JP3835640B2 - キャリバーの形状計測装置及び形状調整方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は線材を多ロールで圧延する多ロール圧延スタンドのキャリバー形状を調整するための装置並びに方法に関するものである.
【0002】
【従来の技術】
二つ以上の溝付きロールを組み合わせて形成した圧延空間をロールキャリバー又はキャリバー(caliber、カリバーともいう)といい、このキャリバーに圧延材を通し、圧下力を加えることにより種々の断面形状の圧延材を製造している。圧延製品を高精度で生産するためにはキャリバーの形状が精度よく調整されていることが重要であり、従って、キャリバーを形成しているロールのズレを高精度に検査し、所定のキャリバー形状に至るようにロールのズレを修正することが必要となる。
キャリバーの形状を検査する方法は、基準ゲージを直接ロールにあててその形状を確認する方法や、拡大投影器によりキャリバー形状をスクリーンに拡大投影し、それを検査員が目視で検査してロールのズレを修正する方法がある。しかしながら、ゲージ法は適・不適の区別しか出来ない問題があり、検査員の目視による調整は、調整後のキャリバー形状にばらつきが生じやすいという問題や、検査員の負担が大きく時間もかかるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決する方法として特開平8−5343が開示されている。この方法は、三ロールより成るキャリバーに、キャリバーより大きな断面を有し均一且つ平行な光を照射し、ロールによって遮光されるキャリバーの輪郭をレンズで拡大して半透明のスクリーンに投影し、そのスクリーンの反対側からキャリバーの輪郭に沿ってカメラ装置を移動させながら多数の画像を撮像し、キャリバーの輪郭を映像信号に変換し、この映像信号からキャリバーのエッジ位置を検出し、得られた複数のエッジ位置からキャリバー形状を算出することを特徴としている。ズレ量の計算及び調整方法は、算出したキャリバーに外接する正三角形を求めてその重心をキャリバーの中心点とするとともに、各ロールが成すキャリバー輪郭の近似円を算出し、近似円の中心点と前記重心との偏差をロールのズレとして、これがなくなるようにロールをスラスト方向に動かすものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平8−5343による方法は以下に示す問題がある。
第一の問題は、キャリバー形状を求めるためにカメラ装置をキャリバーの輪郭に沿って移動させるということからくるキャリバー計測精度の問題である。即ち、カメラ移動装置には機械的なガタが避けられず、特に外径が数mm程度の小さなキャリバーをμmレベルの精度で計測しようとした場合、これは大きな計測誤差要因となる。また、キャリバーの輪郭座標を求める時にカメラ装置の位置情報を計算にいれる必要があるが、計算が複雑となり誤差が発生する可能性がある。
【0005】
第二の問題は、ロールがスラスト方向にしか動かせない極めて制限された圧延スタンドにしか適応できないということである。従って精密な圧延をするためにロールをスラスト方向と圧下方向の両方向に移動してキャリバーの形状調整をしなければならない場合にはこの方法は使用できない。
本発明の目的は、キャリバーを極めて精度良く測定するとともに、これをもとにロールのスラスト方向と圧下方向の二方向の調整量を算出するようなキャリバー形状計測装置を提供すること、及びキャリバー形状の調整方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャリバーの形状計測装置は、複数の溝付きロールを組み合わせて形成されるキャリバーを撮像し、ロール移動量を算出するキャリバーの形状計測装置であって、キャリバー全体を投影レンズを介して一視野で撮像するキャリバー計測手段と、ロール圧延スタンドのキャリバーがキャリバー計測手段に対し所定位置に来るようにロール圧延スタンド又はキャリバー計測手段の少なくとも一方を移動位置決めする計測位置合わせ手段と、キャリバー計測手段からの撮像データを受けて予め設定した論理をもとにロール調整量を算出する制御装置とを備え、前記制御装置の算出論理は、前記キャリバー計測手段で撮像されたキャリバー輪郭画像からキャリバー端部のロール角点座標を算出し、予め設定したロール移動順序に基づいて移動すべきロールの角点が相手側ロールの角点に対し所定位置に来るように移動量を算出するものであることを特徴としている。
【0007】
