JP3611556B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機としてエンジンおよびモータを備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原動機としてエンジンおよびモータを備えたハイブリッド車両の制御装置が従来より知られており、また、モータに回生機能を設け、車両の減速状態でモータによる回生を行う際における回生効率を向上させたハイブリッド車両の制御装置も既に提案されている(特願平8−112190号)。
【0003】
かかる装置において、回生効率の向上は、エンジンへの燃料供給を停止した状態でエンジンの吸入空気量を増加させ、ポンプ損失を低減させることによってなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、エンジンへの燃料供給を停止した状態、すなわちフューエルカット状態から復帰したときに、たとえばスロットル弁開度を制御することによりエンジンの吸入空気量を所定値(その運転状態での目標吸入空気量)に制御すると同時に、たとえば燃料噴射等のフューエルカットからの復帰処理を行っているため、新気が目標吸入空気量に低下する前にエンジントルクが発生し、ドライバビリティを悪化させることがあった。
【0005】
図8(a)〜(e)は、この事情を説明するための図であり、(a)はスロットル弁開度の目標値θTHOの推移を示し、(b)はスロットル弁開度の実開度θTHの推移を示し、(c)は吸入空気量の推移を示し、(d)は燃料噴射タイミングを示し、(e)はエンジン出力の推移を示している。
【0006】
時刻t1でフューエルカットから復帰すると、その直後、スロットル弁開度の目標値θTHOが所定値に設定されると同時に燃料も噴射されるので((a),(d)参照)、吸入空気量が目標値に低下する前に、すなわち吸入空気量が目標値より過大な状態で混合気が燃焼され、(e)に示すように、大幅な出力変動を伴ったエンジン出力(トルク)が発生し、これにより、ドライバビリティの悪化を招いていた。
【0007】
本発明は、この点に着目してなされたものであり、エンジン出力を滑らかにして、ドライバビリティを向上させることができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、車両の駆動軸を駆動するエンジンと、前記駆動軸の運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能を有するモータとを備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記車両が減速状態であるフューエルカットの条件が成立する時に前記モータによる回生を行う場合には、前記エンジンの吸入空気量を増加させる方向に制御し、このフューエルカットからの復帰条件が成立して、該フューエルカットから復帰するときには、前記エンジンの吸入空気量に関連するパラメータを当該車両の運転状態に応じて設定される目標値に近づけるように制御する吸入空気量制御手段と、前記フューエルカットから復帰するとき、前記吸入空気量制御手段の制御により前記エンジンの吸入空気量が前記増加方向から減少方向に切り替えられ、前記目標値に応じた吸入空気量に安定するまでの間は前記車両の駆動軸に発生するトルク変動を抑制制御するトルク変動抑制制御手段と、前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射手段とを備え、前記トルク変動抑制制御手段は、前記フューエルカットから復帰するときに、前記エンジンの吸入空気量に関連するパラメータを一旦前記目標値より低く設定された設定値にした後に該目標値に近づけるように前記吸入空気量制御手段を制御するとともに、前記フューエルカットからの復帰条件成立後の所定時間経過後に前記エンジンへの噴射を再開させるよう前記燃料噴射手段を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項1の制御装置によれば、フューエルカットから復帰するときに、エンジンの吸入空気量に関連するパラメータを一旦目標値より低く設定された設定値にした後に該目標値に近づけるように吸入空気量制御手段が制御されるとともに、前記フューエルカットからの復帰条件成立後の所定時間経過後に前記エンジンへの噴射を再開させるよう前記燃料噴射手段が制御される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるハイブリッド車両の駆動系およびその制御装置の構成を模式的に示す(センサ、アクチュエータ等の構成要素は省略してある)図であり、内燃エンジン(以下「エンジン」という)1によって駆動される駆動軸2は、変速機構4を介して駆動輪5を駆動できるように構成されている。モータ3は、駆動軸2を直接回転駆動できるように配設されており、また駆動軸2の回転による運動エネルギを電気エネルギに変換して出力する回生機能を有する。モータ3は、パワードライブユニット(以下「PDU」という)13を介してスーパーキャパシタ(静電容量の大きなコンデンサ)14と接続されており、PDU13を介して駆動、回生の制御が行われる。
【0014】
エンジン1を制御するエンジン電子コントロールユニット(以下「ENGECU」という)11、モータ3を制御するモータ電子コントロールユニット(以下「MOTECU」という)12、スーパーキャパシタ14の状態の判別に基づくエネルギマネジメントを行うマネジメント電子コントロールユニット(以下「MGECU」という)15および変速機構4を制御する変速機構電子コントロールユニット(「T/MECU」という)16が設けられており、これらのECUはデータバス21を介して相互に接続されている。各ECUは、データバス21を介して、検出データやフラグの情報等を相互に伝送する。
