JP3626035B2 - 光記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い開口数を有するレンズにより情報を記録再生する光記録再生装置において、複数の記録層を有する記録媒体の記録再生のさいのスキューマージンを緩和させる光記録再生装置ならびに光記録再生装置の低消費電力化に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、複数の記録層を有する記録媒体における記録層の層間隔と、カバーガラス層もしくは保護層と一般に呼ばれる光透過層の厚さについて説明する。
【0003】
2つの記録層の層間隔を決める要因として、第1に、記録層の間隔の最小値を決める要因としては、2層間の信号のクロストークとFES信号の干渉があり、第2に、記録層の間隔の最大値を決める要因としては、2つの記録層のそれぞれに対し集光スポットを形成した際の球面収差の発生による集光スポット径の増大がある。
【0004】
また、記録媒体の対物レンズ側表面(入射面とする)から記録層までの光学的厚みを決定する要因としては、記録媒体のスキューマージンの確保がある。
【0005】
まず、2つの記録層の層間隔について説明する。
【0006】
もし、2層間の間隔が狭い場合(特に集光スポットの焦点深度内に近接する記録層がある場合)には、情報を記録再生している記録層の情報信号に対し、近接する記録層からの情報信号が混入する。
【0007】
また、FES信号のダイナミックレンジとしては通常10〜20μm程度のものが使用されているが、その場合、2層の間隔としては少なくとも10〜20μm以上ないと、記録層に対し対物レンズをフォーカシングする際、2つの記録層のFESカーブが干渉したものが検出されるためフォーカスロックが不安定となるおそれがあり、例えばDVD−ROMでは2層間隔は55±15μmとされている。
【0008】
高い開口数の対物レンズを使用した場合、焦点深度は非常に浅いため、記録層の間隔の最小値を決める要因としてはFES信号の干渉が支配的となる。
【0009】
さらに、対物レンズはある特定の光学厚みをもつ光透過体を透過して集光した集光スポットの球面収差が最小となるように設計されている。つまり、2つの記録層を有する記録媒体においては、第1層の記録層と第2層の記録層の間隔が大きければ、それぞれの記録層上での集光スポットの球面収差の大きさの差も大きくなる。
【0010】
次に、記録媒体の入射面から記録層までの光学的厚みとスキューマージンについて説明する。
【0011】
記録媒体は光記録再生装置においてスピンドルモータによって回転されるが、その際、スピンドルモータへの取付け誤差、もしくは、記録媒体のそりなどにより、対物レンズもしくは光ピックアップの光軸に対する傾きが発生する。
【0012】
光軸に対し、記録媒体が傾いた場合、記録媒体の記録層に集光された集光スポット上にコマ収差が主として発生し、集光スポット径が大きくなってしまう。
【0013】
記録媒体の傾きとコマ収差の発生量の関係は、記録媒体の入射面から記録層までの光学的厚みに比例するため、入射面から記録層までの光学的厚みを薄くすることにより、記録媒体の傾きによるコマ収差の発生量を低減する、すなわち、スキューマージンを大きくする手法が一般的に取られている。
【0014】
上述したように、通常、記録媒体の対物レンズ側表面から第1の記録層までの光学的厚みは、主として、記録媒体のスキューマージンを確保でき、かつ、できるだけ厚い光学的厚みとされている。また、記録層の間隔はFES信号の干渉がなく、かつ、2層の間隔が最も薄くなるように決められている。しかし、FES信号のダイナミックレンジは一般的に10〜20μm程度あり、これ以上ダイナミックレンジを小さくするとフォーカスサーボの引き込みが不安定となるおそれがあるため、結果として記録層の間隔も大幅に小さくすることは困難である。
【0015】
次に、記録媒体上に集光された集光スポットの球面収差を補正するための機構の一例について説明する。
【0016】
ここでは、特開平10―188301号公報に開示されている従来の技術について説明する。
【0017】
図10は組み合せ対物レンズとその組み合せ対物レンズを構成するレンズ間の間隔を変化させることにより、記録媒体上の集光スポットにおける球面収差を変化させるようにした組み合せ対物レンズ鏡筒である。
【0018】
