JP3628442B2 - ステップモータ - Google Patents

ステップモータ Download PDF

Info

Publication number
JP3628442B2
JP3628442B2 JP17784896A JP17784896A JP3628442B2 JP 3628442 B2 JP3628442 B2 JP 3628442B2 JP 17784896 A JP17784896 A JP 17784896A JP 17784896 A JP17784896 A JP 17784896A JP 3628442 B2 JP3628442 B2 JP 3628442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
step motor
rotor
stator
holding torque
peak value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17784896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1028367A (ja
Inventor
則雄 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP17784896A priority Critical patent/JP3628442B2/ja
Publication of JPH1028367A publication Critical patent/JPH1028367A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3628442B2 publication Critical patent/JP3628442B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計等の電子機器の駆動に使われるステップモータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特に時計においては、針をステップ駆動するためにステップモータが使われているが、電池寿命を増大する、あるいは時計を小型化するために、該ステップモータにたいしてさらなる低消電化、あるいは小型化が切望されている。
【0003】
まず、従来のステップモータの構造について説明する。図5に従来のステップモータを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)の直線E−E断面図である。また、図7は保持トルクカーブと励磁トルクカーブを示す。図5に示す従来のステップモータ30は、2極で直径がd0の永久磁石37から成るロータ31と、該ロータ31が入る直径がD0のロータ穴35を有し該ロータ31に磁気結合する板状の2極のステータ32と、該ステータ32に2個のネジ36によって固定されたコイル33から成る。
【0004】
さらに、前記ロータ穴35は、図7に示す、180度毎に静的安定点73、74を有する保持トルクカーブ70を発生させるために、直線E−Eに直角に、お互いに逆方向にずれた中心を有する2個の略半円35a、35bから構成されている。また、図5(b)に示すように、前記ステータ32の厚みtは板全体において一定である。
【0005】
図6は従来の他のステップモータを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)の直線F−F断面図である。図6に示す従来のステップモータ40は、2極で直径がd0の永久磁石37から成るロータ31と、該ロータ31が入る直径がD0のロータ穴45を有し該ロータ31に磁気結合する板状の2極のステータ42と、該ステータ42に2個のネジ36によって固定されたコイル33から成る。
【0006】
さらに、前記ロータ穴45は、図7に示す、180度毎に静的安定点73、74を有する保持トルクカーブ70を発生させるために、直線F−Fから約45度で、ステータ42の、お互いに対向した位置に形成された2個のノッチ47を有している。図6(b)に示すように、前記ステータ42の厚みtは板全体において一定である。
【0007】
ここで、前記従来のステップモータの作用を図7を使って説明する。ステップモータ30と40の作用は同様なので、ステップモータ30の作用について説明する。まず、ロータ31は、保持トルクの静的安定点(図7に示す、0度の点73あるいは180度の点74)に静止している。ここで、図7に示す、励磁トルクカーブ71あるいは72で示される励磁トルクを発生する励磁電流を1秒毎に所定の時間コイル33に印加すると、ロータ31は、保持トルクカーブ70の谷75あるいは76を乗り越えて右回りに回転し、180度回転したところで、もう1個の保持トルクの静的安定点(180度の点74あるいは0度の点73)に静止する。この操作を1秒毎に繰り返すことによって時計の針を運針させることができる。前記の説明により、ロータ31は励磁トルクによって駆動されることによって保持トルクカーブ70の谷75あるいは76を乗り越え回転できることから、励磁トルクカーブ71、72のトルクピーク値Te1と保持トルクカーブ70の谷75、76のトルクピーク値Td1の比Te1/Td1を大きくすれば時計の針を容易に運針できることがわかる。
