JP3626323B2 - ヒドロキシ錫酸塩の製造方法及び難燃剤 - Google Patents

ヒドロキシ錫酸塩の製造方法及び難燃剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシ錫酸塩及びその製造方法とその用途に関するもので、より詳細には、粒径が微細であって難燃性に優れ、樹脂への配合性や加工時の安定性にも優れているヒドロキシ錫酸塩の製造方法に関する。本発明は更に、上記ヒドロキシ錫酸塩から成る難燃剤にも関する。
【0002】
【従来の技術】
近年多発する高層ビル内の火災や地下街に張り巡らされたケーブルの火災の大きな社会的混乱を防止するため、又家電装置や産業機械装置やコンピュータ等に用いる電気配線用被覆樹脂類及び建築資材としての内外装用有機合成樹脂類には難燃性の付与が要求されている。塩素含有重合体は、熱可塑性樹脂のうちでも比較的燃えにくいものの一つであるが、一度樹脂成形物に炎が付くと、容易に自熱するという点で未だ十分に満足されるものてはない。
【0003】
従来、樹脂類に難燃性を付与するために、種々の無機化合物乃至有機化合物を難燃剤として配合することが行われている。これらの難燃剤のうちでも、三酸化アンチモンは難燃性に優れたものであるが、一旦燃焼し始めると多量の発煙を生じるという問題がある。
【0004】
亜鉛系の無機化合物は配合樹脂組成物を燃焼させた後に、電気絶縁性のある固着性燃焼残渣を残すことが知られており、またホウ酸亜鉛や錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛は、発煙が少ないという利点を与える。
【0005】
ヒドロキシ錫酸亜鉛は、ヘキサハイドロオキシ錫(IV)酸亜鉛とも呼ばれ、下記式
ZnSn(OH) ・・・(3)
で表される化学組成を有するものであり、このものを加熱脱水させることにより式
ZnSnO ・・・(4)
の錫酸亜鉛が得られる。従来、ヒドロキシ錫酸塩の合成についても種々の方法が知られている。
【0006】
特開昭57−191231号公報には、2価金属のアルコキシドと錫アルコキシドを混合して反応させる工程と、この反応生成物を加水分解して含水錫酸塩を得る工程とを含む錫酸塩の製造方法が記されている。
【0007】
特開平5−24834号公報には、第二錫イオンと亜鉛イオンを含む酸性水溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを混合し、混合溶液の最終pH9以上で、ヒドロキシ錫酸亜鉛沈殿を生成させ、該沈殿を濾別し乾燥させることを特徴とするヒドロキシ錫酸亜鉛粉末の製造方法が記載されている。
【0008】
特開平5−24835号公報には、第二錫イオンと亜鉛イオンを含む酸性水溶液と炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム水溶液とを混合し、水溶液中で直接に無定形錫酸亜鉛を生成させ、該沈殿を濾別し乾燥させることを特徴とする高純度無定形錫酸亜鉛粉末の製造方法が記載されている。
【0009】
特表平5−501100号公報には、金属錫酸塩を製造する方法であって、その方法が、固体の金属酸化物、金属水酸化物または金属炭酸塩を錫酸塩水溶液と混合し、且つ沈殿した金属錫酸塩を回収し、その固体の金属酸化物、金属水酸化物または金属炭酸塩を、化学量論的に錫の量を殆ど超えない量で加えることを特徴とする製造方法が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公知の製造法で製造されるヒドロキシ錫酸塩は、一般に粒径が数μmとかなり大きいと共に粒度分布も広く、樹脂中への分散性の点でも、難燃性の点でも未だ改善の余地がある。即ち、ヒドロキシ錫酸塩やその脱水生成物である錫酸塩の難燃作用は、それらの粒子表面を通して発現されるものであるから、これらの粒径が小さいことが難燃作用の点で有利であり、また粒径が微細であれば、樹脂との接触も一層微細且つ均一となるので、この点でも効果の増大が期待される。
