JP3618200B2 - セラミック基板および電子回路装置の製造方法 - Google Patents

セラミック基板および電子回路装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックで構成される高密度回路基板を製造するセラミック基板の製造方法およびセラミック基板に半導体デバイス等の電子回路素子を実装した電子回路装置を製造する電子回路装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来の電子回路装置の製造方法を示した図である。図14(a)に示すステップにおいて、多数個取りの生セラミック基板1はポンチ2により穴70があけられる。次に、図14(b)に示すステップにおいて、ポンチ2によりあけられた穴70に上下を電気的に接続するための導体4が埋め込まれる。続いて、図14(c)に示すステップにおいて、表面に平面方向の配線材料5が印刷される。このようにして作られた各層の生セラミックは、図14(d)に示すステップにおいて、数枚ないし数十枚重ねられ、加圧されて積層体6’となる。次に、図14(e)に示すステップにおいて、積層体6’を炉に入れて焼成することにより、硬い焼成セラミック7’が製作されることになる。次に、図14(f)に示すステップにおいて、焼成セラミック7’は必要な分割を行うため切断台8にワックスで接着される。次に、図14(g)に示すステップにおいて、切断台8にワックスで接着された焼成セラミック7’に対して、研削液(図示せず)を流しながらダイヤモンド・ブレード(図示せず)でダイシングされて、各個別の焼成セラミック基板9’に分割される。次に、図14(h)に示すステップにおいて、ワックスを暖めて個別セラミック9’を取り外す。次に、図14(i)に示すステップにおいて、付着したワックス10を洗浄することによって個別の焼成セラミック基板9’を得ることができる。
【0003】
最後に、図14(j)に示すステップにおいて、個別に得られた焼成セラミック基板9’上にLSIチップ11を装着することによって、電子回路装置を製造することができた。
また、ダイシングに代るセラミックの割断については、従来技術として
(1)「レーザ割断」沖山俊裕 精密工学会会誌Vol60,No.2,1994,P196〜199
(2)特開平3−489号公報
(3)特開平4−167985号公報
(4)特開平4−37492号公報
などが知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、生セラミックの穴あけは機械的な運動速度によりスピードを制限され、また0.1mmより穴径が小さくなると、ポンチ加工が困難になる等の課題を有していた。また、焼成後のセラミックの分割については、ダイヤモンドブレードを高速回転させて研削液で冷やしながら切断するため、ウェット加工となり、速度も遅く、ブレードの摩耗も激しい等の問題があった。また切断幅が必要であるという課題もあった。また、取付のために用いたワックスは十分洗浄除去する必要があり、ここでもウェットプロセスが不可欠となり、大きな工数と洗浄装置と洗浄のための多くの水が必要であった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、生セラミックに対して、約0.1mmより小さく、導体の充填性を向上させた穴あけを可能にして実装密度の向上を図り、しかもドライプロセスでLSIチップを実装可能な分割された焼成セラミック基板を製造して工程減少、および工数低減を図ったセラミック基板およびLSIチップを実装した電子回路装置の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、生セラミックに対して、約0.1mmより小さく、導体の充填性を向上させた穴あけを可能にして実装密度の向上を図り、しかもドライプロセスでLSIチップを実装可能な分割された焼成セラミック基板をスルーホール導体や配線に対してダメージをおよぼすことなく製造して工数低減を図ると共に信頼性を有するセラミック基板を高歩留まりで製造することができるようにしたセラミック基板およびLSIチップを実装した電子回路装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、生セラミックに対してレーザ光を照射して除去に基づく穴あけ加工を行う穴あけ工程と、該穴あけ工程によって生セラミックに対して穴あけされた穴へ導体を充填する導体充填工程と、前記生セラミックの平面に所望の配線導体を印刷等によって形成する配線導体形成工程と、前記導体充填工程および配線導体形成工程で導体が形成された生セラミックを積層加圧する積層工程と、該積層工程で積層加圧された積層体を焼成して焼成セラミック基板を得る焼成工程と、該焼成工程で焼成された焼成セラミック基板に対して分割すべき割断線に沿ってデフォーカス状態でレーザ光を照射して加熱応力を発生させて割断する割断工程とを有することを特徴とするセラミック基板の製造方法である。
