JP3637386B2 - 光ディスクの検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ディスクのドライブ装置に備え、光ディスクの収納有無の確認、光ディスクの挿入時の検出、光ディスクのサイズ判定などに利用する光ディスクの検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カ−ステレオ、オ−ディオコンポ−ネンツ、コンピュ−タ周辺機器、カ−ナビゲ−ションなどの情報源として光ディスクが広く使用されている。
そして、この種の機器は一般に光ディスクのドライブ装置を備え、光ディスクをそのドライブ装置に収納させて情報の読み出しを行なう構成となっている。
【0003】
また、上記のドライブ装置は、光ディスクが収納されているか否かを検出してランプ表示する検出装置、或いは、光ディスクをドライブ装置に収納させる際、その入り口で光ディスクを検出し、その検出信号に応動するモ−タによって光ディスクの吸い込み動作を開始させる検出装置などを備えたものが多い。
【0004】
図4は光ディスクの側面から見た上記検出装置の機構図であり、図5は光ディスクの板面側から見た同検出装置の機構図である。
図示するように、発光ダイオ−ド(LED)11とフォトトランジスタ12とが所定の間隔をおいて対向配置されており、光ディスク13がドライブ装置に収納され、また、差し入れられることにより、発光ダイオ−ド11とフォトトランジスタ12の間に光ディスク13が部分的に侵入し、フォトトランジスタ12に入射する光を遮断する構成となっている。
【0005】
なお、光ディスク13は、ポリカ−ボネ−トの透明樹脂材で形成された円形板に、アルミニウムを蒸着して成膜形成した構造となっているため、成膜形成されたアルミニウムにより、フォトトランジスタ12に入射する光が遮光される。
【0006】
そして、発光ダイオ−ド11には発光波長870〜950nmの近赤外発光のものが用いられ、また、受光素子としてフォトトランジスタの他にフォトダイオ−ドなどが用いられている。
さらに、発光ダイオ−ド11とフォトトランジスタ12はプリント基板14、15に取付けて対向させるように配設し、発光ダイオ−ド11の発光光軸が光ディスク13の板面に対して直交するようになっている。
【0007】
図6は上記した検出装置の回路図を示し、この検出回路は、フォトトランジスタ12の光電流Iを検出抵抗16によって電圧変換し、この電圧出力を検出信号Voutとして出力する構成となっている。
すなわち、フォトトランジスタ12に入射する光が光ディスク13により遮光されると、検出信号Voutが0Vとなり、光ディスク13がドライブ装置に収納され、または、差し入れられたこの検出信号(以下、「有」の検出信号という)を出力し、フォトトランジスタ12に入射する光が遮光されないときは、検出信号Voutが電源電圧Vcc−フォトトランジスタ12の飽和電圧(0.7ボルト程度)の電圧となり、光ディスク12がドライブ装置に収納されていない、または、差し入れられていない検出信号(以下、「無」の検出信号という)を出力する。
【0008】
このように、電源電圧の設定により、デジタル回路Low、Highレベルに相当した検出信号Voutが出力される。
電源電圧が5ボルトであれば、TTLレベルのロジックICに接続して信号処理される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスク13に成膜されているアルミニウムの厚みは、一般に1μm前後であるが、構造上の条件のバラツキによって薄くなることがあり、また、コストを削減するために薄く成膜形成する場合がある。
【0010】
このように、アルミニウム成膜の厚さが薄くなると、光ディスク13が光を透過するようになり、フォトトランジスタ12に入射する光を遮光することができなくなり、光ディスク13の有無が誤検出されると言う問題が生ずる。
【0011】
また、アルミニウム成膜の厚さが薄いために、光ディスク13の遮光効果が小さいときは、検出動作によってフォトトランジスタ12に光電流がながれる。このため、周囲温度によってフォトトランジスタ12の感度が高くなった場合、或いは、構造上の要因によって発光ダイオ−ド11の出力が強すぎたり、フォトトランジスタ12の感度が高すぎたりした場合には、検出信号Voutの電圧が高くなり、光ディスク13が収納されているにもかかわらず「無」の検出信号を出力し誤検出となる。
