JPH09267989A - クレーン吊り荷の振れ止め制御方法 - Google Patents

クレーン吊り荷の振れ止め制御方法

Info

Publication number
JPH09267989A
JPH09267989A JP609097A JP609097A JPH09267989A JP H09267989 A JPH09267989 A JP H09267989A JP 609097 A JP609097 A JP 609097A JP 609097 A JP609097 A JP 609097A JP H09267989 A JPH09267989 A JP H09267989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acceleration
crane
suspended load
time
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP609097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3237557B2 (ja
Inventor
Osamu Yamaguchi
収 山口
Toshio Okawa
登志男 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP00609097A priority Critical patent/JP3237557B2/ja
Publication of JPH09267989A publication Critical patent/JPH09267989A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3237557B2 publication Critical patent/JP3237557B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control And Safety Of Cranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻き上げ・下げ速度が高速で、また駆動系が
バネ特性等を持つクレーンに対しても、高精度の振れ止
めを達成することができるクレーン吊り荷の振れ止め制
御方法を提供する。 【解決手段】 吊り荷ロープの巻き上げまたは巻き下げ
を行いつつ走行する懸垂式クレーンの走行制御を所定の
速度パターンに基づいて行うことによって前記吊り荷の
振れ止めを行うクレーン吊り荷の振れ止め制御方法にお
いて、前記速度パターンを加速度が連続的に変化するよ
うに設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロープ懸垂式クレ
ーンにおけるクレーン吊り荷の振れ止め制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にクレーンオペレーションにおいて
は、荷を吊り上げ、横走行し、荷を降ろすまでのいわゆ
るサイクルタイムを縮め、極力荷役効率を上げることが
望まれる。その際、横走行終了時に荷の残留振れが生じ
ると、安全上、吊り荷を降ろすことができないので、こ
の荷振れが許容範囲内に収まるまで待たねばならない。
このことは、サイクルタイムを増加させ、荷役効率の減
少を生じさせる。特に、有人クレーンにおいては、運転
者の勘と経験に基づく振れ止め制御が行われており、熟
練するまでにかなりの年月を要していた。
【0003】これに対して、無人クレーンにおける振れ
止め制御機構には、機械的制御機構と電気的制御機構と
の2種類がある。前者の機械的制御機構では、クレーン
フック等の可動部を構造的に固定するようになっている
ので、原理的に振れが生じることはなく、完全な振れ止
め制御が可能である。しかし、例えば既存設備の改造を
前提にした場合、後者の電気的制御機構の方がコスト面
で有利な場合が多い。また、機械的制御機構では走行前
に吊り荷を最高位置まで巻き上げる必要があり、サイク
ルタイム上不利である。かかる点から、電気的振れ止め
機構を備えたクレーンの必要性が高くなっている。
【0004】従来、電気的振れ止め制御機構を備えたク
レーン運転制御方法では、クレーン−吊り荷系を単振り
子とみなすモデルに基づき、吊り荷の振れ周期に関連し
た加減速時間を設定し、物理法則上振れが残らない速度
パターン制御を採用している場合が多い。現在知られて
いる速度パターン制御方法を大別すると、図10(a)
に示すように、運転時におけるクレーン加速度が一定の
時間区間を複数組み合わせ、図10(b)に示すよう
に、クレーン速度パターンが折れ線になるように制御す
る方法(特公昭61−031032号公報)と、図11
(a)に示すようにクレーン加速度を連続的に変化さ
せ、図11(b)のようにクレーン速度パターンが滑ら
かな連続曲線を描くように制御する方法(特開平6−3
05686公報)に分けられる。そして、後者の公報に
おいては加速度変化を連続的にすることで、減速機のガ
