JP3611836B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも誘導型電磁変換素子を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magnetoresistive)とも記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】
ところで、記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極のエアベアリング面(媒体対向面)での幅、すなわちトラック幅を数ミクロンからサブミクロン寸法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利用されている。
【0004】
また、下部磁極と上部磁極との間における磁束の広がりによる実効的な記録トラック幅の増加を防止するために、下部磁極のうちの少なくとも記録ギャップ層側の一部の幅を上部磁極の幅に揃えた構造が多く採用されている。この構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。また、以下、このようなトリム構造を形成することを磁極トリミングと言う。
【0005】
磁極トリミングの方法としては、例えば、特開平10−112007号公報や特開2000−105906号公報等に示されるように、上部磁極をマスクとして、上部磁極の周辺領域において、記録ギャップ層および下部磁極のうちの記録ギャップ層側の一部を、ドライエッチングによってエッチングするという方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、記録ギャップ層がアルミナ(Al)等の非金属材料によって形成されている場合には、上述の方法で磁極トリミングを行うと、記録ギャップ層の幅が上部磁極の幅よりも大きくなり、その結果、下部磁極のうちの記録ギャップ層側の一部の幅も上部磁極の幅よりも大きくなるという問題点があった。
【0007】
以下、図22ないし図31を参照して、上記の問題点について詳しく説明する。図22ないし図31は、従来の上部磁極の形成から磁極トリミングまでの一連の工程の一例を説明するための断面図である。この例では、図22に示したように、下部磁極301の上に記録ギャップ層302を形成する。次に、図示しないが、記録ギャップ層302の上に、めっき用の電極膜を形成する。
【0008】
次に、図23に示したように、電極膜の上に、スピンコート法等により、レジストを塗布して、レジスト層303Aを形成する。次に、必要に応じて、レジスト層303Aに対して熱処理を施す。
【0009】
次に、図24に示したように、マスク304を介してレジスト層303Aの露光を行い、レジスト層303Aに、マスク304のパターンに対応した潜像を形成する。次に、必要に応じて、レジスト層303Aに対して熱処理を施す。
【0010】
次に、図25に示したように、レジスト層303Aを現像液によって現像し、水洗し、乾燥させて、残ったレジスト層303Aによって、フレーム303Bを形成する。このフレーム303Bは、溝部303Cを有している。
【0011】
次に、必要に応じてめっき前処理を行った後、図26に示したように、電極膜に電流を流して電気めっきを行って、溝部303C内に上部磁極305を形成する。
【0012】
次に、例えば、図26に示した積層体を有機溶剤に浸漬し、揺動することによって、図27に示したように、フレーム303Bを溶解させて除去する。
【0013】
次に、図28に示したように、イオンミリング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングによって、上部磁極305の側部をエッチングすると共に、上部磁極305をマスクとして、上部磁極305の周辺領域において、電極膜および記録ギャップ層302を除去する。
【0014】
このエッチングの工程において、イオンミリングを用いる場合には、記録ギャップ層302のエッチングレートは上部磁極305のエッチングレートよりも小さい。また、上記エッチングの工程において、反応性イオンエッチングを用いる場合にも、記録ギャップ層302のエッチングレートが上部磁極305のエッチングレートよりも小さくなる場合がある。そのため、このエッチングの工程の後では、図29に示したように、記録ギャップ層302の幅が上部磁極305の幅よりも大きくなっている場合がある。以下、この場合について説明する。
【0015】
次に、図30に示したように、イオンミリング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングによって、上部磁極305の側部と記録ギャップ層302の側部をエッチングすると共に、上部磁極305および記録ギャップ層302をマスクとして、上部磁極305の周辺領域において、下部磁極301のうちの記録ギャップ層302側の一部をエッチングする。
【0016】
このエッチングの工程の後では、図31に示したように、記録ギャップ層302の幅が上部磁極305の幅W12よりも大きくなっている。そのため、下部磁極301のうちの記録ギャップ層302側の一部の幅W11も、上部磁極305の幅W12よりも大きくなっている。
【0017】
このように、従来の磁極トリミングの方法では、下部磁極のうちの記録ギャップ層側の一部の幅が上部磁極の幅よりも大きくなる場合がある。この場合には、上部磁極305の幅W12である光学的なトラック幅を小さくしても、実効的な記録トラック幅は光学的なトラック幅よりも大きくなってしまう。
【0018】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、実効的な記録トラック幅の増加を防止できるように磁極トリミングを行うことができるようにした薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記録媒体に対向する媒体対向面と、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドを製造する方法である。
【0020】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、第1の磁性層を形成する工程と、第1の磁性層の上に薄膜コイルを形成する工程と、第1の磁性層の磁極部分の上にギャップ層を形成する工程と、ギャップ層の上に第2の磁性層を形成する工程とを備えている。第2の磁性層を形成する工程は、ギャップ層側の端部近傍においてアンダーカットの入った初期形状の第2の磁性層の磁極部分を形成する。
