JP3628603B2 - 基板表面処理装置および基板表面処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、塩酸、硝酸、硫酸、ふっ酸(HFおよび無水HFを含む)、酢酸などのような酸を含む蒸気を基板の表面に導き、いわゆる気相エッチング処理によって基板の表面の膜を除去するための基板表面処理方法および基板表面処理装置に関する。処理対象の基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置およびプラズマディスプレイ用ガラス基板、ならびに光、磁気および光磁気ディスク用基板などの各種の基板が含まれる。また、基板の材質としては、シリコン、ガラス、樹脂およびセラミックなどの材質が含まれる。なお、基板表面の膜の除去は、所定の膜の一部または全部の選択的除去を目的としていてもよく、また、基板表面の洗浄を目的としていてもよい。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリの製造工程においては、半導体ウエハ(以下「ウエハ」という。)上にメモリキャパシタ膜を作製する際に、BSG(Boron-Silicate Glass)、PSG(Phosphor-Silicate Glass)、BPSG(Boron-doped Phosphor-Silicate Glass)などの不純物を多く含んだ酸化膜が犠牲酸化膜として用いられる。これらの犠牲酸化膜は、ふっ酸蒸気を用いたエッチングにおける熱酸化膜またはCVD(化学的気相成長)酸化膜に対する選択比を大きくとることができ、熱酸化膜またはCVD酸化膜をエッチングストッパ膜として用いて選択的に除去することができる。
【0003】
ふっ酸蒸気を用いたエッチング処理におけるエッチング選択比は温度に依存する。たとえば、熱酸化膜は、温度上昇に伴ってエッチングレートが急激に減少するのに対して、BPSG膜は温度変化によらずに比較的高いエッチングレートを維持する。そこで、ウエハの表面に形成された熱酸化膜上のBPSG膜を選択除去するときには、半導体ウエハの温度を50℃〜80℃に加熱してふっ酸蒸気による気相エッチング処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ふっ酸蒸気による酸化膜のエッチングプロセスは、極めて微妙なプロセスである。このプロセスには、ウエハ表面上におけるふっ酸蒸気の濃度が大きく関与している。すなわち、ウエハ表面へのふっ酸蒸気の供給の仕方の影響を受けやすく、ふっ酸蒸気の供給が不均一で、ウエハ表面上におけるふっ酸蒸気の濃度が不均一であると、ウエハの面内で均一なエッチング処理を行うことができないという問題があった。
【0005】
このウエハの面内で均一なエッチング処理を行うために、従来は、1つのノズルから容器内にふっ酸蒸気を吐出して一時的に収容し、その後、この容器の底面に設けられた蒸気拡散板を介してふっ酸蒸気を供給するようにしていた。しかしながら、1つのノズルから容器内にふっ酸蒸気を吐出するだけでは、パンチングプレートの多数の貫通孔それぞれを通過してウエハに供給されるふっ酸蒸気の流量を十分に均一にすることはできず、上記問題は十分には解決されていなかった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、酸を含む蒸気によって基板上の膜を除去するエッチング処理を、基板面内で均一に行うことができる基板表面処理装置および基板表面処理方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項記載の発明は、基板の表面に酸を含む蒸気を供給することで、基板の表面を処理する基板表面処理装置において、基板の中心を通り基板に垂直な回転軸を中心に基板を自転させる基板自転手段と、この基板自転手段により自転されている基板の表面側に開口する開口部を底面に有し、酸を含む蒸気を一時的に収容する内部円筒状の円筒容器と、円筒容器の底面の開口部を塞ぐように設けられ、円筒容器内の酸を含む蒸気が通過する多数の貫通孔が形成された蒸気拡散板と、円筒容器内に蒸気を吐出するために設けられた蒸気吐出口と、円筒容器および蒸気拡散板に囲まれた空間内で蒸気吐出口を揺動させることにより蒸気吐出口から吐出される酸を含む蒸気の吐出方向を変化させる蒸気吐出方向変化手段とを備えることを特徴とする基板表面処理装置である。
