JP3611163B2 - サラウンド信号処理装置、その信号処理方法、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

サラウンド信号処理装置、その信号処理方法、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチチャンネル音声信号を再生するサラウンド再生に係り、特に、一般家庭等で容易にコンピュータのディスプレイと2チャンネルステレオスピーカによりマルチチャンネル音声の再生を可能にするためのサラウンド信号処理装置、その信号処理方法、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(技術的背景)
従来、受聴者の位置より後方までの音場または音像定位を得ることができる立体音響の再生を行うには、ステレオ配置の前方2個のスピーカ(フロントスピーカ)とサラウンド用の後方配置のスピーカ(リアスピーカ)1個または2個の合計最低3個のスピーカが必要であり、また、1系統のサラウンド用信号を用いるサラウンド再生やハイビジョンの3−1方式のように、センタチャンネルまで再生する場合には、さらにセンタスピーカとして1個または2個のスピーカが必要で、再生するチャンネル分のアンプとケーブルなどが必要である。
【0003】
すなわち、サラウンド再生時に必要なスピーカのセッティングとしては、例えば、図14(A)に示すように、受聴者LMの前方の左右に位置するL及びRチャンネルのスピーカセットと、後方の左右に位置するSL及びSRチャンネルのサラウンド用のリアスピーカセット、またはこれに加えて、前方中央部のCチャンネルのセンタスピーカが必要であった。
【0004】
ところが、一般家庭においては、前記リアスピーカや前記センタスピーカを配置することはスペース的にも費用的にも困難であり、実際のスピーカセットとしては、図14(B)に示すように、受聴者LMの前方の左右に位置するL及びRチャンネルのスピーカセットを備えるのみで、その場合、十分なサラウンド効果を得ることはできなくなる。特に、モノーラルのサラウンド用信号(1系統のリア用サラウンド信号)を用いるサラウンド再生方式では、受聴者後方での音場を表現することや音像の移動を表現することを特長としていたが、リアスピーカを設置しなければその効果を発揮できなかった。
【0005】
しかしながら、最近では、前方左右のスピーカのみによる再生によっても、後方のスピーカセットを設けた場合と同様な、立体音響効果を得ることができるサラウンド信号処理装置が考えられている。
【0006】
(従来の技術)
これは、所定位置の受聴者の前方の2つのスピーカに対して、2チャンネルステレオの本来のLとRの各チャンネル信号に加えて、リアチャンネルの信号を変換して得られる音像定位信号を与えたり、あるいは前方に2対のスピーカを設けておき、1対には本来のLとRの各チャンネルの信号のみを与えておき、他の1対には上記音像定位信号をそれぞれ与えたものである。かかる音像定位を行うことにより、受聴者後方のリアスピーカが実在しなくても、あたかも後方から音が聞こえるようなサラウンド再生が可能となる。
【0007】
上記リアチャンネルを変換して所望の音像定位信号を得るためには、実際に配置されている一対のスピーカから受聴者の左右両耳までのそれぞれの空間の伝達特性と、音像を定位させたい後方の2つの所定位置の一方に測定時のみに配置したスピーカから受聴者の左右両耳までのそれぞれの空間の伝達特性とを用いて演算が行われる。すなわちコンボルバ(畳み込み演算処理回路)などを用いたフィルタ演算が行われる。
【0008】
この音像定位信号を利用した従来のサラウンド信号処理装置の構成と原理を説明すると、以下の通りである。
図15は、音像定位技術を利用したサラウンド信号処理装置のシステムを概略説明するための構成図である。同図において、100は、4チャンネルの例として、2チャンネルのステレオ信号L,R、ステレオ中央の定位を改善するためのセンタチャンネル信号C、及びサラウンド立体音響効果を得るためのリアチャンネル信号Sを受けて、受聴者LMを取り囲むサラウンド再生を行うために、リアチャンネル信号Sとセンタチャンネル信号Cとを各々空間の意図した位置に定位させる音像定位信号に変換するサラウンド信号処理装置である。
前記ステレオ信号L,Rと前記音像定位信号とを受聴者LMの前方左右に配置するスピーカSP1 ,SP2 から再生することにより、本来、必要とする受聴者LMの後方左右に配置するリアスピーカSP3 ,SP4 、受聴者LMの前方中央部に配置するセンタスピーカSP5 、受聴者LMの後方中央に配置するリアスピーカSP6 を不要にしてサラウンド立体音響効果を得るものである。
【0009】
また、図16は、ステレオ配置の2本のスピーカSP1 ,SP2 によって受聴者LMを取り囲む空間の意図した位置に音像を定位させる原理を説明する図である。同図において、今、左側のスピーカSP1 から受聴者LMの左右両耳までの伝達特性(インパルス応答の周波数応答)をh1L,h1R、また、右側のスピーカSP2 から受聴者LMの左右両耳までの伝達特性をh2L,h2Rとする。また、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配置した時の受聴者LMの左右両耳までの伝達特性をpLx,pRxとする。なお、ここで、各伝達特性は無響空間にスピーカと人頭またはダミーヘッド及び両耳位置のマイクを配置して測定したものに適切な波形処理などを施したものを用いている。
