JP3624271B2 - 磁気軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえばターボ分子ポンプなどに用いられる磁気軸受装置、さらに詳しくは、外部電源からの給電停止時に回生電力を発生させる発電機として作用する電動機により回転駆動される回転体を磁気軸受により磁気浮上させて保持する磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
たとえばターボ分子ポンプに使用される磁気軸受装置として、回転体をラジアル方向に非接触支持する2組のラジアル磁気軸受と、回転体をアキシアル方向に非接触支持する1組のアキシアル磁気軸受と、回転体を回転駆動する電動機と、電動機および磁気軸受を制御する磁気軸受制御装置と、磁気軸受による支持がなくなったときに回転体を機械的に支持する保護軸受(タッチダウン軸受)を備えたものが知られている。各磁気軸受は、回転体を磁気吸引して所定の位置に保持する複数の電磁石を備えている。電動機は、通常は、外部電源からの電力により回転体を駆動し、外部電源からの給電停止時には、回生電力を発生する発電機として作用するようになっている。磁気軸受制御装置は、直流電源装置、電磁石制御手段、電動機駆動手段、運転モード切換え手段を備えている。直流電源装置は、外部電源からの交流電力を直流電力に変換して電磁石制御手段に供給するためのものである。電磁石制御手段は、位置センサにより検出された回転体のラジアル方向およびアキシアル方向の位置に基づいて各磁気軸受の電磁石を制御するものであり、このように電磁石が制御されることにより、回転体が所定の位置に磁気浮上させられる。電動機駆動手段は、通常は、外部電流からの電力によって電動機を駆動し、外部電源からの給電停止時には、電動機からの回生電力を電磁石制御手段に出力する。運転モード切換え手段は、外部電源の電圧値が所定の給電停止検出電圧値より低下したことを検出することにより、上記外部電源からの給電が停止したことを検出し、この検出結果に基づいて上記電磁石制御手段および上記電動機駆動手段の運転モードを通常運転モードと回生運転モードに切換えるものである。給電停止検出電圧値は、外部電源の定格電圧値と直流電源装置の動作が可能な最低の電圧値である動作可能最低電圧値との間の所定の値に設定されている。なお、この動作可能最低電圧値は、外部電圧による電磁石制御手段の動作が可能である最低の電圧値と等しい。通常運転モードは、外部電源からの電力により電磁石制御手段および電動機駆動手段を駆動するモードであり、回生運転モードは、電動機駆動手段からの回生電力により磁気軸受制御手段を駆動するモードである。通常は、すなわち外部電源からの給電が停止していない間は、切換え手段により通常運転モードに切換えられ、このモードの運転が続けられる。そして、電磁石制御手段および電動機が外部電源からの電力により駆動されて、回転体が所定の位置に保持されるとともに、回転駆動される。停電などにより外部電源からの給電が停止して、これが切換え手段により検出されると、すぐに回生運転モードに切換えられ、このモードの運転が行われる。そして、電動機駆動手段からの回生電力により電磁石制御手段が駆動され、外部電源からの給電が停止しても、しばらくの間は、磁気軸受で回転体が非接触支持され、回転体がある程度減速した時点で、磁気軸受による支持がなくなって、回転体は保護軸受で機械的に支持され、さらに減速して、やがて停止する。
【0003】
ところで、電動機駆動手段から供給される回生電力は、外部電源から直流電源装置を通して供給される電力に比べて質が劣る。そして、上記の従来の磁気軸受装置では、外部電源の電圧値が給電停止検出電圧値まで低下して給電停止が検出されると、すぐに回生運転モードの運転に切換えられて、後は質の劣る回生電力によって電磁石制御手段が制御されるので、回転体が十分に減速するまで磁気軸受で回転体を非接触支持することができず、回転体が比較的高い速度で保護軸受に受けられることがある。そうすると、保護軸受が衝撃力を受け、摩耗が大きく、寿命が短くなる。
【0004】