タ、ドライブシャフトのねじれを誘発しにくく、高精度
の振れ止めを実現できると述べている。
【0005】上記のものは全てクレーン−吊り荷系を単
振り子とみなしたものであるが、サイクルタイム的によ
り厳しいクレーンでは、吊り荷を吊り下げるロープの巻
き上げ・巻き下げと走行を同時に行うケースもある。こ
のような場合に、連続的に変化するロープ長に対応した
振れ周期を考慮しながら、振れ止めパターンを生成する
ことを試みると、ロープ長固定の場合に比べて格段に複
雑になる。これは、ロープ長の変化を考慮にいれた吊り
荷の運動方程式の解が、初等関数では表せなくなること
に起因している。そして、厳密にこの運動方程式に基づ
いた運転制御方法が考案されたが、演算回数が非常に多
く、制御装置に大きな制約をかけることになり実用的で
はなかった。
【0006】そこで、ロープ長固定の場合の単振り子モ
デルに基づく簡便な運転制御方法を、巻き上げ・巻き下
げと走行の同時運転時にも適用出来るようにしたものと
して特開平5−270786号公報に開示された吊り荷
の振れ止制御方法がある。同公報の吊り荷の振れ止制御
方法は、吊り荷ロープの巻き上げ、巻き下げに関するロ
ープ長の平均値を、経時的に変化するロープ長の代表値
とみなして吊り荷の振れ周期を求め、前記の速度パター
ン制御で振れを止めるというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に開示された振れ止制御方法は、巻き上げ・巻き下
げの速度範囲の小さい(8m/min)天井クレーンを
対象とし、不連続な加速度変化を持つ速度パターンをベ
ースにしている。そのため、巻き上げ・巻き下げの速度
範囲が大きな、例えば岸壁でコンテナの荷上げ下ろしを
行うコンテナクレーンには適用できない。そこで、巻き
上げ・巻き下げの速度が70m/min〜150m/m
inもあるコンテナクレーンにおいて、振れ止め制御を
行うための方法として、例えば図12に示すような加速
度が不連続に変化する加速度パターンに基づいてクレー
ンの速度制御を行うことが考えられる。図12に示す加
速度パターンは吊り荷を巻き上げながら走行する場合の
振れ止め加速度パターンであり、総加速時間の半分の時
間経過後に加速度をη3 からη4 に切り替えるというも
のである。
【0008】このように、加速度を不連続に変化させる
加速度パターンであっても、理論的には振れ止めを実現
することができる。しかし、現実には加速度を不連続に
変化させるとクレーンのスリップや、減速機のガタを誘
発するなどの弊害が生じ、精度よく振れ止めを実現する
ことができないばかりか、機械の故障にもつながる可能
性がある。
【0009】また、コンテナクレーンは、自走式ではな
く、例えば図13に示すように電気室50に設置された
モータ53から張られたワイヤロープ55によってトロ
リ57を牽引する方式のものが多い。しかも、この方式
ではワイヤロープ55の総延長は200mにも及ぶた
め、モータ53とトロリ57の間にバネが存在すること
と等価になる。このようなコンテナクレーンに対して、
上述の図12に示した加速度パターンによってトロリ5
7を走行させて振れ止め制御を行った場合には、トロリ
57の加速度が急激に変化することによってトロリを牽
引するワイヤロープ55の影響(バネの影響)を受ける
ため、満足な振れ止め性能を得ることはできない。
【0010】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、巻き上げ・下げ速度が高速で、また駆動系がバ
ネ特性等を持つクレーンに対しても、高精度の振れ止め
を達成することができるクレーン吊り荷の振れ止め制御
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るクレーン吊
り荷の振れ止め制御方法は、吊り荷の巻き上げまたは巻
き下げを行いつつ走行する懸垂式クレーンの走行制御を
速度パターンに基づいて行うことによって前記吊り荷の
振れ止めを行うものにおいて、前記速度パターンを、ク
レーンを所定速度まで加速する加速区間、該加速区間で
加速された前記所定速度を保持する等速区間及び前記所
定速度から減速してクレーンを停止する減速区間から構
成し、前記加速区間または減速区間における加速度パタ
ーンを、時間T1 をかけて零値から所定の加速度η1
で直線的に増大または減少させる工程Aと、時間T2
間前記加速度η1 に保持する工程Bと、時間T3 をかけ
て前記加速度η1 から所定の加速度η2 まで直線的に変
化させる工程Cと、時間T4 の間前記加速度η2 に保持
する工程Dと、時間T5 をかけて前記加速度η2 から零
値まで直線的に減少または増大させる工程Eとから構成
し、前記T1 、T2 、T3 、T4 、T5 、η1 、η2
関係は工程Eの終了時点において、吊り荷の振れ角度及
び吊り荷の振れ角速度が零値になるように設定したもの
である。
【0012】また、前記時間T2 及び前記時間T4 を零
値とし、加速度を一定値に保持する区間を持たないこと
を特徴とするものである。
