JP3613000B2 - 筒内噴射型内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の側極(即ち、二極)を有する点火栓をそなえた、筒内噴射型内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃焼室内に直接燃料を噴射する火花点火式の筒内噴射型内燃機関が開発されているが、この筒内噴射型内燃機関では、圧縮行程を中心とする燃料噴射を用いた層状燃焼により超リーンな空燃比で運転を行なうことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、火花点火式の内燃機関では、点火栓(以下、点火プラグという)が必要であり、通常は図4に示すような一極型のものが用いられている。
火花点火式の筒内噴射型内燃機関の場合も、通常、一極型点火プラグが用いられるが、この場合、機関の運転状態の変化によって、図4に示すように、点火プラグ31Aの中心極32部分にカーボン33が付着するなどしてくすぶり等の着火不良を生じるため、筒内噴射型内燃機関の場合、カーボン付着等のプラグの汚損を回避できるような機関の点火条件範囲(図5参照)内で点火時期制御を行なわなければなない。
【0004】
つまり、プラグの汚損が生じなければ、図5中に破線A1で示すような広い領域(空燃比A/FやEGR率を大きくできる領域)で安定燃焼させることができるが、プラグの汚損が生じると、安定燃焼領域は破線A2で示すように狭まるため、プラグの汚損状況がわからない限り、安定燃焼を確保するには、破線A2で囲む領域内で運転を行なわなくてはならない。
【0005】
したがって、空燃比A/FやEGR率の大きい領域での運転が規制されることになり、空燃比を大きくリーン側に調整した超リーン運転やこのリーン運転時に十分なEGR導入を行なうことができず、十分な燃費向上効果を得ることができない。
一方、点火プラグには、図6に示すように、碍子34の中心軸線(中心極32の軸心線)35を挟んで一対の側極36,37を有する二極型のプラグ(ここでは、二極セミ沿面プラグ)も開発されており、このような二極型の点火プラグ31Bの場合、安定した点火特性を有するため、図5中に実線Bで囲んで示すように、一極型の点火プラグ31Aの場合(破線A2で囲んだ領域を参照)よりも機関の点火条件範囲が広くなって、点火時期制御範囲を拡大することができ、より一層の燃費向上効果を得ることが期待できる。
【0006】
この二極型点火プラグ31Bにより安定した点火特性が得られるのは、自己浄化作用によりプラグの汚損(即ち、極部分へのカーボンの付着)が解消されるためである。この自己浄化作用とは、側極36,37と中心極32との位置関係から、側極36,37と中心極32との間に生じる火花がカーボンの付着し易い中心極32周りに生じるため、中心極32周りのカーボンはこの火花により燃焼して中心極32周りへの付着が防止又は解消される作用である。
【0007】
しかしながら、この自己浄化作用を得るには、点火プラグによる点火エネルギをある程度大きくする必要がある。
ところが、点火プラグによる点火エネルギを大きくすると、図7に示すように、中心極32周りの碍子34表面のうち、側極36,37と中心極32との間の火花39の発生する領域に、火花の点火エネルギにより削られて、溝38が形成されてしまうなど、碍子34の損傷や更には割れなどを招き、火花が十分に飛ばなくなって、点火プラグの耐久性を低下させてしまうという課題がある。
【0008】