【0011】
更に、公知の製造法で得られるヒドロキシ錫酸塩は、純度或いは熱安定性の点でも未だ改善の余地がある。即ち、ヒドロキシ錫酸塩の脱水吸熱ピークは、およそ250℃に現れるが、公知のヒドロキシ錫酸塩はこのピーク温度よりもかなり低い温度から重量減少を生じることが分かった。この重量減少を生じる温度範囲は、樹脂への配合温度や配合樹脂の成形加工温度と完全に重複しており、このため、配合樹脂組成物の発泡等のトラブルを発生しやすい。
【0012】
従って、本発明の目的は、粒径がサブミクロンのサイズにあり、しかも熱安定性に優れたヒドロキシ錫酸塩及びその製造方法を提供するにある。
【0013】
本発明の他の目的は、従来の方法のような複分解塩の生成や、これによる汚染がなく、純度に優れていると共に、その製造も容易であるヒドロキシ錫酸塩の製造方法を提供するにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、樹脂への配合分散が容易で、しかも樹脂の熱安定性や難燃性にも優れているヒドロキシ錫酸塩系の難燃剤を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、周期律表第二族金属の酸化物乃至水酸化物と第一酸化錫とを、アルカリ、水及び酸素の存在下に湿式ミリングすることを特徴とするヒドロキシ錫酸塩の製造方法が提供される。
【0016】
本発明によればまた、下記式
MSn(OH) …(1)
式中、Mは周期律表第二族金属である
で表される化学組成を有し、体積基準メジアン径(D50)が0.3乃至1.5μmの範囲にあり、且つ熱重量分析において温度200℃迄の重量減少率が2.0重量%以下であることを特徴とするヒドロキシ錫酸塩が提供される。
【0017】
本発明によれば、さらに、下記式
MSn(OH) …(1)
式中、Mは周期律表第二族金属である
で表される化学組成を有し、体積基準メジアン径(D50)が0.3乃至1.5μmの範囲にあり、且つ熱重量分析において温度200℃迄の重量減少率が2.0重量%以下であることを特徴とする難燃剤が提供される。
【0018】
【発明の実施形態】
本発明は、周期律表第二族金属の酸化物乃至水酸化物と第一酸化錫とを、アルカリ、水及び酸素の存在下に湿式ミリングすると、粒径がサブミクロンでしかも熱安定性に優れたヒドロキシ錫酸塩が生成するという新規知見に基づくものである。
【0019】
本発明による反応は、下記式のように表される。
Figure 0003626323
この反応は、第一酸化錫の酸素による4価錫への酸化と、4価錫成分と周期律表第二族金属または鉛(M)成分との複合水酸化物への水和とが同時に進行する、即ち一段反応であるという点で画期的なものである。
【0020】
反応系中に存在させる水及び酸素は、反応に消費される成分であるが、反応系中に存在させるアルカリは、反応を円滑に進行させるために不可欠のものではあるが、それ自体消費されない触媒成分である。本発明の方法においては、湿式ミリングも不可欠のものであり、これを行わないと、やはり円滑に反応が進行しない。本発明の反応では、湿式ミリングによるメカノケミカル的な作用とアルカリによる触媒的作用とにより、高収率でしかも高純度のサブミクロンヒドロキシ錫酸塩粒子が生成するものである。また、反応式から、副生塩を一切含有しないという特徴も明らかとなる。
【0021】
本発明によるヒドロキシ錫酸塩は、サブミクロン粒子であり、レーザ回折法で求めた体積基準メジアン径(D50)が0.3乃至1.5μm、特に0.4乃至1.5μmの範囲にあるという特徴を有する。本発明によるヒドロキシ錫酸亜鉛の粒度分布曲線を図1に、本発明によるヒドロキシ錫酸カルシウムの粒度分布曲線を図2に、また市販のヒドロキシ錫酸亜鉛の粒度分布曲線を図3に示す。
【0022】
