JP3611802B2 - 発芽玄米粉及びその加工食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘弾性、粘性、食味、加工適性、保水性、機能性に優れた発芽玄米粉及びその加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
発芽玄米は通常の玄米に比較して消化吸収が良く、γ−アミノ酪酸、フェルラ酸等の栄養成分を高含有していることから、機能性食品として評価されおり、丸ごと発芽玄米を粉砕した発芽玄米粉も極めて有用な食品原料である。
【0003】
穀物粉は、水で練ったときの粘性と粘弾性が高いほど、出来上がり食品の食味・食感がよく、優れた粉とされる。しかしながら、粘性と粘弾性の両方の性質が優れた穀物粉を得るのは極めて難しい。例えば、小麦粉は、タンパク含量が高くグルテンを形成するため、粘弾性が高く、パンや麺類のような非常に弾力のある加工食品が製造可能であるが、粘性が低いためにもっちりして歯切れのよい団子の製造には向いていない。一方、水に浸した米を挽いて作られる上新粉は、タンパク含量が低くグルテンも形成されないため、例えば団子や柏餅、桜餅などには適しているが、粘弾性が低いためパン類には適していない。なお、粘弾性が優れている、または粘弾性が高いというのは、後述のように、アミログラフで測定したときの特性値によって示され、最高粘度と最低粘度の差(ブレークダウン)が大きいことをいう。
【0004】
ところで、従来の発芽玄米は含水量が約30%と多く、微生物汚染しやすいため、粉末に加工するまでの保存は冷凍保存する必要があった。従って、粉末化の手段として、凍結乾燥後、挽いて粉末化する方法が採られるのが普通である。しかし、発芽玄米を冷凍保存しても、なお微生物汚染されやすいという問題がある上、凍結乾燥等の処理を施すと、米粉で重要な物性のファクターである粘度が低く、食味も悪いといった問題がある。
【0005】
また、米粉は保水性が悪く、パン類に配合するとぱさぱさになる、硬くなる等のいわゆる老化が進みやすくなる。これらの問題を防ぐためには、配合量を制限したり、添加物を加えたりせざるを得ず、発芽玄米粉においても同様であった。発芽玄米の粉に関しては、既に特開平2000−3000196号公報、特開平2000−201638号公報の技術が知られている。しかし、粘弾性、粘性、加工適性、保水性、安全性に関しては、解決されておらず、食味や加工適性の面で劣っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粘弾性、粘性、食味、加工適性、保水性、安全性に優れた発芽玄米粉及びその加工食品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を繰り返した結果、原料に供する発芽玄米を湿熱処理し、乾燥させることにより、粘弾性、粘性、食味、加工適性に優れた発芽玄米粉が得られることを見出し、本発明にいたった。
即ち、本発明は以下のとおりである。
1.原料に供する乾燥発芽玄米が湿熱処理し、乾燥させたものであることを特徴とする発芽玄米粉、
2.水分量が5〜10%、α化度が10〜60%、一般生菌数が1,000CFU/g以下であることを特徴とする発芽玄米粉、
3.アミログラフによる最高粘度と最低粘度の差が100 B.U.以上であることを特徴とする前記1または2記載の発芽玄米粉、
4.前記1、2または3記載の発芽玄米粉を利用した加工食品。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の発芽玄米粉の原料として使用する発芽玄米は、湿熱処理し、乾燥させたものである。発芽玄米を湿熱処理し、乾燥させると、発芽玄米の胴割れや砕米の発生防止効果も期待できる。例えば次のような方法により製造できる。
【0009】
