JP3620210B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に係り、詳しくは、燃料タンク内で発生する燃料蒸気を内燃機関(エンジン)の吸気側に吸入させて燃焼させ、内燃機関の運転状態を制御するようにした内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関(エンジン)に付随して設けられる装置として、燃料タンクで発生する燃料蒸気を処理するための装置がある。この処理装置は、燃料タンクで発生する燃料蒸気をキャニスタに捕集し、その捕集された燃料を必要に応じてキャニスタからエンジンの吸気通路へパージする。吸気通路へパージされた燃料は、エンジンの燃焼室に供給され、燃焼に供される。
【0003】
一方、エンジンにおいて、燃焼室に供給される空気と燃料の混合気に係る空燃比を制御する装置がある。この種の制御装置において、コンピュータはエンジンの回転数、負荷状態及び暖機状態等に応じて変化する要求空燃比を算出する。コンピュータはセンサにより検出される実際の空燃比が、算出された要求空燃比と合致するように、燃料供給装置により燃焼室に供給される燃料量を補正することにより、混合気の空燃比を制御する。この制御により、各種の運転条件に対してエンジンの出力特性、排気特性及びドライバビリティ等の各種特性の最適化が図られる。
【0004】
ところで、上記のような燃料蒸気処理装置を備えたエンジンに空燃比制御を適合させるには、燃焼室に供給される本来の混合気に対してパージによる燃料が付加されることから、そのパージによる燃料分を見込んだ空燃比制御を行う必要がある。
【0005】
パージによる燃料分を見込んだ空燃比制御を行うものとして、特開平5−288107号公報に示される内燃機関の空燃比制御装置が提案されている。この制御装置において、燃料タンク内に発生する蒸発燃料をキャニスタに吸着し、このキャニスタに吸着した蒸発燃料を空気と共にパージ弁を介して内燃機関の吸気側にパージさせる。この際、排気管に設けた空燃比検出手段としての酸素センサにより排気ガス中の酸素濃度が検出され、この検出値が空燃比フィードバック値として出力される。このとき、酸素センサから出力される空燃比フィードバック値が所定の領域になるようにパージ弁によりパージ率を変化させる。そして、パージ率を変化させる前と後とのパージ率及び空燃比フィードバック値とに基づいてパージ弁を介して内燃機関に吸入される蒸発燃料の濃度を検出し、検出した濃度を空燃比制御に用いる。
【0006】
また、パージによる燃料分を見込んだ空燃比制御を行うものとして、特開平7−119560号公報に示される内燃機関の蒸発燃料制御装置がある。この制御装置では、パージ通路と吸気通路との分岐点近傍に設けられた蒸発燃料濃度検出手段としての濃度センサによって吸気通路に吸入される蒸発燃料の濃度を検出し、検出した濃度を空燃比制御に用いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−288107号公報の内燃機関の空燃比制御装置は、排気側において酸素センサにより検出した空燃比フィードバック値を用いて蒸発燃料の濃度を検出するようにしている。そのため、パージを何回か繰り返した後でなければ蒸発燃料の濃度を検出することはできないため、遅れが生じ、パージ制御開始直後からの良好な空燃比制御を行うことができない。
【0008】
また、パージによる燃料分を見込んだ空燃比制御を行うものとして、特開平7−119560号公報に示される内燃機関の蒸発燃料制御装置は、吸気側において濃度センサにより蒸発燃料の濃度を検出するようにしているが、濃度センサ自体の応答性が低く、遅れが生じ、パージ開始直後からの良好な空燃比制御を行うことができない。
【0009】
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、パージ制御時又はパージ制御が行われる前に、キャニスタ内に吸着された燃料蒸気の濃度を検出し、パージ制御開始直後からの安定した空燃比制御を行うことを可能にした内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、燃料タンクで発生する燃料蒸気を蓄えるためのキャニスタと、キャニスタから内燃機関の吸気系にパージする燃料蒸気の量を制御するパージ制御弁と、燃料を噴射することにより内燃機関の吸気系に燃料を供給するためのインジェクタと、パージ制御弁によってパージされる燃料蒸気のパージ濃度を算出するためのパージ濃度算出手段と、パージ濃度算出手段によって算出されたパージ濃度と内燃機関の運転状態とに基づいてインジェクタから供給される燃料量を調整することにより空燃比を制御する制御手段とを備えた内燃機関の制御装置であって、パージ濃度算出手段は、パージ実行時の吸気圧と、パージ実行時の運転状態と同一となるパージ非実行時の運転状態における吸気圧との圧力差に基づいてパージ濃度を算出することをその要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、内燃機関の吸気圧を検出するための吸気圧センサを備え、パージ濃度算出手段は該吸気圧センサによって検出された吸気圧に基づいてパージ濃度を算出することをその要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関の制御装置を自動車に具体化した各実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態の内燃機関の制御装置を図1〜図6に従って説明する。
