JP3637788B2 - テープフィーダおよびテープ送り方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープに保持された電子部品をピッチ送りして電子部品実装装置のピックアップ位置に供給するテープフィーダおよびテープ送り方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置において、移載ヘッドのノズルのピックアップ位置に電子部品を供給する方法として、テープフィーダを用いる方法が知られている。この方法は、電子部品を保持するテープを供給リールから引き出し、電子部品の実装タイミングに同期させてピッチ送りしてノズルに供給するものである。テープの上面には、電子部品の保護と脱落防止のためカバーテープが貼着されており、カバーテープはピックアップ位置に送られる手前でベースとなる主テープの上面から剥離される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
カバーテープが剥離された後に、この部分の主テープはピックアップ位置まで送られるが、このピッチ送りの際に電子部品が衝撃により飛び出し、主テープから脱落し易い。このため、従来テープフィーダにはピックアップ位置の手前にはカバーテープが剥離されたテープの上面を覆うシャッター部材が設けられていた。しかしながら、このシャッター部材はテープの送りピッチに対応したものであるため、供給される電子部品の品種が切り替わり送りピッチが変更される都度交換する必要があった。このため、送りピッチ変更に際しては段取り替え作業としてのシャッター部材の交換に手間を要していた。またシャッター部材を設けることにより、ピッチ送り時に電子部品が上面を覆うシャッター部材と接触することによる電子部品の搬送不具合が生じるという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、カバーテープ剥離後のシャッター部材を必要としないテープフィーダおよびテープ送り方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のテープフィーダは、電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を電子部品実装装置のピックアップ位置に供給するテープフィーダであって、前記テープの上面に電子部品を覆って貼着されたカバーテープを前記テープ送り方向と反対方向に送るカバーテープ送り手段と、このカバーテープ送り手段の上流側でカバーテープに張力を与える張力付与手段と、この張力を一時的に解除する張力解除手段とを備え、前記張力付与手段は支点を中心に回転自在なレバーと、このレバーの一端に設けられてカバーテープに当接するテンションローラと、テンションローラがカバーテープに張力を付与する方向にレバーを付勢するスプリングから成り、また前記張力解除手段は前記テンションローラがカバーテープから離れる方向に前記レバーを変位させるソレノイドから成る。
【0006】
請求項2記載のテープ送り方法は、請求項1記載のテープフィーダを用いるテープ送り方法であって、前記テープの上面に電子部品を覆って貼着されたカバーテープをカバーテープ送り手段によって前記テープ送り方向と反対方向に送ることにより前記テープ上面から剥離させる際に前記カバーテープに張力付与手段により張力を与えておき、前記テープをピッチ送りする際に張力解除手段によって前記張力を一時的に解除することにより、一旦剥離したカバーテープが前記テープ上面を覆った状態でテープをピッチ送りする。
【0007】
各請求項記載の発明によれば、テープ上面からカバーテープを剥離させる際にはテンションローラによりカバーテープに張力を与えておき、テープをピッチ送りする際にはソレノイドを駆動してテンションローラがカバーテープから離れる方向にレバーを変位させてカバーテープに付与される張力を一時的に解除することにより、一旦剥離したカバーテープがテープ上面を覆った状態でテープをピッチ送りすることにができ、ピックアップ位置の手前にシャッター部材を設ける必要がない。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のテープフィーダが装着される電子部品実装装置の斜視図、図2は同テープフィーダの斜視図、図3は同テープフィーダの構成を示す機構図、図4(a),(b),(c),(d)は同テープフィーダの部分側面図である。
【0009】
まず図1を参照して電子部品実装装置について説明する。図1において、電子部品実装装置1は、2つの実装ステージ2A,2Bを備えている。上流側の実装ステージ2Aには、側面に設けられた基板搬入口3より基板4が搬入される。図示しない搬送路上で位置決めされた基板4に対して、電子部品供給部5A,5Bからピックアップされた電子部品が実装される。
【0010】
電子部品供給部5A,5Bには、複数台のテープフィーダ8が装着される。テープフィーダ8は、フィーダベース(電子部品供給部5Aに表れているフィーダベース6A参照)上に多数台が並列に配置され、台車7A,7B上に搭載された供給リール9からテーピング状態の電子部品(図示せず)を引き出してピッチ送りする。これにより、電子部品は各実装ステージ2A、2Bの電子部品のピックアップ位置に供給される。
【0011】
