JP3637025B2 - ツール位置提示システム及びこれを利用したツール位置提示方法、並びに、そのためのツール及びレーザー光照射角度演算方法 - Google Patents

ツール位置提示システム及びこれを利用したツール位置提示方法、並びに、そのためのツール及びレーザー光照射角度演算方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の空間内において、作業者が所定の作業を実行するためのツールの位置決めを支援するためのツール位置提示システムに関し、特に、外科手術等で用いる術具(特に、ドリルやワイヤー)の位置及び方向を被作業体(患者)上に正確に提示するツール位置提示システム、及びこれを利用したツール位置設定方法、並びに、そのためのツールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、整形外科手術を始めとする外科手術では、術者(医師)が術具の位置決めを正確に行うことが重要である。かかる課題に対する解決方法として、例えば、COMPUTER-INTEGRATED SURGERY (THE MIT PRESS (1996年)発行)の425頁−449頁に記載されている方法が、既に知られている。かかる方法では、例えば、そのFigure 32.19に示されるように、術具であるドリルを、例えばロボットアーム上に取り付けたレーザー装置から、被作業体である脊椎の所定の位置に、所定の角度からレーザー光線を照射して、その先端位置とその進行方法を、1本のレーザー光線上に提示するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、前記の従来技術では、レーザー光線を術具の目標位置に対して目標方向から照射してその直線上に位置提示を行っている。そのため、例えば、このレーザー光線がこれら術具や術者によって遮られてしまい、そのため、このレーザー光線により提示された位置を見失う可能性があり、そのため、術具であるドリルを正確にこのレーザー光線に合わせることが難しかった。特に、ドリルの進行方向は、上記Figure 32.19にも明らかなように、レーザー光線がドリルの後端面の中心部に照射されるように設定しなければならず、なおさらであった。また、そのような場合、かかる従来技術では、このレーザー光線を照射する装置を、再度、適切な場所に移動させるための機構が必要になるという問題もあった。
【0004】
本発明は、上述したような従来技術における問題点に鑑みてなされるものであり、その目的は、ツールの目標位置及び方向を指示する光線が容易にツールや当該ツールによる作業者の位置などによって遮られることなく、かつ、より正確にツールの位置及び方向を、被作業体上に提示することが可能となる、ツール位置提示システム、及びこれを利用したツール位置設定方法、並びに、そのためのツールを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明によれば、まず、所定の空間内において、被作業体上におけるツールの位置を提示するツール位置提示システムであって、当該空間内の異なるに位置し当該点から平面状に所定の広がりを有する光線を照射する少なくとも2つの光源と、当該少なくとも2つの光源から照射される平面状の光線の照射角度を制御する制御装置とを備え、当該少なくとも2つの光源からの平面状の光線を利用して、当該ツールの位置を当該所定の空間内に提示するツール位置提示システムが提供される。
【0006】
なお、本発明によれば、前記のツール位置提示システムにおいて、前記少なくとも2つの平面状の光線は、線状のレーザー光線を振動することにより得るものであり、かつ、前記少なくとも2つの光源は、術者(作業者)の体軸の方向と上記ツールの軸方向とにより形成される面の両側に所定の距離だけ離隔して配置されており、さらに、前記ツールの先端部を、前記少なくとも2つの平面状の光線の交差点によって提示すると共に、前記少なくとも2つの平面状の光線のうち少なくとも一つによって、当該ツールの方向を提示するものである。
【0007】
そして、本発明によれば、前記に記載したツール位置提示システムにおける前記所定の空間は手術室であり、かつ、前記ツールは手術用具であり、特に、手術用ドリルである。
【0008】
