JP3609714B2 - 誤り訂正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、誤り訂正装置に関し、特に、積符号ブロック化されたデータに対して、各方向の符号の誤り訂正を順次行なう誤り訂正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル伝送システム、コンピュータの周辺装置などのようにデジタルデータを伝送する環境においては、デジタルデータ伝送の信頼性の向上を図るため、一般に誤り訂正符号が用いられている。特に、最近では、デジタルデータの受信再生側におけるデータ処理能力の向上に伴い、高度な訂正能力を有する誤り訂正符号が用いられるようになってきている。
【0003】
このような誤り訂正符号の代表的なものとして、符号長・冗長度の大きいロングディスタンスコードの積符号がある。
【0004】
図13は、このような積符号がデジタルデータ(情報シンボル)に付加される態様を模式的に示す図である。
【0005】
図13を参照して、積符号は、一般に、縦横の異なる方向の誤り訂正符号を組合わせたものである。より特定的には、積符号は、情報シンボルの縦方向に対して付加された外符号のパリティPOと、情報シンボルおよびパリティPOの横方向に対して付加された内符号のパリティPIとから構成される。
【0006】
それぞれの誤り訂正符号としては、バイト単位の誤り訂正が可能なリード・ソロモン符号(以下、RS符号と呼ぶ)が用いられることが多い。図13の例では、PO方向の誤り訂正符号は、符号長n0(=208),情報長k0(=192),最小距離d0(=17)のRS符号であり、PI方向の誤り訂正符号は、符号長ni(=182),情報長ki(=172),最小距離di(=11)のRS符号である。
【0007】
なお、ここで、di≧2ti+1,d0≧2t0+1の関係が成り立っているものとする(ti,t0は訂正可能な誤り数)。
【0008】
このように、2つの方向のRS誤り訂正符号が付加され、かつ積符号ブロック化されたデータを受信再生装置がデコード(誤り訂正)する際には、一般に、各方向の符号の誤り訂正が繰返される。
【0009】
図14は、このような第1の従来の誤り訂正装置における誤り訂正処理でのデータの伝送経路を簡単に示したブロック図である。
【0010】
図14を参照して、たとえば、DVD等から読出されたデジタルデータは、データバス51を介して、図13に示したように積符号ブロック化されて一旦バッファメモリ52に蓄積される。バッファメモリ52には、複数の積符号ブロックを一度に蓄積するために、4Mbit以上の大容量のものが用いられるのが一般的である。したがって、バッファメモリ52としては、大容量、小面積および低コストという理由から、主にダイナミック型ランダムアクセスメモリ(以下、DRAMと呼ぶ)や同期型ダイナミック型ランダムアクセスメモリ(以下、SDRAMと呼ぶ)等が用いられる。
【0011】
そして、バッファメモリ52からデータが順次読出されて誤り訂正回路53で、各方向の符号の誤り訂正が行なわれる。リード・ソロモン符号を用いた誤り訂正を行なうためには、次の4つの手順が一般的である。
【0012】
(1) 受信データからシンドロームを計算する。
(2) シンドロームから誤り位置多項式、誤り評価多項式を求める。
【0013】
(3) 誤り位置多項式から誤り位置を求める。
(4) 誤り位置多項式、誤り評価多項式および誤り位置から誤り数値を求め、訂正する。
【0014】
訂正能力の大きいリード・ソロモン符号による誤り訂正では、上述の手順(2)においてシンドロームから誤り位置多項式、誤り評価多項式を求める手法の1つとして、2つの多項式の最大公約数を求めるユークリッド互除法を応用したユークリッドアルゴリズムが知られている。
【0015】
図15は、このような誤り訂正回路53の構成を示す概略ブロック図である。誤り訂正回路53は、入力データからのシンドロームを計算するためのシンドローム計算回路54と、シンドロームから誤り位置多項式、誤り評価多項式を求めるためのユークリッド実行回路55と、誤り位置多項式、誤り評価多項式から誤り位置、誤り数値を求めるチェンサーチ実行回路56と、誤り位置、誤りの数値により訂正を行なう訂正回路57とから構成される。
【0016】
たとえば、図13の積符号ブロックにおいて、横方向のPI系列のデータに対するシンドローム計算、ユークリッド法による誤り位置多項式と誤り数値多項式の計算およびチェン(Chien)サーチ法による誤り位置と値の計算が行なわれ、バッファメモリ52上で誤りが訂正される。
【0017】
その後、縦方向のPO系列のデータに対するシンドローム計算、ユークリッド法による誤り位置多項式と誤り数値多項式の計算およびチェンサーチ法による誤り位置と値の計算が行なわれ、バッファメモリ52上で誤りが訂正される。
【0018】