これらの粒度分布から、本発明によるヒドロキシ錫酸塩は、粒度の微細さにおいて、従来のヒドロキシ錫酸塩に比して優れているばかりではなく、粒径の均斉度においても、従来のものに比して優れていることが分かる。また、小粒径側からの累積分布において、体積25%の粒径をD25及び体積75%の粒径をD75とすると、粒径の均斉度はD25/D75の比で評価できるが、従来のものは、この均斉度が0.16(図3)であるの対して、本発明によるものは、例えば亜鉛塩で0.26(図1)及びカルシウム塩で0.49(図2)であった。このことにより粒径の均斉度においても優れていることが証明された。
【0023】
本発明によるヒドロキシ錫酸塩は、粒径が微細でありながら、しかも結晶がよく発達しているという予想外の事実がある。本発明によるヒドロキシ錫酸亜鉛(図1のもの)のX線回折像を図4に、本発明によるヒドロキシ錫酸カルシウム(図2のもの)のX線回折像を図5に、また市販のヒドロキシ錫酸亜鉛(図3のもの)のX線回折像を図6に示す。これらのX線回折像の比較から、従来のものよりも、高い結晶化度を示すことが分かる。
【0024】
更に、本発明のヒドロキシ錫酸塩は、熱重量分析において温度200℃迄の重量減少率が2.0重量%以下、特に1.0重量%以下であり、樹脂加工時の熱安定性に優れているという利点がある。本発明によるヒドロキシ錫酸亜鉛(図1のもの)の熱重量分析曲線を図7に、本発明によるヒドロキシ錫酸カルシウム(図2のもの)の熱重量分析曲線を図8に、また市販のヒドロキシ錫酸亜鉛(図3のもの)の熱重量分析曲線を図9に示す。これらの熱重量分析曲線の比較から、従来のものでは200℃までに4重量%もの重量減少を示すのに対して、本発明ではこれよりもはるかに低く、高い熱安定性を示すことが分かる。
【0025】
[合成法]
本発明において、周期律表第二族金属の酸化物乃至水酸化物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム或いはストロンチウムの酸化物または水酸化物が使用される。
【0026】
第一酸化錫としては、市販のものを用いることができ、その粒径は一般に2乃至100μmの範囲にあるものが好適である。
【0027】
周期律表第二族金属の酸化物乃至水酸化物と第一酸化錫との量比は、所謂化学量論的量であるのがよいが、一般にこの量よりも数モル%程度の過不足があっても、生成物の結晶性には悪影響はない。
【0028】
アルカリとしては、任意のアルカリを使用できるが、一般に水酸化ナトリウムを用いるのがよく、系中のpHが11乃至14、特に12乃至13となるように存在させるのがよい。
【0029】
反応系中には、過剰の水を存在させるのが好ましく、一般に上記原料当たり、5乃至20重量倍の水を存在させるのがよい。勿論、反応系には、水以外の液体成分、例えばアルコール類、ケトン類、エーテル類等が共存していても何ら差し支えない。
【0030】
酸素は、分子状酸素ガス、空気の形で反応系に供給できる。空気を吹き込むことにより反応系に酸素を存在させるのは経済的であり、一方酸素ガスを使用すると、反応速度はかなり大きくなる。
【0031】
湿式ミリングは、ボールミル、ビーズミル、振動ミル等を使用して行うのがよい。例えばボールミルの場合、ボールの種類によっても相違するが、一般に30乃至60m/min程度の周速が適当である。
【0032】
湿式ミリングを室温以上100℃以下の温度、特に40乃至90℃の温度で行うのが良く、必要な反応時間は4乃至12時間程度である。
【0033】
反応後、生成物であるヒドロキシ錫酸塩を固液分離し、水洗し、乾燥して製品とする。反応母液中にはアルカリが残存するが、このアルカリは次の反応に繰り返し使用することができる。
【0034】
得られたヒドロキシ錫酸塩を200乃至400℃の温度で加熱脱水して、式
MSnO ・・・(12)
の錫酸塩とし、これを各種用途に供することもできる。
【0035】
[ヒドロキシ錫酸塩]