また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における穴あけ工程において、一つの穴あけ加工を、レーザスポットを円周状に複数回照射することにより行うことを特徴とする。また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における穴あけ工程において、加工穴からのレーザ光の透過光または加工穴の画像をモニタして不完全な穴であるか否かを判別記憶し、不完全な穴のみにレーザ光を再度照射して再加工することを特徴とする。また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法において、焼成工程の前に、積層体の裏面に、割断工程における割断を誘起する溝を少なくとも割断線の端部に形成する溝形成工程を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における割断工程において、少なくとも焼成セラミック基板の側面における割断線に対して機械的な応力を付与することを特徴とする。また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における割断工程において、少なくとも焼成セラミック基板の側面における割断線に対して熱的な応力を付与することを特徴とする。
また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における割断工程において、少なくとも焼成セラミック基板の側面における割断線に対して加工を施すことを特徴とする。また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における穴あけ工程において、レーザ光として、QスイッチYAGレーザ光源から得られるパルスレーザ光を用いることを特徴とする。また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における割断工程において、レーザ光として、遠赤外レーザ光を用いることを特徴とする。また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における割断工程において、レーザ光として、COレーザ光を用いることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記セラミック基板の製造方法における穴あけ工程において、高速化するために、レーザ光をX、Y両軸に走査できる一組のガルバノミラーで走査回転させて穴をあける方式とした。
また、本発明は、生セラミックに対してレーザ光を照射して除去に基づく穴あけ加工を行う穴あけ工程と、該穴あけ工程によって生セラミックに対して穴あけされた穴へ導体を充填する導体充填工程と、前記生セラミックの平面に所望の配線導体を印刷等によって形成する配線導体形成工程と、前記導体充填工程および配線導体形成工程で導体が形成された生セラミックを積層加圧する積層工程と、該積層工程で積層加圧された積層体を焼成して焼成セラミック基板を得る焼成工程と、該焼成工程で焼成された焼成セラミック基板に対して分割すべき割断線に沿ってデフォーカス状態でレーザ光を照射して加熱応力を発生させて割断する割断工程と、該割断工程によって割断された個別セラミック基板上にLSIチップを実装する実装工程とを有することを特徴とする電子回路装置の製造方法である。
【0009】
以上説明したように、前記構成によれば、生セラミックに対して、約0.1mmより小さく、導体の充填性を向上させた穴あけを可能にして実装密度の向上を図り、しかもドライプロセスでLSIチップを実装可能な分割された焼成セラミック基板を製造して工程減少および工数低減を図ることが可能となる。
また、前記構成によれば、生セラミックに対して、約0.1mmより小さく、導体の充填性を向上させた穴あけを可能にして実装密度の向上を図り、しかもドライプロセスでLSIチップを実装可能な分割された焼成セラミック基板をスルーホール導体や配線に対してダメージをおよぼすことなく製造して工程減少および工数低減を図ると共に信頼性を有するセラミック基板およびLSIチップを実装した電子回路装置を高歩留まりで製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るセラミック基板および電子回路装置の製造方法についての実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る電子回路装置の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