【0008】
上記の構成によれば、円筒容器内に対して、蒸気吐出口からの酸を含む蒸気の吐出方向が時間とともに刻々と変化しつつ、酸を含む蒸気が供給される。これにより、円筒容器内での酸を含む蒸気の濃度が均一となり、基板表面の面内で均一な処理を行うことができる。
【0009】
また、円筒容器の開口部には蒸気拡散板が設けられており、この蒸気拡散板を介して円筒容器内の蒸気が基板へと供給される。これにより、蒸気拡散板の拡散効果によってさらに基板へ供給される酸を含む蒸気の供給量が面内で均一化され、基板表面の面内でさらに均一な処理を行うことができる。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、上記請求項記載の基板処理装置において、基板の表面の処理は、基板の表面の膜を除去する処理であることを特徴とする基板表面処理装置である。
【0011】
これにより、円筒容器内での酸を含む蒸気の濃度が均一となり、基板表面の面内で均一なエッチング処理を行うことができる。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、上記請求項1または2記載の基板処理装置を用いて、基板の表面を処理することを特徴とする基板表面処理方法である。
【0013】
上記の方法によれば、基板表面の面内で均一な処理を行うことができるので、処理の均一性が良好な基板を提供することができる。
【0014】
なお、この基板表面処理方法の発明に関しても、基板表面処理装置の発明に関して上述したとおりの変形と同様の変形を行うことができる。
【0015】
なお、本発明における「円筒容器」とは、酸を含む蒸気が一時的に収容される内部空間が円筒状になっているものを指し、その外形はいかなる形状でもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、参考形態に係る基板表面処理装置の構成を説明するための図解的な平面図である。この装置は、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wの表面に形成された酸化膜を除去するための装置である。
【0018】
より具体的には、たとえば、ウエハW上に形成された熱酸化膜上にメモリキャパシタ形成のために使用される犠牲酸化膜(BPSG膜など)が形成されている場合に、この犠牲酸化膜を選択的に除去するための装置である。この処理のために、この基板表面処理装置では、ふっ酸の蒸気をウエハWの表面に供給することにより、ふっ酸の気相エッチング処理によって膜除去工程が行われる。
【0019】
装置の構成について説明すると、この装置は、処理前のウエハWを収容したカセットCLが置かれるローダ部10と、ウエハWの表面に対して、ふっ酸蒸気による気相エッチング処理を行う気相エッチング処理部40と、この気相エッチング処理後のウエハWを水洗し、その後、水切り乾燥を行う水洗・乾燥処理部50と、水洗・乾燥処理部50によって処理された後のウエハWを収容するためのカセットCUが載置されるアンローダ部60と備えている。
【0020】
ローダ部10およびアンローダ部60は、この基板表面処理装置の前面パネル77の背後に配置されている。ローダ部10、気相エッチング処理部40、水洗・乾燥処理部50、およびアンローダ部60は、平面視においてほぼU字形状のウエハ搬送経路78に沿って、この順に配列されている。
【0021】
ローダ部10と気相エッチング処理部40との間には、ローダ部10に置かれたカセットCLから処理前のウエハWを1枚ずつ取り出して、気相エッチング処理部40に搬入するローダ搬送ロボット71が配置されている。また、気相エッチング処理部40と水洗・乾燥処理部50の間には、気相エッチング処理後のウエハWを気相エッチング処理部40から取り出して、水洗・乾燥処理部50に搬入する中間搬送ロボット81が配置されている。そして、水洗・乾燥処理部50とアンローダ部60の間には、水洗・乾燥処理後のウエハWを水洗・乾燥処理部50から取り出してアンローダ部60に置かれたカセットCUに収容するためのアンローダ搬送ロボット72が配置されている。
