理装置として、カメラ1で撮像した映像を処理する画像処理装置4と、通り芯や圧延ロール6エッジ部のプロフィール等を表示する表示器5とを備えている。また、カメラ1の校正用治具7、8を備えている。さらに、カメラ1で、測定対象たる圧延ロール6を暗く、孔型を明るく、そのコントラストを鮮明に撮像するべく、照明装置9を備えている。
【0028】
ここで、本実施形態に係るCCDカメラ1及び画像処理装置4は、分解能を高めて測定精度を向上させるべく、共に100万画素(1000×1000)以上の分解能とし、測定データをデジタル化している。
【0029】
図2に示すように、照明装置9は、圧延ロール6のエッジ部全体を均一に照射するべく、圧延ロール6の孔型を覆い得る大きさを有する拡散板91と、該拡散板91の背後に環状に配置された複数の小型光源92aとを備えている。本実施形態では、小型光源92aとして40Wの白色電球を使用しているが、これに限らずハロゲンランプ等種々の光源を使用することが可能である。ただし、蛍光灯は商用電源の場合に60Hzのチラツキが生じるため好ましくなく、高周波電源にする必要がある。また、本実施形態では、拡散板91を形成する材料としてABSの白濁樹脂を使用しているが、テフロン等の白色系統で光が透過散乱するものである限り、種々の材料から形成することが可能である。また、拡散板91は、背景となる圧延ロール6のエッジ部を遮蔽し得るため、測定対象となる圧延ロール6のエッジ部を誤認識することがない。さらに、照明装置9は、軸部94を備えており、該軸部94に沿って光源92a及び拡散板91を摺動させることにより、光源92a及び拡散板91の位置を調整することができる。したがって、圧延ロール6の表面状態や径に応じた適切な照明が可能となっている。図3は、以上に述べた拡散板91の効果を概念図として表わしたものである。
【0030】
また、照明装置9は、拡散板91の前方に位置し、光を遮蔽する黒色系の遮蔽板95を備えている。斯かる遮蔽板95により、測定対象である圧延ロール6への照明の回り込みに起因する測定誤差や、光量過多によるハレーション現象を防止することができる。なお、斯かる遮蔽板95は圧延ロール6のサイズに応じて適切な寸法とすることが望ましい。図4は、以上に述べた遮蔽板95の効果を概念図として表わしたものである。
【0031】
さらに、照明装置9の中央部先端には、拡散板91と同様の材質から形成された校正窓93が組み込まれており、背後から光源92bによって照明されている。
【0032】
以下、上記構成を有する芯ずれ量測定装置を用いた芯ずれ量の測定方法について説明する。
【0033】
(1)手順1:カメラの位置決め
まず、芯出しの基準となる圧延機のパスラインと、カメラ1の光軸とが一致するようにカメラ1の位置を調整する。具体的には、まず、カメラ1をパスライン搬出側に設置し、最後段スタンド(#12)及び最前段スタンド(#1)のそれぞれに、図5に示すカメラ1の校正用治具7、8を設置する。ここで、校正用治具7、8は、スタンドの内壁に取り付けられ、治具7、8の基準円Cの中心を通る直線が、芯出しの基準であるパスラインになるように予め位置決めしておく。次に、カメラ1で校正用治具7、8のいずれか一方を撮像し、その撮像画を画像処理装置4に記憶させた後、レンズ2のズームを変更(倍率が略同一になるように)して他方の治具8、7を撮像する。この際、両治具7、8についての各撮像画像の重なり具合を確認しつつ、両画像が完全に一致するように、カメラ1の位置や方向を調整する。以上の手順により、パスラインと光軸とを略一致させることができる。なお、カメラ1の位置や方向の調整は、カメラ1を移動ステージや回転ステージ(図示せず)等の上に設置することにより、精度良く調整することが可能である。また、校正用治具7、8を撮像する際の照明方法については、外部照明によって治具7、8を直接照明する方法の他、治具7、8に照明を内蔵する方法等、種々の形態とすることが可能である。
【0034】
(2)手順2:校正
