JP3635306B2

JP3635306B2 - ハンドルステムおよび速度表示装置

Info

Publication number: JP3635306B2
Application number: JP2002169559A
Authority: JP
Inventors: 治木下
Original assignee: 株式会社キャットアイ
Priority date: 2002-06-11
Filing date: 2002-06-11
Publication date: 2005-04-06
Anticipated expiration: 2022-06-11
Also published as: JP2004009973A; CN1472107A; US20030230228A1; TWI222414B; TW200400141A; DE10326093A1; CN1297438C; US6981413B2

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車用のハンドルステムおよび速度表示装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図６は、従来の自転車の前部を示す図である。この自転車のハンドルステム１２０の前方突出部の先端にハンドルバー１３８が保持されている。ハンドルステム１２０の前方突出部の上面においてライダから見易い位置に、表示装置収納凹部１３４が設けられ、この表示装置収納凹部１３４に、速度等を表示する表示装置１３５が嵌め込まれている。表示装置からはリード線１４９が延びており、中空の縦ロッド１２１およびヘッドチューブ１０７などの中を通り、センサ１１６に接続されている。センサ１１６は磁場を感知する素子からなり、小型永久磁石１１５が回転してセンサ１１６の近くを通り過ぎる際に磁束を感知する。リード線１４９は外から見えないように、縦ロッド１２１などの中を通しているが、ヘッドチューブ１０７に巻き付け、外から見える構成にしてもよい。
【０００３】
図７は、図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿う断面図である。図示するハンドルステム１２０は、その下部が自転車のヘッドチューブ内に挿入される中空の縦ロッド１２１と、その縦ロッド１２１の上方端から前方に延びる前方突出部１２２と、前方突出部１２２の前方端に設けられたハンドルバー保持部１２３とを備える。ハンドルバー保持部１２３には、ハンドルバー１３８を挿通させるための挿通孔１３９が設けられ、ハンドルバー１３８を挿通孔１３９の中に挿通させ、ハンドルステム１２０の前方突出部１２２に固定することができる。
【０００４】
ハンドルステム１２０には、縦ロッド１２１の下方端に嵌入され上方に移動することによって縦ロッド１２１を自転車の前ホークステムに固定する嵌入部材１２４が備えられる。また、縦ロッド１２１および嵌入部材１２４を貫通して延び嵌入部材１２４を上方に移動させるための引き上げ棒１２６を備えている。
【０００５】
引き上げ棒の雄ねじに螺合される嵌入部材１２４は、引き上げ棒の回転にも回転しないように係合しており、引き上げ棒を回転させることにより、上方に移動し、縦ロッドの下方端を拡開する。縦ロッドが拡開すると、その外面が広がり、前ホークステムに固定される。
【０００６】
前方突出部１２２は好ましくは扁平形状とされ、その上面に凹部１３４が設けられる。速度等を表示する表示装置１３５は、この凹部１３４に収められる。凹部１３４の下面には、前方突出部１２２の下面にまで貫通する固定用孔１３６が設けられている。固定用孔１３６は、表示装置１３５を凹部１３４に固定するために用いられる。すなわち、図７に示すように、固定用孔１３６内には前方突出部１２２の下方から固定用ねじ１３７が挿入され、表示装置の底壁に設けた雌ねじに螺合される。上記固定用ねじの螺合により表示装置は凹部１３４に固定される。
【０００７】
表示装置１３５には、本体内に電池が収納されており、液晶表示部や各種演算を行う半導体装置の電力を供給している。表示装置から引き出されたリード線１４９は、引き上げ棒の軸線に沿って開けられた貫通孔を通り、速度計などのセンサから導かれたリード線と、例えば、ヘッドチューブ（図示せず）内でコネクタを介して接続される。
