JP3610114B2 - プリント配線板および設計方法 - Google Patents

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  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント配線板で発生する可能性の有る放射ノイズを効率良く抑えるプリント配線板の設計方法およびそのような放射ノイズの発生することの少ないプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板に電源パターンやグランドパターンを形成する場合には多層構造とすることがおおい。多層構造のプリント配線板では、内層側に電源パターンやグランドパターンを形成する一方、搭載部品等が装着される表層側に信号パターンを形成する。一方、両面プリント配線板や片面プリント配線板では信号パターンのない空きスペースを電源パターンやグランドパターンとして形成することが一般的である。
【0003】
従来、プリント配線板に形成される電源パターンやグランドパターンは、放射ノイズ源として問題となる信号周波数との関連性について特に考慮していない。このため、電源パターンが形成された層や、グランドパターンが形成された層のインダクタンスが非常にばら付いており、ある部分のインダクタンスが他の部分に対して著しく高くなっているため、ここに直流電流が流れると電位変動が起こって高レベルの放射ノイズを発生する原因となる。特に、プリント配線板上のICや発振器等の能動素子等の間で信号のやり取りが行なわれると、配線パターンに電流が流れこの電流の周りに磁界が発生する。また、電流が流れる導体がインピーダンスをもっていれば導体の位置の違いによる電位差が生じ電界が発生する。これら発生した磁界や電界は遠方へと拡散放射していく過程で平面波となる。この放射ノイズが他の信号に影響を与え、その他の信号において、反射ノイズ、クロストーク、あるいは遅延と行った問題として現出する。
【0004】
従来、放射ノイズによる悪影響を防止するために、パターン上に抵抗を入れたり、高周波成分をカットするために周波数特性をもったインダクタやキャパシタを入れたりしていた。しかしながら、このような部品の後付による防止対策は設計変更やコストアップを招く。例えば、特公平1−47032号では、図1に示すように、プリント基板の裏面において平行な複数のグランドライン121,121と同じく平行な複数の電源(例えばVCC)ライン122,122…を設け、表面に裏面のグランドライン121,121…と電源ライン122,122…に直交させて平行な複数のグランドライン131,131…と同じく平行な複数の電源ライン132,132…を設けている。図2に示すように、裏面の各々のグランドライン121は表面のグランドライン131と交叉点においてスルーホール136によって導通する。同じく、裏面の各々の電源ライン122は表面のグランドライン132と交叉点においてスルーホール134によって導通する。また、電源ラインとグランドラインとは所定の複数の位置においてノイズ防止用のキャパシタを介して互いに接続されている。この配線基板は、図1から明らかなように、IC素子を基板に配置する目的のために、ICのリードピンを挿入するための複数のスルーホール150,150,…が設けられている。ICが挿入されるときは、そのICが14ピンを有するDIP(dual in−line package)タイプの場合には、電源ピン(14番のピンは)は、図2に示すように、スルーホール110に挿入される。隣のICのグランドピン(7番ピン)はスルーホール111に挿入される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明の発明者達がこの従来技術のプリント基板をテストしてみたところ、折角ノイズ防止用のキャパシタをこの基板に設けたにも拘わらず、前述の放射ノイズのレベルが減少していないことが判明した。これは、ノイズ防止用のキャパシタが同じICの電源ピンとグランドピンとを結ぶのではなく、異なるICの電源ピンとグランドピンを結んでいるからである。このためにノイズの抑制効果が低いのである。
【0006】
この原因を調査した結果次のような結論に到達した。即ち、この従来技術では、図1のようにグランドラインと電源ラインとを互いに直交させて格子状に配置させるのは、格子間隔をICのパッケージの長さに対応させるためであり、このような対応関係により、ICの電源ピンとグランドピン(これらのピンはDIPタイプのICでは、長手方向の両端にある)とが夫々、スルーホール110とスルーホール111に挿入されることを狙っているからである。ところが近年のICは動作周波数が高く、ICの長手方向の長さ程度の間隔で電源ラインとグランドラインとを配置した場合には、信号ラインあるいは電源ラインから放射される放射電磁波のレベルがかなり大きいのである。発明者達は、この高レベルの電磁波の存在が自回路あるいは別の回路に影響を与え誤動作を引き起こすことを見いだした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、放射ノイズを効率良く抑制し得るプリント配線板の設計方法を提供することにある。上記課題を達成するための本発明の設計方法は、
互いに平行して複数の第1の電源ラインが延設された第1の導電層と、該第1の導電層から所定距離だけ離間され、互いに平行して複数の第2の電源ラインが延設された第2の導電層と、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数のスルーホールとを有し、該互いに平行して延設された複数の第1の電源ラインの間、及び該互いに平行して延設された複数の第2の電源ラインの間にそれぞれ信号ラインが形成されている少なくとも2層からなるプリント配線板を設計する方法であって、
a:放射電磁波として問題となる周波数を決定し、
b:該周波数に基づいて、互いに隣り合う前記スルーホールの間隔を決定することを特徴とする。
