JP3621954B2 - クレーン船の吊枠揺れ止め装置 - Google Patents

クレーン船の吊枠揺れ止め装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原油貯蔵船を沖合洋上石油備蓄基地内に入船させたり、基地外へ出船させたりする際のケーソン吊り上げ作業等に用いるクレーン船の吊枠揺れ止め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、図8に沖合洋上石油備蓄基地1の一例について示す如く、一般に沖合洋上石油備蓄基地1は、多数のケーソン2を並べて据え付けてなる防波堤3,4,5を、陸上6より張り出させて洋上7の一画を取り囲む如く構築してなるもので、基地1内に入船させた原油貯蔵船8を係留させることができるようにしてある。
【0003】
上記沖合洋上石油備蓄基地1では、原油貯蔵船8を、基地1内へ入船(引き込み)させたり、基地1外へ出船(引き出し)させたりする場合、その都度、前面の防波堤4の一部のケーソン2をクレーン船にて吊り上げ移動させる作業を行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、波浪によりクレーン船に揺れが生じると、その揺れがクレーン船のジブの先端(頂部)から吊られる吊枠を介してケーソン吊ロープに伝わるため、揺れが大きいときには、ケーソン玉掛作業を安定した状態で行うことができない。したがって、海象条件によってはケーソンの移設作業の予定が立たなかったり、その作業に着手できない。又、作業を中断して波浪が治まるまでクレーン船を待機させなければならず、クレーン船の稼動率が低下するだけでなく、全体の工事コストが高くなる問題がある。
【0005】
因に、最近、ケーソンの波浪による動揺を防止するようにしたケーソン据付時の動揺防止装置が提案されている(実開平7−31942号)が、このケーソン据付時の動揺防止装置の場合には、ケーソンの揺れ止め力を水中でのみ発生させる据付時専用のものであるため、クレーン船で吊り上げた状態のケーソンの揺れを効果的に抑えることはできず、又、可動マスに水を使用するため非常に大きな体積を有するタンクが必要であり、しかも、水の注入、排出操作が必要であるため高速応答の制御を行うことが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、波浪が大きくても高速応答にて吊枠の揺れを抑えて、ケーソンへのワイヤ玉掛け作業を容易に行うことができるようにし、更には、クレーン船によりケーソンの吊り上げ、吊り下し、移動を容易に行わせることができるようなクレーン船の吊枠揺れ止め装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、台船上に起伏可能に取り付けたジブの先端からホイストロープを介して吊枠を吊り下げ支持するようにしてあるクレーン船における上記吊枠上に、アクチュエータの駆動で錘りを水平方向へ往復移動させ得るようにしてある制振機を設置し、且つ上記ジブの先端部に、該ジブ先端の揺れを加速度信号として検出する第1加速度計を取り付けると共に、上記吊枠に、該吊枠の揺れを加速度信号として検出する第2加速度計を取り付けて、該第1加速度計の検出信号に基づくジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、上記第2加速度計の検出信号に基づく吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、上記各定数設定器の出力信号を演算して上記制振機のアクチュエータに駆動指令を送るようにした演算器とからなる制御装置を備えた構成とする。
【0008】
波浪等によりクレーン船に揺れが発生してその揺れが吊枠に伝えられると、第2加速度計で検出された信号に基づく速度信号がフィードバック制御信号として演算器に入れられ、一方、ジブの先端の揺れが第1加速度計で検出され、その信号に基づく変位信号がフィードフォワード信号として上記演算器に入れられてフィードバック制御信号に付加されることにより、制振機のアクチュエータに駆動指令が送られるが、この際、ジブの先端変位と吊枠の変位との位相差に基づく定数がそれぞれ制御信号に掛けられることから吊枠の揺れが速やかに抑えられる。
【0009】
又、第1加速度計の検出信号に基づくジブの先端変位信号と第2加速度計の検出信号に基づく吊枠の変位信号とから位相差を求めて該位相差に基づく定数可変指令を、ジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器へ与える位相検出器を設けた構成とすることにより、ジブの先端変位と吊枠の変位との位相差が位相検出器にて求められ、その値に基づく最適定数が各定数設定器に与えられることになる。
【0010】
更に、第1加速度計に代えて第1加速度計と第1積分器とからなる第1速度計を用い、且つ第2加速度計に代えて第2加速度計と第1積分器とからなる第2速度計を用いるようにしてもよい。