【0022】
ローダ搬送ロボット71、中間搬送ロボット81およびアンローダ搬送ロボット72は、それぞれ、下アームLAと上アームUAとを有する屈伸式のロボットの形態を有している。下アームLAは、図示しない回動駆動機構によって水平面に沿って回動されるようになっている。この下アームLAの先端に、上アームUAが水平面に沿う回動が自在であるように設けられている。下アームLAが回動すると、上アームUAは、下アームLAの回動方向とは反対方向に、下アームLAの回動角度の2倍の角度だけ回動する。これによって、下アームLAと上アームUAとは、両アームが上下に重なり合った収縮状態と、両アームが経路78に沿って一方側または他方側に向かって展開された伸長状態とをとることができる。
【0023】
このようにして、ローダ搬送ロボット71、中間搬送ロボット81およびアンローダ搬送ロボット72は、処理部間またはカセット−処理部間で、経路78に沿ってウエハWの受け渡し行うことができる。
【0024】
気相エッチング処理後のウエハWを水洗および乾燥させる水洗・乾燥処理部50は、たとえば、ウエハWを水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持されたウエハWに対して純水を供給する純水供給ノズルを備えている。この構成によって、ウエハWの表面および/または裏面に純水を供給してウエハWの表面を水洗する。水洗終了後は、純水の供給を停止し、スピンチャックを高速回転させることによって、ウエハWの表面の水分を振り切って乾燥する。
【0025】
図2は、気相エッチング処理部40の構成を説明するための図解的な断面図である。気相エッチング処理部40は、ハウジング41内に、酸を含む水溶液の一例であるふっ酸水溶液42を密閉状態で貯留するふっ酸蒸気発生容器43を備えている。このふっ酸蒸気発生容器43の底部には、多数の貫通孔44aが形成された円板状のパンチングプレート44が設けられている。ふっ酸蒸気は、このパンチングプレート44に形成された多数の貫通孔44aそれぞれを通過してウエハWの上面に広く供給される。
【0026】
パンチングプレート44の下方に、処理対象のウエハWをパンチングプレート44に対向させた状態で水平に保持するホットプレート45が配置されている。このホットプレート45の内部には、ウエハWを所定の温度(たとえば、40℃〜80℃)で加熱するためのヒータが設けられている。さらに、ホットプレート45は、モータ等を含む回転駆動機構46によってウエハWの中心を通る鉛直軸OW(以下、回転軸OWという)まわりに回転(自転)される回転軸47の上端に固定されている。
【0027】
ホットプレート45の平面視における外方側には、ハウジング41の底面41aに対して上下に収縮するベローズ48が設けられている。このベローズ48は、上端縁に設けられている円環状の当接部48aをパンチングプレート44の周囲(ふっ酸蒸気発生容器43の下面)に当接させて、ホットプレート45の周縁の空間を密閉して処理室85を形成する密閉位置(図において実線で示す位置)と、その上端縁がホットプレート45の上面45aによりも下方に退避した退避位置(図2において2点鎖線で示す位置)との間で、図示しない駆動機構によって伸長/収縮駆動されるようになっている。
【0028】
ベローズ48の内部空間は、ハウジング41の底面41aに接続された排気配管49を介して、排気手段55により排気されるようになっている。この排気手段55は、排気ブロワまたはエジェクタなどの強制排気機構であってもよいし、当該基板表面処理装置が設置されるクリーンルームに備えられた排気設備であってもよい。
【0029】
ホットプレート45の側方には、ウエハWを搬入するための搬入用開口21、およびウエハWを排出するための搬出用開口22が、ハウジング41の側壁に形成されている。これらの開口21,22には、それぞれシャッタ38,39が配置されている。ウエハWの搬入時には、ベローズ48が退避位置(図2の破線の位置)に下降させられるとともに、シャッタ38が開成され、ローダ搬送ロボット71(図1参照)によって、ホットプレート45にウエハWが受け渡される。また、ウエハWの搬出時には、ベローズ48が退避位置とされるとともに、シャッタ39が開成されて、ホットプレート45上のウエハWが中間搬送ロボット81に受け渡されて搬出される。なお、開口21およびシャッタ38と、開口22およびシャッタ39との配置関係は、実際には、平面視でこれらとウエハWの中心とを結ぶ2本の線分が直交するようになっているが、この図2においては、図示の簡略化のため、これらの配置関係が、平面視でこれらとウエハWの中心とを結ぶ2本の線分が一直線上に重なるように(ウエハWの中心に対してほぼ点対称の位置関係に)描かれている。