【０００８】
上記の構造により、ライダは自転車走行中に表示装置に表示される速度、走行距離などを確認することができる。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の表示装置は、これを取り外すのにドライバやスパナなどの工具を必要とする。気軽に自転車に乗る場合、工具などを持たないのが普通であり、電池交換のためなどに行う表示装置の取り外しが限られた場所でしかできない。また工具を携行すると、重量増をもたらし、自転車走行に好ましくない。さらに、上記の表示装置を取り外す場合、表示装置全体を必ずハンドルステムから取り外す必要がある。電池交換の度に表示装置全体を取り外す場合、その頻度が高くなり、リード線が断線したり、接触不良を生じる危険性が高くなる。
【００１０】
本発明の目的は、表示装置全体をハンドルステムから取り外すことなく、電池を簡単に交換することができるハンドルステムおよび速度表示装置を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明のハンドルステムは、自転車のヘッドチューブに装着されるハンドルステムである。このハンドルステムは、速度表示装置と、上記ハンドルステムの上面に設けられた凹部であって、その速度表示装置を嵌め込むように収納する表示装置収納部とを備える。速度表示装置は、配線基板および液晶表示部を含む本体部と、該本体部から取り外し可能な、一端が開口し他端が閉じた筒状の電池収納部とからなり、本体部を表示装置収納部に固定することにより、速度表示装置がハンドルステムに取り付けられ、電池収納部が着脱自由とされている。そして、表示装置収納部の凹部の底部には下方に開口する貫通孔が設けられ、本体部がその底部に貫通孔の範囲内に入る係合部を有し、電池収納部は開口端に係合部に係合する係止爪を有し、その貫通孔からその筒形状の軸方向が下方に延び出る配置になるようにその係合部を係合し、ハンドルステムの下方からその電池収納部を着脱する。
【００１２】
この構成により、表示装置の本体部を取り外すことなく、電池交換を行うことができる。このため、工具を必要とせず、また、リード線の断線や接触不良を生じる要因の１つを解消することができる。表示装置がハンドルステムに取り付けられる位置は、通常、ハンドルステムの前方突出部であり、ハンドルを握るライダが見やすい上面部に表示画面が配置される。しかし、表示装置が取り付けられる位置は、必ずしも前方突出部である必要はない。また、本体部の表示装置収納部にへの固定は、接着剤で接着してもよいし、ねじなどにより着脱自由に固定してもよい。また、センサと速度表示装置とを電気的に接続するリード線は、ハンドルステムやヘッドチューブの中を通るように配置されてもよいし、ハンドルステムやヘッドチューブの外側に配置されてもよい。また、上記の構成により、ハンドルステムの内部や下方に電池収納部を配置し、ライダーにとって見やすいハンドルステムの上面に、表示装置のみを配置することができる。このため、速度表示装置を配置したハンドルステムの意匠性を向上させることができる。また、ハンドルステムの下方から手を差し入れ、電池収納部に触ることができる。このため、速度表示装置の本体部の底部から電池収納部を外したり、または装着する操作を容易に行うことができる。
【００１３】
上記の表示装置における表示は、速度表示、所定地点からの走行距離表示、また無線による脈拍信号を受けて行う脈拍表示などが対象になる。所定時点からの時間経過を表示してもよい。上記の表示装置における表示は、単一の測定結果の表示でもよいし、複数の測定結果を選択して表示してもよいし、一目で複数の測定結果を表示してもよい。
【００１４】
上記の電池収納部は下方から着脱される配置に限定されず、表示画面と同じハンドルステムの上面に配置してもよいし、また側方に配置してもよい。
【００１５】
また、上記の表示装置収納部は、上部を表示装置の本体部を収納する凹部とし、下部をその凹部に連結する貫通孔とし、電池収納部をその貫通孔から下方に露出させるとができる。
【００１６】
この構成により、ハンドルステムの内部や下方に電池収納部を配置し、ライダーにとって見やすいハンドルステムの上面に、表示装置のみを配置することができる。このため、速度表示装置を配置したハンドルステムの意匠性を向上させることができる。また、ハンドルステムの下方から手を差し入れ、電池収納部に触ることができる。このため、速度表示装置の本体部の底部から電池収納部を外したり、または装着する操作を容易に行うことができる。
