JP3579283B2 - 廃棄物から燐を回収する設備及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥焼却灰のように燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐を回収する設備及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、下水汚泥等の廃棄物の多くは、焼却された後に埋め立て処分されていた。しかしながら、資源の有効利用及び埋め立て処分量の低減等の要請から、そのような廃棄物の一部は、焼却した後、さらに溶融処理を施して重金属類を不溶化・安定化することにより、路盤材等として再利用されつつある。
【0003】
ところで、上記廃棄物の焼却灰は様々な元素の酸化物からなり、比較的高い濃度で燐を含有している。特開平9−145038号公報は、この焼却灰中に含まれる燐を回収する方法を開示し、この方法により回収された燐は肥料等として再利用され得ることを記載している。
【0004】
特開平9−145038号公報が開示する方法によると、廃棄物焼却灰からの燐の回収は以下に示すようにして行われる。まず、還元性ガスで満たされた密閉型電気炉内に、燐化合物を含有する廃棄物焼却灰を炭素源とともに供給して溶融処理する。それにより、焼却灰中の燐化合物は還元され、燐ガスが生成される。次に、この燐ガスを含む排ガスに空気を接触させることにより五酸化燐を生成し、さらに、この五酸化燐を含む排ガスと水とを接触させる。その結果、五酸化燐は水に吸収され、燐酸を生成する。すなわち、特開平9−145038号公報が開示する方法によると、焼却灰中の燐は燐酸として回収される。なお、特開平9−145038号公報は、上記燐ガスを含む排ガスを凝縮することにより、焼却灰中の燐を黄燐として回収することも開示している。
【0005】
上述した方法は、焼却灰中に含まれる燐を再利用可能とする点で有効であるが、以下に示す問題を有している。すなわち、上記方法によると、焼却灰を電気炉内に供給する際に、炉内でダストが舞い上がり、このダストは上記排ガスとともに電気炉から排出される。特に、下水汚泥等の焼却灰は微粉状であるため、電気炉から排出される排ガスはダストを高濃度で含有することとなる。
【0006】
このようなダストの一部は、コットレル集塵機のような電気集塵機により排気ガスから除去可能である。しかしながら、上記ダストは極めて微細であるため、電気集塵機で完全に除去することは不可能である。そのため、上述した方法により排ガス中に含まれる燐ガスを燐酸或いは黄燐として回収する場合、回収された燐酸或いは黄燐中へのダストの混入を避けることができない。
【0007】
また、排ガス中のダストは、排ガス中に含まれる燐ガスを黄燐として回収する場合には、排ガスの凝縮を行う凝縮塔においてスラッジを生成し、一方、燐ガスを燐酸として回収する場合には、五酸化燐を水に吸収させるための吸収塔においてスラッジを生成する。そのため、従来の方法によると、定期的にスラッジを除去する必要があった。また、燐ガスを黄燐として回収する場合には、スラッジに黄燐が付着するため、それを処分するためのコストが別途必要となるという問題を生じてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐或いは燐化合物を高い純度で回収することを可能とする設備及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐或いは燐化合物を、スラッジを殆ど発生することなく回収することを可能とする設備及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを還元性雰囲気下で加熱することにより気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉、上記高温ガスから上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する燐回収手段、上記加熱炉と上記燐回収手段との間に設けられ、高温ガスから固形分を除去するフィルタ、及び上記フィルタを加熱するフィルタ加熱手段を有することを特徴とする廃棄物から燐を回収する設備を提供する。
【0011】
上記設備は、通常、加熱炉に廃棄物を供給する廃棄物供給手段、及び加熱炉に炭素源を供給する炭素源供給手段をさらに有する。
【0012】
また、本発明は、燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを還元性雰囲気中で加熱して、気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、上記高温ガスをフィルタに通過させ、上記高温ガスから上記高温ガスに含まれる固形分をフィルタにより除去する工程、及び上記固形分を除去された高温ガスから、上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を有し、上記固形分をフィルタにより除去する工程は、上記フィルタ中で上記高温ガスの温度が280℃以上となるように行うことを特徴とする廃棄物から燐を回収する方法を提供する。
