JP3615076B2 - 廃棄物から燐を回収する設備及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥焼却灰のように燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐を回収する設備及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、下水汚泥等の廃棄物の多くは、焼却された後に埋め立て処分されていた。しかしながら、資源の有効利用及び埋め立て処分量の低減等の要請から、そのような廃棄物の一部は、焼却した後、さらに溶融処理を施して重金属類を不溶化・安定化することにより、路盤材等として再利用されつつある。
【0003】
ところで、上記廃棄物の焼却灰は様々な元素の酸化物からなり、比較的高い濃度で燐を含有している。特開平9−145038号公報は、この焼却灰中に含まれる燐を回収する方法を開示し、この方法により回収された燐は肥料等として再利用され得ることを記載している。
【0004】
特開平9−145038号公報が開示する方法によると、廃棄物焼却灰からの燐の回収は以下に示すようにして行われる。まず、還元性ガスで満たされた密閉型電気炉内に、燐化合物を含有する廃棄物焼却灰と炭素源とを供給して溶融処理する。それにより、焼却灰中の燐化合物は還元され、燐ガスが生成される。次に、この燐ガスを含む排ガスに空気を接触させることにより五酸化燐を生成し、さらに、この五酸化燐を含む排ガスと水とを接触させる。その結果、五酸化燐は水に吸収され、燐酸を生成する。すなわち、特開平9−145038号公報が開示する方法によると、焼却灰中の燐は燐酸として回収される。なお、特開平9−145038号公報は、上記燐ガスを含む排ガスを凝縮することにより、焼却灰中の燐を黄燐として回収することも開示している。
【0005】
上述した方法は、焼却灰中に含まれる燐を再利用可能とする点で有効であるが、以下に示す問題を有している。例えば、上記溶融処理では、廃棄物焼却灰と炭素源との混合物が溶融炉内の溶融スラグ層上に滞積した状態にある。この混合物は溶融スラグの接触面から徐々に溶解するが、単に焼却灰と炭素源とを混合しただけでは焼却灰中に含まれる燐酸カルシウムや燐酸アルミニウム等の燐化合物と炭素源に含まれる炭素の接触角率が低い。そのため、燐化合物の還元反応速度は遅く、焼却灰が溶融スラグに転化するまで反応は殆ど進行しない。
【0006】
また、上記燐化合物は一酸化炭素ガスでは還元されない。そのため、上記混合物層に一酸化炭素ガスが接触しても燐ガスを発生することはなく、そのまま溶融スラグに溶融することになる。一方、炭素源の多くは焼却灰が溶融したとき、未反応のまま溶融スラグ上に浮遊する。こうしたことから、溶融スラグ中の燐化合物の多くは、炭素源から供給される炭素よりも、電気炉の内壁を被覆するカーボン質煉瓦と反応することとなる。その結果、上述した方法によると、炉壁が浸蝕され、頻繁に補修を行わなければならなかった。このように、上述した方法は、焼却灰中に含まれる燐化合物と炭素源から供給される炭素との接触確率を高めることができないという問題を有している。
【0007】
また、上記方法によると、焼却灰を電気炉内に供給する際に炉内でダストが舞い上がり、このダストは上記排ガスとともに電気炉から排出される。特に、下水汚泥等の焼却灰は微粉状であるため、電気炉から排出される排ガスはダストを高濃度で含有することとなる。
【0008】
このようなダストの一部は、コットレル集塵機のような電気集塵機により排気ガスから除去可能である。しかしながら、上記ダストは極めて微細であるため、電気集塵機で完全に除去することは不可能である。そのため、上述した方法により排ガス中に含まれる燐ガスを燐酸或いは黄燐として回収する場合、燐酸或いは黄燐中へのダストの混入を避けることができない。
【0009】