【0008】
図8は従来のステップモータのトルクピーク値の永久磁石直径に対するカーブを示す。保持トルクピーク値カーブ80と励磁トルクピーク値カーブ81はロータ穴の直径がD0のときであり、保持トルクピーク値カーブ80において永久磁石直径がd0からd1に大きくなると、座標点は80aから80bに移動し、トルクピーク値はTd1からTd2に増加する。励磁トルクピーク値カーブ81においては永久磁石直径がd0からd1に大きくなると、座標点は81aから81bに移動し、トルクピーク値はTe1からTe2に増加する。
【0009】
一方、保持トルクピーク値カーブ82と励磁トルクピーク値カーブ83はロータ穴の直径がD0より小さいD2のときであり、永久磁石直径はd0からd2に小さくなる。保持トルクピーク値カーブ82において永久磁石直径がd2からd0に大きくなると、座標点は82aから82bに移動し、トルクピーク値はTd3からTd4に増加する。励磁トルクピーク値カーブ83においては永久磁石直径がd2からd0に大きくなると、座標点は83aから83bに移動し、トルクピーク値はTe1からTe3に増加する。ここで、ロータ穴の直径D2の時の永久磁石直径d2は、励磁トルクピーク値カーブ83における永久磁石直径d2でのトルクピーク値が励磁トルクピーク値カーブ81における永久磁石直径d0でのトルクピーク値Te1になるように設定されている。
【0010】
従来のステップモータでは、ロータの永久磁石直径はd0に、ロータ穴の直径はD0に設定されており、図7にも示すように、保持トルクピーク値はTd1、励磁トルクピーク値はTe1である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、励磁トルクピーク値は励磁電流と比例関係にあることから、ロータ穴の直径がD0の状態でロータの永久磁石径を大きくしていき、励磁トルクピーク値を増大させ励磁トルクピーク値の増大分に応じて該励磁電流をさげることによって低消費電力化を計ろうとすると以下に示す課題が生じる。つまり、図8に示す、保持トルクピーク値カーブ80と励磁トルクピーク値カーブ81のトルクピーク値の永久磁石直径による変化から分かるように、励磁トルクピーク値の増大に較べ、保持トルクピーク値の増大の方が大きいので、ロータの永久磁石直径がd0のときのTe1とTd1の比Te1/Td1に較べ、ロータの永久磁石直径がd1のときのTe2とTd2の比Te2/Td2は小さくなり、ロータの永久磁石直径をd0より大きいd1にしたことによって、励磁電流を下げられるどころか、上げて励磁トルクピーク値を大きくしないとロータを保持トルクの谷を越えて回転させることができなくなる。
【0012】
そこで、ロータの永久磁石直径がd1のときの保持トルクピーク値Td2を小さくするために、図5に示す従来のステップモータでは、保持トルクを決める、2個の略半円35a、35bの中心間のずれ量e1、図6に示す従来のステップモータでは、保持トルクを決める、ノッチ47の径e2を小さくすることが考えられるが、それぞれ数μ、数十μの値なので、加工精度上、量産では対応できない。以上により、ロータの永久磁石直径をd0より大きいd1にすることによって、励磁トルクピーク値を大きくしても保持トルクピーク値を増大させない他の手段が必要となる。
【0013】
永久磁石直径をd0からd2にすることによってステップモータを小型化しようとすると、図8において永久磁石直径がd2では、励磁トルクのピーク値Te1と保持トルクピーク値Td3の比Te1/Td3は、永久磁石直径がd0での励磁トルクのピーク値Te1と保持トルクピーク値Td1の比Te1/Td1に較べ小さくなるため励磁電流を大きくしない限りステップモータを正常に回転できず、ステップモータの小型化は困難である。
【0014】
本発明は時計等の電子機器の駆動に使われるステップモータを低消電化あるいは小型化するための手段を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨は、2極の永久磁石から成るロータと、
該ロータの中心と同一中心を持つ円からなる外周と中心をずらした2個の略半円からなる内周により囲まれた平面形状をなす薄肉の保持トルク部が形成され前記ロータと磁気結合する2極のステータと、該ステータに固定されたコイルとを有することを特徴とする。
また2極の永久磁石から成るロータと、該ロータの中心と同一中心を持つ円からなる外周と前記ロータの中心と同一中心を持つ円と2個の対向する位置に形成されたノッチからなる内周により囲まれた平面形状をなす薄肉の保持トルク部が形成され前記ロータと磁気結合する2極のステータと、該ステータに固定されたコイルとを有することを特徴とする。
また、前記保持トルク部は階段形状であることを特徴とする。
また、前記保持トルク部は傾斜断面形状であることを特徴とする。
また、 前記保持トルク部はステータの厚み方向の中央付近に設けられることを特徴とする。