【0015】
図2は、エンジン1、ENGECU11およびその周辺装置の構成を示す図である。エンジン1の吸気管102の途中にはスロットル弁103が配されている。スロットル弁103にはスロットル弁開度(θTH)センサ104が連結されており、当該スロットル弁103の開度に応じた電気信号を出力してENGECU11に供給する。また、スロットル弁103はいわゆるドライブバイワイヤ型(DBW)のものであり、その弁開度を電気的に制御するためのスロットルアクチュエータ105が連結されている。スロットルアクチュエータ105は、ENGECU11によりその作動が制御される。
【0016】
燃料噴射弁106はエンジン1とスロットル弁103との間で且つ吸気管102の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各燃料噴射弁106はプレッシャーレギュレータ(図示せず)を介して燃料タンク(図示せず)に接続されていると共にENGECU11に電気的に接続されて当該ENGECU11からの信号により燃料噴射弁106の開弁時間および開弁時期が制御される。
【0017】
スロットル弁103の直ぐ下流には管107を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ108が設けられており、この絶対圧センサ108により電気信号に変換された絶対圧信号はENGECU11に供給される。
【0018】
また、絶対圧センサ108の下流には吸気温(TA)センサ109が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してENGECU11に供給する。エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ110はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してENGECU11に供給する。
【0019】
エンジン回転数(NE)センサ111はエンジン1の図示しないカム軸周囲またはクランク軸周囲に取り付けられ、エンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置で信号パルス(以下「TDC信号パルス」という)を出力し、このTDC信号パルスはENGECU11に供給される。
【0020】
エンジン1の各気筒の点火プラグ113は、ENGECU11に接続されており、ENGECU11により点火時期が制御される。
【0021】
エンジン1の排気管114の途中には、排気ガス中のHC,CO,NOx等の浄化を行う三元触媒115が装着されており、またその上流側には空燃比(LAF)センサ117が装着されている。LAFセンサ117は排気ガス中の酸素濃度にほぼ比例する電気信号を出力しENGECU11に供給する。LAFセンサ117により、エンジン1に供給される混合気の空燃比を、理論空燃比よりリーン側からリッチ側までの広範囲に亘って検出することができる。
【0022】
三元触媒115には、その温度を検出する触媒温度(TCAT)センサ118が設けられており、その検出信号がENGECU11に供給される。また、当該車両の車速VCARを検出する車速センサ119およびアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度」という)θAPを検出するアクセル開度センサ120が、ENGECU11に接続されており、これらのセンサの検出信号がENGECU11に供給される。
【0023】
ENGECU11は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラムおよび演算結果等を記憶する記憶手段、燃料噴射弁106、点火プラグ113に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。他のECUの基本的な構成は、ENGECU11と同様である。
【0024】
図3は、モータ3、PDU13、スーパーキャパシタ14、MOTECU12およびMGECU15の接続状態を詳細に示す図である。
【0025】
モータ3には、その回転数を検出するためのモータ回転数センサ202が設けられており、その検出信号がMOTECU12に供給される。PDU13とモータ3とを接続する接続線には、モータ3に供給する、またはモータ3から出力される電圧および電流を検出する電流電圧センサ201が設けられており、またPDU13にはその温度、より具体的にはモータ3の駆動回路の保護抵抗若しくはIGBTモジュール(スイッチング回路)の温度TDを検出する温度センサ203が設けられている。これらのセンサ201、203の検出信号がMOTECU12に供給される。
【0026】
スーパーキャパシタ14とPDU13とを接続する接続線には、スーパーキャパシタ14の出力端子間の電圧、およびスーパーキャパシタ14から出力されるまたはスーパーキャパシタ14へ供給される電流を検出する電圧電流センサ204が設けられており、その検出信号がMGECU15に供給される。
【0027】
図4は、変速機構4とT/MECU16との接続状態を示す図である。変速機構4には、ギヤ位置GPを検出するギヤ位置センサ301が設けられており、その検出信号がT/MECU16に供給される。本実施の形態では、変速機構4は自動変速機であるため、変速アクチュエータ302が設けられ、T/MECU16によりその作動が制御される。