さらに、本発明は、燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを還元性雰囲気中で加熱して、気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、上記高温ガスをフィルタに通過させ、上記高温ガスから上記高温ガスに含まれる固形分をフィルタにより除去する工程、及び上記固形分を除去された高温ガスから、上記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を有し、上記固形分をフィルタにより除去する工程は、上記フィルタを加熱しつつ行うことを特徴とする廃棄物から燐を回収する方法を提供する。
【0013】
本発明において、高温ガスからの黄燐或いは燐化合物の回収は、例えば、高温ガスを凝縮することにより気化された燐を黄燐に転化する凝縮器を用いて行うことができる。また、高温ガスからの黄燐或いは燐化合物の回収は、高温ガスと酸素を含むガスとを混合して気化された燐を五酸化燐に転化する五酸化燐生成手段と、高温ガスと酸素を含むガスとを混合してなる混合ガスを水と接触させることにより混合ガスに含まれる五酸化燐を水に溶解させて燐酸水溶液を生成する燐酸生成手段とを用いて行うことができる。
【0014】
本発明においては、加熱炉とフィルタとの間に集塵機を設け、高温ガスから固形分の一部を電気集塵やサイクロン式集塵等により除去することが好ましい。これにより、粒径の大きなダスト等は電気集塵等により除去されるため、フィルタの目詰まりを抑制することができる。
【0015】
また、本発明においては、運転中におけるフィルタ中の高温ガスの温度を280℃以上に制御することが好ましい。高温ガスの温度が280℃以上である場合、気化した燐が固化するのを防止することができる。フィルタ中の高温ガスの温度の制御には、フィルタ加熱手段によりフィルタを加熱すればよい。例えば、フィルタの少なくとも一部が通電することにより発熱する抵抗材料からなる場合には、フィルタの少なくとも一部に通電することによりフィルタを加熱することができる。
【0016】
また、気化した燐が凝縮し液化或いは固化してフィルタに付着した場合、フィルタに不活性ガス及び還元性ガスの少なくとも一方のガスを送り込むことにより、フィルタを洗浄することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0018】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す。図1に示す回収設備は、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、フィルタ部27、燃焼室11、吸収塔12、燐酸貯槽13、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。なお、図1において、燃焼室11、吸収塔12、及び燐酸貯槽13は、燐回収手段を構成している。
【0019】
溶融炉1は、下水汚泥焼却灰のように燐化合物を含有する廃棄物と、コークスのような炭素源とを還元性雰囲気下で加熱して気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉である。溶融炉1は密閉構造を有しており、その内壁にはカーボン系の耐火物からなる層が形成されている。また、溶融炉1の上部には、例えばグラファイトからなる電極2が電極昇降装置3により鉛直方向に移動可能に設置されている。電極2には電源4が接続されており、各電極に所望の電圧を印加することが可能である。
【0020】
溶融炉1には、廃棄物供給手段及び炭素源供給手段である供給部25が接続され、焼却灰及びコークスは供給部25から溶融炉1内に供給される。
【0021】
操業中の溶融炉1内においては、電極2は、電極昇降装置3により溶融スラグ41への浸漬深さを制御され、且つ電源4から所定の電圧を印加される。このとき、溶融スラグ41は電気抵抗体として機能するため、溶融スラグ41の温度が上昇する。その結果、溶融スラグ41上に浮遊する焼却灰とコークスとの混合物40は、例えば1300℃〜1600℃に加熱されて溶融し、溶融物と高温の排ガスとを生成する。
【0022】
このようにして生成した高温の排ガスは、燐ガス,一酸化炭素ガス,及び水蒸気等を含有する。この燐ガスは、焼却灰中に含まれる燐化合物を還元すること等により生じたものである。なお、上記燐ガスは、加熱温度を1000℃以上とすることにより発生する。
【0023】
混合物40を加熱することにより生じた溶融物は、溶融炉1内で溶融スラグ41と重金属類を含有する溶融メタル42とに分離する。炉内の底部に沈降した溶融メタル42はメタル排出口6から炉外に排出され、溶融スラグ41はスラグ排出口5から炉外に排出される。
【0024】
一方、混合物40を加熱することにより生じた排ガスは、ガス排出口7から炉外に排気され、除塵器10へと送られる。溶融炉1から排気される排ガスは、粉状の焼却灰やコークス等のダストを含有している。除塵器10では、このようなダストの一部が、例えば電気集塵により排ガスから除去される。除塵器10は、上述した排ガスに対して十分な耐熱性を有し、且つコットレル集塵機のように濾過以外の方法でダストの一部を除去するものであれば特に制限はない。