図10において、第1レンズ100は図示しない光源側に配置されたレンズであり、第2レンズ101は第1レンズ100に対し記録媒体側に配置されている。フォーカスラジアルアクチュエータ(FRアクチュエータ)102は第1レンズ100および第2レンズ101をフォーカス、ラジアル方向に変位させるためのものである。レンズ間隔可変用アクチュエータ103は第2レンズ101をフォーカス方向に駆動することにより、第1レンズ100と第2レンズ101の間隔を変化させ、記録媒体上に集光された集光スポットの球面収差を補正する機能を有する。
【0019】
光源(図示しない)から発せられた光は、光学部品(図示しない)により組み合せ対物レンズ106に導かれ、記録媒体104上の第1の記録層105aないし第2の記録層105bに集光される。
【0020】
レンズが複数のレンズからなる組み合わせ対物レンズとされているのは、レンズの開口数を大きくしたため、1つのレンズのみでは設計および製造が困難なためである。
【0021】
このようにレンズ間隔を変化させる球面収差補正機構により、記録媒体104の入射面から第1の記録層105aもしくは第2の記録層105bまでの光学的厚みに誤差がある場合、または、複数の記録層を有する記録媒体の各記録層に情報を記録再生する場合、レンズ間隔を変化させることにより球面収差を補正できるようにしている。
【0022】
なお、ここでいう光学的厚みとは光が透過する光透過層の厚みと屈折率によって決まる厚みであり、異なる厚みであっても、光透過層を透過させて集光された集光スポットの球面収差の大きさが一致する場合に、光学的厚みが等しいとする。
【0023】
また、記録媒体の入射面から記録層までの光学的厚みの誤差とは、組み合せ対物レンズ設計値として想定されている光透過体の光学的厚みと、実際に記録媒体に情報を記録再生する際の光学的厚みとの差のことである。
【0024】
レンズ間隔を変化させるための駆動方式としては、コイルに正もしくは負の電流を流すことにより、電磁力を発生させ、マグネットとの間に発生する推力により、第2レンズ101をフォーカス方向の上下方向に変位させるボイスコイルモータと呼ばれる方式が提案されている(特開平10−255290号公報)。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このように複数の記録層を有する記録媒体に記録再生を行う際に、各記録層において発生する球面収差を低減するために、レンズ間隔を変化させて球面収差を補正する方法が提案されている。しかし、レンズの開口数が高い場合には、記録層の層間の厚みに起因して発生するコマ収差の影響が無視できないものになる。
【0026】
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、記録媒体の記録層の相関の厚みに起因して発生する波面収差の大きさの差の影響を低減し、特に、スキューマージンを緩和しうる光記録再生装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成させるためになされたものであって、本発明は、N(N≧2)層の記録層を有する記録媒体に、対物レンズを介して、光源からの光を集光させて情報の記録再生を行う光記録再生装置であって、前記対物レンズは光学的厚みがtの光透過体を透過して集光された集光スポットの球面収差が最も小さくなるように設計されており、各記録層は対物レンズ側の記録層から順に第1層、・・・、第N層とし、前記記録媒体の対物レンズ側表面から第N層までの光学的厚みtNとすると、光学的厚みtNと光学的厚みtがほぼ一致することを特徴とするものである。
また、上記構成の光記録再生装置において、記録媒体に集光した集光スポットの球面収差を補正する球面収差補正機構を備えた構成とすることは好ましい。
【0028】
また、本発明は、前記対物レンズは少なくとも1つのレンズからなるレンズ群を2つ有する組み合せ対物レンズであり、各記録層に形成される集光スポットの球面収差を補正するために、電気的駆動によりレンズ群間隔を変化させる球面収差補正機構を備え、前記第1層の記録層に形成される集光スポットの球面収差補正時のレンズ群間隔をd1、投入電流をi1とし、前記第N層の記録層に形成される集光スポットの球面収差補正時のレンズ群間隔をdN、投入電流をiNとするとき、|i1|=|iN|であり、且つ、投入電流が0のときのレンズ群間隔dcは、dc=(d1+dN)/2であることを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明は、前記光記録再生装置を用いて、単層の記録層からなる記録媒体に情報の記録再生を行う場合、前記単層の記録層からなる記録媒体に情報を記録再生する際のレンズ群間隔をd1’とすると、dcとd1’とはほぼ一致することを特徴とするものである。
