JP3630568B2 - 気筒判定用シグナルプレート及び気筒判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関が回転中、その中のいずれの気筒が特定の行程にあるかを識別するための気筒判別装置に係り、特に自動車用に好適な内燃機関の気筒判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関は、その動作の1サイクルが、例えば2、又は4の複数の行程で成り立っており、このため2気筒以上の多気筒内燃機関では、点火時期や燃料噴射時期などの制御のために、いずれの気筒が特定の行程、例えば圧縮行程にあるかを識別する必要がある。このため、気筒判別装置が必要になる。
【0003】
ところで、このような気筒判別装置としては、いくつかの従来例がある。その第一の従来例としては、特公昭63−37336 号公報の図面の第2図及び第3図に示されているように、クランク角度検出センサと、カム軸に取り付けられた気筒判別センサ信号によって第1気筒の圧縮行程を判別する方法がる。
【0004】
さらに、第二の従来例としては、特開平5−86953号公報に示されているように、カム軸に装着した回転検出用のディスクにクランク角判定用の3つの突起を不等間隔で設け、第1気筒の気筒判定用の突起を追加し、複数の信号が不等間隔で発生するようにし、この複数信号のパルス間隔の配列状態をチェックし、クランク角判定用パルスのみによる所定の配列パターンを検出した時点でクランク角を判定し、気筒判定用パルスを含む所定の配列パターンを検出した時点や、気筒判定用パルスの箇所で所定のパルス間隔の変化を検出した時点で気筒を判定する方法がある。さらに、第二の従来例とは異なるクランク判定突起数をもつ第三の従来例としては、特公平1−219341 号がある。これは、クランク判定用に2個所のクランク位置で信号を検出し、気筒判定用の信号を1個所さらに設けており、第二の従来例より信号数が少ない。信号の検出はフォトトランジスタ式のセンサで行い、気筒判定は、検出信号のHigh期間とLow 期間を測定し、前記High期間と Low 期間の比率で行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、まず、上記第一の従来例では、内燃機関の始動時、カム軸が最大1回転、すなわちクランク軸が2回転するまで気筒判別が出来ないという課題がある。次に、第二の従来例では、内燃機関の行程判別は迅速に行われるが、信号間の時間比を用いて判別を行うため、回転変動の大きな内燃機関では、誤判別をする可能性がある。さらに、突起数が各気筒あたり3と多いので突起間の角度が狭くなることにより、磁界変化をとらえるセンサ(たとえば、磁気抵抗素子,ホールIC等)では、検出出来ない場合が発生する。前記角度については、発明者らの経験によれば、シグナルプレートの最小角度としては35〜40°以上必要である。最小角度については、シグナルプレートの直径を大きくすることで解決できるが、内燃機関への搭載上の問題が発生する。また、第三の従来例では、突起数は第二の従来例より少ないが、信号計測は、突起間がHighの時間とLow の時間を測定しているため、測定精度の高いフォトトランジスタタイプを用いる必要があり、センサが割高になる。さらに、気筒識別信号を確認する判定式が1つしかないため、第一の従来例と同様にクランク軸が2回転するまで気筒判定が出来ないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、カム軸に装着した気筒判定および回転検出用のシグナルプレート1つのみで、1気筒当たりに複数種類の基準信号を用いて制御を行うようにした場合での、基準信号の判別が内燃機関の回転変動の影響を受けにくく、内燃機関が2回転以内に気筒判定を速やかに行えるようにした内燃機関の気筒判別装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、各気筒の圧縮上死点手前に、第1信号、及び前記第1信号の角度とは異なる第2信号を発生させる凹部または凸部を設けるとともに、前記第2信号に対して回転方向に、前記第1信号から前記第2信号に至る角度よりも小さくかつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度よりも小さい角度に設けられ、クランク軸2回転の間に1回、または全気筒の全行程が終了する間に信号を発生する第3信号を発生させる凹部または凸部を設け、前記第2信号から前記第1信号に至る角度にはいずれかの気筒の点火時期角度を含み、前記第2信号から前記第1信号に至る角度が他のいずれの信号間隔よりも広い間隔となるように凹部またはと凸部が配置されることにより達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を説明する。