【0030】
ふっ酸蒸気発生容器43には、ふっ酸水溶液42の液面の上方の空間35に、キャリアガスとしての窒素ガスを供給する窒素ガス供給配管54が接続されている。また、この空間35は、バルブ37を介して、パンチングプレート44へとふっ酸蒸気を導くためのふっ酸蒸気供給路36に接続することができるようになっている。ふっ酸蒸気供給路36には、窒素ガス供給源31からの窒素ガスが、流量コントローラ(MFC)32、バルブ33および窒素ガス供給配管34を介して供給されるようになっている。また、窒素ガス供給源31からの窒素ガスは、流量コントローラ52およびバルブ53を介して、窒素ガス供給配管54に与えられるようになっている。なお、窒素ガスの供給/停止を切り換えるバルブ33,53、および窒素ガスの供給量を変化させる流量コントローラ32,52は、コントローラ80によって制御されるようになっている。
【0031】
また、ふっ酸蒸気発生容器43内に貯留されるふっ酸水溶液42は、いわゆる擬似共弗組成となる濃度(たとえば、1気圧、室温(20℃)のもとで、約39.6%)に調製されている。この擬似共弗組成のふっ酸水溶液42は、水とフッ化水素との蒸発速度が等しく、そのため、バルブ37からふっ酸蒸気供給路36を介してパンチングプレート44にふっ酸蒸気が導かれることによってふっ酸蒸気発生容器43内のふっ酸水溶液42が減少したとしても、ふっ酸蒸気供給路36に導かれるふっ酸蒸気の濃度は不変に保持される。なお、図2中、符号90は、ふっ酸蒸気発生容器43内のふっ酸水溶液42を一定の温度に保持するための温調水が流通する配管を示している。
【0032】
ここで、ふっ酸蒸気発生容器43、およびふっ酸蒸気供給路36の周辺の構成をさらに詳細に説明する。ウエハWの上方には、ふっ酸蒸気供給路36からのふっ酸蒸気およびキャリアガスとしての窒素ガスが導かれる内部空間を有する容器91が形成されており、この容器91の底面の開口91bを塞ぐようにパンチングプレート44が設けられている。なお、容器91の内部空間は中心軸OH(本実施形態においてはウエハWの回転軸OWに一致する)を中心軸とする円筒空間となっている。また、容器91の内周面91aには、ふっ酸蒸気供給路36に連通する6つの吐出口36aが開口している。
【0033】
ここで、図3に図2の矢視A−Aにおける断面図を示し、容器91の周辺の構成を説明する。この図3に示されるように、ふっ酸蒸気供給路36と6つの吐出口36aとは、円形流通路36bを介して連通されており、また、6つの吐出口36aは、容器91の内周面91aに内接する正6角形Hの各頂点の近傍に配置されている。さらに、各吐出口36aからのふっ酸蒸気の吐出方向をDとし、各吐出口36aと容器91の中心軸OHとを結ぶ最短の線分をRとすると、吐出方向Dと線分Rとのなす角α(以下、ずれ角αとする)は、たとえばすべて40度となっている。なお、このずれ角αは、−90<α<90度の任意の角度とすることができる。
【0034】
また、パンチングプレート44のほぼ全面において、多数の貫通孔44aが格子状に等間隔(たとえば、10mm間隔)に配置されているが、この図3においては、図示の都合上、貫通孔44aの表示を省略している。なお、この多数の貫通孔44aの配置は、その他、放射状に等角度間隔に配置されていてもよい。また、必ずしも等間隔に配置されていなくともよく、たとえば、周辺部に行くにしたがってその間隔が大きくなるようになっていてもよい。
【0035】
なお、上述のとおり、BPSG膜と熱酸化膜とでは、一定の温度(たとえば、40℃〜80℃の範囲内の所定温度)でのふっ酸蒸気によるエッチングレートが大きく異なるから、これを利用して、ウエハWの表面のBPSGを選択的に取り除くことができる。そこで、ホットプレート45は、ウエハWを上記一定の温度に保持するように、内部のヒータ45bへの通電が行われている。