このような処理を各系列に対して繰返すことにより、情報シンボル内の誤り符号が訂正されていくことになる。一般に、この誤り訂正処理の繰返しの回数が多いほど、訂正可能な誤り符号の数が多くなる。
【0019】
図14に示した例では、バッファメモリ52は、ダイナミック型ランダムアクセスメモリ(DRAM)等を備える。バッファメモリ52は、横方向のPI系列のデータにアクセスする場合にはバーストアクセスとなって高速にデータを読込むことができる。しかしながら、縦方向のPO系列のデータにアクセスする場合にはランダムアクセスを必要とするため、データの読出に時間がかかり、その結果、誤り訂正速度が低下するという問題がある。
【0020】
図16は、このような問題に対処するための第2の従来の誤り訂正装置の構成を説明するための概略ブロック図である。
【0021】
図16に示すように、この第2の従来の誤り訂正装置には、縦、横のいずれの方向のデータにも高速アクセスが可能なスタティック型ランダムアクセスメモリ(以下、SRAMと呼ぶ)からなる記憶素子58が付加される。バッファメモリ52における横方向のPI系列のデータのアクセスの際に、この記憶素子58に積符号ブロックのすべてのデータを書込む。つまり、縦方向のPO系列のデータのアクセスは、この記憶素子58に記憶された積符号ブロックに対して行なうようにすることで、縦方向のPO系列のデータのアクセスも高速に行なえるようにすることが提案されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16に示した従来例にあっては、SRAMからなる記憶素子58の容量が膨大になり、その結果、回路面積および消費電力が増大するという新たな問題がある。
【0023】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、記憶素子の容量の増加を抑制した上で、高速な誤り訂正処理を行なうことができる誤り訂正装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の誤り訂正装置は、異なる方向の誤り訂正符号を付加された積符号ブロックを記憶する第1の記憶回路と、積符号ブロックにおける第1の方向に配列されたデータを第1の記憶手段から受けて、第1の方向に関して誤り訂正処理を行なう第1の誤り訂正演算回路と、第1の誤り訂正手段で訂正されたデータを第1の誤り訂正手段から受けて、積符号ブロックにおける第2の方向に配列されたデータに対する誤り訂正のための処理を逐次行なう第2の誤り訂正演算回路とを備え、第1の誤り訂正演算回路は、積符号ブロックの第1の方向に配列されたデータを有する単位ブロックごとに誤り訂正処理を行ない、第2の誤り訂正演算回路は、第1の誤り訂正演算回路で訂正された単位ブロックごとのデータを順次受けて、積符号ブロックの第2の方向に配列されたデータに対する誤り訂正のための処理を、単位ブロックに含まれるデータごとに分割して行なう。
【0026】
請求項2記載の誤り訂正装置は、請求項1記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第2の方向に配列されたデータに対する誤り訂正のための処理は、前記第2の方向に配列されたデータに対するシンドローム計算処理を含み、前記第2の誤り訂正演算回路は、前記シンドローム計算処理を、前記単位ブロックに含まれるデータごとに分割し、かつ前記第2の方向について積算することで行う。
【0027】
請求項3記載の誤り訂正装置は、請求項2記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1の誤り訂正演算回路は、訂正したデータを前記第1の記憶回路に送出するとともに、前記第2の誤り訂正演算回路にも送出する。
【0028】
請求項4記載の誤り訂正装置は、請求項1記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第2の方向に配列されるデータからなる符号の原始多項式の複数の根にそれぞれ対応して設けられる複数の積算回路を含み、各前記積算回路は、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロック内のデータを順次一方入力に受ける排他的論理和演算回路と、前記排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じて、それぞれ異なるアドレスに格納する第2の記憶回路と、前記排他的論理和演算回路の一方入力に与えられる入力データの前記単位ブロック内の位置に対応し、かつ前記第2の記憶回路にすでに格納されている記憶データと、前記複数の根のうち対応する根とを乗算して、前記排他的論理和演算回路の他方入力に与える乗算回路とを有する。
【0029】
請求項5記載の誤り訂正装置は、請求項4記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第2の記憶回路は、前記排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じたそれぞれ異なるアドレスに上書きして格納する。
