JP3641716B2 - イオンビーム加工装置およびその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオンビーム加工装置およびその方法に係り、特に、シリコン基板などに対してイオンビームミリング、イオンビームスパッタなどの加工を施すに好適なイオンビーム加工装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオンビーム加工装置としては、Arガスなどを導入してプラズマを生成するイオン源と、真空の雰囲気中で基板を保持するとともに基板に対してイオンビームによる処理を施す処理室と、イオン源と処理室とを結ぶイオンビーム伝送路にイオン源で生成されたイオンビームとして引き出して処理室内の基板に向けてイオンビームを照射するイオン源電源と、処理室内を真空排気する真空排気装置を備えたものが知られている。
【0003】
従来、この種のイオンビーム加工装置においては、基板を保持する基板ホルダとイオン源電源との間に、シャッタ板を開閉自在に配置し、イオン源電源によって引き出されたイオンビームがミリング処理の前後で直接基板に照射されるのを防止するようにした構成が採用されている。
【0004】
また、引き出されたイオンビームで基板に対してミリング処理を行うと、イオンビームのプラス電荷により基板面が大きくプラスに帯電する。このため、基板面がプラスに帯電されたままになると、基板面でのチャージアップによる素子の静電破壊(ECD;Electro Static Discharge Damage)が生じる。この帯電による素子の静電破壊を防止するために、イオン源とシャッタ板との間には、中和器と呼ばれる電子供給装置が設けられている。
【0005】
この中和器としては、フィラメントに電圧を印加して、フィラメントを赤熱させることによって熱電子を放出させるフィラメント型中和器や、マイクロ波をイオン源電源とシャッタ板との間に導入してプラズマを生成し、生成されたプラズマから電子を供給するマイクロ中波器が知られている。
【0006】
ところで、近年、コンピュータに用いられるハードディスクの大容量化が進み、これに伴い読み取りおよび書き込みを行う磁気ヘッドの微細化、薄膜化が急速に伸長してきている。磁気ヘッドに用いられる素子は、MR(Magneto Resistive)ヘッドからGMR(Giant Magneto Resistive)ヘッドに移行しているが、この先は、更なる大容量化に伴い、より高感度のTMR(Tunnel Magneto Resistive)ヘッドに移行することが予想される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のイオンビーム加工装置では、プラスの電荷を有するイオンビームとマイナスの電荷を有する中和電子との量的バランスについてはあまり重視されていなかった。このため、素子の微細化、薄膜化に伴い、基板面でのチャージアップによる素子の静電破壊が大きな課題となってきている。特に、シャッタ板の開閉時には、シャッタ板の開閉動作に伴って中和電子がシャッタ板に引き込まれ、基板面電位は中和不足となってプラスに帯電し、素子破壊が生じやすくなり、微細化、薄膜化した素子の加工を難しくしている。
【0008】
そこで、本願出願人は、シャッタ板開閉時の中和不足を解決するために、シャッタ板開閉時にシャッタ板に電圧を印加する方法を提案している(特願平2000−260160号)。この場合、シャッタ板開閉時の中和不足を解決するために、シャッタ板に電圧を印加するための電源が必要となる。
【0009】
本発明の課題は、シャッタ板の開閉時に加工対象表面での急激な電位の変化を抑えることができるイオンビーム加工装置およびその方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、ガスを導入してプラズマを生成するイオン源と、真空の雰囲気中で加工対象に対してイオンビームによる処理を施す処理室と、前記イオン源と前記処理室とを結ぶイオンビーム伝送路に前記イオン源で生成されたプラズマをイオンビームとして引き出して前記処理室内の加工対象に向けてイオンビームを照射するイオン源電源と、前記イオンビームを中和する中和器と、前記加工対象よりも前記イオン源側の位置に開閉自在に配置されて閉時に前記加工対象を前記イオンビームから遮蔽するシャッタ板と、前記シャッタ板の開閉時に前記イオン源電源から引き出されるイオンビームの量を制御するイオンビーム制御手段とを備えてなるイオンビーム加工装置を構成したものである。
【0011】
