JP3632037B2 - 回動角検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば回動軸の回動角等を検出するのに好適に用いられる回動角検出装置に関し、特に自動車用エンジンのスロットルバルブ開度、アクセルペダル開度等を検出するのに用いられる回動角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、回動角検出装置は、自動車用エンジンのスロットルバルブ開度、アクセルペダル開度等を検出するのに広く用いられている。そこで、回動角検出装置によってスロットルバルブ開度の検出を行う場合を例に挙げて説明する。
【0003】
電子制御式燃料噴射装置を備えた自動車用エンジン等では、エンジンの吸気通路の途中にスロットルバルブを設け、該スロットルバルブの開度を回動角検出装置により検出する構成としている。そして、該回動角検出装置からの信号は、エンジンの吸入空気量に対応した信号としてコントロールユニットに出力され、該コントロールユニット側では吸入空気量に従って燃料の噴射量を演算するものである。このような自動車用エンジン等に用いる回動角検出装置として、マグネット、ヨーク等を用いた非接触型のものが知られている(例えば特開平9−189508号公報、特開平9−189509号公報等)。
【0004】
ここで、従来技術による回動角検出装置は、スロットルバルブの弁開度に応じて回動する回動軸に設けられたマグネットと、該マグネットの周囲をほぼ全周に亘って取り囲む複数個のヨークと、該各ヨーク間に配設された複数のホール素子とから構成されている。
【0005】
そして、従来技術の回動角検出装置では、マグネットと複数個のヨークとによって複数の磁気回路を構成し、各磁気回路毎に独立してホール素子を配設している。これにより、複数のホール素子によって複数の磁気回路の磁束密度を検出し、これらのホール素子による信号を用いることによって回動軸の回動角、即ちスロットルバルブの弁開度を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による回動角検出装置では、各磁気回路毎にそれぞれ1個のホール素子を配設し、磁気回路の磁束密度を検出する構成としている。また、ホール素子は、マグネットとヨークとからなる磁気回路において、2個のヨーク間に配設されている。ここで、ホール素子周囲の磁束密度は、ホール素子がヨーク間でいずれの位置に配設されているかによって大きく変化する。従って、1個のホール素子で磁気回路の磁束密度を検出するときには、ホール素子の配置される位置によってホール素子から出力される信号が大きく変化する。また、ホール素子が配置される位置は、回動角検出装置毎に僅かに異なる。このため、従来技術による回動角検出装置では、製品毎にホール素子周囲の磁束密度にばらつきが生じ、回動角の検出精度が低下し易いという問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明はヨーク間の磁束密度を正確に検出し、回動角の検出精度を高めることができるようにした回動角検出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、回動可能に設けられたマグネットと、該マグネットを挟んで径方向で対向した第1,第2の磁極片部から径方向内向きに延びた第1,第2のオーバハング部をマグネットの回動中心上で互いに重なり合って形成してなる第1,第2のヨークと、該第1,第2のヨークを構成する第1,第2のオーバハング部間に位置して、それぞれ異なる場所に設けられた複数個の磁電変換素子とからなる回動角検出装置において、前記第1,第2のヨークの第1,第2のオーバハング部は、マグネットの回動軸と直交するX軸に対しほぼ対称な扇形状に形成された扇形面部と、該扇形面部の先端に設けられ前記マグネットの回動中心を越える位置まで延びて形成された延長部とよって構成し、前記各磁電変換素子は該各延長部間に位置して前記回動軸およびX軸と直交するY軸上に配列したことを特徴としている。
【0009】
このように構成したことにより、回動角に応じてマグネットと第1,第2の磁極片部との対向面積が変化する。そして、各磁電変換素子はマグネットと第1,第2のヨークとの対向面積に対応した信号を出力するから、各磁電変換素子から出力される信号を用いることによってマグネットの回動角を検出することができる。