【0012】
上記したような誤検出は、光ディスク13が収納されているにもかかわらず、収納されていない表示となるため、光ディスクを再度収納させることがあり、装置や光ディスクを破損するおそれがある。
【0013】
また、CD−ROMドライブなどでは、光ディスク13が収納されているにもかかわらず、コンピュ−タが未収納と判断するため、ドライブ装置が誤動作することがある。
さらに、CDプレ−ヤなどでは、光ディスクを挿入し始めても、挿入されないと判断し、光ディスクの吸い込みの動作が開始せず、光ディスクが挿入できない事態が生ずる。
【0014】
そこで、本発明では光ディスクに形成されているアルミニウム成膜の厚さに関係なく、光ディスクの有無を確実に検出することができる光ディスクの検出装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明は、光ディスク面に対して発光光軸を所定の角度傾けた光源と、この光源の発光光軸上に設け、当該光源の発光光を受光する受光部材とを備え、光ディスクが光源の発光光路に存在し、また、存在しないことによる受光部材の出力変化より光ディスクの有無を検出する光ディスクの検出装置に関する。
【0016】
そして、この発明は、前記光源の光が光ディスクを透過することによって生ずる前記発光光軸のずれの大きさに比べて同等以下のサイズとしたスリットを有する遮光板を前記受光部材の前位置に設け、受光部材が光源の発光光を前記遮光板のスリットを通して受光した出力によって光ディスクが存在しないことを検出し、前記発光光軸のずれた光が前記遮光板によって遮光され、前記受光部材の出力により、光ディスクが存在することを検出することを特徴とする光ディスクの検出装置を提案する。
【0017】
【作用】
アルミニウム成膜の厚さが薄くない光ディスクは、光ディスクが受光部材に入射する光を確実に遮光する。
したがって、従来例と同様に、光ディスクがドライブ挿入に収納されておれば、検出信号がLow信号となり、この逆に、光ディスクが収納されていないときは、光源の発光光が遮光板のスリットを通して受光部材に直接に入射するため、検出信号がHigh信号となり、光ディスクの有無を検出することができる。
【0018】
アルミニウム成膜の厚さが薄く光を透過する光ディスクについては次の検出動作となる。
光源の発光光が光ディスクを通って屈折するため、この発光光の光軸がずれる。
つまり、受光部材に対して光源の発光光軸がずれることから、光源の発光光が遮光板によって遮光され、受光部材に入射しないため、検出信号がLow信号となる。
光ディスクが収納されていないときは上記したように、検出信号がHigh信号となるから、光ディスクが収納されている場合との検出信号差が大きく、光ディスクの検出が確実に行なわれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面に沿って説明する。
図1は本発明の原理を説明するための説明図であり、20は光ディスクの透明樹脂板、21は透明樹脂板20を透光する光の光軸を示す。
【0020】
透明樹脂板20は、その板面に直交する光が入射するときは光軸がずれないが、斜め方向から光が入射すると、透明樹脂板20の屈折によって光軸がずれる。
【0021】
光軸21がずれる大きさLoは、透明樹脂板20の屈折率n、その樹脂板の厚さをd、光の入射角(出射角)をθとすると、次式によって算出することができる。
したがって、d=1.2mm、n=1.54、θ=45°とすると、Lo=0.4mmとなる。
【0022】
図2は上記した原理にしたがって実施した光ディスクの検出装置を示す簡略構成図である。
この図において、30は光ディスク(CD、DVD)で、厚さ1.2mmの透明樹脂板30aの板面にアルミニウム30bを薄膜形成した構成となっている。
そして、この実施形態では、光ディスク30の板面に対して入射角θ1をもって発光ダイオ−ド(光源)31の発光光を入射させる構成としてある。
【0023】
また、受光部材としてのフォトトランジスタ32は発光ダイオ−ド31に対して所定の間隔をおいて対向配置させるが、その配置位置は、発光ダイオ−ド31の発光光軸上に、または、その発光光軸付近に設けてある。
【0024】