次に、圧延ロール6の芯ずれ量を実寸法として算出できるように校正作業を行う。具体的には、まず、照明装置9を測定対象となる圧延ロール6の背後に挿入した後、光源92a、92bを点灯させる。次に、レンズ2のズームを変更し、測定対象となる圧延ロール6設置位置での視野の調整を行う。なお、レンズ2のズーム変更は、レンズコントローラ3の所定スイッチをマニュアル操作することによって行っても良いし、レンズコントローラ3をプリセット機能を有するものとし、測定する圧延ロール6の番号を入力することで自動的にズーミングが完了するという簡便な方法でもよい。照明装置9の点灯及びレンズ2のズーム変更後、カメラ1によって圧延ロール6を撮像する際、同時に撮像される校正窓93の画像を画像処理装置4によって抽出する。次に、抽出された校正窓93の径と、予め製作時に決定しておいた実寸径(本実施形態ではφ100mm)とを比較し、実寸法への補正率(重み)を算出する。なお、校正窓93が傾いていても校正誤差が小さくなるように、前記校正窓93の径の算出方法としては、撮像画像上での最大径を選択する方法が好ましい。
【0035】
(3)手順3:芯の位置演算
次に、各スタンド毎の圧延ロール6の芯ずれ量を算出するべく芯の位置を演算する。具体的には、まず、光源92aから出射した光を拡散板91を介し均一な配光状態で圧延ロール6に照射して撮像する。次に、画像処理装置4によって、前記圧延ロール6の撮像画像に2値化等の処理を施し、ロールエッジのプロフィールを抽出する。ここで、抽出されたロールエッジのプロフィール画像は、図6に示すように、各圧延ロール6の隙間に対応する箇所が途切れた円形状となるため、さらに円弧補間処理を施す。この際用いる画像処理方法としては、前記プロフィール画像の膨張・収縮を繰り返して繋がった円にしたり、角度座標で微分処理して隙間部を検出し、画像データを隙間直近で除外して途切れた部分を円近似する等、種々の方法が適用可能である。次に、補間されて繋がった一つの円形状になったプロフィール画像に対し、芯の位置を演算する。斯かる芯演算の方法についても、プロフィール画像を形成する全点の平均座標(重心)を芯の位置として演算する等、種々の方法を適用することができる。
【0036】
(4)手順4:他の圧延ロールの測定
次に、全スタンドでの芯ずれ量を求めるべく、順次他の圧延ロール6について芯の位置を測定する。具体的には、上記手順3が終了した後、照明装置9を取り外し、次の測定対象である圧延ロール6に対して手順2から実施する。これを全ての圧延ロール6に対して実施することにより、全圧延ロール6孔型の芯、すなわち通り芯の位置座標が算出される。
【0037】
(5)手順5:芯ずれ状況表示
最後に、各スタンドの芯ずれを修正するのに供するべく、全スタンドを通しての芯ずれ状況が表示される。具体的には、上記手順2〜4に従い、測定対象となるスタンド全てについて測定が完了した後、画像処理装置4に接続された表示器5の画面に、上記手順1で決めたパスラインに対する各スタンドの芯ずれ量が一覧表示される。図7〜図9に、芯ずれ量を算出した結果の一例を示す。図7は、横軸を各スタンドナンバーとして各スタンドの水平方向の芯ずれ量を示し、図8は、同じく垂直(天地)方向の芯ずれ量を示す。また、図9は、図7及び図8の結果を2次元座標で表したものである。斯かる結果表示により、各圧延ロール6の設置状況や互いの位置関係等が一目で確認でき、どの圧延ロール6の位置をどれだけ修正すればよいかが容易に理解できる。このようにして各圧延ロール6の位置を微調整し、再度上記手順1〜5を行って算出した結果を図10、図11及び図12に示す。図10〜図12に示すように、本発明に係る芯ずれ量測定装置を使用することにより、当初±1mm程度の芯出し調整精度であったものを±0.5mm以下まで合わせ込むことが可能となった。
【0038】
本装置を使用することによって、通常3ヶ月に1回程度の頻度で且つ2〜3日を要していた芯ずれ測定が、段取り替え時等の1ヶ月に1回以上の頻度で且つ2〜3時間で可能となった。また、オンライン組み込み後の各圧延ロール6の芯ずれ量を測定した後、該測定結果に基づき調整することで、芯ずれに起因した製品の不良等が少なくなり、製品の品質向上を図ることが可能になった。