また、やはり上記の目的を達成するため、本発明によれば、所定の空間内において、前記に記載したツール位置提示システムを利用して、被作業体上におけるツールの位置を設定するツール位置設定方法であって、前記少なくとも2つの光源から照射される少なくとも2つの平面状の光線を利用して提示される位置に従って当該ツールの位置を設定するツール位置設定方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、前記のツール位置設定方法において、特に、前記ツールの先端部を、前記少なくとも2つの平面状光線の交差点によって提示される点に設定すると共に、前記少なくとも2つの平面状光線のうち少なくとも一つによって提示される光線の直線状断面方向に、当該ツールの軸方向を設定するものである。
【0010】
加えて、本発明によれば、前記のツール位置提示システム、あるいは、ツール位置設定方法を利用して、所定の空間内における被作業体上にその位置が設定されるツールであって、当該ツールの外周面の一部に、前記少なくとも2つの平面状光線のうち少なくとも一つの光線の直線状断面により提示される方向に当該ツールの軸方向を合わせるための手段を備えているものが提供される。なお、前記光線の直線状断面により提示される方向に当該ツールの軸方向を合わせるための手段は、当該ツールの軸方向に形成された直線状のマークであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
本発明の一実施の形態になるツール位置提示システムの一構成例を、添付の図1に示す。なお、ここに示すツール位置提示システムは、その一例として、外科手術において、すなわち、手術室である所定の空間内において、ツールである手術用のドリルをその一例として、例えば患者の身体の一部(例えば、脊椎骨の一部)に対して、正確にその挿入位置及び方向を設定するために使用されるものである。
【0013】
このシステムは、図からも明らかなように、少なくとも2個のレーザー光照射装置1a、1bとを備えており、かつ、これらのレーザー光照射装置から照射されるレーザー光線の照射角度(位置)を制御するための制御手段として、例えば、コンピュータから構成される制御装置2とを有している。なお、この図1において、符号12は、例えば、手術用のドリルであるツールを、そして、符号10及び11は、上記ツールによる被作業体である患者の身体と、その作業部である術部であるその一部を示している。
【0014】
なお、図には示していないが、上記ツールによる作業者(術者)である医師は、本図の紙面上、その手前に位置しており、上記2個のレーザー光照射装置1a、1bは、この術者の体軸の方向(即ち、医師の体の軸方向であり、垂直方向)と上記ツールである手術用のドリルの軸方向(即ち、その先端から後方の円筒状の本体にむかって延びる軸の方向)とにより形成される面の両側に所定の距離だけ離隔して配置されている。また、この図中における破線は、これら2つのレーザー光照射手段1a、1bから平面状に所定の広がりをもって面状(即ち、断面が直線状)に照射されるレーザー光線の光面を示している。
【0015】
次に、添付の図2には、本システムに使用する、平面状に所定の広がりを有するレーザー光線を照射するためのレーザー光照射装置1a、1bについて、そのより具体的な構成の一例を示す。なお、これらのレーザー光照射装置1a、1bは、その構成において同一であることから、以下には、単に符号1により、統一的に説明を加える。
【0016】
この図2に示すレーザー光照射装置1は、原理的には、照射するレーザー光の照射角度を制御できるものであればよく、例えば、壁面に照射してポイントを指し示すために使用されている。即ち、レーザー光照射装置筐体20内には、レーザー光線を出力するレーザーポインターなどにより構成されるレーザー光線源21と、このレーザー光線源から照射されるレーザー光線の方向を所望の方向に変化させる2つのガルバノスキャナー22、23が設けられており、これらを用いることにより実現されている。
【0017】
なお、より具体的には、これらガルバノスキャナー22、23は、それぞれ、例えばモータ等の回転軸上にミラー(図中の方形部)を搭載して構成されるものであり、そのミラー角度を所望の角度に自在に制御することができるものである(図中の矢印Aを参照)。なお、この例では、一方のガルバノスキャナー23は、図示のように、その軸方向がレーザー光線源21からの出射光線と同一平面上で直角を成すように配置され、かつ、そのミラーは、レーザー光線源21からの出射光線を、垂直面方向に変更するような位置に配置されている。他方のガルバノスキャナー22は、上記一方のガルバノスキャナー23に対して平面上に所定の距離だけ隔離、すなわち、その上方の面上に配置されており、その軸方向をレーザー光線源21からの出射光線と同一方向にして配置されている。