【0025】
除塵器10には、その排ガスと接触する部分を、黄燐の沸点である280℃以上に加熱する加熱手段を設けることが好ましい。このような加熱手段を設けた場合、除塵器10内での燐ガスの凝縮を抑制することができる。
【0026】
除塵器10で粒径のダストを粗除去された排ガスは、次にフィルタ部27へと送られる。フィルタ部27では、排ガスから、除塵器10で除去することが困難な粒径の小さなダストが除去される。その結果、排ガスからは、ほぼ完全に固形分が除去される。従来、電気炉1からの排ガスは電気集塵等によってのみ除去されていたため、回収される燐或いは燐化合物中に粒径の小さなダストが混入する、或いはスラッジを発生するという問題を生じていた。それに対し、排ガスから燐或いは燐化合物を回収するのに先立って、フィルタ部27で固形分をほぼ完全に除去することにより、このような問題の発生を防止することが可能となる。
【0027】
フィルタ部27の一部を構成するフィルタは、多孔質体、線材を編み込んでなる編み込み体、及び例えば粒径が2〜5cmの粒状物を容器中に充填してなる充填体等のいずれであってもよい。
【0028】
フィルタを構成するフィルタ材には、一酸化炭素ガスや燐ガス等に対して耐蝕性を有するカーボンやアルミナ等のセラミックスを用いることができる。また、フィルタ材として、ステンレス、タングステン、チタン、及びニッケル等の金属も利用することが可能である。但し、このような金属をフィルタ材として用いた場合、燐ガスによる腐蝕が徐々に進行する。したがって、このような場合、フィルタ部27中のフィルタを定期的に交換することが好ましい。なお、フィルタ材としては、上述した材料のいずれも用いることが可能であるが、特に、カーボンは、加工性、耐蝕性、及び後述する電気的特性の全てに優れるため最も好ましい。
【0029】
フィルタを、カーボン、ステンレス、及びタングステン等のように、電熱体として用いられる抵抗材料で構成した場合、図示しない電源からフィルタに電力を供給することによりフィルタを加熱することができる。したがって、排ガスの温度を280℃以上に維持し、排ガス中に含まれる燐ガスの凝縮を防止することが可能となる。
【0030】
また、フィルタ材としてアルミナのような絶縁体を用いた場合、例えば、上記抵抗材料をフィルタに塗布、蒸着、或いは貼付けることにより、上述したのと同様の効果を得ることができる。さらに、フィルタや排ガスを加熱するためのヒータを別途設けてもよい。いずれにしても、フィルタ部27での排ガスの温度が280℃以上に維持されれば、排ガス中に含まれる燐ガスの凝縮を防止することが可能となる。
【0031】
フィルタ部27において燐ガスが液化或いは固化した場合、フィルタに黄燐が付着して目詰まりを生ずるおそれがある。したがって、このような場合、フィルタ部27を洗浄することが好ましい。なお、黄燐は空気等の酸化性ガスに対して高い反応性を有している。そのため、フィルタに多量の黄燐が付着した場合に酸化性ガスで洗浄を行うと、爆発を生ずることがある。また、フィルタに付着した黄燐の量が少量であったとしても、フィルタ部内で異常発熱が生ずるため、フィルタを破損するおそれがある。したがって、フィルタの洗浄には、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス、及び一酸化炭素ガスやプロパンガス等の還元性ガスを用いることが好ましい。
【0032】
フィルタ部27でダストをほぼ完全に除去された排ガスは、次に燃焼室11へと送られる。燃焼室11には、空気や酸素のような酸化性ガスが導入され、排ガス中に含まれる一酸化炭素ガスの燃焼が行われる。このとき同時に、排ガス中に含まれる燐ガスも燃焼され、五酸化燐を生成する。
【0033】
五酸化燐を含む排ガスは、吸収塔12へと供給される。吸収塔12では、燐酸水溶液が循環される。吸収塔12に供給された排ガスは、吸収塔12内の上部から噴霧される燐酸水溶液と接触する。その結果、排ガス中に含まれる五酸化燐は燐酸水溶液に吸収され、燐酸に転化する。
【0034】
このようにして生成した燐酸は、燐酸水溶液として吸収塔12から排出され、燐酸貯槽13に貯えられる。また、吸収塔12には、燐酸貯槽13へと排出された燐酸水溶液に相当する量の水が供給される。
【0035】
一方、五酸化燐を除去された排ガスは、ミスト捕集器14へと送られ、そこで燐酸ミストを除去される。燐酸ミストを除去された排ガスは、さらにガス洗浄塔15へと送られる。ガス洗浄塔15では、水を噴霧することにより排ガスの清浄化が行われる。以上のようにして清浄化した後、排ガスはガス洗浄塔15から大気中に排気される。
【0036】
上述したように、この方法によると、排ガスから燐或いは燐化合物を回収するのに先立って、排ガス中に含まれる固形分はフィルタ27によりほぼ完全に除去される。そのため、吸収塔12に供給される排ガスはダストを含有していない。したがって、上記方法により生成される燐酸水溶液はダストを殆ど含有しない。すなわち、上記方法によると、燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐或いは燐化合物を高い純度で回収することを可能となる。また、上記方法により生成される燐酸水溶液はダストを殆ど含有しないため、上記方法によると、吸収塔12内でのスラッジの発生を抑制することが可能となる。
