JP3620815B2 - 多孔質軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピンドルモータ用軸受等の比較的高速で回転する軸を高精度で支持する際に用いて好適な多孔質軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔質材からなる軸受としては、焼結含油軸受が一般的である。この焼結含油軸受は、含有された潤滑油がラジアル方向の摺動面である内周面にしみ出して油膜が形成されることにより、摩擦抵抗が低減して騒音や振動が抑えられるといったものである。また、内周面に溝や凹部を設けて潤滑油に動圧を発生させることにより、ラジアル荷重に対する支持力を増大させて軸受としての剛性を高めたものもある。ところで、ラジアル荷重とともに、軸のフランジを端面で受けてスラスト荷重も担うといった形態のスラスト軸受の場合、フランジとのスラスト摺動面である端面に潤滑油を供給したり、供給した潤滑油によって動圧を発生させたりすることが、内周面の場合に比べると従来困難であった。
【0003】
これを克服するものとして、次のような従来技術があった。
▲1▼スラスト荷重を受ける端面に、複数の頂部を有するウェーブ状の凸条を円周方向および半径方向に沿って形成し、複数の頂部でスラスト荷重を支えるようにした(特開平1−12121号公報)。この焼結含油軸受によれば、凸条の高低差により潤滑油に正圧と負圧が発生し、これによってスラスト摺動面への潤滑油の供給がなされるとともに、動圧が発生する。
▲2▼上記端面に、底面が傾斜した複数の直線状の凹部を形成し、この凹部を潤滑油の供給部とするとともに、凹部によるくさび状の隙間により動圧が効果的に発生するようにした(実開昭57−63121号公報)。
▲3▼焼結含油軸受ではないが、上記端面に、底面が2段階に傾斜した複数の凹部を形成し、動圧が効果的に発生するようにした(特公昭63−33010号公報)。
▲4▼上記端面に、複数の溝を放射状に形成するとともに、それら溝の底面の密度を他の部分の密度よりも高くし、溝に溜まる潤滑油の漏出を抑えて潤滑油の供給効率が向上するようにした(特開昭50−35552号公報)。
【0004】
以上はスラスト荷重を受ける端面に、凹部や溝を設けて効果的な潤滑油の供給や動圧発生の達成を目的としている。この他に、スラスト軸受ではない焼結含油軸受ではあるが、端面に溝を設けた例として次のようなものがある。
▲5▼端面に、複数の溝を放射状に形成するとともに、軸孔の端面に臨む開口縁部を比較的大きく面取り加工した(特開昭58−623号公報)。この場合、軸と内周面との間から湧出する潤滑油が、開口縁部から溝を経て外周面に導かれることにより潤滑油の飛散が抑制されるとともに、潤滑油が軸受自体に確実に回収されて長寿命となる効果を期待するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来技術においては、次のような問題点があった。
▲1▼ウェーブ状の凸条は、圧粉体の成形時か焼結体の再圧縮時に形成することになるが、いずれにしても凸条が形成されるべき金型の製作が、精度やコストの面で困難である。また、軸のフランジは、ウェーブ状の凸条の頂部に点接触することになるので、耐スラスト荷重の限度が比較的低く、かつ安定した摺動特性が発揮されるまでにある程度の時間を要する。
▲2▼凹部が直線状で、かつその凹部の底面が二次元的な平面であるため、有効な動圧が発生し得る軸の回転数や凹部の位置が一意的に決定され、軸の回転数や凹部の位置が狭い範囲に特定されてしまう。したがって、軸の回転数の範囲が広い場合に対応しにくく、汎用性や耐久性に劣る。また、端面への潤滑油の供給に関しては、ラジアル摺動面からの摩擦熱膨張による湧出や、同摺動面からの単なる漏出に期待する面が大きいので、十分なされないことが想定される。
▲3▼有効な動圧が発生し得る軸の回転数や凹部の位置の範囲については、上記▲2▼の場合よりも広くなるが、▲2▼と同様に、端面への潤滑油の供給に関する難点がある。
▲4▼端面への潤滑油の供給に関する難点を▲2▼と同様に抱えており、さらに、稼動初期における端面への潤滑油の供給や、凹部に一旦供給された潤滑油の貯留状態の維持が満足に行われないことが想定される。このため、安定した摺動特性や高い耐久性が望めない。
▲5▼潤滑油の飛散を抑制するとともに、潤滑油の回収を確実に行うことを主目的としており、スラスト軸受として適用した場合の摺動特性については考慮されていない。
【0006】
したがって、本発明は、スラスト荷重を受ける端面とラジアル荷重を受ける内周面の双方において十分な潤滑作用と有効な動圧発生が達成されて高い軸受性能を発揮する多孔質軸受を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流体潤滑剤を含有し、支持する軸から、スラスト荷重を受ける端面とラジアル荷重を受ける内周面とを有する略円筒状の多孔質軸受であって、前記端面から前記内周面に至る軸孔の開口縁が面取り加工されて面取り部とされ、前記端面に、前記軸の回転方向に向かうにしたがって外周側から内周側に延びるとともに、前記面取り部に開口しない複数のスラスト凹部が放射状に形成され、前記内周面の前記スラスト凹部に対応する位置に、その周縁が前記面取り部に開口するラジアル凹部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
上記構成の軸受によれば、スラスト凹部は軸の回転方向に向かうにしたがって外周側から内周側に延びているから、スラスト凹部に供給された潤滑剤は、軸の遠心力による外周側への移動もしくは飛散が抑制され、逆に内周側の端部に集中して圧力が上昇する。これにより、軸の回転に伴って端面に動圧が発生する。一方、内周面においても、ラジアル凹部内の潤滑剤の圧力が上昇することにより動圧が発生する。このように、スラスト摺動面とラジアル摺動面の双方において動圧が発生するが、ここで、ラジアル凹部内の潤滑剤は、同凹部が面取り部に開口していることにより、その開口側が低圧となって面取り部に流出していく傾向にある。また、スラスト凹部において動圧となった潤滑剤の一部はスラスト凹部から流出し、さらには、面取り部を経て低圧となっているラジアル凹部に開口から流入していく。すると、スラスト凹部から流出した潤滑剤と、ラジアル凹部から流出しようとする潤滑剤が、面取り部と軸との間に形成される隙間や、面取り部に臨むラジアル凹部の開口近傍で合流する。この潤滑剤の合流によってラジアル凹部の開口側の端部の低圧状態が解消されるとともに、ある程度の圧力が確保されるか、場合によっては所望の動圧に匹敵する圧力が新たに生じる。このため、ラジアル摺動面においては、ラジアル凹部が形成された軸線方向全長にわたって潤滑剤の供給ならびに動圧発生が均一かつ十分になされ、また、スラスト摺動面においても、上述の如く潤滑剤の供給ならびに動圧発生が十分になされる。これらの結果、スラスト摺動面とラジアル摺動面の双方の潤滑作用と軸を支持する剛性が向上し、スラスト軸受として性能が高まる。
【0009】
上記構成において、前記スラスト凹部を、内周側に向かうにしたがってその深さが深くなるスラスト凹部Aと、外周側に向かうにしたがってその深さが深くなるスラスト凹部Bとに分け、これらを円周方向に略交互に配置するとともに、前記ラジアル凹部を、内周面のスラスト凹部Aおよび/またはスラスト凹部Bに対応する位置に形成すると、上記作用がさらに明確化される。すなわち、軸の回転に伴って内周側が深いスラスト凹部Aに流入した潤滑剤は、その深い内周側に貯留されやすく、一方、外周側が深いスラスト凹部Bに流入した潤滑剤は、くさび状の隙間が軸の回転方向に向かって形成される内周側に集中し、これによって大きな動圧が発生する。つまり、スラスト凹部Aで主に潤滑剤の供給を担い、スラスト凹部Bで主に動圧発生を担う。スラスト凹部Aに供給された潤滑剤は、スラスト摺動面に流出していく他、面取り部に流入する。また、スラスト凹部Bで動圧発生を担った潤滑剤も、同様にスラスト摺動面に流出していく他、面取り部に流入する。面取り部に流入した潤滑剤は、スラスト凹部Aおよび/またはスラスト凹部Bに対応して形成されたラジアル凹部からの潤滑油と合流し、ここで新たな動圧が発生する。これらの結果、スラスト摺動面においては、潤滑油の供給ならびに動圧の発生がバランスよく、かつ十分に行われ、またラジアル摺動面においても動圧発生が効果的になされる。
【0010】
また、前記スラスト凹部および前記ラジアル凹部の数は、2個では軸の支持状態が不安定になるので少なくとも3個以上が好ましく、3個以上の素数であるとさらに好ましい。これは、軸の回転に伴って発生した各種振動周波数が同期することを、少なくとも1個の凹部によって確実に打ち消される作用が発揮されるからであり、その結果、共振による騒音や振動が効果的に抑制される。
【0011】
また、前記スラスト凹部は、軸の回転方向に向かうにしたがって外周側から内周側に延びているので、つまりは当該軸受の外周の接線に対してある角度をもって斜めに形成されている。本発明者は、その傾斜角度を種々設定してそのスラスト凹部への潤滑剤の供給量や発生する動圧の程度を調べた結果、当該軸受の外周の接線に対して5〜45゜の範囲に設定されていると好ましいことを見いだした。すなわち、5゜未満では潤滑剤の供給が不十分であり、これは、スラスト凹部への潤滑油の流入抵抗に伴う圧力損失が大きくなったことに起因していると想定された。また、45゜を超えるとスラスト凹部への潤滑油の供給や動圧発生が不十分であり、これは、スラスト凹部の長さが短く、かつ外周の接線に対して急角度になり過ぎたことにより所望の作用が得られないと考えられた。よって、スラスト凹部の角度は、外周の接線に対し5〜45゜の範囲に設定されていると好ましい。なお、スラスト凹部は直線状に限らず、例えば外周側に凸なる円弧状であってもよい。その場合は、スラスト凹部の中央部の接線が外周の接線に対して5〜45゜の角度になるよう形成される。
【0012】
さらに、本発明者の検討によれば、前記スラスト凹部の深さは、5〜100μmの範囲に設定されていると、潤滑剤の供給や動圧発生が有効になされることがわかった。これは、5μm未満では、スラスト凹部に供給される潤滑油と動圧発生部との油圧差が小さくなり、また、100μmを超えるとスラスト凹部への潤滑油の十分な供給が常時得られないことが理由として想定され、いずれの場合も有効な動圧が発生が期待できないことになる。
また、スラスト荷重を受ける前記端面を、内周側に凸となるテーパ状に形成することにより、端面に生じる摩擦抵抗がより低減して騒音や振動が抑えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(1)第1実施形態
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の円筒状の焼結含油軸受(多孔質軸受:以下、軸受と略称する)1によって軸8が回転自在に支持されている状態を示す断面図、図2は、軸受1の縦割り斜視図である。軸受1は、この場合ハウジング9に圧入されている。図1に示すように、軸受1は、軸8に形成されたフランジ8aからのスラスト荷重を一方の端面10で受け、軸孔2に挿入された軸8からのラジアル荷重を内周面20で受けるようになっている。図1および図4に示すように、軸孔2の端面10側の開口縁は面取り加工され、面取り部3が形成されている。
【0014】
上記軸受1の端面10には、図2に示すように、3個以上の複数の溝状スラスト凹部11が、円周方向に等間隔をおいて放射状に形成されている。スラスト凹部11の数は、2個では軸8の支持状態が不安定になるので少なくとも3個以上が好ましく、3個以上の素数であるとさらに好ましい。これは、軸8の回転に伴って発生した各種振動周波数が同期することを、少なくとも1個のスラスト凹部11によって確実に打ち消される作用が発揮されるからであり、このため、共振による騒音や振動が効果的に抑制される効果を奏する。
【0015】
スラスト凹部11は直線状であり、図2の矢印Aで示す軸8の回転方向に向かうにしたがって外周側から内周側に斜めに延びている。その傾斜角度は、外周の接線に対して5〜45゜の範囲に設定されていると好ましい。なお、スラスト凹部11は直線状に限らず、例えば、外周側に凸なる円弧状であってもよい。その場合は、その中央部の接線が外周の接線に対して5〜45゜の角度になるよう形成される。このようなスラスト凹部11の角度設定は、5゜未満ではスラスト凹部11への潤滑油の流入抵抗に伴う圧力損失が大きくなって潤滑油の供給が不十分になり、また、45゜を超えるとスラスト凹部11の長さが短く、かつ外周の接線に対して急角度になり過ぎ、スラスト凹部11への潤滑油の供給や動圧発生が十分になされないといった理由に基づいている。
【0016】
スラスト凹部11の両端は、外周面および面取り部3には開口しておらず、端面10内において閉塞している。また、スラスト凹部11の長さ方向および幅方向に沿った断面形状は任意であり、例えば、矩形状、半円弧状、半楕円状あるいは三角形状に形成される。ここで、スラスト凹部11の最深部の深さは、5〜100μmに設定されていると、良好な摺動特性が得られて好ましい。これは、5μm未満では、スラスト凹部11に供給される潤滑油と動圧発生部との油圧差が小さくて動圧が十分に発生せず、また、100μmを超えるとスラスト凹部11への潤滑油の十分な供給が常時得られなくなって動圧が発生しにくくなるからである。
【0017】
一方、図2に示すように、軸受1の内周面20の、上記各スラスト凹部11に対して1つおきに対応する位置には、台形状のラジアル凹部21がそれぞれ形成されている。これらラジアル凹部21は、円周方向に沿った幅が軸線方向に沿って一定であり、図2における上端周縁(端面10側の周縁)が、面取り部3に開口している。また、その下端周縁は、軸8の回転方向に向かうにしたがって斜め下方(軸孔2の内方)に延びている。図3は、ラジアル凹部21の円周方向に沿った断面形状を示している。同図に示すように、ラジアル凹部21の底面は、軸8の回転方向Aに対する反対側の端部がもっとも深く、その最深部から軸8の回転方向に向かうにしたがってしだいに浅くなるテーパ状となっており、軸8との間にくさび状の隙間が形成されるようになっている。なお、ラジアル凹部21の数は、前記スラスト凹部11の場合と同様の理由により3個以上の素数が好ましい。
【0018】
次いで、上記軸受の作用を説明する。
軸8が回転すると、スラスト荷重を受ける端面10においては、端面10とフランジ8aとの間に軸受1自身から供給された潤滑油が、スラスト凹部11に流入する。また、内周面20と軸8との間から湧出する潤滑油が面取り部3を経て端面10とフランジ8aとの間に流入することによっても、スラスト凹部11に潤滑油が供給される。スラスト凹部11は軸8の回転方向に向かうにしたがって外周側から内周側に延びているから、遠心力による潤滑油の外周側への移動もしくは飛散が抑制され、逆に内周側の端部に集中して圧力が上昇し、この部分に動圧が発生する。このように、スラスト摺動面においては、スラスト凹部11に供給される潤滑油がフランジ8aの遠心力の影響を受けずに貯留状態が確保されるとともに動圧が確実に発生するので、摺動特性の向上が図られる。
【0019】
一方、ラジアル荷重を受ける内周面20においては、内周面20と軸8との間に軸受1自身から供給された潤滑油が、ラジアル凹部21に流入する。ラジアル凹部21における軸8の回転方向側の端部はくさび状の隙間になるので、その端部に潤滑油が集中して圧力が上昇し、動圧が発生する。このように、ラジアル摺動面においては、ラジアル凹部21に潤滑油が供給されるとともに大きな動圧が発生するので、摺動特性の向上が図られる。この場合のラジアル凹部21は、軸孔2の内方側の周縁(図2で下端周縁)が、軸8の回転方向に向かうにしたがって内方に斜めに延びているから、その末端の角部においてくさび効果が増大し、より大きな動圧を得ることができる。
【0020】
さて、上記ラジアル凹部21内の潤滑油は、同凹部21が面取り部3に開口していることにより、その開口側が低圧となって面取り部3に流出していく傾向にある。また、上記スラスト凹部11において動圧となった潤滑油の一部はスラスト凹部11から流出し、さらには、面取り部3を経て低圧となっているラジアル凹部21に開口から流入していく。したがって、図4に示すように、スラスト凹部11から流出した潤滑油と、ラジアル凹部21から流出しようとする潤滑油とが、面取り部3、軸8およびフランジ8aで形成される隙間や、面取り部3に臨むラジアル凹部21の開口近傍で合流する。これによってラジアル凹部21の開口側の端部の低圧状態が解消されるとともに、ある程度の圧力が確保されるか、場合によっては所望の動圧に匹敵する圧力が新たに生じる。したがって、ラジアル摺動面においては、ラジアル凹部21が形成された軸線方向全長にわたって潤滑油の供給ならびに動圧発生が均一かつ十分になされ、また、スラスト摺動面においても、上述の如く潤滑油の供給ならびに動圧発生が十分になされる。これらの結果として、スラスト摺動面とラジアル摺動面の双方の潤滑作用と軸8を支持する剛性が向上し、スラスト軸受として性能が高まる。
【0021】
続いて、本発明の第2および第3実施形態を説明する。これら実施形態の説明で参照する図面において、上記第1実施形態と同一の構成要素がある場合には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
(2)第2実施形態
図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図5に示す第2実施形態の軸受5の内周面20には、端面10に形成された各スラスト凹部11全てに対応して溝状のラジアル凹部22が形成されている。これらラジアル凹部22は、図5における上端縁のみが面取り部3に開口しており、その上端から軸の回転方向Aに対して反対方向に斜めに延びている。ラジアル凹部22の円周方向に沿った断面形状は、図3で示した上記第1実施形態のラジアル凹部21と同様である。
【0023】
この軸受5によれば、ラジアル凹部22は、軸孔2の内方から端面10方向に向かうにしたがって軸の回転方向に斜めに延びているので、ラジアル凹部22内の潤滑油は端面10方向に流動しやすく、スラスト凹部11から流れ込む潤滑油との合流量が多くなる。このため、内周面20の開口近傍における動圧が発生しやすく、かつその動圧が大きくなるので、軸を支持する剛性の向上が図られる。
【0024】
(3)第3実施形態
次に、図6および図7を参照して本発明の第3実施形態について説明する。
図6に示す第3実施形態の軸受6の端面10には、複数の溝状スラスト凹部13Aと、複数の溝状スラスト凹部13Bとが、円周方向に交互に、かつ等間隔に形成されている。これらスラスト凹部13A,13Bは、外周側に凸なる円弧状で、その中央部の接線が外周の接線に対して5〜45゜の角度になるよう形成されている。スラスト凹部13A,13Bの違いは、その断面形状にあり、スラスト凹部13Aは、図7(a)に示すように、内周(IN)側に向かうにしたがってその深さが深くなっており、これとは逆にスラスト凹部13Bは、図7(b)に示すように、外周(OUT)側に向かうにしたがってその深さが深くなっている。
【0025】
一方、軸受6の内周面20には、図6に示すように、複数の直角二等辺三角形状のラジアル凹部23が形成されている。このラジアル凹部23は、底辺部が面取り部3から軸孔2の内方に向かうにしたがって軸の回転方向Aに対し斜めに延びており、互いに直交する辺部の一方が面取り部3に開口し、他方が軸線方向と平行に延びている。面取り部3への開口縁部は、軸の回転方向に向かうにしたがって面取り部3の外周側から内周側に斜めに横断するよう延びており、この開口縁部と底辺部とが交わる開口側の鋭角部23aが、スラスト凹部13Aに近接している。このようにして開口側の鋭角部23aがスラスト凹部13Aに近接するラジアル凹部23が、各スラスト凹部13Aに対応して複数形成されている。また、これらラジアル凹部23の円周方向に沿った断面形状は、図3で示した上記第1実施形態のラジアル凹部21と同様に、軸の回転方向に向かうにしたがってしだいに浅くなるテーパ状となっている。
【0026】
この軸受6によれば、軸の回転に伴い、内周側が深いスラスト凹部13Aに流入した潤滑油は、その深い内周側に貯留されやすく、一方、外周側が深いスラスト凹部13Bに流入した潤滑油は、くさび状の隙間が軸の回転方向に向かって形成される内周側に集中し、これによって大きな動圧が発生する。つまり、スラスト凹部13Aで主に潤滑油の供給を担い、スラスト凹部13Bで主に動圧発生を担う。スラスト凹部A13に供給された潤滑油は、スラスト摺動面に流出していく他、面取り部3を経てラジアル凹部23の開口側の鋭角部23aに流入する。そして、ラジアル凹部23から端面10方向に流動する潤滑油と合流し、ここで新たな動圧が発生する。
これらの結果、スラスト摺動面においては、潤滑油の供給ならびに動圧の発生がバランスよく、かつ十分に行われ、またラジアル摺動面においても端面10からの潤滑油の供給による動圧発生が効果的になされる。
【0027】
なお、ラジアル凹部23を、外周側に向かうにしたがってその深さが深くなっているスラスト凹部13Bに対応する位置に形成してもよい。この場合、スラスト凹部13Bで動圧発生を担った後に面取り部3に流入した潤滑油が、ラジアル凹部23から端面10方向に流動する潤滑油と合流し、端面10の近傍において新たな動圧が発生し、上記と同様の効果を奏する。さらに、ラジアル凹部23を、スラスト凹部13Aおよびスラスト凹部13Bの双方にに対応する位置に形成してもよい。
【0028】
図8は、上記第3実施形態の変形例を示しており、この場合、ラジアル凹部23は同形状であるものの、底辺部が軸の回転方向A側に形成されており、互いに直交する辺部で形成される直角部23bがスラスト凹部13Aに近接している。
【0029】
ところで、本発明においては、端面10に形成されるスラスト凹部および内周面20に形成されるラジアル凹部の形態は任意である。例えば、図9に示すように、スラスト凹部14は外周面に開口していてもよく、また、ラジアル凹部24は軸線方向に長い長方形状であってもよい。スラスト凹部14の各種変形例を図10に、また、ラジアル凹部24の各種変形例を図11にそれぞれ示す。
図10(a)のスラスト凹部14は、外周側から内周側に広がる細長い扇状に形成され、外周面に開口している。また、図10(b)のスラスト凹部14,14は、径線を中心として内周側に向かうにしたがって円周方向に対称的に広がり、かつ外周面への開口部で合流しており、軸の回転方向が正逆(矢印A,B)いずれの場合にも対応することができるようになっている。
【0030】
一方、図11(a)のラジアル凹部24は直角三角形状で、その円周方向に沿った断面形状は、斜辺部に沿った最深部である底部が、斜辺部の内周面に臨む縁部よりも軸の回転方向Aの反対側に傾いた三角形状になっている。この断面形状により、潤滑油の供給と動圧発生が効果的に行われる。また、図11(b)のラジアル凹部24は、軸の回転方向Aに向かって端面10側から内方に斜めに延びる長方形状であり、その円周方向に沿った断面形状は図11(a)のラジアル凹部24と同様である。また、図11(c)のラジアル凹部24は、軸孔2の内方に向かうにしたがって収束する二等辺三角形状であり、円周方向に沿った断面形状も二等辺三角形状である。このラジアル凹部24では、図10(b)で示したスラスト凹部14と同様に、軸の回転方向が正逆(矢印A,B)いずれの場合にも対応することができるようになっている。
【0031】
また、スラスト凹部14とラジアル凹部24の形状に伴う双方の位置関係は、例えば、双方がともに溝状である場合は、図12(a)に示すように、スラスト凹部14の内周側の端部にラジアル凹部24の最深部を近接させる。また、ラジアル凹部24の底面が図3に示したようにテーパ状の場合は、図12(b)に示すように、やはりその最深部をスラスト凹部14の内周側の端部に近接させる。さらに、図12(c)に示すように、スラスト凹部14とラジアル凹部24の底面がある程度の幅をもった平坦な場合には、双方が円周方向にずれず互いに対応するように配置する。いずれの場合も、潤滑油がスラスト凹部14からラジアル凹部24の最深部へ向かって流入し、上記の有効な合流効果が発揮される位置関係が望ましい。
【0032】
さらに、上記各実施形態では、軸のフランジが摺動する端面10は平面であることを前提としてきたが、図13に示すように内周側が凸となるテーパ状であってもよい。同図に示すように、その端面10に形成されるスラスト凹部14は、左側のように外周側に向かって深くなるものでよく、これとは逆に、右側のように内周側に向かって深くなるものでもよい。この場合、内周面10のラジアル凹部24は、図11(a)の形態のものを適用している。このように、端面10を内周側に凸となるテーパ状に形成することにより、端面10と軸8のフランジ8aとの接触面積が小さくなって摩擦抵抗がより低減し、騒音や振動が抑えられるといった効果を奏する。
【0033】
なお、上記各実施形態はいずれも焼結含油軸受であるが、本発明はこれに限定されない多孔質軸受であり、その材質としては、樹脂、セラミックス、サーメット等の単独材料もしくはこれらを2つ以上組み合わせた複合材であってもよい。また、含有される潤滑剤も、その材質に応じたものとされ、潤滑油の他には水、空気等の流体が適宜に使用される。