【0028】
図5は、本実施の形態における減速回生量決定処理のフローチャートを示す図であり、本処理は、MOTECU12によって、たとえば所定時間毎に実行される。
【0029】
まずステップS1では、前記スロットルアクチュエータ105に対する指令値(以下、「スロットル弁開度の目標値」という)θTHOを全閉(「0」)に設定したことを「1」で示す全閉フラグFCLOSEを「0」に設定する。
【0030】
次に、ステップS2では、フューエルカット(F/C)条件が成立したか否かを判別し、その判別の結果、フューエルカット条件が成立しているときはフューエルカットからの強制復帰条件が成立しているか否かを判別し(ステップS3)、その判別の結果、フューエルカットからの強制復帰条件が成立していないときは、フューエルカットからの復帰条件が成立しているか否かを判別する(ステップS4)。
【0031】
ここで、これらの条件は、後述する図17の運転状態判別処理(ステップS52)においてアクセル開度θAPの変化量DAPにより判別され、たとえばDAP<DAPD(負の所定量)のときフューエルカット条件が成立し、DAP>DAPH(DAPDより大きい正の所定量)のときフューエルカットからの強制復帰条件が成立し、DAP≧DAPDのときフューエルカットからの復帰条件が成立したと判別される。
【0032】
前記ステップS4の判別の結果、フューエルカットからの復帰条件が成立していないときは、減速エネルギRUNRSTを図6に示すRUNRSTテーブルにより検索し(ステップS5)、所望減速エネルギRUNRSTCOMをRUNRSTCOMテーブルにより検索する(ステップS6)。
【0033】
ここで、RUNRSTテーブルは、車速VCARが大きいほど減速エネルギRUNRSTがより大きい値を取るように設定されている。また、所望減速エネルギRUNRSTCOMは、車両に適当な負の加速度を与えるためのエネルギである。RUNRSTCOMテーブルは、図7に示すように、車速VCARが大きいほど所望減速エネルギRUNRSTCOMがより大きい値を取るように設定されている。なお、RUNRSTCOMテーブルには、車速VCARだけでなく、エンジン回転数NE、変速比および減速意志(ブレーキランプの点灯、ブレーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力、実際の減速度等)のうち少なくとも一つをパラメータとして追加してもよい。
【0034】
次いで、減速回生量DECREGを次式(1)により算出する(ステップS7)。
【0035】
DECREG=RUNRSTCOM−RUNRST …(1)
なお、エンジン回転数NE、変速比、暖機状態および減速意志のうち少なくとも1つをパラメータとして減速回生量DECREGを直接検索するようにしてもよい。
【0036】
次いで、スロットル弁開度の目標値θTHOを、ほぼ全開とする全開開度θTHWOTに設定する(ステップS9)。これにより、エンジン1のポンプ損失が低減される。なお、本実施の形態では、目標値θTHOを全開開度θTHWOTに設定したが、これに限らず、目標値θTHOをより開方向に設定するようにしてもよい。
【0037】
次いで、減速回生出力REGPOWERを減速回生量DECREGに設定し(ステップS9)、ダウンカウントタイマtmF/Cに所定時間TmF/Cをセットしてスタートさせ(ステップS10)、本処理を終了する。所定時間TmF/Cは、スロットル弁103の通常の制御が開始されてから新気流量が目標値に十分収束すると予測される時間に設定される。
【0038】
一方、前記ステップS2でフューエルカット条件が成立していないとき、または前記ステップS3でフューエルカットからの強制復帰条件が成立しているときは、フューエルカットからの復帰処理(たとえば燃料噴射処理の開始の指示等)を実行して(ステップS11)、本処理を終了する。
【0039】
また、前記ステップS4の判別の結果、フューエルカットからの復帰条件が成立しているときは、ダウンカウントタイマtmF/Cが「0」に達したか否かを判別し(ステップS12)、その判別の結果、ダウンカウントタイマtmF/Cが「0」に達したときは、前記ステップS11に進む一方、ダウンカウントタイマtmF/Cが「0」に達していないときは、ステップS13に進む。
【0040】
ここで、ステップ12からステップS11に処理が移行する状態は、フューエルカット復帰条件が成立してから前記所定時間TmF/C経過した状態であり、このとき、フューエルカットからの復帰処理で燃料噴射が開始される。
【0041】
図8(f)は、この燃料噴射タイミングを示す図であり、前述した従来の装置の燃料噴射タイミング(図8(d))と比較すると、吸入空気量が目標値に十分収束した時刻t3で燃料噴射が行われている。これにより、図8(g)に示されるように、本実施の形態の制御装置によるエンジン出力は、前述した従来の装置によるエンジン出力(図8(e))と比較して滑らかに増加する。したがって、図8(g)のような大幅な出力変動を伴ったエンジン出力を抑制でき、ドライバビリティを向上させることができる。なお、図8(f),(g)は後述するステップS13〜S15の処理を行なわない場合の例であり、本発明の目的は、これらの処理を行なわなくても達成できる。
【0042】
ステップS13では、ダウンカウントタイマtmF/Cが所定値TMREF以上であるか否かを判別し、tmF/C≧TMREFのときには、前記全閉フラグFCLOSEを「1」に設定し(ステップS14)、スロットル弁開度の目標値θTHOを「0(全閉)」に設定した(ステップS15)後に、本処理を終了する一方、tmF/C<TMREFのときには、直ちに本処理を終了する。