【0037】
以上説明した第1の実施形態においては、加熱炉として密閉型電気抵抗式溶融炉1を用いたが、外熱方式の密閉型キルン炉等を用いることもできる。また、焼却灰及び粉コークスを混合し、これを造粒成形したものを用いてもよい。この場合、溶融炉1内を飛散する粉状物の量が低減されるため、溶融炉1から排気される排ガス中のダスト濃度も低減される。したがって、このような場合、除塵器10は必ずしも設ける必要はない。
【0038】
次に、本発明の第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。なお、図2において、図1と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図である。図2に示す回収設備は、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、フィルタ部27、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼塔22、吸収塔12、燐酸貯槽13、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。すなわち、図2に示す回収設備は、燃焼塔11の代わりに、凝縮器20、燐貯槽21、及び燃焼塔22が設けられた点で図1に示す回収設備とは異なっている。なお、図2において、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼塔22、吸収塔12、及び燐酸貯槽13は、燐回収手段を構成している。
【0040】
第2の実施形態によると、燐の回収は、例えば以下に示す方法により行われる。まず、除塵器10及びフィルタ部27を用いて、第1の実施形態において説明したのと同様の方法により、排ガスからダストをほぼ完全に除去する。
【0041】
ダストをほぼ完全に除去された排ガスは、凝縮器20へと供給される。凝縮器20内では水が噴霧され、凝縮器20に供給された排ガスは噴霧された水により冷却される。その結果、排ガス中に含まれる燐ガスは凝縮して液状の黄燐となり、水とともに凝縮器20の底部から排出される。なお、このとき、黄燐が固化しないように50〜70℃に制御する。
【0042】
凝縮器20から排出された液状黄燐は水と分離された後、燐貯槽21へと送られる。燐貯槽21内の液状黄燐は、次にポンプにより燃焼塔22内へ噴霧される。このとき同時に、空気等の酸化性ガスを燃焼等22に導入することにより、五酸化燐を生成する。
【0043】
以上のようにして生成した五酸化燐は吸収塔12へと供給され、第1の実施形態において説明したのと同様に燐酸水溶液に吸収されて燐酸に転化し、燐酸水溶液として回収される。また、吸収塔12から排気される排ガスは、第1の実施形態において説明したのと同様にして大気中に排気される。
【0044】
上述した第2の実施形態においては、第1の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態においては、一酸化炭素等の燃焼は行われず、一酸化炭素等の可燃性ガスと燐とは分離される。したがって、凝縮器20から排気される可燃性ガスを燃料として再利用することが可能となる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施形態について図3を参照しながら説明する。なお、図3において、図1及び図2と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図である。図3に示す回収設備は、密閉型電気抵抗式溶融炉1、除塵器10、フィルタ部27、凝縮器20、燐貯槽21、燃焼室11、ミスト捕集器14、及びガス洗浄塔15で主に構成されている。なお、図3において、凝縮器20及び燐貯槽21は、燐回収手段を構成している。
【0047】
第3の実施形態によると、燐の回収は、例えば以下に示す方法により行われる。まず、除塵器10及びフィルタ部27を用いて、第1の実施形態において説明したのと同様の方法によりダストをほぼ完全に除去する。
【0048】
ダストをほぼ完全に除去された排ガスは、凝縮器20へと供給される。凝縮器20内では、第2の実施形態において説明したのと同様の方法により、排ガス中に含まれる燐ガスは凝縮されて液体となり、水とともに凝縮器20の底部から排出される。凝縮器20から排出された液状黄燐は水と分離された後、燐貯槽21へと送られる。第3の実施形態においては、燐ガスは液状黄燐として回収される。
【0049】
一方、燐ガスを除去され凝縮器20から排気される排ガスは、燃焼室11へと送られる。燃焼室11には、空気や酸素のような酸化性ガスが導入され、排ガス中に含まれる一酸化炭素ガス等の燃焼が行われる。
【0050】
燃焼室11から排気された排ガスは、ガス洗浄塔15へと送られる。ガス洗浄塔15では、水を噴霧することによる排ガスの清浄化が行われる。以上のようにして清浄化した後、排ガスはガス洗浄塔15から大気中に排気される。
【0051】