【0011】
更に又、ジブ先端の速度信号に基づく補正用定数設定器と、吊枠の変位信号に基づく補正用定数設定器と、錘りの速度信号に基づく補正用定数設定器と、錘りの変位信号に基づく補正用定数設定器とを備え、且つ上記各補正用定数設定器に位相検出器からの定数可変指令を与えるようにして、ジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器からの制御信号を補正すると共に、吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器からの制御信号を補正するようにした構成とすることにより、各補正用定数設定器による補正用信号で制御信号が極め細かく補正されることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1乃至図3は本発明の実施の一形態を示すもので、台船9の船首部上にジブ10を起伏可能に取り付け、ケーソン2を吊るための吊ロープ11を備えた左右方向に延びる吊枠12を、上記ジブ10の先端部(頂部)よりホイストロープ13、フック14、吊ロープ15を介して吊り下げ支持するようにしてあるクレーン船16において、上記吊枠12上に、吊枠12の左右方向の揺れを減衰させるための制振機17を装備させ、且つ上記ジブ10の先端部に第1加速度計18を、又、上記吊枠12に第2加速度計19をそれぞれ設置し、且つ該第1加速度計18の検出信号と第2加速度計19の検出信号19とを基に上記制振機17のアクチュエータに制振指令を送る制御装置20を備えた構成とする。
【0014】
上記制振機17は、図2(イ)(ロ)(ハ)に詳細を示す如く、左右方向に延びるベースフレーム21上に、2本1組とした前後のリニアガイドレール22を敷設して、該リニアガイドレール22上に、錘り24を搭載した台車25を、上記リニアガイドレール22に係合させたリニアガイドブロック23を介して移動自在に載置し、且つ上記前後のリニアガイドレール22間の位置に、両端部を軸受26により回転自在に支持されたボールねじ27を平行に配置して、該ボールねじ27に、上記台車25の下面に固設したナットブロック28を螺合させ、更に、上記ボールねじ27の一端に、減速機29を介してアクチュエータとしてのモータ30を連結設置すると共に、上記ボールねじ27の他端に、ブレーキ31を連結設置して、上記モータ30の駆動でボールねじ27を回転させることにより錘り24が台車25と共にリニアガイドレール22上を移動させられるようにしてある。32は錘り24の移動領域を規制するエンドバッファを示す。
【0015】
上記制御装置20は図3に示す如くである。すなわち、第1加速度計18で検出した加速度信号αを積分する第1積分器33と、該第1積分器33の出力信号である速度信号vを更にもう1回積分して変位信号lとする第2積分器34と、変位信号lに所要の定数を掛ける定数設定器35と、上記速度信号vを基とする補正信号を演算器37に入れて上記定数設定器35の出力を補正するための補正用定数設定器36とを備え、又、第2加速度計19で検出した加速度信号αを積分する第1積分器38と、該第1積分器38の出力信号である速度信号vに所要の定数を掛ける定数設定器39と、上記第1積分器38からの速度信号vを更にもう1回積分して変位信号lとする第2積分器40と、上記変位信号lを基とする補正信号を演算器42に入れて上記定数設定器39の出力を補正するための補正用定数設定器41と、モータ30の回転数から錘り24の変位を求める変位計としてのパルスジェネレータ43と、該パルスジェネレータ43の出力信号である変位信号lを微分して速度信号vとする微分器44と、上記速度信号vを基とする補正信号を演算器45に入れて上記演算器42の出力を補正するための補正用定数設定器46と、上記変位信号lを基とする補正信号を演算器47に入れて上記演算器45の出力を補正するための補正用定数設定器48とを備え、且つ上記演算器37からの制御信号と演算器47からの制御信号とを演算して演算後の制御信号をモータ30のドライブユニット49への駆動指令として送るようにした演算器50を備え、更に、上記第1加速度計18系の変位信号lと第2加速度計19系の変位信号lとの位相差を検出して最適な定数値指令信号を各定数設定器35,39及び補正用定数設定器36,41,46,48に与えるようにした位相検出器51を備えてなる構成としてある。
【0016】
本発明の揺れ止め制御の原理は次の如くである。
【0017】