【0036】
ここで、処理室85内でのウエハWの処理動作について説明する。ウエハWの表面の膜を除去する膜除去工程を行う時には、ベローズ48はパンチングプレート44の周縁に密着した密着位置(図2の実線の位置)まで上昇させられて、ホットプレート45を取り囲む密閉した処理室85が形成される。この状態で、コントローラ80は、バルブ33,37,53を開成状態に保持する。これにより、ふっ酸蒸気発生容器43内の空間35において生成されたふっ酸蒸気は、窒素ガス供給配管54からの窒素ガスによって、バルブ37を介し、ふっ酸蒸気供給路36へと押し出される。このふっ酸蒸気は、さらに、窒素ガス供給配管34からの窒素ガスによって、円形流通路36bを介して6つの吐出口36aから容器91内へと吐出されて図3における右回り(時計回り)の渦流れSを発生させる。そして、この容器91の底面の開口91bを塞ぐパンチングプレート44に形成された貫通孔44aを介して、容器91内のふっ酸蒸気はウエハWの表面へと供給される。そして、ウエハWの表面では、ウエハWの近傍の水分子の関与の下に、ふっ酸蒸気とウエハWの表面の酸化膜(酸化シリコン)とが反応し、これにより、酸化膜の除去が達成される。
【0037】
以上の構成により、容器91内に対して、複数の吐出口36aからふっ酸蒸気が供給される。これにより、容器91内でのふっ酸蒸気の濃度が均一となり、ウエハW表面の面内で均一なエッチング処理を行うことができる。
【0038】
しかも、複数の吐出口36aからのふっ酸蒸気の吐出方向Dが、図3において、容器91の中心軸OHに対してみな左側にずれているため、容器91内において、右回り(図3における時計回り)の蒸気の渦流れSを発生させることができるので、容器91内でのふっ酸蒸気の濃度がより均一となる。
【0039】
また、吐出方向Dのずれ角度αは、複数の吐出口36aのそれぞれすべてにおいて同じ(たとえば、40度)になっているので、上述の蒸気の渦流れSを良好に発生させることができ、容器91内でのふっ酸蒸気の濃度がさらに均一となる。
【0040】
さらには、複数の吐出口36aは、容器91の内周面91aに内接する正6角形の各頂点の近傍に配置されているので、上述の蒸気の渦流れSをさらに良好に発生させることができ、容器91内でのふっ酸蒸気の濃度がさらに均一となる。
【0041】
以上のようにして膜除去工程を予め定めた一定の時間だけ行った後に、コントローラ80は、バルブ37,53を閉じて、膜除去工程を停止させる。それとともに、コントローラ80は、バルブ33を継続して開成状態にしておくとともに、流量コントローラ32を制御して配管34中を流通する窒素ガスの流量を増大させ、この窒素ガスをパンチングプレート44の貫通孔44aを介して、ウエハWの表面に供給する。これによって、ウエハWの表面付近に存在している水分子およびふっ酸分子が置換除去され、排気配管49を介する処理室85の排気によって、処理室85外へと運び去られる。なお、この際にも容器91内には窒素ガスの渦流れSが発生するため、ウエハWの表面付近の水分子およびふっ酸分子の置換除去がウエハW面内で均一に行われる。
【0042】
こうして膜除去工程の直後に、ウエハWの表面には不活性ガスとしての窒素ガスが供給されることによって、ウエハWの表面付近の水およびふっ酸の分子がすみやかに除去されるから、気相エッチング処理がすみやかに停止する。この気相エッチング処理の停止は、ウエハWの表面の全域でほぼ同時に起こるから、ウエハWの表面の各部に対して均一な膜除去処理を施すことができる。また、複数枚のウエハWに対する処理のばらつきも低減できる。
【0043】
そして、膜除去工程後の窒素ガスの供給は、一定時間(たとえば10秒以上。20秒程度が好ましい。)に渡って継続され、その後、コントローラ80は、バルブ33を閉じて窒素ガスの供給を停止する。
【0044】