【0008】
また、上記設計方法は、前記問題となる周波数を、前記プリント配線板を構成する材料の誘電率によって補正することを特徴とする。また、上記設計方法は、前記問題となる周波数を、前記プリント配線板を流れる信号に含まれる50次以下の高次高調波の周波数とすることを特徴とする。また、上記設計方法は、前記問題となる周波数を、前記プリント配線板に実装されるIC素子立ち上がり特性t r 若しくは立ち下がり特性t に基づいて決定することを特徴とする
【0009】
また、上記設計方法は、前記スルーホールの間隔を、前記問題となる周波数に対応する波長の略20分の1以下の長さにすることを特徴とする。また、上記設計方法は、前記スルーホールの間隔は、前記問題となる周波数により導かれる間隔以下の離間距離を有する前記電源ラインの間隔であることを特徴とする
【0010】
また、上記設計方法は、前記第1の電源ラインに平行な第1のグランドラインと、前記第2の電源ラインに平行な第2のグランドラインとが配され、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数の第1のスルーホールを形成し、前記第1のグランドラインと前記第2のグランドラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つのグランドラインを電気的に接続する複数の第2のスルーホールを形成し、前記スルーホールの間隔は、互いに隣り合う第1のスルーホール同士もしくは、第2のスルーホール同士の間隔であることを特徴とする
【0011】
また、上記設計方法は、前記第1の電源ラインに平行な第1のグランドラインと、前記第2の電源ラインに平行な第2のグランドラインとが配され、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数の第1のスルーホールを形成し、前記第1のグランドラインと前記第2のグランドラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つのグランドラインを電気的に接続する複数の第2のスルーホールを形成し、前記スルーホールの間隔は、互いに隣り合う第1のスルーホールと第2のスルーホールの間隔であることを特徴とする。
【0012】
また、上記設計方法は、前記第1の電源ラインと前記第1のグランドラインは、互いが交互に平行して繰り返して配置されて、前記第2の電源ラインと前記第2のグランドラインは、互いが交互に平行して繰り返して配置されていることを特徴とする
【0013】
本発明の他の目的は、放射ノイズを効率良く抑制するために、電源ラインとグランドラインとの間に巧みにスルーホールを設けるというプリント配線板を提供することにある。この目的を達成するための本発明のプリント配線板は、互いに平行して複数の第1の電源ラインが延設された第1の導電層と、該第1の導電層から所定距離だけ離間され、互いに平行して複数の第2の電源ラインが延設された第2の導電層と、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数のスルーホールとを有し、同一配線層における該第1電源ラインの間、及び該第2の電源ラインの間にそれぞれ信号ラインが形成されている少なくとも2層からなるプリント配線板において、互いに隣り合う該スルーホールの間隔は、放射電磁波として問題となる周波数に基づいて決定されていることを特徴とする
【0014】
本発明の他の目的は、太い電源ラインと細い電源ラインとを組み合わせることにより、電流容量の確保と最適インダクタンスを両立させたプリント配線板を提供することにある。この目的を達成するための本発明のプリント配線板は、複数の第1の電源ラインと複数の第1のグランドラインが互いに平行して延設される第1の導電層と、複数の第2の電源ラインと複数の第2のグランドラインが互いに平行して延設される第2の導電層とを有し、該第1の電源ラインと該第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数の第1のスルーホールが形成され、該第1のグランドラインと該第2のグランドラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つのグランドラインを電気的に接続する複数の第2のスルーホールが形成され、同一配線層における該第1の電源ライン、及び該第2の電源ラインの間を走る信号ラインが混在する少なくとも2層からなるプリント配線板において、互いに隣り合う該スルーホールの間隔は、1mm以上でかつ5mm以下の長さであることを特徴とする。
【0015】
【実施例】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るプリント配線板の設計方法の実施例について説明し、次に、その設計方法で設計された基板の構造について説明する。
〈設計の原理〉
後述するように、実施例の設計方法によって設計された基板は、その基板の1つの面に着目すれば1方向に複数の平行ラインが展設され、他の面においても、1方向に複数の平行ラインが展設されている。この結果、両面に展設されたラインは全体的には、格子構造、あるいは立体的には井桁構造を有することとなる。そこで、この格子あるいは井桁の間隔が重要である。以下に説明する設計方法は、2つの異なる観点から、格子あるいは井桁の間隔を決定する原理を説明する。どちらの設計原理を選ぶかは対象となる基板に実現される「回路の性質」による。本明細書において、「回路の性質」とは、
1:ICの出力特性(t,t)、
2:基板で使用される信号中の最も高い周波数、
を言うものとする。従って、この2つの「回路の性質」に従って設計原理を順に説明する。
【0016】
,t に基づく設計
デジタル回路において、その性能に大きな影響を与えるものに、システムの動作周波数とそのシステムに流れる信号の許容される立ち上がり時間/立ち下がり時間特性(以下、簡単にtおよびtと呼ぶ)とがある。