すなわち、上記において、錘り24を直線的に往復移動させる制振機17の場合、吊枠12の揺れだけを考えると、錘り24を吊枠12の変位に対し90°の遅れ位相で作動させれば、吊枠12の揺れを効果的に減衰させることができることは既に知られている。しかし、クレーン船では、ジブ10の先端も揺れるので、ジブ10の先端揺れ周期ωと、μ(吊枠12の変位/ジブ10の先端変位)及び位相との関係を示す図4(イ)(ロ)の如く、ジブ10の先端揺れ周期がωで吊枠12が同じ周期ωで揺れているときはジブ10の先端と吊枠12との間には−90°の位相差が生じる通常の振動モードとなるが、ジブ10の先端揺れ周期がωよりも大きいωになると、ジブ10の先端と吊枠12との間には−90°〜−180°の位相差が生じることになる。今、ジブ10の先端と吊枠12が−180°の位相差があるとすれば、ジブ10の先端揺れ周期ωは吊枠12の揺れ周期よりも短いため、ジブ10の先端と吊枠12と錘り24の変位は図5に示す如き結果となる。したがって、ジブ10の先端の揺れを直接検知し、錘り24の変位を吊枠12の変位と同相でジブ10の先端変位に対して180°の遅れ位相で動かすことによって、吊枠12の揺れを低減することができる。又、ジブ10の先端揺れ周期がωに近付くと、図6(イ)(ロ)に示す如く、吊枠12とジブ10の先端変位は同相になるので、錘り24を吊枠12に対して−90°の位相で動かせばよく、逆に、ジブ10の先端揺れ周期がωになると、進み位相になるので、上述とは逆の位相差でもって錘り24を制御すればよい。
【0018】
詳述すると、たとえば、今、波浪により図1に示すクレーン船16の台船9に揺れが発生すると、その揺れは、ジブ10からホイストロープ13、フック14、吊ロープ15を介して吊枠12に伝わることになる。なお、通常、クレーン船16の揺れを考える場合、その形状特性から、前後方向の揺れは小さいので、主として左右方向の揺れを考えればよく、上記吊枠12は左右方向に揺れることになる。図3に示す如く、吊枠12の揺れは第2加速度計19で加速度信号αとして検出され、この加速度信号αが第1積分器38で積分されることにより速度信号vが求められ、この速度信号vに定数設定器39にて定数が掛けられてモータ30のドライブユニット49へ駆動指令が送られることになるが、この際、上記速度信号vは分岐されて第2積分器40に入れられることにより変位信号lに変換される。一方、ジブ10の先端の揺れは第1加速度計18で加速度信号αとして検出され、この加速度信号αが第1積分器33で積分されることにより速度信号vが求められ、この速度信号vが第2積分器34で更にもう1回積分されることにより変位信号lが求められる。
【0019】
上述のようにしてジブ10の先端変位信号lと吊枠12の変位信号lとが求められると、これらは位相検出器51に入れられ、位相差が求められる。これにより、位相差に基づく最適な定数が定数設定器35と39に与えられるので、定数設定器35から出た制御信号と定数設定器39から出た制御信号とが演算器50で演算されてからモータ30のドライブユニット49へ駆動指令として与えられる。すなわち、位相検出器51は、求めた位相差により、第1加速度計18系の制御信号と第2加速度計19系の制御信号との比率を可変調整し、フィードフォワードの制御信号とフィードバックの制御信号の重み付けを最適に変更させるようにする。したがって、図2に示す制振機17のドライブユニット49への駆動指令によりアクチュエータとしてのモータ30が駆動されるため、ボールねじ27の回転により錘り24が台車25と共にリニアガイドレール22上を所要のタイミングで左右に往復移動させられる。該制振機17はモータ30による駆動方式であるため、揺れの周波数が変動しても高速応答で吊枠12の揺れを抑えることができる。
【0020】
更に、上記の場合、位相検出器51からの指令は、補正用定数設定器36,41,46,48にも与えられるため、ジブ10の先端の速度信号vに基づく補正用信号が演算器37に入れられることにより、定数設定器35からの制御信号が補正され、一方、吊枠12の変位信号lに基づく補正用信号が演算器42に入れられ、又、パルスジェネレータ43を介し微分器44で求めた錘り24の速度信号vを基にする補正用信号が演算器45に入れられると共に、パルスジェネレータ43で求めた錘り24の変位信号lを基にする補正用信号が演算器47に入れられることにより、定数設定器39からの制御信号が極め細かく補正される。このため、錘り24を正確に動かすことができて吊枠12を更に精度よく減衰させることができる。なお、上記補正用定数設定器36,41,46,48は必要不可欠なものではない。又、ジブ10の先端揺れ周期ωとωが計測により決まっているときには、予め、定数設定器35,39に定数を固定値として設定しておくことによって、上記位相検出器51を不要とすることができる。
【0021】
本発明においては、上述したように吊枠12の揺れを素早く抑えることができるので、図8に示す如き沖合洋上石油備蓄基地1内に原油貯蔵船8を入船させる際に波浪があったとしても、ケーソン2の吊り上げ移動作業を安定して行うことができる。この際、波浪によりクレーン船16の台船9が揺れ、その揺れがジブ10に伝わったとしても、上述したように、ジブ10からホイストロープ13、フック14、吊ロープ15を介して吊られる吊枠12の揺れを制振機17によって減衰させることができるため、吊枠12に取り付けられている吊ロープ11の揺れも抑えることができる。これにより、ケーソン2への吊ロープ11の玉掛けを容易に行うことができ、ケーソン2に揺れを伝えることなくケーソン2を吊り上げて移動させることができる。
