JP3617568B2 - 室温硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿気の作用により容易に硬化する室温硬化性組成物に関するものであり、特に耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性に優れた硬化物を形成し得る硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、密閉下では流動性を有するまま安定に保存されるが、大気中においては湿気の作用により室温で硬化してゴム弾性体となるいわゆる室温硬化性組成物が知られている。この硬化性組成物は、建築産業分野、機械産業分野あるいは電気産業分野においてシリコーン材、コーティング材、接着剤等として広く使用されている。
【0003】
また、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び耐寒性のすべての特性に優れた室温硬化性組成物として、特公平6−23423「室温硬化性組成物」で提案されているが、この硬化物の耐熱性は150℃のレベルである。
【0004】
本発明者らはこの耐熱性レベルをさらに向上させようと鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)の含フッ素有機化合物を含有してなる組成物であれば、200℃で劣化試験をしてもほとんど物性の変化がないことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明によれば、(A)下記一般式(1):
【化2】
【0006】
(式中、aは0以上の整数、bは2または3、
R1およびR3は同一でも異なってもよく、非置換または置換一価炭化水素基、R2は同一でも異なってもよく、アルキレン基、アリーレン基、またはこれら基の水素原子の一部または全部をハロゲンで置換した基、Xは加水分解可能基、Rfは同一でも異なってもよく、二価パーフルオロアルキレン基または二価パーフルオロアルキレンエーテル基、Qは下記式
【化11】
から選ばれる二価の基を示す。)
で表わされる含フッ素有機化合物、
(B)充填材、
(C)縮合硬化触媒
を含有して成る室温硬化性組成物が提供される。
【0007】
ベース成分
本発明の硬化性組成物は、前記一般式(1)で表される含フッ素有機ケイ素化合物をベース成分として有する。即ち、この含フッ素有機ケイ素化合物は、分子鎖の両端に複数の加水分解性の基(アルコキシ基またはアルケニルオキシ基)を有しており、これが大気中の水分と接触することによって加水分解及び縮合を生じてゴム弾性体の硬化物を形成するものである。
【0008】
前記一般式(1)において、非置換または置換一価炭化水素基R1およびR3としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;及びこれらの基の水素原子の一部もしくは全部をハロゲン等で置換した基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等を例示することができる。本発明において、特に好適なR1は、メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0009】
また非置換または置換二価炭化水素基R2としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基等のアリーレン基、及びこれらの基の水素原子の一部もしくは全部をハロゲンで置換した基である。本発明において、特に好適なR2は、エチレン基、プロピレン基である。
【0010】
さらに加水分解可能基としてのXとしてはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、オキシモ基、カルボキシル基、アミノ基等があげられ、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基を、アルケニルオキシ基としては、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基を、オキシモ基としては、メチルエチルオキシモ基、メチルブチルオキシモ基を、カルボキシル基としてはアセトキシ基、オクチロキシ基を、アミノ基としてはジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等を例示することができる。
【0011】
含フッ素基Rfは、二価パーフルオロアルキレン基または二価パーフルオロアルキルエーテル基である。この二価パーフルオロアルキレン基としては、炭素数が4〜8のものが好適であり、特に好適なものは、−C4F 8 −,−C6F12−である。また二価パーフルオロアルキルエーテル基としては、炭素数が6〜100のものが好適であり、特に好適なものは、以下の通りである。
【0012】
【化3】
【0013】
また、Qは下記の基から選択される。
【化4】
【0014】
さらに一般式(1)中、aは0以上の数であり、好ましくはこの含フッ素有機ケイ素化合物の25℃における粘度が25〜500,000cSt、特に1,000〜100,000cStの範囲となるような数である。この粘度が25cStよりも低いと、得られる硬化物は機械的強度等の特性が不満足なものとなりやすく、また500,000cStよりも高いと、組成物の作業性が低下する傾向にある。
またbは分子鎖両端の官能基の数であり、この含フッ素有機ケイ素化合物が適当な室温硬化性を示すためには、このbは2または3であることが必要である。
【0015】
その他の成分
