JP6406048B2 - ウェハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウェハの加工方法に関し、より詳しくは、ウェハを加工ブロックにセットし、研磨装置でウェハを研磨した後、ウェハの向きを変えて、さらに研磨を繰り返すことで、端部付近の平坦度が高いウェハが得られるウェハの加工方法に関する。
半導体素子は、材料基板であるサファイア基板など半導体ウェハの上に各種薄膜が形成され、半導体ウェハには高い平坦度が求められている。
そのためサファイア基板の鏡面研磨には、研磨表面を平坦化するためにCMP(ケミカルメカニカルポリッシュ)技術、すなわち、化学的に表面層を変質させながら研磨剤と研磨布によって被研磨面を機械的に磨く技術が広く採用され、この技術により、研磨布とサファイア基板の間に、酸化珪素粒子、水を含むCMP研磨剤を供給しながら、上記サファイア基板と研磨定盤を動かしてサファイア基板の片面が平坦に研磨される。
しかし、素子の集積度が高まると共に、半導体ウェハには一層の平坦度が要求され、その水準は年を追うごとに厳しくなっている。特にウェハ端部付近の平坦度は、歩留まりに影響するため、平坦度をエッジロールオフという指標を用いて評価している。ここでエッジロールオフとは、ウェハ表面高さを基準としてウェハ端から一定位置で測定したダレ量である。
上述の理由から、当業界では、エッジロールオフが小さくなるようにウェハ加工する方法として、次のような方法が検討されている。
すなわち、低圧縮率で高硬度なパッドを使用する方法(特許文献1)、局所的に材料除去を異ならせたエッチング処理を実施する方法(特許文献2)、研磨定盤形状を研磨時に平坦になるよう予め設計する方法(特許文献3)、研磨液の砥粒濃度を管理する方法(特許文献4)、ベベル角度を一定範囲内にする方法(特許文献5)などである。
しかしながら、上述のエッジロールオフ改善方法には、次のような問題があり、実用的ではなかった。
すなわち、特許文献1では、加工パッドにプライマー処理を施すのでコストが増加すること、特許文献2ではシリコン基板を対象としており、化学的に安定なサファイア基板のような材料にはエッチングでの加工ができないこと、特許文献3では、すでに保有する研磨定盤の形状を補正するにはコストが必要なこと、特許文献4では研磨液の濃度変化による加工速度の低下、特許文献5ではシリコン基板を対象としており、化学的に安定なサファイア基板のような材料ではベベル砥石管理頻度が増加するという問題が挙げられる。
そのため、本出願人は、研磨中に定盤上をウェハが通過する領域の外周および内周と、研磨布の端面との位置関係に着目して、距離の最小値と最大値が特定の範囲となるようにする方法を提案した(特許文献6参照)。こうすることで、ウェハが接触しない研磨布の部分を生じることがなくなったが、エッジロールオフをまだ十分に改善できなかった。
このような状況下、比較的安価な加工パッドを用いて、化学的に安定な基板材料にも適用可能であり、研磨定盤の形状を設計変更する必要がなく、研磨液の濃度変化による加工速度の低下を招くこと無く、しかもベベル砥石管理の頻度を高める必要も無い加工方法が必要とされていた。
特開2006−043811号公報 特開2006−140484号公報 特開2007−007748号公報 特開2007−053298号公報 特開2012−129416号公報 特開2003−257916号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、ウェハを加工ブロックにセットし、研磨装置でウェハを研磨した後、ウェハの向きを変えて、さらに研磨を繰り返すことで、端部付近の平坦度が高いウェハが得られるウェハの加工方法を提供することにある。