【0013】さらに、前記時間T1 と時間T5 を等しく
したものである。
【0014】また、加速あるいは減速開始時の初期ロー
プ長又は初期ロープ長と吊り荷から関連づけられる振れ
周期と巻き速度とを適当な区間に区切って構成される2
次元パラメータテーブルに、前記T3 及び前記加速度η
1 及びη2 、あるいは前記T3 及び前記加速度η1 とη
2 の比を格納し、クレーン動作前に前記2次元パラメー
タテーブルから当該運転条件に適合する振れ止めパラメ
ータを内挿計算によって導出することを特徴とする請求
項4記載のクレーン吊り荷の振れ止め制御方法。
【0015】さらに、マルチタスクオペレーティングシ
ステムを搭載した計算機に振れ止めパターン発生部と振
れ止めパラメータ計算部を別のタスクとして登録し、前
記振れ止めパターン発生部で当該作業の振れ止めパター
ンを計算するのと並行して、加速あるいは減速開始時ロ
ープ長又は振れ周期と巻き速度とからなる次作業運転条
件から、次作業の振れ止めパラメータを前記振れ止めパ
ラメータ計算部で計算することを特徴とする請求項4記
載のクレーン吊り荷の振れ止め制御方法。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例に関わる
クレーン運転制御方法を適用したクレーンの自動制御装
置を示すブロック図である。図において、1はトロリで
あり、レール2の上をロープ4の下端に取り付けられた
吊り荷3を、巻き上げ・巻き下げを行いながらx方向に
走行する。そして、このトロリ1の走行を制御するの
が、トロリ位置検出装置11と、ロープ長検出装置12
と、速度パターン発生装置13と、走行モータ制御装置
14と、走行速度制御モータ15と、巻き上げ・巻き下
げ速度制御装置16と、巻き上げ・巻き下げ速度制御モ
ータ17である。
【0017】トロリ位置検出装置11は、レール2上を
走行するトロリ1の始点からの位置を検出するための装
置であり、トロリ1の車輪の回転量等からトロリ1の走
行位置を検出することができるようになっている。ロー
プ長検出装置12は、走行時のロープ4の長さを検出す
るための装置であり、ロープ4の巻き上げ・巻き下げモ
ータ19の回転数等からロープ4の長さを検出するよう
になっている。速度パターン発生装置13は、予め与え
られた加速度パターンに従ってトロリ1に与える速度パ
ターンを発生する装置である。走行モータ制御装置15
は、外部から走行速度制御モータ15に与えられた運転
速度指令を実現するためのマイナー制御ループにより構
成されている。
【0018】このような自動制御装置によって、本発明
の以下の実施形態に係るクレーン運転制御方法が実現さ
れている。なお、本実施形態では、図2に示すように、
吊り荷3の質量をm,吊り荷3の振れ角をθ、トロリ1
の位置をxとし、トロリ1がレール2上を加速度d2
/dt2 (以下αと表記する)で走行し、ロープ長4の
長さLが経時的に変化する場合を想定する。そして、吊
り荷3の振れが大きくないと仮定して、下記の(1)式
で表されるトロリ1から見た振れ角θの運動方程式を用
いて説明する。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、ロープ長Lが L=a+bt (ただし、a:初期ロープ長、b:巻き上げ・巻き下げ
速度)のように変化するものとする。このとき、(1)
式の解はbessel関数を用いて表され、その解析的
性質は複雑なものとなる。特に、巻き上げ・巻き下げ速
度が高速であればあるほど振れ止め速度パターンを解析
的に導出するのは困難となる。そこで、以下ではトロリ
1の加速(あるいは減速)終了時に吊り荷振れ角θと振
れ角速度dθ/dtの双方が零値になるように、計算機
で最適化手法を用いて振れ止め加速度パターンを導出し
た。
【0021】図3は、トロリ1が吊り荷を巻き上げなが
ら走行する場合における本発明の加速度パターンの最も
一般的なものを示している。図3に示した加速度パター
ンは、加速区間における加速度の時間変化を示してお
り、時間T1 をかけて加速度を零値から所定の加速度η
1 まで直線的に増大させる工程Aと、時間T2 の間加速
度を前記加速度η1 に保持する工程Bと、時間T3 をか
けて加速度を前記加速度η1 から所定の加速度η2 まで
直線的に増大させる工程Cと、時間T4 の間加速度を前
記加速度η2 に保持する工程Dと、時間T5 をかけて加
速度を前記加速度η2 から零値まで直線的に減少させる
工程Eとから成るものである。この加速度パターンにお
いて、時間T1 ,T2 ,T3 ,T4 ,T5 、及び加速度
比η2 /η1 の具体的な数値は上述したように計算機で
最適化手法を用いて導き出すようにする。
【0022】次に、初期ロープ長25m、巻き速度−1
m/s、トロリ最大加速度0.5m/s2 で巻き上げな
がら走行する場合を例に挙げて本実施形態の効果を説明
する。また、説明を簡単にするために、加速度立ち上げ
時間T1 =加速度立ち下げ時間T5 =3.0sec、加
速度保持時間T2 =T4 =0.0、に設定する。この条