なお、点火エネルギを制御する技術として、実開平61−12760号公報に開示されたものがあるが、この技術は、機関の回転数の上昇に伴ってバッテリ電圧が増大し要求される点火エネルギも増大することから、機関の回転数の積算値に応じて点火エネルギを増大させる技術であり、上述の課題を解決しうるものではない。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、自己浄化作用によりプラグの汚損を防止しうる二極型の点火プラグを用いて、機関の点火条件範囲を広げることができるようにしながら、自己浄化作用の副作用的に生じやすい点火プラグの耐久性の低下を低減することができるようにした、筒内噴射型内燃機関を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、発明の筒内噴射型内燃機関は、燃料噴射弁が燃焼室内に直接燃料を噴射し、上記燃焼室内に臨んだ点火栓により噴射された燃料に点火することで燃焼を行なう。この際、点火栓は、碍子の中心軸線を挟んで設けられた一対の側極を有しているため、安定した点火特性となり、可能な点火時期範囲が拡大され、適切な点火時期制御を行なうことができるようになる。
【0011】
また、このような一対の側極を有する点火栓の場合、点火栓の点火エネルギを大きくすると、自己浄化作用が得られる反面碍子の損傷等を招いてしまう。
これに対して、請求項1記載の本発明の筒内噴射型内燃機関では、点火エネルギ制御手段が、機関の空燃比が理論空燃比近傍又は理論空燃比よりもリッチとなる運転領域では、空燃比が理論空燃比よりもリーンとなる運転領域よりも確実な着火性を確保しつつ点火栓の点火エネルギを小さくするので、自己浄化作用を得つつ碍子の損傷等を回避することができる。
しかも、点火エネルギ制御手段では、点火栓の点火エネルギを小さくする制御を、上記特定運転領域において常に行なうのでなく、上記特定運転領域において部分的に行なうので、自己浄化作用を得つつ碍子の損傷等を回避することができる。
らに、請求項記載の本発明の筒内噴射型内燃機関では、点火エネルギ制御手段が、機関の空燃比が理論空燃比近傍又は理論空燃比よりもリッチとなる運転領域では一定時間だけ該空燃比が理論空燃比よりもリーンとなる運転領域よりも上記点火栓の点火エネルギを小さくするので、自己浄化作用を得つつ碍子の損傷等を回避することができる。
上記点火エネルギ制御手段は、上記特定運転領域において上記一定時間だけ上記点火栓の点火エネルギを小さくした後もさらに上記特定運転領域が継続すれば、次の一定時間は上記点火栓の点火エネルギを大きくすることが好ましい[請求項]。
また、上記点火栓は、火花が中心極の周囲の碍子表面を通るように構成されていることが好ましい[請求項]。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図3は本発明の一実施形態としての筒内噴射型内燃機関を示すものである。
本実施形態にかかる火花点火式の筒内噴射型内燃機関(以下、筒内噴射エンジン又は単にエンジンともいう)は、エンジン本体の各シリンダ1A毎に、図1に示すように構成されている。
【0013】
つまり、各シリンダ1Aのピストン1Bの上方に形成される燃焼室1Cには、吸気通路2と連通する吸気ポート2A及び図示しない排気通路と連通する排気ポート3Aが接続されており、吸気ポート2A及び排気ポート3Aには、燃焼室1Cとの間を開閉する吸気弁2B及び排気弁3Bがそなえられている。
特に、吸気ポート2はシリンダ1Aの軸心線(図示略)に沿うように鉛直下方に向けられており、吸気ポート2から燃焼室1C内に流入した吸気は、ピストン1Bの上面に形成される湾曲部1Dに案内され、タンブル流Fを形成しうるようになっている。
【0014】
シリンダ1Aの上側部には燃料噴射弁(インジェクタ)4が、シリンダ1Aの中央上部には点火栓(点火プラグ)5が、いずれも燃焼室1C内に臨むように配設されており、燃焼室1C内に形成された吸気のタンブル流Fにインジェクタ4から燃料を噴射することで混合気をつくり、点火プラグ5によりこの混合気を点火することで燃焼を行なうようになっている。
【0015】
特に、点火プラグ5については、安定した点火特性を有し、自己浄化作用によりプラグの汚損(例えば極部分へのカーボンの付着)が少ないという特性から、前述のような二極型のプラグ31Bが用いられている。つまり、点火プラグ5は、図6に示すように、碍子34の中心軸線(中心極32の軸心線)35を挟んで一対の側極36,37を有する二極型のプラグ(この場合、二極セミ沿面プラグ)である。
