JP3613681B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の制御装置に関し、特に排気を浄化する触媒を排気系統に備えている内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンなどの内燃機関は、燃料を燃焼させて動力を出力するので、不可避的に排気が生じるが、地球環境の保全などの観点から、内燃機関から生じる排気を可及的に清浄化することが求められている。内燃機関の排気に含まれる汚染物質の一例が、窒素酸化物(NOx )であり、その排出量を低減することが求められている。
【0003】
NOx は、燃料の燃焼条件が、比較的高温でかつ酸化雰囲気の場合に生じやすく、したがって内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との割合すなわち空燃比が理論空燃比(14.5)より大きくかつ理論空燃比に近い値(16〜17)の場合に生じやすい。そのため、NOx の排出量を低減するためには、空燃比をこの値より小さくまたは大きくすればよいが、空燃比を低下させると、燃料の供給量が増大するので、燃費が悪化してしまう。また、大きくすれば、その程度により燃焼不安定になり燃費が悪化してしまう。このように、燃費特性とNOx 排出特性とは相反する関係にあり、一方の特性を向上させると、他方の特性が悪化する。
【0004】
そこで従来、内燃機関の出力側に無段変速機を連結することにより、内燃機関の回転数をある程度任意に制御できることに着目し、燃費特性とNOx 排出特性とを両立させることが試みられている。その一例が特開平4−255541号公報に記載されている。この公報に記載された装置は、空燃比を理論空燃比あるいはそれよりリッチにした運転状態と、空燃比を理論空燃比より大きくしたリーン運転状態とのそれぞれについて燃費特性とNOx 排出特性とを求めておき、走行状態や要求駆動量などに基づく出力を得る運転状態について、燃費特性およびNOx 排出特性を評価し、これら両方の特性が両立する運転状態を選択するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された制御装置によれば、実際の出力に応じた等出力線上で、リーン運転と理論空燃比運転(ストイキ運転)とのいずれが、燃料消費率とNOx 排出率とを、より良く両立させるかを評価し、評価の良い運転状態を選択することができる。しかしながら、最近では、NOx などの環境の汚染物質の排出規制がますます厳しくなる傾向にあり、上述した公報に記載されているように、運転状態あるいは燃焼状態を変更することよっては、最新の排出規制をクリアーすることが困難になりつつある。このような厳しいNOx の排出規制に適合するために、燃費特性およびNOx 排出特性を両立させるように車両の運転状態を制御するとともに、触媒を使用して、内燃機関の排気を浄化することが試みられている。
【0006】
その触媒として、NOx 吸蔵還元型触媒が知られている。この触媒は、例えば内燃機関が、空燃比の大きいリーン状態で運転されて生じた排ガス中のNOx を硝酸態窒素として吸収し、その吸収量が予め定めた量まで増大した状態で、触媒での反応雰囲気を還元雰囲気とすることにより、吸蔵している硝酸態窒素を還元して窒素ガスとして放出させる。またその場合、発生期の酸素(活性酸素)が生じるので、触媒に付着した煤を酸化させることができる。
【0007】
この種の触媒を使用する場合、NOx の吸蔵量がある程度、増大した時点で、雰囲気を一時的に還元雰囲気とする必要がある。その還元雰囲気とする制御として、燃料やアンモニアなどの還元剤を排気中に供給する方法や内燃機関に対する燃料の供給量を増大させて空燃比を低下させる方法などが知られているが、未反応のアンモニアが車両から排出されることは好ましくないので、通常は還元剤として燃料が使用される。したがって上述したNOx 吸蔵還元型触媒を使用した場合には、吸蔵したNOx を還元して放出するために燃料を消費することになる。
【0008】