そこで本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ね、加工ブロックに固定したウェハの研磨面を詳細に観察した結果、特に加工ブロック外周側の研磨面におけるエッジロールオフが大きく、この原因は加工ブロック中央側と比較して外周側の周速度が大きいことと、加工ブロック単位で見た場合に外周側よりも中央部の方が研磨砥粒の供給量が減ることに起因することを究明し、ウェハを周方向に特定の角度で回転させて向きを変えて研磨すれば、加工ブロック外周側の研磨面におけるエッジロールオフを低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ウェハを加工ブロックに複数枚セットする工程と、該ウェハがセットされた加工ブロックを研磨装置に取り付け、ウェハを研磨する工程と、研磨されたウェハを加工ブロックから回収する工程を含むウェハの加工方法において、前記ウェハは、厚さ100〜1500μmのサファイアであり、前記研磨する工程で、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーを研磨面に供給しながら、研磨パッドを使用してウェハを研磨し、1回目の研磨の終了後に、研磨されたウェハを円周方向に45°を超える角度で回転させ、異なる向きにリセットして、2回目以降の研磨を1回目よりも短い時間行うことを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ウェハをセットする工程が、ワックスあるいは紫外線硬化樹脂による加工ブロックへの貼付け、水あるいは真空吸着による加工ブロックへの保持のいずれかであることを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、研磨する工程で、不織布にポリウレタンを含浸した研磨パッドを使用することを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、ウェハの研磨回数が、2〜4回であることを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、ウェハをリセットする際、ウェハを1回当たり90°以上180°以下の角度で回転させることを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、研磨されるウェハが、サイズ(直径)1インチ以上のサファイアであることを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、研磨により、ウェハのエッジロールオフ値が0.8μm以下に低減することを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、前記1回目の研磨時間が0.5〜5時間で、2回目の研磨時間が0.3〜2時間であることを特徴とするウェハの加工方法が提供される。
本発明によれば、ウェハ加工した後、さらにウェハのセット向きを変更して研磨するので、端部付近の平坦度が高くなるようにウェハを加工することができる。この方法は、特殊な研磨布や研磨液を必要としないのでコストを増加することがなく、比較的簡易な操作で行えることから、生産性も維持できる。
ウェハ側面を拡大して、ウェハ表面のエッジロールオフの概念を説明する概略説明図である。 研磨に用いる加工ブロックと、それにウェハをセットした状態の位置関係を示す説明図である。 図2の一部を拡大し、エッジロールオフを測定するウェハ位置を示す説明図である。 従来の研磨方法により測定されるエッジロールオフを、ウェハの位置毎に示したグラフである。 本発明の研磨方法により測定されるエッジロールオフを、ウェハの位置毎に示した一実施態様のグラフである。 本発明の研磨方法により測定されるエッジロールオフを、ウェハの位置毎に示した他の実施態様のグラフである。
1.研磨方法
本発明のウェハの加工方法は、ウェハを加工ブロックに複数枚セットする工程と、該ウェハがセットされた加工ブロックを研磨装置に取り付け、ウェハを研磨する工程と、研磨されたウェハを加工ブロックから回収する工程を含むウェハの加工方法において、
前記ウェハは、厚さ100〜1500μmのサファイアであり、前記研磨する工程で、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーを研磨面に供給しながら、研磨パッドを使用してウェハを研磨し、1回目の研磨の終了後に、研磨されたウェハを円周方向に45°を超える角度で回転させ、異なる向きにリセットして、2回目以降の研磨を1回目よりも短い時間行うことを特徴とする。
以下、ウェハとしてサファイア基板を用いた片面研磨装置による鏡面研磨について本発明を詳述する。
(1)セットの工程