【0018】
なお、この他方のガルバノスキャナー22のミラーは、図からも明らかなように、上記一方のガルバノスキャナー23で反射されたレーザー光線をさらに他の方向へ反射する(図中の矢印Bを参照)。すなわち、これらガルバノスキャナー22、23は、少なくともその一方、又は、両方のミラー角度を変化させることにより、レーザー光線源21からの出射光線を所定の範囲で自在な方向に照射することが可能に(図中の矢印Cを参照)構成されている。
【0019】
また、本発明では、上述したように、2つのレーザー光照射手段1a、1bから平面状に所定の広がりをもって面状(即ち、断面が直線状)に照射されるレーザー光線は、上記2つのガルバノスキャナー22、23の少なくともその一方、又は、両方のミラー角度を、所定の周波数(人間の視覚上で直線に見える程度の、例えば、50Hzの周波数)で所定の角度だけ振動(スキャン)することによって形成されている。
【0020】
すなわち、本実施の形態では、これら2つのガルバノスキャナーのミラー角度を制御することにより、任意の照射角度でレーザー光線を照射することが出来、かつ、これらミラーを高速で動かすことによってレーザー光線を走査し、もって、任意の方向に平面状に所定の広がりをもつ面状のレーザー光を照射することを可能としている。
【0021】
なお、上記の例では、上記2つのレーザー光照射手段1a、1bを、それぞれ、レーザーポインターなどにより構成されるレーザー光線源21と、2つのガルバノスキャナー22、23を用いることにより実現するものとして説明されるが、しかしながら、本発明は、かかる構成のみに限ることはなく、例えば、その他のレーザー光照射手段とシリンドリカルレンズとを組み合わせて構成することも可能であり、あるいは、複数のレーザー光線源を利用して予め面状に照射されるレーザー光線を形成し、その照射方向を、例えば、ロボットアームの先端に搭載することによって自在に変更する構成とすることも可能である。
【0022】
また、上記の実施の形態では、上記2つの照射手段1a、1bとして、特に、レーザー光を照射するものとして説明したが、しかしながら、本発明は、かかる構成のみに限ることはなく、その他の光源(可視光光源)を利用するものであってもよい。しかしながら,上記実施の形態のように、特に、レーザー光線を利用することによれば、その直進性等の特質から、その照射位置において拡散することのない、優れた光によるツール位置の提示(マーク)を実現することが可能となる。
【0023】
また、上記した2つのレーザー光照射装置1a、1bは、上述したように、例えば、術者の体軸の方向と上記ツールの軸方向とにより形成される面の両側に所定の距離だけ離隔して配置されていることとして説明したが、しかしながらこれに限ることなく、それらの位置は、上記術部11が、常に、死角とならない位置及び方向に、例えば、スタンドにより保持され、あるいは、天井から吊り下げて設置することが可能である。なお、上記の図1で示されている例では、レーザー光照射装置が2つ配置されている構成を示したが、その数についても、2つに限定されることなく、2つ以上設置されてもよいことは、当業者であれば明らかであろう。
【0024】
次に、上記にその構成を詳細に説明した、本発明になるツール位置提示システムを利用して、そのツールである手術用ドリルを、被作業体である被術者の身体の一部である術部11に位置合わせを行う方法について、その手順の一例を添付の図3に示すと共に、上記ドリル12と術部11との関係を示す添付の図4を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0025】
まず、上記のツール位置提示システムでは、上記2つのレーザー光照射装置1a、1bの設定位置及び方向を計測する(ステップS101)。次に、術具の目標位置及び方向を制御装置2に入力する(ステップS102)。なお、この術具の目標位置及び方向の入力は、制御装置2に設けられたキーボードやマウスを利用して入力し、あるいは、図示しないが、制御装置と接続された医療用ナビゲーションシステムから入力を行うことも可能である。また、このとき、上記の制御装置2は、レーザー光照射装置1a、1bの位置及び方向を定義している座標系(基準座標系)以外の座標系で与えられた場合には、基準座標系への座標変換を行うこととなる。