電子回路装置は、図1(i)に示すように、焼成され、分割されたセラミック基板9上にLSIチップ11を実装することによって構成される。
まず、図1(a)には、レーザ光21による多数個どりの生セラミック基板へのスルーホール穴あけ工程を示す。該工程では、対物レンズ36で集光されるレーザ光21により、生セラミック基板1に次々と穴3があけられていく。即ち、図2に示すレーザ穴あけ加工装置によって、生セラミック基板1に次々と穴あけ加工が行われる。そして、穴が通ったかどうかは、下部に設けた光検知器37でモニターすることにより制御装置41内のCPUにおいて検出確認され、不十分なものは番地が記憶され、生セラミック基板1上におけるある領域について穴加工が終わった後、または生セラミック基板1上において最終穴加工が終わった後、再度穴が不十分なものだけ追加工を行い、目づまり穴をなくす。
【0011】
次に、図1(b)には、スルーホール穴への導通材料埋込工程を示す。該工程では、上下を電気的に接続するためのW等の導体4が各穴3に埋め込まれる。
続いて、図1(c)には、生セラミック基板の表面への平面配線印刷工程を示す。該工程では、生セラミック基板1の表面に平面方向の配線材料5が印刷等によって形成される。
次に、図1(d)には、積層工程を示す。該工程では、上記のようにして作られた各層の生セラミックが、数枚ないし数十枚重ねられ、加圧されて積層体6を製作する。
次に、図1(e)には、積層体6の裏面に分割溝22を形成する裏面に分割溝形成工程を示す。該工程では、積層体6を炉に入れて焼成する前に、分割すべき線に沿って積層体6の裏面に溝22を形成する。この溝22を形成するのは、図1(g)に示す分割工程で分割する際、端において真っ直ぐ割れずに跳ね94が生じるのを防止するためである。従って分割する際、端となる部分にのみに溝22を形成しても良い。そして、溝の幅は0.1mm〜1.0mm程度、溝の深さは0.05mm〜0.5mm程度で幅、深さはそれぞれ、積層体6の厚さの10%程度以内くらいが適当である。溝の形成は、金属刃のついたローラーを転がすか、ナイフ状のものを押しつけるか、寸法の決まった量産物の場合は、加圧治具下側に予め溝部のでっぱりをつけた板を取り付けておく等の方法がある。
【0012】
次に、図1(f)には、炉に入れて焼成する焼成工程を示す。該工程では、裏面に分割溝22が形成された積層体6を炉に入れて焼成し、硬い焼成セラミック7を製作する。
続いて、図1(g)には、レーザ加熱応力による個々の焼成セラミック基板に分割する分割工程を示す。該工程では、図6に示すレーザ加熱応力による分割装置によって分割される。即ち、製作された硬い焼成セラミック7を真空吸着台77に固定し、焦点外しでビーム径が広げられた集光レーザ光23を、固定された焼成セラミック7に対して分割線に沿って照射することによって加熱応力が生じて端部から端部へと焼成前につけられた溝に沿って正確に割断が発生し、図1(h)に示すように個別の焼成セラミック基板9が得られることになる。
【0013】
ここではワックス接着を用いていないため、洗浄は不要であり、直ちに、図1(i)に示す実装工程によりLSIチップ11等を装着することが可能となる。
【0014】
次に、図1(a)に示す生セラミック基板へのスルーホール穴あけ工程で用いられるレーザ穴あけ加工装置の実施例について図2〜図5を用いて説明する。図2は、本発明に係るレーザ穴あけ加工装置の一実施例を示す構成図である。多数個どりの生セラミック基板1は、X,Y軸方向に所定の間隔でステップアンドリピートされるステージ38上に載置される。QスイッチYAGレーザ発振器等から構成されるレーザ発振器31から出た高出力の数〜数10W程度で30〜200ns程度のパルス幅を有する数〜数10kHz程度のパルスレーザ光21は、光軸アライメント用の2枚のあおりミラー32、33を通り、レーザ光走査用のガルバノミラー32、35で1つの穴に対して数〜数10パルス/1穴について円状の光走査されながら集光レンズ36で絞られて生セラミック1に照射され、一つずつの穴あけ(穴径が0.1mm程度以下)が、所望のピッチで繰返して行われる。これにより、1秒当り、100〜300程度の穴3をあけることが可能となる。この時、一つの穴が十分あいたかどうかをレーザ光の透過光量を裏面で光検知器37でモニターすることにより知り、制御部4に入力して光量が十分透過してこなかった穴については未貫通穴メモリ42に記憶しておく。生セラミック基板1上におけるある領域について穴加工が終わった後、または生セラミック基板1上において最終穴加工が終わった後、未貫通穴メモリ42に蓄えられている未貫通穴の番地を呼び出して再度加工を行う。