【0016】
また、吸気通路2には、上流側から吸気管2C,サージタンク7,吸気マニホールド2Dの順で接続され、サージタンク7の上流には吸気量を制御するスロットルバルブ6がそなえられる。さらに、排気ポート3Aと吸気通路2のサージタンク7直上の吸気管2Cとの間には、排ガス還流通路(EGR通路)8Aと、このEGR通路8Aを開閉する排ガス還流量制御弁(EGR弁)8Bとからなる排ガス還流装置(EGR)8が介設されている。
【0017】
そして、インジェクタ4,点火プラグ5,スロットルバルブ6,EGR弁8Bを制御するために、各種センサ(運転状態検出手段)10と電子制御ユニット(ECU)20とがそなえられている。
本エンジンでは、インジェクタ4から筒内(燃焼室1C内)へ直接燃料を噴射するので、吸気弁2Bの開閉に係わらず自由なタイミングで燃料噴射を行なえる。このため、本エンジンは、燃料噴射モードとして、圧縮行程時に燃料を噴射して層状燃焼を行なう後期リーンモードがあり、この後期リーンモードでは、圧縮行程後期のように極めて点火時期に近い段階でタンブル流Fへ向けて燃料噴射を行ない、しかも燃料を点火プラグの近傍に集め空燃比を部分的リッチにし全体的には大幅にリーンとする層状燃焼によって、着火性,燃焼安定性を確保しつつ最も効率的に節約運転を行なうことができる。
【0018】
主に吸気行程時に燃料を噴射し予混合燃焼を行なうモードとして、前期リーンモード,ストイキオフィードバックモード,オープンループモードがある。
このうち、前期リーンモードでは、後期リーンモードよりも前に燃料噴射を行ない、燃料を予混合して空燃比を全体的には理論空燃比よりもリーンとしながら着火性,燃焼安定性を確保しつつある程度の出力を得ながら、ある程度の節約運転を行なうことができる。
【0019】
ストイキオフィードバックモードでは、空燃比がストイキオ状態を維持するようにO センサの出力に基づいてフィードバック制御することで、図示しない三元触媒等による排ガス浄化作用を発揮させつつ十分なエンジン出力を効率よく得ることができる。
オープンループモードでは、加速時や発進時等に十分な出力が得られるように、空燃比をストイキオ又はリッチにオープンループ制御して燃焼を行なう。
【0020】
本エンジンでは、これらの種々の運転モードから1つのモードを選択して、各モードにおいて燃料噴射制御(即ち、インジェクタ4の噴射制御),点火制御(即ち、点火プラグ5の駆動制御),吸入空気量制御(即ち、スロットルバルブ6の制御),及び排ガス還流量制御(即ち、EGR弁8Bの制御)を行なうようになっている。
【0021】
これらの各制御は、運転状態検出手段10で検出(又は、算出)された運転状態に基づいてECU20を通じて行なわれる。このため、ECU20には、図1に示すように、運転モードを選択するモード選択手段21と、インジェクタ4の駆動を制御する燃料噴射制御手段22と、点火プラグ5の駆動を制御する点火制御手段23と、スロットルバルブ6を制御する吸気制御手段24と、EGR弁8Bを制御する排ガス還流制御手段25とがそなえられている。
【0022】
なお、運転状態検出手段10には、エンジン回転数センサ11,スロットル開度センサ12,アクセルポジションセンサ(APS)13,エアフローセンサ14の他、図示しないOセンサ等が含まれている。また、点火プラグ5等の駆動電源としてのバッテリ(図示略)の電圧を検出するバッテリ電圧センサ15がそなえられている。
【0023】
そして、ECU20には、エンジン回転数センサ11で検出されたエンジン回転数Ne及びアクセルポジションセンサ13で検出されたアクセル開度θの各情報から平均有効圧力Peを算出する有効圧力算出手段(Pe算出手段)27が設けられており、この有効圧力算出手段27で算出された平均有効圧力(エンジン負荷状態)Peがエンジン回転数Neとともにエンジンの運転状態として燃料噴射制御をはじめとしたエンジン制御に用いられるようになっている。
【0024】