【0010】
次に、定位させたい音響信号のソースXに伝達特性がcfLx,cfRxで表せられる信号変換回路101A,101Bに通して得られる信号をそれぞれスピーカSP1 ,SP2 で再生することを考える。このとき、受聴者LMの左右両耳に得られる信号をeL ,eR とすると、
【0011】
eL =h1L・cfLx・X+h2L・cfRx・X ・・・(11a) eR =h1R・cfLx・X+h2R・cfRx・X ・・・(11b)となる。
【0012】
一方、ソースXを目的の定位位置から再生した時に受聴者LMの左右両耳に得られる信号をdL ,dR とすると、
dL =pLx・X ・・・(12a) dR =pRx・X ・・・(12b)となる。
【0013】
今、スピーカSP1 ,SP2 の再生により受聴者LMの左右両耳に得られる信号が目的位置からソースを再生したときの信号に一致すれば、受聴者LMはあたかも目的位置にスピーカが存在するように音像を認識することになる。
すなわち、条件eL =dL 、eR =dR と、式(11a) (11b) (12a) (12b)より、Xを消去すると、
【0014】
h1L・cfLx+h2L・cfRx=pLx ・・・(13a) h1R・cfLx+h2R・cfRx=pRx ・・・(13b)となる。
【0015】
そして、式(13a),(13b)からcfLx,cfRxを求めると、
cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H ・・・(14a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H ・・・(14b) 但し、H=h1L・h2R−h2L・h1R ・・・(14c)となる。
【0016】
したがって、式(14a)〜(14c)により算出した伝達特性cfLx,cfRxの信号変換回路101A,101B(以下、位置xのための定位フィルタまたは単にフィルタと呼ぶ)を用いて定位させたい信号を処理すれば、目的の位置xの音像を定位させることができることになる。
【0017】
つまり、リアスピーカの設置位置を音像定位置xとした一対の定位フィルタで、サラウンド信号を処理し、フロントスピーカSP1 ,SP2 から再生すればよいことになる。そして、一対の定位フィルタを複数対組み合わせて、例えば、図17,図18に示すようなサラウンド信号処理装置が構成されていた。
【0018】
図17はサラウンドデコーダSDから出力される2チャンネルステレオ信号L,Rと、1チャンネルのセンターチャンネル信号C、2チャンネルのサラウンド(リア)チャンネル信号SL,SRを受けて、リアチャンネル信号SL,SRを受聴者左右後方の対称位置に再生するように音像定位処理する装置である。
【0019】
同装置では、リアチャンネル信号SL,SRごとに一対の定位フィルタ(フィルタ101A,101B,101A,101B)が設けられ、図15に示す仮想的なリアスピーカSP3 ,SP4 の位置に音像定位させている。つまり、L,R,C信号と音像定位処理された信号を加算し、前方の一対のスピーカSP1 ,SP2 から再生している。この装置では、リアチャンネル信号SL,SRに対して、総計4個のフィルタで音像定位処理する必要がある。
【0020】
また、図18はモノーラルの1系統のリアのサラウンド用信号を用いるサラウンド再生方式に対応した従来の装置である。この構成では、1チャンネル分の一対の定位フィルタ(フィルタ101A,101B)が設けられ、総計2個のフィルタでリア用サラウンド用信号Sを、図15に示す仮想的なリアスピーカSP6 の位置に定位させていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のサラウンド信号処理装置は、前方一対のスピ−カから受聴者の両耳までの頭部伝達関数(HRTF)と後方のサラウンドスピ−カからのHRTFを基に信号処理を行いサラウンド信号成分を後方のスピ−カなしで前方の一対のスピ−カにより受聴者の左右側方もしくは左右後方に音像定位させるものである。
そのために、HRTFの条件すなわち左右のスピ−カよりの距離もしくは到達時間の条件が満たされる受聴者は上記従来装置が目的とするサラウンド効果音が得られるが、その条件に外れた場所に位置する受聴者はその効果を楽しむことができない。
例えば、複数人が並んで受聴しようとしたり、一人で受聴しようとする場合であって、その効果を得るための範囲が非常に制約されてしまうという問題点があった。
【0022】
そこで、本発明はそのような制約を広げて上記の問題に対応したサラウンド信号処理装置及びその信号処理方法、並びにコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次の(1)〜()に記載の手段より成る。
すなわち、
(1)受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ手段により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理装置において、