この発明の目的は、上記の問題を解決し、外部電源からの給電が停止したときにも、磁気軸受にできるだけ長く良質の電力を供給できる磁気軸受装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による磁気軸受装置は、磁気軸受により回転体を磁気浮上させて所定の位置に保持し、外部電源からの給電停止時に回生電力を発生させる発電機として作用する電動機により上記回転体を駆動し、上記外部電源の電圧値が定格電圧値と上記磁気軸受の動作が可能な最低の電圧値である動作可能最低電圧値との間の所定の給電停止検出電圧値より低下したことを検出することにより、上記外部電源からの給電が停止したことを検出し、通常は、上記外部電源からの電力により上記電動機および上記磁気軸受を駆動する通常運転モードの運転を行い、上記外部電源からの給電が停止したときに、上記電動機からの回生電力により上記磁気軸受を駆動する回生運転モードの運転に切換えるようになされている磁気軸受装置において、上記外部電源からの給電が停止したことを検出した後、上記外部電源の電圧値が上記給電停止検出電圧値と上記動作可能最低電圧値との間の所定の切換え電圧値まで低下したときに、上記回生運転モードの運転に切換えるようになされていることを特徴とするものである。
【0006】
この発明による磁気軸受装置は、また、回転体を磁気浮上させる複数の電磁石を有する磁気軸受と、上記回転体を所定の位置に保持するように上記電磁石を制御する電磁石制御手段と、外部電源からの電力により上記回転体を駆動し上記外部電源からの給電停止時に回生電力を発生する発電機として作用する電動機と、上記外部電源からの電力を直流電力に変換して上記電磁石制御手段に供給する直流電源装置と、通常は上記外部電源からの電力により上記電動機を駆動し、上記外部電源からの給電停止時に上記電動機からの回生電力を出力する電動機駆動手段と、上記外部電源の電圧値が定格電圧値と上記直流電源装置の動作が可能な最低の電圧値である動作可能最低電圧値との間の所定の給電停止検出電圧値より低下したことを検出することにより、上記外部電源からの給電が停止したことを検出し、この検出結果に基づいて上記電磁石制御手段および上記電動機駆動手段の運転モードを切換える切換え手段とを備え、通常は、上記外部電源からの電力により上記電磁石制御手段および上記電動機駆動手段を駆動する通常運転モードの運転を行い、上記外部電源からの給電が停止したときに、上記電動機からの回生電力により上記磁気軸受を駆動する回生運転モードの運転に切換えるようになされている磁気軸受装置において、上記切換え手段が、上記外部電源からの給電が停止したことを検出した後、上記外部電源の電圧値が上記給電停止検出電圧値と上記動作可能最低電圧値との間の所定の切換え電圧値まで低下したときに、上記回生運転モードの運転に切換えるようになされていることを特徴とするものである。
【0007】
停電などで外部電源からの給電が停止する場合、外部電源電圧値Vs は図4(a) に示すように変化する。同図において、Vr は外部電源の定格電圧値、Va は給電停止検出電圧値、Vb は切換え電圧値、Vc は動作可能最低電圧値である。
【0008】
従来の磁気軸受装置では、外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧値Va 以下に低下した時点t2 において給電停止が検出されると、すぐに回生運転モードの運転に切換えられて、電動機からの回生電力により磁気軸受が駆動され、前記のようにして回転体が停止させられる。
【0009】
これに対し、この発明による磁気軸受装置では、時点t2 において給電停止が検出されても、すぐには回生運転モードの運転には切換えられず、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb に低下するまでは、外部電源からの電力により磁気軸受が駆動される。そして、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb まで低下した時点t3 において、回生運転モードの運転に切換えられ、電動機からの回生電力により磁気軸受が駆動されて、前記のようにして回転体が停止させられる。切換え電圧値Vb は給電停止検出電圧値Va と動作可能最低電圧値Vc の中間の値であるから、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb に低下するまでは、外部電源からの電力によって磁気軸受を駆動することができる。そして、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb に低下するまでは、外部電源からの良質の電力を磁気軸受に供給することができ、その後、回生運転モードの運転に切換えて回転体を停止させるので、磁気軸受にできるだけ長く良質の電力を供給して、回転体が十分に減速してからこれを保護軸受で受けることができる。このため、停止時に保護軸受が受ける衝撃力や摩耗が小さくなり、保護軸受の寿命が長くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は磁気軸受装置の機械的構成の主要部の1例を概略的に示し、図2はその電気的構成の主要部の1例を概略的に示している。