前記イオンビーム加工装置を構成するに際しては、イオンビーム制御手段の代わりに、シャッタ板の開閉時にイオンビーム電流量を制御する電流量制御手段あるいはシャッタ板の開閉時にイオン源電源の電圧を制御する電圧制御手段を設けることができる。この場合、イオンビーム制御手段はシャッタ板の開閉時にイオンビームの量を減量制御することが望ましく、電流量制御手段はシャッタ板の開閉時にイオンビーム電流量を減量制御するのが望ましく、また電圧制御手段は、シャッタ板の開閉時に電圧を低く制御することが望ましい。
【0012】
また、イオンビーム制御手段、電流量制御手段あるいは電圧制御手段を用いる代わりに、シャッタ板の開閉時に、中和器の中和量を制御すること、例えば、中和能力を高める制御を行うことも可能である。さらに、シャッタ板の開閉時に中和能力を高めるとともに、イオンビームの量を減らす制御を行ったり、あるいはイオン源電源の電圧を低下させる制御を行ったりすることも可能である。
【0013】
前記各イオンビーム加工装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0014】
(1)前記中和器は、電源に接続されたフィラメントから熱電子を放出して前記イオンビームを中和するフィラメント型中和器で構成されてなる。
【0015】
(2)前記中和器は、磁場中にマイクロ波を照射してプラズマを生成し、生成されたプラズマ中の電子により前記イオンビームを中和するマイクロ波中和器で構成されてなる。
【0016】
また、本発明は、加工対象に対してイオンビームによる加工処理を施すとともに前記イオンビームを中和するに際して、以下の処理方法を採用することができる。
【0017】
(1)前記加工対象に対する加工処理前後は前記加工対象をシャッタ板で遮蔽して前記イオンビームが前記加工対象に照射されるのを阻止し、前記加工対象に対する加工処理を開始する過程または加工処理を終了する過程では前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域内から照射領域外に退避させながらあるいは前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外から照射領域内に移動させながら前記加工対象に対する前記イオンビームの照射量を制限し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外に退避させた後の加工処理時には前記イオンビームに対する制限を解除し、制限の解除されたイオンビームを前記加工対象に照射する。
【0018】
(2)前記加工対象に対する加工処理前後は前記加工対象をシャッタ板で遮蔽して前記イオンビームが前記加工対象に照射されるのを阻止し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域内と照射領域外に亘って移動させる過程では前記加工対象に対する前記イオンビームの照射量を制限し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外に退避させた後の加工処理時には前記イオンビームに対する制限を解除し、制限の解除されたイオンビームを前記加工対象に照射する。
【0019】
(3)前記加工対象に対する加工処理前後は前記加工対象をシャッタ板で遮蔽して前記イオンビームが前記加工対象に照射されるのを阻止し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域内と照射領域外に亘って移動させる過程では前記イオンビームを中和する中和能力を高くし、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外に退避させた後の加工処理時には前記中和能力を加工処理時の中和能力に戻した状態で前記イオンビームを前記加工対象に照射する。
【0020】
前記した手段によれば、シャッタ板の開閉時に、イオンビームの量を制御したり、イオンビーム電流量を制御したりあるいはイオン源電源の電圧を制御したり、また中和量を制御したりするようにしているため、シャッタ板の開閉時にプラスの電荷を有するイオンビームとマイナスの電荷を有する中和電子の量的バランスが崩れても、シャッタ板開閉時に加工対象表面での急激な電位の変化(チャージアップ)を抑制することができ、加工対象(素子)の静電破壊を抑制し、微細化、薄膜化した素子の加工が可能になる。
【0021】