【0043】
ここで、所定値TMREFは、スロットル弁開度の目標値θTHOを「0」に設定している時間を決定するために用いられる。すなわち、スロットル弁開度の目標値θTHOは、前記所定時間TmF/C(前記ステップS10でダウンカウントタイマtmF/Cに設定した時間)とこの所定値TMREFとの差で示される時間だけ、全閉状態に設定される。
【0044】
図8(h)は、スロットル弁開度の目標値θTHOの推移を示す図であり、同図に示すように、スロットル弁開度の目標値θTHOは、フューエルカット状態から復帰したときには、一旦全閉状態にされた後に通常開度に戻される。
【0045】
このように、スロットル弁開度の目標値θTHOを、一旦全閉状態を経て通常開度に戻すように制御すると、そのスロットル弁開度の実開度θTHは、図8(i)に示すように推移し、その吸入空気量は、図8(j)に示すように推移する。ここで、図8(j)の吸入空気量の推移と図8(c)の吸入空気量の推移とを比較すると、吸入空気量は、図8(c)では時刻t3で目標値に収束しているのに対して、図8(j)では時刻t2(<t3)で十分目標値に収束している。すなわち、スロットル弁開度の目標値θTHOを、全閉状態を経て通常開度に戻すように制御した方が、吸入空気量が目標値に収束する時間は短くなる。したがって、燃料噴射タイミングを前記時刻t3から、時刻t2に早めることができ、燃料が噴射されない時間が短くなり、運転者の違和感をより緩和することができる。
【0046】
図9および図10は、全要求駆動力、すなわち運転者が車両に要求する駆動力をモータ3とエンジン1にどれだけ配分するかを決定する駆動力配分処理の手順を示すフローチャートであり、本処理は、MOTECU12で所定時間(たとえば1msec)毎に実行される。なお、本処理をMGECU15で実行するように構成してもよい。
【0047】
図9において、まずステップS21では、スーパーキャパシタ14の残容量を、たとえば次の方法により検出する。
【0048】
すなわち、前記電流電圧センサ204により検出されたキャパシタ出力電流および入力電流(充電電流)を所定時間毎に積算して、放電量積算値CAPADISCH(正の値)および充電量積算値CAPACHG(負の値)を算出し、キャパシタ残容量CAPAREMを次式(2)により算出する。
【0049】
CAPAREM=CAPAFULL−(CAPADISCH+CAPACHG) ‥‥(2)
ただし、CAPAFULLは、スーパーキャパシタ14がフルチャージ(満充電)状態のときの放電可能量である。
【0050】
そして、この算出されたキャパシタ残容量CAPAREMに、温度等によって変化するスーパーキャパシタ14の内部抵抗により補正を施して、最終的なスーパーキャパシタ14の残容量を検出する。以下の説明では、補正後の残容量の、フルチャージ放電可能量CAPAFULLに対する割合(%)を残容量CAPAREMCという。
【0051】
なお、本実施の形態では、放電量積算値CAPADISCH及び充電量積算値CAPACHGを用いてスーパーキャパシタ14の残容量を検出するようにしたが、これに代えて、スーパーキャパシタ14の開放端電圧を検出するようにしてもよい。
【0052】
次にステップS22では、この検出された残容量に応じて、モータ3側の配分量、すなわち全要求駆動力(目標駆動力POWERCOM)中モータ3が出力すべき駆動量(この量は、目標駆動力に対する比率で表現するため、以下「配分率」という)PRATIOを、出力配分率設定テーブルを検索して決定する。
【0053】
図11は、出力配分率設定テーブルの一例を示す図であり、横軸がスーパーキャパシタ14の残容量CAPAREMCを示し、縦軸が配分率PRATIOを示している。この出力配分率設定テーブルには、このスーパーキャパシタ14において充放電効率が最もよくなる、残容量に対する配分率が予め設定されている。
【0054】
続くステップS23では、前記アクセル開度センサ120によって検出されたアクセル開度θAPに応じて、図12に示すアクセル−スロットル特性の設定テーブルを検索し、スロットルアクチュエータ105に対する指令値(以下、「スロットル弁開度指令値」という)θTHCOMを決定する。
【0055】
アクセル−スロットル特性の設定テーブルは、本実施の形態では、図12に示すように、アクセル開度θAPをそのまま指令値θTHCOMにしているが、これに限る必要はないことはいうまでもない。
【0056】
そして、ステップS24では、この決定されたスロットル弁開度指令値θTHCOMに応じて、図13に示すスロットル弁開度に応じたモータ出力配分の設定テーブルを検索し、配分率PRATIOTHを決定する。
【0057】
スロットル弁開度に応じたモータ出力配分の設定テーブルは、図13に示すように、スロットル弁開度指令値θTHCOMが全開近傍(たとえば50度以上)のときに、モータの出力を増量するように設定されている。
【0058】
なお、本実施の形態では、スロットル弁開度指令値θTHCOMに応じて配分率PRATIOTHを決定するようにしたが、これに限るものでなく、車速VCARまたはエンジン回転数NE等のうちいずれか1つまたは複数のパラメータに基づいて上記配分率PRATIOTHを決定するようにしてもよい。
【0059】
続くステップS25では、スロットル弁開度指令値θTHCOMおよびエンジン回転数NEに応じて、図14に示す目標出力マップを検索し、目標駆動力POWERCOMを算出する。
【0060】