【0030】
請求項6記載の誤り訂正装置は、請求項4記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1の誤り訂正演算回路は、訂正したデータを前記第1の記憶回路に送出するとともに、前記第2の誤り訂正演算回路にも送出する。
【0031】
請求項7記載の誤り訂正装置は、請求項4記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記誤り訂正符号は、リード・ソロモン符号である。
【0032】
請求項8記載の誤り訂正装置は、請求項1記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1の記憶回路は、前記積符号ブロックにおける第1の方向に配列されたデータに対しバーストアクセスが可能であって、前記積符号ブロックにおける第2の方向に配列されたデータに対し、ランダムアクセスが可能である。
【0033】
請求項9記載の誤り訂正装置は、請求項1記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1の誤り訂正演算回路は、前記積符号ブロックにおける第1の方向に配列されたデータのシンドロームを計算する第1のシンドローム計算回路を含み、前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロックごとのデータを順次受けて、前記第2の方向に配列されたデータに対するシンドローム計算処理を、前記単位ブロックに含まれるデータごとに分割し、かつ前記第2の方向について積算することで行う第2のシンドローム計算回路を含む。
【0034】
請求項10記載の誤り訂正装置は、請求項9記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1のシンドローム計算回路は、前記第1の方向に配列されるデータからなる符号の原始多項式の複数の根にそれぞれ対応して設けられる複数の第1の積算回路を含み、各前記第1の積算回路は、前記第1の記憶回路から読み出された前記単位ブロック内のデータを順次一方入力に受ける第1の排他的論理和演算回路と、前記第1の排他的論理和演算回路の出力を格納する第2の記憶回路と、前記第2の記憶回路にすでに格納されている記憶データと、前記複数の根のうち対応する根とを乗算して、前記第1の排他的論理和演算回路の他方入力に与える第1の乗算回路とを有する。
【0035】
請求項11記載の誤り訂正装置は、請求項9記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第2のシンドローム計算回路は、前記第2の方向に配列されるデータからなる符号の原始多項式の複数の根にそれぞれ対応して設けられる複数の第2の積算回路を含み、各前記第2の積算回路は、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロック内のデータを順次一方入力に受ける第2の排他的論理和演算回路と、前記第2の排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じて、それぞれ異なるアドレスに格納する第3の記憶回路と、前記第2の排他的論理和演算回路の一方入力に与えられる入力データの前記単位ブロック内の位置に対応し、かつ前記第3の記憶回路にすでに格納されている記憶データと、前記複数の根のうち対応する根とを乗算して、前記第2の排他的論理和演算回路の他方入力に与える第2の乗算回路とを有する。
【0036】
請求項12記載の誤り訂正装置は、請求項11記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第3の記憶回路は、前記第2の排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じたそれぞれ異なるアドレスに上書きして格納する。
【0037】
請求項13記載の誤り訂正装置は、請求項11記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第2のシンドローム計算回路による前記積算符号ブロックごとの第2の方向のシンドローム計算結果を一時的に保持する第4の記憶回路をさらに含む。
【0038】
請求項14記載の誤り訂正装置は、請求項13記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第4の記憶回路に格納された第2の方向のシンドローム計算結果に基づいて、前記第2の方向についての前記積符号ブロックの誤り位置および誤り数値の検出と誤り訂正とを行うための第2方向訂正回路をさらに含み、前記第1の誤り訂正演算回路は、前記第2方向訂正回路の演算処理と並行して、次の積符号ブロックに対する誤り訂正処理を行う。