上記構成によって、例えば、ロータ穴の直径を小さくして励磁トルクピーク値を増大させても、保持トルク部の厚みを小さくして保持トルクピーク値は一定にできるので、励磁トルクピーク値の増大分に応じて励磁電流を小さくし、励磁電流の低消電化を達成できる。
また、励磁トルクピーク値が変わらないようにロータ穴の直径と永久磁石直径を小さくしていった時に、保持トルクピーク値は、保持トルク部の厚みを小さくすることによって一定にできるので、ステップモータは同じ励磁電流で駆動できることになり、消費電力を増大させることなくロータ穴の直径を小さくできることから、ステータも小型化でき、ステップモータを小型化ができる。
【0016】
また、前記ステータは形状の異なるロータ穴を有する少なくとも2枚のステータ部材を重ね合わせることによって形成されていることを特徴とする。
【0017】
上記構成により前記ステータは形状の異なる少なくとも2枚のステータ部材を別々に加工するにより保持トルク部厚みを容易に精度よく出すことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のステップモータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)の直線A−A断面図である。図1により本発明の実施の形態を説明する。図1に示す本発明のステップモータ1は、2極で直径がd1の永久磁石8から成るロータ2と、以下で説明する保持トルクを生ぜしめる構造を含む保持トルク部5(略半円6a、6bと中心が6cの円6dに囲まれた斜線部)と該保持トルク部を除くヨーク部3aから成り、該ロータ2が入るロータ穴6(直径D0)を有し該ロータ2に磁気結合する板状の2極のステータ3と、該ステータ3に2個のネジ7によって固定されたコイル4から成る。前記ロータ穴6は、図7に示す、180度毎に静的安定点73、74を有する保持トルクカーブ70を発生させるために、直線A−Aに直角に、お互いに逆方向にずれた中心を有する2個の略半円6a、6bから構成され、真円(真円のときは保持トルクは生じない)からずれた保持トルクを生ぜしめる構造(図1(a)に示す保持トルク部5の内周に等しい)を形成している。
【0019】
本実施形態の特徴は、図1(b)に示すように内周が前記ロータ穴6の外周6a、6bで、外周が該ロータ穴6の中心(ロータ2の中心でもある)と同一である中心6cを持つ円6d(半径は該6cと前記6aあるいは6bとの間の最大距離となっている)となる保持トルク部5の厚みt0が、実験的に見たとき、永久磁石直径の比d1/d0が1.2のとき、ステータ3のヨーク部3aの厚みtに比べ、t0/tが0.5と薄くなっていることである。なお、9a、9bはステータ3の接合部9のエッジであり、円6dの半径を6cと9aあるいは6cと9b間の距離の小さい方まで大きくできる。
【0020】
図9は本発明のステップモータのトルクピーク値の永久磁石直径に対するカーブを示す。ただし、永久磁石直径がd0のときは、従来のステップモータのトルクピーク値であり、本発明のステップモータの座標点91cの励磁トルクピーク値Te4を除いて図8と同一になる。つまり、座標点90a(92a)は座標点80a(図8図示)と同一で、保持トルクピーク値はTd1、座標点91aは座標点81aと同一で、励磁トルクピーク値はTe1、座標点93aは座標点83bと同一で、励磁トルクピーク値はTe3である。保持トルクピーク値カーブ90と励磁トルクピーク値カーブ91はロータ穴の直径がD0のときであり、保持トルクピーク値カーブ90において永久磁石直径がd0からd1に大きくなると、座標点は90aから90bに移動するがトルクピーク値はTd1と変わらない。励磁トルクピーク値カーブ91において永久磁石直径がd0からd1に大きくなると、座標点は91aから91bに移動しトルクピーク値はTe1からTe20に増加する。
【0021】
一方、保持トルクピーク値カーブ92と励磁トルクピーク値カーブ93はロータ穴の直径がD0より小さいD2のときであり、保持トルクピーク値カーブ92において永久磁石直径がd2からd0に大きくなると、座標点は92bから92aに移動するが、トルクピーク値はTd1と変わらないように保持トルク部の厚みt0は設定されている。励磁トルクピーク値カーブ93においては、永久磁石直径がd2のときのトルクピーク値がロータ穴の直径がD0で永久磁石の直径がd0のときのトルクピーク値Te1となるように、永久磁石直径はd2に設定され、永久磁石直径がd2からd0に大きくなると、座標点は93bから93aに移動し、トルクピーク値はTe1からTe3に増加する。
【0022】
次に、図1、図9を使って、永久磁石直径がd1である、本発明のステップモータの作用について説明する。永久磁石直径を大きくしていくときに前記保持トルク部5の厚みt0(永久磁石直径がd0のときは、該保持トルク部5の厚みt0はヨーク部の厚みtである)を小さくしていくことによって、保持トルクピーク値カーブを一定の保持トルクピーク値カーブ90にできる。これは、保持トルク部5の厚みt0を小さくし、保持トルク部5を永久磁石8の磁束で磁気飽和させ、保持トルク部5の保持トルクへの寄与を減小させたためである。よって、永久磁石直径をd1と大きくしても保持トルクピーク値は永久磁石直径がd0のときとかわらずTd1となるので、保持トルクカーブもほぼ、図7に示す保持トルクカーブ70にできる。