前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記フィルタ手段の前記側方の受聴位置側のスピーカの出力信号より遅延及びレベル調整して取り出し、この取り出した信号を前記出力信号に再度加算する構成としたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
(2)受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ手段により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理装置において、
前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記リア用サラウンド信号より遅延及びレベル調整し、この遅延及びレベル調整した信号と前記リア用サラウンド信号との加算した信号を前記フィルタ手段に入力する構成としたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
(3)請求項1記載のサラウンド信号処理装置において、前記フィルタ手段の前段側に、前記一対のトランジュ−サから再生される左右一対のサラウンド信号を互いに非相関性を持たせた疑似ステレオ回路と、この回路内に一対のリア用サラウンド信号に振幅差を持たせる振幅調整手段とを設けたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
(4)請求項3記載のサラウンド信号処理装置において、遅延時間の異なる複数のリア用サラウンド信号を振幅調整して加算することにより疑似ステレオ化する一対のリア用サラウンド信号に反射音を付加する反射音付加回路をさらに備えたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
(5)受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ処理により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理方法において、
前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記フィルタ処理の前記側方の受聴位置側のスピーカの出力信号より遅延及びレベル調整して取り出し、この取り出した信号を前記出力信号に再度加算するステップを含むようにしたことを特徴とするサラウンド信号処理方法。
(6)請求項5記載の処理ステップをコンピュータによりプログラムを実行させるコンピュータ読取り可能な記録媒体。
(7)受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ処理により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理方法において、
前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記リア用サラウンド信号より遅延及びレベル調整し、この遅延及びレベル調整した信号と前記リア用サラウンド信号とを加算し、この加算信号に前記フィルタ処理を行うステップを含むようにしたことを特徴とするサラウンド信号処理方法。
(8)請求項7記載の処理ステップをコンピュータによりプログラムを実行させるコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により説明する。
本発明は、本発明者らの次の検証に基づいて成されたものである。
すなわち、前方のスピ−カ(トラジューサ)から等距離にある受聴者は、多少前後位置に移動してもサラウンド効果が得られること、また、受聴者に到達する音の成分において、部屋の反射音特性で左右のスピ−カから等時間で到達する成分がある場合にも、サラウンド効果が得られることが検証されているものである。
【0025】
つまり、受聴者が本来の理想位置にいなくても、左右のスピ−カより、等距離、又は等時間で左右の耳に音が到達するような位置で、しかも、その音が支配的信号として再生されるならば、サラウンド音効果が得られることが検証されている。本発明は、このような現象を利用して成されたものである。
【0026】
図1は、本発明の基本的原理を説明するための図で、スピ−カSPL,SPRに対して受聴者が3人並んだ場合を想定した図である。
特に、本実施例では、一般家庭におけるテレビジョンを使用してサラウンド効果を得ることを想定したものである。
この場合、テレビジョンの画面を十分に観賞できる左右のスピ−カの距離程度を視聴者の座る範囲と考え、ここで、仮に前方のスピ−カ間の距離wを80cmとし、3人(A,B,C)が横に並んで座っているスピ−カSPL,SPRまでの距離Lを2mとし、3人が横並びしている頭部中心からの間隔位置Eを夫々60cmと仮定する。
【0027】
このようにして、まず、3人の受聴者A,B,Cのうち左右のスピ−カSPL,SPRより等距離の位置にある中心の者Bに対しては、従来と同様の手法により本来の効果が得られるように音像定位フィルタを作成する。
【0028】
次に、左右の2人A,Cに対しては、次のように考える。
なお、この場合、A,Cは中心者Bに対して、互いに対称であるため、説明はAのみにて行なう。また、説明を簡略化するために距離Lに対し、受聴者の頭部の大きさは無視し、頭部中心において時間差を考えることとする。
【0029】