モード選択手段21では、エンジンの運転状態、即ち、エンジンの負荷状態Pe,エンジン回転数Neに基づいて、例えば図2のマップに示すような特性でモードを選択するようになっている。つまり、低負荷・低回転領域では後期リーンモードが選択され、これよりも負荷又は回転数が増加するのに応じて前期リーンモード,ストイキオフィードバックモード,オープンループモードの順に選択されるようになっている。なお、図2では、後期リーンモードと前期リーンモードとの境界、及び、ストイキオフィードバックモードとオープンループモードとの境界は、一点鎖線で、前期リーンモードとストイキオフィードバックモードとの境界は、実線で、それぞれ示している。
【0025】
燃料噴射制御手段22では、選択された運転モードに基づいてエンジンの負荷状態Pe,エンジン回転数Neといったエンジンの運転状態に応じて燃料噴射量(燃料噴射期間)および燃料噴射時期、具体的には噴射終了時期及び噴射開始時期を設定し、この設定に基づいてインジェクタ4の駆動を制御する。燃料噴射量については、空燃比設定手段26で設定された目標空燃比A/Fと、エアフローセンサ14で検出された吸気流量とから、燃料噴射量を設定する。また、空燃比設定手段26では、選択された運転モードに基づいてエンジンの負荷状態Pe,エンジン回転数Neといったエンジンの運転状態に応じて目標空燃比A/Fを設定する。
【0026】
点火制御手段23は、選択された運転モードに基づいてエンジンの負荷状態Pe,エンジン回転数Neといったエンジンの運転状態に応じて燃料点火時期を設定し、この設定に基づいて点火プラグ5の駆動を制御する燃料点火時期制御手段23Aと共に、点火プラグ5の点火エネルギを制御する点火エネルギ制御手段23Bとをそなえている。本エンジンでは、この点火エネルギ制御手段23Bに特徴がある。ここで、点火エネルギを制御するということは、例えばECU20を通じて一般的な点火系の電気回路(図示略)における1次コイルへの電源通電時間を変化させることである。
【0027】
この点火エネルギ制御手段23Bでは、選択された運転モードに基づいてエンジンの特定運転領域で点火プラグ5の点火エネルギを小さくし、その他の運転領域では点火プラグ5の点火エネルギを大きくする。この特定運転領域は、エンジンの空燃比が理論空燃比近傍又は理論空燃比よりもリッチとなる運転領域であり、図2に斜線を付して示すように、ストイキオフィードバックモード及びオープンループモードがこれに相当する。
【0028】
つまり、点火エネルギ制御手段23Bでは、ストイキオフィードバックモード又はオープンループモードでは、点火プラグ5の点火エネルギを小さく、即ち、点火プラグ5の通電時間を短くする。また、ストイキオフィードバックモード及びオープンループモード以外の運転モード、即ち、リーンモード(後期リーンモード又は前期リーンモード)では、点火プラグ5の点火エネルギを大きく、即ち、1次コイルへの通電時間を長くする。
【0029】
なお、点火プラグ5の点火エネルギは、図示しない点火系の電気回路における1次コイルへの通電時間だけでなく、図示しないバッテリ電圧に応じても変化する。つまり、通電時間が等しくてもバッテリ電圧が低ければ点火エネルギは低下する。したがって、バッテリ電圧が低いほど通電時間を長くする必要がある。このため、点火エネルギ制御手段23Bでは、例えば点火エネルギに通電時間を対応させたマップを用いて基本通電時間を設定し、この基本通電時間にバッテリ電圧センサ15で検出されたバッテリ電圧値に応じた補正を施して最終的な通電時間を設定するようにしている。
【0030】
このような点火エネルギ制御は、このような二極型点火プラグ31Bを用いた点火プラグ5の自己浄化作用と耐久性とをエンジンの良好な運転状態を確保しながら、両立させようとするものである。
つまり、点火プラグ5として二極型点火プラグ31Bを用いた場合、火花が中心極32の周囲の碍子34表面近傍を通るため、中心極32の周囲(中心極32自体の周囲や中心極32周縁の碍子34表面)へのカーボンの付着を防止したり、また、付着したカーボンの除去を行ないやすく、プラグの汚損を防止する自己浄化作用を期待できる。
【0031】