ここで、目標出力マップは、運転者が要求する目標駆動力POWERCOMを決定するためのマップであり、このマップでは、スロットル弁開度指令値θTHCOM(このスロットル弁開度指令値はアクセル開度θAPと1対1に対応するため、アクセル開度θAPであってもよい)およびエンジン回転数NEに応じて目標駆動力POWERCOMが設定されている。
【0061】
さらに、ステップS26では、この目標駆動力POWERCOMを発生するためのスロットル弁開度の補正項θTHADD(すなわち、目標駆動力POWERCOMは、スロットル弁開度をθTHCOM+θTHADDにしたときに発生する)を算出し、ステップS27では、前記車速センサ119により検出された車速VCAR、およびエンジンの余裕出力EXPOWERに応じて、図15に示す車両状態判別マップを検索して、車両の走行状態VSTATUSを決定する。車両状態判別マップは、車速VCARが大きいほど、また余裕出力EXPOWERが大きいほど、より大きい値を取るように設定されている。
【0062】
ここで、エンジンの余裕出力EXPOWERは、次式(3)により算出される。
【0063】
EXPOWER=POWERCOM−RUNRST ‥‥(3)
ただし、RUNRSTは、当該車両の走行抵抗であり、エンジン1のポンプ損失による減速エネルギ、回生抵抗による減速エネルギ、および車輪の転がり抵抗や走行時の空気抵抗等による減速エネルギの総和である。走行抵抗RUNRSTは、前記図6で説明したRUNRSTテーブルから検索される。なお、走行抵抗テーブルには、車速VCARだけでなく、エンジン回転数NE、変速比および暖機状態(吸気温度TA、エンジン温度TW、走行距離等)のうち少なくとも一つをパラメータとして追加してもよい。
【0064】
このように車速VCARおよび余裕出力EXPOWERによって決定される走行状態VSTATUSとは、余裕出力EXPOWERに対するモータ3のアシスト配分比率をいい、たとえば0から200までの整数値(単位は%)に設定される。そして、走行状態VSTATUSが「0」のときは、アシストすべきでない状態(減速状態またはクルーズ状態)であり、走行状態VSTATUSが「0」より大きいときは、アシストすべき状態(アシスト状態)である。
【0065】
続くステップS28では、走行状態VSTATUSが「0」より大きいか否かを判別し、VSTATUS>0のとき、すなわちアシスト状態のときにはアシストモードとして、図10のステップS29に進む一方、VSTATUS≦0のとき、すなわち減速状態またはクルーズ状態のときには回生モード(減速回生モードまたはクルーズ充電モード)として、図10のステップS32に進む。
【0066】
ステップS29では、次式(4)により、モータ要求出力MOTORPOWERを算出する。
【0067】
MOTORPOWER=POWERCOM×PRATIO×PRATIOTH×VSTATUS ‥‥(4)
続くステップS30では、モータ要求出力MOTORPOWERを目標に時定数をもってモータ出力指令値MOTORCOMに変換する。
【0068】
図16は、モータ要求出力MOTORPOWERと変換されたモータ出力指令値MOTORCOMとの関係を示す図であり、図中、実線がモータ要求出力MOTORPOWERの時間推移の一例を示し、鎖線がそのモータ出力指令値MOTORCOMの時間推移を示している。
【0069】
同図から分かるように、モータ出力指令値MOTORCOMは、モータ要求出力MOTORPOWERを目標に時定数をもって、すなわち時間遅れをもって徐々に近づくように制御されている。これは、モータ出力指令値MOTORCOMを、モータ3がモータ要求出力MOTORPOWERを直ちに出力するように設定すると、エンジン出力の立ち上がりの遅れによりこの出力を受け入れる準備ができず、ドライバビリティの悪化を招く。したがって、この準備ができるまで待ってから、モータ要求出力MOTORPOWERを出力するようにモータ3を制御する必要があるからである。
【0070】
続くステップS31では、このモータ出力指令値MOTORCOMに応じて、スロットル弁開度の目標値θTHOを閉方向に制御するための補正項(減量値)θTHASSISTを算出した後に、ステップS38に進む。
【0071】
この補正項θTHASSISTは、モータ出力指令値MOTORCOMでモータ3側の出力が増えた分だけエンジン1側の出力を抑えるためのものであり、この補正項θTHASSISTを算出するのは、次の理由による。
【0072】
すなわち、ステップS23で決定されたスロットル弁開度指令値θTHCOMおよび前記ステップS26で算出されたその補正項θTHADDの和によってスロットル弁開度の目標値θTHOを決定し、この目標値θTHOによって前記スロットルアクチュエータ105を制御した場合には、エンジン1側の出力のみによって目標駆動力POWERCOMが発生する。したがって、目標値θTHOを補正せずに、前記ステップS30で変換されたモータ出力指令値MOTORCOMによりモータ3を制御したときには、エンジン1側の出力とモータ3側の出力との総和が目標駆動力POWERCOMを超えることになり、運転者が要求した駆動力以上の駆動力が発生してしまう。このため、モータ3の出力分に相当するエンジン1側の出力を抑制し、これによりモータ3側の出力とエンジン1側の出力との総和が目標駆動力POWERCOMになるように、補正項θTHASSISTを算出している。
【0073】
ステップS32では、現在の回生モードが減速回生モードであるか否かを判別する。この判別は、余裕出力EXPOWERに基づいて行い、EXPOWER<0であるか否か(または0近傍の負の所定値より小さいか否か)を判別することにより行う。なお、この判別はアクセル開度θAPの変化量DAPが負の所定量DAPDより小さいか否かを判別することにより行うようにしてもよい(その場合には、DAP<DAPDのとき減速回生モードと判別し、DAP≧DAPDであるときクルーズ充電モードと判別する)。
【0074】
ステップS32で、余裕出力EXPOWERが0より小さいとき(0近傍の負の所定値より小さいとき)には、減速回生モードと判別して、モータ要求出力MOTORPOWERを減速回生出力REGPOWERに設定する(ステップS33)。ここで、減速回生出力REGPOWERは、図示しない減速回生処理ルーチンで算出されたものを使用する。
【0075】
続くステップS34では、減速回生モードにおける最適なスロットル弁開度の目標値θTHO、すなわち前記減速回生量決定処理(図5のステップS8)で設定されたスロットル弁開度の目標値θTHO(=θTHWOT)を読み込んで設定した後に、ステップS41に進む。
【0076】
一方、ステップS32で、余裕出力EXPOWERが0近傍の値であるとき(ステップS28の答が否定(NO)であるので走行状態VSTATUSは、0である)には、クルーズ充電モードと判別して、モータ要求出力MOTORPOWERをクルーズ回生出力CRUISEPOWERに設定する(ステップS35)。ここで、クルーズ充電出力CRUISEPOWERとしては、図示しないクルーズ充電処理ルーチンで設定されたものを使用する。
【0077】
続くステップS36では、前記ステップS30と同様に、モータ要求出力MOTORPOWERを目標に時定数をもってモータ出力指令値MOTORCOMに変換し、ステップS37では、このモータ出力指令値MOTORCOMに応じて、スロットル弁開度の目標値θTHOを開方向に制御するための補正項(増量値)θTHSUBを算出した後に、ステップS38に進む。
【0078】
ここで、補正項θTHSUBを算出するのは、前記補正項θTHASSISTを算出した理由とちょうど逆の理由による。
【0079】
すなわち、クルーズ充電モードのときには、モータ要求出力MOTORPOWERとしては、アシストモードのときのモータ要求出力MOTORPOWERと逆符号の値が設定される。すなわち、クルーズ充電モードのときのモータ出力指令値MOTORCOMにより、モータ3は、目標駆動力POWERCOMを減少させる方向に制御される。このため、クルーズ充電モードのときに、目標駆動力POWERCOMを維持するためには、モータ出力指令値MOTORCOMにより減少した出力分を、エンジン1側の出力によって賄わなければならないからである。
【0080】
ステップS38では、前記全閉フラグFCLOSEが「1」であるか否かを判別し、FCLOSE=0のときは、次式(5)によりスロットル弁開度の目標値θTHOを算出する(ステップS39)。
【0081】
θTHO=θTHCOM+θTHADD+θTHSUB−θTHASSIST‥‥(5)
一方、ステップS38で、FCLOSE=1のときは、前記ステップS34と同様にして、前記減速回生量決定処理(図5のステップS15)で設定されたスロットル弁開度の目標値θTHO(=0)を読み込んで設定した後に、ステップS41に進む。
【0082】
ステップS41では、スロットル弁開度の目標値θTHOが所定値θTHREF以上であるか否かを判別し、θTHO<θTHREFのときには、吸気管内絶対圧PBAが所定値PBAREF以下であるか否かを判別する(ステップS42)。
【0083】
ステップS42で、PBA>PBAREFのときには、本駆動力配分処理を終了する一方、ステップS41で、θTHO≧θTHREFのとき、またはステップS42で、PBA≦PBAREFのときには、変速機構4の変速比を低速比(Low)側に変更した(ステップS43)後に、本駆動力配分処理を終了する。
【0084】
ステップS43に処理が移行する状態は、スーパーキャパシタ14の残容量が減少してモータ要求出力MOTORPOWERが減少し、この減少分をエンジン1側で賄う必要があるが、エンジン1側ではこれ以上出力を上げらない状態である。このようなときには、変速機構4の変速比を低速比側に変更して、前記駆動軸2に発生するトルクを一定(ステップS43に移行する前と同じトルク)に維持することにより、ドライバビリティを維持している。なお、この変速比の変更処理は、実際には、T/MECU16が、MOTECU12からの指示にしたがって実行する。
【0085】
次にENGECU11が実行するエンジン制御について説明する。
【0086】
図17は、エンジン制御処理の全体構成を示すフローチャートであり、本処理は、ENGECU11によって、たとえば所定時間毎に実行される。
【0087】
まずエンジン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA等の各種エンジン運転パラメータの検出を行い(ステップS51)、次いで運転状態判別処理(ステップS52)、燃料制御処理(ステップS53)、点火時期制御処理(ステップS54)およびDBW制御処理(ステップS55)を順次実行する。
【0088】
すなわち、エンジン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA等に応じた燃料噴射量の制御、および点火時期の制御を行うとともに、実際のスロットル弁開度θTHが、図10のステップS39またはS40で算出または読み込んだスロットル弁開度の目標値θTHOとなるように、スロットルアクチュエータ105の駆動制御を行う(ステップS55)。
【0089】
このように、本実施の形態では、吸入空気量が目標値に十分収束した後に燃料噴射を開始するようにしたので、エンジン出力は滑らかに立ち上がって、大幅な出力変動を抑制でき、これにより、ドライバビリティを向上させることができる。