また、本発明のキャリバーの形状調整方法は、複数の溝付きロールを組み合わせて形成されるキャリバー全体を一視野で撮像し、各ロールで形成されるキャリバー輪郭画像から該ロールキャリバー端部のロール角点座標を算出し、予め設定したロール移動順序に基づいて、移動すべきロールの角点が相手側ロールの角点に対し所定位置に来るように移動量を算出し、これをもとにロールを移動することを特徴としている。
特にキャリバーが四ロールからなる円形状の場合は、前記ロール角点座標の他に、キャリバー円弧中心点、又は対向するロールのキャリバーの外接円間距離である最外接寸法を算出し、適宜これらを組み合わせて調整の適否を判定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のキャリバー形状計測装置を、四ロールの圧延スタンドに対し適用した例をもとに実施の形態を説明する。
図2に四ロール圧延スタンド20を圧延方向から見た正面図を示す。四ロール圧延スタンド20は、先端円周部を丸溝加工した4つの円盤状ロール21(21a、21b、21c、21d)を、キャリバー23の形状が円形状となるように、且つ、各ロールのロール回転軸中心線24(24a、24b、24c、24d)が同一平面即ちロール回転軸面27(図3参照)内にあるように組み立てた圧延スタンドである。ロール21は圧下方向25(25a、25b、25c、25d)とスラスト方向26(26a、26b、26c、26d)に移動可能であり、圧延前のキャリバー形成に当たっては全部で8軸を精密に調整しなければならない(調整機構は図示せず)。
【0009】
図1はキャリバー形状計測装置の側面図である。キャリバー形状計測装置は、キャリバーを撮像するキャリバー計測手段と、四ロール圧延スタンド20を積載しキャリバー計測手段に対し所定位置にキャリバーが来るように位置決めする計測位置合わせ手段と、ロール圧下方向がキャリバー計測手段の光軸に直交するように四ロール圧延スタンド20の姿勢を修正する圧延スタンド姿勢修正手段と、これらを取り付ける架台8と、キャリバー計測手段からの撮像データを受け予め設定した論理をもとにロール調整量を算出する制御装置(図示せず)とを備えている。また、四ロール圧延スタンド20は、ロール21が圧延時と同様な状態となるようにロール21を圧下方向にガタ分押し広げるように作用するガタ除去治具22(22a、22b、22c、22d)を装着している。
【0010】
キャリバー計測手段は、四ロール圧延スタンド20の一側に配置されキャリバー23よりも大きな断面で均一かつ平行な光をキャリバー23に照射する平行光照明装置10と、四ロール圧延スタンド20の他側に配置した押し当て治具3(後述する)に取り付けられ、キャリバー23を通ってできるキャリバー画像の倍率を変化させることのできる投影レンズ11と、その投影レンズ11を介したキャリバー画像を撮像するCCDカメラ等の撮像装置12とからなる。平行光照明装置10、投影レンズ11及び撮像装置12は各光軸が一致するように配置し、その光軸は一括してキャリバー計測手段の光軸13と称する。
撮像装置12は固定してセットされ、キャリバー23を一視野で撮像する。従って投影レンズ11の倍率は、キャリバー23の大きさ、撮像装置12の解像度も考慮した計測精度に合わせて、適宜中間レンズなどの組み合わせにより拡大或いは縮小となるように自由に設定することができる。
【0011】
計測位置合わせ手段は、四ロール圧延スタンド20を所定位置に積載できるようにした例えばスライドテーブル7からなり、四ロール圧延スタンド20の積み降ろし位置とキャリバー計測位置の間を移動できるようにし、キャリバー計測位置ではキャリバー23のほぼ中心にキャリバー計測手段の光軸13がくるように位置合わせするものである。なお四ロール圧延スタンド20は固定したままでキャリバー計測手段の方が移動するようにしても良く、圧延システムによって適宜適切な構成をとることができる。
【0012】
圧延スタンド姿勢修正手段は、ロール圧下方向がキャリバー計測手段の光軸13に直交するように四ロール圧延スタンド20の姿勢を修正するもので、キャリバー計測手段の光軸13と直交するような押し当て面2を備え架台8に固定された押し当て治具3と、押し当て面2又は四ロール圧延スタンド20の一側面にセットされロール回転軸面27を押し当て面2に平行でかつ投影レンズ11のピントにより決まる距離となるように長さ設定されたギャップピン4と、四ロール圧延スタンド20の他側面を押し棒5を介して押しつける押し棒ユニット6とを有する。
【0013】
以下、キャリバー形状計測装置の作用を説明する。