図1は内燃機関の制御装置を示す概略構成図である。自動車に搭載されたガソリンエンジンシステムは燃料を収容した燃料タンク1を備える。このタンク1は給油に使用するためのインレットパイプ2を有する。このパイプ2は先端に給油口2aを含む。タンク1に給油が行われる際、給油口2aには給油ノズル(図示しない)が挿入される。給油口2aにはキャップ3が取り外し可能に装着される。
【0016】
タンク1に設けられた電動式の燃料ポンプ4はモータ(図示しない)を内蔵する。このポンプ4はモータが通電により駆動されることにより、タンク1の中の燃料を吸い上げて吐出する。ポンプ4から吐出される燃料量は、モータに供給される電流値、即ちモータの回転速度に基づいて決定される。
【0017】
ポンプ4から延びる燃料ライン5はデリバリパイプ6に接続される。このパイプ6に設けられた複数のインジェクタ(図には一つだけ図示される。)7は、内燃機関(エンジン)8の各気筒(図示しない)に対応して配置される。各インジェクタ7は電磁弁付きのノズルであり、通電により開弁し、通電の遮断により閉弁する。また、デリバリパイプ6には余剰の燃料を燃料タンク1内に戻す戻しパイプ9が接続されている。
【0018】
エンジン8に接続された吸気通路10は各気筒へ外気(空気)を導く。吸気通路10はエアクリーナ11及びサージタンク10aを含む。エアクリーナ11を通って浄化された空気は吸気通路10に導入される。
【0019】
吸気通路10に設けられたスロットルバルブ12は、アクセルペダル(図示しない)の操作により作動することにより、同通路10を選択的に開閉する。このバルブ12の開度(スロットル開度)VTAが調整されることにより、吸気通路10を通じて各気筒に吸入される空気量(吸気量)が調整される。
【0020】
ポンプ4が作動することにより、タンク1の中の燃料がライン5へ吐出される。この吐出された燃料はライン5を通じてデリバリパイプ6へ圧送され、更に各インジェクタ7に分配される。分配された燃料は各インジェクタ7により噴射される。噴射された燃料と空気との混合気は各気筒に供給されて燃焼に供される。この燃焼により、クランクシャフト8aが回転され、エンジン8に動力が得られる。燃焼後の排気ガスは、各気筒から排気通路12を通って外部へ排出される。
【0021】
キャニスタ14はタンク1で発生する燃料蒸気をベーパライン13を通じて捕集する。キャニスタ14は複数粒の活性炭よりなる吸着剤15を内蔵する。キャニスタ14に設けられた第1の大気弁16は逆止弁よりなる。この大気弁16はキャニスタ14の内圧が大気圧よりも小さいときに開いてキャニスタ14に対する外気(大気圧)の導入を許容し、その逆方向の気体の流れを阻止する。この大気弁16から延びるパイプ17はエアクリーナ11に接続される。従って、エアクリーナ11により浄化された外気がキャニスタ14に導入される。
【0022】
キャニスタ14に設けられた第2の大気弁18は逆止弁よりなる。この大気弁18はキャニスタ14の内圧が大気圧よりも大きくなったときに開いてキャニスタ14からアウトレットパイプ19に対する気体(内圧)の導出を許容し、その逆方向の気体の流れを阻止する。
【0023】
キャニスタ14に設けられたベーパ制御弁20はタンク1からキャニスタ14へ流れる燃料蒸気を制御する。この制御弁20はベーパライン13を含むタンク1の側の内圧(タンク側内圧)と、キャニスタ14の側の内圧(キャニスタ側内圧)との差に基づいて開く。この制御弁20が開くことにより、キャニスタ14に対する燃料蒸気の流入が許容される。即ち、制御弁20はキャニスタ側内圧が大気圧とほぼ同じになり、その内圧がタンク側内圧よりも大きいときに開いてキャニスタ14に対する燃料蒸気の流入を許容する。加えて、制御弁20はキャニスタ側内圧がタンク側内圧よりも大きいときに、キャニスタ14からタンク1に対する気体の流れを許容する。
【0024】
キャニスタ14から延びるパージライン21はサージタンク10aに接続される。キャニスタ14はベーパライン14を通じて導入される燃料蒸気の中の燃料成分だけを吸着剤15に吸着させて捕集し、燃料成分を含まない気体だけを大気弁18が開いたときにパイプ19を通じて外部へ排出する。エンジン8の運転時に、吸気通路10で発生する吸気負圧がパージライン21に作用する。このとき、キャニスタ14に捕集された燃料、或いはタンク1からキャニスタ14に導入されて吸着剤15に吸着される前の燃料が、パージライン21を通じて吸気通路10へパージされる。
【0025】
パージライン21に設けられたパージ制御弁22は、同ライン21を通過する燃料の量を必要性に応じて調整する。制御弁22は電気信号(デューティ信号)の供給を受けて弁体を移動させる電磁弁であり、その開度がデューティ制御される。
【0026】
エアクリーナ11の近傍に設けられた吸気温センサ31は吸気通路10に吸入される空気の温度(吸気温度)THAを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。
【0027】
サージタンク10aに設けられた吸気圧センサ32は吸気通路10の圧力(吸気圧)Pimを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。
スロットルバルブ12の近傍に設けられたスロットルセンサ33は、スロットル開度VTAを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。このセンサ33は周知のアイドルスイッチ(図示しない)を内蔵する。このスイッチはバルブ12が全閉となったときに「オン」され、全閉であることを示すアイドル信号IDLを出力する。
【0028】
エンジン8に設けられた水温センサ34はエンジン8の中を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。
エンジン8に設けられた回転速度センサ35はクランクシャフト8aの回転速度(エンジン回転速度)NEを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。
【0029】
排気通路12に設けられた酸素センサ36は排気通路12を流れる排気ガス中の酸素濃度Oxを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。このセンサ36は、エンジン8の各気筒に供給される混合気中の酸素を特定成分としてその検出する。
【0030】
大気圧センサ37は大気圧Paを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。
電子制御装置(ECU)41はパージ濃度算出手段及び制御手段を構成する。ECU41には前述した各種センサ31〜37、燃料ポンプ4、インジェクタ7、及びパージ制御弁22がそれぞれ接続される。ECU41は各種センサ31〜37から出力される信号を入力する。ECU41は入力信号に基づき、空燃比制御を含む燃料噴射制御、燃料パージ制御及びパージ濃度算出処理をそれぞれ実行するために、各部材4,7,22をそれぞれ制御する。
【0031】
燃料噴射制御とは、エンジン8の運転状態に応じて各インジェクタ7の開弁時間を制御することにより、各インジェクタ7から噴射される燃料量を制御することである。空燃比制御とは、各気筒に供給される混合気の空燃比を、エンジン8の運転状態に適した目標空燃比とすべく、各インジェクタ7から噴射される燃料量を制御することである。
【0032】
燃料パージ制御とは、エンジン8の運転状態に応じてパージ制御弁22を制御することにより、キャニスタ14から吸気通路10への燃料のパージを制御することである。ここで、吸気通路10へパージされる燃料は、各インジェクタ7から噴射された燃料に基づいて形成される正規の混合気に加えられ、その空燃比を目標値から変化させる。そこで、混合気の空燃比がパージ燃料により目標値からずれることを防止するために、ECU41はパージによる燃料分を見込んだ空燃比制御を実行する。
【0033】
図2のブロック回路図に示すように、ECU41は中央処理装置(CPU)42、読み出し専用メモリ(ROM)43、ランダムアクセスメモリ(RAM)44及びバックアップRAM45を備える。ECU41はこれら各部42〜45と、外部入力回路46及び外部出力回路47とがバス48により接続されてなる。
【0034】
ここで、ROM43は前述した各種制御を実行するための制御プログラム、及びパージ濃度算出に用いる基本パージ濃度マップ等を予め記憶する。この基本パージ濃度マップはパージ制御が実施されない場合の吸気圧Pim、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTAに基づいて作成されている。RAM44はCPU42の演算結果等を一時記憶する。バックアップRAM45は予め記憶したデータを保存する。外部入力回路46はバッファ、波形成形回路、ハードフィルタ(電気抵抗及びコンデンサよりなる回路)及びA/D変換器等を含む。外部出力回路47は駆動回路等を含む。各種センサ31〜37は外部入力回路46に接続される。各部材4,7,22は外部出力回路47に接続される。
【0035】
CPU42は外部入力回路46を介して入力される各種センサ31〜37からの信号を入力値として読み込む。CPU42はそれら入力値に基づき前述した各種制御を実行するために、各部材4,7,22を制御する。
【0036】
図3は燃料パージ制御の処理内容に関する「燃料パージ制御ルーチン」を示すフローチャートである。ECU41はエンジン8の運転時に本ルーチンを所定期間毎に周期的に実行する。
【0037】
ステップ100において、ECU41は各種センサ32,33,35により検出され、エンジン8の運転状態を反映した吸気圧Pim,スロットル開度VTA,アイドル信号IDL,エンジン回転速度NEに係る値を入力値として読み込む。
【0038】
ステップ110において、ECU41は燃料パージを行うべき条件が成立しているか否かを判断する。例えば、このパージ条件として、吸気圧Pim及びエンジン回転速度NEがそれぞれ所定値以上であって、サージタンク10aに充分な吸気負圧が発生していることが挙げられる。
【0039】
ステップ110において、パージ条件が成立していない場合、ステップ120において、ECU41は燃料パージを禁止するために、パージ制御弁22を閉じる。続いて、燃料パージが禁止されていることから、ステップ130において、ECU41はパージフラグXPGを「0」に設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0040】
ステップ110において、パージ条件が成立している場合、ステップ140において、ECU41は吸気圧Pim及びエンジン回転速度NEの値に基づいて目標開度DPGの値を算出する。この目標開度DPGは、パージ制御弁22の開度をデューティ制御するために同弁22に供給されるデューティ信号である。ECU41はこの目標開度DPGの値を、目標開度DPG、吸気圧Pim及びエンジン回転速度NEをパラメータとして予め定められた関数データを参照することにより算出する。この目標開度DPGが決定されることにより、キャニスタ14から吸気通路10へパージされる燃料量(燃料濃度)が決定される。
【0041】
ステップ150において、ECU41は燃料パージを許容するために、算出された目標開度DPGの値に基づきパージ制御弁22を制御する。続いて、燃料パージが許容されていることから、ステップ160において、ECU41はパージフラグXPGを「1」に設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0042】
図4は燃料パージ制御時における「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャートである。ECU41はエンジン8の運転時に本ルーチンを所定期間毎に周期的に実行する。
【0043】
ステップ200において、ECU41は各種センサ32,33,35,37により検出された吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Paに係る値をパージ制御前の入力値として読み込み、これらをRAM44に記憶する。
【0044】
ステップ210において、ECU41はパージ制御が実施されたか否かを判断する。ステップ210において、パージ制御が実施されていないと判定した場合、ステップ200に戻る。
【0045】
ステップ210において、パージ制御が実施されたと判定した場合、ステップ220において、ECU41はパージ制御後の吸気圧Pim(n+1)、スロットル開度VTA(n+1)、エンジン回転速度NE(n+1)、大気圧Paに係る値を読み込む。
【0046】
ステップ230において、ECU41はパージ制御後の各パラメータの値からパージ制御前の各パラメータの値を減算することにより、吸気圧変化ΔPim、回転速度変化ΔNE、開度変化ΔVTAを算出する。
【0047】
ステップ240において、ECU41はパージ制御後の吸気圧変化ΔPimと吸気圧変化ΔPim(ΔNE,ΔVTA)とに基づいてパージ濃度を算出する。吸気圧変化ΔPim(ΔNE,ΔVTA)は、基本パージ濃度マップから求められるものであって、パージ制御を実施していない場合の回転速度変化ΔNE、開度変化ΔVTAに対応する吸気圧の変化である。
【0048】
本実施形態で、本ルーチンを実行するECU41は、パージ濃度算出手段に相当する。
図5は燃料パージ制御時における別の「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャートであり、エンジン回転速度NE又はスロットル開度VTAの変化が大きい場合を示す。
【0049】
ステップ250において、ECU41は吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Paに係る値をパージ制御前の入力値として読み込み、これらをRAM44に記憶する。
【0050】
ステップ255において、ECU41はパージ制御が実施されたか否かを判断する。ステップ210において、パージ制御が実施されていないと判定した場合、ステップ250に戻る。
【0051】
ステップ255において、パージ制御が実施されたと判定した場合、ステップ260においてXms(ミリ秒)遅延させ、ステップ265において、ECU41はパージ制御後の吸気圧Pim(n+1)、スロットル開度VTA(n+1)、エンジン回転速度NE(n+1)、大気圧Paに係る値を読み込む。
【0052】
ステップ270において、ECU41はパージ制御後の吸気圧Pim(n+1)から吸気圧Pim(map)を減算することにより、吸気圧変化ΔPを算出する。吸気圧Pim(map)は、基本パージ濃度マップから求められるものであって、パージ制御を実施していない場合の回転速度NE、スロットル開度VTAに対応する吸気圧である。
【0053】
ステップ275において、ECU41は吸気圧変化ΔPと基本パージ濃度マップとに基づいてパージ濃度を算出する。
図6は燃料噴射制御の処理内容に関する「燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャートである。ECU41は、エンジン8の運転時に本ルーチンを所定期間毎に周期的に実行する。
【0054】
ステップ300において、ECU41は各種センサ31〜36により検出され、エンジン8の運転状態を反映した各種パラメータTHA,Pim,VTA,IDL,THW,NE,Oxに係る値を入力値として読み込む。
【0055】
ステップ305において、ECU41は吸気圧Pim及びエンジン回転速度NEの値に基づいて基本噴射量TAUbの値を算出する。この基本噴射量TAUbは、時間を単位とする値である。ECU41はこの基本噴射量TAUbの値を、基本噴射量TAUb、吸気圧Pim及びエンジン回転速度NEをパラメータとして予め定められた関数データを参照することにより算出する。本実施形態で、ステップ305の処理を実行するECU41は、エンジン8の運転状態に応じて基本的に設定されるべき基本噴射量TAUbを算出するための算出手段に相当する。
【0056】
ステップ310において、ECU41は酸素濃度Oxの値に基づき、混合気の空燃比A/Fに関する空燃比補正係数FAFの値を算出する。ECU41は混合気の空燃比A/Fがリッチ又はリーンであるかを酸素濃度Oxの値に基づき判定し、その空燃比A/Fを所定の理論空燃比(ストイキ)の値にするために補正係数FAFを決定する。従って、この補正係数FAFの値は、空燃比A/Fがリッチ又はリーンであることを示すことになる。本実施形態で、ステップ310の処理を実行するECU41は、混合気の空燃比A/Fをストイキにするための補正係数FAFを算出するための算出手段に相当する。
【0057】
ステップ315において、ECU41は吸気温度THA及び冷却水温度THWの値に基づいて温度補正係数KTHの値を算出する。ECU41はこの温度補正係数KTHの値を、温度補正係数KTH、吸気温度THA及び冷却水温度THWをパラメータとして予め定められた関数データを参照することにより算出する。本実施形態で、ステップ315の処理を実行するECU41は、エンジン8の温度状態に応じて基本噴射量TAUbを補正するための温度補正係数KTHを算出するための算出手段に相当する。
【0058】
ステップ320において、ECU41は基本噴射量TAUbの値に空燃比補正係数FAF及び温度補正係数KTHの値を乗算することにより、最終的な燃料噴射量TAUの値を算出する。この燃料噴射量TAUは、時間を単位とする値であり、インジェクタ7の開弁時間を決定する値である。本実施形態で、ステップ320の処理を実行するECU41は、基本噴射量TAUbを両補正係数FAF,KTHにより補正することにより、最終的な燃料噴射量TAUを算出するための算出手段に相当する。
【0059】
ステップ330において、ECU41はパージフラグXPGが「1」であるか否かを判断する。このフラグXPGが「0」である場合、燃料パージが禁止されていることから、ECU41は処理をステップ340へ移行する。このフラグXPGが「1」である場合、燃料パージが許容されていることから、ECU41は処理をステップ350へ移行する。本実施形態で、ステップ330の処理を実行するECU41は、燃料パージが実行され、その燃料がエンジン8に供給されていることを判断するための判断手段に相当する。
【0060】
ステップ330から移行してステップ340において、燃料パージが禁止されていることから、ECU41は燃料噴射量TAUの値に基づき燃料噴射を実行する。即ち、ECU41は、各気筒毎に燃料を噴射すべきタイミングが到来したか否かを、エンジン回転速度NEに係るパルス信号に基づき判断する。そして、その噴射タイミングが到来したとき、ECU41は算出された燃料噴射量TAUの値に基づき各インジェクタ7を所要時間だけ開弁することにより、燃料噴射を実行する。この処理を終了した後、ECU41はその後の処理を一旦終了する。本実施形態で、ステップ340の処理を実行するECU41は、所定の噴射タイミングにおいて燃料噴射を実行するための実行手段に相当する。
【0061】
一方、ステップ330から移行してステップ350において、燃料パージが許容されていることから、ECU41は空燃比A/Fがリッチであるか否かを判断する。混合気に対する燃料パージの影響が大きい場合、空燃比A/Fはストイキよりもリッチであることを示すことになる。ECU41は、この空燃比A/Fの判断を、算出された空燃比補正係数FAFの値に基づいて行う。空燃比A/Fがリッチでない場合、即ちストイキ又はリーンである場合、ECU41は既述したステップ340の処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。空燃比A/Fがリッチである場合、ECU41は処理をステップ360へ移行する。本実施形態で、ステップ350の処理を実行するECU41は、燃料パージの影響を受けて空燃比A/Fがリッチであるか否かを判断するための判断手段に相当する。
【0062】
ステップ360において、ECU41は算出された燃料噴射量TAUの値から算出したパージ濃度に基づく値TDを減算することにより、減算後の噴射量TAUDの値を算出する。この値TDは、燃料噴射量TAUと同様に時間を単位とする値である。本実施形態で、ステップ360の処理を実行するECU41は、燃料パージが実行されているときに、算出された燃料噴射量TAUの値を値TDだけ減少補正するための算出手段に相当する。
【0063】
ステップ370において、ECU41は減算後の噴射量TAUDの値に基づき燃料噴射を実行する。即ち、ECU41は、各気筒毎に燃料を噴射すべきタイミングが到来したとき、算出された減算後噴射量TAUDの値に基づき各インジェクタ7を所要時間だけ開弁することにより、燃料噴射を実行する。
【0064】
このように、各インジェクタ7から各気筒へ供給されるべき燃料量が、インジェクタ7の開弁時間の調整により、エンジン8の運転状態に応じて調整される。一方、タンク1で発生する燃料蒸気が大気中に放出されることなくキャニスタ14に捕集される。燃料パージ制御に当たり、燃料パージを行うべき条件が成立すると、ECU41はパージ制御弁22を所要の開度をもって開く。これにより、キャニスタ14に捕集された燃料、或いはキャニスタ14に導入された燃料蒸気が、パージライン21を通じて吸気通路10へパージされ、エンジン8の各気筒へと供給される。このパージ燃料は、上記のようにインジェクタ7から噴射された燃料と空気とからなる本来の混合気に付加され、エンジン8での燃焼に供される。