まず、図9は、本発明が適用される燃料噴射装置のシステム構成図を示している。1はエアクリーナ、2は吸入空気の量を制御する絞弁を備えた絞弁組立体すなわちスロットルボディであり、出口にはエンジン5の各気筒に空気を分岐供給する複数の吸気分岐管4が接続されている。6は吸気分岐管4に取り付けられた電子制御式の燃料噴射弁である。エンジン5の吸込側には吸気弁7があり、吐出側に排気弁8が設けられている。10はコントローラであり、O2 センサ11,水温センサ12,クランク角センサ13,圧力センサ16,スロットルセンサ17等の各出力を入力として、燃料噴射弁6,イグニッションコイル9,ISCバルブ21,燃料ポンプ31等に対して制御信号を出力する。22はバッテリー、23はコントローラ10に対するメインリレー、24は燃料ポンプリレーである。30は燃料室であり、燃料は、燃料ポンプ31により吸い出され、プレッシャーレギュレータ32で調圧された後、燃料配管33を経て燃料噴射弁6に至る。燃料噴射弁6の適正な噴射量は、各種センサからの入力を基にコントローラ10により算出されて決定される。クランク角センサ13は、図10に示すように、シグナルプレート15に設けられた突起が通過する毎に発生する磁界の変化Aをとらえ、内部処理回路でBを生成し、コントローラ10に送る。シグナルプレート上の気筒毎の突起の数は、1気筒あたり2個とし、気筒識別用の突起を別に1つ追加する。突起間の最小角度は35°以上である。シグナルプレート上にクランク角センサ(磁界変化検出)を設置する。検出信号の形態は、突起間のHigh,Low の区別をせず、突起の発生位置のみを検出する。図11はコントローラ10の内部構成を示したものである。コントローラ10は、入力回路191,A/D変化部192,中央演算部193,ROM194,RAM195、及び出力回路196を含んだコンピュータにより構成されている。入力回路191は、アナログ信号の場合(例えば、水温センサ9,スロットル開度センサ9等からの信号)を受け付けて、概信号からノイズ成分の除去等を行い、当該信号をA/D変換部192に出力するためのものである。中央演算部193は、概A/D変換結果を取り込み、ROM194等の媒体に記憶された燃料噴射制御プログラムやその他の制御のための所定の制御プログラムを実行することによって、前記各制御及び診断等を実行する機能を備えている。なお、演算結果、及び、前記A/D変換結果は、RAM195に一時保管されるとともに、該演算結果は、出力回路196を通じて制御出力信号197として出力され、燃料噴射弁6,点火コイル9等の制御に用いられる。一方、クランク角センサ13の信号は、同様に入力回路191で信号の有無を識別しHigh/ Low 信号として、信号線198により、中央演算部193へ送る。中央演算部193では、信号線198の電圧レベルが、Low からHighに変化した時に、図10のCで示したタイミングで割り込み処理が行われる構成となっている。突起間の時間計測は以下のようになる。内燃機関の回転とともにシグナルプレートが回転し、シグナルプレートに設置された突起がクランク角センサ部を通過する。クランク角センサは突起の通過とともに信号を発生する。信号が発生した時間を記憶し、次回信号が発生した時間とから、突起間の時間Tを算出する。前記内容を満足する信号形態を図2に示す。図2は、3気筒内燃機関を代表しており、各気筒の行程の状態とクランク角センサの検出位置の関係を示している。行程中の○印は、吸気を示しており、矢印は点火位置を示している。各気筒の圧縮行程に対し、2つの信号(A,B)が発生し、さらに1気筒の圧縮行程を検出するために、C信号がある。図中のクランク軸2回転が4サイクル内燃機関の基本周期となる。この信号形態で、単純に突起間の時間比で気筒判定を実施したときの問題点を以下に示す。気筒判定は、最新の時間T,前回の時間T1を用いて、T1/Tが2回連続して所定値以下となった時に突起Cを判別する方法である。図3は、前記気筒判定方式を用いた場合の気筒判定までの内燃機関の必要回転角度を示したものである。内燃機関の停止クランク角度は各気筒の圧縮上死点前の所定の位置であることから、図3中のA,B,Cの3個所となる。前記A,B,Cの3個所から、内燃機関が回転を開始した場合の気筒判定までの角度は、図3に示した通り約360℃A〜約800℃Aと大きくばらつきが発生し、判定に2回転以上(720℃A)必要とする場合が発生する。さらに、内燃機関は、圧縮行程ではクランク角速度が低下する特徴を持っているため、図4に示すように時間間隔を計測するものでは、A−B間,B−C間の時間が長く、B−A間が短くなる。したがって、T1/Tを計算した場合、結果が逆転する場合があり、気筒判定ができない場合がある。