次に図2、図3を参照してテープフィーダ8の構造を説明する。図2に示すように、テープフィーダ8は細長形状のベースプレート8aの側面に以下に説明する各要素を配列して構成されている。図2、図3において、テープフィーダ8の前端部(図2において手前側)には、スプロケット11が配設されている。スプロケット11の歯はテープ10(図3参照)に定ピッチで設けられたテープ送り用の孔部に噛み合い、スプロケット11がピッチ回転することにより、テープ10をピッチ送りする。スプロケット11にはプーリ12が同軸的に結合されており、ウォームホイール13と同軸的に結合されたプーリ14とプーリ12にはベルト15が調帯されている。
【0012】
ウォームホイール13にはウォーム18が噛み合っており、ウォーム18は電動のモータ16によって回転駆動される。モータ16はエンコーダ17を備えており、エンコーダ17はモータ16の回転位置データであるパルス信号を出力する。またウォーム18の回転軸にはドグ19が装着されており、ドグ19に設けられたスリットをフォトセンサ20で検出することにより、ウォーム18の回転位置を検出することができる。モータ16を駆動すると、スプロケット11は回転し、スプロケット11に噛み合ったテープ10は図3に示す矢印方向に送られる。
【0013】
スプロケット11の上流側は電子部品のピックアップ位置となっている。リール9に巻回されて供給されるテープ10は電子部品を保持する主テープ10a上に電子部品を覆ってカバーテープ10bを貼着して構成されており、リール9から引き出されピッチ送りされたテープ10は、このピックアップ位置の手前でカバーテープ10bがガイド部材21によって剥離され、主テープ10aの上面が露呈する。この状態で主テープ10aに対して吸着ノズル22を下降させることにより、電子部品をピックアップする。
【0014】
テープ10の上面から剥離されたカバーテープ10bは、テープ10の送り方向と反対方向に折り返される。カバーテープ10bの折り返し経路の途中には、テンションローラ30が配設されている。テンションローラ30は支点31aの廻りで回転自在なレバー31の一端に設けられており、レバー31はスプリング32によってテンションローラ30を上方に移動させる方向に付勢されている。したがって、テンションローラ30に当接して展張されたカバーテープ10bには張力が付与される。すなわちテンションローラ30、レバー31およびスプリング32は張力付与手段となっている。
【0015】
またレバー31の側方にはソレノイド33が配設されており、ソレノイド33を駆動することにより、レバー31は矢印方向に変位する。したがってテンションローラ30はカバーテープ10bから離れる方向に変位し、これによりカバーテープ10bの張力付与が解除される。すなわちソレノイド33は張力解除手段となっている。このレバー31の変位は、ドグ35がフォトセンサ34を遮光することにより検出される。
【0016】
テンションローラ30の後方にはカバーテープ10bの送りローラ39,40が配設されている。送りローラ39は駆動ローラであり、かさ歯車37,38を介してモータ36によって回転駆動される。したがって、モータ36を駆動することにより、送りローラ39,40は回転し、これらの2つのローラに挟み込まれたカバーテープ10bは後方に送られる。
【0017】
フォトセンサ34によってカバーテープ10bの張力の緩みが検出されたタイミングでモータ36を駆動することにより、緩んだカバーテープ10bが後方に送られ、送られたカバーテープ10bは、後方に配設された容器41内に送り込まれ、収容される。容器41はテープフィーダ8の本体部に設けられ、入口部が狭く内部が広い形状の箱状容器である。容器41をこのような形状とすることにより、カバーテープ10bをジャミングを生じることなく良好に収容することができる。
【0018】
次に、制御系について説明する。図3において、モータ16、モータ36はモータ駆動部43によって駆動される。ソレノイド33はソレノイド駆動部42によって駆動される。モータ駆動部43、ソレノイド駆動部42は制御部44によって制御される。フォトセンサ20、フォトセンサ34の検出信号は、制御部44に伝達される。またモータ16の回転位置はエンコーダ17によってパルス信号として検出され、このパルス信号は制御部44に伝達される。制御部44によってモータ16の回転を制御することにより、スプロケット11の回転動作の発停、速度、1送り動作当りの回転量を任意に設定することができる。すなわちテープ10の送りタイミング、送り速度、送り量を必要に応じて変更することができる。
【0019】
ドグ19のスリット位置をフォトセンサ20によって検出することにより、ウォーム18の概略の回転位置が検出され、この検出結果をエンコーダ17のパルス信号と組合わせることにより、ウォーム18の回転位置、したがってスプロケット11の回転位置を検出することができる。すなわち、ドグ19、フォトセンサ20およびエンコーダ17は回転位置検出手段となっている。検出された回転位置に基づいてテープ送りの原点を設定することにより、機械的な調整作業を行うことなく原点位置合わせを行うことができる。
【0020】