【0090】
また、フューエルカットから復帰し、スロットル弁開度の目標値θTHOを通常開度に戻すときに、一旦全閉状態を経てから通常開度に戻すようにしたので、全開状態からそのまま何もせずに通常開度に戻す場合より、吸入空気量が目標値に収束する時間は短くなり、この時間に合わせて燃料噴射時期を制御することにより、燃料が噴射されていない時間が短くなり、したがって、運転者の違和感を緩和させることができる。
【0091】
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるハイブリッド車両の制御装置を説明する。前記第1の実施の形態のハイブリッド車両の制御装置では、上述の手法により、吸入空気量が目標値に収束する時間をできるだけ短くし、運転者の違和感を緩和させるようにしたが、収束時間の短時間化には限界があり、運転者の違和感を完全に取り除くことはできなかった。本実施の形態のハイブリッド車両の制御装置は、この点を、エンジンに供給される混合気に点火する点火時期を遅角方向(リタード側)に制御することにより解決する。
【0092】
本実施の形態のハイブリッド車両の制御装置は、上記第1の実施の形態のハイブリッド車両の制御装置に対して、減速回生量決定処理の手順が異なるのみであるので、その相違点のみを説明する。
【0093】
図18は、本実施の形態における減速回生量決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】
同図において、ステップS61は、前記図5のステップS2と同様であり、ステップS62〜S66は、それぞれ前記図5のステップS5〜S9と同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
続くステップS67では、ダウンカウントタイマtmRTDを「0」に設定した後に、本処理を終了する。このダウンカウントタイマtmRTDは、点火時期を通常点火時期よりリタード側に制御する時間等を計時するためのものである。
【0096】
前記ステップS61で、フューエルカット条件が成立していないときには、ステップS68で、前記図5のステップS11と同様にして、フューエルカットからの復帰処理を行う。
【0097】
続くステップS69では、ダウンカウントタイマtmRTDが所定時間TMREF1以上を計時したか否かを判別する。この所定時間TMREF1は、点火時期を通常点火時期よりリタード側に制御する時間を示している。
【0098】
ステップS69で、tmRTD≧TMREF1のときには、点火時期を通常点火時期よりリタード側に制御する制御量(以下、「リタード量」という)θIGRTDを「0」に設定した(ステップS70)後に、本処理を終了する一方、tmRTD<TMREF1のときにはステップS71に進む。
【0099】
ステップS71では、リタード量θIGRTDの初期値θIGRTDIを、吸気管内絶対圧PBAに応じて図19に示すリタード量テーブルを検索して決定する。なお、リタード量テーブルは、本実施の形態では、吸気管内絶対圧PBAのみをパラメータとしてリタード量が設定されているが、これに限らず、エンジン回転数NE、変速比等の他のパラメータを少なくとも一つ追加し、これらのパラメータに応じてリタード量が設定されるようにしてもよい。
【0100】
続くステップS72では、ダウンカウントタイマtmRTDが所定時間TMREF2(<TMREF1)以下か否かを判別する。ここで、所定時間TMREF2は、リタード量θIGRTDをその初期値θIGRTDIから徐々に通常点火時期に戻す処理を開始する時間を示している。
【0101】
ステップS72で、tmRTD≦TMREF2のときには、リタード量θIGRTDを前記決定した初期値θIGRTDIに設定した後に、本処理を終了する一方、tmRTD>TMREF2のときにはステップS74に進む。
【0102】
ステップS74では、リタード量θIGRTDが「0」以上であるか否かを判別し、θIGRTD<0のときには前記ステップS70に進む一方、θIGRTD≧0のときにはステップS75に進む。
【0103】
ステップS75では、初期値θIGRTDIから通常点火時期に徐々に戻すときの戻し量θIGRTDRを、エンジン回転数NEに応じて図20に示す戻し量テーブルを検索して決定する。なお、戻し量テーブルは、本実施の形態では、エンジン回転数NEのみをパラメータとして戻し量が設定されているが、これに限らず、吸気管内絶対圧PBA、変速比等の他のパラメータを少なくとも一つ追加し、これらのパラメータに応じて戻し量が設定されるようにしてもよい。
【0104】
続くステップS76では、リタード量θIGRTDの今回値θIGRTD(N)を次式(6)により決定して設定した後、本処理を終了する。
【0105】
θIGRTD(N)=θIGRTD(N−1)−θIGRTDR …(6)
ただし、θIGRTD(N−1)は、リタード量θIGRTDの前回値を示し、θIGRTDRは、ステップS75で検索した戻し量を示している。
【0106】