【0026】
続いて、上記の制御装置2では、上記のステップで入力された術具の目標位置及び方向及びレーザー光照射装置1a、1bの設置位置及び方向とから、レーザー光線の指令照射角度を求める(ステップS103)。具体的には、例えば上記図2に示されたレーザー光照射装置1を用いた場合には、各ガルバノスキャナー22、23のミラー角度の指令値を求めることとなる。
【0027】
さらに、上記のツール位置提示システムでは、上記のステップS103で求められた指令値に従い、レーザー光を照射する(ステップS104)。具体的には、例えば上記図2に示したレーザー光照射装置2を用いた場合には、上記レーザー光線源21からレーザー光線を照射させると共に、各ガルバノスキャナー22、23を、上記のステップS103で求められた指令値に従って、その回転角度を制御する。すなわち、これによれば、所定の空間内において、2つの平面状の光線が被作業体上の作業部へ向けて照射されることとなる。
【0028】
次に、上記の照射された2つの平面状の光線を利用し、術具(ツール)の位置及び方向の設定は、以下の手順で行われる。なお、この位置設定の作業は、上記図3と共に、添付の図4を参照しながら説明する。
【0029】
まず、上記2つのレーザー光照射装置1a、1bから照射されたレーザー光面は、術者に対しては、図4(a)に示すように、その照射された術部11の表面上で互いに交叉するレーザーライン30a、30bとして認識される。本発明では、このレーザーライン30a、30bの交点が、術具(例えば、手術用ドリル)の目標刺入位置となるので、この交点に術具12の先端(例えば、ドリルの刃の先端)を位置合わせる(ステップS105)。なお、図4に示した術具である手術用ドリル12の位置合わせは、より具体的には、術者である医師が、例えば、その右手にそのグリップ121を把持しながら、その左手でドリル先端のガイド部13から延びたハンド部131を握って誘導することにより行われる。
【0030】
次に、上記した術具12の先端の位置合わせを行った後、上記2つのレーザー光照射装置1a、1bから照射されたレーザー光線は、図4(b)に示すように、術具12の側面、具体的には、上記手術用ドリル12のガイド部13の側面上に照射され、即ち、術具12の一部の表面上にレーザーライン30a、30bとして認識される。
【0031】
ところで、本発明では、上記2つのレーザー光照射装置1a、1bから照射されるレーザー光線は、それぞれ、所定の広がりをもって平面状に形成され、かつ、これらの交線は、所定空間内において、上記ツールの方向を決定する(ステップS106)。すなわち、これらのレーザーライン30a、30bは、その直線状の断面方向に術具の目標方向を示しているので、術者は、術具12の軸方向がこれら2本のこのレーザーライン30a、30bと平行に沿うようにすることにより、予め設定された所望の方向にツールを設定することが可能となる。
【0032】
そこで、本発明では、上記のツール位置提示システムを利用してツールの位置及び方向の設定をより容易かつ確実に実施することを可能とするため、位置決めの際に上記2つのレーザー光照射装置1a、1bから照射されるレーザー光線が照射されるツールの一部には、ツールの軸方向がレーザーライン30a、30bと平行になっていることを確認するためのマークが設けられている。即ち、上記の手術用ドリル12の場合には、その先端付近のガイド部13の側面上に、その軸方向に沿って、ライン状の複数、又は、単数のマークが施されている。これによれば、術者は、ツールの側面の一部に照射されるレーザーライン30a、30bと軸方向のマークとを比較しながら、簡単かつ確実に、その方向を設定することが可能となる。
【0033】
なお、上記の方法では、上記2つのレーザー光照射装置1a、1bから照射される2本のレーザー光線による2本のレーザーライン30a、30bを利用してツールの方向を設定するものとして説明したが、しかしながら、設定精度は低下するものの、その一方のレーザーラインだけを利用することも可能である。なお、この場合には、その方向の設定は、一方のレーザーラインにより提示される所定の空間内における一平面上での方向だけを設定することが可能となる。
【0034】