スライドテーブル7の四ロール圧延スタンド20積み降ろし位置でキャリバー形状を調整すべき四ロール圧延スタンド20をテーブル上に載置位置決めし、キャリバー計測位置へ移動させる。この時ガタ除去治具22により各ロールを圧下方向に押し開いた状態にしておく。続いて、ギャップピン4を押し当て面2にセットし、押し棒ユニット6を前進させ、押し棒5で四ロール圧延スタンドの側面を押すことによって四ロール圧延スタンドの他面をギャップピン4の端面に押圧し、ロール回転軸面27を押し当て面2に平行になるように姿勢調整を行い、キャリバー23の撮像を行う。
【0014】
図3はキャリバー計測手段の光学的説明図を示したものである。平行光照明装置10から照射された平行光14は四ロール圧延スタンド20のロール21で遮断され、キャリバー23を通った光のみ投影レンズ11に到達する。ロール回転軸面27は光軸13と直交しており、従って、投影レンズ11はロール回転軸面27とロール21が交差してなる輪郭を撮像装置12の撮像面15上に結像させる。本図はキャリバー外径が数mmであり、キャリバー23を数倍に拡大して撮像する例を示している。
【0015】
図4に撮像装置12で撮像しディスプレー上に表示したキャリバー部の画像を写真で示す。キャリバー23に相当する中央の部分は明るく、光を遮断するロール21に相当する部分は暗い画像となる。キャリバー輪郭線に直交する4カ所の明線部は、各ロールに形成された丸溝加工部の端部が、隣接するロールの同じく丸溝加工部の端部と成すギャップである。本例のロールは図2に示すように丸溝加工部の端部18がテーパ状である。
撮像装置12で撮像されたキャリバー部の撮像データは制御装置に送られ、まず後述する予め設定した各種測定値を算出し、次にこの測定値を用いキャリバー形状調整のための調整量を演算し、画面又はプリントアウト等で調整要領を出力する。
【0016】
図5は四ロールからなる円形キャリバーに対して算出すべく設定した各種測定値を説明する図であり、以下それぞれについて説明する。
まずこれら測定値を算出するために、撮像画像から二値化等で抽出した撮像線のうち、各ロール21の丸溝加工部により形成されるキャリバー輪郭を、中央部分の輪郭である中央部輪郭39(39a、39b、39c、39d)と両端部の輪郭である端部輪郭34(34ab、34ad、34bc、34ba..)に分けるとともに、ロールの丸溝加工部の両端をなすテーパ部の輪郭をテーパ部輪郭36(36ab、36ad、36bc、36ba..)として区分する。ここで各符号の中で、数字の直後のアルファベットは、対応するロールを表し、次のアルファベットは隣接するロールを表すこととする。以下他の符号についても同様である。
【0017】
まず最外接寸法値31と断面積32について説明する。
最外接寸法値31は、ロール21のうち対向するロール間の最大距離である。図5(a)において、例えば最外接寸法31acはロール21aとロール21cに関するものであり、ロール21aのキャリバー輪郭に外接しY軸に平行な外接線33aとロール21cのキャリバー輪郭に外接しY軸に平行な外接線33c間の距離である。最外接寸法値31bdは同様に、ロール21bのキャリバー輪郭に外接しX軸に平行な外接線33bとロール21dのキャリバー輪郭に外接しX軸に平行な外接線33d間の距離である。
【0018】
断面積32はキャリバー23の面積である。キャリバー輪郭は各ロールの境界部で断絶するため、例えば各ロールの端部輪郭線を延長し、隣接するロールのテーパ部輪郭線と交差する点の内いずれかを用いて、キャリバーの輪郭を閉じた形状にし、その内側の面積を算出して断面積として求めることができる。
【0019】
次にロール角点38について図5(b)をもとに説明する。
ロール角点38は、端部輪郭34を近似計算して求めた端部近似線35(35ab、35ac、35bc、35ba..)と、テーパ部輪郭36を近似計算して求めたテーパ部近似線37(37ab、37ac、37bc、37ba..)との交点であり、各ロールに対して2カ所存することになる。隣接するロールの角点間距離を角点偏差42とする。例えば、ロール21aのロール21b側では端部近似線35abとテーパ部近似線37abとの交点からロール角点38abが、ロール21bのロール21a側では端部近似線35baとテーパ部近似線37baとの交点からロール角点38baが求められる。ロール角点38abとロール角点38baから角点偏差42abを求める。角点偏差42abはロール21aと21bのズレを表している。
なお本例では端部近似線は円近似で求めるが、キャリバー形状によっては直線近似としたり楕円近似とするなどロール本来の形状に応じた近似計算を行えばよい。