【0021】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、ドライエッチングを用いて、初期形状の第2の磁性層の磁極部分の側部をエッチングすると共に、第2の磁性層の磁極部分をマスクとしてギャップ層および第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくともギャップ層側の一部をエッチングして、第2の磁性層の磁極部分、ギャップ層および第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくともギャップ層側の一部の各幅を揃える工程を備えている。
【0022】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第2の磁性層の磁極部分は、初めは、ギャップ層側の端部近傍においてアンダーカットの入った形状に形成される。そして、その後、ドライエッチングを用いて、第2の磁性層の磁極部分の側部をエッチングすると共に、第2の磁性層の磁極部分をマスクとしてギャップ層および第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくともギャップ層側の一部をエッチングすることによって、第2の磁性層の磁極部分、ギャップ層および第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくともギャップ層側の一部の各幅が揃えられる。
【0023】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、第2の磁性層を形成する工程は、ギャップ層の上に、溝部を有するフレームを形成する工程と、このフレームを用いてめっきを行って、溝部内に初期形状の第2の磁性層の磁極部分を形成する工程とを含み、フレームを形成する工程は、ギャップ層に最も近い位置における溝部の幅が、他の位置における溝部の幅よりも小さくなるように、フレームを形成してもよい。
【0024】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、フレームを形成する工程は、溝部に面するフレームの内壁部において、ギャップ層に最も近い位置からフレームの厚さの2分の1だけ離れた位置を第1の位置とし、ギャップ層に最も近い位置からフレームの厚さの10分の1だけ離れた位置を第2の位置としたときに、ギャップ層に最も近い位置から第2の位置までの間における内壁部の少なくとも一部が、第1の位置と第2の位置とを通過する架空の線よりも溝部側に突出していてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
始めに、図12ないし図17を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の概略について説明する。図12ないし図17において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0026】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図12に示したように、アルティック(Al・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜5μmの厚みに形成する。次に、絶縁層2の上に、スパッタリング法またはめっき法等によって、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、例えば約3μmの厚みに形成する。
【0027】
次に、下部シールド層3の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる下部シールドギャップ膜4を、例えば10〜200nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のGMR素子5と、図示しないバイアス磁界印加層と、リード層6を、それぞれ、例えば数十nmの厚みに形成する。
【0028】
次に、下部シールドギャップ膜4およびGMR素子5の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば10〜200nmの厚みに形成する。
【0029】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)8を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。なお、下部磁極層8に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。下部磁極層8は、スパッタリング法またはめっき法等によって形成される。
【0030】
なお、下部磁極層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタリング法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを設けてもよい。
【0031】
次に、図13に示したように、下部磁極層8の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
【0032】
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図13(a)において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
【0033】
次に、図14に示したように、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0034】
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側(図14(a)における左側)の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
【0035】
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部12aと、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部12aとを有している。先端部12aの幅は記録トラック幅と等しくなっている。すなわち、先端部12aは記録トラック幅を規定している。接続部12aの幅は、先端部12aの幅よりも大きくなっている。
【0036】
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料よりなる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、下部磁極層8に磁気的に連結される部分を構成する。
【0037】