【0010】
また、複数個の磁電変換素子をオーバハング部間に位置してそれぞれ異なる場所に設けたから、各磁電変換素子は、マグネットと第1,第2のヨークとからなる磁気回路に対して並列に配置される。このため、各磁電変換素子によって第1,第2のオーバハング部間を通過する磁束を同時かつ独立に検出することができる。そして、これらの複数個の磁電変換素子から出力される信号を用いることによって、オーバハング部間の磁束をより正確に検出することができる。
また、第1,第2のオーバハング部は扇形面部と延長部とによってX軸に対しほぼ対称な形状に形成し、各磁電変換素子を各延長部間に位置してY軸上に配列したから、第1,第2のオーバハング部間の磁束は、Y軸上でほぼ同程度にすることができる。このため、各磁電変換素子の周囲に形成される磁束をほぼ均等化し、各磁電変換素子から出力される信号の偏差を小さくすることができる。
【0011】
また、請求項2の発明は、各磁電変換素子を前記第1,第2のオーバハング部間で前記マグネットの回動中心の近傍に設けたことにある。
【0012】
これにより、各磁電変換素子はマグネットからの磁束が最も通過しにくい位置に配設される。このため、マグネットからの磁束がヨークを通過せずに各磁電変換素子に到達するショートカット磁束の発生を防止でき、このようなショートカット磁束の影響を受けることなく各ヨークを通過する磁束を検出することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回動角検出装置の実施の形態を、図1ないし図8を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図において、1は回動角検出装置の外形をなすケーシングで、該ケーシング1は、軸方向に延びる筒部1Aと、該筒部1Aの軸方向の途中に設けられ後述するカバー18と共に筒部1A内に収容室Aを画成した隔壁部1Bと、該隔壁部1Bから軸方向上向きに突設され、後述のヨーク支持筒3を位置決めする筒状突部1Cと、前記隔壁部1Bから軸方向下向きに突設され、内周側が収容室A内に連通する筒状の軸受保持部1Dと、前記筒部1Aの外周側から径方向外向きに突設された2個のコネクタ部1E,1Eとから構成されている。そして、隔壁部1Bの下側部分は、筒部1Aと軸受保持部1Dとの間が後述する戻しばね17用のばね室Bとなっている。
【0019】
また、ケーシング1にはコネクタ部1Eから収容室A内に延びる複数本のピン端子2(1本のみ図示)が埋設されると共に、ばね室B内には例えば100°程度の角度範囲に亘って切欠き(図示せず)が設けられ、この切欠きによって後述するレバー16の回動範囲を規制している。
【0020】
3はケーシング1の隔壁部1B上に筒状突部1Cによって位置決めされたヨーク支持筒で、該ヨーク支持筒3は樹脂材料等の非磁性材料によって有蓋筒状に形成され、後述する第1,第2のヨーク8,9を樹脂モールド等の手段により一体に保持するものである。そして、ヨーク支持筒3は第1,第2のヨーク8,9と共にケーシング1の筒状突部1C内に着脱可能に嵌着され、後述のマグネット7に対する第1,第2のヨーク8,9の位置決めを行なっている。
【0021】
4はケーシング1内に回動可能に設けられた回動軸で、該回動軸4は軸受5を用いて軸受保持部1D内に取付けられ、該回動軸4の先端側は軸受保持部1D内から収容室A内に向けて突出し、後述の回動板6が一体に形成されている。また、回動軸4の基端側は軸受保持部1Dから軸方向下向きに突出し、レバー16が取付けられている。
【0022】
6は回動軸4の先端側に一体に形成された回動板で、該回動板6は略円板状に形成され、該回動板6上には後述のマグネット7が固着されている。
【0023】
7は回動板6上に接着剤等によって固着されたマグネットで、該マグネット7は、長さ方向の両側が磁極となった矩形状または小判状に形成されている。また、該マグネット7は、図3ないし図6に示すように、長さ方向両端が凸円弧面部7A,7Bとなり、凸円弧面部7A,7B間は平行面部7C,7Dとなっている。
【0024】
そして、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bは、回動中心O1 −O1 に対して約90°の角度α1 をもって形成されている。また、凸円弧面部7A,7Bの角度α1 は、後述するヨーク8,9の磁極片部8A,9Aの角度α2 とほぼ等しい値に設定されている。