また、排ガス中のダストは、排ガス中に含まれる燐ガスを黄燐として回収する場合には、排ガスの凝縮を行う凝縮塔においてスラッジを生成し、一方、燐ガスを燐酸として回収する場合には、五酸化燐を水に吸収させるための吸収塔においてスラッジを生成する。このようなスラッジは高い濃度で燐分を含有し、特に燐ガスを黄燐として回収する場合には黄燐がスラッジに付着する。黄燐は空気中で発火や発煙を生ずるため、スラッジが含む黄燐を処理するためのコストが別途必要となるという問題を生じてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、廃棄物中に含まれる燐化合物と炭素源から供給される炭素との接触確率を高めることを可能とする廃棄物から燐を回収する設備及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、燐の回収に伴って生ずるスラッジ等の処理に費やすコストを低減することを可能とする廃棄物から燐を回収する設備及び方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを含む粒状物を形成する造粒手段、この造粒手段から上記粒状物を供給され上記粒状物を還元性雰囲気下で加熱することにより気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉、及び上記高温ガスから上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する燐回収手段を有することを特徴とする廃棄物から燐を回収する設備を提供する。
【0013】
また、本発明は、燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを含む粒状物を形成する工程、上記粒状物を還元性雰囲気中で加熱して気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、及び上記高温ガスから上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を有することを特徴とする廃棄物から燐を回収する方法を提供する。
【0014】
本発明において、高温ガスからの黄燐或いは燐酸の回収は、例えば、高温ガスを凝縮することにより気化された燐を黄燐に転化する凝縮器を用いて行うことができる。また、高温ガスからの黄燐或いは燐化合物の回収は、高温ガスと酸素を含むガスとを混合して気化された燐を五酸化燐に転化する五酸化燐生成手段と、高温ガスと酸素を含むガスとを混合してなる混合ガスを水と接触させることにより混合ガスに含まれる五酸化燐を水に溶解させて燐酸水溶液を生成する燐酸生成手段とを用いて行うことができる。
【0015】
本発明においては、上記粒状物を、上記廃棄物と上記炭素源と上記燐の回収に伴って生じる副産物との混合物を用いて形成することができる。この副産物としては、燐を回収する工程が高温ガスを凝縮することにより行われる場合には、高温ガスの凝縮に伴って生ずるスラッジ等を挙げることができる。この場合、スラッジを酸化処理した後に上記粒状物を形成してもよい。また、高温ガスから燐を回収する工程が燐酸水溶液を生成することにより行われる場合、上記副産物としては、上記燐酸水溶液を挙げることができる。
【0016】
本発明においては、通常、気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収した後に、燐の回収に伴って生ずる排ガスと水とを接触させることによる排ガスの洗浄が行われる。この排ガスの洗浄に使用した水も、上述した副産物として上記粒子の形成に用いることが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0018】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す。図1に示す回収設備は、混練機30、造粒機31、乾燥機32、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼塔22、吸収塔12、燐酸貯槽13、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。なお、図1において、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼塔22、吸収塔12、及び燐酸貯槽13は、燐回収手段を構成している。
【0019】
混練機30には、下水汚泥焼却灰のように燐や燐化合物を含有する廃棄物、コークス粉のような炭素源、及び必要に応じて後述する造粒に必要な液体分等が供給され、これらの混合が行われる。燐や燐化合物を含有する廃棄物は、焼却灰のように粒径が0.1mm以下であることが好ましい。廃棄物の粒径が十分に小さい場合、炭素源等と均一に混合することができ、後述する燐化合物の還元を効率的に行うことが可能となる。また、廃棄物の粒径が0.5mmより大きい場合は、廃棄物を粒径0.5mm以下の微粒子に粉砕した後に、炭素源等との混合を行うことが好ましい。