ここで、左のスピ−カSPLより受聴者Aの頭部中心への距離TLは、
TL=(L2+(0.2m)2 )1/2 =2.009975(m)
同様に、左のスピ−カSPRより受聴者Aの頭部の中心への距離TRは、
TR=(L2 +(1m)2 )1/2 =2.23606(m)
そして、TLとTRとの差は、22.7cm、音速は常温で340m/secであるから、これは時間差t=0.667msecとなる。
【0030】
また、スピーカSPLとスピーカSPRとからの音のレベル差についても考える。
ここで、TLの延長上で、スピーカSPRと等距離にある仮想スピーカをSPKとする。本来、視聴者Aに対して等距離にあるスピーカから同一音量が放音されるとすれば、視聴者Aには同一音量で聞こえる筈である。
ところが、左スピーカSPLが視聴者Aに対して右のスピーカSPRよりα分だけ短い距離に配置されているとしたら、その距離分(α)の音量を調整する必要がある。
【0031】
従って、左スピ−カSPLから放音する信号をt時間遅らせると共に、スピ−カSPLの音量レベルを右スピーカSPRの音量レベルに比べ、その距離の差(α)に応じて下げれば、受聴者Aはサランド効果を得ることができる。また、CについてはAと対称な位置にいるので、同様に右スピ−カSPRから放音する信号をt時間遅らせると共に、スピ−カSPRの音量レベルを左スピーカSPLの音量レベルに比べ、距離の差(α)に応じて下げるようにすれば良い。
【0032】
次に、前記の遅延及びレベル調整した信号をそれぞれのスピーカから放音した時、それらの左右音が受聴者A,B,Cにどのように聞こえるかにつき考察する。中央の受聴者Bは左右のスピ−カより、等距離、又は等時間という条件の信号をt時間遅れて2度聴くことになるが、一般的に数ms以下で続く同じような信号はマスキング効果によりかき消され、最初の音だけが聞こえて本来のサラウンド効果が得られるものである。
【0033】
また、次に、左の受聴者Aで考えると、図2に示すように、通常の左のスピ−カSPLからの音splと、これと対となる右のスピ−カSPRからの音sprと、夫々t時間遅れてゲイン調整された信号g×spl(t),g×spr(t)とがタイミングを異にして聞こえる。
このような条件の信号を、受聴者Aが試聴したところ、サラウンド効果が認められ、このような条件のない従来処理の音を試聴したところ、期待する効果は得られなかった。
このことから、受聴者Aには、信号spl,spr(t)がマスクキングされ、信号g×spl(t),g×spr(t)の方が聞こえて、サラウンド効果が得られていることが分かる。また、反対側の受聴者Cについても同様のことが確認された。
【0034】
従って、上記検証結果より、前方の一対のスピ−カを用い、受聴者がその左右のスピ−カより等距離に位置し、そのHRTFを用いて音像定位を行なうシステムにおいて、その理想位置よりずれた受聴者に対し、近い方のスピ−カの信号を左右のスピ−カからの距離の差に基づく時間差及びレベル差分だけ遅延及びレベル調整し、その後にもとの信号に加えることにより、音像定位の条件が成り立ってサラウンド効果が確認されたものである。
【0035】
次に、上述した基本的な考え方に基づいて成された実施例につき説明する。
図3は、その第1実施例に係るサラウンド信号処理装置の概略ブロック図である。
同図に示す装置は、リア用モノラルサウンド信号Sの入力に基づいて受聴者に対して略左右対称な前方位置に配置した一対のスピ−カSPL,SPRからサラウンド音を再生するようにしたもので、前記一対のサラウンド信号に互いに非相関性を持たせるべく信号処理するのに、リア用サラウンド信号Sの遅延信号とその遅延前の信号との和信号及び差信号を生成する櫛形フイルタを有する疑似ステレオ回路1と、この疑似ステレオ回路1により出力された互いに非相関関係を持たせた一対のサラウンド音を、従来に比して広範囲の位置において、略左右対称な後方位置に音像を定位させることのできる音像定位回路2とを備えている。
【0036】
ここで、前記疑似ステレオ回路1は、サラウンド信号Sに遅延量を与えて遅延信号S´として出力する遅延回路11と、もとのサラウンド信号Sとして加算した和信号S+S´を出力する加算器12と、もとのサラウンド信号Sに遅延信号S´を減算した差信号S−S´を出力する加算器13とを備えている。
【0037】
また、音像定位回路2は、前記疑似ステレオ回路1からの一対のサラウンド信号として出力される和信号と差信号との加算出力を得る加算器21と、その和信号と差信号との減算出力を得る差分器22と、前記加算器21の出力を入力してコンボルバ等の畳み込み演算処理する第1のフィルタ23と、前記差分器22の出力を入力してコンボルバ等の畳み込み演算処理する第2のフィルタ24と、第1のフィルタ出力と第2のフィルタ出力とを減算する差分器25と、第1のフィルタ出力と第2のフィルタ出力とを加算する加算器26と、前記差分器25の出力を約1mS遅延する遅延回路27と、この出力信号のゲインg(0<g<1)を調整するためのゲイン調整回路G2と、この出力と前記差分器25の出力とを加算する加算器28と、前記加算器26の出力を約1mS遅延する遅延回路29と、この出力のゲインg(0<g<1)を調整するためのゲイン調整回路G2と、この出力と前記加算器26の出力とを加算する加算器30とから構成されている。
【0038】
そして、前記第1及び第2のフィルタ23,24の伝達特性P,Nは、