玄米をそのまま、あるいは玄米の一部を精米機あるいは無洗米機等で搗精して剥離・裂傷させ、得られた玄米を通常2乃至4回程洗米し、水切り後、発芽槽(発芽用タンク)に浸漬する。搗精は、浸漬の後に行うこともできる。玄米は、好ましくは95〜99.8質量%、さらに好ましくは97〜99質量%に搗精するのが良い。そうすることで、原料玄米の表皮に付着する異物、微生物を除去することができ、洗米に要する水の使用量を減少させることもできる。また、搗精の程度は発芽玄米の吸水率、発芽率に影響を与えるので、この点も考慮して定めることが好ましい。洗米に供する水は、水道水、蒸留水、井戸水、酸性水、電解食塩水、オゾンを溶存させた水等の食品用に使用できる水であれば、いずれの使用も可能である。
【0010】
発芽槽の浸漬条件は、通常20乃至50℃の温水中に発芽するまで浸漬するか、あるいは例えば3乃至5時間程浸漬し、その後脱水を行い、間歇的に散水を行って、所定時間、高湿度の条件下で発芽させる方法がある。使用する温水は、前記の洗米工程で例示した様な水が例示でき、食品用に使用できる水であれば、いずれも可能である。
発芽の程度は、一般的には胚の部分から0.5mm〜2.0mm程度の膨らみ、あるいは突起部、幼芽が確認できる程度の状態が良い。発芽後は、加熱処理して、発芽を停止させるが、その方法としては、蒸煮させても良いし、熱風あるいはマイクロウェーブ、冷却等の適当な方法により、温度処理あるいは乾燥させても良い。
【0011】
浸漬・発芽タンクから発芽玄米を排出して次の乾燥工程へ移行するが、乾燥前に、発芽玄米がほぼ単粒状態になる程度まで付着水を除去し、ついで湿熱処理を施して乾燥する。単粒状態とは発芽玄米粒が表面の付着水によって大部分が互いに付着していない状態である。これによって、湿熱処理、乾燥工程時のハンドリングが行いやすくなり、粒同士あるいは機器壁面への付着、α化度の不均一、乾燥むらを防ぐことが可能となり、乾燥効率も改善できる。表面の付着水の除去は、例えば、排出した発芽玄米を水切りコンベア上に載せて行うことができるし、その際に振動を与えたり、送風を行うことでより効率良く表面の付着水を除去することができる。また、必要に応じて、例えば攪拌機能をもった回転羽、スクリューなどで攪拌を行うと尚良い。
【0012】
発芽玄米粉用の原料として使用可能な発芽玄米は、粉に加工する際の熱により、さらにα化度が進行する。したがって、発芽玄米粉としての所望のα化度に制御するために、原料に供する発芽玄米は、α化度を、例えば5〜50%にするのが好ましく、さらに好ましくは10〜40%程度になるように湿熱処理を実施するのが良い。
【0013】
湿熱処理は、具体的には、飽和水蒸気か熱水あるいは過熱蒸気等を熱媒体として高湿度雰囲気、例えば湿度60%以上の雰囲気で対象物を加熱する方法である。この場合には、加熱対象物と熱媒体を直接接触させ加熱する方法と例えば湿度60%以上の雰囲気でかつ伝導加熱方式のように間接的に熱媒体を接触させ、加熱する方法のどちらでも実施可能である。具体的な条件は、例えば、蒸気温度98〜180℃で3秒〜30分間処理することができる。蒸気温度が98℃以下の場合、α化、乾燥自体に問題はないが、所望のα化に要する時間が長くなるため、工業的に大量生産を行う場合には、あまり好ましくない。一方で、180℃を超えるとα化が進みすぎる問題があり、それをそのまま発芽玄米粉の原料として使用した場合においては、粉自体の付着性が増大し、加工食品用途、例えば、パンの製造工程において、機械へのパン生地の付着による作業性の著しい劣化、粉の物性(粘弾性)劣化を招く。処理時間は、3秒未満では、粒のα化度にムラが生じやすいこともあるが、実際の工程における制御も難しい。また、処理時間が30分を超えると発芽玄米のα化が進行し過ぎ、発芽玄米粉用の原料として使用するには、好ましくない。
【0014】