【0020】
次に輪郭中心点41について図5(c)をもとに説明する。
輪郭中心点41は中央部輪郭39を円近似計算して求めた中央部近似線40(40a、40b、40c、40d)の円弧中心点である。2点の中心点間距離を中心点偏差とする。例えば、ロール21aの中央部近似線40aからは輪郭中心点41aが、ロール21bの中央部近似線40bからは輪郭中心点41bが得られる。輪郭中心点41aと41bから中心点偏差43abを求めることができる。中心点偏差43abもロール21aと21bとの間のズレを表している。
【0021】
次にキャリバー形状を調整するための論理と、これに基ずく調整量の算出について図6を参照しながら説明する。図6(a)は調整前のロールで形成されたキャリバー輪郭の近似線を示す一例である。
まずロールが調整可能かどうかをチェックする。例えばロール21dに関し、輪郭中心点41dとロール角点38dc、38daを結んだロール境界線60(60da、60dc)を引き、2本のロール境界線60da、60dcで囲まれたロール21d側に他のロールの測定値(ロール角点38、輪郭中心点41)があるかどうかを算出する。これを各ロールについて行い、そのような測定値が存在しない場合は調整可能とし、次のステップに進む。図6(a)は調整可能な状態を示している。なお算出は公知の画像処理手法で行うことができる。万一存在する場合は、ロールが調整し難い状態にあるか、ロールの撮像対象部位にゴミ等のノイズがあり、前述した測定値が正しく画像処理で算出できていない場合であり、実際のロールの状態を見直す必要があるとし、その旨出力する。
【0022】
次に基準ロールを選定する。選定基準は、例えば輪郭中心点が撮像画面の中心に一番近いもの、またはキャリバー輪郭の傾きが正規の状態に対し一番少ないもの等適宜決めればよい。ここではロール21dが基準として選ばれたとして説明する。
まず、ロール21dの隣接する2つのロール21a、21cをロール21dに接近させるように移動量を算出する。圧下方向、スラスト方向どちらを先に移動させるかは、ロールの先端部形状をもとにロールが干渉しないような順序を予め決めておく。ここでは圧下方向から移動させるとして説明する。
各々のロール移動量は、ロール21aについては所定のロール間隙間から設定できる予め決めたギャップ量53aを角点偏差43adのX軸方向成分値から引いた値として計算し、ロール21cについては前記ギャップ量53aを角点偏差43cdのX軸方向成分値から引いた値として計算で求めることができる。一方、圧延材の寸法から目標最外接寸法値50acを設定することができ、ロール21aとロール21cから求められる最外接寸法値31acに対し、この値を引いた値が圧下方向総移動量51acとなる。理論的には各ロール21a、21cの移動量を加算したものが前記圧下方向総移動量51acとなるはずであり、この差が所定の許容値内にあるかどうかを計算することで計測の良否をチェックすることができる。不良の場合はその旨出力し処理を中止する。ロール21a、21cを圧下方向に移動させたとした時の仮想キャリバー状態を図6(b)に示す。
なお、ロール21aと21cの各々の移動は、輪郭中心点41aと41cがロール21dの中央の位置(輪郭中心点41dを通るY軸に平行な線でもよいし、ロール角点38dc、38daの中央を通りY軸に平行な線でもよい)に一致又は所定の等間隔になるように移動させてもよい。
【0023】
次にロール21aとロール21cをスラスト方向に移動させる時の移動量を算出する。なお、ロールは移動したとするとその角点位置は変化するので、その後の調整量算出には新たな角点位置を用いるものとする。各ロール移動量は、ロール21aについては予め決めたギャップ量54aを角点偏差43adのY軸方向成分値から引いた値として計算し、ロール21cについては前記ギャップ量54aを角点偏差43cdのY軸方向成分値から引いた値として計算することができる。ロール21a、21cをスラスト方向に移動させたとした時の仮想キャリバー状態を図6(c)に示す。角点偏差43bc及び43abは新たに算出されたもので示している。
【0024】
次に残るロール21bの移動量を算出する。圧下方向、スラスト方向どちらを先に移動させるかは前述したように予め決めておく。ここではスラスト方向を先に移動させるとする。移動量は、前記角点偏差43bcと43abをもとに、ロール21bの移動後の角点38baはロール21aの角点38abの内側にくるように、角点38bcはロール21cの角点38cbの内側にくるように、かつ相対する角点のX軸方向隙間が同量になるようにする。図6(d)にロール21bが移動したとした後の仮想状態を示す。なおこの場合、前記X軸方向隙間が前述のギャップ量53aに対し、所定の許容範囲内にあることをチェックするとよい。許容範囲内にない場合は計測不良として警報出力を出すことができる。