【0020】
混練機30での混合により得られた混合物は、ブリケッティングマシンや皿型造粒機のような造粒機31へと供給される。造粒機31では、混合物の造粒が行なわれ、所望の形状の粒状物を得る。なお、造粒機31での造粒は、十分に高い圧縮強度を有する粒状物が形成されるような条件で行うことが好ましい。例えば、粒状物を24mm×16mmのアーモンド型に成形したタブレットとした場合、圧縮強度が30kg以上であることが好ましい。圧縮強度が30kg未満の場合、落下による破壊割合が高くなった(2mの高さからのコンクリート床落下試験での破壊割合は2割以上)。
【0021】
また、造粒機31で形成された粒状物の水分含量が高い場合、後述する溶融炉1での溶融処理の際に多量の水分が蒸発し、電力損失が過剰となることがある。このような場合は、造粒機31で形成した粒状物を乾燥機32において乾燥することが好ましい。
【0022】
溶融炉1は、造粒機31で形成した粒状物を還元性雰囲気下で加熱して、気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉である。溶融炉1は密閉構造を有しており、その内壁にはカーボン系の耐火物からなる層が形成されている。また、溶融炉1の上部には、例えばグラファイトからなる電極2が電極昇降装置3により鉛直方向に移動可能に設置されている。電極2には電源4が接続されており、各電極に所望の電圧を印加することが可能である。
【0023】
図1において、参照番号40〜42は、それぞれ、造粒機31で形成した粒状物の層、溶融スラグ層、及び溶融メタル層を示している。操業中の溶融炉1内において、電極2は、電極昇降装置3により溶融スラグ層41への浸漬深さを制御され、且つ電源4から所定の電圧を印加される。このとき、溶融スラグ層41は電気抵抗体として機能するため、溶融スラグ層41の温度が上昇する。粒状物層40中の粒状物は、例えば1300℃〜1600℃に維持された溶融スラグ層41からの熱により加熱され、徐々に溶融スラグ層41へと溶け込む。
【0024】
上述したように、造粒機31で形成した粒状物は焼却灰とコークス粉とを含有している。すなわち、焼却灰中に含まれる燐化合物とその還元に必要な炭素源とは近接している。また、この状態は粒状物が溶融或いは破壊されるまで維持される。したがって、本実施形態によると、焼却灰中に含まれる燐化合物とコークス粉から供給される炭素との接触確率を高め、短時間で燐化合物の還元を行うこと、すなわち、短時間で燐化合物から燐ガスを生成させることが可能となる。
【0025】
造粒機31で形成された粒状物は、上述したように、溶融炉1の上部から溶融炉1内に供給され、溶融スラグ層41上を浮遊する粒状物層40を形成する。粒状物層40中の粒状物は、溶融スラグ層41から供給される熱により加熱される。燐化合物と炭素との反応は1000℃以上で進行し始め、1200℃以上で反応速度が急速に上昇する。このため、粒状物層40中の粒状物が溶融スラグ層41に至る前に、粒状物40中に含まれる殆ど全ての燐或いは燐化合物を気化させることができる。そのため、溶融スラグ層41及び溶融メタル層42中への燐化合物の混入を防止し、それによりカーボン質の炉壁が燐化合物との反応により浸蝕されるのを防止することが可能となる。
【0026】
造粒機31で形成された粒状物は、このような加熱処理により溶融物と高温の排ガスとを生成する。この溶融物は、溶融炉1内で溶融スラグ層41と金属鉄を主成分とする溶融メタル層42とに分離する。溶融メタル層42を構成する溶融メタルはメタル排出口6から炉外に排出され、溶融スラグ層41を構成する溶融スラグはスラグ排出口5から炉外に排出される。
【0027】
上記加熱処理により生成した高温の排ガスは、燐ガス,一酸化炭素ガス,及び水蒸気等を含有する。この排ガスは、ガス排出口7から炉外に排気され、コットレル集塵機やサイクロン式集塵機のような除塵器10へと送られる。
【0028】
上述したように、従来、溶融炉1内では焼却灰が舞い上がり、溶融炉1からは排ガスとともに多量のダストが排気されていた。それに対し、本実施形態によると、焼却灰は造粒されているので、溶融炉1内での焼却灰の飛散が抑制される。したがって、本実施形態によると、排気ガス中へのダストの混入を抑制することが可能となる。