図3,図4は、夫々、74AC240,74HC240というICデバイスが動作したときの放射ノイズレベルの強度を示す。74AC240のt,tは1.4であり、74HC240のそれらは2.0である。これらの図から明らかなように、t,tが小さいほど放射電磁波の強度はより高い周波数帯域にまで高いレベルのまま維持されている。即ち、t,tが小さいほど(信号中の高周波成分が高いほど)、広い周波数帯域に亘って高レベルの電磁波が放射される。
【0017】
電磁波には進行波と定在波とがあるが、発明者達は、放射ノイズとして最も大きな影響を与えるものは後者の定在波であることに着目した。定在波においては、周波数(f)と波長(λ)の間にf=C/λ(Cは光速)の関係が有る。定在波は、その波長(λ)あるいは1/2λに等しい長さの回路パターンのラインから多く発生する。即ち、このような長さの回路パターンが、波長λの定在波を放射するアンテナに適合してしまうのである。反対に、回路パターンの長さが1/20λ以下であれば、そのパターン上の電位差も、振幅の1/2よりも小さくなることを実験的に見いだした。即ち、放射電磁波の影響による電位差が振幅の1/2以下であれば誤動作しないような回路システムにおいては、その回路のラインの長さを1/20λ以下に抑えればよいのである。図5に、周波数fの定在波の波長λと、パターンの長さとの関係を示す。
【0018】
どの程度の周波数の定在波が実際の回路システムで問題になるかは、その回路システムにおける実際の回路システムで使われるデバイスのt,tfnによる。近年のICのt,tは約1ns以下である。図3,図4に示すように、ノイズレベルの低減程度が20dB/octから40dB/octに変化する変異点の周波数を、ノイズが問題となる周波数fと考えるべきである。この周波数fは、
=1/(πt) …(1)
で与えられる。一方、通常、ICからの信号には、この周波数fの2倍から3倍程度高い周波数成分を含む。従って、この実施例では、ノイズを引き起こす問題とすべき周波数fを、信号中に最大3倍程度の周波数成分が含まれるとの前提の下に、
=3/(πt) … (2)
と定義する。従って、近年多用されるt,tが約1ns以下のICについては、問題の周波数は、
=3/(π×1×10−9)≒1(GHz) … (3)
となる。プリント基板の誘電率εは、その基板が2層であれば3.0、2層以上の多層であれば4.8であるので、この誘電性の基板による波長短縮効果を考慮すると、3式で与えられた1GHzの信号の波長λは約150mm程度となる。前述したように、パターンのライン長を、そのラインが放射する電磁波の波長λの1/20以下に設定すればその電磁波の強度は急減するので、t,tが約1ns以下のICを用いる回路システムでは、その基板上でパターンのライン長を7.5mm(=150mm/20)以下に抑えればよいことが分かる。即ち、回路基板の短縮率をαとすると、その回路基板上の信号線の長さlを、
l≦α・(/f)・(1/20) … (4)
以下に抑えればよい。4式に2式を代入して、
l≦α・{(π・C・tr(f))/(3・20)}
が得られる。もっとも、必要以上に信号線の長さを短くすることは却ってコスト増になる場合があるので、その回路基板上の大部分の回路パターンラインの長さを4式で与えらる長さに程度に抑えればよいのである。
【0019】
回路基板の設計においてはICデバイスのパッケージの配置が優先するので、信号ラインの長さを制御することは困難な場合が多い。そこで、本実施例では、電源ライン及びグランドライン間の距離を一定範囲内に制御し、電源ライン間、あるいはグランドライン間、あるいは電源ラインとグランドラインの間に信号線を這わせることにより信号線の長さを制御する。更に、基板の表面に電源ラインパターンとグランドラインパターンを展設し、さらに同基板の裏面にも電源ラインパターンとグランドラインパターンとを展設し、表面に展設された電源ラインパターンとグランドラインパターンが、裏面に展設された電源ラインパターンとグランドラインパターンに対して直交するように配置する。そのうえで、表面の電源ラインと裏面の電源ラインとの交叉点においてスルーホールを介して両者を導通させ、表面のグランドラインと裏面のグランドラインとの交叉点においてスルーホールを介して両者を導通させることにより、信号ラインと電源/グランドパターン間の距離を実質的に制御することとする。このような電源ラインとグランドラインの配線の例を図9,図10に示す。
【0020】
図6,図7は、実施例の設計方法において、具体的に信号線の長さを制御することの意義を説明する。図6は、基板の表面(または裏面)に展設されたループ形状の信号線に電流iが流れる様子を説明する。同じく、図7は、基板の表面と裏面とに展設された2本の信号線がスルーホールによって接続されてループを形成し、そのループを電流iが流れる様子を示す。両図において、ループの断面積をSとすれば、このループを流れる電流iによって生成される磁束Φは、
Φ=k・i・S (kは定数)
である。このループによって発生する放射電磁波は磁束Φの大きさに支配されるから、磁束Φを小さくすることによって電磁波の強度を小さくすることができる。従来では、前述したように、磁束Φを小さくするために電流値iを小さくすることを基板設計に際して念頭にいれていたが、本実施例は面積Sを小さくすることを検討する。即ち、実施例に係る設計方法は、表面上または裏面上の電源ラインと表面上または裏面上のグランドラインとの間隔、あるいは電源ライン同士の間隔、あるいはグランドライン同士の間隔を前述の4式に従って定義された距離とする。
【0021】