また、加工対象に対する加工処理を開始する過程または加工処理を終了する過程ではシャッタ板をイオンビームの照射領域内から照射領域外に対比させながらあるいはシャッタ板をイオンビームの照射領域外から照射領域内に移動させながら加工対象に対するイオンビームの照射量を制限したり、シャッタ板をイオンビームの照射領域内と照射領域外に渡って移動させる過程で加工対象に対するイオンビームの照射量を制限したり、あるいはイオンビームを中和する中和能力を高くしたりしているため、シャッタ板の開閉に伴って、プラスの電荷を有するイオンビームとマイナスの電荷を有する中和電子の量的バランスが崩れた場合でも、シャッタ板開閉時における加工対象表面での急激な電位変化(チャージアップ)を抑制することができ、加工対象(素子)の静電破壊を抑制し、微細化、薄膜化した素子の加工が可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示すイオンビーム加工装置の全体構成図である。図1において、イオンビーム加工装置はイオン源10、イオン源電源12、マイクロ波中和器14、処理室16などを備えて構成されている。
【0023】
イオン源10は、ほぼ円筒状に形成されたイオン源チャンバ18を備えており、イオン源チャンバ18の一端は閉塞され、他端は開口され、閉塞面にガス導入口20が形成され、開口端側には加速電極22、減速電極24、第3電極26が配置されている。さらにイオン源チャンバ18内にはフィラメント28が収容されており、フィラメント28の両端はイオン源チャンバ18外部に引き出されて電源30に接続されている。イオン源チャンバ18は電源32を介して電圧可変の電源34に接続されている。イオン源チャンバ18内には、ガス導入口20からArなどのガスが導入されるようになっており、導入されたArガスはフィラメント28から発生する熱電子によってプラズマ化される。
【0024】
すなわち、イオン源10はガス導入口20からArガスを導入してプラズマを生成するように構成されており、生成されたプラズマはイオン源電源12によってイオンビーム(プラスの電荷を有するArによるビーム)IBとしてイオンビーム伝送管36内に引き出され、処理室16内の基板38に向けて照射されるようになっている。
【0025】
イオン源電源12を構成する加速電極22、減速電極24、第3電極26のうち加速電極22は抵抗40を介して電源34のプラス端子に接続され、減速電極24は電源42のマイナス端子に接続され、第3電極26はイオンビーム伝送管36とともに電源44のマイナス端子に接続されている。電源44は中和器電源として構成され、第3電極26とイオンビーム伝送管36にマイナスの電圧を印加するように構成されている。そして各電源30、34、42、44はそれぞれ電源コントローラ46に接続され、電源コントローラ46からの指令によって出力電圧が調整されるようになっている。
【0026】
イオンビーム伝送管36は、イオン源10と処理室16とを結ぶイオンビーム伝送路としてほぼ筒状に形成されており、イオンビーム伝送管36の一端は絶縁部材48を介してイオン源チャンバ18に連結され、イオンビーム伝送管36の他端は処理室46の一端に接続されている。またイオンビーム伝送管36の内周側にはマイクロ波導入口50が形成されており、外周面にはマイクロ波中和器14が連結されている。
【0027】
マイクロ波中和器14は、導波管52、石英窓54、マイクロ波発振器56、リング58、永久磁石60を備えて構成されており、リング58がイオンビーム伝送管36の外周面に固定されている。リング58はイオンビーム伝送管36の外周面に沿って配置されており、このリング58には2組の永久磁石60が複数個リング状に配置されている。そして各永久磁石60によってリング58の内周側にはECR磁場が形成されている。またマイクロ波導入口50には導波管52が接続されており、導波管52の管路途中には石英窓54が挿入され、導波管52の端部にはマイクロ波発振器56が接続されている。マイクロ波発振器56は、2.45GHzのマイクロ波を発振し、このマイクロ波を石英窓54を通じて導波管52内を伝播させ、マイクロ波導入口50からイオンビーム伝送管36内にマイクロ波を照射するようになっている。ECR磁場が形成されている中にマイクロ波が照射されると、ECR磁場とマイクロ波によりプラズマが生成される。そしてイオンビーム伝送管36にマイナスの電位が印加されることにより、プラズマ中のプラスイオンがイオンビーム伝送管36側に引き込まれてプラズマが電子過剰となり、このプラズマから供給された電子eがイオンビームIBを中和することになる。すなわち、電子eはイオンビーム伝送管36内を伝送する過程でイオンビームIBを中和するとともに、基板38の表面に帯電されたプラス電荷を中和するようになっている。