本発明では、研磨装置として、研磨布(研磨パッド)が装着された略円板状の研磨定盤と、略円板状の加工ブロックを着脱可能に有する一般的な片面研磨装置が使用できる。なお、装置には研磨後のウェハを速やかに洗浄するためのノズルが設けられている。
この工程では、ウェハを加工ブロックに複数枚セットするが、将来主面とするウェハの表面を変形させないように、まず、ワックスにてサファイア基板の非研磨面をコーティングする。ワックスの種類は高分子量の合成樹脂、天然樹脂どちらでもよく、有機溶剤にて希釈して使用できる。
その後、このサファイア基板と加工ブロックを加熱圧着することで加工ブロックにサファイア基板が固定される。
研磨されるウェハの厚みは、特に制限されないが、サファイア基板の場合、基板厚みが薄すぎると、エピタキシャル成長時の反り変化が大きくなるので凹度も大きくせざるを得ず、エピタキシャル成長時の基板表面内の温度バラツキが発生しやすい。そのため、窒化物半導体層の組成が影響を受けやすく、得られた膜から製造される発光素子の波長バラツキや電気特性のバラツキが大きくなり、安定的に、かつ収率良く良好な発光素子を得ることが困難になってくる。そのため、100μm以上のものが好ましい。
ウェハは、厚いほどエピタキシャル成長させる時の反り変化が少なくなるので凹度も小さくでき、エピタキシャル成長時の基板面内温度分布のバラツキが少なくなり好ましいが、基板コストの増大を招くため1500μm以下のものが好ましい。
従って、ウェハの厚みは100〜1500μmとし、300〜1500μmとすることがより好ましく、500〜1500μmとすることが特に好ましい。
サファイア基板の非研磨面へのワックス塗布量は、非研磨面とブロック間でワックスが保護膜となりスレを防止できる量であればよく、例えば厚さ1μm以上とすることができる。しかし、塗布厚みが増えるとコスト負担になるだけでなく、基板の面内厚さの均一性が悪くなるので、厚みは5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
セラミック製の加工ブロックには、あらかじめ基板形状と同じ大きさの円形にくり抜いたポケット形状を有する樹脂製の研磨用プレートを接着しておくことが望ましい。研磨されるウェハのサイズは特に制限されず、1インチ程度の小型のものから6インチ以上のような大型のものまで研磨できる。
そして、サファイア基板を研磨用プレートのポケットにはめ込み、基板の保持を行う。図2では4枚のウェハが示されているが、枚数は複数であればよく、3〜6枚とすることができる。
上記の加工ブロックへのワックスによる貼付けの代わりに、紫外線硬化剤による貼付けを採用しても良い。また、水による保持、真空吸着による保持であってもよい。水による保持とは、水の表面張力を利用してサファイア基板を保持することであり、真空吸着による保持とは、サファイア基板を多孔質層が基板保持部となっている研磨プレートにはめ込んだ後、その多孔質層を減圧することで基板の保持を行うことである。その他、バッキングプレートによる保持を行うこともできる。これらの方法のうち、ワックスによる貼付け、水や真空吸着による保持が好ましく、ワックスによる貼付けがより好ましい。
いずれの場合でも、テンプレートに保持した基板の研磨加工中に基板が回転しないように、しかも非研磨面と加工ブロック同士が擦れ合うことがない条件で貼り付けなどを行う必要がある。
(2)研磨の工程
次に、裏面研磨工程では、片面研磨装置を使用し、研磨布が装着された研磨定盤にウェハの裏面を押し付け、研磨布(研磨パッド)と研磨剤スラリーを用いてメカノケミカル研磨し鏡面とする。
すなわち、研磨布とサファイア基板の間に、酸化珪素粒子、水を含むCMP研磨剤を供給しながら、上記研磨ブロックと研磨定盤を動かしてサファイア基板の片面を研磨する。
上記研磨布(研磨パッド)には、例えば、ポリウレタン系人工皮革、ポリウレタン系のスエード調の不織布などを用いることができる。
研磨パッドとして、本発明では不織布にポリウレタンを含浸した硬度90未満のものを使用することが好ましい。硬度90以上の研磨パッドを使用すると、研磨条件によっては表面にキズがつくことがあり好ましくない。
また、研磨の工程で、コロイダルシリカを研磨面に供給することが好ましい。研磨剤としては、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーであると好ましい。