件下における加速度パターンは図4に示すようになり、
振れ止めパラメータは、T3 と加速度比η2 /η1 であ
る。
【0023】図13に示したコンテナクレーンにおいて
モータとトロリ間にはバネ特性はないものとして、加速
終了時の振れ止めを実現するように、計算機で最適化手
法を用いてパラメータ計算をすると、 T3 =5.816 sec η2 /η1 =1.348 と算出される。比較例として図12に示した加速度パタ
ーンについてのパラメータである総加速時間と加速度比
η4 /η3 を求めると、 総加速時間=9.089 η4 /η3 =1.184 と算出される。
【0024】次に、図13に示したコンテナクレーンに
おいてモータとトロリ間にバネ特性を持つモデルを考え
る。また、このモデルはバネによる振動を減衰させるた
めにダンパーが取り付けられているものとする。まず、
モータの速度指示値から計算されるトロリの位置指令値
をXref とし、トロリの実際の位置をXとすると、トロ
リの運動方程式は次の式(2)に示すようになる。
【0025】
【数2】
【0026】上記運動方程式に、図4に示した本実施形
態の加速度パターンと図12の加速度パターンを適用し
てトロリの速度変化及び吊り荷の振れ角の変化をシミュ
レーションした。なお、以下のシミュレーションでは、
ζ/mを0.15/s、K/mを10.0/s2 とし
た。図5、図6はシミュレーション結果を示すものであ
り、図5は本実施形態の加速度パターンによるものであ
り、図6は図12の加速度パターンを適用したものであ
る。図5(a)、図6(a)はトロリの速度の変化を示
しており、図中点線はモータに与えられる速度指令値で
あり、実線はトロリの速度を表している。また、図5
(b)、図6(b)は吊り荷の振れ角の変化を示してい
る。
【0027】図5(a)、図6(a)から分かるよう
に、本実施形態のもの及び図12のもの共にバネ特性の
影響でトロリ速度は振動しているが、その振幅は本実施
形態の加速度パターンを適用した場合の方が小さい。こ
のため、加速終了時の振れ止め誤差も、図5(b)、図
6(b)から分かるように、従来法では±0.2度であ
るのに対し、本発明では±0.08度と大幅に低減され
ている。以上のシミュレーションから本実施形態の加速
度パターンによれば、図13に示したようなワイヤーロ
ープによってトロリを牽引するようなタイプのクレーン
に対しても精度よく振れ止めを実現できることが確認で
きた。
【0028】本発明の振れ止め制御方法を実際のクレー
ンに適用する場合に留意すべき点は、クレーン動作毎に
動作条件(初期ロープ長、巻き上げ速度)が異なり、こ
の異なる動作条件毎に振れ止めパラメータも異なるとい
う点である。そこで、動作条件毎に振れ止めパラメータ
を求める方法として、以下に2つの方法を提示する。
【0029】第1の方法は、図1に示した振れ止めパタ
ーン発生装置13の前処理装置として、振れ止めパラメ
ータテーブルから、動作条件に応じて適正な振れ止めパ
ラメータを内挿計算する振れ止めパラメータ計算装置を
置くものである。図7は、この第1の方法を説明する説
明図である。図7に基づいて第1の方法を説明する。想
定される動作条件を網羅する振れ止めテーブルを用意
し、各動作条件ごとにオフラインで振れ止めパラメータ
を計算し、振れ止めテーブルに代入しておく。振れ止め
パラメータテーブルは、縦軸に初期ロープ長をとり、横
軸に巻き速度をとってある。理論上はロープ長(計測ロ
ープ長)と振れ周期は1対1の関係にあるが、実際には
吊り荷の重量により重心までの長さが変わるため、計測
ロープ長は同じでも振れ周期が異なるケースが存在す
る。従って、縦軸として実際の振れ周期から逆算したロ
ープ長(重心までのロープ長)を採用するのが妥当であ
る。また、ロープ長ではなく、振れ周期そのものを縦軸
とすることも考えられる。このときの振れ周期は、計測
ロープ長と吊り荷重量とからなる2次元テーブルに計測
した振れ周期を格納し直線内挿することにより導出す
る。
【0030】本例では初期ロープ長は、5mから25m
まで2.5 〜5m刻みで、巻き速度は-1.0m/s から1.0m/s
まで0.5m/s刻みでテーブル化されており、各ポイントで
の振れ止めパラメータ(例えば:T3 、η2 /η1 )を
格納してある。そして、実際の動作条件に対し、このテ
ーブルを直線内挿することによって、使用する振れ止め
パラメータを計算する。一般に振れ止めパラメータ(T
3 ,η2 /η1 )は、初期ロープ長と巻き速度に線形な
関係を持たないので、直線内挿計算することにより誤差
を生じる。この誤差をなるべく小さくする方法として、
テーブルのメッシュを細かくすることが考えられるが、
オフライン計算の手間が増大するという問題がある。従
って、運転条件が比較的限定されておりテーブルの縦横
のレンジが狭い場合、あるいはそれほど高精度の振れ止
めを必要としない場合にはこの方法を採用できる。な
お、上記の例では振れ止めパラメータテーブルに代入す
る振れ止めパラメータとして、T3 及び加速度比η2
η1 を示したが、これに代えてT3 及び加速度η1 ,η