次に、磁極トリミングを行う。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および下部磁極層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図14(b)に示したように、上部磁極層12の磁極部分(トラック幅規定層12aの先端部12a)、記録ギャップ層9および下部磁極層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
【0038】
次に、図15に示したように、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研磨によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0039】
次に、図16に示したように、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図16(a)において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
【0040】
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0041】
次に、図17に示したように、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して下部磁極層8に接続されている。
【0042】
次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0043】
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリング面20)と再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、GMR素子5と、エアベアリング面20側の一部がGMR素子5を挟んで対向するように配置された、GMR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層(下部磁極層8)とを有している。
【0044】
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層8および上部磁極層12と、この下部磁極層8の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層8および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図17(a)に示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、2つの磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分の、エアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。
【0045】
本実施の形態において、下部磁極層8は本発明における第1の磁性層に対応し、上部磁極層12は本発明における第2の磁性層に対応する。また、トラック幅規定層12aの先端部12aは、本発明における第2の磁性層の磁極部分に対応する。また、下部磁極層8のうち、記録ギャップ層9を介して先端部12aに対向する部分は、本発明における第1の磁性層の磁極部分に対応する。
【0046】
次に、図1ないし図11を参照して、本実施の形態における上部磁極層の磁極部分の形成から磁極トリミングまでの一連の工程について詳しく説明する。この一連の工程では、まず、図1に示したように、下部磁極層8の上に記録ギャップ層9を形成する。その後、図13および図14に示したように、記録ギャップ層9の上に、薄膜コイルの第1層部分10および絶縁層11を形成する。次に、図示しないが、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、めっき用の電極膜を形成する。
【0047】
次に、図2に示したように、電極膜の上に、スピンコート法等により、レジストを塗布して、レジスト層103Aを形成する。なお、レジストは、ポジ型でもよいしネガ型でもよい。次に、必要に応じて、レジスト層103Aに対して熱処理を施す。
【0048】
次に、図3に示したように、マスク104を介してレジスト層103Aの露光を行い、レジスト層103Aに、マスク104のパターンに対応した潜像を形成する。本実施の形態では、この後に形成されるフレーム103Bが、後で説明する所望の形状となるように潜像の形成を行う。次に、必要に応じて、レジスト層103Aに対して熱処理を施す。
【0049】
次に、図4に示したように、レジスト層103Aを現像液によって現像し、水洗し、乾燥させて、残ったレジスト層103Aによって、フレーム103Bを形成する。このフレーム103Bは、溝部103Cを有している。なお、図4には、レジスト層103Aの形成に用いられるレジストがポジ型で、そのため、レジスト層103Aのうち、露光された部分が現像後に除去される例を示している。
【0050】
フレーム103Bは、記録ギャップ層9に最も近い位置における溝部103Cの幅が、他の位置における溝部103Cの幅よりも小さくなっている。
【0051】
ここで、図11を参照して、本実施の形態におけるフレーム103Bの形状について詳しく説明する。図11に示したように、フレーム103Bの厚さをTとする。また、溝部103Cに面するフレーム103Bの内壁部103Dにおいて、記録ギャップ層9に最も近い位置からフレーム103Bの厚さTの2分の1だけ離れた位置を第1の位置P1とする。また、内壁部103Dにおいて、記録ギャップ層9に最も近い位置からフレーム103Bの厚さTの10分の1だけ離れた位置を第2の位置P2とする。また、第1の位置P1と第2の位置P2とを通過する架空の線Lを想定する。本実施の形態では、記録ギャップ層9に最も近い位置から第2の位置P2までの間における内壁部103Dの少なくとも一部は、上記の架空の線Lよりも溝部103C側に突出している。この部分では、底部に近づくに従って徐々に、架空の線Lからの突出量が大きくなるのが好ましい。
【0052】
フレーム103Bの形状を、図11に示したような形状とするための方法には、例えば、以下のようないくつかの方法がある。なお、以下の説明中における適正条件とは、底部からの距離にかかわらず溝部103Cの幅がほぼ一定になるようにフレーム103Bを形成するための条件のことである。
【0053】
(1)レジスト層103Aの厚さを、適正条件に比べて大きくする。
(2)レジスト層103Aに対する熱処理すなわちプリベークの温度を、適正条件に比べて高くする。
(3)露光装置の光源の出力を適正条件に比べて小さくすることによって、レジスト層103Aの露光時の露光量(Dose)を適正条件に比べて小さくする。
(4)マスク104の面積を適正条件に比べて大きくすることによって、レジスト層103Aの露光時の露光量(Dose)を適正条件に比べて小さくする。
(5)レジスト層103Aの露光時における焦点位置を、適正条件に比べて、記録ギャップ層9から離れる方向に移動させる。