シリカの含有量が30重量%未満の場合、鏡面研磨後のサファイア基板にピットが発生し、このサファイア基板上に良好なエピタキシャル膜を成長させることが困難になり、他方、シリカの含有量が60重量%を超えた場合、研磨中にコロイダルシリカが凝集し、この凝集に起因してサファイア基板表面にスクラッチが生じてこのスクラッチがエピタキシャル膜に伝播することがある。このため、シリカの含有量は35〜50重量%に調整されることがより好ましく、40〜50重量%であることが特に好ましい。
また、シリカの平均粒径は、10〜100nmであることが望ましい。平均粒径が10nm未満であると、研磨処理されたサファイア基板を用いて得られるエピタキシャル膜の品質は問題無いが、サファイア基板の研磨加工速度が極端に遅くなる場合があり、また、平均粒径が100nmを超えると、研磨処理後のサファイア基板表面に凹凸が形成され、この凹凸がエピタキシャル膜に伝播する場合がある。このため、シリカの平均粒径は20〜80nmであることがより好ましい。
上記の準備が整ったところで、研磨用プレートを研磨定盤上に、研磨する面を研磨パッドに接するようにセットし、次いで、トップリング(回転シャフト)を研磨用プレート直上からゆっくり降ろして研磨用プレートに接触させ、研磨剤スラリー供給管から研磨剤スラリーを研磨パッド上に滴下・供給しながら徐々に加圧し、ゆっくりと回転させた後に、規定回転速度を維持しながら所定の圧力を加え、鏡面研磨加工を行う。研磨剤は、研磨パッドの上方から研磨パッド2上に滴下してもよいが、研磨パッドの下方から研磨剤を噴出するようにして研磨面に接触させてもよい。
研磨条件は、ウェハの種類や装置投入前のウェハ状態によって決定され、装置の種類や研磨の程度にもよるために規定しにくいが、例えば研磨布(研磨パッド)が装着された研磨定盤の回転数を30〜80rpmとするとともに、研磨荷重を100〜200kPa、研磨剤(スラリー)の供給量を5〜24L/minとし、所望の平坦度となるまで研磨を行うようにする。研磨時間は特に制限されないが、0.5〜5時間とすればよく、好ましいのは1〜3時間である。
従来は、図3の位置関係で以上の研磨を行っていたが、図4に示されるように、加工ブロック外周側Bの研磨面におけるエッジロールオフが大きくなっていた。この原因は加工ブロック中央側と比較して加工ブロック外周側の周速度が大きいことと、加工ブロック単位で見た場合に外周側よりも中央部の方が研磨砥粒の供給量が減ることに起因する。
ここで、エッジロールオフとは、ウェハ表面高さを基準としてウェハ端から一定位置で測定したダレ量である。ロールオフは、接触式プロファイラを使用して測定でき、ロールオフの評価は、M.Kimura(Jpn.J.Apply Phys.Vol.38(1999) Pt.1,No.1A)らによって提案されている方法に従って行うことができる。
(3)ウェハのリセットと研磨
本発明では、従来問題になっていた研磨面におけるエッジロールオフを小さくするために、加工後のウェハを加工ブロック内で、円周方向に回転し、異なる向きにリセットしてから研磨する。
このとき、リセットするウェハの回転角度は、45°を超えるようにする必要がある。45°以下であると、研磨面におけるエッジロールオフを改善する効果が小さく、研磨回数が増えて経済性が損なわれることにもなる。
本発明では、ウェハの研磨回数を2〜4回とすることが好ましい。2回目以降の研磨時間も、前記と同様、ウェハの種類や装置投入前のウェハ状態によって決定されるが、1回目に対して、短めにすることができる。好ましいのは0.3〜2時間である。
また、1回当たりのウェハの回転角度は、90°以上180°以下であることが好ましい。具体的には、研磨回数が2回であれば、1回のウェハの回転角度は、180°とし、研磨回数が3回であれば、1回のウェハの回転角度は、120°とし、研磨回数が4回であれば、1回のウェハの回転角度は、90°とするのが好適である。
これに対して、研磨回数を2回と決めたときに、ウェハの回転角度が例えば90°と小さくなると、エッジロールオフが十分には改善されず、一方、研磨回数を3回と決めたときに、1回のウェハの回転角度を例えば180°としたり、研磨回数を4回と決めたときに、1回のウェハの回転角度を例えば120°と大きくしたりするとエッジロールオフが十分には改善されないことがある。