2 又はT3 及び加速度比η1 /η2 を代入してもよい。
【0031】第2の方法は、振れ止めパラメータテーブ
ルを使用しないで直線内挿による誤差のない高精度の振
れ止めパラメータを導出するものである。図8は第2の
方法を説明する説明図である。図8に示すように、マル
チタスクオペレーティングシステムを搭載した計算機に
振れ止めパターン発生部と、振れ止めパラメータ計算部
を別のタスクとして登録しておく。そして、振れ止め速
度パターン発生部で当該作業の計算を行っている間に、
振れモデル(1)式と次作業の運転条件とから、次作業
の振れ止めパラメータを最適化計算により行うものであ
る。近年の計算機性能向上と、オペレーティングシステ
ム(OS)の進歩により、このような構成も実現可能と
なってきた。非常に高精度の振れ止めを必要とする場合
や、運転条件が変わりやすくパラメータテーブルのメッ
シュの切り方が一意に決まらない場合などは、この方法
を採用するのが得策である。この際も、重心ロープ長が
必要となり、振れ周期テーブルを直線内挿するが、第1
の方法が振れ周期テーブル、振れ止めパラメータテーブ
ル双方を直線内挿するため誤差が累積するのに対し、こ
の方法では振れ周期テーブルの直線内挿誤差の影響のみ
である。
【0032】なお、図3の加速度パターンはクレーンの
加速走行区間において吊り荷を巻き上げながら走行する
場合の例であるが、クレーンの減速走行区間の場合には
η1とη2 の絶対値を同じくして符号を逆にすればよ
い。また、吊り荷を巻き下げながら走行する場合には、
図9に示すように工程Cにおいて時間T3 をかけて加速
度を加速度η1 から所定の加速度η2 まで直線的に減少
させるようにすればよい。ただし、図9に示した加速度
パターンは吊り荷を巻き下げながら走行する場合に限ら
れるものではなく、吊り荷を巻き上げながら走行する場
合であっても、例えば吊り荷の巻き上げ速度が遅く巻き
上げによる影響よりも自然減衰の影響の方が大きいよう
な場合には、図9に示したような加速度パターンになる
場合もある。
【0033】また、本発明に基づく速度パターン制御
と、振れ角センサー信号を用いたフィードバック制御と
を組み合わせることにより、外乱やモデル化誤差に強い
制御システムを構成できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
吊り荷の巻き上げまたは巻き下げを行いつつ走行する懸
垂式クレーンの走行制御を行う加速度パターンを連続的
に変化させるようにしたので、巻き上げ・下げ速度が高
速で、また駆動系がバネ特性等を持つクレーンに対して
も、高精度の振れ止めを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に適用されるクレーンの自
動制御装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に適用されるクレーン及び
吊り荷の動作を説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施形態である加速度パターンを示
すグラフである。
【図4】本発明の他の実施形態である加速度パターンを
示すグラフである。
【図5】モータとトロリ間にバネ特性を有するクレーン
モデルに本実施形態を適用したシミュレーション例を示
す図である。
【図6】モータとトロリ間にバネ特性を有するクレーン
モデルに加速度が不連続に変化する加速度パターンを適
用したシミュレーション例を示す図である。
【図7】振れ止めパラメータを導出する第1の方法を説
明する説明図である。
【図8】振れ止めパラメータを導出する第2の方法を説
明する説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態である加速度パターンを
示すグラフである。
【図10】公知の振れ止めパターンの一例を示す図であ
る。
【図11】公知の振れ止めパターンの他の例を示す図で
ある。
【図12】加速度が不連続に変化する加速度パターンを
示すグラフである。
【図13】コンテナクレーンの駆動方式の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 トロリ 2 レール 3 吊り荷 4 ロープ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊り荷の巻き上げまたは巻き下げを行い
    つつ走行する懸垂式クレーンの走行制御を所定の速度パ
    ターンに基づいて行うことによって前記吊り荷の振れ止
    めを行うクレーン吊り荷の振れ止め制御方法において、 前記速度パターンを、クレーンを所定速度まで加速する
    加速区間、該加速区間で加速された前記所定速度を保持
    する等速区間及び前記所定速度から減速してクレーンを
    停止する減速区間から構成し、 前記加速区間または減速区間における加速度パターン
    を、 時間T1 をかけて零値から所定の加速度η1 まで直線的