P=(F+K)/(S+A) …(1.1)
N=(F−K)/(S−A) …(1.2)
(ただし、Sは一対のスピ−カから受聴者の同じ側の耳までの伝達特性、Aは一対のスピ−カから受聴者及び反対側の耳までの伝達特性、Fはサラウンド信号音像定位させたい位置から受聴者の同じ側の耳までの伝達数、Kはサラウンド信号を音像定位させたい位置から受聴者の反対側の耳までの伝達関数)に設定されており、伝達関数の設定によって音像定位位置に幅を持たせてサラウンド再生される範囲を設定できるように成されている。
【0039】
以上のように、図3に示す構成においては、入力のサラウンド音Sは一系統のモノマルチ信号であるため、この入力信号Sを非相関化すべく櫛形フィルタでなる疑似ステレオ処理回路1を通し、一方は遅延回路11により遅延した信号S´との加算出力を加算器12によって得られると共に、もう一方は加算器13によって遅延した信号S´との減算出力を得て、後段の音像定位回路2内の第1のフィルタ23と、第2のフィルタ24とで前述の演算処理により、音源を所望の位置に定位させるように処理をし、更に、これらの信号を本願発明の主要構成部である遅延回路27、ゲイン調整回路G1及び加算器28と、遅延回路29、ゲイン調整回路G2及び加算器30とに供給して、従来以上の広範囲に亘ってサラウンド効果を得るようにしたものである。
【0040】
次に、図4を用いて本願発明の第2実施例に係るサラウンド信号処理装置につき説明する。本実施例においては、本願発明の主効果である広範囲に亘ってサラウンド効果を得ると共に、さらなる音場の広がり感を増すために、第1と第2のフィルタ23,24に入力する信号に振幅差を持たせ、これらの信号を夫々遅延する一対の遅延回路11a,11bを設け、後段のフィルタの遅延時間を自由に変えられるようにしたものである。
【0041】
すなわち、一対のサラウンド信号に振幅差を持たせる振幅調整手段として、第1のフィルタ23への入力側には遅延回路11aの前段に振幅調整用増幅器4aを設けると共に、第2のフィルタ24への入力側には遅延回路11bの前段に振幅調整用増幅器4bを設け、振幅調整率を異ならせて振幅差をもたせるもので、疑似ステレオ回路1内に設けられている。
特に、本実施例の装置では、例えば、リスニングル−ムの環境に応じて、各フィルタ123,124への入力レベルを変えても良く、デッドな部屋では、第1のフィルタ23側入力を適度に加えられて逆相関を和らげたり、ライブな部屋では、第1のフィルタ123側の入力を絞って虚音像を明確にするなど、様々に音場を演出し、広範囲に亘ってサラウンド効果を得るようにしたものである。
【0042】
また、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)で実際の信号処理を行う場合には、サラウンド音は一系統しか存在しないため、遅延線は一つで良く効率もよい。さらに、この遅延線から遅延時間の異なる信号を適宜取り出すことによって反射音を付加することができ、虚音像に距離感を得ることができ、ホ−ルや映画館で受聴するような臨場感が得られる。この構成を第3実施例として具体的に示せば、図5に示すような構成となる。
【0043】
すなわち、図5は遅延時間の異なる複数のリニア用サラウンド信号を振幅調整して加算することにより疑似ステレオ化する一対のリア用サラウンド信号に反射音を付加する反射音付加回路5と、遅延回路27、ゲイン調整回路G1及び加算回路28と、遅延回路29、ゲイン調整回路G2及び加算回路30とを用いて音場の拡大と、その効果の得る領域の拡大とを可能にしたサラウンド信号処理装置を示したものである。
【0044】
この反射音付加回路5は、遅延手段として遅延線11cからの異なる複数のリア用サラウンド信号Sを取り出して、振幅調整用増幅器51により適当に振幅調整し、加算器52によって加算することにより、疑似ステレオ化する一対のリア用サラウンド信号に反射音を付加して、ド−ムのような大きな空間での受聴から小さい空間であるミニシアタ−までの様々な音響空間上での音場再生が広範囲の領域において極めて良好に再現できる。
なお、頭部伝達特性の周波数位相特性を完全にシュミレ−トできる構成とした。
【0045】
次に、図6は第4実施例に係る装置で、前述の図12において従来例として示したモノ−ラル1系統のリア用のサラウンド信号を用いるサラウンド再生装置において、加算器の前段側に、それぞれ約1mSの遅延量を有する遅回路27,29を設けた構成である。尚、この場合、これらの遅延量は、その目的効果に応じて互いに異ならせても良い。
このような構成によっても、前述の場合と同様に、受聴者が従来以上に、サラウンド効果を楽しむ領域を広げることができる。
【0046】
また、更に、図7は第5実施例に係る装置で、前述の図6の構成と等化構成となっているものである。
この実施例の装置によれば、遅延回路が一つで良く、回路規模が小さくできると共に、加算演算が1回で済み、信号処理ステップを簡略化できる。
このような処理ステップで処理した信号を、ディスク、テープ等の記録媒体に記録することにより、これを再生すると再生時において上述の処理が不要となる。
【0047】
ところで、最近、パーソナルコンピュータ(以下、PC又はパソコンと称す)のマルチメディア化が急速に進んだために動画像や音声などをPCで扱うことが普及している。
上述したサラウンド信号処理方法をパソコンを利用して処理する場合の伝送方法及び処理方法につき、図8を用いて説明する。