言い換えれば、本発明では複数回の研磨を実施するが、その際にバランス良く異なる向きでウェハをリセットする必要があるため、(360°/研磨回数)程度の角度でウェハの向きを変更する必要があるということになる。
本発明で、ウェハの向きを180°回転して加工ブロック外周側Bが、内周側になるようにリセットすれば、図5のように、加工ブロック外周側となった研磨面Dにおけるエッジロールオフを低減できるようになる。
また、本発明で、ウェハを90°回転して向きを変え、加工ブロック外周側Bが、例えば、やや内周側になるようにリセットして2回目の研磨を行えば、図6のように加工ブロック外周側の研磨面になるAまたはCのエッジロールオフが僅かに低減できるようになる。
その後、同様にして、同じ方向にさらに90°回転して、より内周側になるようにセットして3回目の研磨を行うというように、繰り返して4回目の研磨を行えば、加工ブロック外周側の研磨面におけるエッジロールオフがかなり低減できるようになる。
図5と図6の対比から分かるように、研磨2回だけの場合と、研磨を4回行う場合の結果はほぼ同等である。研磨回数が少ないほうが経済的であるが、研磨条件によっては3回以上にすると、エッジロールオフが研磨2回の場合よりも改善されることもある。
(4)ウェハの回収工程
研磨終了後は、研磨装置のトップリング(回転シャフト)を上昇させ、同時に研磨プレートに貼り付けられたウェハに洗浄液を供給して、ウェハに付着した研磨剤を洗い流す。洗浄後、研磨プレートを取り外して、乾燥し、ウェハを剥ぎ取り、ケースに収容する。
以上、ウェハとしてサファイア基板を用いた片面研磨装置による鏡面研磨について説明したが、本発明は、両面研磨装置による鏡面研磨の場合にも同様に適用することができる。両面研磨では、ウェハを複数枚セットする加工ブロックとしてウェハよりも薄いものを用いるようにする。
2.研磨されたウェハ
研磨されるウェハは、材料の種類によって限定されないが、サファイアであることが好ましい。
発光デバイス用の窒化物半導体発光素子を製造する場合、高品質なエピタキシャル膜を成長させることが重要である。エピタキシャル膜の成長に用いられるサファイア基板についても、加工歪の残留が無く、清浄で欠陥の無い平滑な表面が要求されるが、上記の方法で加工されたウェハは、エッジロールオフが1μm以下となり、研磨条件を最適化すればエッジロールオフを0.8μm以下とすることもできる。
以下に、本発明の実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらの実施例によってのみ限定されるものではない。
なお、ロールオフの測定は、Tencor社製P−12接触式プロファイラを使用して行った。図1にその測定部位を示す。ロールオフの評価は、M.Kimura(Jpn.J.Apply Phys.Vol.38(1999) Pt.1,No.1A)らによって提案されている方法により行った。
図1で示したように、ウェハ外周端面から中心点に向かって6000μmの部分の点を起点として外周方向に長さ5000μmに亘って接触針を走査させることにより平坦度を計測する。
この時、起点及び起点から3000μmの地点をレベリング処理により同一水準とし、この2点を通る水平線を基準線とする。この時、5000μm地点(終点)における基準線とウェハの表面との距離hをロールオフ(Roll−off)値とした。
(従来例)
ダイヤモンド砥粒を用いて定盤を用いた研磨を行い、エッジロールオフが0.2μm以下の直径6インチのサファイア基板を用意した。
次に、該基板をワックスにより加工ブロックに固定した後、精密研磨装置にセットし、精密研磨を実施した。研磨砥粒としてコロイダルシリカ(フジミインコーポレーテッド製COMPOL 505)、またパッドは不織布(ニッタハース製SUBA800)を用いた。
定盤の回転速度は60rpm、荷重は300g/cmの条件として、精密研磨を3時間実施してから、エッジロールオフをウェハの位置毎に測定した。エッジロールオフの測定位置は、端面形状測定装置を用いて、把握した。この結果、図4のように測定位置BとDでエッジロールオフが大きくなった。
(実施例1)
上記従来例では精密研磨を3時間実施したが、実施例1では、1回目に定盤の回転速度は60rpm、荷重は300g/cmの条件とし2時間研磨を行った。