上述した第3の実施形態においては、第1の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。また、第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態とは異なり、廃棄物中に含まれる燐化合物を黄燐として回収することが可能となる。なお、第3の実施形態においは凝縮器20からの排ガスを燃焼処理したが、第2の実施形態と同様に、凝縮器20から排気される排ガスを燃料として再利用してもよい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0053】
(実施例)
図3に示す燐回収プラントを用い、以下に示す条件下で下水汚泥焼却灰から黄燐を回収した。すなわち、内径700mm、出力500kWの密閉型電気抵抗式溶融炉1に、下水汚泥焼却灰とコークス粉との混合物を100kg/hの速度で供給した。なお、下水汚泥焼却灰とコークス粉との重量比は20:3とした。また、フィルタ部27のフィルタとしてはカーボンフィルタを使用し、これに通電することによりフィルタ部27の内部を350℃に加熱した。
【0054】
凝縮器20では、60℃の温水を噴霧することにより排ガスを冷却し、排ガス中に含まれる燐ガスを液状黄燐として凝縮器20の底部に滞留させた。凝縮器20から排気される排ガスを、燃焼室11で空気を用いて燃焼した後、ガス洗浄塔15へと供給し、大気中に排気した。
【0055】
この一連の操作の間、溶融炉1内の溶融スラグ41及び溶融メタル42の温度を1300〜1400℃に維持し、溶融スラグ41は間欠的に溶融炉1から排出した。
【0056】
上記条件下で15時間操業し、溶融炉1には約1.3tの下水汚泥焼却灰を装入した。下水汚泥焼却灰の装入を停止した後、凝縮器20内の温度を60℃に保ちつつ24時間静置して、循環温水中の浮遊粒子を沈降させた。その後、凝縮器20の底部から約73kgの液状の黄燐を回収した。なお、凝縮器20においてスラッジは発生せず、循環温水の濁りも僅かであった。
【0057】
試験に供した下水汚泥焼却灰及び回収した黄燐の成分を分析した。下水汚泥焼却灰の成分及び回収した黄燐の成分を下記表1及び表2にそれぞれ示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
上記表2に示すように、回収した黄燐の純度は99.94%と高く、工業原料として十分に利用可能な品質であることが確認された。
【0061】
(比較例)
フィルタ部27を設けなかったこと以外は上記実施例と同様の条件下で下水汚泥焼却灰から黄燐を回収した。その結果、上記実施例とほぼ同量の約70kgの黄燐を回収することができた。しかしながら、上記実施例とは異なり、凝縮器20の底部に沈降した液状黄燐層の上部に、ダストと黄燐とを含有するスラッジ層が形成された。生成したスラッジは約10kgであり、スラッジには21重量%の黄燐が含有されていた。
【0062】
次に、回収した黄燐の成分を分析した。その結果を下記表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
上記表3に示すように、回収した黄燐の純度は99.90%であり、工業原料として利用可能な品質であったが、上記実施例に比べて低純度であった。また、回収した黄燐には浮遊ダストが多く存在し、濾過処理に長時間を要した。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、燐化合物を含有する廃棄物を炭素源とともに還元性雰囲気下で加熱して気化した燐を含む高温ガスを発生させ、フィルタを用いてこの高温ガスから固形分を除去した後に、高温ガスから燐が黄燐或いは燐化合物として回収される。そのため、回収される黄燐或いは燐化合物中への固形分の混入が防止され、且つ高温ガスからの黄燐或いは燐化合物の回収工程におけるスラッジの発生が抑制される。
【0066】
したがって、本発明によると、燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐或いは燐化合物を高い純度で回収することを可能とする設備及び方法が提供される。また、本発明によると、燐や燐化合物を含有する廃棄物から燐或いは燐化合物を、スラッジを殆ど発生することなく回収することを可能とする設備及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る廃棄物から燐を回収する設備を概略的に示す図。
【符号の説明】
1…溶融炉 ; 2…電極 ; 3…電極昇降装置 ; 4…電源
5…スラグ排出口 ; 6…メタル排出口 ; 7…ガス排出口
10…除塵器 ; 11…燃焼室 ; 12…吸収塔 ; 13…燐酸貯槽
14…ミスト捕集器 ; 15…ガス洗浄塔 ; 20…凝縮器
21…燐貯槽 ; 22…燃焼塔 ; 25…供給部
27…フィルタ部 ; 40…混合物 ; 41…溶融スラグ
42…溶融メタル
Claims (14)
- 燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを還元性雰囲気下で加熱することにより気化された燐を含む高温ガスを発生させる加熱炉、
前記高温ガスから前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する燐回収手段、