図8は、基板上に展設された電源ラインVCC2とグランドラインGND1との間に実装されたIC1とIC2との間を結ぶ信号線200を示す。電流は、電源ラインVCC2から両ICに流れ、さらにグランドラインGND1に流れ込む。一部の電流は信号線200を介して流れるであろう。電源ラインVCC2の近傍にさらに電源ラインVCC1が展設されていたとする。通常、電源ラインはインピーダンスが低いので電源ラインVCC2と電源ラインVCC1の間には電位差はないと考えられるが、高密度の回路基板ではインピーダンスを有する。グランドラインGND1とグランドラインGND2の間にも電位差は発生している。従って、電流は一部電源ラインVCC1から一部グランドラインGND2へと流れる。ICにとっては、電源ラインVCC1もグランドラインGND2も電源ラインVCC2とグランドラインGND1に対して夫々遠方にあるものとして存在するから、電源ラインVCC1から流れ込む電流やグランドラインGND2へと流れ込む電流が多いということは、図6,図7に関連して説明した電流ループの断面積を大きくすることを意味する。
【0022】
そこで、電源ラインVCC1と電源ラインVCC2との間をスルーホール201で接続して、IC1の近傍で電源ラインVCC1と電源ラインVCC2を等電位に近付ける。同じく、グランドラインGND1とグランドラインGND2の間にスルーホール202を設けてIC2の近傍でグランドラインGND1とグランドラインGND2を等電位に近付けるのである。このようにすると、IC1,IC2さらには信号線200に流れる電流のほとんどは電源ラインVCC2から供給されグランドラインGND1に還流する。即ち、信号線200に最も近い電源線及びグランド線を電流が流れるようになる。さらに、表面と裏面に狭いピッチの井桁状の配線を行なうことにより、前述のVCCラインやGNDラインをスルーホールによって接続することによる効果と相俟って、結合が強化されて、高周波電流がIC及び信号線に集中するようになる。こうすることにより、信号電流のループの断面積を小さくすることができ、その結果、放射電磁波の強度を弱めることができる。
【0023】
即ち、信号線の近傍に電源ラインあるいはグランドラインを配線するようにすると、その信号ラインと電源ラインあるいはグランドラインとの間の相互インダクタンスがより大きくなり、インピーダンスを低める効果がある。これは、信号ラインとグランドラインのように互いに逆向きの電流が流れる場合、システム全体の実効インダクタンスが低下するという効果があるからである。なお、インダクタンスL,キャパシタンスC,インピーダンスZの関係は、
={(R+jωL)/(G+jωC)}1/2
である。但し、R:抵抗、G:コンダクタンスである。
【0024】
回路基板が多層板であれば、内層にベタのグランドパターンを作れば理想的には、
パターンの長さ×層間の厚み
がループの面積となる。しかしながら、パターンがベタの場合には、このベタパターン内の任意のルートをリターン電流が流れるから好ましくない。従って、上述のように、スルーホールによって表面と裏面ラインとを接続する、即ち、表面ラインと裏面ラインとを井桁構造とするという手法を採用する。
【0025】
以上は主に磁界に原因するノイズの除去について、断面積Sを小さくするために電源ライン(あるいはグランドライン)間の距離を短くすることについて述べたが、次に、信号ラインの位置の違いによる電位差が原因で発生する電界を抑制する方法を説明する。
電位の変動(電圧)は、電流の変化量とその電流の流れるラインのインダクタンスによって決まる。即ち、電位変動Vは、
V=L・(di/dt)
である。このインダクタンスLを小さくできれば、位置の異なる信号線間において発生する電位変動Vは小さくなり、結果的にノイズを生む電界が抑制できる。図9,図10の井桁構造の基板においては、後述するように、グランドライン及び電源ラインのインピーダンスを下げられているので、電位変動は低く抑えられ発生する電界を低く抑えることができる。
【0026】
即ち、この実施例の設計方法は、電流ループの断面積の縮小とインダクタンスの低減による電位差の縮小によって放射ノイズを抑制するものである。
信号中の最高周波数に基づく設計
通常、クロック信号のような高速の繰り返し信号は、周波数が高くなるほど、信号のtr,tfの早さも早いものが要求され、使用に耐ええるような矩形波を得るためには、通常、元の周波数の50次程度までの高調波含むことが必要である。従って、井桁若しくは格子の間隔は、回路中の最も高い繰り返し信号の周波数の50倍の周波数に基づいて設計しなければならない。即ち、回路の動作クロック若しくはその回路中の最も高い周波数の信号が30MHzならば、その50次高調波は1.5 GHzで、波長はプリント基板上での波長短縮を考えると100mm程度の長さとなる。従って、100mm程度の波長を有する放射電磁波を発生させないためには、第1の設計方法と同じように、信号線の長さあるいは格子間隔を、その波長の1/20以下(即ち、この例では5mm以下)に抑えることが必要となる。
【0027】
〈設計回路基板の例〉
以上が本発明の設計方法の具体的な設計手法を説明した。以下にこの設計手法によって具体的に設計された回路基板の例を図9,図10にしたがって説明する。
図9は、上記設計手法によって設計された回路基板11の表面の斜視図を、図10はその表面を拡大した図を示す。図9,図10において、参照番号において、“a”を付せられたものは表面側のものを、“b”を付せられたものは裏面側のものを示すとする。
【0028】
図9において、太い線12aはグランド線を、太い線14aは電源線を、また、細い線13aはグランド線を、細い線15aは電源線を示す。即ち、図9において、矩形の両面プリント配線板11の表面Aには、その幅方向の一端側から、3mm程度の間隔で複数本のグランドライン13aの夫々が、配線板11の長手方向(図10中、上下方向)に延びており、この複数本のグランドライン13aが相互に平行に並んだ状態で形成されている。これらのグランドライン13aは線幅が1mm未満、好ましくは0.3mm程度でよい。2本の細いグランドライン13aの間に一本の電源ライン15aが前記方向に延設されている。即ち、細いグランドライン13aと細い電源ライン15aとが交互に現われるように基板11上に延設されている。
【0029】