【0028】
一方、処理室16内には、基板38とシャッタ板62が収納されており、処理室16は真空排気装置(図示省略)に接続されて真空の雰囲気に保たれている。基板36は、例えば、円盤状のシリコン基板で構成されており、円盤状の基板保持装置64に回転自在に保持されている。この基板38はイオンビームIBの伝送方向に対して所定角度傾斜した状態で基板保持装置64に保持されている。
【0029】
シャッタ板62は、ミリング処理前後のイオン源立ち上げ時や中和器電源立ち上げ時において、イオン源10から照射されるイオンビームIBおよびマイクロ波中和器14からの中和電子eが基板38に照射されるのを防止するために、マイクロ波中和器14と基板保持装置64との間の領域に開閉自在に配置されている。シャッタ板62は円盤状に形成され、閉時に(イオンビーム伝送管36の端部側を閉じるとき)、イオンビームIBおよび中和電子eを遮蔽し、これらが基板38に照射されるのを防止する遮蔽板として構成されている。この遮蔽板62の端部はアーム66を介して駆動コントローラ68に接続されており、シャッタ駆動コントローラ68の駆動にしたがって、基板38に対するイオンビーム加工処理以外のときには、イオンビーム照射領域内から照射領域外に退避されるようになっている。
【0030】
すなわち、基板38に対する加工処理を開始する過程ではシャッタ板62をイオンビームの照射領域内から照射領域外に退避させたり、基板38に対する加工処理を終了する過程ではシャッタ板62をイオンビームの照射領域外から照射領域内に移動させたりする制御がシャッタ駆動コントローラ68によって行われるようになっている。
【0031】
シャッタ駆動コントローラ68は、図2に示すように、アーム66の端部を揺動自在に保持する軸70を連結部材72を介して駆動するモータ74、遮蔽板76、光センサ78などを備えて構成されており、コントローラ本体が処理室16の壁面に固定され、シャッタ駆動コントローラ68は装置コントローラ80に接続されている。光センサ78は受光素子と発光素子を備え、受光素子と発光素子との間には遮蔽板76が回転自在に配置されている。遮蔽板76は軸70とともに回動し、シャッタ板62が閉時の位置にあるときに受光素子と発光素子とを結ぶ光伝送路を遮蔽し、シャッタ板62が閉時の位置から開時の位置に移動したときには受光素子と発光素子とを結ぶ光伝送路から外れるように構成されている。
【0032】
また光センサ78の出力信号は遮蔽板76および軸70の位置情報とともに装置コントローラ80に転送されるようになっている。装置コントローラ80は、例えば、CPUを有するマイクロコンピュータなどで構成されており、基板38に対する加工指令を基にシャッタ駆動コントローラ68に駆動指令を与えてシャッタ板62を開閉動作するようになっている。さらに装置コントローラ80はシャッタ板62の開閉動作のタイミングに合わせて電源電圧を制御するための指令を電源コントローラ46に出力するようになっている。
【0033】
次に、本実施形態におけるイオンビーム加工装置の作用を図3にしたがって説明する。まず、ミリング開始前は、装置コントローラ80からの指令によりシャッタ板62は閉時における位置にあり、イオンビームIBおよび中和電子eはシャッタ板62によって遮蔽され、イオンビームIBおよび中和電子eが基板38に照射されるのが阻止されている。
【0034】
次に、基板38に対するミリング処理の開始が指令されると、この指令と同時に、シャッタ板62は開けられ、シャッタ板62はイオンビーム照射領域内から照射領域外に退避させられる。そしてシャッタ板62がイオンビームの照射領域外に退避させられた後のミリング処理時(加工処理時)にはイオン源10からのイオンビームIBが基板38に向けて照射されるとともに中和電子eが照射され、イオンビームIBによって基板38にミリング加工処理が施されるとともに、基板38の表面に帯電したプラス電荷が中和電子eによって中和される。これにより基板38の表面には微細化、薄膜化した素子の加工が施される。
【0035】
そして基板38に対するミリング処理が終了すると、シャッタ板62は再び閉じられ、シャッタ板62はイオンビーム照射領域外からイオンビーム照射領域内に移動する。
【0036】
ところで、シャッタ板62が開閉動作するときには、イオンビームIBと中和電子eの量的バランスが崩れ、シャッタ板62の開閉動作に合わせて中和電子eがシャッタ板62に流れ込み、イオンビームIBの照射量を一定のままにしておくと、基板38表面の電位が中和不足になる。例えば、図3(a)に示すように、シャッタ板62が閉から開になるときには、シャッタ板62がイオンビームIBの伝送路の途中にあってマイクロ波中和器14から供給される中和電子eの一部がシャッタ板62に流れ込んでしまい、基板38の表面上では中和電子eが不足し、パルス状にプラスに帯電する。この状態が継続されると、帯電により基板38の表面で静電破壊が発生する。