(6)レジスト層103Aの現像時間を、適正条件に比べて短くする。
【0054】
次に、必要に応じてめっき前処理を行った後、図5に示したように、電極膜に電流を流して電気めっきを行って、溝部103C内に、初期形状のトラック幅規定層12aを形成する。このトラック幅規定層12aは、上部磁極層12の磁極部分を含んでいる。
【0055】
次に、例えば、図5に示した積層体を有機溶剤に浸漬し、揺動することによって、図6に示したように、フレーム103Bを溶解させて除去する。このようにして形成されたトラック幅規定層12aの初期形状は、記録ギャップ層9側の端部近傍においてアンダーカットの入った形状となっている。
【0056】
次に、図7に示したように、イオンミリング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングによって、トラック幅規定層12aの側部をエッチングすると共に、トラック幅規定層12aをマスクとして、トラック幅規定層12aの周辺領域において、電極膜および記録ギャップ層9を除去する。
【0057】
このエッチングの工程において、イオンミリングを用いる場合には、記録ギャップ層9のエッチングレートは、トラック幅規定層12aのエッチングレートよりも小さい。また、上記エッチングの工程において、反応性イオンエッチングを用いる場合にも、記録ギャップ層9のエッチングレートがトラック幅規定層12aのエッチングレートよりも小さくなる場合がある。しかし、本実施の形態では、トラック幅規定層12aの初期形状は、記録ギャップ層9側の端部近傍においてアンダーカットの入った形状となっている。そのため、トラック幅規定層12aのアンダーカットの下の領域においても記録ギャップ層9のエッチングが行われる。その結果、この工程の後において、図8に示したように、記録ギャップ層9の幅はトラック幅規定層12aの幅よりも大きくなっていない。
【0058】
次に、図9に示したように、イオンミリング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングによって、トラック幅規定層12aの側部と記録ギャップ層9の側部をエッチングすると共に、トラック幅規定層12aおよび記録ギャップ層9をマスクとして、トラック幅規定層12aの周辺領域において、下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部をエッチングする。
【0059】
このエッチングの工程の後では、図10に示したように、記録ギャップ層9の幅はトラック幅規定層12aの幅W2とほぼ等しくなっている。そのため、下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部の幅W1も、トラック幅規定層12aの幅W2とほぼ等しくなっている。
【0060】
このようにして、トラック幅規定層12a、記録ギャップ層9および下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部の各幅が揃えられる。本実施の形態では、実効的に記録トラック幅は、トラック幅規定層12aの幅W2である光学的な記録トラック幅とほぼ等しくなる。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態によれば、実効的な記録トラック幅の増加を防止できるように磁極トリミングを行うことができる。
【0062】
次に、本実施の形態における上部磁極層の磁極部分の形成から磁極トリミングまでの一連の工程の実施例と、この実施例との比較のための比較例とについて説明する。
【0063】
比較例および実施例では、基板1として、直径3インチ(76.2mm)、厚さ2.0mmのアルティック(Al・TiC)基板を用い、この基板1の上に、図12ないし図14に示した工程によって、絶縁層2から絶縁層11までの各層を形成した。次に、スパッタ装置を用いて、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、以下の条件でNiFeをスパッタリングして、NiFeよりなる厚さ100nmの電極膜を形成した。スパッタ装置としては、日電アネルバ社製の直流スパッタ装置SPF−740H(製品名)を用いた。スパッタ装置におけるターゲットはNiFeとした。スパッタ装置の出力は1000Wとした。スパッタ装置におけるスパッタ室内には、Arガスを50sccmの流量で供給した。スパッタ室内におけるArガスの圧力は、2.0mTorr(約0.266Pa)とした。
【0064】
比較例および実施例では、次に、電極膜の上に、スピンコート法によりレジストを塗布して、レジスト層103Aを形成した。レジストとしては、信越化学工業社製SEPR−IX020(製品名)を使用した。レジスト層103Aの厚みは5μmとした。次に、レジスト層103Aに対して、ホットプレートを用いて120℃の温度で、180秒間の熱処理を施した。
【0065】
比較例および実施例では、次に、露光装置を用いて、以下の条件で、マスク104を介してレジスト層103Aの露光を行い、レジスト層103Aに、マスク104のパターンに対応した潜像を形成した。露光装置としては、ニコン社製NSR−TFHEX14C(製品名)を用いた。比較例では、幅が0.3μmの孤立した直線状の透光部を有するマスク104を用い、露光量(Dose)を70mJ/cmとした。実施例では、幅が0.4μmの孤立した直線状の透光部を有するマスク104を用い、露光量(Dose)を50mJ/cmとした。
【0066】
比較例および実施例では、次に、レジスト層103Aに対して、ホットプレートを用いて80℃の温度で、90秒間の熱処理、すなわち現像前ベークを施した。次に、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液を用いて、パドル法によって、レジスト層103Aに対して、50秒間の現像を3回行った。その後、レジスト層103Aを水洗し、乾燥させて、フレーム103Bを形成した。
【0067】
比較例におけるフレーム103Bは、厚さが5μmで、底部における溝部103Cの幅は0.4μm、底部から2.5μmだけ離れた位置における溝部103Cの幅は0.4μmであった。実施例におけるフレーム103Bは、厚さが5μmで、底部における溝部103Cの幅は0.3μm、底部から2.5μmだけ離れた位置における溝部103Cの幅は0.4μmであった。
【0068】
このように、実施例では、フレーム103Bの形状を図11に示したような形状としている。実施例では、フレーム103Bの形状を図11に示したような形状とするために、前述の方法(1)〜(6)のうちの方法(4)を用いている。
【0069】