【0022】
一方、原油貯蔵船8を入船させた後、ケーソン2を据え付ける場合にも、同様にケーソン2に揺れを伝えることなくケーソン2を吊り下すことができる。したがって、従来では、海象が悪い場合、波浪が治まるまで作業を中止してクレーン船16を待機させるようにしていたが、待機時間を不要とすることができ、クレーン船16の稼動率を向上させることができ、そのため、用船日数を短くすることができて全体の工事コストを大幅に低減することができる。
【0023】
なお、上記ケーソン2の吊り上げ作業時において、波浪に伴う台船9の上下動による吊枠12の上下動は、ホイストロープ13の巻上下制御によって容易に吸収することができる。
【0024】
次に、図7(イ)(ロ)(ハ)はいずれも本発明の他の実施の形態を示すもので、(イ)は左右方向に延びる吊枠12上の中央部に、制振機17を前後方向に沿うように設置した場合を、又、(ロ)は左右方向に延びる吊枠12上の中央部に、制振機17を左右方向と前後方向にそれぞれ沿うように設置した場合を、更に、(ハ)は左右方向に延びる吊枠12上の中央部に、制振機17を左右方向に沿うように設置すると共に、両端部に、制振機17を前後方向に沿うようにそれぞれ設置した場合を示す。なお、制振機17を複数台設置する場合は、各制振機17の設置方向と対応する加速度計や演算器等をそれぞれ用いるものである。
【0025】
図7(イ)に示すようにした場合は、吊枠12の前後方向の揺れを抑えることができ、図7(ロ)に示すようにした場合は、吊枠12の前後、左右方向の揺れを抑えることができ、図7(ハ)に示すようにした場合は、吊枠12の前後左右方向の揺れを抑えることができ、且つ吊枠12の水平方向のねじれをも抑えることができる。
【0026】
なお、上記実施の形態では、沖合洋上石油備蓄基地のケーソン吊り上げ移動作業に用いるクレーン船の吊枠への適用例を示したが、他のクレーン船の吊枠に対しても同様に適用できること、又、実施の形態では、ジブ10の先端に第1加速度計18を取り付け、吊枠12に第2加速度計19を取り付けるようにした場合を示したが、図3において二点鎖線で示す如く、ジブ10の先端に、第1加速度計18と第1積分器33とからなる第1速度計52を取り付け、吊枠12に、第2加速度計19と第1積分器38とからなる第2速度計53を取り付けるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のクレーン船の吊枠揺れ止め装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1)台船上に起伏可能に取り付けたジブの先端からホイストロープを介して吊枠を吊り下げ支持するようにしてあるクレーン船における上記吊枠上に、アクチュエータの駆動で錘りを水平方向へ往復移動させ得るようにしてある制振機を設置し、且つ上記ジブの先端部に、該ジブ先端の揺れを加速度信号として検出する第1加速度計を取り付けると共に、上記吊枠に、該吊枠の揺れを加速度信号として検出する第2加速度計を取り付けて、該第1加速度計の検出信号に基づくジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、上記第2加速度計の検出信号に基づく吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、上記各定数設定器の出力信号を演算して上記制振機のアクチュエータに駆動指令を送るようにした演算器とからなる制御装置を備えた構成としてあるので、吊枠のフィードバック信号にジブ先端のフィードフォワード制御信号を付加することができ、これにより吊枠の揺れを素早く抑えることができる。したがって、沖合洋上石油備蓄基地でのケーソン吊り上げ移動作業にクレーン船を用いた場合、波浪中でもケーソンのワイヤ玉掛け作業やケーソンの吊り上げ移動作業を容易に行うことができ、クレーン船の待機時間を不要にできてクレーン船の稼動率を向上させることができ、これにより、用船日数を短くすることができて、全体の工事コストを大幅に低減することができる。
(2)第1加速度計の検出信号に基づくジブの先端変位信号と第2加速度計の検出信号に基づく吊枠の変位信号とから位相差を求めて該位相差に基づく定数可変指令を、ジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器へ与える位相検出器を設けた構成とすることにより、位相検出器にてジブの先端変位と吊枠の変位との位相差に基づく最適定数を各定数設定器に与えることができるので、高速応答で吊枠の揺れを精度よく減衰させることができる。
(3)第1加速度計に代えて第1加速度計と第1積分器とからなる第1速度計を用い、且つ第2加速度計に代えて第2加速度計と第1積分器とからなる第2速度計を用いるようにしても、上記(1)(2)項と同様な効果を発揮することができる。