【0023】
一方、励磁トルクピーク値は永久磁石直径をd0からd1へ大きくしていくと励磁トルクピーク値カーブ91を描き、励磁トルクピーク値はTe1からTe20(図8で示すTe2にほぼ等しい)に増大する。ここで、励磁トルクピーク値は励磁電流に比例するので励磁トルクピーク値Te20を発生するときの励磁電流をTe1/Te20に小さくすると該励磁電流での励磁トルクピーク値は励磁トルクピーク値Te1になる。よって、励磁トルクカーブもほぼ、図7に示す励磁トルクカーブ71、72になるので、従来のステップモータと同じようにロータを回転できる。
【0024】
さらに、図9を使って、永久磁石直径がd0である本発明のステップモータの作用について説明する。保持トルク部5の厚みt0を、保持トルク部が永久磁石8の磁束で磁気飽和する寸前になるように設定すると、保持トルクピーク値を座標点90aあるいは92aで示すTd1のままに保てる。一方、保持トルク部5の存在により、永久磁石8とコイル4間の磁気結合が等価的に増大されることによって、励磁トルクピーク値はTe1より大きい座標91cで示すTe4となる。よって、Te1/Te4に励磁電流を小さくすることによって励磁トルクピーク値を座標点91aで示す励磁トルクピーク値Te1に設定できる。よって、保持トルクカーブと励磁トルクカーブはそれぞれほぼ、図7に示す保持トルクカーブ70と励磁トルクカーブ71、72になるので、従来のステップモータと同じようにロータを回転できる。
【0025】
よって、前記の説明により永久磁石直径d1の本発明のステップモータでは永久磁石直径d0の従来のステップモータに較べTe1/Te20、永久磁石直径d0の本発明のステップモータでは永久磁石直径d0の従来のステップモータに較べTe1/Te4に励磁電流の低消電化を達成できることがわかる。
【0026】
次に、ロータ穴の直径をD0からD2にすることによる本発明のステップモータの小型化について図9を使って説明する。本発明のステップモータの保持トルクピーク値カーブ92は永久磁石直径をd0からd2に変えても変わらなくなり、また励磁トルクピーク値カーブ93は、図8の励磁トルクピーク値カーブ83とほぼ同じになるので、永久磁石の直径d2のときの励磁トルクピーク値と保持トルクピーク値の比は永久磁石の直径d0のときのTe1/Td1と変わらなくなり、本発明のステップモータを従来のステップモータと同じ励磁電流で駆動できることが分かる。
【0027】
上記の説明によりステップモータの消費電力を増大させることなくロータ穴の直径をD2に小さくできることから、ステータも小型化でき、ステップモータを小型化ができることがわかる。
【0028】
つぎに、本発明のステップモータのステータの加工方法を説明する。図3はステップモータ1の加工手順図である。ステータブランク20(図3(a))に対して図3(b)のように、ステータブランク20にダミー穴21とスリット22とネジ穴21aを入れる。次に、図3(c)に示すように非磁性のロウ材23でスリット22の両端を接合する(接合部23a)。次に、図3(d)に示すように、外形が図3(e)に示す保持トルク部5の外形になる薄部24をプレス加工する。最後に、図3(e)に示すように、ロータ穴6をシェービング加工によるプレス抜きをして、保持トルク部5を加工しステータ3を完成する。
【0029】
図2は本発明の他の実施形態によるステップモータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)の直線B−B断面図である。図2により本発明の実施の形態を説明する。平面図(a)に示す本発明のステップモータ10は、2極で直径がd1の永久磁石8から成るロータ2と、以下で説明する保持トルクを生ぜしめる構造を含む保持トルク部14(中心が6cの円15aと円15cに囲まれた斜線部)と該保持トルク部を除くヨーク部12aから成り、該ロータ2が入るロータ穴15(直径D0)を有し該ロータ2に磁気結合する板状の2極のステータ12と該ステータ12に2個のネジ7によって固定されたコイル4から成るステップモータであり、前記ロータ穴15は、図7に示す、180度毎に静的安定点73、74を有する保持トルクカーブ70を発生させるために、直線B−Bから約45度で、お互いに対向した位置に形成された2個のノッチ17から構成され、真円(真円のときは保持トルクは生じない)からずれた保持トルクを生ぜしめる構造(2個のノッチからなる)を形成している。
【0030】
図2(a)の斜線部で示される、内周が前記ロータ穴15の外周15aで、外周が該ロータ穴15の中心(ロータ2の中心でもある)と同一である中心6cを持つ円15c(ノッチ17に接した円となっている)となる保持トルク部14の厚みt0は、永久磁石直径の比d1/d0が1.2の時、図2(b)に示すようにステータ12のヨーク部12aの厚みtに比べ、t0/tが0.5と薄くなっている。なお、図2(a)に示す91はステータ12の狭部であり、91a、91bは該狭部91のエッジであり、円15cの半径は6cと91aあるいは6cと91b間の距離の小さい方まで大きくできる。また、円15cはノッチ17が該円15cの円周近傍の内側になるようにとればよい。