【0065】
このため、空燃比制御に当たり、エンジン8に供給されるパージ燃料分を見込んで制御を行う必要がある。本実施形態では、燃料パージが実行されると、ECU41がそのことを判断し、先ず最初に、サージタンク10aに設けた吸気圧センサ32によってパージ制御弁22の作動開始前後の吸気圧を検出し、吸気圧変化に基づいて燃料蒸気のパージ濃度を算出する。そして、ECU41はエンジン8の運転状態に基づいて算出された燃料噴射量TAUから算出したパージ濃度に対応する値TDだけ減少させる。これにより、各インジェクタ7から噴射される燃料量が低減される。このため、エンジン8に供給される燃料量が、パージされる燃料によって過剰になることはない。この結果、エンジン8における混合気の空燃比A/Fがリッチになることを抑え、その空燃比A/Fを燃料パージの開始直後から安定化させることができる。この意味で、エンジン8のドライバビリティやエミッションの悪化を防止することができる。
【0066】
本実施形態では、燃料パージが実行されるときに、インジェクタ7から噴射される燃料量を低減させることから、エンジン8における燃料の消費量を減らすことができ、燃費を向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、空燃比制御に一般的に必要な吸気圧センサ32の検出結果に基づいてパージ濃度を検出するようにしているので、濃度センサを設けなくて済み、コストアップの抑制、装置全体の簡略化を図ることができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の内燃機関の制御装置を図7〜図9に従って説明する。なお、重複説明を避けるため、図1,図2において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。また、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0069】
図7は本実施形態の内燃機関の制御装置を示す概略構成図である。本実施形態において、キャニスタ14に設けられたベーパ制御弁20には圧力センサ51が設けられている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0070】
圧力センサ51はキャニスタ14内の圧力PTANKを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。
図8のブロック回路図に示すように、圧力センサ51は各種センサ31〜37と同様に外部入力回路46に接続されている。ECU41は中央処理装置(CPU)42、読み出し専用メモリ(ROM)43、ランダムアクセスメモリ(RAM)44及びバックアップRAM45を備える。ECU41はこれら各部42〜45と、外部入力回路46及び外部出力回路47とがバス48により接続されてなる。
【0071】
ここで、ROM43は前述した各種制御を実行するための制御プログラム、及びパージ濃度算出に用いる基本パージ濃度マップ等を予め記憶する。この基本パージ濃度マップはパージ制御が実施されない場合のキャニスタ14内の圧力PTANK、吸気圧Pim、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTAに基づいて作成されている。
【0072】
CPU42は外部入力回路46を介して入力される各種センサ31〜37,51からの信号を入力値として読み込む。CPU42はそれら入力値に基づき前述した各種制御を実行するために、各部材4,7,22を制御する。本実施形態では燃料パージ制御は図3に示した「燃料パージ制御ルーチン」に基づいて同様に行われる。
【0073】
図9は燃料パージ制御の処理内容に関する「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャートである。ECU41はエンジン8の運転時に本ルーチンを所定期間毎に周期的に実行する。
【0074】
ステップ400において、ECU41は各種センサ32,33,35,37,51により検出された吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Pa、キャニスタ14内の圧力PTANK(n)に係る値をパージ制御前の入力値として読み込み、これらをRAM44に記憶する。また、ECU41は圧力PTANK(n)からパージ濃度を推定する。
【0075】
ステップ410において、ECU41はパージ制御が実施されたか否かを判断する。ステップ410において、パージ制御が実施されていないと判定した場合、ステップ400に戻る。
【0076】
ステップ410において、パージ制御が実施されたと判定した場合、ステップ420において、ECU41はパージ制御後の吸気圧Pim(n+1)、スロットル開度VTA(n+1)、エンジン回転速度NE(n+1)、大気圧Pa、圧力PTANK(n+1)に係る値を読み込む。
【0077】
ステップ430において、ECU41はパージ制御後の各パラメータの値からパージ制御前の各パラメータの値を減算することにより、吸気圧変化ΔPim、回転速度変化ΔNE、開度変化ΔVTA、及び圧力変化ΔPTANKを算出する。ECU41はパージ制御前の圧力PTANK(n)と圧力変化ΔPTANK、及びパージ制御後の吸気圧変化ΔPimと吸気圧変化ΔPim(ΔNE,ΔVTA)とに基づいてパージ濃度を算出する。吸気圧変化ΔPim(ΔNE,ΔVTA)は、基本パージ濃度マップから求められるものであって、パージ制御を実施していない場合の回転速度変化ΔNE、開度変化ΔVTAに対応する吸気圧の変化である。
【0078】
本実施形態で、本ルーチンを実行するECU41は、パージ濃度算出手段に相当する。
本実施形態では、燃料パージが実行されると、ECU41がそのことを判断し、先ず最初に、キャニスタ14に設けた圧力センサ51によってパージ制御弁22の作動開始前後のキャニスタ14内の圧力を検出し、圧力変化に基づいて燃料蒸気のパージ濃度を算出する。そして、ECU41はパージ濃度に対応する値TDだけ燃料噴射量TAUを減少させる。本実施形態においても第1実施形態と同様にエンジン8における混合気の空燃比A/Fがリッチになることを抑え、その空燃比A/Fを燃料パージの開始直後から安定化させることができる。
【0079】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の内燃機関の制御装置を図10〜図12に従って説明する。なお、重複説明を避けるため、図1,図2において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。また、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0080】
図10は本実施形態の内燃機関の制御装置を示す概略構成図である。本実施形態において、キャニスタ14にはキャニスタ14の重量を検出し、その大きさに応じた信号を出力する重量センサ52が設けられている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0081】
図11のブロック回路図に示すように、重量センサ52は各種センサ31〜37と同様に外部入力回路46に接続されている。ECU41は中央処理装置(CPU)42、読み出し専用メモリ(ROM)43、ランダムアクセスメモリ(RAM)44及びバックアップRAM45を備える。ECU41はこれら各部42〜45と、外部入力回路46及び外部出力回路47とがバス48により接続されてなる。
【0082】
ここで、ROM43は前述した各種制御を実行するための制御プログラム、及びパージ濃度算出に用いる基本パージ濃度マップ等を予め記憶する。この基本パージ濃度マップはパージ制御が実施されない場合のキャニスタ14の重量W、吸気圧Pim、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTAに基づいて作成されている。
【0083】
CPU42は外部入力回路46を介して入力される各種センサ31〜37,52からの信号を入力値として読み込む。CPU42はそれら入力値に基づき前述した各種制御を実行するために、各部材4,7,22を制御する。本実施形態では燃料パージ制御は図3に示した「燃料パージ制御ルーチン」に基づいて同様に行われる。
【0084】
図12は燃料パージ制御の処理内容に関する「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャートである。ECU41はエンジン8の運転時に本ルーチンを所定期間毎に周期的に実行する。
【0085】
ステップ450において、ECU41は各種センサ32,33,35,37,52により検出された吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Pa、キャニスタ14の重量W(n)に係る値をパージ制御前の入力値として読み込み、これらをRAM44に記憶する。また、ECU41は重量W(n)からパージ濃度を推定する。
【0086】
ステップ460において、ECU41はパージ制御が実施されたか否かを判断する。ステップ460において、パージ制御が実施されていないと判定した場合、ステップ450に戻る。
【0087】
ステップ460において、パージ制御が実施されたと判定した場合、ステップ470において、ECU41はパージ制御後の吸気圧Pim(n+1)、スロットル開度VTA(n+1)、エンジン回転速度NE(n+1)、大気圧Pa、重量W(n+1)に係る値を読み込む。
【0088】
ステップ480において、ECU41はパージ制御後の各パラメータの値からパージ制御前の各パラメータの値を減算することにより、吸気圧変化ΔPim、回転速度変化ΔNE、開度変化ΔVTA、及び重量変化ΔWを算出する。ECU41はパージ制御前の重量W(n)と重量変化ΔW、及びパージ制御後の吸気圧変化ΔPimと吸気圧変化ΔPim(ΔNE,ΔVTA)とに基づいてパージ濃度を算出する。吸気圧変化ΔPim(ΔNE,ΔVTA)は、基本パージ濃度マップから求められるものであって、パージ制御を実施していない場合の回転速度変化ΔNE、開度変化ΔVTAに対応する吸気圧の変化である。
【0089】
本実施形態で、本ルーチンを実行するECU41は、パージ濃度算出手段に相当する。
本実施形態では、燃料パージが実行されると、ECU41がそのことを判断し、先ず最初に、キャニスタ14の重量を検出する重量センサ52によってパージ制御弁22の作動開始前の燃料蒸気を含むキャニスタ14の重量を検出し、キャニスタ14の重量に基づいて燃料蒸気のパージ濃度を算出する。そして、ECU41はパージ濃度に対応する値TDだけ燃料噴射量TAUを減少させる。そのため、本実施形態においてもエンジン8における混合気の空燃比A/Fがリッチになることを抑え、その空燃比A/Fを燃料パージの開始直後から安定化させることができる。
