JP3632785B2 - 結球野菜収穫機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、キャベツ等の結球野菜収穫機において、結球野菜を掘り取った後に搬送して非結球葉(オニ葉または外葉)を切り取り放出する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からキャベツ等の結球野菜を収穫する自走式の結球野菜収穫機は公知となっている。この結球野菜収穫機は走行装置より前方に一対のスクリューからなるメイン搬送装置を前低後高に平行に配置し、その上方には上面搬送ベルトと側面搬送ベルトを設け、前部に掘取部を配置し、掘取部によって掘り取った結球野菜は、メイン搬送装置によって茎側部を挟持し、上面を上面搬送ベルトにより押さえて、側部を側部搬送ベルトによって挟持して後方へ搬送し、この搬送する途中で結球野菜の茎部を切断し、後端の走行装置上に設けた収納容器に収納するように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術において、結球野菜を掘り取ってメイン搬送装置へ受け渡し、後方へ搬送するときに非結球葉や茎部を円板形のカッターで切断し、結球部分を更に後方へ搬送して収納容器に収納するようにしていたが、非結球葉や茎部の切断後においても、側部搬送装置に非結球葉が挟持されたまま搬送され、収納容器まで搬送されることがあった。このように選別搬送装置や収納容器まで非結球葉が搬送されると、人手によって取り出すことになり、手間がかかって作業効率を低下させていたのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
前部に掘取装置Aを設け、その後部に一対の側面搬送装置12とその下部に一対のスクリュー形のメイン搬送装置14を前後方向に配置し、結球野菜を掘り取り、両側を保持して後方へ搬送しながら非結球葉や茎部を切り取る結球野菜収穫機において、メイン搬送装置14の前下部に根部切断装置20を設け、後部上に円板形の茎部切断装置21を設け、メイン搬送装置14の後端よりも後方に茎部切断装置21の回転軸芯を設け、該茎部切断装置21よりも後方に側面搬送装置12の後端を位置させ、更に、前記メイン搬送装置14の搬送速度を左右異なるように駆動するとともに、前記側面搬送装置12とメイン搬送装置14の間に一対の非結球葉ガイド23を設け、該非結球葉ガイド23の前部を側面搬送装置12より前方に突出し、後部を前記茎部切断装置21と平面視で重複するように配置したものである。
【0005】
【作用】
次に、作用を説明すると、結球野菜を掘取装置によって掘り取り、後方へ搬送して、メイン搬送装置によって結球野菜の茎部を挟持して後方へ搬送する時に、メイン搬送装置の前部で根部が切断され、このメイン搬送装置から側部搬送装置までの間で、非結球葉ガイドと左右のメイン搬送装置の回転速度差により、結球野菜は回転されながら、非結球葉は結球部より下方外側へ剥がされて後方へ送られ、メイン搬送装置の後端の茎部切断装置によって茎の根元と非結球葉が切除されて下方へ落下され、結球部は側部搬送装置によって後端まで搬送されて、後端から選別搬送装置へ受け継がれて収納される。
【0006】
【実施例】
次に、実施例を説明する。図1は本発明の結球野菜収穫機の前部側面図、図2は搬送部の平面図、図3はメイン搬送装置と非結球葉ガイドと側部搬送装置部分の側面図、図4は同じく平面図、図5は図3におけるX−X矢視断面図、図6は非結球葉ガイド後部の他の実施例と茎部切断装置の側面図である。
【0007】
まず、図1において、結球野菜収穫機でキャベツを収穫する場合の全体構成について説明する。本実施例の結球野菜収穫機は、クローラー式走行装置1上に機体フレーム2を載置し、該機体フレーム2上に収納部3を設け、機体フレーム2前部にキャベツの掘取部Aと搬送部Bを設けている。該搬送部Bの後部にはキャベツKの選別を行い、良品を収納部3へ搬送する選別搬送装置4を配置している。
【0008】