【0031】
本発明のステップモータ10のステータの加工方法は、ステップモータ1のステータの加工方法と図3(b)、(c)に示すスリット加工、スリット溶接加工がないことと、図3(e)に示す2個の略半円6a、6bの構成が2個のノッチ17になること以外は同様なので説明を省略する。図9における作用はステップモータ1と同様なので説明を省略する。
【0032】
図4はさらに本発明の他の実施形態によるステップモータを示し、(a)、(b)はステータを形成するための形状の異なるステータ部材の平面図、(c)はステップモータの平面図、(d)は(c)の直線C−C断面図である。図4により、ステータが形状の異なる2枚のステータ部材を重ね合わせられて形成されている、本発明のステップモータの実施の形態を説明する。図4(c)に示す本発明のステップモータ111は、2極で直径がd1の永久磁石8から成るロータ2と、以下で説明する保持トルクを生ぜしめる構造を含む保持トルク部115と該保持トルク部を除くヨーク部113aと113bから成り、該ロータ2が入る直径がD0のロータ穴116を有し該ロータ2に磁気結合する板状の2極のステータ113と、該ステータ113に2個のネジ7によって固定されたコイル4から成る。前記ロータ穴116は、図7に示す、180度毎に静的安定点73、74を有する保持トルクカーブ70を発生させるために、直線C−Cに直角に、お互いに逆方向にずれた中心を有する2個の略半円116a、116bから構成され、真円(真円のときは保持トルクは生じない)からずれた保持トルクを生ぜしめる構造(図4(c)に示す保持トルク部115の内周に等しい)を形成している。
【0033】
図4(d)に示すように、ステータ113は厚みがt1であるステータ部材26と厚みがt0であるステータ部材28を積層したものであり、図4(c)の斜線部で示される、内周が前記ロータ穴116の外周116a、116bで、外周が該ロータ穴116の中心(ロータ2の中心でもある)である中心6cを持つ円116dとなる保持トルク部115の厚みt0は、図4(d)に示すように、永久磁石直径の比d1/d0が1.2の時、ステータ113のヨーク部113a、113bの厚みtに比べ、t0/tが0.5と薄くなる。つぎに、ステータ部材26、28を使った本発明のステップモータの加工、組立方法を説明する。
【0034】
図4(a)はステータ部材26であり、保持トルク部115の外周の円116dとなるロータ用の穴25を有しており、図4(b)はステータ部材28であり、保持トルク部115の内周となる直線C−Cに直角に、お互いに逆方向にずれた中心を有する2個の略半円27a、27bからなるロータ用の穴27がシェービングプレス抜きされている。次に図4(c)に示すようにステータ部材26とステータ部材28をロータ用の穴25の中心25bと27の中心27dをあわせて重ね合わせることによってロータ穴116と保持トルク部115を有するステータ113を組み立て、ロータ穴116にロータ2を設置し、ネジ7によりコイル4を該ステータ113に固定することによってステップモータ111が完成する。前記ステータの加工方法により保持トルク部115の厚みt0を容易に精度よく出すことができる。図9における作用はステップモータ1と同様なので説明を省略する。
【0035】
図10は本発明の他の実施形態によるステップモータの断面図である。図1(b)と、図2(b)および図4(d)において、保持トルク部をステータの厚み方向の片側に設けているが、図10の断面図に示す保持トルク部50のように、厚み方向の中央付近に設けてもよい。
【0036】
図11は本発明の他の実施形態によるステップモータの断面図である。図1(b)、図2(b)および図4(d)において、保持トルク部の断面形状は階段形状であるが、図11の断面図に示す保持トルク部51のように、厚みがt0からtまで連続して増加する傾斜断面形状でもよい。
【0037】
図12は本発明の他の実施形態によるステップモータの断面図である。図4(d)において、保持トルク部115は2枚のステータ部材26、28を重ね合わせて形成しているが、図12の断面図に示す保持トルク部52のように、3枚のステータ部材53、54、55を重ね合わせて形成してもよい。
【0038】
図13はさらに本発明の他の実施形態によるステップモータを示し、(a)はステップモータの平面図、(b)は(a)の直線D−D断面図である。図13により、ステータが形状の異なる2枚のステータ部材を重ね合わせられて形成されている、本発明のステップモータの実施の形態を説明する。図13(a)に示す本発明のステップモータ211は、2極で直径がd1の永久磁石8から成るロータ2と、以下で説明する保持トルクを生ぜしめる構造を含む保持トルク部215と該保持トルク部を除くヨーク部213aと213bから成り、該ロータ2が入る直径がD0のロータ穴216を有し該ロータ2に磁気結合する板状の2極のステータ213と、該ステータ213に2個のネジ7によって固定されたコイル4から成る。前記ロータ穴216は、図7に示す、180度毎に静的安定点73、74を有する保持トルクカーブ70を発生させるために、直線D−Dに直角に、お互いに逆方向にずれた中心を有する2個の略半円216a、216bから構成され、真円(真円のときは保持トルクは生じない)からずれた保持トルクを生ぜしめる構造(図13(a)に示す保持トルク部215の内周に等しい)を有している。ここで、図13に示すステップモータは図4に示すステップモータに対し、次に示す点で異なる。つまり、図13に示すステータ213のロータ穴216は、直径がD0の円と半径が該円の半径より大きい2個の略半円216a、216bから構成されているのに対し、一方、図4に示すステータ113のロータ穴116は、円116dと半径が該円の半径より小さい2個の略半円116a、116bから構成されている点である。