なお、上記の各寸法は、以下のようにして作成した測定用めっき層の断面における各寸法を測定することによって得た。測定用めっき層は、比較例または実施例と同じ条件で形成された2つのフレームを用いてめっきを行うことによって作成した。測定用めっき層の断面は、集束イオンビームエッチングによって形成した。また、この断面における各寸法の測定は、測長走査型電子顕微鏡(CD−SEM)を用いて行った。
【0070】
比較例および実施例では、次に、フレーム103Bを用いて電気めっきを行って、溝部103C内に、NiFeよりなるトラック幅規定層12aを形成した。めっき浴としては、一般的なワット浴にFeイオン源を添加しためっき浴を用いた。トラック幅規定層12aの厚さは4.5μmとした。
【0071】
次に、このようにして得られた比較例および実施例におけるトラック幅規定層12aの断面を、集束イオンビームエッチングによって形成し、この断面における各寸法を測長走査型電子顕微鏡を用いて測定することによって、比較例および実施例における初期形状のトラック幅規定層12aの各寸法を測定した。
【0072】
比較例におけるトラック幅規定層12aは、高さ(厚さ)が4.5μmで、底部における幅は0.4μmで、底部から2.5μmだけ離れた位置における幅は0.4μmであった。実施例におけるトラック幅規定層12aは、高さ(厚さ)が4.5μmで、底部における幅は0.3μmで、底部から2.5μmだけ離れた位置における幅は0.4μmであった。
【0073】
比較例および実施例では、次に、トラック幅規定層12aを含む積層体を、アセトン中に浸漬し、揺動することによって、フレーム103Bを溶解させて除去した。
【0074】
比較例および実施例では、次に、イオンミリング装置を用いて、下記の条件で、トラック幅規定層12aの側部をエッチングすると共に、トラック幅規定層12aをマスクとして、トラック幅規定層12aの周辺領域において、電極膜および記録ギャップ層9を除去した。イオンミリング装置としては、コモンウェルス社製8C(製品名)を用いた。イオンミリング装置における出力は、500W、500mAとした。エッチング室内のガスの圧力は3mTorr(約0.4Pa)とした。基板に垂直な方向に対してイオン照射方向がなす角度は10°とした。
【0075】
比較例および実施例では、次に、イオンミリング装置を用いて、下記の条件で、トラック幅規定層12aの側部と記録ギャップ層9の側部をエッチングすると共に、トラック幅規定層12aおよび記録ギャップ層9をマスクとして、トラック幅規定層12aの周辺領域において、下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部をエッチングした。イオンミリング装置としては、コモンウェルス社製8C(製品名)を用いた。イオンミリング装置における出力は、500W、500mAとした。エッチング室内のガスの圧力は3mTorr(約0.4Pa)とした。トラック幅規定層12aの側部と記録ギャップ層9の側部をエッチングする際には、基板に垂直な方向に対してイオン照射方向がなす角度を70°とした。一方、下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部をエッチングする際には、基板に垂直な方向に対してイオン照射方向がなす角度を10°とした。
【0076】
また、上記のエッチングの工程では、エッチング後のトラック幅規定層12aの幅が0.3μmになるようにした。また、このエッチングの工程では、下部磁極層8におけるエッチング深さが0.5μmになるようにした。
【0077】
次に、このようにして得られた比較例および実施例におけるトラック幅規定層12a、記録ギャップ層9および下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部の断面を、集束イオンビームエッチングによって形成した。そして、この断面における各寸法を測長走査型電子顕微鏡を用いて測定することによって、比較例および実施例におけるトラック幅規定層12aの幅W2と下部磁極層8の磁極部分8aのうちの記録ギャップ層9側の一部の幅W1とを測定した。
【0078】
比較例では、幅W1は0.35μmで、幅W2は0.30μmであった。一方、実施例では、幅W1と幅W2は共に0.30μmであった。このように、比較例では幅W1が幅W2よりも大きくなったが、実施例では幅W1は幅W2と等しくなった。
【0079】
次に、本実施の形態における薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図18を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図17における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、表面が媒体対向面となるレール部212が形成されている。レール部212の空気流入側の端部(図18における右上の端部)の近傍にはテーパ部またはステップ部が形成されている。ハードディスクが図18におけるz方向に回転すると、テーパ部またはステップ部より流入し、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図18におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図18におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図18における左下の端部)の近傍には、薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
【0080】
次に、図19を参照して、ヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
【0081】
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
【0082】
図19は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
【0083】
次に、図20および図21を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例とハードディスク装置について説明する。図20はハードディスク装置の要部を示す説明図、図21はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
【0084】
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
【0085】
ハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
【0086】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態では、上部磁極層12がトラック幅規定層12aと連結部分層12bとヨーク部分層12cとを有する構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、本発明は上部磁極層が1つの層で構成された構造の薄膜磁気ヘッドについても適用することができる。