このように、NOx 吸蔵還元型触媒を使用した場合、内燃機関で燃焼させる燃料と、NOx の浄化のための燃料とを消費することになるが、従来では、前者の燃料消費量のみを考慮した制御しかおこなわれていないので、燃費の向上を図る点で更に改良する余地があった。また、上記の公報に記載された装置は、等出力線上でのリーン運転とストイキ運転とのいずれかを選択する根拠を与えるものの、NOx などの排気中の汚染物質を除去するために消費される燃料の量をも考慮して最適運転状態を決定するものとはなっていないので、上述したNOx 吸蔵還元型触媒を使用した場合には、必ずしも燃費が最適にはならない可能性があった。
【0009】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、排気の浄化のための還元剤の使用をも含んで燃費を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、排気の浄化のために還元剤を供給する時点における内燃機関で燃焼される混合気の空気過剰率を低下させるように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、内燃機関の出力側に無段変速機が連結されているとともに、空燃比を変更でき、かつ排気中の所定の汚染物質を浄化する触媒が排気系統に設けられた内燃機関の制御装置において、前記触媒を、前記空燃比が理論空燃比より大きい値のとき前記汚染物質を吸蔵し、還元剤の存在の下に前記汚染物質を還元する触媒によって構成し、前記触媒が前記汚染物質を吸蔵する運転状態のとき、前記内燃機関が最適燃費線上の運転点で運転されるよう、前記無段変速機の変速比と前記内燃機関の燃料噴射量とを制御する第1の制御手段と、前記還元剤を供給する時点に前記内燃機関で燃焼される混合気の空気過剰率を低下させる際、その時点の前記内燃機関の出力に一致する等出力線上でかつ前記触媒が前記汚染物質を吸蔵する運転状態の空気過剰率よりも小さい空気過剰率である運転点になるよう、前記無段変速機の変速比と前記内燃機関の燃料噴射量とを制御する第2の制御手段とを、備えていることを特徴とする制御装置である。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記第2の制御手段が、前記空気過剰率を低下させる際、前記内燃機関の回転数が低下するよう、前記無段変速機の変速比を制御するとともに、前記内燃機関の燃料噴射量を増量する手段を含むことを特徴とする制御装置である。さらに、請求項3の発明は、請求項1における前記第1の制御手段が、前記内燃機関の目標出力から最適燃費線上となる目標回転数を求め、前記内燃機関の回転数が目標回転数となるよう前記無段変速機の変速比を制御し、前記目標出力と前記目標回転数から、前記内燃機関のトルクが前記目標トルクとなるよう前記燃料噴射量を求める手段を含むことを特徴とする制御装置である。
【0012】
したがってこの発明においては、内燃機関が混合気を燃焼させることにより生じた排気が、その排気系統に設けられた触媒に供給され、所定の汚染物質が浄化される。具体的には、その汚染物質が触媒に一旦吸蔵され、その後、還元雰囲気で還元されて放出される。その還元雰囲気は、還元剤を供給することにより生じるが、還元剤が供給される時点での空気過剰率が低下させられる。その空気過剰率の低下は、内燃機関に対する燃料供給量の増大を含むが、内燃機関の出力が変化しないように還元剤が供給される。その結果、還元剤が供給された時点での雰囲気は、酸化の程度の低い雰囲気になっているので、排気の浄化のために供給された還元剤が、前記汚染物質を還元する以前に酸化されてしまう事態を防止もしくは抑制することができ、その結果、還元剤の消費を含めて、全体としての燃費を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。この発明で対象とする内燃機関は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する動力装置であり、一例として車両に搭載されて主に走行のための動力源として使用される内燃機関である。図4に直噴式のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンと記す)1を車両の動力源として使用した例を模式的に示している。このエンジン1は、気筒(シリンダ)の内部に燃料を直接噴射する形式の内燃機関であって、高圧での燃料の噴射を可能にするために、コモンレール式の電子制御燃料噴射システム2が備えられている。この電子制御燃料噴射システム2は公知の構造のものを使用することができる。