【0012】
図1に示すように、ケーシング(1) の内部に軸状の回転体(2) が鉛直に配置されている。回転体(2) は、ケーシング(1) に設けられたアキシアル磁気軸受(3) および上下2組のラジアル磁気軸受(4)(5)により非接触支持され、内蔵型高周波電動機(6) により高速回転させられる。ケーシング(1) の上下2箇所に、磁気軸受(3)(4)(5) による支持がなくなったときに回転体(2) を受けるための保護軸受(7)(8)が設けられている。保護軸受(7)(8)は、たとえばアンギュラ玉軸受により構成されている。
【0013】
アキシアル磁気軸受(3) は、回転体(2) をアキシアル方向(上下方向)に支持するためのものであり、回転体(2) の中間部のフランジ部(2a)を上下両側から挟むように配置された1対の環状の電磁石(アキシアル電磁石)(3a)を備えている。上下のアキシアル電磁石(3a)は、フランジ部(2a)を磁力により吸引して回転体(2) をアキシアル方向に非接触支持する。ケーシング(1) に、回転体(2) のアキシアル方向の位置を検出するためのアキシアル位置センサ(9) が設けられている。
【0014】
ラジアル磁気軸受(4)(5)は、回転体(2) をラジアル方向(水平方向)に支持するためのものである。上側のラジアル方向磁気軸受(4) は、回転体(2) を互いに直交する2つのラジアル方向の両側から挟むように配置された2対の電磁石(ラジアル電磁石)(4a)を備えている。下側のラジアル磁気軸受(5) も、同様の2対のラジアル電磁石(5a)を備えている。ラジアル電磁石(4a)(5a)は、回転体(2) を磁力により吸引してこれをラジアル方向に非接触支持する。上側のラジアル電磁石(4a)の近傍に、回転体(2) の上部の互いに直交する2つのラジアル方向の位置を検出するための2対のラジアル位置センサ(10)が設けられている。下側のラジアル電磁石(5a)の近傍にも、回転体(2) の下部の互いに直交する2つのラジアル方向の位置を検出するための2対のラジアル位置センサ(11)が設けられている。
【0015】
電動機(6) は、回転体(2) に設けられたロータ部(6a)と、その周囲のケーシング(1) に設けられたステータ部(6b)とを備えている。この電動機(6) は、通常はたとえば200Vの交流電源である外部電源(12)(図2参照)からの電力によって駆動され、外部電源(12)からの給電停止時には回生電力を発生する発電機として作用するものである。
【0016】
図2に示すように、磁気軸受装置には、電動機(6) を制御するとともに、位置センサ(9)(10)(11) の出力に基づいて電磁石(3a)(4a)(5a)を制御する磁気軸受制御装置(13)が設けられている。制御装置(13)は、直流電源装置(14)、電磁石制御手段(15)、電動機駆動手段としてのインバータ装置(16)、切換えスイッチ(18)および切換え手段(19)を備えている。電磁石制御手段(15)および切換え手段(18)の主要部はマイクロコンピュータにより構成してもよい。
【0017】
直流電源装置(14)は、外部電源(12)からの交流電力を直流電力に変換して電磁石制御手段(15)に供給するためのものである。電磁石制御手段(15)は、位置センサ(9)(10)(11) の出力に基づいて、回転体(2) を所定の位置に保持するように電磁石(3a)(4a)(5a)を制御するものである。インバータ装置(16)は、通常は、外部電源(12)からの電力により電動機(6) を駆動し、外部電源からの給電停止時には、電動機(6) からの回生電力を直流電力として出力するものである。切換えスイッチ(18)は、電磁石制御手段(15)を外部電源(12)側(直流電源装置(14)側)とインバータ装置(16)側に切換えるためのものであり、スイッチ(18)の共通端子は電磁石制御手段(15)の入力端子に、一方の切換え端子は直流電源装置(14)の出力端子に、他方の切換え端子はインバータ装置(16)の直流回生電力出力端子にそれぞれ接続されている。切換え手段(19)は、外部電源(12)の電圧値Vs を常時監視し、これに基づいて、電磁石制御手段(15)および電動機駆動手段(16)の運転モードを通常運転モードと回生運転モードに切換えるものである。通常運転モードは、外部電源(12)からの電力により電磁石制御手段(15)および電動機駆動手段(16)を駆動するモードであり、回生運転モードは、電動機駆動手段(16)からの回生電力により磁気軸受制御手段(15)を駆動するモードである。切換え手段(19)は、通常運転モードではスイッチ(18)を外部電源(12)側に切換え、回生運転モードではスイッチ(18)をインバータ装置(16)側に切換える。
【0018】