さらに、上記した例では、特に、所定の空間内において、その位置及び方向を設定するツールとして、例えば、外科手術用のドリルを例として詳細に述べたが、しかしながら、本発明は、その他、例えば、内視鏡(特に、硬性のもの)、腹腔鏡、関節鏡、さらには、カテーテルなど、ワイヤー状の術具の体内への挿入にも適用可能である。
【0035】
また、さらに、上記においては、特に、医療用のツールについて述べたが、本発明は、それ以外にも、例えば、溶接作業におけるトーチ位置及び方向の設定などにも、広く利用することが出来ることは、上記の説明から、当業者であれば明らかであろう。
【0036】
また、以上のように、本発明のツール位置提示システムでは、上述した従来技術のシステムのようにレーザー光照射手段を移動させることなく、2つ(又はそれ以上でも可能)のレーザー光照射装置の照射角度を制御することにより、ツールに対して任意の位置及び方向を提示することが可能となる。また、これらのレーザー光線は、ツールである術具の横方向から照射すればよいので、被作業体上で形成されるレーザーラインは、術具や術者により遮られることなく、常に、術部の表面上に、かつ、その術具(ツール)の側面上に、確実に認識することが可能である。
【0037】
次に、上記図3において符号S101により示した、レーザー光照射手段の設置位置・方向の計測を実施する方法の一例を、以下に、添付の図5を用いて説明する。
【0038】
まず、レーザー光の照射角度を変化させたときのレーザー光の照射位置を計測する。本例ではレーザー光の照射角度はガルバノスキャナー22とガルバノスキャナー23のミラー角度と等価なので、ミラー角度で定義する。ガルバノスキャナー23とガルバノスキャナー22のミラー角度を(0,0)としたときのレーザー光の照射位置をP、Pとし、次に、これらミラー角度を(α,0)としたときの照射位置をP、さらに、これらミラー角度を(0,β)としたときの照射位置をPとし、これらの座標を計測する。なお、このとき、これら角度α、βは0以外の任意の角度でよいが、なるべくガルバノスキャナーのミラー角度の最大値が望ましい。また、上記照射位置P〜Pの座標の計測は、三次元位置計測装置を用いて行うことができる。
【0039】
次に、得られたガルバノスキャナーの角度と照射位置とから、レーザー光照射装置の設置位置及び方向を計算する。ガルバノスキャナー22のミラー中心位置をOとし、かつ、2つのガルバノスキャナーのミラー角度が共に零(0)のときのレーザー光の照射方向を示す単位ベクトルをe、ガルバノスキャナー23のみを回転させたときに照射方向が変化する方向を示す単位ベクトルをe、ガルバノスキャナー22のみを回転させたときに照射方向が変化する方向を示す単位ベクトルをeとする。また、ガルバノスキャナー22とガルバノスキャナー23のミラー間距離をrとする(但し、このrは既知である)。さらに、ガルバノスキャナー22のミラー角度が0のときのレーザー光の等価的な出射位置をO’、ミラー角度がβのときの等価的な出射位置をO’とする。
【0040】
まず、単位ベクトルeは、上記のP、Pから次式により求められる。
【数1】
Figure 0003637025
【0041】
次に、上記のPとeとで定義される直線へ位置Pから下ろした垂線を求め、その垂線の足をP’とすると、単位ベクトルeは、次式により求められる。
【数2】
Figure 0003637025
【0042】
また、上記のPとeで定義される直線へ位置Pから下ろした垂線を求め、その垂線の足をP’とすると、単位ベクトルeは次式により求められる。
【数3】
Figure 0003637025
【0043】
さらに、∠P’OP=βより、P’Oは、以下の式のようになり、
【数4】
Figure 0003637025
【0044】
よって、Oは次式により求められる。
【数5】
Figure 0003637025
【0045】
すなわち、以上のようにすれば、レーザー光照射装置の設置位置と等価なガルバノスキャナー22のミラー位置Oと、設置方向と等価なe、e、eが求めることが出来る。なお、少なくとも3つの照射角度でのレーザー光の照射位置が計測されれば、同様にしてレーザー光照射手段の設置位置・方向を求めることが可能であり、この例で示した照射角度の取り方および演算式により、本発明が限定されるものではないことは言うまでもない。また、上記図2以外のレーザー光照射装置の構成であっても、上記と同様に、その設置位置・方向を求めることは可能であり、すなわち、上記の方法は、レーザー光照射装置の構成により本発明が限定されるものではない。
【0046】