このテープフィーダは上記のように構成され、以下動作について説明する。図1において、テープフィーダ8は電子部品供給部5Bに示すように、フィーダベースに装着した状態で使用される実装作業中は、テープ10はピックアップ位置の手前でガイド部材21によって主テープ10aとカバーテープ10bに分離され、カバーテープ10bは、送りローラ39,40によって後方に送られる。このときの動作について、図4を参照して説明する。図4(a)は、スプリング32によってレバー31を介してテンションローラ30をカバーテープ10bに押し付け、カバーテープ10bに張力が付与されている状態を示している。この状態から、ソレノイド33を駆動してレバー31を右方へ変位させ、テンションローラ30を矢印方向に変位させると、カバーテープ10bへの張力付与は解除され、カバーテープ10bは緩みが生じる。
【0021】
この状態で図4(c)に示すように主テープ10aをピッチ送りすると、緩んだ状態のカバーテープ10bも主テープ10aとともに進行方向に随伴して移動する。したがって、ガイド部材21の前方にあってカバーテープ10bがすでに剥離された主テープ10aに保持されている電子部品Pの上方はカバーテープ10bで覆われた状態となる。したがって、ピッチ送り時の衝撃や振動などによる電子部品Pの飛び出しや姿勢不良が発生しない。
【0022】
その後、ピッチ送りが停止した状態でソレノイド33の駆動を停止すると、テンションローラ30は再びカバーテープ10bに押し当てられ、カバーテープ10bは張力により後方に引っ張られる。その結果図4(d)に示すように、主テープ10a上を覆っていたカバーテープ10bは後方に引っ張られてガイド部材21の前方に位置する電子部品Pは露呈状態となり、吸着ノズル22によるピックアップが可能となる。
【0023】
このように、カバーテープに付与されている張力を、テープのピッチ送りの際に一時的に解除することにより、一旦剥離したカバーテープ10bによって主テープ10a上を覆うことができ、従来必要とされたシャッター部材を省略することができる。またシャッター部材を装着した場合のような品種ごとのシャッター部材の位置調整を必要とせず、作業性を向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、テープ上面からカバーテープを剥離させる際にはテンションローラによりカバーテープに張力を与えておき、テープをピッチ送りする際にはソレノイドを駆動してテンションローラがカバーテープから離れる方向にレバーを変位させてカバーテープに付与される張力を一時的に解除することにより、一旦剥離したカバーテープがテープ上面を覆った状態でテープをピッチ送りすることができ、ピックアップ位置の手前にシャッター部材を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のテープフィーダが装着される電子部品実装装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のテープフィーダの斜視図
【図3】本発明の一実施の形態のテープフィーダの構成を示す機構図
【図4】(a)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分側面図
(b)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分側面図
(c)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分側面図
(d)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分側面図
【符号の説明】
5A、5B 電子部品供給部
6A フィーダベース
8 テープフィーダ
9 供給リール
10 テープ
10a 主テープ
10b カバーテープ
30 テンションローラ
32 スプリング
33 ソレノイド
34 フォトセンサ
39,40 送りローラ
41 容器
44 制御部
Claims (2)
- 電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を電子部品実装装置のピックアップ位置に供給するテープフィーダであって、前記テープの上面に電子部品を覆って貼着されたカバーテープを前記テープ送り方向と反対方向に送るカバーテープ送り手段と、このカバーテープ送り手段の上流側でカバーテープに張力を与える張力付与手段と、この張力を一時的に解除する張力解除手段とを備え、前記張力付与手段は支点を中心に回転自在なレバーと、このレバーの一端に設けられてカバーテープに当接するテンションローラと、テンションローラがカバーテープに張力を付与する方向にレバーを付勢するスプリングから成り、また前記張力解除手段は前記テンションローラがカバーテープから離れる方向に前記レバーを変位させるソレノイドから成ることを特徴とする特徴とするテープフィーダ。
- 請求項1記載のテープフィーダを用いるテープ送り方法であって、前記テープの上面に電子部品を覆って貼着されたカバーテープをカバーテープ送り手段によって前記テープ送り方向と反対方向に送ることにより前記テープ上面から剥離させる際に前記カバーテープに張力付与手段により張力を与えておき、前記テープをピッチ送りする際に張力解除手段によって前記張力を一時的に解除することにより、一旦剥離したカバーテープが前記テープ上面を覆った状態でテープをピッチ送りすることを特徴とするテープ送り方法。
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