このように構成した検出装置は、光ディスク30がドライブ装置に収納されていない場合は、発光ダイオ−ド31の発光光が直接にフォトトランジスタ32に入射することから、フォトトランジスタ32の光電流が大きく、この結果、光ディスク30が「無」としてHighレベルの検出信号が出力される。
【0025】
また、光ディスク30がドライブ装置に収納され、そのディスク部分が発光ダイオ−ド31の発光光路に侵入すると、発光ダイオ−ド31の発光光が光ディスク30の板面に入射角θ1で入射するため、この発光光が光ディスク30で屈折し、発光光軸がずれる。
これより、光ディスク30を透過した発光光が部分的にフォトトランジスタ32に入射することになり、フォトトランジスタ32の光電流が小さくなる。
この結果、光ディスク30が「有」としてLowレベルの検出信号が出力される。
【0026】
このように、アルミニウム成膜の厚さが薄く光ディスク30が透過するものであっても、検出信号のレベル差より確実に検出することができる。
【0027】
図3は本発明の実施形態を示す図2同様の簡略構成図である。
この実施形態は、光軸のずれの大きさLoに比べ同等以下のサイズとしたスリットを有する遮光板33、34を発光ダイオ−ド31とフォトトランジスタ32の前位置に設けた構成としてある。
【0028】
このように構成すれば、光ディスク30を透過して光軸のずれた光は遮光板34によって遮光されるため、光ディスク30が収納されているかぎり、フォトトランジスタ32には光が入射しない。
したがって、光ディスク30が収納されているときにはLowレベルの検出信号が出力されるため、光ディスク30の有無を検出することができる。
【0029】
また、上記実施形態に備えたフォトトランジスタ32について、同様に動作するフォトダイオ−ドなどの光電変換素子によって置き換えることができる。
さらに、本発明は上記した実施形態の他に、ドライブ装置の挿入口で光ディスクを検出してモ−タ駆動し、光ディスクを引き込む構成の検出装置として、或いは、小径の光ディスクを検出し、大径の光ディスクを検出しないようにして、光ディスクのサイズを判定する検出装置として実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
上記した通り、本発明の検出装置によれば、光ディスクに形成されたアルミニウム成膜の厚さに関係なく、使用機器に収納され、また、挿入された光ディスクを検出することができる。
特に、アルミニウム成膜が薄く、光ディスクに透光性がある場合であっても、光ディスクの収納或いは挿入の有無について確実に検出することができる。
【0031】
また、周囲温度によって受光部材の感度が高くなり、或いは、製造上の要因によって光源の発光が高すぎ、また、受光部材の感度が高すぎることが生じても、その影響を受けず高い精度で検出動作する光ディスクの検出装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を説明するための説明図である。
【図2】 上記原理にしたがって実施した光ディスクの検出装置を示す簡略構成図である。
【図3】 本発明の実施形態として示した検出装置の簡略構成図である。
【図4】 光ディスク側面から見た従来の検出装置の機構図である。
【図5】 光ディスクの板面側から見た従来の検出装置の機構図である。
【図6】 検出装置の電気回路図である。
【符号の説明】
30 光ディスク
30a 透明樹脂板
30b アルミニウム成膜
31 発光ダイオ−ド
32 フォトトランジスタ
33、34 遮光板
Claims (1)
- 光ディスク面に対して発光光軸を所定の角度傾けた光源と、この光源の発光光軸上に設け、当該光源の発光光を受光する受光部材とを備え、光ディスクが光源の発光光路に存在し、また、存在しないことによる受光部材の出力変化より光ディスクの有無を検出する光ディスクの検出装置において、
前記光源の光が光ディスクを透過することによって生ずる前記発光光軸のずれの大きさに比べて同等以下のサイズとしたスリットを有する遮光板を前記受光部材の前位置に設け、
受光部材が光源の発光光を前記遮光板のスリットを通して受光した出力によって光ディスクが存在しないことを検出し、前記発光光軸のずれた光が前記遮光板によって遮光され、前記受光部材の出力により、光ディスクが存在することを検出することを特徴とする光ディスクの検出装置。
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