また、本発明は、N(N≧2)層の記録層を有する記録媒体に、対物レンズを介して、光源からの光を集光させて情報の記録再生を行う光記録再生装置に使用される対物レンズであって、前記対物レンズは光学的厚みがtの光透過体を透過して集光された集光スポットの球面収差が最も小さくなるように設計されており、各記録層は対物レンズ側の記録層から順に第1層、・・・、第N層とし、前記記録媒体の対物レンズ側表面から第N層までの光学的厚みtNとすると、光学的厚みtNと光学的厚みtがほぼ一致するように設計されていることを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
図1を用いて組み合せ対物レンズおよびボイスコイルモータからなる球面収差補正機構を説明する。
【0032】
組み合せ対物レンズ1は2つのレンズからなり、それぞれ、光源側の第1レンズ2と記録媒体側の第2レンズ3である。第2レンズ3はマグネット4に固定されており、マグネット4はマグネット支持体5を介して、板ばね6で支持されている。また、コイル7はコイル支持体8に支持されている。マグネット4、板ばね6、コイル7からなるボイスコイルモータ9により、コイル7に正もしくは負の電流をながすことで、第2レンズ3をフォーカス方向に変位させる。つまり、第1レンズ2と第2レンズ3の間隔を変化させることができる。
【0033】
組み合せ対物レンズ1およびボイスコイルモータ9とその他の支持部品等は組み合せ対物レンズ鏡筒10の内部に収納されている。組み合わせ対物レンズ鏡筒10はFRアクチュエータ(図示しない)によって、記録媒体11のフォーカス・ラジアル方向に駆動される。
【0034】
組み合せ対物レンズ1は図2に示すようにレンズ間隔がdであり、かつ、光学的厚みtの光透過体12を透過して集光された集光スポットの球面収差が最も小さくなるように設計されている。
【0035】
光透過体12は光を透過する透明な材料からなり、レンズの設計時に想定する記録媒体の光透過層にあたるものである。また、これら光透過体もしくは光透過層はカバーガラス層、もしくは、保護層と呼ばれているものであり、ポリカーボネート(PC)やガラス、UV硬化樹脂などのさまざまな種類のものがある。
【0036】
組み合せ対物レンズ1によって集光される集光スポットの球面収差の大きさは、光透過体(もしくは光透過層)の厚み、屈折率と組み合せ対物レンズにおけるレンズ間隔によって変化する。そこで、組み合せ対物レンズのレンズ間隔を固定し、異なる光透過体を透過して集光された集光スポットにおける球面収差の大きさが同じである場合に、それらの光透過体の光学的厚みは同じであるとする。
【0037】
また、記録媒体には光透過層、記録層、記録層間の光透過層が存在するが、説明においては、記録媒体の組み合せ対物レンズ側表面から記録媒体において集光スポットが形成されている位置までに光が透過する層という意味で光透過層、記録層、記録層間の光透過層をひとまとめとして光透過層とする場合もある。
【0038】
次に、2つの記録層を有する記録媒体についての本実施の形態を説明する。
【0039】
図3は2つの記録層のうち、記録媒体11の組み合せ対物レンズ側に近い第1層13に対し集光スポットを形成する場合に球面収差が最も小さくなるように設計した組み合せ対物レンズにより、第1層13に集光スポットを形成した状態を示すものである。なお、第1層13、第2層14はそれぞれ記録媒体の入射面より100μm、115μm(屈折率は1.58とした)の光学的厚みの位置に配置されている。
【0040】
また、記録媒体11は、記録媒体11の組み合せ対物レンズ側から順に、光透過層15、第1層13、記録層間に配置された光透過層16、第2層14、基板層17から構成される。
【0041】
また、図4は記録媒体において集光スポットが形成される位置までに透過する、光透過層の光学的厚みと波面収差の関係を示す。組み合せ対物レンズは第1層、つまり、光学的厚みが100μmの光透過層を透過し、集光された集光スポットの波面収差(ここでは球面収差)が最も小さくなるよう設計されており、第2層に集光スポットを形成した場合には、球面収差の補正後においても、0.013λrmsの波面収差が発生する。なお、組み合せ対物レンズのNAは0.85のものを使用した。