【0014】
また、図4に示すエンジン1は、排気タービン式の過給機すなわちターボチャージャ3が備えられている。そのコンプレッサー4の吸入口にエアークリーナ5を介装した吸気パイプ6が接続されており、またそのコンプレッサー4の吐出口には吸気温度を下げるためのインタークーラ7を介してインテークマニホールド8が接続されている。
【0015】
また、各シリンダに連通されているエキゾーストマニホールド9が、前記ターボチャージャ3におけるタービン10の流入口に接続されている。さらにそのタービン10における流出口には、排気浄化触媒を備えた触媒コンバータ11が接続されている。この触媒コンバータ11の上流側に、空燃比センサー12と触媒コンバータ11に流入する排気の圧力を検出する圧力センサー13とが配置されている。さらに、触媒温度を検出するための温度センサー14が設けられている。
【0016】
なおここで、排気浄化触媒について説明すると、図4に示す例では、NOx 吸蔵還元型触媒が使用されている。これは、酸化雰囲気において排気中の汚染物質の一つであるNOx を硝酸態窒素の形で吸蔵し、還元雰囲気において、その吸蔵している硝酸態窒素を還元して窒素ガスとして放出する機能を備えている。また、NOx の吸蔵時および還元時に活性酸素を生じるので、その活性酸素および排気中の酸素によって、表面に付着している煤(PM)を酸化して除去する機能を備えている。したがってこの排気浄化触媒の雰囲気を、酸化雰囲気と還元雰囲気とに所定時間ごとに変化させる必要があり、このような雰囲気の変更を、空燃比を空気過剰なリーン空燃比(理論空燃比より大きい空燃比)と燃料の量を相対的に増大させたリッチ空燃比(理論空燃比より小さい空燃比)とに切り換えることにより実行するようになっている。なお、排気浄化触媒から窒素物を放出させるために空燃比をリッチにする制御は一時的で良く、このような空燃比の一時的なリッチ化を「リッチスパイク」と称している。
【0017】
さらに、図4に示すエンジン1は、排気中のNOx を低減するために、排ガス再循環装置が設けられている。すなわち再循環させる排気を冷却するEGRクーラー15および再循環の実行・停止の制御と再循環率(EGR率)を一定に維持する制御とをおこなうEGRバルブ16とを介して、前記エキゾーストマニホールド9とインテークマニホールド8とが接続されている。
【0018】
このエンジン1の出力側に無段変速機(CVT)17が連結されている。この無段変速機17は、要は、変速比を連続的に変化させることのできる変速機であって、ベルト式無段変速機やトラクション式(トロイダル型)無段変速機が採用されている。
【0019】
上記のエンジン1における燃料噴射量やその噴射タイミング、排ガス再循環の実行・停止、スロットルバルブ(図示せず)の開度などを電気的に制御するためのエンジン用電子制御装置(E−ECU)18と、無段変速機17を制御する変速機用電子制御装置(T−ECU)19とが設けられている。これらの電子制御装置18,19は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、アクセル開度などで表される出力要求量や車速、エンジン水温、無段変速機17の油温、前記各センサー12,13,14の検出信号などに基づいて、スロットル開度や燃料噴射量(すなわちエンジン負荷)、あるいは無段変速機17での変速比(すなわちエンジン回転数)などを制御するように構成されている。
【0020】
上記のエンジン1では、各シリンダの内部に燃料を噴射して燃焼させ、それに伴って生じる機械的エネルギを駆動力として出力する。そのために消費される燃料の量は、出力要求量を満たす範囲で可及的に少ない量に制御される。また、シリンダでの燃料の燃焼に伴って生じるNOx などの汚染物質が触媒コンバータ11における触媒で吸蔵され、その吸蔵量が飽和する以前に排気中の燃料の量を増大させて還元雰囲気とし、触媒に吸蔵している硝酸態窒素を還元して窒素ガスとして放出させる。すなわち、排気の浄化のために燃料の供給量を増大させて燃料を消費する。このように、エンジン1の駆動のために燃料を消費するとともに、排気を浄化するため、言い換えれば、大気汚染物質の車両からの排出量を低下させるために燃料を消費する。この場合の燃料が、触媒を還元雰囲気にする還元剤に相当する。
【0021】