【0025】
また、マグネット7は、最大エネルギ積が20×106 ガウスエルステッド以下の磁気特性を有する材料(例えばNd−Fe−Co、Sm−Coの希土類ボンドマグネット等)のよって形成されている。
【0026】
8はヨーク支持筒3によってケーシング1内に設けられた第1のヨークで、該第1のヨーク8は、マグネット7を挟んで後述する第2のヨーク9と径方向(図6中のX軸方向)で対向し、マグネット7による磁束を後述するホール素子13,14へと導くものである。このため、ヨーク8は、例えば電磁純鉄(SUYB,SUYP)、Fe−Ni合金等のように保磁力が1エルステッド以下となる磁性材料によって形成されている。また、ヨーク8は、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bと一定の間隔を保って対向する湾曲板状の第1の磁極片部8Aと、該第1の磁極片部8Aから径方向内側に向けて折曲げて形成され、マグネット7を上側から跨ぐように平板状に延びた第1のオーバハング部8Bとから構成されている。
【0027】
そして、第1の磁極片部8Aは、図6に示すようにマグネット7の回動中心O1 −O1 に対し一定の曲率半径をもって円弧状に湾曲して形成され、その内周側が回動中心O1 −O1 に対して凸円弧面部7A,7Bと同軸に対向する凹円弧面部8A1 となっている。また、第1の磁極片部8Aは、約90°の角度α2 をもって延びている。
【0028】
一方、第1のオーバハング部8Bは、外周端側が第1の磁極片部8Aの軸方向端部と一体に連結され、マグネット7の回動中心O1 −O1 を要位置Pとする扇形状に形成された扇形面部8B1 と、該扇形面部8B1 の要位置P側に設けられ、マグネット7の回動中心O1 −O1 を越える位置まで延びた略正方形または長方形の延長部8B2 とから構成されている。そして、該延長部8B2 は、後述する第2のオーバハング部9Bの延長部9B2 との間でホール素子13,14を上,下から挟む構成となっている。
【0029】
ここで、オーバハング部8Bの扇形面部8B1 は、X軸に対しほぼ対称な扇形状に形成され、該扇形面部8B1 の先端に延長部8B2 が設けられている。このため、ヨーク8はX軸に対しほぼ対称な形状となっている。
【0030】
9はケーシング1内に設けられ第1のヨーク8とほぼ同様の磁性材料からなる第2のヨークで、該第2のヨーク9は、マグネット7を挟んで第1のヨーク8と径方向(X軸方向)に対向することによって磁気回路を形成し、マグネット7による磁束を後述するホール素子13,14へと導くものである。また、第2のヨーク9は、第1のヨーク8と同様にマグネット7の凸円弧面部7A,7Bと一定の間隔を保って対向する第2の磁極片部9Aと、該第2の磁極片部9Aから径方向内向きに折曲げて形成され、マグネット7を上側から跨ぐように平板状に延びた第2のオーバハング部9Bとから構成されている。
【0031】
そして、第2の磁極片部9Aは、マグネット7を挟んで第1の磁極片部8AとX軸方向に対向している。また、第2の磁極片部9Aは、マグネット7の回動中心O1 −O1 に対し一定の曲率半径をもって円弧状に湾曲して形成され、その内周側が回動中心O1 −O1 に対して凸円弧面部7A,7Bと同軸に対向する凹円弧面部9A1 となっている。そして、第2の磁極片部9Aは、第1の磁極片部8Aとほぼ同様に約90°の角度α2 をもって延びている。
【0032】
一方、第2のオーバハング部9Bは、第1のオーバハング部8Bと同様に外周端側が第2の磁極片部9Aの軸方向端部と一体に連結され、マグネット7の回動中心O1 −O1 を要位置Pとする扇形状に形成された扇形面部9B1 と、該扇形面部9B1 の要位置P側に設けられ、マグネット7の回動中心O1 −O1 を越える位置まで延びた略正方形または長方形の延長部9B2 とから構成されている。そして、延長部9B2 は、第1のオーバハング部8Bの延長部8B2 に例えば1.7mm程度の隙間10をもって重なり合っている。
【0033】
ここで、オーバハング部9Bの扇形面部9B1 は、X軸に対しほぼ対称な扇形状に形成され、該扇形面部9B1 の先端に延長部9B2 が設けられている。このため、ヨーク9はX軸に対しほぼ対称な形状となっている。