なお、以上に説明した参考形態においては、吐出口36aは複数(6つ)設けられているが、蒸気の吐出方向を変化させることのできる1つの吐出口36aが設けられるものであってもよい。この実施形態を本発明の実施形態として、以下に説明する。図4は、本発明の実施形態に係る基板表面処理装置の、特に気相エッチング処理部40の容器91の周辺の構成を示す平面図であって、図2の矢視A−Aにおける断面図(参考形態の図3に対応)を示している。なお、この容器91の周辺の構成以外についての詳細な説明は、上述の参考形態についての説明と図1および図2を代用して、ここではその説明を省略するものとする。また、この図4において、図3に示す各部と同様な部分には同一の参照符号を付して示す。
【0045】
この図4に示す本発明の実施形態おいては、参考形態のような円形流通路36bは設けられておらず、代わりにふっ酸蒸気供給路36と揺動可能な吐出口36aとを結ぶ接続路36cが設けられている。そして、吐出口36aは、パイプ状に形成されており、接続路36cの一方端においてユニバーサルジョイント36dにより回動可能に取り付けられている。また、この吐出口36aは、図4に示すように、図示しないモータやシリンダ等の揺動駆動手段によって、ユニバーサルジョイント36dを支点として、所定の水平方向の揺動角度θ(たとえば、水平140度の範囲)で揺動可能となっている。すなわち、吐出口36aと容器91の中心軸OHとを結ぶ最短の線分Rと、吐出方向Dとのなす角β(参考形態における図3のずれ角αに対応)は、−70度から+70度の範囲で変化することができるようになっている。なお、このずれ角βは、−90<β<90度のうちの任意の角度範囲とすることができる。
【0046】
以上、参考形態および本発明の実施形態について説明したが、この参考形態および本発明の実施形態は他の形態で実施することも可能である。たとえば、上述の参考形態では、6つの吐出口36aがいるが、吐出口36aの数は2つ以上であればよく、その数が多いほど、上述の渦流れSを良好に発生させることができる。また、吐出口36aの数を3以上の整数nとした場合、これらの吐出口36aは、容器91の内周面91aに内接する正n角形の各頂点の近傍に配置されるのが好ましい。なお、吐出口36aの数が2つである場合には、容器91の内周面91aの、中心軸OHを挟んで互いに対向する位置に設けられるのがよい。
【0047】
さらに、上述の参考形態では、複数の吐出口36aからのふっ酸蒸気の吐出方向Dは、容器91の中心軸OHに対して同じ側(図3において左側)にずれているが、必ずしも同じ側にずれることはなく、そのずれる側が左右にランダムになっていてもよい。また、上述の参考形態では、吐出方向Dのずれ角度αは、複数の吐出口36aのそれぞれすべてにおいて同じになっているが、必ずしも同じである必要はない。ただし、蒸気の渦流れSを良好に発生させるためには、上述の参考形態のように、吐出方向Dを、中心軸OHに対して同じ側に同じずれ角αだけずらすのが最もよい。
【0048】
またさらに、上述の本発明の実施形態では、蒸気吐出方向変化手段に相当する上記揺動駆動手段によって吐出口36aを直接的に揺動させることによって蒸気の吐出方向Dを変化させているが、吐出口36aを揺動させることなく、吐出口36aから吐出された蒸気の方向を間接的に変化させてもよい。たとえば、固定されている吐出口36aの吐出方向前方に回転板を設け、この回転板を回転させることにより蒸気の方向を揺動させるようにしてもよい。なお、この回転板を回転させるためにモータ等の回転板回転駆動手段が設けられており、この回転板回転駆動手段が、本発明の請求項1の蒸気吐出方向変化手段に相当する。
【0049】
また、上述の参考形態および本発明の実施形態では、蒸気拡散板としてのパンチングプレート44が、円筒容器91の底面の開口91bに設けられているが、設けられていなくともよい。ただし、ウエハWへの蒸気の供給をより均一に行うためには、パンチングプレート44が設けられる方がよい。
【0050】
なお、上述の参考形態および本発明の実施形態では、容器91の中心軸OHは、ウエハWの回転軸OWに一致しているが、これに限らず、容器91の中心軸OHが、ウエハWの回転軸OWからずれていてもよい。すなわち、容器91の中心軸OHとウエハWの回転軸OWとが、所定の距離をもって平行な関係にあってもよい。
【0051】
なお、上述の参考形態および本発明の実施形態では、基板表面をエッチングするための蒸気として、ふっ酸の蒸気を用いているが、塩酸、硝酸、硫酸、ふっ酸(HFおよび無水HFを含む)、酢酸などのような酸を含む蒸気であれば何でもよい。たとえば、上記酸を含む水溶液の蒸気であってもよく、上記酸を含むガス(気相状態のもの)を水蒸気中に混合したものであってもよい。