この自己浄化作用を得るには、点火プラグによる点火エネルギをある程度大きくする必要があるが、点火プラグによる点火エネルギを大きくすると、碍子34表面が火花の点火エネルギにより削られ溝38が形成される(図7参照)など碍子34の損傷や割れなどを招き、点火プラグの耐久性を低下させてしまう。
そこで、エンジンの特定運転領域では点火プラグ5の点火エネルギを小さくし、その他の運転領域では点火プラグ5の点火エネルギを大きくすることで、点火プラグ5の自己浄化作用と耐久性とを両立させようとするものである。
【0032】
この場合の特定運転領域を選定するにあたり、点火エネルギを小さくすることが燃焼に悪影響してはいけない。リーンモード(後期リーンモード又は前期リーンモード)では、確実な点火を行なわないと燃焼安定性を確保しにくいので、リーンモードによる運転中(リーン運転中)は、点火プラグ5の点火エネルギを大きく、即ち、1次コイルへの通電時間を長くする必要があり、ここでは、リーン運転中の点火エネルギをほぼ最大としている。一方、空燃比が理論空燃比近傍又は理論空燃比よりもリッチとなる運転領域、即ち、ストイキオフィードバックモード及びオープンループモードでは、点火エネルギを小さくしても確実に点火しうるため、このような運転領域で、点火プラグ5の点火エネルギを小さく、即ち、通電時間を短くしているのである。
【0033】
なお、点火制御手段23では、燃料点火時期制御手段23Aで設定される点火時期を点火プラグ5の始動時期とし、この始動時期から点火エネルギ制御手段23Bで設定された通電時間分だけ通電し、その後、通電を停止する。
吸気制御手段24では、選択された運転モードに基づいてエンジンの負荷状態Pe,エンジン回転数Neといったエンジンの運転状態に応じて吸入空気量を設定し、この設定に基づいてスロットルバルブ6を制御する。
【0034】
排ガス還流制御手段25では、選択された運転モードに基づいてエンジンの負荷状態Pe,エンジン回転数Neといったエンジンの運転状態に応じて排ガス還流量(還流率)を設定し、この設定に基づいてEGR弁8Bを制御する。ここでは、エンジンの運転状態が、後期リーンモードの場合及びストイキオフィードバックモードの場合のみEGRの導入を行なうが、前期リーンモードやオープンループモードでは、EGR導入を行なわないようになっている。これは、前期リーンモードでEGRを導入すると燃焼が悪化する割に、NOx低減や燃費向上の効果が非常に小さいためである。また、オープンループモードでは、なによりもエンジン出力の確保を優先させるためである。また、ストイキオフィードバックモード時には、主として燃費向上を目的としてEGRの導入を行なうが、大量にEGRを導入すると燃焼が悪化するため、ストイキオフィードバックモード時に行なわれるEGRの導入量は、原則として後期リーンモードに比べ少なく設定されている。
【0035】
本発明の一実施形態としての筒内噴射型内燃機関は、上述のように構成されているので、点火制御手段23の点火エネルギ制御手段23Bの制御を中心に説明すると、図3のフローチャートに示すように動作する。
つまり、まず、ECU20において、運転状態検出手段10により、エンジン回転数Ne,スロットル開度θth,アクセルポジションAPS,吸気流量等で検出された運転状態と有効圧力算出手段27で算出された平均有効圧力(エンジン負荷状態)Peを読み込み(ステップS10)、この運転状態(特に、エンジン回転数Neとエンジン負荷状態Pe)に基づいて運転モード選択手段21により、後期リーンモード,前期リーンモード,ストイキオフィードバックモード,オープンループモードの中から運転モードが選択される。
【0036】
ついで、バッテリ電圧センサ15で検出されたバッテリ電圧の値を読み込む(ステップS20)。
そして、点火制御手段23の点火エネルギ制御手段23Bで、選択された運転モードがリーンモード(後期リーンモード又は前期リーンモード)か否かが判定され(ステップS30)、リーンモードであれば、点火エネルギを大きな値(予め記憶された値)を設定し(ステップS40)、リーンモードでなければ、即ち、ストイキオフィードバックモード又はオープンループモードであれば、点火エネルギを小さな値(予め記憶された値)を設定する(ステップS50)。