図4は、停電時の外部電源電圧値Vs の変化の例を示している。同図(a) は比較的長時間継続して給電が停止する停電の場合、同図(b) および(c) は給電が瞬間的に停止してすぐに復旧する瞬時停電の場合を示している。また、同図において、Vr は外部電源の定格電圧値、Va は給電停止検出電圧値、Vb は切換え電圧値、Vc は動作可能最低電圧値である。定格電圧値Vr は、たとえば200Vである。動作可能最低電圧値Vc は、直流電源装置(14)の動作、すなわちその出力による磁気軸受(3)(4)(5) の動作が可能な最低の電圧値であり、たとえば120Vである。給電停止検出電圧値Va は、外部電源(12)からの給電が停止したことを検出するためのしきい値であり、定格電圧値Vr と動作可能最低電圧値Vc の中間の値、たとえば170Vに設定されている。切換え電圧値Vb は、運転モードを切換えるためのしきい値であり、たとえば150Vに設定されている。なお、これらの電圧値Vr 、Va 、Vb 、Vc は、外部から設定を変えられるようにしてもよい。
【0019】
次に、図3のフローチャートを参照して、磁気軸受装置運転中の切換え手段(19)の動作の1例について説明する。
【0020】
切換え手段(19)は、運転中、外部電源電圧値Vs を常時監視しており、外部電源電圧値Vs が定格電圧値Vr 未満であるかどうかを調べる(ステップ1)。これが定格電圧値Vr 未満でなければ、ステップ2に進んで、インバータ装置(16)およびスイッチ(18)を通常運転モードにし、ステップ1に戻る。ステップ1において外部電源電圧値Vs が定格電圧値Vr 未満であれば、ステップ3に進み、外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧値Va 以下であるかどうかを調べる。これが給電停止検出電圧値Va 以下でなければ、前述のステップ2に進み、給電停止検出電圧値Va 以下であれば、ステップ4に進んで、インバータ装置(16)を回生運転モードにし、ステップ5に進む。ステップ5では、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb 以下であるかどうかを調べ、切換え電圧値Vb 以下でなければ、ステップ6に進んで、スイッチ(18)を通常運転モードにし、ステップ3に戻る。ステップ5において、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb 以下であれば、ステップ7に進んで、スイッチ(18)を回生運転モードにし、ステップ5に戻る。
【0021】
通常は、外部電源電圧値Vs が定格電圧値Vr 以上であるから、ステップ1と2が繰返され、インバータ装置(16)が外部電源(12)からの電力により電動機(6) を駆動する通常運転モードに保持されるとともに、スイッチ(18)が外部電源(12)側の通常運転モードに保持され、通常運転モードの運転が行われる。そして、電磁石制御手段(15)および電動機(6) が外部電源(12)からの電力により駆動され、回転体(2) が磁気軸受(3)(4)(5) により所定の位置に保持されるとともに、電動機(6) により回転駆動される。
【0022】
図4(a) に示すような長時間の停電が発生して、外部電源(12)からの給電が停止した場合、まず、外部電源電圧値Vs が定格電圧値Vr 未満になった時点t1 において、ステップ1からステップ3に進むが、外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧値Va 以下になるまでは、ステップ2、1および3が繰返され、通常運転モードの運転が続けられる。そして、外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧値Va 以下になった時点t2 において、ステップ3からステップ4に進み、インバータ装置(16)だけが回生運転モードに切換えられて、電動機(6) からの回生電力がインバータ装置(16)からスイッチ(18)に出力されるようになる。しかし、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb 以下になるまでは、ステップ6、3、4および5が繰返されて、スイッチ(18)が外部電源(12)側の通常運転モードに保持され、外部電源(12)からの電力による電磁石制御手段(15)の運転が続けられる。そして、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb 以下になった時点t3 において、ステップ5からステップ7に進み、スイッチ(18)がインバータ装置(16)側の回生運転モードに切換えられて、磁気軸受装置の運転が回生運転モードの運転に切換えられる。