【0025】
最後はロール21bを圧下方向に移動させればよい。移動量は、予め決めたギャップ量55aを角点偏差43ab或いは角点偏差43bcのY軸方向成分値から引いた値として計算することができる。また、最外接寸法値31bdから目標とする最外接寸法値である50bdを引いた量として求めることもできる。この時も前述したと同様にして計測の良否をチェックすることができる。ロール移動後の調整後のキャリバー形状の想像図を図6(e)に示す。
以上説明したように、制御装置は各ロールの予め設定した移動順序に基づく移動量を画面又はプリントアウトで出力する。作業者はこれをもとに手動操作で各ロール位置を調整し、キャリバーの形状を望ましいものにすることができる。また、各ロールの移動が自動で行えるような調整手段を有するロール圧延スタンドに対しては、都度ロール位置調整手段に出力し、自動的にロールの位置を移動させていくこともでき、制御装置からの出力形態は対象とするロール圧延スタンドに合わせて適宜行うことができる。
【0026】
以上はキャリバーの形状が四ロールの丸形状の場合で説明したが、四ロール以外の例えば三ロールのもの又は非円形キャリバーのものに対しても、予め特有の測定値を設定して算出しこれをもとに調整量を演算する、という考え方は基本的には適用でき、この時もキャリバー形状を一回の撮像で測定するので、この算出は容易に精度良く行うことができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば以下の効果がある。
1)一回の撮像でキャリバー全体を撮像するので装置構成が極めて簡単であり、可動部がないので信頼性の高い高精度の計測が可能になる。
2)一回の撮像で各ロールの移動量を算出するので、一つのロールを移動する毎に撮像し直す必要がなく、作業能率の高い調整ができる。
3)ロールの調整に作業者の判断を必要とせず考える必要もないので、再現性よくキャリバー形状を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャリバー調整装置の側面図
【図2】四ロール圧延スタンドの正面図
【図3】本発明のキャリバー調整装置の光学的説明図
【図4】四ロールから成るキャリバーをディスプレー上に表示した中間調画像の写真
【図5】四ロールから成るキャリバーの測定値を示す図
【図6】四ロールからなるキャリバーの調整手順の説明図
【符号の説明】
3…押し当て治具、 6…押し棒ユニット、 10…平行光照明装置、
11投影…レンズ、 12…撮像装置、 13…光軸、 14…平行光、
20…四ロール圧延スタンド、 21…ロール、 22…ガタ除去治具、
23…キャリバー、 25…圧下方向、 26…スラスト方向、
31…最外接寸法値、 38…ロール角点、 37…テーパ部近似線、
41…輪郭中心点、
Claims (2)
- 複数の溝付きロールを組み合わせて形成されるキャリバーを撮像し、ロール移動量を算出するキャリバーの形状計測装置であって、
キャリバー全体を投影レンズを介して一視野で撮像するキャリバー計測手段と、ロール圧延スタンドのキャリバーがキャリバー計測手段に対し所定位置に来るようにロール圧延スタンド又はキャリバー計測手段の少なくとも一方を移動位置決めする計測位置合わせ手段と、キャリバー計測手段からの撮像データを受けて予め設定した論理をもとにロール調整量を算出する制御装置とを備え、前記制御装置の算出論理は、前記キャリバー計測手段で撮像されたキャリバー輪郭画像からキャリバー端部のロール角点座標を算出し、予め設定したロール移動順序に基づいて移動すべきロールの角点が相手側ロールの角点に対し所定位置に来るように移動量を算出するものであることを特徴とするキャリバーの形状計測装置。 - 複数の溝付きロールを組み合わせて形成されるキャリバー全体を一視野で撮像し、各ロールで形成されるキャリバー輪郭画像から該ロールキャリバー端部のロール角点座標を算出し、予め設定したロール移動順序に基づいて、移動すべきロールの角点が相手側ロールの角点に対し所定位置に来るように移動量を算出し、これをもとにロールを移動することを特徴とするキャリバーの形状調整方法。
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