    に増大または減少させる工程Aと、時間T2 の間前記加
    速度η1 に保持する工程Bと、時間T3 をかけて前記加
    速度η1 から所定の加速度η2 まで直線的に変化させる
    工程Cと、時間T4 の間前記加速度η2 に保持する工程
    Dと、時間T5 をかけて前記加速度η2から零値まで直
    線的に減少または増大させる工程Eとから構成し、 前記T1 、T2 、T3 、T4 、T5 、η1 、η2 の関係
    は工程Eの終了時点において、吊り荷の振れ角度及び吊
    り荷の振れ角速度が零値になるように設定したことを特
    徴とするクレーン吊り荷の振れ止め制御方法。
  2. 【請求項2】 前記時間T2 及び前記時間T4 を零値と
    し、加速度を一定値に保持する区間を持たないことを特
    徴とする請求項1記載のクレーン吊り荷の振れ止め制御
    方法。
  3. 【請求項3】 前記時間T1 と時間T5 を等しくしたこ
    とを特徴とする請求項1記載のクレーン吊り荷の振れ止
    め制御方法。
  4. 【請求項4】 前記時間T1 と時間T5 を等しくしたこ
    とを特徴とする請求項2記載のクレーン吊り荷の振れ止
    め制御方法。
  5. 【請求項5】加速あるいは減速開始時の初期ロープ長又
    は初期ロープ長と吊り荷から関連づけられる振れ周期と
    巻き速度とを適当な区間に区切って構成される2次元パ
    ラメータテーブルに、前記T3 及び前記加速度η1 及び
    η2 、あるいは前記T3 及び前記加速度η1 とη2 の比
    を格納し、クレーン動作前に前記2次元パラメータテー
    ブルから当該運転条件に適合する振れ止めパラメータを
    内挿計算によって導出することを特徴とする請求項4記
    載のクレーン吊り荷の振れ止め制御方法。
  6. 【請求項6】 マルチタスクオペレーティングシステム
    を搭載した計算機に振れ止めパターン発生部と振れ止め
    パラメータ計算部を別のタスクとして登録し、前記振れ
    止めパターン発生部で当該作業の振れ止めパターンを計
    算するのと並行して、加速あるいは減速開始時ロープ長
    又は振れ周期と巻き速度とからなる次作業運転条件か
    ら、次作業の振れ止めパラメータを前記振れ止めパラメ
    ータ計算部で計算することを特徴とする請求項4記載の
    クレーン吊り荷の振れ止め制御方法。
JP00609097A 1996-02-02 1997-01-17 クレーン吊り荷の振れ止め制御方法 Expired - Fee Related JP3237557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00609097A JP3237557B2 (ja) 1996-02-02 1997-01-17 クレーン吊り荷の振れ止め制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-17291 1996-02-02
JP1729196 1996-02-02
JP00609097A JP3237557B2 (ja) 1996-02-02 1997-01-17 クレーン吊り荷の振れ止め制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09267989A true JPH09267989A (ja) 1997-10-14
JP3237557B2 JP3237557B2 (ja) 2001-12-10

Family

ID=26340165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00609097A Expired - Fee Related JP3237557B2 (ja) 1996-02-02 1997-01-17 クレーン吊り荷の振れ止め制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3237557B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006525928A (ja) * 2003-05-30 2006-11-16 リープヘル−ヴェルク ネンツィング ゲーエムベーハー ロープ吊りの荷物を取り扱う最適動き案内付きクレーンまたはショベル
JP2010009197A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Ihi Corp 制振位置決め制御方法および装置
JP2012193022A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Fuji Electric Co Ltd クレーンの振れ止め制御方法及び振れ止め制御装置
KR101362421B1 (ko) * 2011-12-29 2014-02-14 (주)제일시스템 크레인의 이동 제어장치 및 크레인의 이동 제어방법