本発明によるヒドロキシ錫酸塩の特徴は既に述べたとおりであるが、このヒドロキシ錫酸塩が粒径が微細で、粒子形状が立方体状でほぼ一定であって、個々の粒子が凝集が少なく独立した形で存在している。この事実は、電子顕微鏡写真によっても確認できる。本発明によるヒドロキシ錫酸亜鉛(図1のもの)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図10に、本発明によるヒドロキシ錫酸カルシウム(図2のもの)のSEM写真を図11に、また市販のヒドロキシ錫酸亜鉛(図3のもの)のSEM写真を図12に示す。
【0036】
本発明によるヒドロキシ錫酸塩は、嵩密度が0.6乃至0.8g/cmの範囲にあり、またジオクチルフタレート(DOP)の吸油量は一般に 40乃至60ml/100gの範囲にある。また、屈折率は、金属の種類によっても相違するので、一概に規定できないが、ヒドロキシ錫酸亜鉛の場合、1.7乃至1.9の範囲にある。
【0037】
このヒドロキシ錫酸塩粒子が、樹脂への分散性に優れていることも既に指摘したが、粉体としてのハンドリング性を向上させるために、気相法シリカ、気相法アルミナ、気相法チタニア等の流動性改良剤を、0.1乃至10重量%の量で外添することができる。
【0038】
[難燃剤]
本発明のヒドロキシ錫酸塩は、種々の有機重合体、例えば熱可塑性樹脂、エラストマー或いは熱硬化性樹脂等に難燃剤として配合できる。適切な配合量は、要求される難燃性の程度や重合体の種類によっても相違するが、一般に、重合体100重量部当たり1乃至50重量部、特に1乃至10重量部の量で配合するのがよい。
【0039】
ヒドロキシ錫酸塩が、難燃効果に優れているのは、▲1▼熱分解による脱水吸熱反応が燃焼温度を下げる。▲2▼高温域での亜鉛と錫の部分的な揮発による気相反応が、一酸化炭素の減少をもたらし、燃焼ガス抑制とシェル効果の相乗効果が得られる。▲3▼錫酸塩中に含まれる二価金属、特に亜鉛等が脱ハロゲン化反応の触媒として働き、炭化層の形成を促進し、煙の発生を抑える等にあるが、本発明に用いるサブミクロンのヒドロキシ錫酸塩では、これらの効果に優れており、酸素指数の向上に著しいものがある。
【0040】
熱可塑性樹脂としては、メタロセン触媒を用いて合成した樹脂は勿論のこと、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂でもよい。
【0041】
エラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0042】
一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
【0043】
本発明のヒドロキシ錫酸塩は、塩素含有重合体に配合した場合に特に効果が大であり、かかる塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体とポリエチレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブレンド品を挙げることが出来る。
【0044】
本発明の難燃剤は、難燃剤成分として単独又は、他の難燃剤であるアンチモン、ジルコン、モリブデンの酸化物、水酸化物、硫化物及びホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を合わせて樹脂に配合する事が出来る。又、これらの難燃剤を用いて摩砕条件下で、本発明の錫酸塩の表面を被覆処理して使用してもよい。
【0045】
また、この重合体には、それ自体公知の各種添加剤、例えば安定剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、造核剤、充填剤等を配合することが出来る。これらの添加剤は予め重合体又は本発明の難燃剤中に配合しておくか或いは本発明の難燃剤と重合体との混練に際して同時に配合してもよい。
【0046】
【実施例】
以下の実施例における、測定は下記の方法で行った。
【0047】
(1)平均粒径及び粒度
Coulter社製 Particle Size Analyzer Model LS230を使用し、平均粒径及び粒度を測定した。
【0048】
(2)X線回析
理学電機(株)製のGeigerflexRAD−Bシステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。
ターゲット Cu
フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター
検出器 SC
電圧 40KV
電流 20mA
カウントフルスケール 700c/s
スムージングポイント 25
走査速度 2°/min
ステップサンプリング 0.02°
スリット DS1° RS0.15mm SS1°
照角 6°
【0049】
(3)示差熱分析及び重量減少率の測定
セイコー電子工業製SSC−5200TG−DTAシステムを用いて測定した。測定条件としては、標準物質α−Al 、500℃迄の試料の加熱減量(重量%)を測定した。
【0050】
(4)SEM測定
日立製作所製S−570走査型電子顕微鏡を用いて測定した。
【0051】
(5)化学分析
JIS R9011の石灰の化学分析法に準拠して行なった。
【0052】
以下に錫酸塩の諸物性を測定後、軟質PVCに練り込み、錫酸塩の難燃性と安定性能及び分散性を測定した。
(軟質PVCの配合)
PVC(P1050) 100重量部
ジオクチルフタレート 50重量部
三塩基性硫酸鉛 4重量部
錫酸塩 5重量部
(軟質PVCシート作製条件)
上記配合物を3.5インチロールミルで155℃で6分間混練後、170℃、150Kg/cmで5分間プレスし、厚さ1mmのシートを作製した。
【0053】
(6)限界酸素指数(LOI)
(株)東洋精機製作所製キャンドル法燃焼試験機を使用し、JIS K 7201B法に準じて、限界酸素指数(LOI値%)を測定し難燃性を評価した。
【0054】
(7)比視覚密度(NBS)
(株)東洋精機製作所製のNBS発煙試験装置を用い、熱輻射量2.5W/cmで試料PVCシートを加熱し、発煙させ、発煙強度を煙の白色光透過率より算出する比視覚密度を用いて評価した。
【0055】
(8)分散性
下記に示す配合物を、155℃の加熱ロールで5分間混練し、さらに0.5mmの厚さのシートにして目視にて判定する。
配合
塩化ビニル樹脂(重合度:1050) 100重量部
DOP 50重量部
ステアリン酸鉛 0.2重量部
試料 3重量部
評価基準
○ : 分散性良好
△ : 分散性やや劣る
× : 分散性劣る
【0056】
(9)ギヤオーブン耐熱(GO耐熱試験)
作製PVCシートを185℃のギヤ式オーブンにて加熱し、シートが黒変劣化するまでの時間を測定した。
【0057】
以下に本発明の実施例を示す。
【0058】
(実施例1)
酸化第一錫70.9gと酸化亜鉛41.1gに苛性ソーダ10.4gと水1000mlを加え、ポットミル中で空気を1L/min吹き込みながら6時間反応を行った。この時のpHは13.1であった。生成した白色沈殿を濾過、洗浄し、90℃で1昼夜乾燥を行いヒドロキシ錫酸亜鉛を得た。この粉末をX線回折法で測定したところ図4に示されるように、ヒドロキシ錫酸亜鉛であることが確認された。また、この粉末の粒度分布は、図1に示すように、平均粒子径が0.6μmと粗粒の無い粒子であり、図10に示すように単分散性に非常に優れた立方体形状のものであった。諸粉体物性を表2に、軟質PVCに於ける難燃性能を表1に示した。
【0059】
(実施例2)
酸化第一錫70.9gと水酸化カルシウム38.6gに苛性ソーダ10.4gと水1000mlを加え、実施例1と同様の手順で反応を行った。この時のpHは12.8であった。生成した白色沈殿を濾過、洗浄し、90℃で1昼夜乾燥を行いヒドロキシ錫酸カルシウムを得た。この粉末をX線回折法で測定したところ図5に示されるように、ヒドロキシ錫酸カルシウムであることが確認された。また、この粉末の粒度分布は、図2に示すように、平均粒子径が0.4μmの微粒子であった(SEM図11参照)。諸粉体物性を表2に、軟質PVCに於ける難燃性能を表1に示した。