【0029】
除塵器10では、排ガス中に含まれるダストが、例えば電気集塵やサイクロン集塵により排ガスから除去される。上述したように、溶融炉1から排気された排ガス中のダスト濃度は従来に比べて低減されている。したがって、除塵器10でダストを除去された排ガスは、従来に比べて遥かに低減されたダスト濃度を有することとなる。
【0030】
なお、除塵器10は、上述した排ガスに対して十分な耐熱性を有するものであれば特に制限はない。また、除塵器10には、その排ガスと接触する部分を、黄燐の沸点である280℃以上に加熱する加熱手段を設けることが好ましい。このような加熱手段を設けた場合、除塵器10内で燐ガスが凝縮して液化或いは固化することを抑制することができる。
【0031】
除塵器10でダストを除去された排ガスは、凝縮器20へと供給される。凝縮器20内では水が噴霧され、凝縮器20に供給された排ガスは噴霧された水により冷却される。その結果、排ガス中に含まれる燐ガスは凝縮して液体となり、凝縮器20の底部から排出される。
【0032】
凝縮器20から排出された液体燐は、燐貯槽21へと送られる。燐貯槽21内の液状黄燐は、次にポンプにより燃焼塔22内へ噴霧される。このとき同時に、空気等の酸化性ガスを燃焼塔22に導入することにより、五酸化燐を生成する。
【0033】
五酸化燐を含む排ガスは、吸収塔12へと供給される。吸収塔12では、燐酸水溶液が循環される。吸収塔12に供給された排ガスは、吸収塔12内の上部から噴霧される燐酸水溶液と接触し、その結果、排ガス中に含まれる五酸化燐は燐酸水溶液に吸収されて燐酸に転化する。
【0034】
吸収塔12では、循環される燐酸水溶液が所定濃度になるように水の供給量が制御される。このようにして生成した燐酸は、燐酸水溶液として吸収塔12から排出され、燐酸貯槽13に貯えられる。
【0035】
一方、五酸化燐を除去された排ガスは、ミスト捕集器14へと送られ、そこで燐酸ミストを除去される。燐酸ミストを除去された排ガスは、さらにガス洗浄塔15へと送られる。ガス洗浄塔15では、水を噴霧することにより排ガスの清浄化が行われる。以上のようにして清浄化した後、排ガスはガス洗浄塔15から大気中に排気される。
【0036】
上述したように、この方法によると、焼却灰は造粒された後に溶融炉1に供給されるため、溶融炉1から排気される排ガスへのダストの混入が抑制される。そのため、凝縮器20に供給される排ガス中のダスト濃度が低減される。したがって、上記方法により生成される燐酸水溶液はダストを殆ど含有しない。すなわち、上記方法によると、燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐或いは燐酸を高い純度で回収することが可能となる。また、上記排ガスはダストを殆ど含有しないため、上記方法によると、凝縮器20等におけるスラッジ量を低減することが可能となる。
【0037】
このように、上記方法によるとスラッジ量を低減することが可能であるが、それでもなおスラッジの発生を完全に防止することは困難である。このような場合、混練機30に焼却灰やコークス粉とともにスラッジ等を供給して、上述した方法によりスラッジ等に混入した燐分を回収することが好ましい。その理由を以下に説明する。
【0038】
凝縮器20内における燐ガスの凝縮により生成した液体燐は、循環温水中で粒子状に浮遊する。これら粒子状の液体燐は、やがて凝集し、凝縮器20の底部に沈降する。一方、排ガスとともに凝縮器20内に供給され、循環温水に捕捉されたダストも凝縮器20の底部に沈降する。ダストは液体燐に比べて比重が低いため、凝縮器20の底部に沈降したダストは、液体燐の層の上にスラッジ層を形成する。
【0039】
しかしながら、スラッジ層はダストのみで構成される訳ではなく、黄燐や燐酸を高濃度に含有する。そのため、スラッジ中の黄燐の酸化処理などの処理が別途必要となる。したがって、混練機30に焼却灰やコークス粉とともにスラッジを供給して、上述した方法によりスラッジ等に混入した燐分を回収することにより、低コストでスラッジを処理することができ、さらに、燐分の回収率を向上させることが可能となる。
【0040】
凝縮器20中のスラッジから燐分を回収する場合、スラッジを循環温水との混合液として凝縮器20から排出することが好ましい。上記スラッジは、上述したように黄燐とともに燐酸が溶解した循環温水を含んでいる。凝縮器20に供給される排ガスには、燐ガスの一部が参加されて五酸化燐が含有される。この五酸化燐は、溶融炉1内で発生した燐ガスが凝縮器20に至るまでの過程において、経路内に侵入した酸素と反応して生成したものである。そのため、凝縮器20内の循環温水は排ガス中の五酸化燐を吸収して生成した燐酸を含む。すなわち、凝縮器20内の循環温水も上記スラッジと同様に比較的高い濃度の燐分を含有する。したがって、スラッジを循環温水との混合液として凝縮器20から排出することにより、より多くの燐分を回収することが可能となる。
【0041】
このようにして凝縮器20から排出したスラッジと循環温水との混合液は、混練機30に供給される前に、通常、混合液中の黄燐を燐酸に転化するために、散気槽中で空気を用いた酸化処理を施される。なお、この酸化処理は、混合液中に過酸化水素水や次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を混合して行ってもよい。
【0042】
燐分を含有するスラッジは、凝縮器20だけでなく、吸収塔12においても生ずる。吸収塔12において生じたスラッジは、凝縮器20に関して説明したのと同様の方法により回収することができる。
【0043】
また、ガス洗浄塔15においても、排ガスに混入した燐酸やダストが洗浄水に吸収される。そのため、ガス洗浄塔15の底部にスラッジが発生するのとともに、洗浄水は燐酸を含有することとなる。したがって、ガス洗浄塔15において生じたスラッジも、凝縮器20に関して説明したのと同様の方法により回収することができる。
【0044】
以上説明した第1の実施形態においては、加熱炉として密閉型電気抵抗式溶融炉1を用いたが、外熱方式の密閉型キルン炉等を用いることもできる。また、第1の実施形態においては、凝縮器20で生成した液状黄燐を燃焼塔22で五酸化燐に転化し、さらに吸収塔12で燐酸水溶液として回収したが、凝縮器20で生成した液状黄燐は、そのまま工業原料として利用することもできる。この場合、凝縮器20から、廃棄物中の燐化合物を黄燐として回収することができる。
【0045】
次に、図2を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、図2において、図1と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図である。図2に示す回収設備は、混練機30、造粒機31、乾燥機32、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、燃焼室11、吸収塔12、燐酸貯槽13、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。なお、図2において、燃焼室11、吸収塔12、及び燐酸貯槽13は、燐回収手段を構成している。
【0047】
第2の実施形態によると、燐の回収は、例えば以下に示す方法により行われる。まず、除塵器10を用いて、第1の実施形態において説明したのと同様の方法により、排ガスからダストを除去する。
【0048】
除塵器10でダストを除去された排ガスは、次に燃焼室11へと送られる。燃焼室11には、空気や酸素のような酸化性ガスが導入され、排ガス中に含まれる一酸化炭素ガス等の燃焼が行われる。このとき同時に、排ガス中に含まれる燐ガスも燃焼され、五酸化燐を生成する。
【0049】
五酸化燐を含む排ガスは、吸収塔12へと供給される。吸収塔12では、第1の実施形態で説明したのと同様にして、排ガス中に含まれる五酸化燐が燐酸水溶液として回収される。また、五酸化燐を除去された排ガスも、第1の実施形態において説明したのと同様にして、ミスト捕集器14及びガス洗浄塔15へと順次送られた後、大気中に排気される。
【0050】
以上説明した第2の実施形態によると、第1の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態においても、スラッジや循環燐酸水溶液等を含む廃液を焼却灰やコークス粉とともに混練機30に供給して、上述した方法によりスラッジ等に混入した燐分を回収することにより、低コストでスラッジ等を処理することができ、さらに、燐分の回収率を向上させることが可能となる。
【0051】
また、第2の実施形態においては、溶融炉1から排気された排ガスに含まれる燐ガスは、第1の実施形態とは異なり、黄燐を経ることなく五酸化燐に転化される。したがって、第2の実施形態によると、第1の実施形態に比べ、より簡略化された構成の設備で、廃棄物中に含まれる燐化合物を燐酸水溶液として回収することが可能となる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0053】
(実施例)
図1に示す燐回収プラントを用い、以下に示す方法により下水汚泥焼却灰から黄燐を回収した。すなわち、まず、図1に示す燐回収プラントを操業することにより凝縮器20において生じたスラッジと循環温水とを計50リットル採取した。これらの混合物を、白煙が発生しなくなるまで空気を用いて散気処理して、スラッジ中に含まれる黄燐を燐酸に転化した。散気処理後の液は、ダストが懸濁した状態にあり、燐酸(P)濃度は24重量%であった。
【0054】
次に、下水汚泥焼却灰とコークス粉と上述した方法により得られた燐酸水溶液とをミキサー30で混合した。下水汚泥焼却灰、コークス粉、及び燐酸水溶液のミキサー30への供給量は、それぞれ、1250kg、188kg、及び63kgである。
【0055】
これらをミキサー30で混合することにより得られた混合物を用いてブリケッティングマシン31により厚さ5.0mm、見掛密度1.7g/cmのブリケットを形成した。なお、ブリケッティングマシン31には、9×6mmのアーモンド型成型用ロールを装着し、ロール支持圧力を60kg/cm、ロール間隔を0.5mm、ロール回転数を50rpmとした。
【0056】
このようにして得られたブリケットを、100kg/hの速度で溶融炉1に供給した。この溶融炉1は、内径700mm、出力500kWの密閉型電気抵抗式溶融炉である。ブリケットの溶融処理は、溶融スラグ層41の温度が1400℃に維持されるように行った。また、溶融炉1からスラグを間欠的に排出した。
【0057】
溶融炉1内で発生した排ガスは、サイクロン式集塵器10でダストを除去した後、凝縮器20へと供給した。凝縮器20では、排ガスに60℃の温水を噴霧することにより、燐ガスを凝縮させた。
【0058】
凝縮器20から排出される排ガスは、図示しない燃焼塔へと供給し、空気を用いて燃焼させた。その後、この排ガスを、図示しないガス洗浄塔で洗浄し、大気中に排気した。
【0059】
以上のような条件で15時間操業して、1.25tの下水汚泥焼却灰を処理した。溶融炉1へのブリケットの装入を停止した後、凝縮器20内を60℃に保温して24時間静置し、循環温水中に浮遊する粒子を沈降させた。その結果、凝縮器20の底部から約72kgの液状の黄燐を得ることができた。
【0060】
また、凝縮器20の底部に堆積した黄燐層上には、ダストと黄燐とを含むスラッジ層が形成された。凝縮器20からスラッジを排出してその重量を測定したところ、約7kgであった。このスラッジの組成を分析したところ、10重量%の黄燐を含有していることが判明した。なお、集塵機10で回収したダスト量は12kgであった。
【0061】
供試した下水汚泥焼却灰の組成、及び凝縮器20から回収し濾過処理を施した黄燐の組成を、下記表1及び表2にそれぞれ示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003615076
【0063】
【表2】
Figure 0003615076
【0064】
上記表2に示すように、上述した方法により得られた黄燐の純度は99.95%であり、工業原料として十分に利用可能な品質であることが確認された。
【0065】
以上説明したように、本実施例にかかる方法によると、1.25tの下水汚泥焼却灰からの燐の回収に、約50リットルのスラッジを含む廃液を使用した。すなわち、スラッジ等に含まれる約7kgの燐(P換算で15kg相当)を回収プロセスに供給することができた。
【0066】
(比較例)
ブリケットを形成することなく、下水汚泥焼却灰及びコークス粉のみをそれぞれ別々の供給口から溶融炉1に装入したこと以外は、上記実施例と同様の条件下で下水汚泥焼却灰から黄燐を回収した。その結果、凝縮器20の底部から約60kgの黄燐と、約12kgのスラッジとを回収した。このスラッジには12重量%の黄燐が含有されていた。
【0067】
次に、回収した黄燐の成分を分析した。その結果を下記表3に示す。
【0068】
【表3】
Figure 0003615076
【0069】