【0039】
図13(b)に示すように、ステータ213は厚みがt1であるステータ部材221と厚みがt0であるステータ部材220を積層したものであり、図13(a)の斜線部で示される、内周が前記ロータ穴216の外周216a、216bで、外周が該ロータ穴216の中心(ロータ2の中心でもある)である中心6cを持つ円216dとなる保持トルク部215の厚みt0は、図13(b)に示すように、永久磁石直径の比d1/d0が1.2の時、ステータ213のヨーク部213a、213bの厚みtに比べ、t0/tが0.5と薄くなる。
【0040】
図14は本発明の他の実施形態によるステップモータのステータのノッチを形成された一部の斜視図を示し、ステータ313の斜線部で示される保持トルク部316は、内周がロータ穴315の外周315aで、外周が該ロータ穴315の中心と同一である中心6cを持つ円315c(ノッチ314に接した円となっている)となっており、深さt0のノッチ314がステータ313に形成されている。ここで、もう1個のノッチが中心6cに対してノッチ314の対称位置に形成されている。
【0041】
【発明の効果】
上記の説明からわかるように、特許請求項1、2、3に記載の本発明によれば、時計等の電子機器の駆動に使われるステップモータを低消電化でき、電池の寿命をのばすことができる効果があることがわかる。あるいは、該ステップモータを小型化できる効果があることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステップモータの平面図、断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態によるステップモータの平面図、断面図である。
【図3】本発明のステップモータの加工手順図である。
【図4】本発明の他の実施形態によるステップモータの加工手順図、平面図と断面図である。
【図5】従来のステップモータの平面図、断面図である。
【図6】従来の他のステップモータの平面図、断面図である。
【図7】ステップモータのトルクカーブである。
【図8】従来のステップモータのトルクピーク値の永久磁石直径に対するカーブである。
【図9】本発明のステップモータのトルクピーク値の永久磁石直径に対するカーブである。
【図10】本発明の他の実施形態によるステップモータの断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態によるステップモータの断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態によるステップモータの断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態によるステップモータの平面図、断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態によるステップモータのステータのノッチを形成された一部の斜視図である。
【符号の説明】
1 10 30 40 111 ステップモータ
2 31 ロータ
3 12 32 42 113 213 313 ステータ
4 33 コイル
5 14 50 51 52 115 215 316 保持トルク部
3a 12a 113a ヨーク部
26 28 53 54 55 220 221 ステータ部材

Claims (8)

  1. 2極の永久磁石から成るロータと、
    該ロータの中心と同一中心を持つ円からなる外周と中心をずらした2個の略半円からなる内周により囲まれた平面形状をなす薄肉の保持トルク部が形成され前記ロータと磁気結合する2極のステータと、
    該ステータに固定されたコイル
    とを有することを特徴とするステップモータ。
  2. 2極の永久磁石から成るロータと、
    該ロータの中心と同一中心を持つ円からなる外周と前記ロータの中心と同一中心を持つ円と2個の対向する位置に形成されたノッチからなる内周により囲まれた平面形状をなす薄肉の保持トルク部が形成され前記ロータと磁気結合する2極のステータと、
    該ステータに固定されたコイル
    とを有することを特徴とするステップモータ。
  3. 前記保持トルク部は階段形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステップモータ。
  4. 前記保持トルク部は傾斜断面形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステップモータ。