【0087】
また、実施の形態では、基体側に読み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型電磁変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0088】
また、本発明は、誘導型電磁変換素子のみを備えた記録専用の薄膜磁気ヘッドや、誘導型電磁変換素子によって記録と再生を行う薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第2の磁性層の磁極部分は、初めは、ギャップ層側の端部近傍においてアンダーカットの入った形状に形成される。そして、その後、ドライエッチングを用いて、第2の磁性層の磁極部分の側部をエッチングすると共に、第2の磁性層の磁極部分をマスクとしてギャップ層および第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくともギャップ層側の一部をエッチングすることによって、第2の磁性層の磁極部分、ギャップ層および第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくともギャップ層側の一部の各幅が揃えられる。従って、本発明によれば、実効的な記録トラック幅の増加を防止できるように磁極トリミングを行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図7に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態におけるフレームの形状を説明するための断面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図13】図12に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】図13に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図18】ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。
【図19】ヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。
【図20】ハードディスク装置の要部を示す説明図である。
【図21】ハードディスク装置の平面図である。
【図22】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図23】図22に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図24】図23に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図25】図24に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図26】図25に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図27】図26に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図28】図27に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図29】図28に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図30】図29に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図31】図30に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
8…下部磁極層、9…記録ギャップ層、10…薄膜コイルの第1層部分、15…薄膜コイルの第2層部分、12…上部磁極層、12a…トラック幅規定層、103A…レジスト層、103B…フレーム、103C…溝部、104…マスク。

Claims (3)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、前記媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層の上に前記薄膜コイルを形成する工程と、
    前記第1の磁性層の磁極部分の上に前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程とを備え、
    前記第2の磁性層を形成する工程は、前記ギャップ層側の端部近傍においてアンダーカットの入った初期形状の第2の磁性層の磁極部分を形成し、
    更に、ドライエッチングを用いて、前記初期形状の第2の磁性層の磁極部分の側部をエッチングすると共に、前記第2の磁性層の磁極部分をマスクとして前記ギャップ層および前記第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくとも前記ギャップ層側の一部をエッチングして、前記第2の磁性層の磁極部分、前記ギャップ層および前記第1の磁性層の磁極部分のうちの少なくとも前記ギャップ層側の一部の各幅を揃える工程を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記第2の磁性層を形成する工程は、
    前記ギャップ層の上に、溝部を有するフレームを形成する工程と、
    前記フレームを用いてめっきを行って、前記溝部内に前記初期形状の第2の磁性層の磁極部分を形成する工程とを含み、
    前記フレームを形成する工程は、前記ギャップ層に最も近い位置における前記溝部の幅が、他の位置における前記溝部の幅よりも小さくなるように、前記フレームを形成することを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記フレームを形成する工程は、前記溝部に面する前記フレームの内壁部において、前記ギャップ層に最も近い位置から前記フレームの厚さの2分の1だけ離れた位置を第1の位置とし、前記ギャップ層に最も近い位置から前記フレームの厚さの10分の1だけ離れた位置を第2の位置としたときに、前記ギャップ層に最も近い位置から前記第2の位置までの間における前記内壁部の少なくとも一部が、前記第1の位置と第2の位置とを通過する架空の線よりも前記溝部側に突出するように、前記フレームを形成することを特徴とする請求項2記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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