【0037】
そこで、本実施形態においては、シャッタ板62を開閉動作させる過程では、イオンビームIBの照射量を制限するために、例えば、電源34の電源電圧を600Vから200Vへと階段状に変化させて、イオンビームIBの量を減量するための制御を行うこととしている。電源34の電源電圧が低下するとイオンビーム電流量が減少する制御が行われるとともに電圧を低下させる制御が行われたことになってイオンビーム電流量が低下し、イオンビームIBの照射量が低減される。これにより、図3(b)に示すように、基板38表面の電位が中和不足になるのを抑制することができ、すなわち、基板38の表面のチャージアップを抑制することができ、基板38が微細化、薄膜化した素子で構成された場合でも、基板38に対するミリング処理を高精度に行うことができる。なお、この場合、電源34、電源コントローラ46はイオンビーム制御手段、電流量制御手段または電圧制御手段に構成することになる。
【0038】
また、電源34の電源電圧の代わりに、電源30、42の電源電圧を変化させてイオンビームIBの照射量を低下させることもできる。またシャッタ板62の開閉動作を行うときにイオンビームIBの照射量を一定にした状態で、中和能力を高める制御を行うこともできる。さらに、イオンビームIBの照射量を制限する制御と中和電子eに対する中和能力を高める制御をともに実行することも可能である。
【0039】
また、本実施形態では、中和器としてマイクロ波中和器14を用いたものについて述べたが、中和器として、電源に接続されたフィラメントから熱電子を放出してイオンビームを中和するフィラメント型中和器を用いることもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シャッタ板の開閉時にプラスの電荷を有するイオンビームとマイナスの電荷を有する中和電子の量的バランスが崩れても、シャッタ板開閉時に加工対象表面での急激な電位の変化を抑制することができ、加工対象の静電破壊を抑制し、微細化、薄膜化した素子の加工が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すイオンビーム加工装置の全体構成図である。
【図2】シャッタ板とシャッタ駆動コントローラの構成説明図である。
【図3】図1に示す装置の作用を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
10 イオン源
12 イオン源電源
14 マイクロ波中和器
16 処理室
18 イオン源チャンバ
20 ガス導入口
22 加速電極
24 減速電極
26 第3電極
28 フィラメント
30、32、34、42、44 電源
36 イオンビーム伝送管
38 基板
46 電源コントローラ
50 マイクロ波導入口
52 導波管
54 石英窓
56 マイクロ波発振器
58 リング
60 永久磁石
62 シャッタ板
64 基板保持装置
68 シャッタ駆動コントローラ

Claims (9)

  1. ガスを導入してプラズマを生成するイオン源と、真空の雰囲気中で加工対象に対してイオンビームによる処理を施す処理室と、前記イオン源と前記処理室とを結ぶイオンビーム伝送路に前記イオン源で生成されたプラズマをイオンビームとして引き出して前記処理室内の加工対象に向けてイオンビームを照射するイオン源電源と、前記イオンビームを中和する中和器と、前記加工対象よりも前記イオン源側の位置に開閉自在に配置されて閉時に前記加工対象を前記イオンビームから遮蔽するシャッタ板と、前記シャッタ板の開閉時に前記イオン源電源から引き出されるイオンビームの量を制御するイオンビーム制御手段とを備えてなるイオンビーム加工装置。
  2. ガスを導入してプラズマを生成するイオン源と、真空の雰囲気中で加工対象に対してイオンビームによる処理を施す処理室と、前記イオン源と前記処理室とを結ぶイオンビーム伝送路に前記イオン源で生成されたプラズマをイオンビームとして引き出して前記処理室内の加工対象に向けてイオンビームを照射するイオン源電源と、前記イオンビームを中和する中和器と、前記加工対象よりも前記イオン源側の位置に開閉自在に配置されて閉時に前記加工対象を前記イオンビームから遮蔽するシャッタ板と、前記シャッタ板の開閉時にイオンビーム電流量を制御する電流量制御手段とを備えてなるイオンビーム加工装置。