  5. 前記保持トルク部はステータの厚み方向の中央付近に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のステップモータ。
  6. 前記ステータは接合部あるいは狭部を有することを特徴とする請求項又は請求項に記載のステップモータ。
  7. 前記薄肉の保持トルク部はプレス加工によって形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のステップモータ。
  8. 前記ステータは形状の異なるロータ穴を有する少なくとも2枚のステータ部材を重ね合わせることによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のステップモータ。
JP17784896A 1996-07-08 1996-07-08 ステップモータ Expired - Fee Related JP3628442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17784896A JP3628442B2 (ja) 1996-07-08 1996-07-08 ステップモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17784896A JP3628442B2 (ja) 1996-07-08 1996-07-08 ステップモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1028367A JPH1028367A (ja) 1998-01-27
JP3628442B2 true JP3628442B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=16038169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17784896A Expired - Fee Related JP3628442B2 (ja) 1996-07-08 1996-07-08 ステップモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3628442B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5854448B1 (ja) * 2015-08-25 2016-02-09 則雄 宮内 ステップモータの加工方法
JP2019032570A (ja) * 2018-11-30 2019-02-28 日本電産コパル株式会社 カメラ用フォーカルプレーンシャッタおよびカメラ
JP7032012B1 (ja) * 2021-10-13 2022-03-08 則雄 宮内 アナログ電子時計

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1028367A (ja) 1998-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5808390A (en) Brushless DC motor
US20090091204A1 (en) Motor having twin-rotor
US6031304A (en) Motor structure
WO1990004875A1 (en) Permanent-magnet synchronous motor
WO2002013357A1 (fr) Moteur pas-à-pas
JP2000175389A (ja) 集中巻方式のブラシレスdcモータ
KR20070002015A (ko) 바이폴라 영구 자석 회전자를 가지는 대칭형 2-상 모터와이를 제작하는 방법
EP2793379B1 (en) Generator
JP3628442B2 (ja) ステップモータ
JP2002136090A (ja) ブラシレスモータ
JP2698801B2 (ja) 回転磁界型モータ
JPH06217518A (ja) 電磁トランスデューサ
JP3393344B2 (ja) ステツピングモータ
JPH0799745A (ja) 回転子
JP2000316242A (ja) 永久磁石回転型モータ
JPS5932984B2 (ja) 電機子コイル組立体
JP2002051527A (ja) パルスモータ及びギヤ付きモータ
JPH06284675A (ja) ステッピングモータ
JP4391646B2 (ja) ステップモータ
JPH06178472A (ja) 電動機の固定子
JPS62163553A (ja) 10相永久磁石形ステツピングモ−タ
JPS59136033A (ja) モ−タ−
JPS6110958A (ja) 正逆転モ−タ
JPWO2020017189A1 (ja) モータおよびモータの製造方法
JP3517545B2 (ja) モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041208

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees