JP3619699B2 - 燐回収設備及び燐回収方法 - Google Patents

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燐化合物を含有する溶融物から燐を回収する設備及び方法に係り、特に燐化合物を含有する廃棄物から燐を回収することを可能とする燐回収設備及び燐回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水汚泥焼却灰等の廃棄物は比較的高い濃度で燐を含有している。特開平9−145038号公報及び特開平10−279301号公報は、そのような廃棄物から燐を回収する方法を開示している。
【0003】
特開平9−145038号公報が開示する方法によると、廃棄物焼却灰からの燐の回収は以下に示すようにして行われる。まず、還元性ガスで満たされた密閉型電気炉内に、燐化合物を含有する廃棄物焼却灰と炭素源とを供給し、これらの溶融処理を行う。それにより、焼却灰中の燐化合物は還元され、燐ガスが生成される。次に、この燐ガスを含む排ガスに空気を接触させることにより五酸化燐を生成し、さらに、この五酸化燐を含む排ガスと水とを接触させる。その結果、五酸化燐は水に吸収され、燐酸を生成する。すなわち、特開平9−145038号公報が開示する方法によると、焼却灰中の燐は燐酸として回収される。なお、特開平9−145038号公報は、上記燐ガスを含む排ガスを温水スプレーを用いて冷却・凝縮することにより、焼却灰中の燐を黄燐として回収することも開示している。
【0004】
また、特開平10−279301号公報が開示する方法によると、廃棄物焼却灰からの燐の回収は以下に示すようにして行われる。まず、酸化性ガスで満たされた溶融炉内で、燐化合物を含有する廃棄物を還元性物質とともに加熱・溶融する。その結果、廃棄物中の燐化合物は還元されて燐となり、さらに酸化されて燐酸化物を生成する。特開平10−279301号公報が開示する方法によると、このようにして生じた燐酸化物を含有する排ガスを冷却して燐酸化物を凝縮させること等により燐の回収が行われる。
【0005】
このように、燐化合物を含む廃棄物から燐を回収する様々な方法が提案されている。しかしながら、既設の廃棄物処理設備の多くにおいては、溶融スラグと溶融メタルとの分離が行われるのみであり、燐の回収は行われていない。
【0006】
これは、下水汚泥焼却灰や下水汚泥の溶融炉として普及している旋回溶融炉及び表面溶融炉等のように酸化性雰囲気下で溶融処理を行う溶融炉においては、下水汚泥焼却灰や下水汚泥中に含まれる燐化合物の多くは溶融過程において還元されず、下水汚泥焼却灰や下水汚泥を溶融することにより生成する溶融スラグ中にとどまるためである。したがって、既設の廃棄物処理設備を利用しつつ、廃棄物から燐を回収可能とすることが望まれている。
【0007】
ところで、特開平9−145038号公報が開示する方法は、焼却灰中に含まれる燐を再利用可能とする点で有効であるが、以下に示す問題を有している。例えば、上記方法によると、焼却灰を電気炉内に供給する際に炉内でダストが舞い上がり、このダストは上記排ガスとともに電気炉から排出される。特に、下水汚泥等の焼却灰は微粉状であるため、電気炉から排出される排ガスはダストを高濃度で含有することとなる。
【0008】
このようなダストの一部は、コットレル集塵機のような電気集塵機により排気ガスから除去可能である。しかしながら、上記ダストは極めて微細であるため、電気集塵機で完全に除去することは不可能である。そのため、上述した方法により排ガス中に含まれる燐ガスを燐酸或いは黄燐として回収する場合、燐酸或いは黄燐中へのダストの混入を避けることができない。
【0009】
また、排ガス中のダストは、排ガス中に含まれる燐ガスを黄燐として回収する場合には、排ガスの凝縮を行う凝縮塔においてスラッジを生成し、一方、燐ガスを燐酸として回収する場合には、五酸化燐を水に吸収させるための吸収塔においてスラッジを生成する。このようなスラッジは高い濃度で燐分を含有し、特に燐ガスを黄燐として回収する場合には黄燐がスラッジに付着する。黄燐は空気中で発火や発煙を生ずるため、スラッジが含む黄燐を処理するためのコストが別途必要となるという問題を生じてしまう。
【0010】
また、特開平9−145038号公報が開示する方法によると、廃棄物の溶融と燐ガスの生成とが同一の溶融炉内で行われる。そのため、この方法によると、酸素と接触した場合に爆発を生ずるおそれがある燐ガスの発生量を制御することは困難である。したがって、上記方法によると、排気ガスから燐分を回収する装置が故障した場合やその補修の際に、燐ガスの発生量を低減することができなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、廃棄物から燐を高い純度で回収することを可能とする燐回収設備及び燐回収方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、既設の廃棄物処理設備に適用可能な燐回収設備及び燐回収方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、溶融物供給口と排気口とを有し、溶融物供給口から供給された燐化合物を含有する溶融物を還元性雰囲気下で加熱することにより気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉、及び上記排気口から排気された高温ガスから上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する燐回収手段を有することを特徴とする燐を回収する設備を提供する。
【0014】
また、本発明は、燐化合物を含有する被溶融物を加熱して溶融物を形成する工程、上記溶融物を還元性雰囲気中で加熱して気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、及びこの高温ガスから上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を有することを特徴とする燐を回収する方法を提供する。
【0015】
本発明においては、上記高温ガスは、通常、上記溶融物を炭素源とともに加熱することにより生成される。この場合、本発明の設備は、通常、上記加熱炉に炭素源を供給する炭素源供給手段をさらに有する。また、この場合、高温ガスを発生させる工程における炭素源の供給量により上記気化された燐の発生量を制御することができる。
【0016】
本発明において、被溶融物は、例えば、下水汚泥や下水汚泥焼却灰のように燐化合物を含有する廃棄物である。本発明によると、このような廃棄物を溶融してなる溶融物は、加熱炉に供給され、通常、加熱炉の底部から順に溶融メタル層、溶融スラグ層、及びガス層を形成する。溶融メタル、溶融スラグ、及び高温ガスは、それぞれ、溶融メタル排出口、溶融スラグ排出口、及び排気口から加熱炉の外部に排出される。溶融物供給口は、通常、ガス層と連絡するように加熱炉に設けられる。また、上記溶融物の加熱は、例えば、溶融スラグ層中に部分的に浸漬された電極とこの電極に接続された電源等からなる加熱手段により溶融スラグを加熱することにより行われる。
【0017】
本発明の燐回収設備が既設の廃棄物処理設備と組み合わされる場合、通常、既設の廃棄物処理設備において燐化合物を含有する廃棄物の溶融物を形成し、この溶融物を上記加熱炉に供給する。また、本発明の燐回収設備は、既設の廃棄物処理設備と組み合わされることなく単独で使用される場合、上記溶融物を加熱炉に供給する溶融物供給手段をさらに有する。
【0018】
本発明において、高温ガスの発生は、燐ガスと酸素との接触を防止するために、実質的に外気から隔離された空間内で行われることが好ましい。この実質的に外気から隔離された空間は、加熱炉の構造を工夫すること或いは加熱炉に不活性ガスを供給すること等により形成することができる。
【0019】
例えば、溶融物供給口から加熱炉内に外気が侵入する場合、加熱炉内にガス層を水平方向に隣接する2つの領域に分割する隔壁を設け、これら領域の一方に溶融物を供給し、他方の領域から高温ガスを排気することにより、他方の領域を実質的に外気から隔離することができる。このとき、例えば、溶融スラグ層の上記他方の領域に対応する部分のみに炭素源を供給することにより、上記他方の領域に対して選択的に燐ガスを発生させることが可能となる。
【0020】
また、溶融スラグをオーバーフローを利用して加熱炉から排出する場合、溶融スラグ排出口は加熱炉の内壁の溶融スラグ層とガス層との境界部に位置するため、溶融スラグ排出口から炉内に外気が侵入すること、或いは溶融スラグ排出口から高温ガスが炉外に排気されることがある。この場合、排気口を溶融物供給口と溶融スラグ排出口との間に位置させ、加熱手段を溶融物供給口と排気口との間に配置し、排気口と溶融スラグ排出口との間にガス層を水平方向に隣接する2つの領域に分割する隔壁を設けることにより、燐ガスと外気との接触を防止することができる。
【0021】
また、ガス層に窒素ガス及びアルゴンガス等の不活性ガスを供給することによっても、燐ガスと外気との接触を防止することができる。すなわち、不活性ガス供給手段から供給される不活性ガスを、溶融物供給口等から加熱炉内に送り込むことにより、燐ガスと外気との接触を防止することができる。
【0022】
本発明において、上記ガス層に不活性ガス及び還元性ガスのいずれか一方或いはこれらの混合ガスを供給することが好ましい。この場合、炉内に不活性ガス及び還元性ガスの少なくとも一方からなるガス流が形成される。したがって、このガス流が排気口へと向くように制御することにより、高温ガスの排気を促進することができる。
【0023】
また、本発明において、上記高温ガスの発生は加熱炉の内壁の少なくとも一部を冷却しつつ行うことが好ましい。この場合、溶融スラグ層中の溶融スラグの一部が内壁表面で凝固されるため、溶融スラグによる炉壁の浸蝕を防止できる。
【0024】
また、本発明において、溶融物の生成に伴って生ずるダストを、高温ガスを発生させる際に、溶融物とともに還元性雰囲気中で加熱することが好ましい。このようなダストは燐分を含有するため、燐の回収率を向上させることができるのとともに、ダストの処理が不要となる。
【0025】
本発明において、高温ガスからの黄燐或いは燐酸の回収は、例えば、高温ガスを凝縮することにより気化された燐を黄燐に転化する凝縮器を用いて行うことができる。また、高温ガスからの黄燐或いは燐化合物の回収は、高温ガスと酸素を含むガスとを混合して気化された燐を五酸化燐に転化する五酸化燐生成手段と、高温ガスと酸素を含むガスとを混合してなる混合ガスを水と接触させることにより混合ガスに含まれる五酸化燐を水に溶解させて燐酸水溶液を生成する燐酸生成手段とを用いて行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、それぞれの図面において共通する部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0027】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す。図1に示す回収設備は、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、燃焼室11、吸収塔12、燐酸貯槽13、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。なお、図1において、燃焼室11、吸収塔12、及び燐酸貯槽13は、燐回収手段を構成している。
【0028】
参照番号51は、下水汚泥焼却灰や下水汚泥等の廃棄物のような被溶融物を溶融する溶融炉を示している。この溶融炉51は、上記廃棄物を溶融することにより得られた溶融物を溶融炉1に供給する溶融物供給手段である。溶融炉51は、既設の廃棄物処理設備の一部であってもよく、また、本態様に係る燐回収設備の一部であってもよい。
【0029】
被溶融物の溶融方式に特に制限はないが、溶融炉51として、旋回溶融炉、表面溶融炉、プラズマ溶融炉、及びコークスベッド溶融炉等を用いることが好ましい。旋回溶融炉及び表面溶融炉等によると、酸化性雰囲気下で溶融が行われるため、溶融炉51での燐ガスの発生が抑制される。すなわち、溶融炉51において生成する溶融スラグは高濃度で燐分を含有することとなり、本発明の効果が顕著となる。溶融炉1に供給する溶融物としては、このような溶融スラグだけでなく、製鋼工程における脱燐処理で生成する脱燐スラグ等を用いてもよい。
【0030】
溶融炉51での溶融物の生成過程においては、燐の揮発を抑制するため、或いは溶融スラグの流動性を向上させるために、石灰等のカルシウム源を加えることができる。しかしながら、溶融炉51で生成した溶融スラグ中のSiOに対するCaOの重量比が1を超える場合、後述する溶融炉1での燐ガスの発生が抑制されることがある。このような場合、溶融炉1において、溶融スラグ中のSiOに対するCaOの重量比が1以下となるように、珪石や石炭灰等の珪素源を添加することが好ましい。
【0031】
溶融炉1は、溶融炉51から溶融物供給部26を経由して供給される溶融物を還元性雰囲気下で加熱して、気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉である。溶融炉1は密閉構造を有しており、その内壁にはカーボン系の耐火物からなる層が形成されている。また、溶融炉1の上部には、例えばグラファイトからなる電極2が電極昇降装置3により鉛直方向に移動可能に設置されている。電極2には電源4が接続されており、各電極に所望の電圧を印加することが可能である。
【0032】
図1において、参照番号41及び42は、それぞれ、溶融スラグ層及び溶融メタル層を示している。旋回溶融炉や表面溶融炉等の酸化雰囲気下で溶融を行う溶融炉から排出される溶融物(溶融スラグ)は酸化鉄等を高濃度で含有している。この溶融物に含まれる酸化鉄等は溶融炉1内で還元されて溶融メタルを生成する。以上のようにして生成した溶融メタルは高い比重を有しているため、溶融炉1の底部に沈降する。また、溶融炉51から供給される溶融物が溶融メタルを含有している場合は、これも溶融炉1の底部に沈降する。その結果、溶融炉1内で、金属鉄を主成分とする溶融メタル層42は溶融スラグ層41から分離する。したがって、溶融メタル層42を構成する溶融メタル及び溶融スラグ層41を構成する溶融スラグを、メタル排出口6及びスラグ排出口5からそれぞれ別々に炉外に排出することができる。
【0033】
操業中の溶融炉1内において、電極2は、電極昇降装置3により溶融スラグ層41への浸漬深さを制御され、且つ電源4から所定の電圧を印加される。このとき、溶融スラグ層41は電気抵抗体として機能するため、溶融スラグ層41は加熱される。溶融スラグ層41の温度は、例えば1300℃〜1600℃に維持される。
【0034】
溶融炉1には、通常、炭素源供給部25からコークス等の炭素源が供給される。溶融炉1内では、溶融スラグ等の溶融物とコークス等の炭素源とが下記反応式に示す反応を起こし、燐ガスと一酸化炭素ガスを発生する。
【0035】
2P+10C→P+10CO
溶融炉1内における溶融スラグ層41の上部空間、すなわちガス層は、このようにして生成する燐ガスと一酸化炭素ガスで満たされる。したがって、溶融炉1内において還元性雰囲気が維持される。
【0036】
このようにして生成した燐ガス及び一酸化炭素ガスを含有する高温の排ガスの排気を促進するために、溶融炉1内にガス流を形成してもよい。これについて、図2を参照しながら説明する。
【0037】
図2は、図1に示す設備の溶融炉1を簡略化及び拡大して示す断面図である。例えば、溶融物供給部26から、溶融炉1で生成した溶融物とともに窒素ガス及びアルゴンガス等の不活性ガス或いは一酸化炭素ガスやプロパンガス等の還元性ガスを溶融炉1内に供給する。この場合、溶融炉1内において、溶融スラグ層27の上部空間には溶融物供給部26から排気口7へと向いたガス流が形成される。したがって、溶融炉1内で生成した燐ガス等を直ちに排気することが可能となる。
【0038】
また、溶融物供給部26の途中に上記不活性ガスを供給してもよい。溶融物供給部26における不活性ガスのガス圧が十分に高い場合、排気口7からの燐ガスの排気を促進することができるだけでなく、外気が溶融炉1内に導入されるのを防止し、且つ溶融炉1内で生成した燐ガスが溶融物供給部26から排気されるのを防止することができる。
【0039】
燐ガスと外気とを隔離するために、図2に示す溶融炉の代わりに、図3及び図4に示す溶融炉を用いることができる。なお、図3及び図4は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る設備において用いられる溶融炉を概略的に示す断面図である。
【0040】
図3に示す溶融炉は、溶融スラグ層27の上部空間を2分割する隔壁を有している。この隔壁の先端は溶融スラグ層27に浸漬されているため、図3に示す溶融炉において、溶融物供給部26から侵入する外気は、隔壁の右側の空間へは到達しない。また、図3に示す溶融炉において、燐ガスの発生は隔壁の右側の領域で行われる。したがって、図3に示す溶融炉によると、燐ガスを外気から隔離することができる。
【0041】
図4に示す溶融炉は、図3に示す溶融炉と類似の構造を有しているが、図3に示す溶融炉とはスラグ排出口5の位置が異なっており、さらにスラグ排出口5と排気口7との間に隔壁を有している点で異なっている。図4に示す溶融炉においては、スラグ排出口5は溶融スラグ層27の液面の位置に設けられている。すなわち、この溶融炉によると、オーバーフローを利用して溶融スラグの排出が行われる。この場合、溶融スラグの排出量の制御が不要となるため、上記設備の操業を簡略化することができる。しかしながら、溶融炉をこのような構造とした場合、スラグ排出口5から溶融炉内に外気が侵入するおそれがある。
【0042】
図4に示す溶融炉においては、スラグ排出口5と排気口7との間に隔壁が設けられている。また、図4に示す溶融炉において、燐ガスの発生は2つの隔壁の間に挟まれた領域で行われる。したがって、図4に示す溶融炉によると、燐ガスを外気から隔離することができる。
【0043】
図3及び図4に示す溶融炉において、溶融物供給部26内やスラグ排出口5の近傍を窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスで満たすことが好ましい。この場合、溶融炉のカーボン系耐火物等からなる内壁が酸化されるのを防止することができる。
【0044】
また、図1〜図4に示す溶融炉における燐ガスの発生は、溶融炉の内壁の少なくとも一部を図示しない冷却手段により冷却しつつ行うことが好ましい。この場合、溶融スラグ層27中の溶融スラグの一部が溶融炉の内壁上で凝固するため、図2〜図4に示すような凝固物層43が形成される。その結果、溶融炉のカーボン系耐火物等からなる内壁が溶融物中の燐化合物との反応が抑制され、溶融炉の内壁が浸蝕されるのを防止することができる。
【0045】
また、このような凝固物層43を形成した場合、溶融物中に含まれる燐化合物の還元は、電極の他には炭素源供給部25から供給される炭素源なくしては行われない。すなわち、炭素源供給部25から供給する炭素源の量に応じて、燐ガスの発生量を正確に制御することができる。したがって、例えば、燐回収手段が故障して補修する必要がある場合、溶融炉1への炭素源の供給を停止することにより燐ガスの発生を極めて短い時間で抑制することができる。すなわち、燐ガスが大量に流出することにより生ずる爆発を防止することができる。
【0046】
溶融炉1内で発生した燐ガス及び一酸化炭素ガスを含有する高温の排ガスは、排気口7から炉外に排気され、コットレル集塵機やサイクロン式集塵機のような除塵器10へと送られる。
【0047】
上述したように、従来、溶融炉1内では焼却灰が舞い上がり、溶融炉1からは排ガスとともに多量のダストが排気されていた。それに対し、本実施形態によると、溶融炉1には焼却灰ではなくその溶融物が供給されるので、溶融炉1内で焼却灰が飛散することはない。したがって、本実施形態によると、排気ガス中へのダストの混入を抑制することが可能となる。
【0048】
除塵器10では、排ガス中に含まれるダストが、例えば電気集塵やサイクロン集塵により排ガスから除去される。上述したように、溶融炉1から排気された排ガス中のダスト濃度は従来に比べて大幅に低減されている。したがって、除塵器10でダストを除去された排ガスは、従来に比べて遥かに低減されたダスト濃度を有することとなる。
【0049】
なお、除塵器10は、上述した排ガスに対して十分な耐熱性を有するものであれば特に制限はない。また、除塵器10には、その排ガスと接触する部分を、黄燐の沸点である280℃以上に加熱する加熱手段を設けることが好ましい。このような加熱手段を設けた場合、除塵器10内で燐ガスが凝縮して液化或いは固化することを抑制することができる。さらに、溶融炉1から排気される排ガス中のダスト濃度が十分に低い場合、除塵器10は必ずしも設ける必要はない。
【0050】
除塵器10でダストを除去された排ガスは、次に燃焼室11へと送られる。燃焼室11には、空気や酸素のような酸化性ガスが導入され、排ガス中に含まれる一酸化炭素ガス等の燃焼が行われる。このとき同時に、排ガス中に含まれる燐ガスも燃焼され、五酸化燐を生成する。
【0051】
五酸化燐を含む排ガスは、吸収塔12へと供給される。吸収塔12では、燐酸水溶液が循環される。吸収塔12に供給された排ガスは、吸収塔12内の上部から噴霧される燐酸水溶液と接触し、その結果、排ガス中に含まれる五酸化燐は燐酸水溶液に吸収されて燐酸に転化する。
【0052】
吸収塔12では、循環される燐酸水溶液が所定濃度になるように水の供給量が制御される。このようにして生成した燐酸は、燐酸水溶液として吸収塔12から排出され、燐酸貯槽13に貯えられる。
【0053】
一方、五酸化燐を除去された排ガスは、ミスト捕集器14へと送られ、そこで燐酸ミストを除去される。燐酸ミストを除去された排ガスは、さらにガス洗浄塔15へと送られる。ガス洗浄塔15では、水を噴霧することにより排ガスの清浄化が行われる。以上のようにして清浄化した後、排ガスはガス洗浄塔15から大気中に排気される。
【0054】
以上説明した燐回収方法において、溶融炉51での廃棄物の溶融に伴って生ずるダストから燐を回収することが好ましい。溶融炉51での溶融過程において、廃棄物中に含まれる燐化合物の一部は、廃棄物中に含まれる炭素等の還元性物質により還元されて燐ガスを生成する。この燐ガスは溶融炉51内で酸化されて酸化燐を生成する。溶融炉51から排気される排ガスは、溶融炉51内で飛散する廃棄物と上記酸化燐とをダストとして含有する。したがって、この排ガスから図示しない除塵器等を用いてダストを回収し、回収したダストを図示しないダスト供給手段を用いて溶融炉1に供給することにより、より多くの燐を回収することが可能となる。なお、ダスト供給手段は、例えば、溶融炉1に接続され溶融炉1内に上記回収したダストを供給するフィーダである。
【0055】
また、溶融炉1に供給するダストは、特開平10−279301号公報において開示される方法により得られるような燐酸化物を主体とする回収物であってもよい。このようなダストは、少量であれば溶融炉1にそのまま供給することができる。また、ダスト量が多い場合、ダストを造粒物或いは成型物に加工した後に供給することが好ましい。また、溶融炉1で生成した溶融スラグを冷却してなる固化スラグを溶融炉1に供給することもできる。
【0056】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る方法によると、溶融炉1には焼却灰ではなくその溶融物が供給されるため、溶融炉1から排気される排ガスへのダストの混入が抑制される。そのため、吸収塔12に供給される排ガス中のダスト濃度が低減される。したがって、上記方法により生成される燐酸水溶液はダストを殆ど含有しない。すなわち、上記方法によると、廃棄物から燐或いは燐酸を高い純度で回収することが可能となる。
【0057】
また、上記排ガスはダストを殆ど含有しないため、上記方法によると、吸収塔12等におけるスラッジ量を低減することができる。すなわち、上記方法によると、燐の回収に伴って生ずるスラッジ等の処理に費やすコストを低減することが可能となる。
【0058】
さらに、上述したように、図1に示す設備において溶融炉1として既存の設備の一部を利用することができる。すなわち、上記方法によると、既設の廃棄物処理設備を利用しつつ燐を回収することが可能である。
【0059】
また、上述した方法によると、廃棄物の溶融工程と、それにより生成した溶融物からの燐ガスの生成工程とが別々の溶融炉で行われる。そのため、燐回収手段が故障を生じた場合においても、溶融炉1への炭素源の供給量を減じることのみにより燐ガスの発生量を低減することができる。したがって、上記方法によると、燐の回収を安全に行うことを可能となる。
【0060】
次に、図5を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0061】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図である。図5に示す回収設備は、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼塔22、吸収塔12、燐酸貯槽13、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。すなわち、図5に示す回収設備は、燃焼室11の代わりに、凝縮器20、燐貯槽21、及び燃焼等22が設けられた点で図1に示す回収設備とは異なっている。なお、図5において、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼塔22、吸収塔12、及び燐酸貯槽13は、燐回収手段を構成している。
【0062】
第2の実施形態によると、燐の回収は、例えば以下に示す方法により行われる。まず、第1の実施形態において説明したのと同様の方法により、溶融炉1内で燐ガスを含む排ガスを生成する。溶融炉1から排気された排ガスは、除塵器10でダストを除去された後、凝縮器20へと供給される。凝縮器20内では水が噴霧され、凝縮器20に供給された排ガスは噴霧された水により冷却される。その結果、排ガス中に含まれる燐ガスは凝縮して液体となり、凝縮器20の底部から排出される。なお、凝縮器20内は、回収された液状黄燐が固化しないように50〜70℃程度に維持する。
【0063】
凝縮器20から排出された液状黄燐は、燐貯槽21へと送られる。燐貯槽21内の液状黄燐は、次にポンプにより燃焼塔22内へ噴霧される。このとき同時に、空気等の酸化性ガスを燃焼塔22に導入することにより、五酸化燐を生成する。
【0064】
五酸化燐を含む排ガスは、吸収塔12へと供給される。吸収塔12では、第1の実施形態において説明したのと同様の方法により、排ガス中に含まれる五酸化燐が燐酸水溶液に吸収されて燐酸に転化し、燐酸水溶液として回収される。また、五酸化燐を除去された排ガスは、第1の態様において説明したのと同様にして、ミスト捕集器14及びガス洗浄塔15へと順次供給され、大気中に排気される。
【0065】
以上説明した第2の実施形態によると、第1の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態においては、排ガス中に含まれる一酸化炭素等の可燃性ガスの燃焼は行われず、可燃性ガスと燐との分離が行われる。したがって、本実施形態によると、凝縮器20から排気される可燃性ガスを燃料として利用することが可能となる。
【0066】
次に、図6を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0067】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図である。図6に示す回収設備は、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼室11、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。なお、図6において、凝縮器20及び燐貯槽21は燐回収手段を構成している。
【0068】
第3の実施形態によると、燐の回収は、例えば以下に示す方法により行われる。まず、第1の実施形態において説明したのと同様の方法により、溶融炉1内で燐ガスを含む排ガスを生成する。溶融炉1から排気された排ガスは、除塵器10でダストを除去された後、凝縮器20へと供給される。凝縮器20内では、第2の態様において説明したのと同様の方法により、排ガス中に含まれる燐ガスが液状黄燐として回収される。
【0069】
一方、燐ガスを除去され凝縮器20から排気された排ガスは、燃焼室11へと送られる。燃焼室11内では、排ガス中に含まれる一酸化炭素ガス等の可燃性ガスの燃焼が行われる。燃焼室11から排気される排ガスは、次にガス洗浄塔15で清浄化された後、大気中に排気される。
【0070】
以上説明した第3の実施形態によると、第1の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。また、第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態とは異なり、溶融物中に含まれる燐分を黄燐として回収することができる。なお、第3の実施形態においては、凝縮器20から排気された排ガスを燃焼処理したが、第2の実施形態において説明したのと同様に燃料として利用してもよい。
【0071】
以上説明した第1〜第3の実施形態においては、加熱炉として密閉型電気抵抗式溶融炉1を用いたが、外熱方式の密閉型高周波誘導式溶融炉等を用いることもできる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0073】
(実施例)
図6に示す燐回収プラントを用い、以下に示す条件下で下水汚泥焼却灰から黄燐を回収した。なお、溶融炉1としては内径700mmの電気抵抗式溶融炉を用い、溶融炉51としては旋回溶融炉を用いた。
【0074】
下水汚泥焼却灰と石灰とを100:13の重量比で混合し、旋回溶融炉51にはこの混合物を投入した。上記混合物を旋回溶融炉51で溶融することにより生成した溶融物(溶融スラグ)は、旋回溶融炉51の溶融スラグ排出口で凝固するのを防止するために加熱しつつ、とゆを介して溶融炉1に100kg/hの速度で連続的に供給した。また、溶融炉1には、スクリューフィーダを用いて10kg/hの速度でコークス粉を供給した。
【0075】
凝縮器20では、60℃の温水を噴霧することにより排ガスを冷却し、それにより排ガスから回収した液状黄燐は凝縮器20の底部に滞留させた。凝縮器20から排気される排ガスは、燃焼室11での空気を用いた燃焼、及びガス洗浄塔15での清浄化を経た後、大気中に排気した。
【0076】
この一連の操作の間、溶融炉1内の溶融スラグ層41の温度を1300〜1400℃に維持し、溶融スラグは溶融炉1から間欠的に排出した。また、凝縮器20の底部に滞留させた液状黄燐は、随時燐貯槽21へと排出した。
【0077】
以上のような条件で24時間操業したところ、170kgの液状黄燐を回収することができた。また、凝縮器20においてスラッジの発生は確認されず、循環水の濁りも僅かであった。
【0078】
試験に供した下水汚泥焼却灰、旋回溶融炉51から排出したスラグ、及び電気抵抗式溶融炉1から排出したスラグの組成を下記表1に示す。また、回収した黄燐の組成を下記表2に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0003619699
【0080】
【表2】
Figure 0003619699
上記表2に示すように、上述した方法により得られた黄燐の純度は99.95%であり、工業原料として十分に利用可能な品質であることが確認された。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、被溶融物の溶融と、それにより生成した溶融物からの燐ガスの発生とが別々に行われる。そのため、上記燐ガスを含む高温ガス中に、被溶融物の溶融に伴って発生するダストが混入することがない。したがって、本発明によると、廃棄物から燐或いは燐酸を高い純度で回収することが可能となる。また、本発明においては、被溶融物の溶融と溶融物からの燐ガスの発生とが別々に行われるため、例えば、既設の廃棄物処理設備で生成した溶融物について、新設した燐回収設備で燐を回収することが可能となる。
【0082】
すなわち、本発明によると、廃棄物から燐を高い純度で回収することを可能とする燐回収設備及び燐回収方法が提供される。また、本発明によると、既設の廃棄物処理設備に適用可能な燐回収設備及び燐回収方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燐回収設備を概略的に示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る燐回収設備において用いられる加熱炉の一例を概略的に示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る燐回収設備において用いられる加熱炉の他の例を概略的に示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る燐回収設備において用いられる加熱炉のさらに他の例を概略的に示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る燐回収設備を概略的に示す図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る燐回収設備を概略的に示す図。
【符号の説明】
1,51…溶融炉 ; 2…電極 ; 3…電極昇降装置 ; 4…電源
5…スラグ排出口 ; 6…メタル排出口 ; 7…排気口
10…除塵器 ; 11…燃焼室 ; 12…吸収塔 ; 13…燐酸貯槽
14…ミスト捕集器 ; 15…ガス洗浄塔 ; 20…凝縮器
21…燐貯槽 ; 22…燃焼塔 ; 25…炭素源供給部
26…溶融物供給部 ; 41…溶融スラグ層 ; 42…溶融メタル層
43…凝固物層

Claims (14)

  1. 溶融物供給口と排気口とを有し、前記溶融物供給口から供給された燐化合物を含有する溶融物を還元性雰囲気下で加熱することにより気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉、及び前記排気口から排気された前記高温ガスから前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する燐回収手段を具備することを特徴とする燐回収設備において、前記溶融物を前記加熱炉内で還元性雰囲気下で加熱した際に形成される溶融スラグ層とガス層との境界部に、前記溶融スラグ排出口を設け、かつ、前記ガス層を、前記溶融物供給口と連絡する第1の領域と、前記排気口と連絡する第2の領域と、前記溶融スラグ排出口と連絡する第3の領域の3つの領域に分割する隔壁を設けたことを特徴とする燐回収設備