このようにすることにより目づまり穴を無くする(0とする)ことができる。穴あけ位置はCAD44を制御部41につないでおくことにより、制御部41からレーザ光走査用のガルバノミラー32、35への制御とステージ38への制御とにより、任意の穴位置を自由に加工することができる。39は、レーザ光21が照射される位置を観察するTVカメラ等の撮像装置を有する観察光学系で、ミラー32、33等の調整に用いられる。即ち、撮像装置を有する観察光学系39で観察されるレーザ光21が光軸に位置するように、ミラー32、33が調整される。また、観察光学系39は、ステージ38の位置決めに使用される。また、光検知器37は、複数の穴の各々について、レーザ光走査用のガルバノミラー32、35で走査されて透過したレーザ光量を検知できる視野をもっているものとする。これは、パルスレーザ光21をレーザ光走査用のガルバノミラー32、35で走査して、生セラミック基板1上に、所望のピッチで複数の穴を加工するためである。
【0015】
図3は穴あけの際のレーザ光の照射方法を示した図である。図3(c)に示すように、QスイッチYAGレーザ(波長は1.06μm程度の近赤外光)から出射されたパルスレーザ集束光46(数〜数10mJ/パルス)を、レーザ光走査用のガルバノミラー32、35への制御部41からの制御によって穴中心を中心にして回転させるように数回ないし数十回照射し、その軌跡を図3(b)に示すように47のようにすることにより、図3(a)に示すように生セラミック基板1に対して良好な穴3を2次元的に所望のピッチで形成することができる。
【0016】
図4は本発明に係る目づまり無し(0)穴加工のシーケンスを示した図である。図4(a)は、穴加工のシーケンスに係る概略構成を示し、図4(b)は穴加工のシーケンスを示すフロー図である。ステップ51は、対物レンズ36で集光されたパルスレーザ光21は生セラミック基板1に穴をあけ、穴があいていく工程を示す。ステップ52は、ステップ51で穴加工されて生セラミック基板1を透過したレーザ光を光検知器37で測定する工程を示す。ステップ53は、制御部41において光検知器37で測定された透過光量に基づいて穴の開口度を判定する工程である。ステップ54は、制御部41において判定された穴の開口度に応じて穴明完成(OK)か未完成(不足)かを判断し、未完成(不足)の場合にはステップ55において未貫通穴の番地を未貫通穴メモリ42に記憶する工程である。この未貫通穴の番地(位置座標)は、制御部41において、レーザ光走査用のガルバノミラー32、35への制御信号とステージ38から得られるステージの位置座標とから得ることができる。なお、上記実施の形態では、ステップ52〜53において、加工された穴を通して照射されたレーザ光の透過光量を光検知器37で測定して穴あき状態(目ずまり状態)を制御部41にて認識するように構成したが、生セラミック1の裏面に照明光源を設け、穴あけ加工が施された穴を通しての画像を撮像装置39で撮像し、制御部41において撮像装置39で撮像された加工穴の画像信号から加工穴の面積を算出し、この算出された加工穴の面積によって未完成(不足)であるか否かについて認識判定することが可能である。
【0017】
ステップ56において、生セラミック基板1上におけるある領域について穴加工が終了、または生セラミック基板1上において最終穴加工が終了すると、ステップ57において、制御部41は未貫通穴メモリ42に記憶された未貫通穴の番地(位置座標)を読み出し、この読み出された未貫通穴に対して再度レーザ加工が行われ、ステップ58において透過したレーザ光を光検知器37で測定し、ステップ59において光検知器37で測定された透過光量に基づいて穴の開口度を判定して穴貫通判定が行われる。ステップ60において、制御部41において判定された穴の開口度に応じて穴明完(OK)か未完(不足)かを判断し、未完(不足)の場合にはステップ61において未貫通穴の番地を未貫通穴メモリ42に記憶する。ステップ56において、生セラミック基板1上におけるある領域について穴加工が終了、または生セラミック基板1上において最終穴加工が終了すると、ステップ62において、制御部41は未貫通穴メモリ42に記憶された未貫通穴の番地(位置座標)を読み出し、この読み出された未貫通穴に対して再度レーザ加工が行われる。
【0018】
以上説明したように、繰り返すことにより、ステップ63において未貫通穴が0になるまで続ける。通常は2回目の加工で未貫通穴は0になる。このように、生セラミック1に対してパルスレーザ光を照射して穴あけ加工を行うと、約0.1mm以下の穴径まで高速で加熱蒸発除去加工を行うことができる。