【0034】
ここで、図7に示す如く、マグネット7の回動角±θは、凸円弧面部7Aの中心部位が第1の磁極片部8Aと第2の磁極片部9Aとの間の中間位置にあるときを初期位置O2 とし、マグネット7が右側に回動したときを正方向(+θ)、左側に回動したときを負方向(−θ)とする。このとき、マグネット7(回動軸4)が回動する範囲は±45°の間であり、回動角θが+45°のときにはスロットルバルブの最大開弁時(フルスロットル時)に対応している。
【0035】
11,11は第1,第2の磁極片部8A,9Aとの間に設けられた磁束遮断部で、該各磁束遮断部11は、図3に示すように互いにマグネット7を挟んで径方向(図6中のY軸方向)で対向し、ヨーク支持筒3の一部を構成している。そして、磁束遮断部11は、回動中心O1 −O1 に対して、約90°の角度α3 を有している。特に、この角度α3 は、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bの角度α1 とほぼ等しい値に設定することが好ましい。
【0036】
12は樹脂材料等によって形成されたフレキシブル基板で、該フレキシブル基板12は、図1に示すようにその一部が略V字状に折曲げられて収容室A内に収容されている。そして、フレキシブル基板12の一端側にはホール素子13,14が取付けられ、隙間10内に配設されている。また、フレキシブル基板12の他端側はピン端子2に半田付け等の手段によって接続されている。
【0037】
13は第1の磁電変換素子としての第1のホール素子で、該ホール素子13は、フレキシブル基板12に取付けられ、第1,第2のオーバハング部8B,9B間の隙間10内に配置されている。また、ホール素子13の磁気検出方向は、回動軸4の軸方向に平行で、かつマグネット7の磁極線と直交する方向となっている。そして、ホール素子13は、マグネット7、第1のヨーク8、第2のヨーク9からなる磁気回路内を通る磁束密度に比例した第1の検出信号S1 を出力するものである。
【0038】
14は第2の磁電変換素子としての第2のホール素子で、該ホール素子14は、フレキシブル基板12に取付けられ、第1,第2のオーバハング部8B,9B間の隙間10内に位置して第1のホール素子13とは異なる場所に設けられている。また、ホール素子14の磁気検出方向も、マグネット7の磁極線と直交する方向となっている。そして、ホール素子14は、マグネット7、第1のヨーク8、第2のヨーク9からなる磁気回路内を通る磁束密度に比例した第2の検出信号S2 を出力するものである。
【0039】
また、第2のホール素子14は、第1のホール素子13と共に第1,第2のオーバハング部8B,9Bの延長部8B2 ,9B2 間に位置し、X軸と直交して回動中心O1 −O1 を通るY軸上に配列されている。このため、第1,第2のホール素子13,14の中心位置は、回動中心O1 −O1 の近傍に位置して、回動中心O1 −O1 からほぼ等しい寸法LだけY軸方向に離間している。ここで、第1,第2のホール素子13,14は、できるだけ回動中心O1 −O1 に近い位置に設けることが好ましい。
【0040】
そして、第1,第2のホール素子13,14は、図5に示すように第1,第2のオーバハング部8B,9B間の軸方向中央部付近として第1のオーバハング部8Bから例えば1mm程度の寸法Hだけ離間した位置に配置されている。
【0041】
15,15はフレキシブル基板12に搭載された回路部品で、該各回路部品15は、その入力側がホール素子13,14に接続されている。そして、回路部品15は、例えばホール素子13,14からの2つの検出信号の平均値を演算し、増幅するものである。そして、回路部品15は、その出力側がピン端子2に接続され回動角θに応じた信号を外部に出力している。なお、ホール素子13,14から出力される検出信号S1 ,S2 は比較的微弱な信号であるため、ホール素子13,14と回路部品15とを接続する配線(図示せず)には、外部からの電気的なノイズが混入し易い。このため、回路部品15をホール素子13,14にできるだけ近付けて設け、この配線をできるだけ短くすることが好ましい。
【0042】
16は回動軸4の下端側に一体的に固着されたレバーで、該レバー16はその中央部が回動軸4にかしめ固定されると共に、径方向外側に向って延び、その先端はスロットルバルブ側のレバー(図示せず)と係合している。そして、レバー16はスロットルバルブが開閉操作されるのに応じ、回動軸4を回動させるものである。
【0043】
17はケーシング1のばね室B内に配設された戻しばねで、該戻しばね17はコイルスプリング等によって形成され、その一端側が隔壁部1Bの底部側に掛け止めされ、他端側がレバー16に掛け止めされている。そして、該戻しばね17は、レバー16を回動軸4、回動板6と共に図7に示す初期位置O2 へと常時付勢するものである。
【0044】
18はケーシング1の筒部1Aを施蓋するカバーで、該カバー18はケーシング1の収容室Aを閉塞し、外部のダスト等から収容室Aを保護する。また、カバー18は、ヨーク支持筒3の上面側に当接し、該ヨーク支持筒3をケーシング1の隔壁部1Bとの間に挟んで固定するものである。
【0045】
本実施の形態による回動角検出装置は、上述の如く2個のヨーク8,9によって2極方式の回動角検出装置を構成するもので、次にその作動について図7を参照しつつ説明する。
【0046】
まず、マグネット7が初期位置O2 にあるときには、マグネット7の凸円弧面部7Aは周方向に離間した第1の磁極片部8Aと第2の磁極片部9Aとの中央に位置している。このとき、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bは、いずれの磁極片部8A,9Aにも対向していないから、マグネット7からの磁束は、ヨーク8,9を殆ど通過しない。
【0047】
次に、スロットルバルブを開弁したときには、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bは初期位置O2 から回動角+θをもって周方向右側に回動する。このとき、マグネット7の凸円弧面部7Aは第1の磁極片部8Aの凹円弧面部8A1 と対向し、凸円弧面部7Bは第2の磁極片部9Aの凹円弧面部9A1 と対向する。これにより、マグネット7の磁束は、第1のヨーク8と第2のヨーク9とを通して第1,第2のホール素子13,14に導かれる。このとき、各ホール素子13,14からは、図8中の特性線a,bに示すようにヨーク8,9を通る磁束密度に対応した正の検出信号S1 ,S2 が出力される。
【0048】
一方、スロットルバルブを閉弁したときには、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bは初期位置O2 から回動角−θをもって周方向左側に回動する。このとき、マグネット7の凸円弧面部7Aは第2の磁極片部9Aの凹円弧面部9A1 と対向し、凸円弧面部7Bは第1の磁極片部8Aの凹円弧面部8A1 と対向する。これにより、マグネット7の磁束は、第1のヨーク8と第2のヨーク9とを通して第1,第2のホール素子13,14に導かれる。このとき、各ホール素子13,14からは、図8中の特性線a,bに示すようにヨーク8,9を通る磁束密度に対応した負の検出信号S1 ,S2 が出力される。
【0049】
ここで、ホール素子13,14から出力される検出信号S1 ,S2 は、ホール素子13,14の配設位置等によって増減する。このため、検出信号S1 ,S2 は、図8中の特性線a,bに示すように同一の回動角θに対して異なる値になり易い。
【0050】
しかし、本実施の形態による回動角検出装置では、ホール素子13,14から出力された検出信号S1 ,S2 は、回路部品15に入力される。このとき、回路部品15は、例えば検出信号S1 ,S2 の平均値を演算する。これにより、検出信号S1 ,S2 の平均値は図8中の特性線cに示すような回動角θに対して線形な特性に近付けることができる。
【0051】
このように、回路部品15からほぼ回動角θに比例した信号を出力することができるから、回動軸4の回動角θ、即ちスロットルバルブの弁開度を検出することができる。
【0052】
また、回路部品15は、検出信号S1 ,S2 の値を比較する。これにより、ホール素子13,14のうち少なくともいずれか一方の素子に不具合が生じたことを検知することができる。このため、回動角検出装置の不具合を容易に検知でき、回動角検出装置の信頼性を高めることができる。
【0053】