次に、上記図3にした手順において、術具の目標位置・方向と、レーザー光照射手段の設置位置・方向とからレーザー光の指令照射角度を求める演算処理の一例を、添付の図6を用いて説明する。なお、本例は、上記図2に示されるレーザー光照射装置を対象として説明する。
【0047】
まず、術具の目標位置をP、目標方向を示す単位ベクトルをvとする。術具の位置及び方向を提示するには、これらPとvで定義される直線上において、Pを含む線分Pにレーザー光を照射させればよい。このためには、Pにレーザー光を照射するためのガルバノスキャナー23、22のミラー角度α、β、そして、Pに照射するためのミラー角度α、βを求め、さらに、(α,β)と(α,β)の間を2つのガルバノスキャナーの同期をとって角度を変化させればよい。
【0048】
なお、上記Pに照射するためのガルバノスキャナー23、22のミラー角度α、βは、上記のレーザー光照射手段の設置位置Oと設置方向e,e,eとを用いて、次のようにしてを求めることが出来る。すなわち、まず、次式の関係を満たす(x,y,z)を求める。
【数6】
Figure 0003637025
【0049】
これは、次式により求めることが出来る。
【数7】
Figure 0003637025
【0050】
これを用いて、α,βは次式により求めることが出来る。
【数8】
Figure 0003637025
【0051】
同様にすれば、Pに照射するためのガルバノスキャナーのミラー角度を求めることが出来る。
【0052】
以上のようにすれば、ツールである術具の目標位置及び方向と、レーザー光照射装置の設置位置及び方向とから、レーザー光の指令照射角度と等価なガルバノスキャナーへの指令値を求めることが出来る。なお、上記図2以外の光照射装置の構成であっても、上記と同様にして指令照射角度を求めることは可能であり、それ故、本発明は、上述したレーザー光照射装置の構成により限定されるものではない。
【0053】
すなわち、本発明では、ツールの位置及び方向を提示する位置提示システムであって、レーザー光の照射角度を制御できる少なくとも2つのレーザー光照射手段と、レーザー光照射手段を制御する制御手段とを有し、少なくとも2つのレーザー光照射手段から面状に照射されるレーザー光面の交線がツールの目標位置及び方向とから定義される直線と一致させるようにレーザー光の照射角度を制御する位置提示システムが提供される。
【0054】
これによれば、レーザー光照射手段を移動させることなく簡便にツールの目標位置・方向を常に提示することができる。特に、この位置提示システムは外科手術における術具の位置及び方向の提示に使用するとよい。
【0055】
また、本発明によれば、ツールの位置及び方向を提示する位置提示方法であって、レーザー光の照射角度の制御できるレーザー光照射手段の設置位置及び方向を計測し、ツールの目標位置及び方向とレーザー光照射手段の設置位置及び方向とからレーザー光の指令照射角度を演算し、指令照射角度に基づきレーザー光照射手段を制御する位置提示方法が提供される。特に、この位置提示方法は外科手術における術具の位置・方向の提示に使用するとよい。
【0056】
この位置提示方法におけるレーザー光照射手段の設置位置及び方向の計測は、少なくとも3つの照射角度で照射したレーザー光の照射位置を計測し、少なくとも3つの照射角度と計測されたレーザー光の照射位置とからレーザー光照射手段の設置位置・方向を演算することにより行う。
【0057】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、ツールの目標位置及び方向を指示する光線が容易にツールや当該ツールによる作業者の位置などによって遮られることなく、かつ、より正確にツールの位置及び方向を、被作業体上に提示することが可能となる、実用的にも優れた、ツール位置提示システム、及びこれを利用したツール位置設定方法、並びに、そのためのツールを提供するが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるツール位置提示システムの概略構成の一例を示すブラック図である。
【図2】上記図1のツール位置提示システムに使用されるレーザー光照射装置の具体的な構成例を説明する図である。
【図3】本発明になるツール位置提示システムの動作及びこれを利用したツール位置設定方法の詳細を示すフローチャート図である。
【図4】本発明になるツール位置提示システムを利用したツール位置設定方法を説明するため、ツール上に表示されるレーザーラインを含めた説明図である。