【0039】
請求項15記載の誤り訂正装置は、請求項14記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1の誤り訂正演算回路は、訂正したデータを前記第1の記憶回路に送出するとともに、前記第2のシンドローム計算回路にも送出する。
【0040】
請求項16記載の誤り訂正装置は、請求項9記載の誤り訂正装置の構成に加えて、前記第1の記憶回路から前記第1の誤り訂正演算回路に至るデータの転送経路途中に、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正処理を行なわせるためのデータを単位ブロックごとに個々に記憶する複数の記憶領域を備えた第5の記憶回路と、前記第5の記憶回路に記憶されたデータに対する前記第1の誤り訂正演算回路での誤り訂正処理を、前記単位ブロックごとにパイプライン処理するように制御するための制御手段とをさらに備える。
【0041】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、従来例と同様の構成部分には同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0042】
図1は、この発明による誤り訂正装置を用いた光ディスク再生システムの構成を示す概略ブロック図である。すなわち、図1は、DVD(Digital Video Disc)などの光ディスクに対する情報再生システムの一例を示したものである。
【0043】
図1において、光ディスク1から読出された信号は、読出2値化回路2によってデジタル信号に変換された後、復調・デフォーマット回路4に与えられ、図13に示したような形態の積符号ブロック化されたデータに復調される。
【0044】
ここで、図2は、実施の形態1の積符号ブロックの構成を示す図である。図2に示すとおり、実施の形態1の積符号ブロックは、行方向(横方向)に182Bのデータ(COL181〜COL0)と列方向(縦方向)に208Bのデータ(ROW0〜ROW207)とからなる。すなわち、実施の形態1の積符号ブロックは、172B(bytes)列×192行の情報データに、横方向の10B(bytes)列×208行のパリティPIと、縦方向の172列×16B(bytes)行のパリティPOを付加することにより構成されている。
【0045】
再び、図1に戻って、この図2に示す形態の1ブロック分のデータは、SDRAMからなるバッファメモリ5に格納される。したがって、バッファメモリ5も、横方向のPI系列のデータにアクセスする場合にはバーストアクセスとなって高速にデータを読込むことができる。
【0046】
一方、サーボ制御回路3は、復調・デフォーマット回路4の出力に基づいて、光ディスク1のドライブ機構(図示せず)をサーボ制御する。復調・デフォーマット回路4およびサーボ制御回路3の動作は、コントローラ8によって制御される。
【0047】
コントローラ8はさらに、バッファメモリ5に格納された1ブロック分のデータに対するデコード(誤り訂正)命令を誤り訂正回路6に与える。誤り訂正回路6は、この命令に応じて、誤り訂正処理をバッファメモリ5に格納されているデータに施し、コントローラ8へ処理の終了を知らせる。誤り訂正回路6の動作は、コントローラ8によって制御される。
【0048】
図3は、図1に示した誤り訂正回路6の構成を詳細に示すブロック図である。図3において、誤り訂正回路6は、第1の誤り訂正演算回路9と、第2の誤り訂正演算回路10と、データバス11とを備えている。第1の誤り訂正演算回路9は、バッファメモリ5に格納され、かつ積符号ブロック化されているデータに対して、横方向(PI系列)のラインの符号に対して誤り訂正を行なう。第2の誤り訂正演算回路10は、第1の誤り訂正演算回路9により訂正された積符号ブロックの縦方向(PO系列)のラインの符号に対して誤り訂正を行なう。データバス11は、これらバッファメモリ5、第1の誤り訂正演算回路9および第2の誤り訂正演算回路10の間でデータのやり取りを行なうために設けられる。
【0049】
第1の誤り訂正演算回路9は、図15に示した誤り訂正回路53の構成において、シンドローム計算回路54に代えて第1のシンドローム計算回路12を設けたものであり、その他のユークリッド実行回路55、チェンサーチ実行回路56および訂正回路57の構成は同様である。
【0050】
図4は、第1のシンドローム計算回路12の構成を示すブロック図である。
誤りを含んでいる符号列の受信多項式(符号多項式:code polynomial)であるy(x)を
y(x)=ym−1xm−1+ym−2xm−2+… …+y1x+y0
とする。ただし、mは受信多項式の項数である。たとえば、図2に示した積符号ブロックでは、PI系列のラインの符号に対して誤り訂正を行なう場合、m=182となり、PO系列のラインの符号に対して誤り訂正を行なう場合、m=208となる。