【0052】
さらに上述の参考形態および本発明の実施形態では、不活性ガスとして窒素ガスを用いる例について説明したが、アルゴンなどの他の不活性ガスを用いてもよい。
【0053】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項に係る発明の基板表面処理装置によると、円筒容器内に対して、蒸気吐出口からの酸を含む蒸気の吐出方向が時間とともに刻々と変化しつつ、酸を含む蒸気が供給されるので、円筒容器内での酸を含む蒸気の濃度が均一となり、基板表面の面内で均一な処理を行うことができる。
【0055】
また、蒸気拡散板の拡散効果によってさらに基板へ供給される酸を含む蒸気の供給量が面内で均一化され、基板表面の面内でさらに均一な処理を行うことができる。
【0056】
また、請求項に係る基板表面処理装置によると、円筒容器内での酸を含む蒸気の濃度が均一となり、基板表面の面内で均一なエッチング処理を行うことができる。
【0057】
また、請求項に係る発明の基板表面処理方法によると、基板表面の面内で均一な処理を行うことができるので、均一性が良好な基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の参考形態に係る基板表面処理装置の構成を説明するための図解的な平面図である。
【図2】この発明の参考形態に係る気相エッチング処理部の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図3】この発明の参考形態に係る気相エッチング処理部の容器周辺の構成を示す簡略的な平面図である。
【図4】この発明の実施形態に係る気相エッチング処理部の容器周辺の構成を示す簡略的な平面図である。
【符号の説明】
40 気相エッチング処理部(基板表面処理装置)
50 水洗・乾燥処理部
31 窒素ガス供給源
33 バルブ
34 窒素ガス供給配管
36 ふっ酸蒸気供給路
36a 吐出口(蒸気吐出口)
36b 円形流通路
36c 接続路
36d ユニバーサルジョイント
37 バルブ
42 ふっ酸水溶液
43 ふっ酸蒸気発生容器
44 パンチングプレート(蒸気拡散板)
44a 貫通孔
45 ホットプレート
45a ホットプレートの上面
45b ヒータ
46 回転駆動機構(基板自転手段)
47 回転軸
48 ベローズ
49 排気配管
52 流量コントローラ
53 バルブ
54 窒素ガス供給配管
55 排気手段
60 アンローダ部
80 コントローラ
85 処理室
91 容器(円筒容器)
91a 内周面(円筒容器の内周面)
91b 開口(円筒容器の底面の開口部)
α,β ずれ角
D 吐出方向
H 正6角形
OW 回転軸(基板の回転軸)
OH 中心軸(円筒容器の中心軸)
R 線分
S 渦流れ
W ウエハ(基板)

Claims (3)

  1. 基板の表面に酸を含む蒸気を供給することで、基板の表面を処理する基板表面処理装置において、
    基板の中心を通り基板に垂直な回転軸を中心に基板を自転させる基板自転手段と、
    この基板自転手段により自転されている基板の表面側に開口する開口部を底面に有し、酸を含む蒸気を一時的に収容する内部円筒状の円筒容器と、
    上記円筒容器の底面の開口部を塞ぐように設けられ、円筒容器内の酸を含む蒸気が通過する多数の貫通孔が形成された蒸気拡散板と、
    上記円筒容器内に酸を含む蒸気を吐出するために設けられた蒸気吐出口と、
    上記円筒容器および上記蒸気拡散板に囲まれた空間内で上記蒸気吐出口を揺動させることにより上記蒸気吐出口から吐出される酸を含む蒸気の吐出方向を変化させる蒸気吐出方向変化手段と、
    を備えることを特徴とする基板表面処理装置。
  2. 基板の表面の処理は、基板の表面の膜を除去する処理であることを特徴とする請求項記載の基板表面処理装置。
  3. 上記請求項1または2記載の基板処理装置を用いて、基板の表面を処理することを特徴とする基板表面処理方法。
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