また、上述した以外の方法として米飯製造や発酵工業等で行われる米の蒸煮処理を用いた方法が例示できる。具体的には、例えば、発芽処理した玄米を0.1〜7.0kg/cm、好ましくは0.1〜2.0kg/cmの条件下で、3秒〜30分間、好ましくは10秒〜30分間蒸気で処理する方法である。蒸気圧が、0.1kg/cm未満では、胴割れ、砕米の発生防止効果が少なく、処理時間が3秒未満でも同様である。逆に処理時間が長くなりすぎると、α化が進み過ぎ、粒のブロッキングが生じ易くなり、乾燥工程のハンドリングが悪くなる傾向があり、これをそのまま発芽玄米粉の原料として使用した場合においても、粉の物性(粘弾性)の劣化を招く。一方、蒸気圧が7.0kg/cmを超えると、圧力が高すぎ、安全性に問題がある。
【0015】
乾燥は、対流(熱風)乾燥法、放射乾燥法、伝導乾燥法、電磁波等による均一発熱法、真空乾燥法、凍結乾燥法等のいずれの方法をもっても行うことが可能である。
なお、原料玄米をあらかじめ搗精することにより、乾燥時間を短縮し、果皮の硬さや異臭を低減させることが可能になる。また、乾燥後に発芽玄米の表皮の一部を搗精して剥離・裂傷することで、表皮の固さや異臭をより低減させることもできる。
【0016】
このようにして得られた乾燥発芽玄米を、粉砕して発芽玄米粉とする。例えば製粉機で粗挽きし、引き続き本挽きして製粉する等のように既存製粉方法を使用することができる。米粉の性質には,粒度と粒形態が基本的に関係しており、粒度は,製粉法により、水挽き粉,ジェットミル粉,とう精粉,スタンプミル粉が細かく,圧ぺん粉,ロールミル粉,ピンミル粉が粗くなる。また、乾式製粉米粉では,分割した組織体になり,湿式製粉米粉では,分離した澱粉粒の集合体になる。
【0017】
本発明の発芽玄米粉の水分量は、通常5〜10%が好ましく、より好ましくは5〜8%が良い。水分量が5%未満である場合、品質保持の観点からは、優れているが、乾燥に時間がかかり過ぎ、生産効率が悪くなるうえに、粉の性質である吸水性、油とのなじみ具合等の加工適性が悪くなる傾向がある。また、水分量が10%を超える場合、カビや細菌の発生が起きやすく、保存性が悪いという問題がある。
【0018】
本発明で使用する湿熱処理した発芽玄米は、水分量が大体12〜16%程度であるが、この原料発芽玄米を製粉化する際に発生する熱によって乾燥が促進され、発芽玄米粉としての所望の水分量に容易に調整することができる。また、粉砕後、再加熱して、所望の水分量の範囲で再乾燥、焙煎等の手段を用いることも可能である。
【0019】
また、本発明でいうα化度とは、β−アミラーゼ・プルラナーゼ法(BAP法)によって測定した値である。BAP法はα化デンプンと生デンプンまたは老化デンプンを識別するのに優れた方法である。本発明の発芽玄米粉のα化度は、10〜60%が好ましく、より好ましくは15〜50%である。発芽玄米粉のα化度が10%未満では、生米粉のかかえる澱粉成分の特性によるパン類の老化速度が速いといった問題を改善するにいたらず、本発明の効果が弱いという問題があり、60%を超えると、生地の原料として配合した場合の付着性が高く、作業性が悪くなる欠点がある。発芽玄米粉のα化度は、製粉条件が一定の場合は、ほぼ原料発芽玄米のα化度とパラレルの関係にある。従って、ある製粉条件における両者のα化度の関係を実験等により求めておき、発芽玄米のα化度を前記の方法等により適宜調整することにより、容易に所望のα化度の発芽玄米粉を得ることができる。
【0020】
本発明の発芽玄米粉のアミログラフによる最高粘度と最低粘度の差は、好ましくは100B.U.以上、さらに好ましくは150B.U.以上である。100B.U.未満では、粘弾性に乏しく、パンや麺類のような加工食品には適しておらず、製造したとしても、発芽玄米粉を高配合することは、食味、食感が悪くなることから、好ましくない。本発明においては、湿熱処理し、乾燥させて得られた原料発芽玄米を製粉することにより、上記の粘弾性特性を有する発芽玄米粉とすることができる。
【0021】
ここでいうアミログラフとは、小麦粉、米、トウモロコシ等の澱粉の糊化特性を測定する装置で、例えば、精米中の窒素、アミロース含量及びデンプンに関するアミログラム特性(最高粘度、ブレークダウン)が食味の客観的評価に有効なことが知られており、米の食味の良否を判定する指標として利用できることが明らかになっている(New Food Ind、VOL.27,NO.2、 P33−37、1985、澱粉科学、VOL.32,NO.1、P51−60、 1985、ジャパンフードサイエンス、VOL.33,NO.9、P31−40、農林水産技術研究ジャーナル、VOL.14,NO.4、P14−21、日本作物学会紀事、VOL.59,NO.3、P611−615、1990、日本作物学会九州支部会報、NO.56、P43−44、1989)。測定法としては、一般的には、試料に加水を行い、30℃からスタートし、93℃まで昇温し、その温度で10分間保持後、30℃まで冷却する。その間の温度変化における糊化度の違いによる粘度が測定され、そのアミログラム特性値は、B.U.を単位として表される(食品加工技術、VOL.17,NO.4 P225−228、1997)。
【0022】
本発明の発芽玄米粉の一般生菌数は1000CFU/g以下で、好ましくは300CFU/g以下である。通常の、原料玄米は付着菌が大体、10〜10CFU/gのレベルで存在する。一方、発芽玄米の製造時における、浸漬・発芽処理による微生物の増殖を抑制し、原料玄米、あるいは精白米と同等以上の品質、10CFU/g以下のレベルにすることが、食品衛生上、好ましい。とくに、製粉工程においては、原料自体の含水量が高いと機器の汚染が進み、微生物の2次汚染が発生する。したがって、製粉工程においては、衛生上の観点から、あらかじめ湿熱処理し、乾燥させた発芽玄米を使用することで、最終形態である発芽玄米粉の一般生菌数を低減化させることができるだけでなく、粘性、粘弾性に優れた粉を得ることが可能となる。
本発明の発芽玄米粉は、粘性のみならず、粘弾性も優れている。従って、従来の上新粉の用途である団子や柏餅、桜餅などの粘性が要求されるものみならず、パン類のような粘弾性が要求される用途にも好適に用いられる
【0023】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を挙げて説明する。
実施例1
玄米(ほしのゆめ)を浸漬・発芽処理後、98℃にて3分間、湿熱処理し、引き続いて流動層乾燥機にて100℃、20分間流動乾燥し、水分量15.5%の乾燥発芽玄米を得た。得られた乾燥発芽玄米を洗米・脱水し、製粉機にて製粉し、篩で仕分けた。得られた粉は、粒度100メッシュ以下で、水分量は8%、α化度は29.5%である。
【0024】
実施例2
玄米(香川コシヒカリ)を浸漬・発芽処理後、98℃にて6分間、湿熱処理し、引き続いて流動層乾燥機にて100℃、20分間流動乾燥し、水分量15.5%の乾燥発芽玄米を得た。得られた乾燥発芽玄米を洗米・脱水し、製粉機にて製粉し、篩で仕分けた。得られた粉は、粒度100メッシュ以下で、水分量は10%、α化度は35.5%である。
【0025】
実施例3
玄米(ほしのゆめ)を浸漬・発芽処理後、98℃にて2分間、湿熱処理し、引き続いて流動層乾燥機にて100℃、20分間流動乾燥し、水分量15.5%の乾燥発芽玄米を得た。得られた乾燥発芽玄米を洗米・脱水し、製粉機にて製粉し、篩で仕分けた。得られた粉は、粒度100メッシュ以下で、水分量は7.8%、α化度は24.4%である。
【0026】
比較例1
玄米(長野コシヒカリ)を浸漬・発芽処理後、98℃にて20分間、蒸煮し、引き続いて冷却させ、加熱殺菌処理して、水分量35%の発芽玄米を得た。これを凍結乾燥し、乾燥発芽玄米を得た。得られた乾燥発芽玄米を洗米・脱水し、製粉機にて製粉し、篩で仕分けた。得られた粉は、粒度100メッシュ以下で、水分量は7%、α化度は71%である。
【0027】
実施例1、2、3、比較例1に関して、アミログラフ(ブラベンダー社製)を用いて、粘り、粘弾性(最高粘度と最低粘度の差)の比較を行った。一般生菌数は、食品衛生法指針に準拠する方法による。結果を表1に示した。
実施例1,2,3は、粘りがあり、粘弾性に優れていた。一方、比較例1は、粘弾性が悪かった。
【0028】
【表1】
Figure 0003611802
【0029】
実施例4
実施例2で得られた発芽玄米粉を用いて、バターロールを作成した。
表2の配合処方で、常法により生地を作成し、約30℃で60分間一次発酵させた。これを、適当な大きさに切り分け、丸めて、10分間寝かせた後、成形し、40℃で45分間2次発酵させた。つや出しの溶き卵を塗り、オーブンで170℃で13〜20分間焼き上げて、バターロールを得た。
【0030】
【表2】
Figure 0003611802
【0031】
比較例2
実施例2で得られた発芽玄米粉150gの代わりに、比較例1で得られた発芽玄米粉150gを用いた以外は実施例4と同様にして、バターロールを作成した。
比較例3
実施例2で得られた発芽玄米粉150gと強力粉150gの代わりに、強力粉300gを用いた以外は実施例4と同様にして、バターロールを作成した。
実施例5
実施例1で得られた発芽玄米粉を用いてシフォンケーキを作成した。
表3の処方で卵白と砂糖でメレンゲを作り、粉類と卵黄、残りの材料を加え混ぜ合わせた生地を、オーブンで160〜170℃で30〜40分焼き上げてシフォンケーキを得た。
【0032】
【表3】
Figure 0003611802
【0033】
比較例4
実施例1で得られた発芽玄米粉の代わりに比較例1で得られた発芽玄米粉を使用した以外は実施例5と同様にしてシフォンケーキを作成した。
比較例5
実施例1で得られた発芽玄米粉の代わりに薄力粉を使用した以外は実施例5と同様にしてシフォンケーキを作成した。
【0034】
実施例4、5及び比較例2〜5のバターロールとシフォンケーキについて、20〜40歳代のパネラー8名を対象に食味試験を行った。また、作成したバターロールをビニール袋に詰め、常温で3日間保存後の食味も同様に評価した。結果を表4に示した。
【0035】
【表4】
Figure 0003611802
【0036】
実施例6
実施例3で得られた発芽玄米粉を使用して、クッキーを作成した。
表5の処方でバターとマーガリンを良く混ぜて、卵、砂糖、粉類を加え混ぜ込んでいく。生地を冷暗所で30分ほど寝かせたら、170℃のオーブンで20〜30分焼き上げてクッキーを得た。
【0037】
【表5】
Figure 0003611802
【0038】
比較例6
実施例6で使用した実施例3の発芽玄米粉の代わりに薄力粉を使用した以外は実施例6と同様にしてクッキーを得た。
【0039】
実施例6で得られたクッキーは、通常の薄力粉を使用した比較例6に比して、サクサク感があり、非常に香ばしく仕上がった。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明の発芽玄米粉は、粘性と粘弾性の両者とも優れているので、団子や餅菓子等のみならず、パン類や洋菓子、麺類のような非常に弾力のある加工食品も製造可能である。また、食味、加工適性、安全性も高い。
また、本発明の発芽玄米は保水性が優れているので、化学的合成品である食品添加物由来の改良剤を使用することなく、作業性に優れ、品質の良好な洋菓子・パン類を得ることができる。

Claims (3)

  1. 発芽後の発芽玄米を湿熱加熱し発芽玄米中の澱粉を部分的にα化させた後、乾燥を行い、ついで粉砕して得られる発芽玄米粉であって、水分量が5〜10%、α化度が10〜60%、一般生菌数が1,000
    CFU/g以下であることを特徴とする発芽玄米粉。
  2. アミログラフによる最高粘度と最低粘度の差が100 B.U.以上であることを特徴とする請求項記載の発芽玄米粉。
  3. 請求項1または2記載の発芽玄米粉を利用した加工食品。
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