【0051】
よく知られているように、受信多項式y(x)が上記のように表される場合、シンドロームは、以下の数式(1)で与えられる。
【0052】
【数1】
【0053】
ただし、t:訂正可能な誤り数、α:原始多項式(生成多項式)の根である。このシンドロームの計算式を回路で実現したのが第1のシンドローム計算回路12である。ただし、この場合、上記数式(1)中では、単純な和演算ではなく排他的論理和演算を行なう。
【0054】
図4を参照して、第1のシンドローム計算回路12は、排他的論理和回路12ai(i=0〜n−1)とレジスタ12biと乗算器12ciとを含む回路を、原始多項式の根α0、α、…αj、…αn−1にそれぞれ対応してn個備えている。ここで、原始多項式は、継続するn個の数0〜(n−1)をそれぞれべきに持つ、α0、α、…αj、…αn−1を根とする。
【0055】
すなわち、α0に対応して設けられる排他的論理和回路12a0は、データy181〜y0を順次一方入力に受け、レジスタ12b0は、排他的論理和回路12a0の出力を受けて保持する。乗算器12c0は、レジスタ12b0の出力にα0を乗算し、排他的論理和回路12a0の他方入力に与える。根αの他の累乗に対しても同様の回路が設けられる。
【0056】
たとえば、実施の形態1のようなDVDフォーマットでは、10BのパリティPIを付加することが決められているため、n=10(0〜9)であり、数式(1)におけるjは、0、…、9にそれぞれ相当する。
【0057】
再び、図3を参照して、第2の誤り訂正演算回路10は、図15に示した誤り訂正回路53の構成において、シンドローム計算回路54に代えて第2のシンドローム計算回路13を設けたものであり、その他のユークリッド実行回路55、チェンサーチ実行回路56および訂正回路57の構成は同じである。
【0058】
図5は、第2の誤り訂正演算回路10における第2のシンドローム計算回路13の構成を示すブロック図である。
【0059】
第2のシンドローム計算回路13は、数式(1)のシンドローム計算を実現するという機能を有する点では第1のシンドローム計算回路12と同様である。
【0060】
図5を参照して、第2のシンドローム計算回路13は、排他的論理和回路13anと記憶素子13bnと乗算器13cnとからなる回路をn個備えている。
排他的論理和回路13ai(i=0〜n−1)と記憶素子13biと乗算器13ciとを含む回路を、原始多項式の根αの累乗のα0、…αj、…αn−1にそれぞれ対応してn個備えている。
【0061】
すなわち、α0に対応して設けられる排他的論理和回路13a0は、データy181〜y10を順次一方入力に受け、記憶素子13b0は、排他的論理和回路13a0の出力を受けて保持する。乗算器13c0は、記憶素子13b0の出力にα0を乗算し、排他的論理和回路13a0の他方入力に与える。根αの他の累乗に対しても同様の回路が設けられる。記憶素子13b0 0は、シンドローム計算の途中経過の値を逐次記憶し、かつ、アドレス信号に応じてランダムにアクセス可能なもので、たとえば、スタティック型半導体記憶装置(以下、SRAM)からなる。根αの他の累乗に対しても同様の回路が設けられる。
【0062】
たとえば、実施の形態1のようなDVDフォーマットでは、16BのPOパリティを付加することが決められているため、第2のシンドローム計算回路13においては、n=16(0〜15)であり、数式(1)におけるjは、0、…、15にそれぞれ相当する。
【0063】
図6は、図3に示した誤り訂正回路6の動作を説明するためのフローチャートである。
【0064】
以下では、上述したような構成に基づく誤り訂正回路6の誤り訂正動作を、図3および図6に従って説明する。
【0065】
コントローラ8からデコード命令が誤り訂正回路6に与えられると、誤り訂正回路6は、積符号ブロック化された1ブロック分のデータに対する誤り訂正処理を開始する(ステップS100)。
【0066】
誤り訂正処理が開始されると、まず、以下に説明するフローにしたがって、バッファメモリ5から第1の誤り訂正演算回路9に、図2におけるROW0のPI系列のラインデータが転送され、第1の誤り訂正演算回路9により、PI系列のライン符号に対する誤り訂正演算が実行される。
【0067】
すなわち、図3に示したバッファメモリ5から、図2に示す積符号ブロックのPI系列のラインごとにデータyi(i=181〜0)が順次排他的論理和回路12an(n=0〜9)に入力され(ステップS102)、その演算結果が一旦レジスタ12bn(n=0〜9)に蓄積される。そして、レジスタ12bnで蓄積されたデータに対し、乗算器12cn(n=0〜9)によりαn(n=0〜9)が乗算され、その結果と次のデータy(i−1)とが排他的論理和回路12nで演算される。これを繰返すことによりシンドロームが計算される(ステップS104)。
【0068】