図5は、従来のポンチ穴あけと比べたレーザ穴あけの差を示した断面図である。図5(a)は従来の生セラミック基板1へのポンチ穴あけによるスルーホール70の断面を示し、図5(b)は本発明に係る生セラミック基板1へのレーザ穴あけによるスルーホール3の断面を示す。従来のポンチ穴あけによる生セラミック基板1にあけられた穴70は、機械加工の特徴である直線性がはっきり出ているため、端部の角が鋭く、導体を埋め込む時の充填性が穴が小さくなる程悪くなる。これに対し、本発明に係るレーザ光による生セラミック基板1に対して穴あけを行った場合は加熱蒸発除去加工であるため、図5(b)に示すように端部が少しだれており、これがかえって導体の充填性を良くする効果をもたらすと共に、1秒当り100〜300程度の穴3をあけることができることからして、1分当り5000〜20000個程度の穴あけを穴径を約0.1mm以下にして実現することが可能となる。
【0019】
次に、図1(g)に示すレーザ加熱応力による分割工程で用いられるレーザ加熱割断装置の実施例について図6〜図13を用いて説明する。図6は、本発明に係るレーザ加熱割断装置の一実施例を示す構成図である。レーザ加熱割断装置は、レーザ電源72およびステージ76を制御する制御部71と、レーザ電源72からの制御電源に基づいてON、OFFされる波長が10.6μm程度の遠赤外光を出射するCOガスレーザ光源等から構成されたレーザ光源73と、レーザ光源73から出射された遠赤外レーザ光74を反射するハーフミラー80と、上記遠赤外レーザ光74を集光する集光レンズ75と、焼成セラミック基板7を真空吸着する真空吸着板77を載置し、制御部71からの指令でX、Y軸方向に移動可能に構成されたステージ76と、焼成セラミック基板7上においてレーザ光74がデフォーカス状態で照射された照射部周辺を冷却するための空気またはドライ窒素等を吹き付けるガスノズル79と、該ガスノズル79に空気またはドライ窒素等を供給するガス供給パイプ78と、焼成セラミック基板7上にレーザ光74が照射される位置等を上記ハーフミラー80を通して観察するTVカメラ等の撮像装置を有する観察光学系81とから構成される。
【0020】
そして、制御部71からレーザ電源72に信号が送られ、波長が10.6μm程度の遠赤外光を出射するCOガスレーザ光源等から構成されたレーザ光源73からレーザ光74を出射して集光レンズ75で集光し、焼成セラミック基板7の表面にデフォーカス状態(フォーカス位置から10mm程度離れたデフォーカス状態で6mm程度のスポット)で照射する。そして、この照射状態で、ステージ76を割断溝22に沿って移動させる。セラミック7は真空吸収板77に載せられている。レーザ照射時はガス供給パイプ78からガスノズル79に供給される空気またはドライ窒素等で表面を冷却し、照射部周辺の温度勾配を大きくするように図っている。以上説明したように、焼成セラミック基板7の表面にレーザ光74がデフォーカス状態で照射されることにより加熱応力が生じ、割断されることになる。特にレーザ光74がデフォーカス状態で照射される照射部周辺が冷却されることによって、図7(b)に示すように、92から93と変わって大きな温度勾配が付いて大きな加熱応力が割断線に沿って集中し、割断線に沿った正確な割断を実現することが可能となる。即ち、照射部周辺が空気またはドライ窒素等で冷却されることによって、92から93と斜線分大きな温度勾配が付いて大きな加熱応力が割断線91に沿って集中することになり、割断線に沿った正確な割断を実現することができる。
【0021】
なお、図7(a)に示す如く、割断する焼成セラミック基板7に対してD=6mm程度のスポット光を照射する関係で、割断線の近傍にW等の導体4が埋め込まれたスルーホール3が存在し、この導体4にレーザスポット光がかかってしまったとしても、この導体4が蒸発してしまわないように、この導体およびセラミックに対して同じような吸収特性を有する波長が10.6μm程度の遠赤外光を出射する例えばCOガスレーザ光を用いることが必要となる。
仮に、割断にYAGレーザ光を用いると、デフォーカス状態のレーザスポット光が導体4にかかると、吸収特性がよいことにより、導体4が爆発的に蒸発してしまい、割断によって上下を接続している導体4をなくしてしまうことになる。従って、遠赤外光を出射する例えばCOガスレーザ光を用いることが望まれる。
【0022】
また、分割される割断線の端部においては、加熱応力が逃げてしまうことにより、図8に示すように、レーザ光が照射された割断線91に沿って割れずに、任意の方向に割れて跳ね94が生じることになる。そこで、分割される割断線91の端部において生じる跳ね94を防止するために、次に説明するような対策を施す必要がある。
即ち、図1(e)に示すように、積層体6の裏面に分割溝22を形成することによって、特に割断線の端部において分割溝22に沿って割断することが可能となり、図8に示すように、割断線91の端部において跳ね94が生じるのを防止することが可能となる。