【0037】
そして、ステップS20で読み込まれたバッテリ電圧値と、ステップS40又はステップS50で設定された点火エネルギとに基づいて、1次コイルへの通電時間を設定する。例えば点火エネルギに1次コイルへの通電時間を対応させたマップを用いて基本通電時間を設定し、この基本通電時間にバッテリ電圧センサ15で検出されたバッテリ電圧値に応じた補正を施して最終的な通電時間を設定する。
【0038】
このような点火エネルギ制御によって、エンジンの良好な運転状態を確保しながら、二極型点火プラグ31Bを用いた点火プラグ5では、自己浄化作用と耐久性とを共に確保することができるようになる利点かある。
つまり、点火プラグ5として二極型点火プラグ31Bを用いて、点火プラグによる点火エネルギをある程度大きくすると、ある程度のエネルギの火花が中心極32の周囲の碍子34表面近傍を通るため、中心極32自体の周囲や中心極32周縁の碍子34表面へのカーボンの付着を防止し、付着したカーボンについては除去する。
【0039】
このような自己浄化作用により、プラグ5の汚損が防止され、汚損によるプラグ性能の低下が防止される。
これにより、図5中に実線Bで示すように、プラグの汚損が生じる一極型点火プラグ31Aの場合(破線A2で囲む領域内)に比べて、広い領域(空燃比A/FやEGR率を大きくできる領域)で安定燃焼させることができ、空燃比を大きくリーン側に調整した超リーン運転を行なえ、且つ、このリーン運転時に十分なEGR導入を行なうことができ、十分な燃費向上効果を得ることができるようになる。
【0040】
一方、二極型点火プラグ31Bの自己浄化作用を得るために点火プラグによる点火エネルギを大きくすると、碍子34表面が火花の点火エネルギにより削られ溝38が形成される(図7参照)など碍子34の損傷や割れなどを招き、点火プラグの耐久性を低下させてしまうが、本筒内噴射型内燃機関では、エンジンの特定運転領域では点火プラグ5の点火エネルギを小さくするので、点火プラグ5の自己浄化作用を確保しながら耐久性の低下を防止することができるのである。
【0041】
そして、この場合の点火エネルギを小さくする特定運転領域は、点火エネルギを小さくすることが点火や燃焼に悪影響しないストイキオフィードバックモード又はオープンループモードとしているので、点火の悪化や燃焼の悪化を招くことなく、点火プラグ5の自己浄化作用と耐久性確保とを両立させることができるのである。
【0042】
なお、本実施形態では、点火エネルギを大小2つの値のいずれかを選択するようにしているが、点火エネルギをさらに細かく大から小まで複数段階に設定するようにしてもよい。例えば、点火エネルギをE1〜E3(E1<E2<E3)と3段階に設定して、後期リーンモードではE3に、前期リーンモードではE2に、ストイキオフィードバックモード又はオープンループモードではE1に設定するなど種々の構成が考えられる。
【0043】
また、点火エネルギを、運転モードとは関係なくエンジンの運転状態(例えばエンジン回転数Neやエンジン負荷状態Pe)に応じて設定するようにしてもよい。ただし、この場合も、リーンモード領域では比較的点火エネルギを大きくし、点火エネルギを小さくする領域は、点火や燃焼の安定性のよいストイキオフィードバックモード又はオープンループモードを中心に行なうことが好ましい。
【0044】