本発明の硬化性組成物においては、補強、増量等のために、ベース成分である上記含フッ素有機ケイ素化合物に、該化合物100重量部当たり500重量部以下、好ましくは10〜100重量部の量で充填材を配合することができる。この充填材としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイトおよびベントナイトなどの補強剤、アスベスト、ガラス繊維および有機繊維などの繊維質充填材等を例示することができる。
【0016】
また有機錫化合物、有機チタン化合物等の縮合硬化触媒;及び必要によりメタクリル酸カリウムなどの耐油性向上剤;着色剤;ベンガラおよび酸化セリウムなどの耐熱性向上剤;耐寒性向上剤;ポリエーテルなどのチクソトロピー剤;脱水剤;γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの接着性向上剤;などを添加してもよく、これらは、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び耐寒性の全てに優れた硬化物を形成するという本発明の目的が損なわれない程度の量で目的に応じて使用される。
【0017】
硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は上記した各成分の所定量を、乾燥雰囲気中で均一に混合することにより一液型の室温硬化性組成物として調製される。
この硬化性組成物は、これを空気中に暴露すると空気中の湿分によって加水分解−縮合による架橋反応が進行し、ゴム弾性体の硬化物を形成する。得られる硬化物は、組成物中のベース成分である含フッ素有機ケイ素化合物のフッ素含有率が極めて高いことに関連して、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び耐寒性の何れの特性にも優れている。
【0018】
この硬化性組成物は、建築、土木産業におけるシーリング材、コーティング材として適しているほか、電気、電子部品の接着、シール材および自動車産業におけるFIPG材料としても非常に有用なものである。
【0019】
【実施例】
つぎに本発明の実施例をあげるが、例中の粘度はいずれも25℃での測定値を示したものである。
【0020】
実施例1
下記式(2):
【化5】
【0021】
で示される分子鎖両末端がトリメトキシシリル基で封鎖された、粘度が9,700cStの直鎖状化合物100g、沈降性シリカ25g、煙霧質シリカ4g、ビニルトリメトキシシラン3g、ジブチルスズジラウレート0.2gを無水の状態で混合して室温硬化性組成物を調整した。この組成物を厚さ2mmのシートになる様に型に流し込み、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で10日間放置したところ、このシートは硬化してゴム弾性体となった。
このゴム物性をJIS−K−6301の方法に準じて測定したところ、表1に示した結果が得られた。
【0022】
実施例2
下記式(3):
【化6】
【0023】
で示される分子鎖両末端がジアセトキシシリル基で封鎖された、粘度が18,700cStの直鎖状化合物100g、煙霧質シリカ15g、メチルトリアセトキシシラン3g、ジブチルスズジメトキサイド0.1gを無水状態で混合して室温硬化性組成物を調整した。この組成物を実施例1と同様な方法により硬化させたところゴム弾性体が得られた。実施例1と同様に、このゴム弾性体の物性を測定したところ、表1に示した結果が得られた。
【0024】
実施例3
下記式(4):
【化7】
【0025】
で示される分子鎖両末端がジイソプロペノキシ基で封鎖された、粘度が9,700cStの直鎖状化合物100g、煙霧質シリカ10g、アセチレンブラックカーボン1g、ビニルトリイソプロペノキシシラン3g、ジブチルスズジメトキサイド0.1g及び下記式(5)で示される化合物0.5gを無水の状態で混合して室温硬化性組成物を調整した。
【化8】
この組成物を実施例1と同様な方法により硬化させたところゴム弾性体が得られた。実施例1と同様にこのゴム弾性体の物性を測定したところ、表1に示した結果が得られた。
【0026】
比較例1
下記式(6):
【化9】
(m,nは実施例1と同じ)
【0027】
で示される分子鎖両末端がトリメトキシシリル基で封鎖された、粘度が13,200cStの直鎖状化合物100gを実施例1の式(2)で示される化合物の代りに使用する以外は、実施例1と同様の処方により室温硬化性組成物を調整した。
この組成物を実施例1と同様な方法により硬化させたところゴム弾性体が得られた。実施例1と同様にゴム弾性体の物性を測定したところ、表1に示した結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例4
実施例1及び比較例1から得られたゴム弾性体の耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性を測定した結果をそれぞれ表2、表3、表4に示す。
【0030】
【表2】
試験条件:230℃で120時間の劣化後、表2の結果より、窒素上の置換基が水素原子のとき(比較例1)に比べて本発明の実施例は耐熱性に優れることがわかる。
【0031】
【表3】
試験条件:25℃の各溶剤に7日間、ゴム弾性体を浸漬した時の体積変化率で評価した。比較のため用いたフッ素ゴムはデュポン社製バイトンE−60C
【0032】
【表4】
試験条件:2℃の各薬液に7日間、ゴム弾性体を浸漬した時の体積変化率で評価した。比較のため用いたシリコーンゴムは信越化学工業(株)製KE−951
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