前記搬送部Bは図1、図2に示すように、左右平行に搬送フレーム9L・9Rが前後方向に配置され、該搬送フレーム9L・9Rの後下部が機体フレーム2に回動自在に支持され、該搬送フレーム9L・9Rの前下部と機体フレーム2の間には油圧シリンダー5が介装されて昇降回動可能としている。そして、該搬送フレーム9・9に掘取部Aと側面搬送装置12・12とメイン搬送装置14・14と非結球葉ガイド23等が取り付けられている。該搬送部Bの前端には掘取部Aが設けられており、該掘取部Aは一対の掻込装置6・6と一対のメイン搬送装置14・14の前搬送部14a・14aとゲージ輪11・11からなり、ゲージ輪11・11で掘取高さを設定し、掻込装置6はスターホィールまたはタインを突出したものを互いに逆方向に回転させてキャベツKをその間へ掻き込むようにしている。メイン搬送装置14・14は前低後高に平行に配置されて、互いに逆方向に回転させており、このメイン搬送装置14・14の前搬送部14a・14aがキャベツKの茎を挟持して後上方へ引き抜くように搬送して掘取部Aの一部を形成している。
【0009】
前記メイン搬送装置14・14は側面視「く」字状に構成されて、前搬送部14aを掘取部Aに位置させ、後搬送部14bを搬送部Bに位置させ、両側のメイン搬送装置14・14を軸心回りに互いに逆方向に、かつ、回転速度が異なるように回転させることでキャベツKを後方へ搬送面で回転させながら搬送するようにしている。該メイン搬送装置14・14の上方には、メイン搬送装置14と平行に、側面搬送装置12が配設され、該側面搬送装置12とメイン搬送装置14の間に非結球葉ガイド23が設けられている。
【0010】
該側面搬送装置12は、図2、図4、図5に示すように、搬送フレーム9L・9R上にゴム等の弾性材よりなるベルト12aが左右前後方向に巻回されており、該ベルト12aは図5に示すように、断面視略逆L字状に構成して、両側のベルト12a・12aでキャベツKの側面と斜め上方を押さえられるようにしている。該ベルト12aは駆動プーリー26と従動プーリー27と、この両者の間に搬送左右中央側に配置したガイド板29に台形状に巻回されて、該ガイド板29は駆動プーリー26と従動プーリー27の間に配置された押さえガイド16を介して中央下方へ押圧されている。つまり、押さえガイド16は前後左右に(本実施例では四箇所)配置されて、それぞれ搬送フレーム9より上方へ突設した取付フレーム15との間に圧縮バネ24が介装されて、該圧縮バネ24によって押さえガイド16が下方へ付勢される。更に、搬送フレーム9と押さえガイド16との間にバネ25が介装されて、押さえガイド16が中央側へ付勢される。よって、ベルト12aが搬送時のキャベツKを中央側下方へ押圧し、キャベツKがメイン搬送装置14・14より浮き上がらないようにして安定して搬送できるようにし、後述する不要部分の切断時に適正位置に位置決めされて切り残しがないようにしている。また、上面搬送装置を省く構成としている。
【0011】
そして、メイン搬送装置14・14の前下部には根部切断装置20が、後上部には茎部切断装置21が配置されており、根部切断装置20と茎部切断装置21は円板状の回転刃からなり、回転軸を搬送面と直角方向に配置して、メイン搬送装置14・14の間に刃部が位置するように配設している。そして、該茎部切断装置21の回転軸心はメイン搬送装置14のスクリュー(搬送凸部)よりも後部に配置し、前記側面搬送装置12は茎部切断装置21よりも後方まで延設している。従って、非結球葉Kaや茎部Kbは茎部切断装置21によって切断されると下方へ落下し、結球部のみ側面搬送装置12によって選別搬送装置4へ搬送される。
【0012】
そして、図1〜図5に示すように、前記根部切断装置20と茎部切断装置21の間のメイン搬送装置14上方に一対の非結球葉ガイド23・23が配設されており、該非結球葉ガイド23は弾性体を丸棒状に構成して回転駆動され、前部はメイン搬送装置14より上外方向へ斜めに配設され、即ち、平面視で「ハ」字状に、側面視で「く」字状に構成して、後部はメイン搬送装置14と側面搬送装置12の間に配置して、後部は茎部切断装置21に平面視で重複するうように配置し、後端部23aは図3に示すように、尖状に構成して、茎部切断装置21がキャベツKの搬送面に近づくようにするとともに、キャベツKの茎部を極端に浅切りしないようにしている。なお、前記非結球葉ガイド23は回転させずに固定しておくことも可能であり、この場合の非結球葉ガイド23の後端は、図6に示すように、茎部切断装置21を挿入できる大きさのスリット23bを開口し、茎部切断装置21の前部を挿入して重複配置し、キャベツKの茎部の切り残しを小さく、しかも、極端な浅切りもしないようにしている。
【0013】