このようにして設定されたリタード量θIGRTDに応じて点火時期を制御する(たとえば、前記第1の実施の形態のエンジン制御処理(図17のステップS54)により行う)と、スロットル弁開度の目標値θTHOを、前記第1の実施の形態の制御装置のように、一旦全閉に制御した後に通常開度に戻す制御(図21(a)参照)を行わなくても(図21(d)参照)、すなわち吸入空気量が目標値に収束する時間を短くする制御(図21(b)参照)を行わなくても(図21(e)参照)、エンジン出力は滑らかに立ち上がるようになる(図21(f)参照)。したがって、大幅な出力変動を抑制して、ドライバビリティを向上させることができるとともに、フューエルカットから復帰すると同時に燃料の噴射が開始されるので、燃料が噴射されないことによる運転者の違和感を完全に取り除くことができる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の制御装置によれば、フューエルカットから復帰するときに、エンジンの吸入空気量に関連するパラメータを一旦目標値より低く設定された設定値にした後に該目標値に近づけるように吸入空気量制御手段が制御されるので、吸入空気量が目標値に収束する時間は短くなり、したがって、フューエルカットからの再加速が迅速になる。さらに、前記フューエルカットからの復帰条件成立後の所定時間経過後に前記エンジンへの噴射が再開されるので、そのエンジン出力は、従来の装置によるエンジン出力と比較して滑らかに増加し、これにより、ドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるハイブリッド車両の駆動装置およびその制御装置の概略構成を説明するための図である。
【図2】エンジン制御系の構成を示す図である。
【図3】モータ制御系の構成を示す図である。
【図4】変速機構の制御系を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における減速回生量決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】
RUNRSTテーブルの一例を示す図である。
【図7】RUNRSTCOMテーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、フューエルカットから復帰したときの各種パラメータの推移の一例を示す図である。
【図9】全要求駆動力をモータとエンジンにどれだけ配分するかを決定する駆動力配分処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】全要求駆動力をモータとエンジンにどれだけ配分するかを決定する駆動力配分処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】出力配分率設定テーブルの一例を示す図である。
【図12】アクセル−スロットル特性の設定テーブルの一例を示す図である。
【図13】スロットル弁開度に応じたモータ出力配分の設定テーブルを示す図である。
【図14】目標出力マップの一例を示す図である。
【図15】車両状態判別マップの一例を示す図である。
【図16】モータ要求出力MOTORPOWERと変換されたモータ出力指令値MOTORCOMとの関係を示す図である。
【図17】エンジン制御処理の全体構成を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施の形態における減速回生量決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】リタード量テーブルの一例を示す図である。
【図20】戻し量テーブルの一例を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態において、フューエルカットから復帰したときの各種パラメータの推移の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
2 駆動軸
3 モータ
4 変速機構
5 駆動輪
11 エンジン制御電子コントロールユニット
12 モータ制御電子コントロールユニット
13 パワードライビングユニット
14 バッテリ
15 バッテリ制御電子コントロールユニット
16 変速機構制御電子コントロールユニット
21 データバス
113 点火プラグ

Claims (1)

  1. 車両の駆動軸を駆動するエンジンと、前記駆動軸の運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能を有するモータとを備えたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記車両が減速状態であるフューエルカットの条件が成立する時に前記モータによる回生を行う場合には、前記エンジンの吸入空気量を増加させる方向に制御し、このフューエルカットからの復帰条件が成立して、該フューエルカットから復帰するときには、前記エンジンの吸入空気量に関連するパラメータを当該車両の運転状態に応じて設定される目標値に近づけるように制御する吸入空気量制御手段と、
    前記フューエルカットから復帰するとき、前記吸入空気量制御手段の制御により前記エンジンの吸入空気量が前記増加方向から減少方向に切り替えられ、前記目標値に応じた吸入空気量に安定するまでの間は前記車両の駆動軸に発生するトルク変動を抑制制御するトルク変動抑制制御手段と
    前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射手段と
    を備え、
    前記トルク変動抑制制御手段は、前記フューエルカットから復帰するときに、前記エンジンの吸入空気量に関連するパラメータを一旦前記目標値より低く設定された設定値にした後に該目標値に近づけるように前記吸入空気量制御手段を制御するとともに、前記フューエルカットからの復帰条件成立後の所定時間経過後に前記エンジンへの噴射を再開させるよう前記燃料噴射手段を制御することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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