【0009】
上記問題を回避した気筒判別の方法を図5に示す。
【0010】
図5中のA,B,C信号の位置関係の詳細は、図2の通りとなっている。CR信号とは、クランク角センサで検出する信号発生位置を意味している。A信号は、各気筒の圧縮上死点前75°で発生する。B信号も各気筒の圧縮上死点前5°で発生する。C信号は、クランク軸2回転に1回のみ発生し、その位置は1気筒圧縮上死点前210°の位置で発生するようにし、信号間の角度が他のものより短くなっている。B−C間の角度は、この場合35°を確保している。気筒判定は、表中に示した判定条件を満足した時に確定される。具体的には、CR信号間の時間の履歴により、式1で判定する。
【0011】
TRATIO≧MKRAT# 式1
MKRAT#:気筒判定係数
TRATIO:パルス周期比
式2で算出する。
【0012】
(K1×T1+K2×T2)/(K3×T) 式2
T1 :前回のパルス間時間
T2 :前前回のパルス間時間
T :最新のパルス間時間
K1〜K3:係数(所定値)
前記MKRAT#は、K1〜K2が1.0 の場合、5程度の値をとる。つまり角度比で換算すると、C信号発生時は、T2は170°、T1は70°、Tは35°となり、TRATIO=(170+70)/35=6.8となる。同様に、B信号発生時は、T2は70°、Tは170°、Tは70°となるため、TRATIO=(70+170)/70=3.4 となる。A信号発生時は、T2は170°、T1は70deg 、Tは170となり、TRATIO=(170+70)/170=1.4となる。以上まとめると、TRATIOは、A信号発生時1.4,B信号発生時3.4,C信号発生時6.8となるため、気筒判別係数MKRAT#を5とすれば、C信号とA,B信号が分別可能となる。
【0013】
さらに、C信号発生後の2回目のA信号を識別するために、式3を用いる。
【0014】
TRATI1≧MKRAT1# 式3
MKRAT1#:気筒判別係数
TRATI1:パルス周期比
式4で算出する。
【0015】
(K4×T+K5×T1)/(K6×T3) 式4
T :最新のパルス間時間
T1 :前回のパルス間時間
T3 :前前前回のパルス間時間
K4〜K6:係数(所定値)
前記MKRAT1#についても、K4〜K6が1.0 の場合、5程度の値をとる。つまり角度比で換算すると、C信号発生時は、T3は70°、T1は70°、Tは35°となり、TRATI1=(70+35)/70=1.5となる。同様に、B信号発生時は、T3は170°、T1は170°、Tは70°となるため、TRATI1=(70+170)/70=3.4となる。A信号発生時は、
T3は35°、T1は70deg 、Tは170となり、TRATI1=(170+70)/35=6.86 となる。以上まとめると、TRATI1は、A信号発生時6.86,B信号発生時3.4,C信号発生時1.5 となるため、気筒判別係数MKRAT1#を5とすれば、A信号とB,C信号が分別可能となる。以上、2つの計算式を用いて、2個所のクランク位置を判定することが可能となる。前記気筒判定式は図6に示す気筒判定計算式のS/Nの優劣の検討結果より求める。
図6の表について以下に説明する。判定式のクラセン信号A,B,Cのクランク発生位置,信号間角度,速度修正係数と修正後の信号間角度を計算条件として最初に求める。速度修正係数は、内燃機関の回転変動を模擬するためのもので、内燃機関の圧縮行程ではクランク角速度が遅くなることを計算条件に反映させる。気筒判定計算式は、ここでは、No.1〜No.13までを検討した。表中の数字は、各クラセン信号No.での気筒判定計算式による計算結果を示している。角度比の行は、T〜T3までを信号間角度のデータを用いた計算結果を示し、修正角度比は修正後の信号間角度のデータを用いた計算結果である。つまり、修正角度比の結果は、エンジン回転変動時の計算結果を示している。ここで、一例をとって説明する。判定式No.1においての角度比は、A,B,Cの信号発生毎に0.41,2.43,2.00,0.26,1.93,0.41,2.43,0.41,2.43,2.00 となる。S/Nの計算は、クランク2回転内で識別すべき信号での値とそれ以外での最大値との比で求める。一例では、識別すべき信号はCで、角度比は2.00。C信号以外での最大値はB信号発生時の2.43。よってS/Nは2.0/2.43=0.824 となる。各計算式の識別すべき信号は、以下の通りである。