3本のグランド線12aと3本の電源線15aを一本の太いグランド線12aと一本の太い電源ライン14aが挟むように、グランド線12aと電源ライン14aが基板11上に配設されている。基板11上には、図9に示すように、2本の太い電源線14aと2本の太いグランド線12aが延設されている。即ち、太い電源ライン14aと太いグランドラインは互いに交互に現われるように基板11上に配設されている。太い電源ライン(あるいはグランドライン)は線幅が1mm以上、好ましくは2mm程度でよい。
【0030】
同様に、この両面プリント配線板11の表面Aには、線方向他端側(図10中、左端側)から3mm程度の間隔で複数本の電源ライン14a,15aがこれらグランドライン12a,13aと平行に並んだ状態で形成されている。これらは、線幅が1mm以上、本実施例では2mm程度の太い電源ライン14aと、線幅が1mm未満、本実施例では0.3mm程度の細い電源ライン15aとで構成され、隣接する2本の太い電源ライン14aの間に複数本(図示例では6本)の細い電源ライン15aが並び、全体としてグランドライン12a,13aと電源ライン14a,15aとが1.5mm程度の間隔で交互に配列した状態となっている。従って、図11に示すように、グランドライン(12aあるいは13a)の中心電源ライン(14aあるいは15a)中心の間隔は約1.5mmとなる。
【0031】
また、この両面プリント配線板11の裏面Bにも、複数の太いグランドライン12bと複数の細いグランド13bと、複数の太い電源ライン14bと複数の細い電源ライン15bとが互いに平行になるように延設されている。これらのラインは、表面A上のラインと直交するように裏面B上に延設されている点を除けば、裏面B上の配列パターンはAと同じである。図12にこの裏面の配列パターンを示す。
【0032】
表面A上の電源ライン(太いラインと細いラインを問わず)と裏面B上の電源ライン(太いラインと細いラインを問わず)とはそれらの交差点上においてスルーホールによって接続され、表面A上のグランドライン(太いラインと細いラインを問わず)と裏面B上のグランドライン(太いラインと細いラインを問わず)とはそれらの交差点上においてスルーホールによって接続されている。図10はこれらラインのスルーホールによる接続状態を示す。図10において、小さな丸と大きな丸はスルーホールを示す。小さな丸は、同じ電位の、細いラインと、細いライン若しくは太いラインとを接続するためのスルーホールを示し、大きな丸は、同じ電位の、太いラインと太いラインとを接続するためのスルーホールを示す。図10において、図示の便宜上、実線は表面側のラインを、破線は裏面側のラインを示す。また、実線のハッチング線が引かれた部分は表面側の太い電源あるいはグランドラインを、破線のハッチング線が引かれた部分は裏面側の太い電源あるいはグランドラインを示す。
【0033】
図13は、スルーホールによる接続を立体的に示す。
図11から明らかなように、実施例の配線方法によれば、全てのグランドライン(あるいは全ての電源ライン)において、長手方向において隣接する2つのスルーホールによって区画されたラインの長手方向の長さは3mmとなる。また、図12から明らかなように、全てのグランドライン(あるいは全ての電源ライン)において、横方向において隣接する2つのスルーホールによって区画されたラインの横方向の長さも3mmとなる。
【0034】
図9,図10において、20aは表面A上に配設された信号線を、20bは裏面に配設された信号線を示し、これら2つの信号線はスルーホール21によって電気的に接続されている。前述したように、基板11の表面Aにおいても裏面Bにおいても、隣接する電源線とグランド線との間隔は1.5mmである。信号ラインの線幅を例えば0.15mm程度とすれば、最大4〜5本程度の信号線を形成しえる。従って、表面も裏面上のいかなる信号線に対しても、1.5mm以下の距離にあるような一組の電源ラインとグランドラインが存在する。また、もし、図14に示すようなIC160が基板11上に設けられているとすると、このIC160からの2本の信号線161,162上のいかなる折れ線部分にも、1.5mm以下の距離にあるような一組の電源ラインとグランドラインが存在する。
【0035】
従って、図10〜図14のように構成された基板11において、信号線とグランドラインあるいは電源ラインとの間で形成するループの面積が少なくなるので、そのループを通る磁束が減少して放射電磁波の強度が弱められる。さらに、ラインによって形成されるインピーダンスも減少するので基板上で発生する電界強度も弱くなる。
【0036】
図15,図16,図17,図18は夫々、電源ライン同士あるいはグランドライン同士を接続する隣接する2つのスルーホールの間隔を、略0mm,3mm,9mm,15mmと変えた時の、その基板における電源ラインとグランドラインの井桁の概略的な外観を示す。
テスト結果
図19は、上記2つのスルーホールの間隔を、略0mm,3mm,9mm,15mmと変えた時の、配線板11のグランドラインのインダクタンスの変化を示す。また、図20は、上記2つのスルーホールの間隔を、略0mm,3mm,9mm,15mmと変えた時の、グランドラインと電源ライン間のキャパシタンスとの関係を示す。また、図21は、上記2つのスルーホールの間隔を、略0mm,3mm,9mm,15mmと変えた時の、グランドラインに信号を流した場合に発生する放射ノイズの変化を示す。
【0037】
図19〜図21から明らかなように、スルーホールの間隔をある程度、つまり3mm程度まで狭くする方が、めっきスルーホール16,17の間隔を0にした、いわゆるベタのグランドパターンと同等な特性を得られることが理解できよう。図9に示した例では、グランドライン12a,12bや電源ライン14a,14bの線幅を2mm程度に設定したが、1mm以上あれば、これらの電流容量を確保する上で有効であり、低い周波数でのインダクタンスを低くすることができる。逆に、グランドライン13a,13bや電源ライン15a,15bの間隔を5mm以下、特に3mm程度に設定することにより、高い周波数でのインダクタンスを下げることができる。また、上記例ではグランドライン13a,13bや電源ライン15a,15bの線幅を0.3mm程度に設定したが、1mm未満であれば後述する信号ラインのレイアウトを損なう可能性が少なくなる。