同図に示すように、ディスクドライブ104又はネットワークターミナル105を介してサラウンド信号処理プログラム及びサラウンドソースが供給されるパソコン106は、MMX(INTEL社のP55Cの拡張命令セット:特定用途向けの命令セットで主として画像・音声などのデジタル信号処理を効率よく扱うために追加された命令セット)を装備するCPU(コントローラに相当)106aと、データ処理時のバッファとして使用するRAM106bと、ディスクドライブ104又はネットワークターミナル105を介して入力されるデータをコンバートするデータコンバータ106cと、信号処理結果を受聴者に対し略左右対称な前方位置に配置したスピーカに供給するためのオーディオインターフェース106dとを備えている。
【0048】
ネットワークターミナル105は、TCP/IP(Transmission Contorol Protocol/Internetet Protocol)と呼ばれるプロトコルを用い、データをパケット単位で伝送又は受信する。このネットワークはインターネットとして知られている。パケットにはアドレスを含むヘッダが付加されてホストが特定されるようになっている。
処理プログラムを他のホストに転送する場合には処理プログラムをディスクドライブにセットし、上記プロトコルによりパケット転送する。
処理プログラムを他のホストから受信する場合には処理プログラムを上記プロトコルによりパケット単位で受信してメモリRAM106aにストアする。
【0049】
次に、この図8に示す構成における動作を図9に示すフローチャートを参照して説明する。図9は、ディスクドライブ104にサラウンド信号処理プログラムが記録されたディスクをセットした状態で、プログラムロードの命令(コマンド)が図示しないキーボードから入力された場合を示し、この状態でスタートすると、ステップS1でプログラムロードであることがわかる(コマンドが入力されるとプログラムロードであると判断する)。プログラムデータを読み出してCPU106aの内部RAMに供給し(ステップS2)プログラムロードが終了したときにプログラムロードフラグをセットして(ステップS3)終了する。このとき、CPU106aは、MMX対応であるため、高速で信号処理が可能になる。
【0050】
次に、ディスクドライブ104に、サラウンドソースが記録されたディスクをセットした状態で、プレイ命令が図示しないキーボードから入力され、この状態でスタートすると、ステップS1でプログラムロードフラグをみてプログラムがセットされているとわかるので(ステップS1でNO)ステップS4に進み、ここで、ディスクの最初のトラック(特別トラック)をアクセスしてそのディスクの種類を表すサブコードの読み取りからサラウンドソースであることを判断してYESであれば、ステップS5で次のトラックからデータをリードしデコード処理し、オーディオインターフェース106dに処理データをセットして(ステップS6)ステップS5に戻り、上記デコード処理などを繰り返す。オーディオインターフェース106dは受け取ったデータを所定のサンプリング周期でD/A変換してアナログ信号にしてスピーカに供給する。ステップS4でNOであれば演奏不能を表示して(ステップS7)終了する。
【0051】
ここで、上述したステップS5でのデコード処理でなされるサラウンド信号処理プログラムは、例えば、図10に示す処理ステップで構成される。この処理ステップは、図6に対応した処理ステップである。
すなわち、ステップS100において、リアサラウンド信号を含むマルチチャンネル音声信号のデコード処理を行い、続くステップS101で前記左右一対のリアサラウンド信号の各チャンネル毎に頭部伝達関数に基づいたフィルタ係数が設定されたコンボルバを実現するフィルタ処理により音像定位処理を行う。更に、この処理した信号をステップS102で一方側のチャンネル信号を約1ms遅延し、ステップ102aで、この信号のゲインg(0<g<1)を調整する。そして、続くステップS103で他方のチャンネルの信号を同様に遅延すると共に、ステップ103aでゲイン調整をし、これらの両チャンネル信号をステップS104でそれぞれ互いに加算した後、出力ステップS105を介して図8に示すオーディオインターフェース106dに出力する。
【0052】
また、図7に対応すれば、図11に示したような処理ステップとすることもできる。
すなわち、ステップS200において、リアサラウンド信号を含むマルチチャンネル音声信号のデコード処理を行い、次のステップS201において、リアサラウンド信号を約1ms遅延し、この遅延した信号のゲインg(0<g<1)を調整すると共に、これらの処理した信号と処理していない信号とを加算し、ステップS202において、リアサラウンド信号の各チャンネル毎に頭部伝達関数に基づいたフィルタ係数が設定されたコンボルバを実現するフィルタ処理により音像定位処理を行う。更に、これら処理した信号をステップS203で、各加算器において左又は右信号(L又はR信号)及びセンター信号(C信号)を加算して、出力ステップS204を介して図8に示すオーディオインターフェース106dに出力する。
【0053】