【図5】上記本発明におけるレーザー光照射手段の設置位置・方向の計測方法の一例を説明する説明図である。
【図6】本発明における術具の目標位置・方向とレーザー光照射手段の設置位置・方向とからレーザー光の指令照射角度を求める方法の一例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1、1a、1b レーザー光照射装置
2 制御装置
10 被作業体(被術者)
11 作業部(術部)
12 術具(手術用ドリル)
20 レーザー光照射装置筐体
21 レーザー光線源
22、23 ガルバノスキャナー
30a、30b レーザーライン

Claims (7)

  1. 所定の空間内において、被作業体上におけるツールの位置を提示するツール位置提示システムであって、当該空間内の異なる点に位置し、当該点から平面状に所定の広がりを有する光線を照射する少なくとも2つの光源と当該少なくとも2つの光源から照射される平面状の光線の照射角度を制御する制御装置とを備え、かつ、前記ツールの外周面の一部には、前記少なくとも2つの平面状の光線の少なくとも一つの光線により提示される方向と平行になっていることを確認して当該方向に前記ツールの軸方向を合わせるための部材を当該ツールの軸方向に形成しており、前記ツールの先端部の位置を、前記少なくとも2つの平面状の光線の交差点によって提示すると共に、前記少なくとも2つの平面状の光線を前記ツールの一部に形成した前記軸方向を合わせるための部材に照射することによって、当該ツールの方向を提示することを特徴とするツール位置提示システム。
  2. 前記請求項1に記載したツール位置提示システムにおいて、前記所定の空間は手術室であり、かつ、前記ツールは手術用具であることを特徴とするツール位置提示システム。
  3. 前記請求項1に記載したツール位置提示システムにおいて、前記ツールは手術用ドリルであることを特徴とするツール位置提示システム。
  4. 所定の空間内において、前記請求項1に記載したツール位置提示システムを利用して、被作業体上におけるツールの位置を設定するツール位置設定方法であって、前記ツールの先端部の位置を、前記少なくとも2つの平面状の光線の交差点によって提示すると共に、前記少なくとも2つの平面状の光線を、前記ツールの一部に形成した前記軸方向を合わせるための部材に照射することによって、当該ツールの方向を提示することを特徴とするツール位置設定方法。
  5. 前記請求項1に記載したツール位置提示システム、あるいは、前記請求項7に記載したツール位置設定方法を利用して、所定の空間内における被作業体上にその位置が設定されるツールであって、当該ツールの外周面の一部に、前記少なくとも2つの平面状光線のうち少なくとも一つの光線の直線状断面により提示される方向に当該ツールの軸方向を合わせるための手段を備えていることを特徴とするツール。
  6. 前記請求項に記載したツールであって、前記光線の直線状断面により提示される方向に当該ツールの軸方向を合わせるための手段は、当該ツールの軸方向に形成された直線状のマークであることを特徴とするツール。
  7. 前記請求項1に記載したツール位置提示システムにおいて、前記少なくとも2つの平面状の光線を形成するレーザー光の照射角度を演算するための方法であって、
    レーザー照射角度と位置計測装置により計測されるレーザー照射位置とからレーザー照射手段の設定位置及び方向を同定し、
    少なくとも4つのレーザー照射角度とレーザー照射位置との対応関係からレーザー照射手段の設定位置及び方向を同定し、
    任意のレーザー照射角度(方向1)におけるレーザー光線上の少なくとも2点の座標と、前記方向1とは別の方向(方向2)へ照射角度を変化させたときのレーザー光線上の少なくとも1点の座標と、前記方向1及び前記方向2とは別で、かつ、前記方向1及び前記方向と同一平面内にない方向(方向3)へ照射角度を変化させたときのレーザー光線上の少なくとも1点の座標とを計測し、計測したレーザー照射角度とレーザー光線上の点の座標からレーザー照射手段の設置位置及び方向を同定し、
    前記レーザー照射手段の設定位置及び方向を定義した座標系におけるレーザー照射目標位置と、レーザー照射手段に貼り付けた座標系とからレーザー照射角度を求めることを特徴とするレーザー光照射角度演算方法。
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