次に、精密研磨終了後に、加熱してワックスを流動化させ、ウェハを円周方向に反時計方向に180°回転させてから加工ブロックに固定しなおして1時間の研磨を実施した。
ウェハ上のエッジロールオフの測定位置は、1回目の精密研磨の際の加工ブロックの中心方向に向いた位置を基準にして、決定した。その後、ウェハの位置毎にエッジロールオフを測定すると、図5のように測定位置BとDでエッジロールオフが大幅に小さくなった。
(実施例2)
実施例1と同様に精密研磨1回目に2時間の研磨を行ったが、精密研磨2回目ではウェハを円周方向に反時計方向に90°回転させてから加工ブロックに固定しなおして20分間の研磨を行い、次いで、精密研磨3回目ではウェハを円周方向に反時計方向にさらに90°回転させてから加工ブロックに固定しなおして20分間の研磨を行い、最後に精密研磨4回目ではウェハを円周方向に反時計方向にさらに90°回転させてから加工ブロックに固定しなおして20分間の研磨を実施した。
その後、ウェハの位置毎にエッジロールオフを測定すると、図6のように測定位置BとDでエッジロールオフが小さくなった。
「評価」
実施例と従来例ともに、ウェハの位置Bは加工ブロックの外周側であるが、1回目の研磨後には位置Bのエッジロールオフが大きくなっている。
従来例ではエッジロールオフが1μm近くになっているが、1回目で1μmを超えていた実施例1の研磨2回目と実施例2の研磨4回目では、エッジロールオフが0.9μmを下回った。本研磨方法は、エッジロールオフの低減に効果的であるといえる。
本発明により得られたウェハは、エッジロールオフが小さいので、サファイア基板として用いたとき、発光デバイス用の窒化物半導体発光素子を製造すると、高品質なエピタキシャル膜を成長させることができる。
1 ウェハ
2 加工ブロック
3 ウェハ表面
h エッジロールオフ

Claims (8)

  1. ウェハを加工ブロックに複数枚セットする工程と、該ウェハがセットされた加工ブロックを研磨装置に取り付け、ウェハを研磨する工程と、研磨されたウェハを加工ブロックから回収する工程を含むウェハの加工方法において、
    前記ウェハは、厚さ100〜1500μmのサファイアであり、前記研磨する工程で、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーを研磨面に供給しながら、研磨パッドを使用してウェハを研磨し、1回目の研磨の終了後に、研磨されたウェハを円周方向に45°を超える角度で回転させ、異なる向きにリセットして、2回目以降の研磨を1回目よりも短い時間行うことを特徴とするウェハの加工方法。
  2. ウェハをセットする工程が、ワックスあるいは紫外線硬化樹脂による加工ブロックへの貼付け、水あるいは真空吸着による加工ブロックへの保持のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のウェハの加工方法。
  3. 研磨する工程で、不織布にポリウレタンを含侵した研磨パッドを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載のウェハの加工方法。
  4. ウェハの研磨回数が、2〜4回であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のウェハの加工方法。
  5. ウェハをリセットする際、ウェハを1回当たり90°以上180°以下の角度で回転させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のウェハの加工方法。
  6. 研磨されるウェハが、サイズ(直径)1インチ以上のサファイアであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のウェハの加工方法。
  7. 研磨により、ウェハのエッジロールオフ値が0.8μm以下に低減することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のウェハの加工方法。
  8. 前記1回目の研磨時間が0.5〜5時間で、2回目の研磨時間が0.3〜2時間であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のウェハの加工方法
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