さらに、このような点火や燃焼の安定性のよい特定運転領域(ストイキオフィードバックモード又はオープンループモード等)における点火エネルギを小さくする制御は、この特定運転領域において常に行なうのでなく、この特定運転領域において部分的に行なうようにしてもよい。例えば、特定運転領域中に一定時間T1だけ点火エネルギを小さくしたら、次の一定時間T2は点火エネルギを大きくするようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の筒内噴射型内燃機関によれば、点火栓が、碍子の中心軸線を挟んで設けられた一対の側極を有しているため、可能な点火時期範囲が拡大され、適切な点火時期制御を行なうことができるようになる上、点火エネルギ制御手段が、機関の空燃比が理論空燃比近傍又は理論空燃比よりもリッチとなる運転領域では、空燃比が理論空燃比よりもリーンとなる運転領域よりも点火栓の点火エネルギを小さくするので、自己浄化作用を得るようにしながら、過剰な点火エネルギによる碍子の損傷等を回避することができる。したがって、適切な点火時期制御により、燃費向上等の機関の性能を向上させつつ、点火栓の耐久性を確保することができる。
しかも、点火エネルギ制御手段では、点火栓の点火エネルギを小さくする制御を、上記特定運転領域において常に行なうのでなく、上記特定運転領域において部分的に行なうので、自己浄化作用を得つつ碍子の損傷等を回避することができる。
請求項記載の本発明の筒内噴射型内燃機関によれば、点火エネルギ制御手段では、上記点火栓の点火エネルギを小さくする制御を、上記特定運転領域において一定時間だけ行なうので、自己浄化作用を得つつ碍子の損傷等を回避することができ、適切な点火時期制御により、燃費向上等の機関の性能を向上させつつ、点火栓の耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての筒内噴射型内燃機関を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての筒内噴射型内燃機関の点火エネルギ制御を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態としての筒内噴射型内燃機関の点火エネルギ制御を説明するフローチャートである。
【図4】一般的な一極型の点火栓を示す側面図である。
【図5】一般的な一極型の点火栓を用いた従来の筒内噴射型内燃機関の点火条件範囲、及び、本発明の案出過程で考えられた二極型の点火栓を用いた筒内噴射型内燃機関の点火条件範囲を示す図である。
【図6】一般的な二極型の点火栓を示す側面図である。
【図7】二極型の点火栓を用いた場合の課題を示す点火栓の正面図(図6のA−A矢視断面図)である。
【符号の説明】
1C 燃焼室
4 燃料噴射弁
5 点火栓(点火プラグ)
20 ECU
23 点火制御手段
23A 点火エネルギ制御手段
34 碍子
36,37 側極

Claims (4)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    上記燃焼室内に臨むように設けられて碍子の中心軸線を挟んで設けられた一対の側極を有する点火栓と、
    機関の空燃比が理論空燃比近傍又は理論空燃比よりもリッチとなる特定運転領域で該空燃比が理論空燃比よりもリーンとなる運転領域よりも上記点火栓の点火エネルギを小さくする点火エネルギ制御手段とをそなえ
    上記点火エネルギ制御手段では、上記点火栓の点火エネルギを小さくする制御を、上記特定運転領域において常に行なうのでなく、上記特定運転領域において部分的に行なうことを特徴とする、筒内噴射型内燃機関。
  2. 上記点火エネルギ制御手段では、上記点火栓の点火エネルギを小さくする制御を、上記特定運転領域において一定時間だけ行なうことを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射型内燃機関。
  3. 上記点火エネルギ制御手段は、上記特定運転領域において上記一定時間だけ上記点火栓の点火エネルギを小さくした後もさらに上記特定運転領域が継続すれば、次の一定時間は上記点火栓の点火エネルギを大きくすることを特徴とする、請求項記載の筒内噴射型内燃機関。
  4. 上記点火栓は、火花が中心極の周囲の碍子表面を通るように構成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の筒内噴射型内燃機関。
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