  3. ガスを導入してプラズマを生成するイオン源と、真空の雰囲気中で加工対象に対してイオンビームによる処理を施す処理室と、前記イオン源と前記処理室とを結ぶイオンビーム伝送路に前記イオン源で生成されたプラズマをイオンビームとして引き出して前記処理室内の加工対象に向けてイオンビームを照射するイオン源電源と、前記イオンビームを中和する中和器と、前記加工対象よりも前記イオン源側の位置に開閉自在に配置されて閉時に前記加工対象を前記イオンビームから遮蔽するシャッタ板と、前記シャッタ板の開閉時に前記イオン源電源の電圧を制御する電圧制御手段とを備えてなるイオンビーム加工装置。
  4. ガスを導入してプラズマを生成するイオン源と、真空の雰囲気中で加工対象に対してイオンビームによる処理を施す処理室と、前記イオン源と前記処理室とを結ぶイオンビーム伝送路に前記イオン源で生成されたプラズマをイオンビームとして引き出して前記処理室内の加工対象に向けてイオンビームを照射するイオン源電源と、前記イオンビームを中和する中和器と、前記加工対象よりも前記イオン源側の位置に開閉自在に配置されて閉時に前記加工対象を前記イオンビームから遮蔽するシャッタ板とを備え、前記中和器は、前記シャッタ板の開閉時に中和量を制御してなるイオンビーム加工装置。
  5. 請求項1、2、3または4のうちいずれか1項に記載のイオンビーム加工装置において、前記中和器は、電源に接続されたフィラメントから熱電子を放出して前記イオンビームを中和するフィラメント型中和器で構成されてなることを特徴とするイオンビーム加工装置。
  6. 請求項1、2、3または4のうちいずれか1項に記載のイオンビーム加工装置において、前記中和器は、磁場中にマイクロ波を照射してプラズマを生成し、生成されたプラズマ中の電子により前記イオンビームを中和するマイクロ波中和器で構成されてなることを特徴とするイオンビーム加工装置。
  7. 加工対象に対してイオンビームによる加工処理を施すとともに前記イオンビームを中和するに際して、前記加工対象に対する加工処理前後は前記加工対象をシャッタ板で遮蔽して前記イオンビームが前記加工対象に照射されるのを阻止し、前記加工対象に対する加工処理を開始する過程または加工処理を終了する過程では前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域内から照射領域外に退避させながらあるいは前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外から照射領域内に移動させながら前記加工対象に対する前記イオンビームの照射量を制限し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外に退避させた後の加工処理時には前記イオンビームに対する制限を解除し、制限の解除されたイオンビームを前記加工対象に照射することを特徴とするイオンビーム加工処理方法。
  8. 加工対象に対してイオンビームによる加工処理を施すとともに前記イオンビームを中和するに際して、前記加工対象に対する加工処理前後は前記加工対象をシャッタ板で遮蔽して前記イオンビームが前記加工対象に照射されるのを阻止し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域内と照射領域外に亘って移動させる過程では前記加工対象に対する前記イオンビームの照射量を制限し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外に退避させた後の加工処理時には前記イオンビームに対する制限を解除し、制限の解除されたイオンビームを前記加工対象に照射することを特徴とするイオンビーム加工処理方法。
  9. 加工対象に対してイオンビームによる加工処理を施すとともに前記イオンビームを中和するに際して、前記加工対象に対する加工処理前後は前記加工対象をシャッタ板で遮蔽して前記イオンビームが前記加工対象に照射されるのを阻止し、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域内と照射領域外に亘って移動させる過程では前記イオンビームを中和する中和能力を高くし、前記シャッタ板を前記イオンビームの照射領域外に退避させた後の加工処理時には前記中和能力を加工処理時の中和能力に戻した状態で前記イオンビームを前記加工対象に照射することを特徴とするイオンビーム加工処理方法。
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