上記表3に示すように、回収した黄燐の純度は99.90%であり、工業原料として利用可能な品質であったが、上記実施例に比べて低純度であった。また、回収した黄燐には浮遊ダストが多く存在し、濾過処理に長時間を要した。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、燐化合物を含有する廃棄物は、溶融処理に先立って、炭素源とともに造粒される。したがって、溶融処理時における、廃棄物中に含まれる燐化合物と炭素源から供給される炭素との接触確率を高めることができる。また、上記廃棄物及び炭素源の造粒の際に、燐の回収に伴って生ずるスラッジ等を混合することにより、スラッジ等に含まれる燐分を回収することができる。すなわち、燐の回収に伴って生ずるスラッジ等の処理に費やすコストを低減することが可能となる。
【0071】
したがって、本発明によると、廃棄物中に含まれる燐化合物と炭素源から供給される炭素との接触確率を高めることを可能とする廃棄物から燐を回収する設備及び方法が提供される。また、本発明によると、燐の回収に伴って生ずるスラッジ等の処理に費やすコストを低減することを可能とする廃棄物から燐を回収する設備及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図。
【符号の説明】
1…溶融炉 ; 2…電極 ; 3…電極昇降装置 ; 4…電源
5…スラグ排出口 ; 6…メタル排出口 ; 7…ガス排出口
10…除塵器 ; 11…燃焼室 ; 12…吸収塔 ; 13…燐酸貯槽
14…ミスト捕集器 ; 15…ガス洗浄塔 ; 20…凝縮器
21…燐貯槽 ; 22…燃焼塔 ; 30…混練機
31…造粒機 ; 32…乾燥機 ; 40…混合物
41…溶融スラグ ; 42…溶融メタル

Claims (6)

  1. 燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを含む粒状物を形成する造粒手段、前記造粒手段から前記粒状物を供給され、前記粒状物を還元性雰囲気下で加熱することにより気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉、及び前記高温ガスから前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する燐回収手段を具備し、かつ、前記燐回収手段は、前記高温ガスを凝縮することにより前記気化された燐を黄燐に転化する凝縮器を具備することを特徴とする廃棄物から燐を回収する設備。
  2. 燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを含む粒状物を形成する工程、前記粒状物を還元性雰囲気中で加熱して気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、及び前記高温ガスから前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を具備し、かつ、前記高温ガスから燐を回収する工程は、前記高温ガスを凝縮することにより前記気化された燐を黄燐に転化することを含むことを特徴とする廃棄物から燐を回収する方法。
  3. 前記粒状物を形成する工程は、前記廃棄物と前記炭素源と前記燐の回収に伴って生じる副産物との混合物を用いて前記粒状物を形成することを含むことを特徴とする請求項2に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
  4. 前記副産物は、前記高温ガスの凝縮に伴って生ずるスラッジを含むことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
  5. 前記副産物は、前記高温ガスの凝縮に伴って生ずるスラッジを酸化処理したものを含むことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
  6. 前記高温ガスから燐を回収する工程の後に、前記燐の回収に伴って生ずる排ガスと水とを接触させて前記排ガスを洗浄する工程をさらに具備し、前記副産物は、前記排ガスの洗浄に使用した水を含むことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
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