【0090】
尚、この発明は次のような別の実施形態に具体化することもできる。以下の別の実施形態でも前記各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
上記実施形態では、図3のフローチャートに示すように、パージ条件が成立したとき、エンジン8の運転状態に応じて算出された目標開度DPGに基づきパージ制御弁22の開度を調整することにより、パージされる燃料量を調整するようにした。これに対し、パージ条件が成立したときには、パージ制御弁22を一律の開度をもって開くことにより、燃料パージを行うようにしてもよい。
【0091】
また、上記第1実施形態において、図4のステップ200、図5のステップ250にて読み込んだ吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Paに係る値に基づいてROM43に記憶した基本パージ濃度マップを更新し、この更新後のパージ濃度マップに基づいてパージ濃度を算出するようにしてもよい。
【0092】
同様に、上記第2実施形態において、図9のステップ400にて読み込んだ吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Pa、圧力PTANK(n)に係る値に基づいてROM43に記憶した基本パージ濃度マップを更新し、この更新後のパージ濃度マップに基づいてパージ濃度を算出するようにしてもよい。さらに、上記第3実施形態において、図12のステップ450にて読み込んだ吸気圧Pim(n)、スロットル開度VTA(n)、エンジン回転速度NE(n)、大気圧Pa、重量W(n)に係る値に基づいてROM43に記憶した基本パージ濃度マップを更新し、この更新後のパージ濃度マップに基づいてパージ濃度を算出するようにしてもよい。
【0093】
尚、この明細書で発明の構成に係る手段等を以下のように定義する。
(a)インジェクタとは、燃料を噴射するための電磁弁付ノズルを意味し、電磁弁がECUからの電気信号に基づいて開弁することにより燃料を噴射する。この燃料噴射量は電磁弁の開弁時間により決まる。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、パージ制御時又はパージ制御が行われる前に、キャニスタ内に吸着された燃料蒸気の濃度を検出し、パージ制御開始直後からの安定した空燃比制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の内燃機関の制御装置を示す構成図
【図2】第1実施形態のECUの構成を示すブロック回路図
【図3】「燃料パージ制御ルーチン」を示すフローチャート
【図4】「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャート
【図5】別の「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャート
【図6】「燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャート
【図7】第2実施形態の内燃機関の制御装置を示す構成図
【図8】第2実施形態のECUの構成を示すブロック回路図
【図9】「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャート
【図10】第3実施形態の内燃機関の制御装置を示す構成図
【図11】第4実施形態のECUの構成を示すブロック回路図
【図12】「パージ濃度算出ルーチン」を示すフローチャート
【符号の説明】
1…燃料タンク、7…インジェクタ、8…内燃機関としてのエンジン、14…キャニスタ、22…パージ制御弁、32…吸気圧センサ、41…パージ濃度算出手段、制御手段としてのECU、51…圧力センサ、52…重量センサ
Claims (2)
- 燃料タンクで発生する燃料蒸気を蓄えるためのキャニスタと、
前記キャニスタから内燃機関の吸気系にパージする燃料蒸気の量を制御するパージ制御弁と、
燃料を噴射することにより内燃機関の吸気系に燃料を供給するためのインジェクタと、
前記パージ制御弁によってパージされる燃料蒸気のパージ濃度を算出するためのパージ濃度算出手段と、
前記パージ濃度算出手段によって算出されたパージ濃度と内燃機関の運転状態とに基づいて前記インジェクタから供給される燃料量を調整することにより空燃比を制御する制御手段と
を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記パージ濃度算出手段は、パージ実行時の吸気圧と、パージ実行時の運転状態と同一となるパージ非実行時の運転状態における吸気圧との圧力差に基づいてパージ濃度を算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
内燃機関の吸気圧を検出するための吸気圧センサを備え、
前記パージ濃度算出手段は該吸気圧センサによって検出された吸気圧に基づいてパージ濃度を算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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