このように構成することにより、掘取部AをキャベツKが栽培されている条に合わせて結球野菜収穫機を前進させながら収穫作業を行うと、掻込装置6によって左右中央側へキャベツKを掻き込み、メイン搬送装置14・14の前搬送部14a・14aで根部及び茎部Kbを挟持して後方へ送りながら引き抜き持ち上げる。そして、メイン搬送装置14・14の後搬送部14b・14bの搬送時において、根部切断装置20によってキャベツKの茎部Kbの下部の根部が切断され、左右のスクリューの回転数差によって、キャベツKは回転されながら後方へ搬送される。この後搬送部14b・14bによる搬送時に、図3、図4に示すように、非結球葉ガイド23の回転とキャベツKの回転によって、非結球葉Kaが徐々に外方向へ広げられながら下方へ剥がれ、そして、側面搬送装置12によってキャベツKの斜め上面と側面が挟持されて、中央下方へ押さえながら後方へ搬送される。
【0014】
そして、後搬送部14b・14bの後部で、後方へ搬送されながら茎部切断装置21によって茎部Kbの根元が切断され、仕上げ切りされる。このとき非結球葉Kaと茎部Kbが同時に切除され、メイン搬送装置14・14の終端に位置しているので下方の圃場面へ落下する。そして、キャベツKの結球部は側面搬送装置12によって挟持されながら搬送され、後端からは選別搬送装置4によって収納部3内へ搬送されて収納される。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
メイン搬送装置の後端よりも後方に茎部切断装置の回転軸芯を設け、該茎部切断装置よりも後方に側面搬送装置の後端を位置させたので、不要な非結球葉や茎部が切断後に下方へ落下して、結球部のみが側面搬送装置によって収納容器へ搬送され、非結球葉や茎部を取り除く作業をなくすことができて作業効率を向上することができる。
【0016】
また、側面搬送装置とメイン搬送装置の間に非結球葉ガイドを設け、該非結球葉ガイドの前部を側面搬送装置より前方に突出し、後部を茎部切断装置と平面視で重複するように配置したので、非結球葉が搬送とともに外下方へ剥がれて、結球部と分離できるようになり、茎部の切断部においては、茎部の根元と結球部との境界部分の位置決めが容易にできるようになり、その境界部分が切断されて、非結球葉も同時に切断されて、浅切りや深切りをなくして、商品価値の高い結球野菜が収穫できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結球野菜収穫機の前部側面図である。
【図2】搬送部の平面図である。
【図3】メイン搬送装置と非結球葉ガイドと側部搬送装置部分の側面図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】図3におけるX−X矢視断面図である。
【図6】非結球葉ガイド後部の他の実施例と茎部切断装置の側面図である。
【符号の説明】
A 掘取装置
K キャベツ
12 側面搬送装置
14 メイン搬送装置
20 根部切断装置
21 茎部切断装置
23 非結球葉ガイド
Claims (1)
- 前部に掘取装置Aを設け、その後部に一対の側面搬送装置12とその下部に一対のスクリュー形のメイン搬送装置14を前後方向に配置し、結球野菜を掘り取り、両側を保持して後方へ搬送しながら非結球葉や茎部を切り取る結球野菜収穫機において、
メイン搬送装置14の前下部に根部切断装置20を設け、後部上に円板形の茎部切断装置21を設け、メイン搬送装置14の後端よりも後方に茎部切断装置21の回転軸芯を設け、該茎部切断装置21よりも後方に側面搬送装置12の後端を位置させ、
更に、前記メイン搬送装置14の搬送速度を左右異なるように駆動するとともに、前記側面搬送装置12とメイン搬送装置14の間に一対の非結球葉ガイド23を設け、該非結球葉ガイド23の前部を側面搬送装置12より前方に突出し、後部を前記茎部切断装置21と平面視で重複するように配置したことを特徴とする結球野菜収穫機。
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JP15335795A JP3632785B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 結球野菜収穫機 |
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