【0060】
(比較例1)
錫酸ソーダ53.3gに水700mlを加えた溶液に、塩化亜鉛27.8g含む水溶液120mlを室温下で攪拌しながら滴下し、ヒドロキシ錫酸亜鉛の白色沈殿を生成させた。この時のpHは7.2であった。生成した白色沈殿を濾過、洗浄し、90℃で一昼夜乾燥を行いヒドロキシ錫酸亜鉛を得た。この粉末をX線回折法で測定したところ図14に示されるように、ヒドロキシ錫酸亜鉛であることが確認された(図13の粒度分布、図15の示差熱分析、図16のSEM写真を参照)。諸粉体物性を表2に、軟質PVCにおける難燃性能を表1に示した。
【0061】
(比較例2)
市販品の錫酸亜鉛について分析を行った。図3に粒度分布、図6にX線回折、図9に示差熱分析及び図12にSEM写真を示した。諸粉体物性を表2に、軟質PVCに於ける難燃性能を表1に示した。
【0062】
【表1】
Figure 0003626323
【0063】
【表2】
Figure 0003626323

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のヒドロキシ錫酸亜鉛の粒度分布曲線である。
【図2】実施例2のヒドロキシ錫酸カルシウムの粒度分布曲線である。
【図3】比較例2のヒドロキシ錫酸亜鉛の粒度分布曲線である。
【図4】実施例1のヒドロキシ錫酸亜鉛のX線回折像である。
【図5】実施例2のヒドロキシ錫酸カルシウムのX線回折像である。
【図6】比較例2のヒドロキシ錫酸亜鉛のX線回折像である。
【図7】実施例1のヒドロキシ錫酸亜鉛の熱重量分析曲線である。
【図8】実施例2のヒドロキシ錫酸カルシウムの熱重量分析曲線である。
【図9】比較例2のヒドロキシ錫酸亜鉛の熱重量分析曲線である。
【図10】実施例1のヒドロキシ錫酸亜鉛のSEM像(倍率:20000倍)である。
【図11】実施例2のヒドロキシ錫酸カルシウムのSEM像(倍率:20000倍)である。
【図12】比較例2のヒドロキシ錫酸亜鉛のSEM像(倍率:20000倍)である。
【図13】比較例1のヒドロキシ錫酸亜鉛の粒度分布曲線である。
【図14】比較例1のヒドロキシ錫酸亜鉛のX線回折像である。
【図15】比較例1のヒドロキシ錫酸亜鉛の熱重量分析曲線である。
【図16】比較例1のヒドロキシ錫酸亜鉛のSEM像(倍率:20000倍)である。

Claims (7)

  1. 周期律表第二族金属の酸化物乃至水酸化物と第一酸化錫とを、アルカリ、水及び酸素の存在下に湿式ミリングすることを特徴とするヒドロキシ錫酸塩の製造方法。
  2. アルカリを系中のpHが11乃至14となるように存在させる請求項1記載の製造方法。
  3. 空気を吹き込むことにより酸素を存在させる請求項1記載の製造方法。
  4. 周期律表第二族金属の酸化物乃至水酸化物が亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム或いはストロンチウムの酸化物または水酸化物である請求項1記載の製造方法。
  5. 湿式ミリングを室温以上100℃以下の温度で行う請求項1記載の製造方法。
  6. 下記式
    MSn(OH) …(1)
    式中、Mは周期律表第二族金属である
    で表される化学組成を有し、体積基準メジアン径(D50)が0.3乃至1.5μmの範囲にあり、且つ熱重量分析において温度200℃迄の重量減少率が2.0重量%以下であることを特徴とするヒドロキシ錫酸塩。
  7. 下記式
    MSn(OH) …(2)
    式中、Mは周期律表第二族金属である
    で表される化学組成を有し、体積基準メジアン径(D50)が0.3乃至1.5μmの範囲にあり、且つ熱重量分析において温度200℃迄の重量減少率が2.0重量%以下であることを特徴とする難燃剤。
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