【0042】
図5は記録媒体の傾き量と、第1層および第2層に集光された集光スポットにおいてそれぞれ発生する波面収差の量を示したものである。
【0043】
通常、光記録再生装置において、波面収差の大きさはマレシャルクライテリオン(0.07λrms)より小さくする必要があることが知られており、スキューマージンを決定する波面収差の許容値を0.07λrmsとした場合、図5より第1層、第2層のそれぞれの記録層を記録再生する際のスキューマージンは0.98度、0.80度となる。しかし、通常、スキューマージンは各記録層毎に定義されるものではなく、記録媒体として定義されることから、この場合には、よりスキューマージンが小さい0.80度が、この記録媒体のスキューマージンということになる。
【0044】
図6は2つの記録層のうち、記録媒体11の組み合せ対物レンズ側から遠い第2層14に対し集光スポットを形成する場合に球面収差が最も小さくなるように設計したレンズにより、第2層14に集光スポットを形成した状態を示すものである。なお、第1層13、第2層14はそれぞれ記録媒体の入射面より100μm、115μm(屈折率は1.58とした)の光学的厚みの位置に配置されている。
【0045】
また、図7(a)は記録媒体において集光スポットが形成される位置までに透過する、光透過層の光学的厚みと波面収差の関係を示す。組み合せ対物レンズは第2層、つまり、光学的厚みが115μmの光透過層を透過し、集光された集光スポットの波面収差(ここでは球面収差)が最も小さくなるよう設計されており、第1層に集光スポットを形成した場合には球面収差の補正後においても0.016λrmsの波面収差が発生する。なお、組み合せ対物レンズのNAは0.85のものを使用した。
【0046】
図8は記録媒体の傾き量と、第1層および第2層に集光された集光スポットにおいて発生する波面収差の量を示したものである。
【0047】
このように、記録媒体の傾きに対し、より大きいコマ収差が発生する第2層に対し、組み合せ対物レンズを最適化したものとしたことにより、スキューマージンを0.85度まで緩和することが可能となった。
【0048】
次に、球面収差補正機構について説明する。
【0049】
図7(a)では記録媒体において集光スポットが形成される位置までに透過する光透過層の光学的厚みと球面収差の関係を示したが、その際、球面収差を補正するためにレンズ間隔を変化させている。図7(b)は記録媒体において集光スポットが形成される位置までに透過する、光透過層の光学的厚みと、レンズ間隔の関係を示す。また、図7(c)は光透過層の光学的厚みと、球面収差補正機構を駆動するための駆動電流の関係を示す。
【0050】
ここで、第1層を記録再生する際のレンズ間隔をd1、第N層を記録再生するさいのレンズ間隔をdNとし、
dc=(d1+dN)/2
とする。
【0051】
記録媒体の光透過層の光学的厚みと、その厚みによって発生する球面収差を補正する際のレンズ間隔との関係は図7(b)に示すようにおおむね線形関係であり、また、レンズ間隔と、そのレンズ間隔を変化させるレンズ間隔可変機構を駆動するための駆動電流も図7(c)に示すように線形関係となるよう設計することが可能であるため、レンズ間隔がdcとなる状態で、球面収差補正機構の駆動電流が0(中立点とする)となるようにし、さらに、レンズ間隔をd1とするための駆動電流i1とレンズ間隔をdNとするための駆動電流iNを、ほぼ
|i1|=|iN|
とすると、球面収差補正機構に投入する投入電流の最大値を小さくすることができる。
【0052】
また、記録媒体11の第1層13、第2層14に対し同じ割合だけ情報の記録再生を行うと考えると、その場合には消費電力を低減することも可能である。
【0053】
また、ボイスコイルモータ9と組み合せ対物レンズ1からなる球面収差補正機構の場合には、ボイスコイルモータ9が組み合わせ対物レンズ鏡筒10の内部に収納されているため、コイル7に電流を流した場合にコイル7が発熱するという問題があり、発熱の影響を低減するためには、より低消費電力であり、かつ、最大投入電流が小さいことが望ましい。
【0054】