WO2014054318A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社 重心位置検出装置、重心位置検出方法およびプログラム
CN110436347A (zh) * 2019-08-23 2019-11-12 武汉理工大学 一种桥式起重机双摆***优化防摇控制方法
CN114014161A (zh) * 2021-09-26 2022-02-08 唐山钢铁集团微尔自动化有限公司 一种实现无人天车多维度联动的方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006525928A (ja) * 2003-05-30 2006-11-16 リープヘル−ヴェルク ネンツィング ゲーエムベーハー ロープ吊りの荷物を取り扱う最適動き案内付きクレーンまたはショベル
JP2010009197A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Ihi Corp 制振位置決め制御方法および装置
TWI380946B (zh) * 2008-06-25 2013-01-01 Ihi Corp 制振定位控制方法及裝置
JP2012193022A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Fuji Electric Co Ltd クレーンの振れ止め制御方法及び振れ止め制御装置
KR101362421B1 (ko) * 2011-12-29 2014-02-14 (주)제일시스템 크레인의 이동 제어장치 및 크레인의 이동 제어방법
WO2014054318A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社 重心位置検出装置、重心位置検出方法およびプログラム
CN110436347A (zh) * 2019-08-23 2019-11-12 武汉理工大学 一种桥式起重机双摆***优化防摇控制方法
CN110436347B (zh) * 2019-08-23 2020-08-04 武汉理工大学 一种桥式起重机双摆***优化防摇控制方法
CN114014161A (zh) * 2021-09-26 2022-02-08 唐山钢铁集团微尔自动化有限公司 一种实现无人天车多维度联动的方法
CN114014161B (zh) * 2021-09-26 2023-08-25 唐山钢铁集团微尔自动化有限公司 一种实现无人天车多维度联动的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3237557B2 (ja) 2001-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5293977B2 (ja) クレーンの振れ止め制御方法及び振れ止め制御装置
WO2023179583A1 (zh) 一种抑制抓斗摇摆的控制方法、装置、设备及存储介质
JP4883272B2 (ja) クレーンの振れ止め制御方法
CN104961051B (zh) 适用于抓斗起重机上的抓斗防晃方法
JPH09267989A (ja) クレーン吊り荷の振れ止め制御方法
JPH07300294A (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JP2569446B2 (ja) 吊り荷の振れ止め運転制御方法
JPS6131029B2 (ja)
JP4460526B2 (ja) ロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置
JP2666959B2 (ja) 懸垂式クレーンの振れ止め制御方法
JP2837314B2 (ja) クレーンの振れ止め制御装置
JP3274051B2 (ja) クレーンの振れ止め・位置決め制御方法
JP3376772B2 (ja) クレーンの振れ止め・位置決め装置
JP4183316B2 (ja) 吊荷の振れ止め制御装置
JP3087616B2 (ja) クレーン吊り荷の振れ止め制御方法
JP2631721B2 (ja) 天井クレーンにおける振れ止め制御方法
JPH07257876A (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JP2979824B2 (ja) クレーンの振れ止め制御装置
JP4247697B2 (ja) 振れ止め制御装置
JP4155785B2 (ja) 吊り荷の振れ止め制御方法
JP2000313586A (ja) 吊荷の振れ止め制御装置
JPH085616B2 (ja) 天井クレーンにおける振れ止め制御方法
JPH05270786A (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JP2925966B2 (ja) 物体の振止め制御装置
JPH06156976A (ja) クレーンの振止制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees