JP3620496B2 - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に、過負荷を避けるために出力電流を制限する燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に燃料電池システムは、燃料電池本体に酸化剤ガスとしての空気を供給するコンプレッサや、空気及び燃料ガスを加湿するための加湿器に加湿用純水を供給する純水ポンプ、燃料電池本体の温度を適温に維持するための冷却水を循環させる冷却水ポンプ等の電動補機を備えている。また、移動体用の燃料電池システムでは、燃料電池起動時及び起動後定常の発電状態に達するまでの低発電能力時に、これらの電動補機に電力を供給するバッテリを備えている。
【0003】
燃料電池起動直後の暖機中は、燃料ガス及び空気の圧力が十分でなかったり、燃料電池本体の反応膜温度が充分上昇していない等の理由により、その発電能力が定格発電能力に達せず、低発電能力状態にある。このような状態では、燃料電池の発電電力で補機類が必要とする電力を賄えず、無理に燃料電池から電力を取り出そうとすると、燃料電池に劣化を生じることがある。
【0004】
このため、特開平11−154520号公報に開示されている従来技術によれば、図10に示すように、燃料電池1から補機5へ電力を供給する経路上のDC/DCコンバータ4に入力電流制限機構を設け、DC/DCコンバータ4の通過電流を制限することで、燃料電池1から補機5への出力を制限していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に電動補機の起動時には、過渡的に消費電力が通常時よりも多くなる(以下、起動時のピーク電力と称する)。これは所謂突入電流の影響や、モータなどの回転機器の場合は回転数を定格値まで上昇させるための加速に消費される電力の影響による。従って、通常時の消費電力付近に許容最大電力を設定しておくと、起動時に許容最大電力を超えてしまうことが考えられる。
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、DC/DCコンバータ4の通過電流を制限するだけで、補機5の消費電力を制限していない構成となっていた。従って通過電流を制限をしても補機5としては大きな電力を消費し続けようとする。
【0007】
そのために、DC/DCコンバータ4の通過電流が制限された状態で補機5を動かそうとすると、補機5に対する指令状態と補機5の動作状態との間にアンマッチが生じ、コントローラ6にリセットがかかったりする不都合が生じるという問題点があった。
【0008】
また、DC/DCコンバータ4の通過電流の制限をヒューズやブレーカーといった機械的な手段で制限すると一旦制限を越えるとなると復帰するまでに絶縁状態となる時間が発生してしまうという問題点が生じる。
【0009】
また、例えば電流が所定値以上になるかを判定して制限をかけるなどの電気的な方法では、判定にある程度時間がかかり起動時の瞬間的なピーク電力には対応できないという問題点があった。
【0010】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、簡単な構成で補機類の起動時のピーク電力を低減し、燃料電池及びバッテリの過負荷を防止することができる燃料電池システムの制御装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、燃料電池と、該燃料電池の運転維持に必要な電動補機と、該電動補機の動作を制御する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、システム起動時に前記電動補機の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限する起動制御手段を備えたことを要旨とする燃料電池システムの制御装置である。
【0012】
上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、請求項1記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、起動用バッテリと、該起動用バッテリの出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段と、を更に備え、前記電動補機は、燃料電池に酸化体を供給するコンプレッサであり、前記起動制御手段は、前記バッテリ出力可能電力推定手段が推定した出力可能電力に基づいて、前記コンプレッサへの指令値の単位時間当たりの変化量を制限することを要旨とする。
【0013】
上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、請求項1記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、燃料電池の発電可能な電力を推定する発電可能電力推定手段を更に備え、前記電動補機は、燃料電池の冷却システムの冷却水ポンプであり、前記起動制御手段は、前記発電可能電力推定手段が推定した燃料電池の発電可能電力に基づいて、前記冷却水ポンプへの指令値の単位時間当たりの変化量を制限することを要旨とする。
【0014】
上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、請求項1記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、前記電動補機を複数有し、前記起動制御手段は、システム起動時に起動させる電動補機の数を徐々に増加させることにより、電動補機の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限することを要旨とする。
【0015】
上記目的を達成するため請求項5記載の発明は、請求項4記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、起動用バッテリと、該起動用バッテリの出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段と、を更に備え、前記起動制御手段は、前記バッテリ出力可能電力推定手段が推定した出力可能電力に基づいて、前記複数の電動補機を少なくとも2群に分割し、各群の電源投入時期をずらすことを要旨とする。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、燃料電池と、該燃料電池の運転維持に必要な電動補機と、該電動補機の動作を制御する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、システム起動時に前記電動補機の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限する起動制御手段を備えたことにより、システム起動時のピーク電力が小さくなり、突入電流の影響を抑制して燃料電池及びバッテリの過負荷を回避することができるという効果がある。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、起動用バッテリと、該起動用バッテリの出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段と、を更に備え、前記電動補機は、燃料電池に酸化体を供給するコンプレッサであり、前記起動制御手段は、前記バッテリ出力可能電力推定手段が推定した出力可能電力に基づいて、前記コンプレッサへの指令値の単位時間当たりの変化量を制限するようにしたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、バッテリの能力を超えた電力を取り出そうとすることを制御でき、必要以上に指令値の変化量に制限を加えて起動時間を長引かせることがなくなるという効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、燃料電池の発電可能な電力を推定する発電可能電力推定手段を更に備え、前記電動補機は、燃料電池の冷却システムの冷却水ポンプであり、前記起動制御手段は、前記発電可能電力推定手段が推定した燃料電池の発電可能電力に基づいて、前記冷却水ポンプへの指令値の単位時間当たりの変化量を制限するようにしたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、燃料電池の能力を超えた電力を取り出そうとすることを制御できるという効果がある。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、前記電動補機を複数有し、前記起動制御手段は、システム起動時に起動させる電動補機の数を徐々に増加させることにより、電動補機の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限するようにしたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、各電動補機に対する電力制限を緩和しながら全体として起動時のピーク電力が分散して小さくなるという効果がある。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池システムは、起動用バッテリと、該起動用バッテリの出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段と、を更に備え、前記起動制御手段は、前記バッテリ出力可能電力推定手段が推定した出力可能電力に基づいて、前記複数の電動補機を少なくとも2群に分割し、各群の電源投入時期をずらすようにしたので、請求項4記載の発明の効果に加えて、バッテリの能力を超えた電力を取り出そうとすることを抑制でき、必要以上に制限を加えて起動時間を長引かせることがないという効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料電池システムの制御装置の第1実施形態を備えた燃料電池システムのシステム構成図である。
【0022】
図1において、燃料電池システムは、燃料電池(本体)1と、駆動モータ等の主負荷3と、燃料電池1と主負荷3との電気的接続を断続するジャンクションボックス2と、燃料電池1が発電した直流電圧をバッテリ7の電圧に変換するDC/DCコンバータ4と、電動補機5と、燃料電池システムの制御装置であるコントローラ6と、バッテリ7とを備えている。
【0023】
燃料電池1は、コントローラ6の指示する発電量を発電するように、水素と空気の圧力、流量などが図示しない圧力調整弁、電動補機の一つであるコンプレッサ52で制御される。また、燃料電池1の発電に伴う熱を取り除くために、冷却水が循環する。この冷却水は、電動補機5の一つである冷却水ポンプ51により循環され、冷却水流量はコントローラ6より指示される。
【0024】
バッテリ7は、燃料電池1の起動前および起動直後の低発電能力時にコントローラ6や電動補機5の電力供給源となるとともに、燃料電池1の発電能力に余裕があるときに燃料電池の発電電力で充電される。DC/DCコンバータ4は、コントローラ6の指示により起動し、燃料電池1で発電された電力を電動補機5やコントローラ6、バッテリ7、に供給するために電圧を変換する。ジャンクションボックス2はコントローラ6の指示により、主負荷3と燃料電池1とを電気的に接続/遮断する。
【0025】
コントローラ6は、システム起動時に電動補機5の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限する起動制御手段8を備えている。起動制御手段8は、バッテリ7の出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段9と、燃料電池1の発電可能な電力を推定する発電可能電力推定手段10とを備えている。
【0026】
そして、起動制御手段8は、バッテリ出力可能電力推定手段9が推定したバッテリ7の出力可能電力と、発電可能電力推定手段10が推定した燃料電池1の発電可能な電力とに基づいて、システム起動時に電動補機5の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限することにより、システム起動時の過渡的なピーク所要電力量を削減している。
【0027】
図2は、第1実施形態における燃料電池システムの制御装置であるコントローラ6の動作を説明するフローチャートであり、以下第1実施形態をこのフローチャートに沿って説明する。
【0028】
まず、IGN ONでコントローラ6やセンサ類に電源が供給され、図示しないパワーリセット後に、ステップS1以下の実行が開始される。ステップS1では、燃料電池の起動に必要な空気流量が演算される。ステップS2では、ステップS1で演算された燃料電池の起動に必要な空気流量応じた、コンプレッサ52回転数基本値が演算される。
【0029】
ステップS3では、バッテリ7から使用可能な最大電力値に基づいて、コンプレッサ52の回転数指令値の単位時間当たりの変化量を制限する、変化量リミッタが演算される。バッテリ7から使用可能な最大電力に関する値としては、外気温度やバッテリの開放電圧などがある。一例として、図5に外気温度に対するバッテリから使用可能な最大電力の特性を示し、図6にバッテリから使用可能な最大電力に対する変化量制限値の1設定例を示す。
【0030】
なお、バッテリ7から使用可能な最大電力値そのものを求めなくとも、これに相関する値、例えばここに示した外気温度等から直接変化量制限値を求めるようにしても良い。
【0031】
ステップS4では、ステップS2で演算されたコンプレッサ回転数基本値の単位時間の変化量が、ステップS3で演算した変化量制限値を越えないように制限を行った、コンプレッサ回転数指令値が演算され、コンプレッサ52の回転数を制御する。
【0032】
ステップS5では、燃料電池1に供給されている空気流量や、水素流量などからDC/DCコンバータ4が起動可能か否か、即ち燃料電池1から電力を取り出して良いかが判定される。もし、まだDC/DCコンバータ4が起動可能と判定されなかったら、Aに戻り、ステップS1〜ステップS5までの処理が繰り返される。ステップS5でDC/DCコンバータ4が起動可能と判定されれば、DC/DCコンバータ4を起動し、ステップS6に進む。
【0033】
ステップS6では燃料電池1の冷却水温度などをもとに、燃料電池1を所定温度に保つために必要な冷却水流量が演算される。
【0034】
ステップS7ではこの冷却水流量をもとに、冷却水ポンプ51の回転数基本値が演算される。
【0035】
ステップS8では燃料電池1の発電可能な電力をもとに、冷却水ポンプ51の回転数指令値の単位時間当たりの変化量を制限する、変化量リミッタが演算される。
【0036】
ステップS9では、ステップS7で演算された冷却水ポンプ51の回転数基本値の単位時間の変化量が、ステップS3で演算した変化量制限値を越えないように制限を行った、冷却水ポンプ回転数指令値が演算され、冷却水ポンプ51の回転数を制御する。
【0037】
ステップS10では、ジャンクションボックス2が接続可能か否か、即ち、主負荷3に燃料電池1から電力を供給できるかどうかを、燃料電池1の発電可能な電力をもとに判定される。ステップS10でまだ主負荷3に電力を供給できないと判定されると、Aに戻りステップS1〜ステップS10までの処理が繰り返される。ステップS10で主負荷3に電力を供給できると判定されると、ジャンクションボックス2を接続し、主負荷3に電力を供給できるようにする。以上で起動終了となる。
【0038】
第1実施形態の効果を図3に示す。IGN ONにより図3(b)のコンプレッサ回転数基本値(破線)が演算される。このコンプレッサ回転数基本値を指示値としてコンプレッサを制御した場合、消費電力は図3(a)の破線で示す電力Aのようになる。起動直後に大きなピーク電力が出ているのは、コンプレッサを加速するために、定常状態で必要な電力よりも多くの電力が必要となるためである。このピーク電力が図3(a)のバッテリ使用可能電力を超えると、急激にバッテリ電圧が低下し、その他の電動補機5やコントローラ6などが動作できなくなり、最終的には起動不能になってしまうことがである。
【0039】
本実施形態では図3(b)グラフの太線のように、バッテリ使用可能電力でコンプレッサ回転数指令値の単位時間当たりの変化量を制限して制御する。これにより、図3(a)の実線で示す電力Bのようにコンプレッサを加速するために要する電力を削減し、バッテリ使用可能電力の範囲内に収めることができる。
【0040】
また、DC/DCコンバータ4のONにより、燃料電池1から電力が取り出され始めると、燃料電池1を冷却するために、冷却水ポンプ51の回転数基本値(図4(b)グラフの破線)が演算される。この冷却水ポンプ回転数基本値を指示値として冷却水ポンプ51を制御した場合、消費電力は図4(a)の破線で示す電力Aのようになる。起動直後に大きなピークが出ているのは、冷却水ポンプ51を加速するために、定常状態で必要な電力よりも多くの電力が必要となるためである。このピークが図4(a)グラフの燃料電池(FC)発電可能電力を超えると、急激に燃料電池1のセル電圧が低下し、燃料電池1の性能劣化などの一因となることがある。
【0041】
本実施形態では図4(b)に実線で示すように、燃料電池発電可能電力を代表する値で、冷却水ポンプ回転数指令値の単位時間当たりの変化量を制限し制御する。これにより、図4(a)の実線で示す電力Bのように冷却水ポンプを加速するために要する電力を削減し、燃料電池発電可能電力の範囲内に収めることができる。
【0042】
以上、説明したように、起動が困難な条件においても、起動用のバッテリ7の大型化などの必要なく、燃料電池システムを起動することができる。また、起動に際し、燃料電池1への負担を軽減できることから、システムの耐久性の向上が期待できる。
【0043】
次に第2実施形態について説明する。図7は、本発明に係る燃料電池システムの制御装置を適用した第2実施形態のシステム構成図である。図7において、複数の補機5は、燃料電池1の起動のために最初に電源投入しなければならない補機群5a、DC/DCコンバータ4の起動後に電源投入すればよい補機群5b、システム起動後に電源投入すればよい補機群5c、の3群に分けられ、それぞれの群毎にコントローラ6より電源投入がなされる。それ以外の構成は、図1に示した第1実施形態と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0044】
図8は、第2実施形態のコントローラ6の動作を説明するフローチャートであり、以下第2実施形態をこのフローチャートに沿って説明する。
【0045】
まず、IGN ONでコントローラ6やセンサ類に電源が供給され、図示しないパワーリセット後に、バッテリ7の出力可能な電力を推定する。バッテリ出力可能最大電力に関する値としては、外気温度やバッテリ7の開放電圧などがある。ここで、推定された値が補機5全てを起動をするのに十分な値であれば、補機群5a〜5c全てに電源を投入する。もし推定された値が補機群の全てを起動をするのに不十分であった場合に、ステップS21以降の手順に従って起動を行う。ここではその手順について説明する。
【0046】
ステップS21で補機群5aに電源供給指令を送り、補機群5aに電源が供給される。補機群5aには、例えば燃料電池1の制御に必要な空気圧センサ、水素流量センサ、コンプレッサモータ(図1のコンプレッサ51に相当)などが含まれる。ステップS22では、燃料電池1に供給されている空気流量や、水素流量などからDC/DCコンバータ4が起動可能か否か、即ち燃料電池1から電力を取り出して良いか否かが判定される。
【0047】
ステップS22で燃料電池1から電力取り出し不可と判定されると、電力取り出し可能と判定されるまで、ステップS22にとどまる。ステップS22で電力取り出し可能と判定されれば、DC/DCコンバータ4を起動し、ステップS23で補機群5bに電源供給指令を送り、補機群5bに電源が供給される。補機群5bには、例えば燃料電池1が発電することに伴い、動作しなければならない燃料電池冷却系のアクチュエータ類、例えば図1の冷却水ポンプ51など、及び冷却系のセンサなどが含まれる。
【0048】
ステップS24では、ジャンクションボックス2が接続可能か否か、即ち、燃料電池1から主負荷3に電力を供給できるかどうかを、燃料電池1の発電可能な電力をもとに判定される。ステップS24でまだ主負荷3に電力を供給できないと判定されると、主負荷3に電力を供給できると判定されるまで、ステップS24にとどまる。
【0049】
ステップS24で主負荷3に電力を供給できると判定されると、ステップS25で補機群5cに電源供給指令を送り、補機群5cに電源が供給される。補機群5cには、例えば車が動くことにより、動作しなければならない、電動パワーステアリングのアクチュエータ、センサ、ブレーキブースタなどが含まれる。その後、ジャンクションボックス2を接続して、主負荷3に電力を供給できるようにする。以上で起動終了となる。
【0050】
第2実施形態の効果を図9に示す。IGN ONにより全ての補機類に電源を投入するような従来技術の場合には、それらの突入電流により大きなピーク電力が生じ、特に低温時などは図9(a)のようにバッテリ使用可能電力を超えることが起こりうる。すると、急激にバッテリ電圧が低下し、その他の補機やコントローラなどが動作できなくなり、最終的には起動不能になってしまう恐れがあった。
【0051】
一方、第2実施形態では、補機への電源投入を分割することで、図9(b)のように、突入電流の影響を押さえピーク電力を小さいものとし、バッテリ使用可能電力を超えることなくシステムを起動することができる。無論、第2実施形態中の補機類をさらに細かく多数の群に分割し、各群毎に順次電源を投入すればさらに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの制御装置の第1実施形態を適用した燃料電池システムのシステム構成図である。
【図2】第1実施形態の動作を説明する制御フローチャートである。
【図3】第1実施形態の効果を説明する図である。
【図4】第1実施形態の効果を説明する図である。
【図5】外気温度とバッテリ出力可能電力特性の一例を示す図である。
【図6】バッテリ出力可能電力に対するコンプレッサ変化量制限値設定の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る燃料電池システムの制御装置の第2実施形態を適用した燃料電池システムのシステム構成図である。
【図8】第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施形態の効果を説明する図である。
【図10】従来例の燃料電池システムの構成図である。
【符号の説明】
1…燃料電池
2…ジャンクションボックス
3…主負荷
4…DC/DCコンバータ
5…電動補機
6…コントローラ
7…バッテリ
8…起動制御手段
9…バッテリ出力可能電力推定手段
10…発電可能電力推定手段
Claims (5)
- 燃料電池と、該燃料電池の運転維持に必要な電動補機と、該電動補機の動作を制御する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、システム起動時に前記電動補機の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限する起動制御手段を備えたことを特徴とする燃料電池システムの制御装置。 - 前記燃料電池システムは、起動用バッテリと、該起動用バッテリの出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段と、を更に備え、
前記電動補機は、燃料電池に酸化体を供給するコンプレッサであり、
前記起動制御手段は、前記バッテリ出力可能電力推定手段が推定した出力可能電力に基づいて、前記コンプレッサへの指令値の単位時間当たりの変化量を制限することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。 - 前記燃料電池システムは、燃料電池の発電可能な電力を推定する発電可能電力推定手段を更に備え、
前記電動補機は、燃料電池の冷却システムの冷却水ポンプであり、
前記起動制御手段は、前記発電可能電力推定手段が推定した燃料電池の発電可能電力に基づいて、前記冷却水ポンプへの指令値の単位時間当たりの変化量を制限することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。 - 前記燃料電池システムは、前記電動補機を複数有し、
前記起動制御手段は、システム起動時に起動させる電動補機の数を徐々に増加させることにより、電動補機の動作量の指令値の単位時間当たりの変化量を制限することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。 - 前記燃料電池システムは、起動用バッテリと、該起動用バッテリの出力可能電力を推定するバッテリ出力可能電力推定手段と、を更に備え、
前記起動制御手段は、前記バッテリ出力可能電力推定手段が推定した出力可能電力に基づいて、前記複数の電動補機を少なくとも2群に分割し、各群の電源投入時期をずらすことを特徴とする請求項4記載の燃料電池システムの制御装置。
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