上記のエンジン1は、要求駆動量に応じて燃費が最小となるように制御される。その制御の一例を簡単に説明すると、要求駆動量を表すアクセル開度と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力と車速とに基づいて目標出力が求められる。この目標出力に基づいて、一方では、目標エンジン回転数が求められる。これは、例えば、各出力に対して燃費が最小となるエンジン回転数を予め求めたマップを用意しておき、目標出力とそのマップとから目標エンジン回転数を求めることによりおこなえばよい。そして、その目標エンジン回転数を達成するように、上記の無段変速機17の変速比が制御される。
【0022】
他方、上記の目標出力とエンジン回転数とに基づいて目標エンジントルクが求められる。そして、その目標エンジントルクを出力するようにエンジン負荷(具体的にはスロットル開度もしくは燃料噴射量)が制御される。
【0023】
上記のようにして設定されるエンジン回転数およびエンジン負荷で決まる運転点は、燃費が最小となる最適燃費線上での運転点となり、その空燃比(エンジン1で燃焼される混合気の燃料量と空気量との比率)は、理論空燃比より大きい値となる。すなわち空気が過剰な混合気となる。したがって通常の走行時には、エンジン1をこの最適燃費線上の運転点で運転するので、通常の走行時の空燃比は理論空燃比より希薄な(リーンな)空燃比となる。
【0024】
エンジン1における燃料の燃焼に伴ってNOx が発生し、そのNOx は排気系統に設けられている前述した吸蔵還元型触媒によって吸蔵される。エンジン1の運転が継続することにより、その触媒によるNOx の吸蔵量が増大するので、所定時間ごとに還元剤を供給して還元雰囲気とすることにより、すなわちリッチスパイクを実行することにより、触媒に吸蔵されている硝酸態窒素を還元して窒素ガスとし、外気に放出する。このリッチスパイクは、例えば、燃料噴射時間を積算し、その積算値が予め設定した基準値に達した場合に実行される。その場合、この発明に係る制御装置は、還元剤供給時における混合気の空気過剰率(空燃比)を、通常の走行時とは異ならせるように制御する。その制御例を以下に説明する。
【0025】
図1はその制御例を示すフローチャートであって、所定の短時間Δtごとに実行される。先ず、還元剤供給処理中か否かが判断される(ステップS1)。これは、前述した触媒によるNOx の吸蔵量が所定値に達し、その窒素分を還元して放出させるために還元剤を供給する制御が開始されているか否かの判断であり、前述した燃料噴射時間の積算値やその積算値が基準値に達することにより出力された所定の信号などに基づいて判断することができる。
【0026】
このステップS1で否定的に判断された場合、すなわち還元剤の供給処理中ではない場合、通常のエンジン目標回転数が設定され(ステップS2)、また通常のエンジン負荷が設定される(ステップS3)。このステップS2およびステップS3の制御は、上述した最適燃費線上での運転点でのエンジン1の運転をおこなうための制御であり、要求駆動量を表すアクセル開度や、その時点の車速、マップ、エンジン回転数などに基づいて電子制御装置18,19で演算されて実行される。
【0027】
これに対してステップS1で肯定的に判断された場合、すなわち還元剤の供給処理中であることが判断された場合には、還元剤投入時の目標エンジン回転数が設定される(ステップS4)。また同時に、還元剤投入時の目標エンジン負荷が設定される(ステップS5)。このステップS4およびステップS5の制御は、還元剤供給処理の判断が成立した時点のエンジン出力を変化させないで、混合気の空気過剰率を低下させる制御であり、具体的には、その時点のエンジン出力に一致する等出力線に、通常の運転時の空気過剰率に一致する等空気過剰率線よりも小さい等空気過剰率線(理論空燃比以上の空燃比に相当する空気過剰率線)が交差する点として求まる運転点となるように目標エンジン回転数および目標エンジン負荷が設定される。
【0028】
これを図に示せば、図2のとおりである。図2において、還元剤の供給処理の判断が成立するまでの通常の運転時には、最適燃費線上の運転点(A点)で運転されている。その状態で還元剤の供給処理の判断が成立すると、A点の属する等出力線上で空気過剰率の小さい運転点(B点)が運転点として設定され、そのB点に対応するエンジン回転数となり、かつエンジントルクとなるように制御される。その場合のエンジン回転数の制御は、具体的には、前述した無段変速機17の変速比を制御することにより実行される。また、エンジントルクは、スロットル開度もしくは燃料噴射量を制御することにより制御される。