そして、以後は、ステップ7および5が繰返されて、回生運転モードの運転が続けられる。そうすると、インバータ装置(16)からの直流回生電力により電磁石制御手段(15)が駆動され、外部電源(12)からの給電が停止しても、しばらくの間は、磁気軸受(3)(4)(5) で回転体(2) が非接触支持され、回転体(2) がある程度減速した時点で、磁気軸受(3)(4)(5) による支持がなくなって、回転体(2) は保護軸受(7)(8)で機械的に支持され、さらに減速して、やがて停止する。つまり、図4(a) のような長時間の停電の場合は、外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧値Va まで低下して給電停止が検出された後も、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb に低下するまでは、外部電源(12)からの電力によって電磁石制御手段(15)が駆動され、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb まで低下した時点において、回生運転モードの運転に切換えられ、インバータ装置(16)からの回生電力によって電磁石制御手段(15)が駆動されるようになる。
【0023】
図4(b) に示すような瞬時停電の場合、時点t2 までの動作は上記の図4(a) の場合と同じである。時点t2 において外部電源電圧値Vs が給電停止電圧値Va まで低下すると、図4(a) の場合と同様、ステップ3からステップ4に進んで、インバータ装置(15)が回生運転モードに切換えられ、ステップ6、3、4および5が繰返されて、外部電源(12)からの電力による電磁石制御手段(15)の駆動が続けられるが、停電が復旧して外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧値Va より上昇した時点t4 において、ステップ3からステップ2に進んで、インバータ装置(16)も通常運転モードに切換えられ、磁気軸受装置の運転が外部電源(12)からの電力による通常運転モードの運転に切換えられる。そして、ステップ2、1および3が繰返された後、外部電源電圧値Vs が定格電圧値Vr 以上に上昇した時点t5 において、ステップ1からステップ2に進み、以後は、ステップ2および1が繰返されて、通常運転モードの運転が続けられる。つまり、図4(b) のような瞬時停電の場合、外部電源電圧値Vs が給電停止検出電圧Va 以下に低下している間も含めて、外部電源(12)からの電力による電磁石制御手段(15)の駆動が続けられ、回生運転モードに切換えられることはない。
【0024】
図4(c) に示すような瞬時停電の場合、時点t3 までの動作は上記の図4(a) の場合と同じである。時点t3 において外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb まで低下すると、図4(a) の場合と同様、ステップ5からステップ7に進んで、スイッチ(18)も回生運転モードに切換えられ、ステップ7および5が繰返されて、電動機(6) からの回生電力による電磁石制御手段(15)の駆動が続けられるが、停電が復旧して外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb より上昇した時点t6 において、ステップ5からステップ6に進んで、スイッチ(18) が通常運転モードに切換えられ、外部電源(12)からの電力による電磁石制御手段(15)の駆動に切換えられる。そして、以後は、図4(b) の時点t4 およびt5 におけるのと同様、外部電源電圧Vs が給電停止検出電圧値Va より上昇した時点t7 において、インバータ装置(16)も通常運転モードに切換えられて、通常運転モードの運転に切換えられ、外部電源電圧値Vs が定格電圧値Vr 以上に上昇した時点t8 以降も、通常運転モードの運転が続けられる。つまり、図4(c) のような瞬時停電の場合、外部電源電圧値Vs が切換え電圧値Vb 以下に低下している間は、回生運転モードの運転に切換えられるが、停電が復旧すると、通常運転モードの運転に戻されて、これが続けられる。
【0025】