【0038】
太いラインと細いラインの重複利用
図9の設計例では、グランドラインと電源ラインの双方において、太い線幅のラインと細い線幅のラインとが適用されている。これは以下の理由による。太い線幅ラインはDC的な電流容量を確保すると共に、低い周波数でのインダクタンスを低くする効果がある。一方、細いラインは、高い周波数でのインダクタンスを下げ、さらに、細いがゆえに、信号線の合間を縫って小さいサイズの井桁格子を組むことを可能にするために、放射ノイズの抑制面において効果がある。
【0039】
このように、図9の例では、2つのことなる太さのラインを合わせて使用することにより、互いに補い合う効果を同時に得ることができる。
〈実施例の他の効果〉
▲1▼:従来の通常の多層基板ではグランド層は1層である。電流が高周波になるに従い、表皮効果により、グランド層の表面にしか電流が流れないため、その1層のグランド面の銅箔をいくら厚くしても、高周波インピーダンスは下がらない。ところが上記例の基板では、多層からなる基板において、複数の層において、面状あるいは格子状のグランドパターンを形成している。このために、信号電流に対してグランドリターン電流の多くの並列経路を作る構造になるため、基板全体におけるグランドの高周波インピーダンスは下がることになる。
▲2▼:通常基板上のグランドは理想的なグランドではないために、必ずグランドにインダクタンスが存在する。従って実際の基板上で、IC間を流れる信号電流に対してグランドを流れるリターン電流が、このインダクタンスが存在することにより、電圧スパイクを誘起し、その結果、グランドバンスを発生させる。しかしながら、上記例の基板では、グランド層以外の部分に面状あるいは格子状のグランドパターンを形成することにより、グランドのインダクタンスが小さくなり電圧スパイクも当然小さくなる。その結果グランドバンスが低減される。
▲3▼:デジタル信号の電圧波形は通常パルス状の台形波である。出力ICの出力インピーダンスが信号線の特性インピーダンスより低い場合には、台形波の平坦部に凸凹状の振幅が発生し、これは通常リンギングとよばれている。このリンギングを小さくするには、信号線の特性インピーダンスを小さくすればよい。しかしながら、上記例の基板では、グランド層以外の部分に面状あるいは格子状のグランドパターンを形成することにより、信号線とグランドとの容量結合が大きくなり、信号線の特性インピーダンスが下がる。その結果、伝送波に発生するリンギングが小さくなる。
▲4▼:何本かの隣り合った信号線が近接して基板上に存在するとき、その信号線間の容量結合や誘導結合によりクロストークが発生する。この信号線間の容量結合を弱くするには、信号線とグランドの距離をできる限り短くすることが必要である。上記例の基板では、従来の多層板に比べて、当然表層や内層にある信号線とグランドとの距離は短くなり、信号線間の容量結合が弱くなりクロストークが低減される。
【0040】
また誘導結合は、信号線とリターングランドで形成される電流ループに比例する。すなわち電流ループが大きければ大きいほど誘導結合は強くなる。当然この電流ループを小さくするには、信号線とグランドの距離を短くする必要がある。先に述べた容量結合の場合と同様、上記例の基板では、従来の多層板に比べ信号線とグランドの距離は短くなり、誘導結合も弱くなりクロストークが低減される。
▲5▼:基板から発生する電磁波放射ノイズの強度は、信号線とグランドのリターン電流で形成される電流のループ面積の大きさに比例する。したがって、多層板のように、グランド層が存在する構成の基板では、信号線の直下にグランド層が存在するので上述の電流ループが小さくなる。しかしながら、通常の多層基板では、内部層の一面にグランド層を持っていても、それは理想グランドではないので、必ずインダクタンスが存在することになる。このインダクタンスが存在することにより、グランドのリターン電流は信号線の直下だけでなく、基板全体を拡がりながら流れる。このリターン電流の拡がりを小さくすることが、即ち電磁波の放射ノイズを低減することになる。
【0041】
しかしながら、上記例の基板では、グランド層以外にもグランドラインが存在し、信号線とグランドとの距離が短くなると同時に、インダクタンスも小さくなり、電磁波の放射ノイズが低減される。
▲6▼:通常、静電気テストとして、外部からプリント基板に(例えば、I/Oコネクタに)静電気放電として高電圧パルスを印加して、部品が実装された基板が誤動作するかしないかを試験している。
【0042】
上記実施例の様な基板構造をとると、グランド層以外にもグランドパターンが形成されるので、信号線とグランドとの結合容量が大きくなる。従って、
V=Q/C
の式で、基板のC(容量)が大きくなれば、外部からの高電圧パルスがQが一定ならば当然誘起される電圧(V)も小さくなり、基板内での電圧変動が低減され基板の誤動作が少なくなる。
▲7▼:また上記実施例の基板では、電源パターンやグランドパターンを崩すことなく、これらの間に信号パターンを形成することにより、電源インダクタンス分布やグランドインダクタンス分布の低い安定したプリント配線板を得ることができ、放射ノイズ対策や回路の誤動作解析に費やされる時間やコストを大幅に削減できる。
【0043】
特に限られた空間に高密度に部品を実装するような場合には、ノイズを抑制するための部品を余分に実装するスペースが無い。また、携帯型コンピュータでは基板の総数を減らすために電源/グランドパターンのための面積を確保できないという問題がある。また、複写機では、装置内の複数の基板がケーブルで接続されていて、そのケーブルがアンテナになり易い等の、その製品特有の条件があるが、上記実施例の基板の高密度実装では放射ノイズを低減することにより高密度実装を可能にならしまえた。
【0044】