【００１７】
また、上記の本体部をハンドルステムに固定し、着脱不可能とすることができる。
【００１８】
この結果、例えば本体部が盗難に会う危険性を減らすことができる。
本発明の表示装置は、自転車のハンドルステムに設けた凹部に嵌め込まれ取り付けられる速度表示装置である。この表示装置は、配線基板および液晶表示部を含む本体部と、該本体部から取り外し可能な、一端が開口し他端が閉じた筒状の電池収納部とを備え、本体部をハンドルステムに固定するための固定手段を有する。そして、本体部はその底部に係合部を有し、電池収納部は開口端に係合部に係合する係止爪を有し、その係合部からその筒状の電池収納部がその筒形状の軸方向を突き出す配置となるようにその係合部に係合する。
【００１９】
上記の固定手段には、着脱自由な固定手段、例えばボルトなどによる螺合固定手段や、着脱不可能な接着剤による接着固定手段などを用いることができる。この速度表示装置の構成により、上記本発明のハンドルステムに嵌め込み取り付けることにより、上記ハンドルステムにおいて述べた効果を得ることができる。すなわち表示装置全体を取り外すことなく電池を簡単に交換することができる。
【００２０】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図１は、本発明の実施の形態におけるハンドルステムを示す斜視図である。このハンドルステム１０は、中空の縦ロッド７の上端に前方突出部６が設けられている。前方突出部６の先端部にハンドルバー挿入孔９が設けられたハンドルバー保持部８が配置され、ハンドルバー１１が保持される。前方突出部６の中央に表示装置収納部が設けられている。表示装置収納部は、収納凹部１と、その収納凹部の底面１ａに開口する貫通孔２とから形成される。表示装置３は、液晶表示装置と配線基板とからなる本体部４と、電池収納部５とからなる。本体部４は、図１に見える範囲で、保護のための透明プレート４ａと、液晶部４ｂと、配線基板４ｅと、底部４ｃとを有している。底部４ｃには外に突き出るように係合部が設けられている。本体部４は、収納凹部１に嵌め合わされ、本体部の底部４ｃと収納凹部の底面１ａとが接着剤で接着され固定される。電池収納部５は、電池ケース係止爪５ｃを備えており、この係止爪により貫通孔２の下方から本体部底部の係合部に係合され、着脱自由である。
【００２１】
図２は、図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。液晶表示装置３の本体部４は、前方突出部６の上面中央の収納凹部１に嵌め込まれ、その本体部４の底部４ｃが収納凹部の底面１ａに接着され固定されている。ライダは、表示装置３の透明プレート４ａを通して液晶部４ｂの表示を見ることができる。また、本体部４の中には配線基板４ｅが配置されている。
【００２２】
収納凹部１の底面１ａに開口する貫通孔２は、円筒型の電池収納部５に対して余裕をもって設けられている。電池収納部５の電池ケース５ｂには電池５ａが２個収納され、貫通孔２から下方に突き出している。前方突出部６は平坦上面を有する上部１５と、下部１６とを有する。前方突出部６にハンドルバーを挟み込む挿入孔９の一部を形成するとともに、電池収納部５が下方に突き出る空間を形成している。さらに下部１６には、電池収納部５の電池ケース５ｂを前方突出部６の下方から着脱自由にするために、収納ケース着脱操作孔１４が設けられている。
【００２３】
ばね１３は、電池の電気的接続をより確実にするとともに、電池と電池ケースとの複合体を、本体底部に設けられた係止爪に係止しやすくし、かつ係止する力を増すことができる。
【００２４】
上記の構造によれば、ハンドルステムの前方突出部６の下部１６の孔１４から手や指を差し入れ、電池ケース５ｂに触ることができる。このため、電池ケースを回転させ、電池５ａを収納したまま、本体部の底部から外し、または装着する操作を容易に行うことができる。また、ハンドルステムの内部や下方に電池収納部を配置し、ライダーにとって見やすいハンドルステムの上面に、表示装置のみを配置することができる。このため、速度表示装置が配置されたハンドルステムの意匠性を向上させることができる。