かくして、本実施の形態による回動角検出装置によれば、2個のホール素子13,14を各オーバハング部8B,9B間に位置してそれぞれ異なる場所に設けたから、ホール素子13,14をマグネット7とヨーク8,9からなる磁気回路に並列に配置でき、オーバハング部8B,9B間を通過する磁束をホール素子13,14によって同時かつ独立に検出することができる。このため、これらのホール素子13,14から出力される検出信号S1 ,S2 の平均値等を求めることによって、ホール素子13,14の配設位置の影響を少なくし、回動角θにほぼ比例した信号を出力することができる。これにより、回動角θの検出精度を高めることができる。
【0054】
また、本実施の形態では、ホール素子13,14を各オーバハング部8B,9B間でそれぞれ異なる位置に設けている。ここで、例えばホール素子13,14を各オーバハング部8B,9B間の同じ位置で上,下に重ねて配設した場合には、ホール素子13,14は磁気回路内に直列に配置されることになる。この場合には、マグネット7からの磁束は2個のホール素子13,14を通過するから、磁束はこれらのホール素子13,14の影響によって低減し、検出感度が低下し易い傾向がある。これに対し、本実施の形態では、ホール素子13,14を互いに異なる位置に配設したから、ホール素子13,14相互の影響を抑制し、ホール素子13,14の検出感度を高めることができる。
【0055】
一方、ホール素子13,14からの検出信号S1 ,S2 を比較することにより、ホール素子13,14のうち少なくともいずれか一方の素子に不具合が生じたことを検知することができる。これにより、回動角検出装置の不具合を容易に検知でき、回動角検出装置の信頼性を高めることができる。
【0056】
また、ホール素子13,14を第1,第2のオーバハング部8B,9B間でマグネット7の回動中心O1 −O1 の近傍に設けたから、各ホール素子13,14はマグネット7からの磁束が最も通過しにくい位置に配置される。このため、マグネット7からの磁束がヨーク8,9を通過せずに各ホール素子13,14に到達するショートカット磁束の発生を防止できる。これにより、このようなショートカット磁束の影響を受けることなく各ヨーク8,9を通過する磁束を検出することができ、回動角θの検出精度を高めることができる。
【0057】
また、第1,第2のオーバハング部8B,9Bは扇形面部8B1 ,9B1 と、該扇形面部8B1 ,9B1 の要側に設けられ延長部8B2 ,9B2 とよって構成し、ホール素子13,14を延長部8B2 ,9B2 間に設けている。これにより、各ヨーク8,9によってホール素子13,14に導かれる磁束は扇形面部8B1 ,9B1 を通過することによって要側に集められる。このため、マグネット7からの磁束は延長部8B2 ,9B2 間に集中するから、ホール素子13,14近傍の磁束密度を高めることができ、回動角θの検出感度を高めることができる。
【0058】
また、第1,第2のオーバハング部8B,9Bは扇形面部8B1 ,9B1 と延長部8B2 ,9B2 とによってX軸に対しほぼ対称な形状に形成し、ホール素子13,14を延長部8B2 ,9B2 間に位置してY軸上に配列している。このため、各延長部8B2 ,9B2 間の磁束をY軸上でほぼ同程度にすることができ、ホール素子13,14から出力される検出信号S1 ,S2 の偏差を減少させることができる。これにより、いずれのホール素子13,14からもほぼ回動角θに比例した検出信号S1 ,S2 を出力することができ、回動角θの検出精度を高めることができる。
【0059】
さらに、ホール素子13,14を第1,第2のオーバハング部8B,9B間のほぼ軸方向中央部に設ける構成としたから、オーバハング部8B,9B近傍の磁束の乱れに影響を抑制し、検出信号S1 ,S2 を安定化することができ、回動角検出装置の信頼性を向上することができる。
【0060】
なお、前記実施の形態ではヨーク8,9間に磁電変換素子として2個のホール素子13,14を設ける構成としたが、3個以上の磁電変換素子をヨーク8,9間に設ける構成としてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、複数個の磁電変換素子を各オーバハング部間に位置してそれぞれ異なる場所に設けたから、第1,第2のオーバハング部間を通過する磁束を複数個の磁電変換素子によって同時かつ独立に検出することができる。このため、これらの磁電変換素子から出力される検出信号の平均値等を求めることによって、回動角にほぼ比例した信号を出力することができ、回動角の検出精度を高めることができる。また、各磁電変換素子をそれぞれ異なる位置に設けたから、磁電変換素子相互の影響を抑制し、磁電変換素子の検出感度を高めることができる。