なお、本実施例ではプリント配線板として両面プリント配線板11を採用したが、多層プリント配線板にも本発明を応用できることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプリント配線板の設計方法及びこの設計方法によって設計されたプリント配線板によれば、放射ノイズを効率良く抑制することができる。
具体的には、本発明のプリント配線板によると、電源ラインあるいはグランドラインを複数の導体層にてそれぞれ異なる方向に所定間隔で形成し、これらの交差部分をめっきスルーホールを介してそれぞれ接続したので、電源パターンが形成された導電層や、グランドパターンが形成された導電層のインダクタンスが均一化され、電源パターンとグランドパターンとの間のキャパシタタンスが上昇する結果、これらからの放射ノイズを抑制することができる。
【0046】
また、具体的には、これら電源ラインあるいはグランドラインを、細い線幅のものと複数本のこれら細い線幅の電源ラインあるいはグランドラインを介して並ぶ太い線幅のものとで構成したので、電流容量が不足するような不具合は発生せず、低い周波数のインダクタンスと高い周波数のインダクタンスとをそれぞれ効率良く抑制することができ、放射ノイズ特性に優れたプリント配線を得ることができる。
【0047】
さらに、具体的には、上述した電源パターンやグランドパターンを崩すことなく、これらの間に信号パターンを形成することにより、電源インダクタンス分布やグランドインダクタンス分布の低い安定したプリント配線板を得ることができ、放射ノイズ対策や回路の誤動作解析に費やされる時間やコストを大幅に削減できる。
【0048】
さらに具体的には、特に限られた空間に高密度に部品を実装するような場合には、ノイズを抑制するための部品を余分に実装するスペースが無い。また、携帯型コンピュータでは基板の数を減らすために電源/グランドパターンのための面積を確保できないという問題がある。また、複写機では、装置内の複数の基板がケーブルで接続されていて、そのケーブルがアンテナになり易い等の、その製品特有の条件があるが、本発明の高密度実装では放射ノイズを低減することにより高密度実装を可能にならしめた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の係るプリント板の構成を示す図。
【図2】従来例の係るプリント板の構成を示す図。
【図3】本発明の実施例の設計方法において、立ち上がり,立ち下がり時間が問題になることを説明する図。
【図4】本発明の実施例の設計方法において、立ち上がり,立ち下がり時間が問題になることを説明する図。
【図5】本発明の実施例の設計方法の原理を説明する図。
【図6】本発明の実施例の設計方法の原理を説明する図。
【図7】本発明の実施例の設計方法の原理を説明する図。
【図8】本発明の実施例の設計方法の原理を説明する図。
【図9】本発明によるプリント配線板を両面プリント配線板に応用した一実施例の外観を模式的に表す斜視図である。
【図10】図9に示した実施例における両面プリント配線板の拡大平面破断図である。
【図11】図8実施例に係る配線板の表面の形状を示す図である。
【図12】図8実施例に係る配線板の裏面の形状を示す図である。
【図13】実施例の配線板におけるスルーホールの接続の様子を示す図である。
【図14】実施例の配線板における電源ラインと信号ラインの夫々のスルーホールによる接続の様子を示す図である。
【図15】電源ラインのパターンの一例を示す図である。
【図16】電源ラインのパターンの一例を示す図である。
【図17】電源ラインのパターンの一例を示す図である。
【図18】電源ラインのパターンの一例を示す図である。
【図19】めっきスルーホールの間隔とグランドパターンのインダクタンスとの関係を表すフラグである。
【図20】めっきスルーホールの間隔と電源パターンおよびグランドパターン間のキャパシタンスとの関係を表すグラフである。
【図21】めっきスルーホールの間隔と放射ノイズとの関係を表すグラフである。

Claims (21)

  1. 互いに平行して複数の第1の電源ラインが延設された第1の導電層と、該第1の導電層から所定距離だけ離間され、互いに平行して複数の第2の電源ラインが延設された第2の導電層と、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数のスルーホールとを有し、該互いに平行して延設された複数の第1の電源ラインの間、及び該互いに平行して延設された複数の第2の電源ラインの間それぞれ信号ラインが形成されている少なくとも2層からなるプリント配線板を設計する方法であって、
    a:放射電磁波として問題となる周波数を決定し、
    b:該周波数に基づいて、互いに隣り合う前記スルーホールの間隔を決定することを特徴とするプリント配線板の設計方法。
  2. 前記問題となる周波数を、前記プリント配線板を構成する材料の誘電率によって補正することを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  3. 前記問題となる周波数を、前記プリント配線板を流れる信号に含まれる50次以下の高次高調波の周波数とすることを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  4. 前記問題となる周波数を、前記プリント配線板に実装されるIC素子立ち上がり特性tr若しくは立ち下がり特性tfに基づいて決定することを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  5. 前記スルーホールの間隔を、前記問題となる周波数に対応する波長の略20分の1以下の長さにすることを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  6. 前記スルーホールの間隔は、前記問題となる周波数により導かれる間隔以下の離間距離を有する前記電源ラインの間隔であることを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  7. 