JP3640043B2 - 薄板連続鋳造装置用の扁平ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄板の連続鋳造に用いる薄板連続鋳造装置用の扁平ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
この扁平ノズルは、例えば図12に示す双ドラム式連続鋳造装置を用いた広幅薄肉鋳片の連続鋳造においては5として示されるもので、回転する一対の冷却ドラム6とこのドラムの両端面に当接されるサイド堰7によって形成される移動鋳型内にタンディッシュ内から溶鋼を供給するのに使用され、これによって、移動鋳型内に所定レベルの湯溜まり部9をつくりつつ、冷却ドラムで冷却して凝固シェルを形成し、この凝固シェルを一対の冷却ドラム6の最近接部に形成されるギャップにおいて圧接一体化して薄板鋳片を得るようになっている。
【0003】
この扁平ノズルは、均一な厚みの薄板を鋳込するためには、モールド内に長手方向に溶鋼を均一に排出注入することが重要で、そのための改良が種々行われてきた。例えば、特開平7−96355号公報には、図13に示すように、幅が広い箱形をなし、吐出口3を幅広側壁1の下部に横に長いスリット状に設けたものが開示されている。また、特開平7−68357号公報には、扁平ノズル内孔の底部4に多数の貫通孔を有する整流耐火物を配置したものが開示されている。
【0004】
さらに、これらの扁平ノズルにスリット状吐出口、整流耐火物などを配置したことによって生じる問題点解決のための対策も種々提案されている。例えば、スリット状の吐出口を設けたことにより吐出口から下の部分が脱落し易くなるという問題に対しては、実開平6−77953号公報には金属バンドにより脱落対策が提案され、また、内孔面の整流耐火物を配置する場合に溶鋼の浮力などにより浮き上がるトラブルが時々発生する問題に対しては、特開平7−60414号公報には、内孔面の整流耐火物の上方に固定片を設けて浮き上がりを防止することが開示されている。
【0005】
しかしながら、金属バンドによる吐出口下部脱落防止対策では、溶鋼に浸漬した部分は溶け落ちてしまうことがあり、また、固定片による整流耐火物の浮き上がりを防止対策では、接合部の地金差しにより脱落してしまい、それぞれに効果が挙がらないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、薄板連続鋳造装置に使用する扁平ノズルを安定使用するための対策を確立することである。
【0007】
具体的には、側壁の下部にスリット状の吐出口を有する薄板連続鋳造用の扁平ノズル使用時の底部の脱落の防止と、内孔に配設した整流耐火物の鋳造中の浮き上がりを防止するための構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄板連続鋳造用の扁平ノズルは、幅広側壁と幅狭側壁と底板とを有し、幅広側壁の下部にスリット状の吐出口が形成された薄板連続鋳造用の扁平ノズルにおいて、内壁面の幅広側壁と底面とを一体化して連結し、且つ、幅広側面の下部に形成された吐出口より高い位置まで連結する補強板を設けたことで底板の脱落を防止するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
また、この補強板をノズル内部の底面と吐出口を有する側の相対する内壁面を連結するように設けたことによって、吐出口部分を境とする上下部分相互間の連結強度を高めることができる。
【0010】
さらに、補強板によって仕切られた内壁面の間の底面開口に、整流耐火物を設置することができ、また、その際、整流耐火物に段差を設け、この段差を補強板に係止して整流耐火物が底面に接触しないように整流用耐火物を取り付けることができ、さらには、整流耐火物を補強板にピン止めすることもできる。
【0011】
【実施例】
実施例1
以下の図1から図3に示す実施例10は、本発明をノズル内部の底面と吐出口を有する薄板連続鋳造用の扁平ノズルに適用した例を示す。図1は垂直方向の断面図であり、図2は図1のA−A’断面図であり、図3は図1のB−B’断面の部分図である。
【0012】
図1および図2に示すように、この扁平ノズル10は、幅広側壁1と幅狭側壁11と底板4を有し、幅広側壁1の下部には片側に3箇所のスリット状の吐出口3があり、この吐出口と吐出口との間に補強板2を設けている。吐出口は、両方の幅広側壁に設け全部で計6個形成している。
【0013】
この補強板2は、図3に示すように断面が三角形をしたものであり、底面14と幅広側壁の内壁面22が連結され一体化しているものである。そして、幅広側面1とは吐出口3より高い位置まで連結している。
【0014】
この扁平ノズルは、通常連続鋳造設備に使用されるAl2O3−C材質、Al2O3−SiC−C材質、Al2O3−SiC−SiO2−C材質、Al2O3−SiO2−C材質、ZrO2−C材質等が使用でき、補強板2はこれらと同材質であるほうが良いが、異材質でも膨張率が極端に変わらない材質であればとくに問題はない。
【0015】
扁平ノズルは、通常CIP等で成形しており、本発明の扁平ノズルでもCIP成形で同時に補強板2を一体成形することができる。また、別に成形して焼成前あるいは焼成後に接着することもできる。
【0016】
この補強板2の厚みは吐出口間の間隔以内が良く、高さは底面から吐出口までの高さ以上が必要であるが形状は底面と内壁面が一体化していれば形状は問わない。
【0017】
図3で示すように、補強板2は、断面が三角形のものを相対して設けているため補強板による溶鋼の湯流れの乱流が発生し難くなっている。さらに、これに溶鋼の湯流れの整流耐火物を装着することで溶鋼の湯流れは整流化させることができる。
【0018】
実施例2
図4から図6に示す20は、本発明の扁平ノズルの第2の実施例であり、図4は垂直方向の断面図であり、図5は図4のA−A’断面図であり、図6は図4のB−B’断面の部分図である。この例は、実施例1に示したものとは形状の異なる補強板2を1箇所設けた例を示す。この補強板2は、図6に示すように、相対する幅広側壁の内壁面と底面とを連結し、その断面が台形をしたものである。このような形状とすることによって底面を支える強度を上げた構造としたものである。