  2. 燐化合物を含有する被溶融物を溶融して前記溶融物を生成し、この溶融物を前記溶融物供給口を介して前記加熱炉に供給する溶融物供給手段をさらに具備し、前記加熱炉は炉内に炭素源を供給するための炭素源供給口をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の燐回収設備。
  3. 前記燐回収手段は、前記高温ガスを凝縮することにより前記気化された燐を黄燐に転化する凝縮器を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燐回収設備。
  4. 前記燐回収手段は、前記高温ガスと酸素を含むガスとを混合して前記気化された燐を五酸化燐に転化する五酸化燐生成手段と、前記高温ガスと酸素を含むガスとを混合してなる混合ガスを水と接触させることにより前記混合ガスに含まれる五酸化燐を前記水に溶解させて燐酸水溶液を生成する燐酸生成手段とを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燐回収設備。
  5. 前記加熱炉の内壁を冷却して前記溶融物の一部を前記内壁表面で凝固させる冷却手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燐回収設備。
  6. 前記加熱炉内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燐回収設備。
  7. 前記還元性雰囲気下で加熱された溶融物は前記加熱炉内で底部から順に溶融メタル層、溶融スラグ層、及びガス層を形成し、
    前記ガス層に不活性ガス及び還元性ガスのいずれか一方或いはこれらの混合ガスを供給し、前記高温ガスの排気を促進するガス供給手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燐回収設備。
  8. 前記溶融物の生成に伴って生ずるダストを前記加熱炉内に供給するダスト供給手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の燐回収設備。
  9. 燐化合物を含有する被溶融物を加熱して燐化合物を含有する溶融物を生成する工程、前記溶融物を還元性雰囲気中で加熱して気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、及び前記高温ガスから前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を具備する燐回収方法において、前記高温ガスを発生させる工程は、実質的に外気から隔離された空間を形成する加熱炉内で行なわれ、前記高温ガスを発生させる工程において、前記溶融物は前記高温ガスと溶融スラグと溶融メタルとを形成し、前記溶融スラグは、オーバーフローを利用して前記加熱炉から排出されることを特徴とする燐回収方法。
  10. 前記高温ガスを発生させる工程において、前記溶融物は前記高温ガスと溶融スラグと溶融メタルとを形成し、前記高温ガスを発生させる工程は、実質的に外気から隔離された空間を形成する加熱炉内で前記加熱炉の内壁の少なくとも一部を冷却しつつ行われることを特徴とする請求項9に記載の燐回収方法。
  11. 高温ガスを発生させる工程は、前記溶融物を炭素源とともに前記還元性雰囲気中で加熱することを含み、前記高温ガスを発生させる工程における前記炭素源の供給量により前記気化された燐の発生量を制御することを特徴とする請求項9または請 求項10に記載の燐回収方法。
  12. 前記高温ガスを発生させる工程は加熱炉内で行なわれ、前記加熱炉内の空間は、前記加熱炉に不活性ガスを供給することにより実質的に外気から隔離されたことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の燐回収方法。
  13. 前記高温ガスを発生させる工程は、実質的に外気から隔離され、不活性ガス及び還元性ガスの少なくとも一方或いはこれらの混合ガスからなるガス流が形成された加熱炉内で行なわれることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の燐回収方法。
  14. 前記溶融物の生成に伴って生ずるダストを、前記高温ガスを発生させる工程において、前記溶融物とともに前記還元性雰囲気中で加熱することを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれか1項に記載の燐回収方法。
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