前記第1の電源ラインに平行な第1のグランドラインと、前記第2の電源ラインに平行な第2のグランドラインとが配され、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数の第1のスルーホールを形成し、前記第1のグランドラインと前記第2のグランドラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つのグランドラインを電気的に接続する複数の第2のスルーホールを形成し、前記スルーホールの間隔は、互いに隣り合う第1のスルーホール同士もしくは、第2のスルーホール同士の間隔であることを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  8. 前記第1の電源ラインに平行な第1のグランドラインと、前記第2の電源ラインに平行な第2のグランドラインとが配され、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数の第1のスルーホールを形成し、前記第1のグランドラインと前記第2のグランドラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つのグランドラインを電気的に接続する複数の第2のスルーホールを形成し、前記スルーホールの間隔は、互いに隣り合う第1のスルーホールと第2のスルーホールの間隔であることを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の設計方法。
  9. 前記第1の電源ラインと前記第1のグランドラインは、互いが交互に平行して繰り返して配置されて、前記第2の電源ラインと前記第2のグランドラインは、互いが交互に平行して繰り返して配置されていることを特徴とする請求項又はに記載のプリント配線板の設計方法。
  10. 互いに平行して複数の第1の電源ラインが延設された第1の導電層と、該第1の導電層から所定距離だけ離間され、互いに平行して複数の第2の電源ラインが延設された第2の導電層と、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数のスルーホールとを有し、同一配線層における該第1電源ラインの間、及び第2の電源ラインの間にそれぞれ信号ラインが形成されている少なくとも2層からなるプリント配線板において、
    互いに隣り合う該スルーホールの間隔は、放射電磁波として問題となる周波数に基づいて決定されていることを特徴とするプリント配線板。
  11. 前記問題となる周波数は、前記プリント配線板を構成する材料の誘電率によって補正されていることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板。
  12. 前記問題となる周波数は、前記プリント配線板を流れる信号に含まれる50次以下の高次高調波の周波数であることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板。
  13. 前記問題となる周波数は、前記プリント配線板に実装されるIC素子立ち上がり特性tr若しくは立ち下がり特性tfに基づいていることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板。
  14. 前記スルーホールの間隔は、前記問題となる周波数に対応する波長の略20分の1以下の長さであることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板。
  15. 複数の第1の電源ラインと複数の第1のグランドラインが互いに平行して延設される第1の導電層と、複数の第2の電源ラインと複数の第2のグランドラインが互いに平行して延設される第2の導電層とを有し、該第1の電源ラインと該第2の電源ラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つの電源ラインを電気的に接続する複数の第1のスルーホールが形成され、該第1のグランドラインと該第2のグランドラインとが立体的に交差する位置において、交差する2つのグランドラインを電気的に接続する複数の第2のスルーホールが形成され、同一導電層における該第1の電源ライン、及び該第2の電源ラインの間にそれぞれ信号ラインが混在する少なくとも2層からなるプリント配線板において、互いに隣り合う該スルーホールの間隔は、1mm以上でかつ5mm以下の長さであることを特徴とするプリント配線板。
  16. 前記第1の電源ラインと前記第1のグランドラインは、互いが交互に平行して繰り返して配置され、前記第2の電源ラインと前記第2のグランドラインは、互いが交互に平行して繰り返して配置されていることを特徴とする請求項15に記載のプリント配線板。
  17. 前記互いに隣り合うスルーホールは、第1のスルーホールと第2のスルーホールであることを特徴とする請求項15に記載のプリント配線板。
  18. 前記互いに隣り合うスルーホールは、第1のスルーホール同士、もしくは第2のスルーホール同士であることを特徴とする請求項15に記載のプリント配線板。
  19. 前記プリント配線板の波長短縮率をα、信号の立ち上がりまたは立ち下がり時間特性t、光速をCとすると、互いに隣り合う前記電源ラインと前記グランドラインとの間隔は、α・(π×C×t)/(3×20)以下であることを特徴とする請求項15に記載のプリント配線板。
  20. 前記第1の電源ラインは、n(≧2)本の並んだ細いライン毎に1本の太いラインとからなるパターンを有し、前記第1のグランドラインは、m(≧2)本の並んだ細いライン毎に1本の太いラインとからなるパターンを有していることを特徴とする請求項15に記載のプリント配線板。
  21. 前記太いラインは1mm以上の線幅を有し、前記細いラインは1mm未満の線幅を有することを特徴とする請求項20に記載のプリント配線板。
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