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多孔質軸受によれば、スラスト凹部内の潤滑剤が、面取り部を経てラジアル凹部から流出しようとする潤滑剤と合流するので、ラジアル凹部内の潤滑剤の低圧化を防止することができ、よって、スラスト摺動面とラジアル摺動面の双方において十分な潤滑作用と有効な動圧発生が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軸受により軸を支持している状態を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る軸受の縦割り斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る軸受のラジアル凹部の円周方向に沿った断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る軸受の作用を説明するための断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る軸受の縦割り斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る軸受の縦割り斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る軸受の(a)一方のスラスト凹部の断面図、(b)他方のスラスト凹部の断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る軸受の変形例を示す縦割り斜視図である。
【図9】本発明に係るスラスト凹部およびラジアル凹部の変形例が適用された軸受の縦割り斜視図である。
【図10】本発明に係るスラスト凹部の他の変形例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係るラジアル凹部の他の変形例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係るスラスト凹部とラジアル凹部との形状に応じた位置関係を示す斜視図である。
【図13】端面がテーパ状に形成された軸受に本発明のスラスト凹部およびラジアル凹部が適用された状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,5,6…多孔質軸受、2…軸孔、3…面取り部、8…軸、10…端面、
11,12,14…スラスト凹部、13A…スラスト凹部A、
13B…スラスト凹部B、20…内周面、
21,22,23,24…ラジアル凹部。

Claims (6)

  1. 流体潤滑剤を含有し、支持する軸から、スラスト荷重を受ける端面とラジアル荷重を受ける内周面とを有する略円筒状の多孔質軸受であって、
    前記端面から前記内周面に至る軸孔の開口縁が面取り加工されて面取り部とされ、
    前記端面に、前記軸の回転方向に向かうにしたがって外周側から内周側に延びる
    とともに、前記面取り部に開口しない複数のスラスト凹部が放射状に形成され、
    前記内周面の前記スラスト凹部に対応する位置に、その周縁が前記面取り部に開口するラジアル凹部が形成されていることを特徴とする多孔質軸受。
  2. 前記スラスト凹部は、前記内周側に向かうにしたがってその深さが深くなるスラスト凹部Aと、前記外周側に向かうにしたがってその深さが深くなるスラスト凹部Bとが、前記端面に円周方向に略交互に配置され、前記ラジアル凹部は、前記スラスト凹部Aおよび/または前記スラスト凹部Bに対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多孔質軸受。
  3. 前記スラスト凹部および前記ラジアル凹部の数が、3以上の素数であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質軸受。
  4. 前記スラスト凹部は、当該軸受の外周の接線に対する角度が5〜45゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質軸受。
  5. 前記スラスト凹部の深さが5〜100μmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質軸受。
  6. 前記端面は、内周側に凸となるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質軸受。
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