【0016】
No.1〜No.5はC信号。No.6〜No.9までは、C信号発生後の最初のB信号。
【0017】
No.10〜No.13までは、C信号発生後2回目のA信号となる。上記計算結果のうち角度比をグラフ化したもので角度比を図7に示す。さらに修正角度比をグラフ化したものを図8に示す。図7により単純な角度比をみると、判定式No.2がS/N=5.86 で最も優れている。しかし、エンジン回転が変動した場合を想定した図8の修正角度比では、No.1,No.4,No.5よりも劣る。No.2とNo.4、No.5の違いは、計算に用いるパラメータの数である。つまり、No.2は、TとT1の2つであるが、No.4は、T〜T2の3つを使用して回転変動の影響を受けにくく配慮している。さらに、No.5では、T2に係数2を乗じて角度比のS/Nを向上させている。つまり、計算式の各パラメータ(T〜T3)のそれぞれに係数を乗ずれば、さらにS/Nが向上する。したがって、気筒判定の計算式を式2の通りとし、内燃機関の角速度変動および、シグナルプレート上の突起の位置にあわせ、適切な係数K1〜K3を求めれば、判定精度の高い気筒判定装置が得られる。
【0018】
(K1×T2+K2×T1)/K3×T≧MKRAT# 式2
K1:係数
K2:係数
K3:係数
MKRAT#:判定値
本発明では、気筒判定計算式は、No.5とNo.11を用いることで、C信号とC信号発生後2回目のA信号を識別可能とした。
【0019】
図12は本発明を実施した気筒判定の全体フローを示したものである。本フローは、クラセン信号発生時に起動される。まずステップ210においてクラセン信号間の時間TCRKを算出する。これは、前回クラセン信号が発生した時刻を記憶しておき、今回発生した時刻から差し引くことで求めることができる。次に、ステップ220へ進み低回転のチェックを行う。低回転のチェックは、前記クラセン信号間の時間TCRKが所定値より大きいかどうかで判定する。所定値より大きい場合は低回転と判断し、ステップ270へ進む。所定値より小さいときはステップ230へ進み、気筒判定計算式の演算を行う。ステップ230では、信号間時間TCRKを用いて、気筒判定パラメータTRATIO,TRATI1を演算する。次に、ステップ240で、すでに気筒判定が終了しているかどうかをチェックし、気筒判定が終了していなければステップ250へ進み気筒判定を実施し、本フローを終了する。ステップ240で、気筒判定が終了していれば、ステップ260へ進み、リセット判定を行う。リセット条件を満足した場合、ステップ240へ進み気筒判定関連のパラメータを初期化し本フローを終了する。ステップ220で低回転と判断された場合も、ステップ270でパラメータの初期化を行う。
【0020】
次に、図12で説明した各ステップの詳細を説明する。図13は、図12のステップ210,ステップ220,ステップ270の詳細を示したものである。ステップ310では、クラセン信号間時間データの更新を行う。各時間データはRAM198に新しい順からTCRK,TCRK1,TCRK2,TCRK3として格納されている。一番古いデータTCRK3にTCRK2のデータを入れる。次に、TCRK2にTCRK1を入れる。TCRK1にTCRKを入れる。前記処理により。TCRK3〜TCRK1までが更新されたことになる。次にステップ320へ進み、最新の時間データを取り込みTCRKに格納する。次にステップ330へ進み、低回転チェックを行う。最新データTCRKと例えば800msを比較し、TCRKが大いきときは低回転を意味するのでステップ340へ進み、ステップ270で説明したパラメータの初期化を行う。初期化するパラメータは時間情報のTCRK〜TCRK3と気筒判定終了状態を示す気筒判定フラグ#F720である。ステップ330で低回転でないと判断されたときは、ステップ350へ進みTCRK3が0か否かをチェックする。TCRK3が0の場合は、TRATIO,TRATI1の計算に必要なデータが取り込まれていないことになるので、本フローを終了する。TCRK3が0でない場合は、TRATIO,TRATI1の計算処理へ進む。図14にTRATIO,TRATI1の計算処理フローを示す。ステップ410でTRATIOの計算に必要な係数K1,K2,K3をROM194から読み込む。次にステップ420でTRATIOの計算を行う。TRATIOの計算は、前記式2に基づく。次に、ステップ430で、TRATI1の計算に必要な係数K4,K5,K6をROM194から読み込む。次にステップ440でTRATI1の計算を行う。TRATI1の計算は、前記式4に基づく。次に、ステップ450へ進み、気筒判定終了をチェックする。気筒判定の終了は、気筒判定終了フラグ#F720をチェックする。#F720=0であれば、気筒判定が終了していないと判断し、ステップ460へ進む。ステップ460では、TRATIOとMKRAT#を比較する。MKRAT#は、ROM114に予め記憶されている値である。比較の結果TRATIOが大の時は、ステップ470へ進み、1気筒(突起C)と判定し、燃料,点火を処理するフローへ気筒判定情報を渡し、燃料,点火制御を開始する。次にステップ480へ進み、気筒判定終了フラグをセット(#F720=1)して処理を終了する。ステップ460で、TRATIOが小の時は、ステップ490へ進み、TRATI1を評価する。ステップ490では、TRATI1とMKRAT1#を比較する。比較の結果、TRATI1が大の時はステップ500へ進み、3気筒(突起A)と判定し、ステップ470と同様に、燃料,点火を処理するフローへ気筒判定情報を渡す。次にステップ480へ進み、気筒判定フラグをセットして処理を終了する。ステップ490で、TRATI1が小の場合は、気筒判定ができなかったことになるので、そのまま処理を終了し、次回最新のTCRKが取り込まれるまで気筒判定を待つことになる。ステップ450で、気筒判定が終了している場合はステップ510へ進む。ステップ510では、今回発生した突起位置がCか否かを判断し、Cの場合はリセット判定を行う。前記突起位置がCか否かの判断は、以下のようにして実施する。シグナルプレート上の突起の数は、本実施例の場合7個となる。気筒判定により、判定気筒が確定した場合、突起カウンタに所定の値をセットする。具体的には、ステップ470で1気筒と判定するが、突起No.でみると突起C位置となる。この時は、前記突起カウンタを“0”とする。また、ステップ500で3気筒と判断した時は、前記突起カウンタを“3”とする。前記突起カウンタは、本フローが起動されるつまり突起信号が入力される毎にカウントアップされ、カウントアップ後の値が“7”を超えていれば“0”に戻す。したがって、前記突起カウンタの値をチェックし、値が“0”であれば、突起C位置であると判断できる。リセット判定は、TRATIOとOTHER#を比較しTRATIOが小であれば、気筒判定は誤判定していたと判断しステップ340のパラメータ初期化へ進む。TRATIOが大であれば、気筒判定は正常と判断し処理を終了する。
【0021】
上述のように本発明を実施した場合、2つの判定式を用いることにより気筒判定可能位置は、図1中(A)と(C)の2個所となり、気筒判定までの時間を短縮するとともに、計算式のパラメータ数を増やし、また、係数を乗じることで、判定のS/Nが向上する。気筒判定までの角度も図1中に示した通り、約360°〜600°の間となり、クランク2回転以内に気筒判定が可能となるものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明におけるシグナルプレートの突起位置の最少角度は35°であり、磁界変化をとらえる安価なセンサを使用できる。さらに気筒判定式を2つ用いることで、気筒判定位置を2個所にすることが可能となり、気筒判定までの時間を短くすることが可能となった。さらに、気筒判定式の各パラメータ(T〜T3)に所定の係数(K1〜K6)を乗じることで判定のS/Nを向上させることが可能となり、内燃機関の始動時に生じる大きな回転変動に対しても誤判定を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による気筒判定の実施の形態の一例を示す図である。
【図2】気筒判定例の実施の形態の従来例を示す図である。
【図3】気筒判定の従来例の課題を示す図である。
【図4】気筒判定の従来例の課題を示す図である。
【図5】本発明における気筒判定の一例を示す図である。
【図6】本発明を実施する上で検討した判定式のS/Nを示す図である。
【図7】判定式の角度比に対するS/Nを示す図である。
【図8】判定式の修正角度比に対するS/Nを示す図である。
【図9】本発明を実施した内燃機関のシステム構成図である。
【図10】クランク角センサの出力特性を示す図である。
【図11】本発明におけるコントローラ10の内部構成図である。
【図12】本発明における気筒判定の全体フローを示す図である。
【図13】本発明におけるクラセン信号間時間を計測するフローである。
【図14】本発明における気筒判定を実施するフローである。
【符号の説明】
1…エアクリーナ、2…スロットルボディ、3…コレクタ、4…吸気分岐管、5…エンジン、6…燃料噴射弁、7…吸気弁、8…排気弁、9…点火コイル、10…コントローラ、13…クランク角センサ、15…シグナルプレート、32…燃圧調整弁(プレッシャーレギュレータ)。
Claims (6)
- 各気筒の圧縮上死点手前に、第1信号、及び前記第1信号の角度とは異なる第2信号を発生させる凹部または凸部を設けるとともに、
前記第2信号に対して回転方向に、前記第1信号から前記第2信号に至る角度よりも小さくかつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度よりも小さい角度に設けられ、クランク軸2回転の間に1回の信号を発生する第3信号を発生させる凹部または凸部を設け、
前記第2信号から前記第1信号に至る角度にはいずれかの気筒の点火時期角度を含み、
前記第2信号から前記第1信号に至る角度が他のいずれの信号間隔よりも広い間隔となるように凹部または凸部が配置されている内燃機関の気筒判定用シグナルプレート。 - 各気筒の圧縮上死点手前に、第1信号、及び前記第1信号の角度とは異なる第2信号を発生させる凹部または凸部を設けるとともに、
前記第2信号に対して回転方向に、前記第1信号から前記第2信号に至る角度よりも小さくかつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度よりも小さい角度に設けられ、全気筒の全行程が終了する間に1回の信号を発生する第3信号を発生させる凹部または凸部を設け、
前記第2信号から前記第1信号に至る角度にはいずれかの気筒の点火時期角度を含み、
前記第2信号から前記第1信号に至る角度が他のいずれの信号間隔よりも広い間隔となるように凹部または凸部が配置されている内燃機関の気筒判定用シグナルプレート。 - 各気筒の圧縮上死点手前75度に第1信号、各気筒の圧縮上死点手前5度に第2信号、及び第1の気筒の圧縮上死点手前210度に第3信号が発生するように凹部または凸部が設けられた内燃機関の気筒判定用シグナルプレート。
- 各気筒の圧縮上死点手前に、第1信号、及び前記第1信号の角度とは異なる第2信号、並びに前記第2信号に対して回転方向に、前記第1信号から前記第2信号に至る角度よりも小さくかつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度よりも小さい角度に設けられ、クランク軸2回転の間に1回の信号を発生する第3信号を検出させる信号手段が設けられているシグナルプレートと、
前記信号手段を検出するように配置された磁気センサと、を有し、
前記シグナルプレートの前記第2信号から前記第1信号に至る角度にはいずれかの気筒の点火時期角度を含み、かつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度が他のいずれの信号間隔よりも広い間隔である内燃機関の気筒判定装置。 - 各気筒の圧縮上死点手前に、第1信号、及び前記第1信号の角度とは異なる第2信号、並びに前記第2信号に対して回転方向に、前記第1信号から前記第2信号に至る角度よりも小さくかつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度よりも小さい角度に設けられ、全気筒の全行程が終了する間に1回の信号を発生する第3信号を検出させる信号手段が設けられているシグナルプレートと、
前記信号手段を検出するように配置された磁気センサと、を有し、
前記シグナルプレートの前記第2信号から前記第1信号に至る角度にはいずれかの気筒の点火時期角度を含み、かつ前記第2信号から前記第1信号に至る角度が他のいずれの信号間隔よりも広い間隔である内燃機関の気筒判定装置。 - 各気筒の圧縮上死点手前75度に第1信号、各気筒の圧縮上死点手前5度に第2信号、及び第1の気筒の圧縮上死点手前210度に第3信号を検出させるように設けられた信号手段と、
前記信号手段を検出するように配置された磁気センサとを有する内燃機関の気筒判定装置。
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---|---|---|---|
JP27694798A JP3630568B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | 気筒判定用シグナルプレート及び気筒判定装置 |
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