コイル7が発熱した場合、コイル支持体8やその他の部品が熱膨張し、レンズ間隔が変化してしまう。つまり、レンズ間隔の初期値が設計値から変化してしまう。すると、あらかじめ決められた大きさの投入電流をボイスコイルモータ9に流すことにより、記録媒体11の各記録層に集光された集光スポットの球面収差を補正するような方法をとっている場合、集光スポットの球面収差が大きくなり、情報の記録再生に影響を与える。特に、高い開口数の組み合せ対物レンズの場合には、その影響が大きくなる。
【0055】
また、熱膨張の影響が組み合せ対物レンズ鏡筒9において不均一な場合、組み合せ対物レンズ間のチルト、ディセンタが発生するため、コマ収差の原因となり、球面収差と同様に情報の記録再生に影響を与えるが、本構成とすることにより、その影響も低減することが可能となる。
【0056】
さらに、複数の記録層を有する記録媒体において、第1層を記録再生する際の組み合せ対物レンズのレンズ間隔をd1、第N層を記録再生する際のレンズ間隔をdNとし、
dc=(d1+dN)/2
とし、単層の記録層を有する記録媒体に情報を記録再生するさいのレンズ間隔をd1’とし、dcとd1’をほぼ一致するようにすると、1つの記録層を有する記録媒体に記録再生する際の、球面収差補正機構への投入電流をおおむね0とすることができ、複数の記録層を有する記録媒体に情報を記録再生する場合と同様の効果がある。
【0057】
上記では、レンズ間隔を変化させる球面収差補正機構としてボイスコイルモータを用いて説明したが、圧電素子等の電気的に駆動することによりレンズ間隔を変化させる機構でも球面収差補正機構に投入する電流の低減、消費電力の低減の効果がある。
【0058】
球面収差補正機構は必ずしも必要というわけではなく、レンズ間隔が固定された組み合せ対物レンズであっても良い。さらに、1つのレンズのみからなる対物レンズであってもスキューマージンの拡大は可能である。
【0059】
また、組み合せ対物レンズは2つのレンズからなるものについて説明したが、さらに、多くのレンズからなる第1群レンズと第2群レンズの間のレンズ間隔を変化させることにより球面収差を補正する場合においても同様の効果を奏する。
【0060】
また、2つの記録層を持つ記録媒体について説明したが、さらに多くの複数の記録層を有する記録媒体においても同様の効果を奏する。
【0061】
また、複数の記録層を有する記録媒体として、組み合せ対物レンズ側から順に、光透過層、複数の記録層および記録層間に配置された光透過層、基板層が配列されたものについて説明したが、例えば、2つの、このような記録媒体を貼り合せた、貼り合せディスクと呼ばれるものであっても同様の効果を奏する。但し、その場合には、記録媒体のそれぞれ両側から記録再生する必要がある。また、1つの記録層を有する記録媒体についても同様である。
【0062】
また、記録層としては再生専用のもの、追記型のもの、記録再生が可能なもののいずれにおいても同様の効果を奏する。
【0063】
なお、記録媒体の入射面から記録層までの光学的厚みは、屈折率と、入射面から記録層までの厚み(例えば、対物レンズを各層にフォーカシングすることなどで測定される厚み)の値により定義することが可能である。実際の記録媒体の製造においては上記値は製造誤差によりばらつくため、記録媒体の規格においては上記値もある範囲のものが許容されている。そのような場合には、対物レンズの設計時に想定した光透過体の光学的厚み(屈折率と厚み)の値が、記録媒体の入射面から第N層までの光透過層の屈折率と厚みの値の許容範囲にはいっていれば良い。
【0064】
また、本発明の趣旨は、複数の記録層を有する記録媒体に情報を記録再生する対物レンズの設計において、他の記録層に対し、入射面から最も遠い記録層に集光スポットを形成する場合の球面収差を小さく、つまり、波面収差が小さくなるようにする点にある。したがって、対物レンズの設計における光透過体の光学的厚みも、この点を考慮して設定すれば良い。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の記録層を有する記録媒体に情報を記録再生する際に、各記録層において発生する波面収差の最大値を小さくすることができるので、結果として、スキューマージンを緩和することができる。
【0066】
また、本発明によれば、複数の記録層を有する記録媒体に、球面収差補正機構を備えた組み合せ対物レンズにより情報を記録再生する際に、最大投入電流、消費電力を低減でき、さらに、組み合せ対物レンズの耐環境性を向上させることができる。
【0067】