(4)ジブ先端の速度信号に基づく補正用定数設定器と、吊枠の変位信号に基づく補正用定数設定器と、錘りの速度信号に基づく補正用定数設定器と、錘りの変位信号に基づく補正用定数設定器とを備え、且つ上記各補正用定数設定器に位相検出器からの定数可変指令を与えるようにして、ジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器からの制御信号を補正すると共に、吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器からの制御信号を補正するようにした構成とすることにより、制振機の錘りの動きを正確に制御することができ、吊枠の揺れを更に高精度に減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーン船の吊枠揺れ止め装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は全体の側面図、(ロ)は(イ)のA−A概略矢視図である。
【図2】制振機の構造を示すもので、(イ)は一部切断正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は切断側面図である。
【図3】制御装置のブロック図である。
【図4】制御原理を説明するためのもので、(イ)は吊枠変位/ジブの先端変位とジブの先端揺れ周期との関係を示す図、(ロ)は位相とジブの先端揺れ周期との関係を示す図である。
【図5】ジブの先端変位と吊枠の変位と錘りの変位との関係を示す図である。
【図6】ジブの先端と吊枠とが同相時の錘りとの関係を示すもので、(イ)は変位について、又、(ロ)は速度についてそれぞれ示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示すもので、(イ)(ロ)(ハ)はいずれも吊枠上に異なる配置で制振機を設置した状態を示す概略平面図である。
【図8】沖合洋上石油備蓄基地の一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
9 台船
10 ジブ
12 吊枠
13 ホイストロープ
16 クレーン船
17 制振機
18 第1加速度計
19 第2加速度計
20 制御装置
24 錘り
30 モータ(アクチュエータ)
35 定数設定器
36 補正用定数設定器
39 定数設定器
41,46,48 補正用定数設定器
50 演算器
51 位相検出器
52 第1速度計
53 第2速度計

Claims (4)

  1. 台船上に起伏可能に取り付けたジブの先端からホイストロープを介して吊枠を吊り下げ支持するようにしてあるクレーン船における上記吊枠上に、アクチュエータの駆動で錘りを水平方向へ往復移動させ得るようにしてある制振機を設置し、且つ上記ジブの先端部に、該ジブ先端の揺れを加速度信号として検出する第1加速度計を取り付けると共に、上記吊枠に、該吊枠の揺れを加速度信号として検出する第2加速度計を取り付けて、該第1加速度計の検出信号に基づくジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、上記第2加速度計の検出信号に基づく吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、上記各定数設定器の出力信号を演算して上記制振機のアクチュエータに駆動指令を送るようにした演算器とからなる制御装置を備えた構成を有することを特徴とするクレーン船の吊枠揺れ止め装置。
  2. 第1加速度計の検出信号に基づくジブの先端変位信号と第2加速度計の検出信号に基づく吊枠の変位信号とから位相差を求めて該位相差に基づく定数可変指令を、ジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器と、吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器へ与える位相検出器を設けた請求項1記載のクレーン船の吊枠揺れ止め装置。
  3. 第1加速度計に代えて第1加速度計と第1積分器とからなる第1速度計を用い、且つ第2加速度計に代えて第2加速度計と第1積分器とからなる第2速度計を用いるようにした請求項1又は2記載のクレーン船の吊枠揺れ止め装置。
  4. ジブ先端の速度信号に基づく補正用定数設定器と、吊枠の変位信号に基づく補正用定数設定器と、錘りの速度信号に基づく補正用定数設定器と、錘りの変位信号に基づく補正用定数設定器とを備え、且つ上記各補正用定数設定器に位相検出器からの定数可変指令を与えるようにして、ジブの先端変位信号に所定の定数を掛ける定数設定器からの制御信号を補正すると共に、吊枠の速度信号に所定の定数を掛ける定数設定器からの制御信号を補正するようにした請求項2又は3記載のクレーン船の吊枠揺れ止め装置。
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