なお、本実施形態では、孔型の3ロール圧延機について説明したが、本発明は孔型2ロール圧延機等についても応用可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、従来、時間を要するばかりでなく、±1mm程度の精度でしか実測できなかったオンラインでの多段圧延ロールの芯測定が、短時間でできるようになると共に、±0.5mm程度の精度に向上する。また、圧延ロールの芯ずれに起因した偏肉・疵等の製品不良の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る芯ずれ量測定装置の概略構成を多段圧延機に設置した状態で示す平面図である。
【図2】 図2は、図1に示す照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】 図3は、図2に示す拡散板の効果を概念図として表わしたものである。
【図4】 図4は、図2に示す遮蔽板の効果を概念図として表わしたものである。
【図5】 図5は、図1に示す校正用治具の概略構成を示す平面図である。
【図6】 図6は、圧延ロールの撮像画像例を示す。
【図7】 図7は、全圧延ロールの通り芯(水平方向、調整前)測定例を示す。
【図8】 図8は、全圧延ロールの通り芯(垂直方向、調整前)測定例を示す。
【図9】 図9は、図7及び図8に示す結果を2次元座標で表示したものである。
【図10】 図10は、全圧延ロールの通り芯(水平方向、調整後)測定例を示す。
【図11】 図11は、全圧延ロールの通り芯(垂直方向、調整後)測定例を示す。
【図12】 図12は、図10及び図11に示す結果を2次元座標で表示したものである。
【符号の説明】
1 2次元CCDカメラ
2 レンズ
3 レンズコントローラ
4 画像処理装置
5 表示器
6 圧延ロール
7 校正用治具
8 校正用治具
9 照明装置
91 拡散板
92a 光源
92b 光源
93 校正窓
95 遮蔽板
Claims (5)
- 多段圧延機の圧延ロールにより形成された孔型の芯ずれ量を測定する芯ずれ量測定装置であって、
前記多段圧延機の搬入側又は搬出側において、該多段圧延機に対向し且つ該多段圧延機のパスラインと光軸とが略一致するように配置された撮像装置と、
前記多段圧延機を構成する各スタンド間に挿入配置され、前記撮像装置側と反対側から測定対象である圧延ロールを照明する照明装置と、
前記撮像装置による前記圧延ロールの撮像画像に基づき、該圧延ロールの芯ずれ量を算出する信号処理装置とを備えており、
前記照明装置は、拡散板と、該拡散板を介して前記圧延ロールのエッジ部を照射する光源とを備え、
該拡散板は、前記測定対象の圧延ロールに対し、前記撮像装置側と反対方向に隣接する他の圧延ロールのエッジ部を遮蔽し得る大きさを有することを特徴とする芯ずれ量測定装置。 - 前記多段圧延機の最前段スタンド及び最後段スタンドにおける前記パスラインに沿った位置に、同一形状を有する前記撮像装置の校正用治具を備えることを特徴とする請求項1に記載の芯ずれ量測定装置。
- 前記照明装置は、前記測定対象の圧延ロールと共に撮像し得る位置に設けられた校正窓を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の芯ずれ量測定装置。
- 前記信号処理装置は、前記圧延ロールの撮像画像から該圧延ロールエッジ部のプロフィールを抽出した後、該プロフィールに基づき演算した芯の位置と、前記パスラインの位置との差を芯ずれ量として算出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の芯ずれ量測定装置。
- 前記信号処理装置は、前記多段圧延機を構成する全スタンドにおいて測定された圧延ロールの芯ずれ量を一覧表示することを特徴とする請求項4に記載の芯ずれ量測定装置。
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