【0029】
このような制御は、最適燃費線上の通常の各運転状態に対して実行され、したがって還元剤投入時の作動線(運転点を結んだ線)は、図2に示すように、最適燃費線より高負荷側にほぼ平行に画いた線となる。なお、上記のB点あるいは還元剤投入時の作動線は、実験などに基づいて予め設定されている運転点もしくは作動線である。
【0030】
上記のステップS4およびステップS5の制御が実行された状態、すなわち混合気の空気過剰率を低下させて空燃比を理論空燃比に近づけた状態で、還元剤の供給が実行される。その還元剤の供給の一例が、前述したリッチスパイクであり、空燃比が理論空燃比より小さい値になる程度に燃料の供給量(噴射量)が一時的に増大させられる。その結果、エンジン1のシリンダから排出される排気中に未燃焼の燃料が残存し、これが前述した触媒に運ばれ、触媒が還元雰囲気におかれる。そのため、触媒に吸蔵されている硝酸態窒素が還元されて窒素ガスとなって放出されるとともに、触媒での吸蔵量が低減する。
【0031】
このリッチスパイクによる還元の過程で、エンジン1での空気過剰率が低下されているので、還元剤として供給された燃料が触媒に到る以前に燃焼してしまう量が少なくなる。すなわち、還元剤として供給された燃料がエンジン負荷の増大として機能することが防止もしくは抑制されるので、エンジン負荷の増大やそれに伴う燃料の消費が防止もしくは抑制されて燃費の悪化が回避もしくは抑制される。また、エンジン負荷が増大する訳ではないので、エンジントルクもしくは駆動トルクが増大してショックや振動などの挙動変化を防止もしくは抑制することができる。
【0032】
また、空気過剰率を低下させることにより、燃焼によって生じた熱を吸収する空気量が少なくなり、また燃料量の相対的な増大によって発熱量が増大するので、触媒温度が高くなる。それに伴って触媒の活性が促進されるので、その場合には、排気の浄化率が向上し、排ガスの排出規制を、よりクリアーし易くなる。
【0033】
上述した制御例では、ステップS2およびステップS3の機能的手段が、この発明の第1の制御手段であり、ステップS4およびステップS5の機能的手段、すなわち変速比を小さくしてエンジン回転数を低下させるとともにエンジン回転数の低下に伴ってエンジン負荷を増大させる手段が、この発明の第2の制御手段となっている。この発明では、これに替えて、他の手段で空気過剰率を低下させることとしてもよい。その例を図3に示してある。
【0034】
この図3に示す例は、通常の運転時に過給をおこなっている場合の例であり、この図3に示すフローチャートは所定の短時間Δtごとに実行される。この図3に示す制御例では、先ず、還元剤の供給処理中か否かが判断される(ステップS11)。これは、上述した図1におけるステップS1と同様の制御である。このステップS11で否定的に判断された場合、すなわち通常の運転状態の場合には、通常の目標過給圧が設定される(ステップS12)。一例として前述した最適燃費線上の運転点に相当する空燃比となるように過給圧が設定される。
【0035】
これに対して還元剤の供給処理中であることによりステップS11で肯定的に判断された場合には、過給圧として還元剤投入時の過給圧が設定される(ステップS13)。これは、例えば図2に示すB点での空燃比を達成する過給圧であり、ステップS11の判断がおこなわれた時点の過給圧に対して低圧の過給圧である。また、その圧力値は、予め定めておくことができる。なお、過給圧は、可変ノズルターボを採用している場合にはそのノズル角度により制御し、またウエストゲートバルブの開閉もしくは開度によって制御すればよい。
【0036】
このように、過給圧を下げて空気過剰率を小さくすれば、上述した図1に示す制御例と同様に、還元剤として供給した燃料が排ガス中の空気と燃焼して消費されてしまうことを防止もしくは抑制でき、その結果、燃料の無駄な消費を防止もしくは抑制して燃費を向上させることができる。また、触媒温度が低い場合には、その温度を高くして排気浄化性能を向上させることができる。
【0037】