【0062】
そして、複数個の磁電変換素子からの検出信号を比較することにより、複数個の磁電変換素子のうち少なくともいずれか一の素子に不具合が生じたことを検知することができる。これにより、回動角検出装置の不具合を容易に検知でき、回動角検出装置の信頼性を高めることができる。
また、第1,第2のオーバハング部は扇形面部と延長部とによってX軸に対しほぼ対称な形状に形成し、各磁電変換素子を各延長部間に位置してY軸上に配列している。このため、各延長部間の磁束をY軸上でほぼ同程度にすることができ、磁電変換素子から出力される検出信号の偏差を減少させることができる。これにより、いずれの磁電変換素子からもほぼ回動角に比例した検出信号を出力することができ、回動角の検出精度を高めることができる。
【0063】
また、請求項2の発明によれば、各磁電変換素子を第1,第2のオーバハング部間でマグネットの回動中心の近傍に設けたから、マグネットからの磁束が第1,第2のヨークを通過せずに各磁電変換素子に到達するショートカット磁束の発生を防止できる。これにより、ショートカット磁束の影響を受けることなく、第1,第2のヨークを通過する磁束を検出でき、回動角の検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による回動角検出装置を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態による回動角検出装置のうちカバーの一部を破断にして示す平面図である。
【図3】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、第2のヨーク等を示す図1中の矢示 III−III 方向からみた横断面図である。
【図4】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、第2のヨーク等を示す斜視図である。
【図5】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、第2のヨーク、ホール素子を拡大して示す縦断面図である。
【図6】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、第2のヨーク等を示す平面図である。
【図7】回動角検出装置に用いるマグネット、第1のヨーク、第2のヨーク、ホール素子の配置関係を示す模式的構成図である。
【図8】回動角に対するホール素子から出力される検出信号との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
7 マグネット
7A,7B 凸円弧面部
8 第1のヨーク
8A 第1の磁極片部
8B 第1のオーバハング部
8B1 ,9B1 扇形面部
8B2 ,9B2 延長部
9 第2のヨーク
9A 第2の磁極片部
9B 第2のオーバハング部
13,14 ホール素子(磁電変換素子)
Claims (2)
- 回動可能に設けられたマグネットと、
該マグネットを挟んで径方向で対向した第1,第2の磁極片部から径方向内向きに延びた第1,第2のオーバハング部をマグネットの回動中心上で互いに重なり合って形成してなる第1,第2のヨークと、
該第1,第2のヨークを構成する第1,第2のオーバハング部間に位置してそれぞれ異なる場所に設けられた複数個の磁電変換素子とからなる回動角検出装置において、
前記第1,第2のヨークの第1,第2のオーバハング部は、マグネットの回動軸と直交するX軸に対しほぼ対称な扇形状に形成された扇形面部と、該扇形面部の先端に設けられ前記マグネットの回動中心を越える位置まで延びて形成された延長部とよって構成し、前記各磁電変換素子は該各延長部間に位置して前記回動軸およびX軸と直交するY軸上に配列したことを特徴とする回動角検出装置。 - 前記各磁電変換素子は、前記第1,第2のオーバハング部間で前記マグネットの回動中心の近傍に設けてなる請求項1に記載の回動角検出装置。
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-
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