次に、跳ね94を防止するための他の実施例について、図9〜図13を用いて説明する。図9〜図11の各々は、焼成セラミック基板7の側面と割断線の交わる点を、バネ等で押して割断線に対し対称応力をかけることにより、より精度よく端部まで正確な割断をさせようとした実施例である。図9は、先端を尖らせたウェッジ治具81をバネ82で加圧する実施例を示す。図10は、先端を尖らせたウェッジ治具81をピエゾ素子83で加圧する実施例を示す。また、図11は、何らかの加圧手段で加圧される先端を尖らせたウェッジ治具81の先端を高温にする加熱手段84を設けた実施例を示す。図11(a)に示す実施例では、図11(b)に示す如く、割断線の端部において加圧と加熱の両効果で対称応力を受けることになり、正確な割断を導くことが可能となる。
【0023】
また、図12は、ウェッジで応力をかける代わりに、波長が10.6μm程度の遠赤外光を出射するCOガスレーザ光源等から構成されたレーザ光源73から出射されるレーザ光のビーム径をビーム径拡大光学系で拡大し、それを複数のスリット状の矩形開口101を通して複数の矩形ビーム102を形成し、各矩形ビーム102をシリンドリカルレンズ103で線状ビーム104に集光してデフォーカス状態で割断線91の端部側面を加熱して、対称熱応力分布を発生させる実施例を示す。即ち、図12(a)に示すように割断線91の端部側面に線状ビーム104をデフォーカス状態で照射して加熱し、図12(b)に示すように対.称熱応力分布を発生させることによって、跳ねが生じることなく、正確な割断を導くことが可能となる。
また、図13は、割断線の端部側面に予め予備加工を施しておき正確な割断を得る実施例を示す。予備加工としては、金属刃のついたローラーを転がすか、ナイフ状のものを押しつけるか、またはレーザ光を照射して溝加工を施すことによって可能となる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、生セラミックに対して、約0.1mmより小さく、導体の充填性を向上させた穴あけを可能にして実装密度の向上を図り、しかもドライプロセスでLSIチップを実装可能な分割された焼成セラミック基板を製造して工程減少、および工数低減を図ると共に生産のドライ化による省資源、および省エネルギーを図ることができる効果を奏する。
また、本発明によれば、生セラミックに対して、約0.1mmより小さく、導体の充填性を向上させた穴あけを可能にして実装密度の向上を図り、しかもドライプロセスでLSIチップを実装可能な分割された焼成セラミック基板をスルーホール導体や配線に対してダメージをおよぼすことなく製造して工程減少、および工数低減を図ると共に信頼性を有する電子回路装置を高歩留まりで製造することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子回路装置の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図2】本発明に係る生セラミック穴あけ工程に用いるレーザ穴あけ加工装置の一実施例を示す構成図である。
【図3】本発明に係る生セラミック穴あけの際におけるレーザ光照射方法を説明するための図である。
【図4】本発明に係る生セラミック穴あけの目づまり無し(0)を実現したシーケンスを示した図である。
【図5】本発明の穴あけと従来のポンチ穴あけとの比較断面図である。
【図6】本発明に係る焼成セラミック割断に用いるレーザ加熱割断装置の一実施例を示す構成図である。
【図7】図6に示すレーザ加熱割断装置において、レーザ光が照射される照射部周辺を冷却することによって、大きな温度勾配が付いて大きな加熱応力が割断線に沿って集中し、割断線に沿った正確な割断を実現することを説明するための図である。
【図8】割断する際、生じる跳ねを示す図である。
【図9】本発明に係る焼成セラミック割断をより正確に、且つ高精度にするために側面拘束を付与する一実施例を示す図である。
【図10】本発明に係る焼成セラミック割断をより正確に、且つ高精度にするために側面拘束を付与する他の一実施例を示す図である。
【図11】本発明に係る焼成セラミック割断をより正確に、且つ高精度にするために側面拘束および加熱を付与する一実施例を示す図である。
【図12】本発明に係る焼成セラミック割断をより正確に、且つ高精度にするために側面に線状のビームを照射して加熱を付与する一実施例を示す図である。
【図13】本発明に係る焼成セラミック割断をより正確に、且つ高精度にするために側面に予備加工を施す一実施例を示す図である。
【図14】従来の電子回路装置の製造工程の例を示す図である。
【符号の説明】