【００２５】
図３は、図２のハンドルステムを下方から見た図である。ハンドルステムの下部１６には楕円形の孔１４が設けられている。楕円形の孔１４を通して最も外側に上部１５の底面が見えている。上部１５に設けられた収納凹部１には貫通孔２が設けられている。図３において、この貫通孔２の直ぐ内側に、本体部の底部４ｃが見える。この本体部の底部４ｃには、電池ケースに設けられた係止爪５ｃが係合される係合部４ｄが設けられる。図３では、本体部の係合部４ｄに係止爪５ｃを係止させる途中の状態を示す。
【００２６】
図４および図５は、表示装置び本体部４の底部４ｃに設けられた係合部４ｄに係止爪５ｃが係合される様子を示す図である。図４は、電池ケース５ｂを回転し、係合部４ｄに係止爪５ｃを係止する前の状態を示し、図５は、電池ケースを回転させ、その係止爪５ｃを本体部の係合部４ｄに係合した状態を示す。このような電池収納部の取付手段を用いることにより、簡単な操作により容易に電池ケースをハンドルステムの前方突出部の下方から、本体に着脱することができる。
【００２７】
なお、本実施の形態では、速度表示装置とセンサとを電気的に接続するリード線の配置については説明しなかった。しかし、本発明の実施の形態では、上記リード線は、ハンドルステムやヘッドチューブの中を通すことにより外から見えないようにしたタイプでもよいし、ハンドルステムやヘッドチューブの外側を通るように配置されたタイプでもよい。
【００２８】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるハンドルステムを示す分解斜視図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。
【図３】図２のハンドルステムの前方突出部の下方から電池収納部を見た図である。
【図４】電池ケースを表示装置本体部の底部に係止する直前の断面図である。
【図５】電池ケースを表示装置本体部の底部に係止した後の断面図である。
【図６】自転車の前部を示す図である。
【図７】図６のハンドルステムのＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿う断面図である。
【符号の説明】
１収納凹部、１ａ収納凹部底面、２貫通孔、３表示装置、４表示装置本体部、４ａ透明プレート、４ｂ液晶部、４ｃ表示装置本体底部、４ｄ係合部、４ｅ配線基板、５電池収納部、５ａ電池、５ｂ電池ケース、５ｃ電池ケース係止爪、６前方突出部、７縦ロッド、８ハンドルバー保持部、９ハンドルバー挿入孔、１０ハンドルステム、１１ハンドルバー、１３ばね、１４操作用貫通孔、１５上部、１６下部。

Claims

自転車に組み込まれるハンドルステムであって、
速度表示装置と、前記ハンドルステムの上面に設けられた凹部であって、その速度表示装置を嵌め込むように収納する表示装置収納部とを備え、
前記速度表示装置は、配線基板および液晶表示部を含む本体部と、該本体部から取り外し可能な、一端が開口し他端が閉じた筒状の電池収納部とからなり、
前記本体部を前記表示装置収納部に固定することにより、前記速度表示装置が前記ハンドルステムに取り付けられ、前記電池収納部が着脱自由とされ、
前記表示装置収納部の凹部の底部には下方に開口する貫通孔が設けられ、前記本体部がその底部に前記貫通孔の範囲内に入る係合部を有し、前記電池収納部は前記開口端に前記係合部に係合する係止爪を有し、その貫通孔からその筒形状の軸方向が下方に延び出る配置になるようにその係合部を係合し、前記ハンドルステムの下方からその電池収納部を着脱する、ハンドルステム。
前記本体部は前記ハンドルステムに固定され、着脱不可能とされている、請求項１に記載のハンドルステム。
自転車のハンドルステムに設けた凹部に嵌め込まれ取り付けられる速度表示装置であって、
前記速度表示装置は、配線基板および液晶表示部を含む本体部と、該本体部から取り外し可能な、一端が開口し他端が閉じた筒状の電池収納部とを備え、
前記本体部を前記ハンドルステムに固定するための固定手段を有し、
前記本体部はその底部に係合部を有し、前記電池収納部は前記開口端に前記係合部に係合する係止爪を有し、その係合部からその筒状の電池収納部がその筒形状の軸方向を突き出す配置となるようにその係合部に係合する、速度表示装置。