また、本発明によれば、前記光記録再生装置において、単層の記録層を有する記録媒体に情報を記録再生する際の、球面収差補正機構への投入電流をほぼ0とし、かつ、消費電力も低減することができる。その場合、組み合せ対物レンズの耐環境性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の球面収差補正機構についての説明図である。
【図2】本願発明の組み合せ対物レンズの設計仕様についての説明図である。
【図3】組み合せ対物レンズを第1の記録層に最適化して設計した場合の説明図である。
【図4】図3の組み合せ対物レンズと球面収差補正機構についての説明図である。
【図5】図3の組み合せ対物レンズにおける波面収差の説明図である。
【図6】本願発明の組み合せ対物レンズを第2の記録層に最適化して設計した場合の説明図である。
【図7】本願発明の組み合せ対物レンズと球面収差補正機構についての説明図である。
【図8】本願発明の組み合せ対物レンズにおける波面収差の説明図である。
【図9】本願発明の1つの記録層を有する記録媒体の説明図である。
【図10】従来の技術における組み合せ対物レンズについての説明図である。
【符号の説明】
1 組み合せ対物レンズ
2 第1レンズ
3 第2レンズ
4 マグネット
5 マグネット支持体
6 板ばね
7 コイル
8 コイル支持体
9 ボイスコイルモータ
10 組み合せ対物レンズ鏡筒
11 記録媒体
12 光透過体
13 第1層
14 第2層
15 光透過層
16 光透過層
17 基板層
18 記録層
19 記録媒体
100 第1レンズ
101 第2レンズ
102 FRアクチュエータ
103 レンズ間隔可変用アクチュエータ
104 記録媒体
105a 第1の記録層
105b 第2の記録層
106 組み合せ対物レンズ

Claims (5)

  1. N(N≧2)層の記録層を有する記録媒体に、対物レンズを介して、光源からの光を集光させて情報の記録再生を行う光記録再生装置であって、
    前記対物レンズは光学的厚みがtの光透過体を透過して集光された集光スポットの球面収差が最も小さくなるように設計されており、
    各記録層は対物レンズ側の記録層から順に第1層、・・・、第N層とし、
    前記記録媒体の対物レンズ側表面から第N層までの光学的厚みtNとすると、
    光学的厚みtNと光学的厚みtがほぼ一致することを特徴とする光記録再生装置。
  2. 請求項1記載の光記録再生装置において、記録媒体に集光した集光スポットの球面収差を補正する球面収差補正機構を備えていることを特徴とする光記録再生装置。
  3. 前記請求項記載の光記録再生装置において、
    前記対物レンズは少なくとも1つのレンズからなるレンズ群を2つ有する組み合せ対物レンズであり、
    各記録層に形成される集光スポットの球面収差を補正するために、電気的駆動によりレンズ群間隔を変化させる球面収差補正機構を備え、
    前記第1層の記録層に形成される集光スポットの球面収差補正時のレンズ群間隔をd1、投入電流をi1とし、前記第N層の記録層に形成される集光スポットの球面収差補正時のレンズ群間隔をdN、投入電流をiNとするとき、
    |i1|=|iN|
    であり、
    且つ、投入電流が0のときのレンズ群間隔dcは、
    dc=(d1+dN)/2であることを特徴とする光記録再生装置。
  4. 前記請求項記載の光記録再生装置を用いて、単層の記録層からなる記録媒体に情報の記録再生を行う場合、
    前記単層の記録層からなる記録媒体に情報を記録再生する際のレンズ群間隔をd1’とすると、dcとd1’とはほぼ一致することを特徴とする光記録再生装置。
  5. N(N≧2)層の記録層を有する記録媒体に、対物レンズを介して、光源からの光を集光させて情報の記録再生を行う光記録再生装置に使用される対物レンズであって、
    前記対物レンズは光学的厚みがtの光透過体を透過して集光された集光スポットの球面収差が最も小さくなるように設計されており、
    各記録層は対物レンズ側の記録層から順に第1層、・・・、第N層とし、
    前記記録媒体の対物レンズ側表面から第N層までの光学的厚みtNとすると、
    光学的厚みtNと光学的厚みtがほぼ一致するように設計されていることを特徴とする対物レンズ。
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