1…生セラミック基板、3…穴(スルーホール)、4…導体、5…平面方向の配線材料、6…積層体、7…焼成セラミック、9…個別焼成セラミック基板、11…LSIチップ、21…レーザ光、22…溝、23…集光レーザ光、31…レーザ発振器、32…あおりミラー、33…あおりミラー、34…ガルバノミラー、35…ガルバノミラー、36…対物レンズ、37…光検知器、38…ステージ、41…制御部、42…未貫通穴メモリ、46…レーザ集束光、47…軌跡、71…制御部、72…レーザ電源、73…レーザ光源、74…レーザ光、75…集光レンズ、76…ステージ、77…真空吸収板、78…ガス供給パイプ、79…ガスノズル、81…ウェッジ治具、82…バネ、83…ピエゾ素子、84…加熱手段

Claims (11)

  1. 生セラミックに対してレーザスポットを走査して所望の箇所に複数回照射して一つの穴あけ加工を行うことを次々と行う穴あけ工程と、該穴あけ工程によって生セラミックに対して穴あけされた穴へ導体を充填する導体充填工程と、前記生セラミックの平面に所望の配線導体を形成する配線導体形成工程と、前記導体充填工程および配線導体形成工程で導体が形成された生セラミックを積層加圧する積層工程と、該積層工程で積層加圧された積層体を焼成して焼成セラミック基板を得る焼成工程と、該焼成工程で焼成された焼成セラミック基板に対して分割すべき割断線に沿ってデフォーカス状態でレーザ光を照射して加熱応力を発生させて割断する割断工程とを有することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の穴あけ工程において、前記レーザスポットの走査が穴中心を中心として円周状に走査することにより前記一つの穴あけ加工を行うことを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  3. 請求項1記載の穴あけ工程において、加工穴からのレーザ光の透過光または加工穴の画像をモニタして不完全な穴であるか否かを判別記憶し、不完全な穴のみにレーザ光を再度照射して再加工することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  4. 請求項1記載の焼成工程の前に、積層体の裏面に、割断工程における割断を誘起する溝を少なくとも割断線の端部に形成する溝形成工程を有することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  5. 請求項1記載の割断工程において、少なくとも焼成セラミック基板の側面における割断線に対して機械的な応力を付与することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  6. 請求項1記載の割断工程において、少なくとも焼成セラミック基板の側面における割断線に対して熱的な応力を付与することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  7. 請求項1記載の割断工程において、少なくとも焼成セラミック基板の側面における割断線に対して加工を施すことを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  8. 請求項1記載の穴あけ工程において、レーザ光として、QスイッチYAGレーザ光源から得られるパルスレーザ光を用いることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  9. 請求項1記載の割断工程において、レーザ光として、遠赤外レーザ光またはCO レーザ光を用いることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  10. 請求項1記載の割断工程において、さらに、前記焼成セラミック基板に対して前記レーザ光が照射された照射部周辺を冷却することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  11. 生セラミックに対してレーザスポットを走査して所望の箇所に複数回照射して一つの穴あけ加工を行うことを次々と行う穴あけ工程と、該穴あけ工程によって生セラミックに対して穴あけされた穴へ導体を充填する導体充填工程と、前記生セラミックの平面に所望の配線導体を形成する配線導体形成工程と、前記導体充填工程および配線導体形成工程で導体が形成された生セラミックを積層加圧する積層工程と、該積層工程で積層加圧された積層体を焼成して焼成セラミック基板を得る焼成工程と、該焼成工程で焼成された焼成セラミック基板に対して分割すべき割断線に沿ってデフォーカス状態でレーザ光を照射して加熱応力を発生させて割断する割断工程と、該割断工程によって割断された個別セラミック基板上にLSIチップを実装する実装工程とを有することを特徴とする電子回路装置の製造方法。
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