前記加熱炉と前記燐回収手段との間に設けられ、前記加熱炉で発生した高温ガスから固形分を除去するフィルタ、及び
前記フィルタを加熱するフィルタ加熱手段を具備することを特徴とする廃棄物から燐を回収する設備。 - 前記加熱炉に前記廃棄物を供給する廃棄物供給手段、及び
前記加熱炉に前記炭素源を供給する炭素源供給手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物から燐を回収する設備。 - 前記燐回収手段は、前記高温ガスを凝縮することにより前記気化された燐を黄燐に転化する凝縮器を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物から燐を回収する設備。
- 前記燐回収手段は、前記高温ガスと酸素を含むガスとを混合して前記気化された燐を五酸化燐に転化する五酸化燐生成手段と、前記高温ガスと酸素を含むガスとを混合してなる混合ガスを水と接触させることにより前記混合ガスに含まれる五酸化燐を前記水に溶解させて燐酸水溶液を生成する燐酸生成手段とを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物から燐を回収する設備。
- 前記加熱炉と前記フィルタとの間に、前記加熱炉で発生した高温ガスから前記固形分の一部を電気集塵により除去する集塵機をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する設備。
- 前記フィルタの少なくとも一部は通電することにより発熱する抵抗材料からなり、前記フィルタの加熱は、前記フィルタの少なくとも一部に通電することにより行われることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する設備。
- 前記フィルタに、不活性ガス及び還元性ガスの少なくとも一方のガスを送り込むことにより前記フィルタを洗浄する洗浄手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する設備。
- 燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを還元性雰囲気中で加熱して、気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、
前記高温ガスをフィルタに通過させ、前記高温ガスから前記高温ガスに含まれる固形分をフィルタにより除去する工程、及び
前記固形分を除去された高温ガスから、前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を具備し、
前記固形分をフィルタにより除去する工程は、前記フィルタ中で前記高温ガスの温度が280℃以上となるように行うことを特徴とする廃棄物から燐を回収する方法。 - 燐或いは燐化合物を含有する廃棄物と炭素源とを還元性雰囲気中で加熱して、気化された燐を含有する高温ガスを発生させる工程、
前記高温ガスをフィルタに通過させ、前記高温ガスから前記高温ガスに含まれる固形分をフィルタにより除去する工程、及び
前記固形分を除去された高温ガスから、前記気化された燐を黄燐或いは燐化合物として回収する工程を具備し、
前記固形分をフィルタにより除去する工程は、前記フィルタを加熱しつつ行うことを特徴とする廃棄物から燐を回収する方法。 - 前記フィルタの少なくとも一部は通電することにより発熱する抵抗材料からなり、前記フィルタの加熱は、前記フィルタの少なくとも一部に通電することにより行われることを特徴とする請求項9に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
- 前記高温ガスから燐を回収する工程は、前記高温ガスを凝縮することにより前記気化された燐を黄燐に転化することを含むことを特徴とする請求項8〜請求 項10のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
- 前記高温ガスから燐を回収する工程は、
前記高温ガスと酸素を含むガスとを混合して前記気化された燐を五酸化燐に転化すること、及び
前記高温ガスと酸素を含むガスとを混合してなる混合ガスを水と接触させることにより前記混合ガスに含まれる五酸化燐を前記水に溶解させて燐酸水溶液を生成することを含むことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する方法。 - 前記固形分をフィルタにより除去する工程の前に、前記高温ガスから前記固形分の一部を電気集塵により除去する工程をさらに具備することを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
- 前記固形分の除去に使用したフィルタを、不活性ガス及び還元性ガスの少なくとも一方のガスを用いて洗浄する工程をさらに具備することを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれか1項に記載の廃棄物から燐を回収する方法。
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