さらに、ディスクなどの記録媒体として、記録面に複数のトラックが形成され、かつ各トラックが複数のセクタに分割され、各セクタに固有のアドレスが付されているディスクを用い、その記録面に、前記サラウンド信号処理プログラムが複数のセクタに記録された第1データエリアと、サラウンドソースが前記複数のセクタとは異なるセクタに記録された第2データエリアと、記録面に前記第1と第2データエリアがあることを示すデータが記録されたTOC(TABLE OF CONTENTS)エリアとを設けることで、第1データとしてサラウンド信号処理プログラムを記録し、第2データとしてサラウンドソースを記録するようにすれば、サラウンド信号処理プログラムとサラウンドソースとの両者が記録されたコンピュータソフトを提供することができる。
【0054】
図12は記録媒体の好ましい実施例として示すデータ記録済ディスクの平面を模式的に示す図である。図12に示すディスクDは、例えばCDプラス(System IdentifiierがCD PLUSとされる)あるいはエンハンストミュージックCDとも呼ばれる規格ディスクで規定されている直径120mmの光記録媒体であり、内周から外周に向かって第1リードインエリアD1、第1データエリアD2、第1リードアウトエリアD3、第2リードインエリアD4、第2データエリアD5、第2リードアウトエリアD6の順で各領域が略同心円状に配列されている。ここで、第1リードインエリアD1は、第1データエリアD2の各データのアドレスなどを記録しておく第1TOCを構成し、また、第2リードインエリアD4は、第2データエリアD5の各データのアドレスなどを記録しておく第2TOCを構成している。
【0055】
記録媒体として、図12に示すディスクを用いた場合の図8に示すCPU106aによる動作を図13に示すフローチャートを参照して説明する。
図12に示すような2つのデータ領域を持つ複合ディスク7がディスクドライブ4にセットした状態で、プレイの指示が図示しないキーボードから入力された場合に、まず、プログラムのロードが済んでいるかフラグを見て判断し(ステップS11)、NOであれば、図12に示す内側の第1データエリアD2の第1リードインエリアD1をみてCPUのプログラム用データ領域を知り、第1データエリアD2に記録されているプログラムを順次CPUの内部RAMにロードしてプログラムロードが終了するまで続ける(ステップS12〜S15)。もし、プログラムが不在であると判断すると(ステップS13でYES)終了する。
【0056】
プログラムロードが終了した場合(ステップS15でYES)、第1データのプログラムの後に収納しているテストデータを読み出してRAM106bにロードする(ステップS16)(ただし、ない場合にはこのステップは行わない)。そして、デコードプログラムを稼働させてテストデコード処理する(ステップS17)。その結果、正しくデコードされたと判断された場合(あらかじめ正しいデコード信号がテストデータに対になって供給されているので、それらをコンペアすることによって正しいか否かが判断される)、プログラムロードが済んでいることを示すフラグをセットして(ステップS19)ステップS11に戻る。ステップS18でNOであれば演奏不能をディスプレイ上に表示して終了する。
ステップS11において、YESと判断された場合、すなわち、プログラムロード済みである場合は、第2データエリアD5に記録されている第2データをリード(読み出し)し、エンド・オブ・ファイル(EOF)になるまで上述したのと同様なデコード処理を行いオーディオインターフェース106dに出力する(ステップS21〜S24)。そして、ステップS22でYESであれば終了する。
【0057】
尚、前記各実施例において、ゲイン調整を遅延処理の後で行うようにしているが、遅延処理の前段側で行うようにしても良いことは勿論である。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、受聴者が従来以上の広範囲の領域においてサラウンド効果を楽しむことができる。
特に、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の効果に加え、リア用サラウンド信号の振幅を操作することで逆位相感を和らげることができ、音響効果を高めて自然で広がり感が向上したサラウンド空間を創出できる。
また、特に、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の効果に加え、反射音を付加しているので、音像の距離感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的原理を説明するための図である。
【図2】左右再生音のタイミング図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るサラウンド信号処理装置の概略ブロック図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るサラウンド信号処理装置の概略ブロック図である。
【図5】本発明の第3実施例に係るサラウンド信号処理装置の概略ブロック図である。
【図6】本発明の第4実施例に係るサラウンド信号処理装置の概略ブロック図である。
【図7】本発明の第5実施例に係るサラウンド信号処理装置の概略ブロック図である。
【図8】本発明のサラウンド信号処理方法を実施する装置として、パソコンで実施する場合の実施例に係る構成図である。
【図9】図13に示す構成における動作を示すフローチャートである。