【0019】
実施例3
図7は、実施例1と同形状のノズルに、補強板2で仕切られたそれぞれの部分に、整流耐火物15をそれぞれの部分に配設した扁平ノズル30を垂直方向の断面図によって示す。図8は図7のA−A’断面図である。この整流耐火物15としては、れんがに直径8mmの貫通孔を1cm2当たり1個設けたれんがを使用しているが、この他、3次元網目構造のフィルター等も使用できる。
【0020】
実施例4
図9に示す扁平ノズル40は、段差を設けた整流耐火物15を内側壁の段差部13と補強板2の上面に当接して、底面に接することなく配設したものである。このように、整流耐火物15が底面に直接接触していないため、鋳造初期の底部の脱落防止に効果がある。
【0021】
実施例5
図10は、補強板2に整流耐火物15をピン止めした扁平ノズル50の例を示す。図11は、ピン止めした整流耐火物15を上方から見た図である。これは、一方の補強板に1つの貫通孔23を設け、この貫通孔23を通して整流耐火物の嵌合穴21へ浮き上がり上がり防止ピン16を係合している。このピンは耐熱性接着材で貫通孔内に固定されている。このとき整流耐火物15と反対側の浮き上がり防止ピンの端は、後から中央部に挿入する整流耐火物の邪魔にならない長さにしておく。
【0022】
もう一方の補強板は、外側の整流耐火物については、貫通孔23を通して整流耐火物15の嵌合穴21へ浮き上がり防止ピン16を係合したあと、真ん中の整流耐火物15を挿入した後で、外側の整流耐火物の切り欠き18から浮き上がり防止ピン16を、補強板の貫通孔を通して中央の整流耐火物15の嵌合穴21へ係合している。そしてこの切り欠き18には、充填材を充填している。この構造により整流耐火物15が溶鋼の浮力などで浮上するトラブルが防止される。
【0023】
浮き上がり防止ピン16を補強板2に取り付けるのは、側壁へ貫通孔を設けると、使用中にピンと貫通孔間の耐熱性接着材の接着力が低下した場合、ピンが抜け落ちる場合があるためである。本発明では無機接着剤の接着力が低下してもピン抜けが発生しない構造としている。
【0024】
この整流耐火物15を固定するピン位置は補強板を貫通すればよく、その位置、ピンの数も限られない。
【0025】
本発明は上記の実施例に限定されるものでなくノズル耐火物の構造、材料、製造条件は保持装置、予熱条件、鋳造時間、鋳造鋼種などの鋳造条件に応じて適宜変更し得る。
【0026】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏することができる。
【0027】
(1)従来品の構造に比較して壁面の吐出口間に発生する最大応力は半減し、ノズルの部分脱落の発生はなく操業が安定する。
【0028】
(2)整流耐火物の浮き上がりも本構造による浮き上がり防止により皆無となり、また、従来構造で頻発していた吐出口から下部の脱落が皆無となり、また、整流耐火物の浮き上がりによる溶鋼の乱れも皆無となり、高品質の鋼の鋳造が安定してできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のノズルの垂直方向の断面図を示す。
【図2】図1のA−A’断面図を示す。
【図3】図2のB−B’断面の部分図を示す。
【図4】本発明の第2の実施例の垂直方向の断面図を示す。
【図5】図4のA−A’断面図を示す。
【図6】図4のB−B’断面の部分図を示す。
【図7】本発明の第3の実施例を示す。
【図8】図7のA−A’断面図を示す。
【図9】本発明の第4の実施例を示す。
【図10】本発明の第5の実施例を示す。
【図11】図10の平面構造を示す。
【図12】薄板連続鋳造装置の説明図である。
【図13】従来の扁平ノズルの斜視図を示す。
【符号の説明】
1.幅広側壁
2.補強板
3.吐出口
4.底板
5.扁平ノズル
6.冷却ドラム
7.サイド堰
8.移動鋳込型
9.溶鋼溜まり
10、20、30、40、50.本発明の実施例における扁平ノズル
11.幅狭側壁
13.段差部
14.底面
15.整流耐火物
16.浮き上がり防止ピン
17.浮き上がり防止ピン(中央の整流耐火物固定用)
18.切りかき
19.充填剤
21.嵌合穴
22.内壁面
23.貫通孔
Claims (4)
- 幅広側壁と幅狭側壁と底板とを有し、幅広側壁の下部にスリット状の吐出口が形成された薄板連続鋳造用の扁平ノズルにおいて、
内壁面の幅広側壁と底面とを一体化して連結し、且つ、幅広側面の下部に形成された吐出口より高い位置まで連結する補強板を設けたことを特徴とする薄板連続鋳造装置用の扁平ノズル。 - 補強板によって仕切られた内壁面の間に整流耐火物を配置したことを特徴とする請求項1に記載の薄板連続鋳造装置用の扁平ノズル。
- 整流耐火物に段差を設け、この段差を補強板に係止して整流耐火物が底面に接触しないように整流用耐火物を取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の薄板連続鋳造装置用の扁平ノズル。
- 整流耐火物を補強板にピン止めしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の薄板連続鋳造装置用の扁平ノズル。
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JP09621897A JP3640043B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 薄板連続鋳造装置用の扁平ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10286655A JPH10286655A (ja) | 1998-10-27 |
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1997
- 1997-04-14 JP JP09621897A patent/JP3640043B2/ja not_active Expired - Fee Related
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