図4(a) のような長時間の停電の場合は、もちろん、上記のように回生運転モードの運転に切換えて回転体を停止させる必要がある。これに対し、同図(b) あるいは(c) のような瞬時停電の場合は、短時間で給電が復旧するので、すぐに回生運転モードの運転に切換えて回転体を停止させなくても問題はない。ところが、従来の磁気軸受装置では、前述のように、外部電源電圧値が給電停止検出電圧値まで低下して給電停止が検出された時点ですぐに回生運転モードの運転に切換えられるため、瞬時停電のたびに回転体が停止してしまう。回転体が停止すると、これを再起動する必要があり、瞬時停電であっても、その都度、回転体の再起動が必要であり、面倒である。また、回生運転モードの運転を行って回転体を停止させると回転体はある程度の速度で回転している状態で保護軸受で支持されるため、保護軸受が衝撃力を受け、摩耗が発生する。したがって、従来のように瞬時停電のたびに回転体を停止させていると、保護軸受の寿命が短くなる。これに対し、上記の磁気軸受装置では、瞬時停電の場合には、回転体を停止させずに運転を継続することができ、瞬時停電のたびに面倒な回転体の再起動を行う必要がなく、保護軸受の寿命も長くなる。
【0026】
磁気軸受装置の各部の構成は、上記の実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示す磁気軸受装置の主要部の概略縦断面図である。
【図2】磁気軸受装置の電気的構成の1例を示す概略構成図である。
【図3】運転中の切換え手段の動作の1例を示すフローチャートである。
【図4】停電時の外部電源電圧値の変化の例を示すグラフである。
【符号の説明】
(2) 回転体
(3) アキシアル磁気軸受
(4)(5) ラジアル磁気軸受
(3a) アキシアル電磁石
(4a)(5a) ラジアル電磁石
(6) 電動機
(12) 外部電源
(14) 直流電源装置
(15) 電磁石制御手段
(16) インバータ装置(電動機駆動手段)
(18) 切換えスイッチ
(19) 切換え手段
Claims (2)
- 磁気軸受により回転体を磁気浮上させて所定の位置に保持し、外部電源からの給電停止時に回生電力を発生させる発電機として作用する電動機により上記回転体を駆動し、上記外部電源の電圧値が定格電圧値と上記磁気軸受の動作が可能な最低の電圧値である動作可能最低電圧値との間の所定の給電停止検出電圧値より低下したことを検出することにより、上記外部電源からの給電が停止したことを検出し、通常は、上記外部電源からの電力により上記電動機および上記磁気軸受を駆動する通常運転モードの運転を行い、上記外部電源からの給電が停止したときに、上記電動機からの回生電力により上記磁気軸受を駆動する回生運転モードの運転に切換えるようになされている磁気軸受装置において、
上記外部電源からの給電が停止したことを検出した後、上記外部電源の電圧値が上記給電停止検出電圧値と上記動作可能最低電圧値との間の所定の切換え電圧値まで低下したときに、上記回生運転モードの運転に切換えるようになされていることを特徴とする磁気軸受装置。 - 回転体を磁気浮上させる複数の電磁石を有する磁気軸受と、上記回転体を所定の位置に保持するように上記電磁石を制御する電磁石制御手段と、外部電源からの電力により上記回転体を駆動し上記外部電源からの給電停止時に回生電力を発生する発電機として作用する電動機と、上記外部電源からの電力を直流電力に変換して上記電磁石制御手段に供給する直流電源装置と、通常は上記外部電源からの電力により上記電動機を駆動し、上記外部電源からの給電停止時に上記電動機からの回生電力を出力する電動機駆動手段と、上記外部電源の電圧値が定格電圧値と上記直流電源装置の動作が可能な最低の電圧値である動作可能最低電圧値との間の所定の給電停止検出電圧値より低下したことを検出することにより、上記外部電源からの給電が停止したことを検出し、この検出結果に基づいて上記電磁石制御手段および上記電動機駆動手段の運転モードを切換える切換え手段とを備え、通常は、上記外部電源からの電力により上記電磁石制御手段および上記電動機駆動手段を駆動する通常運転モードの運転を行い、上記外部電源からの給電が停止したときに、上記電動機からの回生電力により上記磁気軸受を駆動する回生運転モードの運転に切換えるようになされている磁気軸受装置において、
上記切換え手段が、上記外部電源からの給電が停止したことを検出した後、上記外部電源の電圧値が上記給電停止検出電圧値と上記動作可能最低電圧値との間の所定の切換え電圧値まで低下したときに、上記回生運転モードの運転に切換えるようになされていることを特徴とする磁気軸受装置。
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JP05116396A JP3624271B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 磁気軸受装置 |
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