なお、上記の各具体例では、エンジン回転数を低下させ、かつエンジン負荷を増大させることにより空気過剰率を低下させ、あるいは過給圧を低下させることにより空気過剰率を低下させるように構成したが、この発明では、これらの手段以外に、例えばエンジンの吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを調整してシリンダの内部に吸入する空気量を少なくすることにより、空気過剰率を低下させるように構成することもできる。また、排気浄化触媒を還元雰囲気とするための還元剤は、混合気の生成のためにシリンダの内部に供給する燃料であってもよく、あるいは排気バルブが開いた状態でシリンダの内部に噴射して排気に混入させる燃料であってもよく、あるいは排気系統のいずれかに直接供給する適宜の還元剤であっもよい。さらに、この発明で対象とするエンジンは、排気で駆動するターボチャージャーに限らず、エンジンもしくはモータで駆動するスーパーチャージャーを備えたエンジンであってもよい。そして、この発明における触媒は上述した吸蔵還元型触媒以外の触媒であっもよく、またその浄化対象物質は、NOx に限定されない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、排気浄化触媒を還元雰囲気とするための還元剤が供給される時点での空気過剰率を、それ以前の通常の運転状態に対して低下させ、特に、内燃機関の出力が変化しないように還元剤を供給するので、排気の浄化のために供給された還元剤が、前記汚染物質を還元する以前に酸化されてしまう事態を防止もしくは抑制することができ、その結果、還元剤の消費を含めて、全体としての燃費を向上させることができる。また、空気過剰率の低下によって触媒の温度上昇を促進することができるので、触媒温度が低い場合には、その活性化を促進して排気の浄化効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置による制御例を示すフローチャートである。
【図2】空気過剰率を低下させた場合の運転点の変化を示す線図である。
【図3】この発明の制御装置による他の制御例を示すフローチャートである。
【図4】この発明で対象とする内燃機関を搭載した車両の動力系統の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、 11…触媒コンバータ、 17…無段変速機、 18…エンジン用電子制御装置、 19…変速機用電子制御装置。

Claims (3)

  1. 内燃機関の出力側に無段変速機が連結されているとともに、空燃比を変更でき、かつ排気中の所定の汚染物質を浄化する触媒が排気系統に設けられた内燃機関の制御装置において、
    前記触媒を、前記空燃比が理論空燃比より大きい値のとき前記汚染物質を吸蔵し、還元剤の存在の下に前記汚染物質を還元する触媒によって構成し、前記触媒が前記汚染物質を吸蔵する運転状態のとき、前記内燃機関が最適燃費線上の運転点で運転されるよう、前記無段変速機の変速比と前記内燃機関の燃料噴射量とを制御する第1の制御手段と、前記還元剤を供給する時点に前記内燃機関で燃焼される混合気の空気過剰率を低下させる際、その時点の前記内燃機関の出力に一致する等出力線上でかつ前記触媒が前記汚染物質を吸蔵する運転状態の空気過剰率よりも小さい空気過剰率である運転点になるよう、前記無段変速機の変速比と前記内燃機関の燃料噴射量とを制御する第2の制御手段とを、備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 記第2の制御手段が、前記空気過剰率を低下させる際、前記内燃機関の回転数が低下するよう、前記無段変速機の変速比を制御するとともに、前記内燃機関の燃料噴射量を増量する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記第1の制御手段が、前記内燃機関の目標出力から最適燃費線上となる目標回転数を求め、前記内燃機関の回転数が目標回転数となるよう前記無段変速機の変速比を制御し、前記目標出力と前記目標回転数から、前記内燃機関のトルクが前記目標トルクとなるよう前記燃料噴射量を求める手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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