【図10】図6の構成に対応したサラウンド信号処理プログラムの処理ステップを示すフローチャートである。
【図11】図7の構成に対応したサラウンド信号処理プログラムの処理ステップを示すフローチャートである。
【図12】記録媒体として用いるデータ記録済ディスクの平面を模式的に示す図である。
【図13】記録媒体として、図17に示すディスクを用いた場合の図13に示すCPU6aによる動作を示すフローチャートである。
【図14】一般的なサラウンドシステムを説明するための図である。
【図15】従来の音像定位処理を説明するための図である。
【図16】音像定位処理の原理を説明するための図である。
【図17】従来のサラウンド信号処理装置の構成図である。
【図18】従来のサラウンド信号処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1 疑似ステレオ回路
2 音像定位回路
4a,4b,51 振幅調整用増幅器
11,11a,11b,27,27a,27b,29,52 遅延回路
12,13,21,26,28,30 加算器
22,25 差分器
23 第1のフィルタ
24 第2のフィルタ
104 ディスクドライブ
105 ネットワークターミナル
106 パソコン
123,124 フィルタ
D ディスク
G,G1,G2 ゲイン調整回路
SPL,SPR スピ−カ

Claims (8)

  1. 受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ手段により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理装置において、
    前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記フィルタ手段の前記側方の受聴位置側のスピーカの出力信号より遅延及びレベル調整して取り出し、この取り出した信号を前記出力信号に再度加算する構成としたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
  2. 受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ手段により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理装置において、
    前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記リア用サラウンド信号より遅延及びレベル調整し、この遅延及びレベル調整した信号と前記リア用サラウンド信号との加算した信号を前記フィルタ手段に入力する構成としたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
  3. 請求項1記載のサラウンド信号処理装置において、前記フィルタ手段の前段側に、前記一対のトランジュ−サから再生される左右一対のサラウンド信号を互いに非相関性を持たせた疑似ステレオ回路と、この回路内に一対のリア用サラウンド信号に振幅差を持たせる振幅調整手段とを設けたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
  4. 請求項3記載のサラウンド信号処理装置において、遅延時間の異なる複数のリア用サラウンド信号を振幅調整して加算することにより疑似ステレオ化する一対のリア用サラウンド信号に反射音を付加する反射音付加回路をさらに備えたことを特徴とするサラウンド信号処理装置。
  5. 受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ処理により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理方法において、
    前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記フィルタ処理の前記側方の受聴位置側のスピーカの出力信号より遅延及びレベル調整して取り出し、この取り出した信号を前記出力信号に再度加算するステップを含むようにしたことを特徴とするサラウンド信号処理方法。
  6. 請求項5記載の処理ステップをコンピュータによりプログラムを実行させるコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  7. 受聴者に対して略左右対称で前方に配置した一対のトランジュ−サから、入力されたリア用サラウンド信号を、フィルタ処理により前記受聴者の左右側方又は左右前後に音像定位させて再生するサラウンド信号処理方法において、
    前記一対のトランジュ−サから前記受聴者の理想位置より側方の受聴位置までの夫々の距離の差に基づく時間差及びレベル差相当分の信号を、前記リア用サラウンド信号より遅延及びレベル調整し、この遅延及びレベル調整した信号と前記リア用サラウンド信号とを加算し、この加算信号に前記フィルタ処理を行うステップを含むようにしたことを特徴とするサラウンド信号処理方法。
  8. 請求項7記載の処理ステップをコンピュータによりプログラムを実行させるコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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