シンドロームを計算した後は、ユークリッド実行回路55により、シンドロームから誤り位置多項式、誤り評価多項式を求め(ステップS106)、チェンサーチ実行回路56により、誤り位置多項式、誤り評価多項式から誤り位置、誤り数値を求める(ステップS108)。
【0069】
そして、バッファメモリ5に記憶されている元データ(訂正前のデータ)が読み出され(ステップS110)、続いて、排他的論理和回路を含む訂正回路57によって、バッファメモリ5から読み出された元データ(訂正前のデータ)に対する訂正演算が行なわれる(ステップS112)。その訂正後のデータが、データバス11を介してバッファメモリ5に転送されて、バッファメモリ5に格納される(ステップS114)。
【0070】
一方、訂正回路57からの訂正済みのデータは、バッファメモリ5に転送されるのと同時に第2の誤り訂正演算回路10の第2のシンドローム計算回路13に転送されて第2のシンドローム計算が実施される(ステップS116)。
【0071】
このステップS116では、第1の誤り訂正演算回路9から、訂正後のPI系列のラインデータyi(i=181〜10)が順次排他的論理和回路13an(n=0〜15)に入力され、その演算結果が記憶素子13bn(n=0〜15)に蓄積される。ただし、ROW0のPI系列ラインデータについては、それ以前に記憶素子13bn(n=0〜15)に蓄積されたデータが存在しないので、そのままの値が記憶素子13bnに蓄積されることになる。
【0072】
すなわち、ステップS116では、図2におけるROW0のPI系列ラインデータが第2のシンドローム計算回路13に入力され、172Bのデータが記憶素子13bnに記憶される。
【0073】
次に、処理が図2に示した最終行のROW207まで行われたかが、判定される(ステップS118)。
【0074】
上述の処理では、ROW0に対応した処理が終了しているのみであるから、処理は再びステップS102に復帰する。
【0075】
したがって、ステップS102において、バッファメモリ5から、ROW1のPI系列ラインデータが転送され、第1の誤り訂正演算回路9により、PI系列のラインの符号に対する誤り訂正演算が実行され、ステップS114において、訂正済みのデータが、データバス11を介してバッファメモリ5に転送されて、バッファメモリ5上で誤りが訂正される。
【0076】
ステップS114において、第1の誤り訂正演算回路9の訂正済みデータは、バッファメモリ5に転送されるのと同時に、第2の誤り訂正演算回路10の第2のシンドローム計算回路13に転送される。ここで、図3に示す第2のシンドローム計算回路13は、まず、ROW1のPI系列ラインデータにおけるy(181)が入力されると、記憶素子13bnに記憶されているy181(ROW0のPI系列ラインデータ)を読出して乗算器13cn(n=0〜15)に伝送し、乗算器13bnによりαn(n=0〜15)を乗算して、その結果と上記ROW1のPI系列ラインデータにおけるy181とを排他的論理和回路13anで演算し、その値を記憶素子13bnに記憶されているy181に対応するデータに上書きする。
【0077】
以下、同様に、ROW1のPI系列ラインデータyiが入力されるたびに、記憶素子13bnから対応するデータを読出して排他的論理和回路13anで演算し、その値を記憶素子13bnに記憶されているyiに対応するデータに上書きする。このように、記憶素子13bnにおいては、新しいデータを順次上書きするだけなので、172B(=182B−10B)×n(=16)のデータを記憶するだけの極めて少ない記憶容量を備えるだけでよい。
【0078】
なお、この第2のシンドローム計算回路13による処理が、特許請求の範囲の欄に記載した「誤り訂正のための処理」に相当する。
【0079】
以上のステップS102〜S116の動作を、図2におけるROW207まで繰返し行なうことにより、積符号ブロックにおけるPI系列の全ラインの符号に対する誤り訂正演算が終了するとともに、PO系列の全ラインの符号に対するシンドローム計算が終了する。
【0080】
シンドロームを計算した後は、ユークリッド実行回路55により、シンドロームから誤り位置多項式、誤り評価多項式を求め(ステップS120)、チェンサーチ実行回路56により、誤り位置多項式、誤り評価多項式から誤り位置、誤り数値を求める(ステップS122)。
【0081】
そして、バッファメモリ5から該当する符号データを読出し(ステップS124)、排他的論理和回路を含む訂正回路57によって、これを訂正した後(ステップS126)、再びバッファメモリ5に書込む(ステップS128)。
【0082】
図7は、誤り訂正回路10が、積符号ブロックDk(k:自然数)を順次処理する過程を示す概念図である。
【0083】
実施の形態1の誤り訂正回路10においては、積符号ブロックDkに対する第1の誤り訂正演算および第2のシンドローム計算回路13の処理が終了し、さらに、第2のユークリッド計算、第2のチェンサーチ、第2の誤り訂正演算までが終了してから、次の積符号ブロックD(k+1)に対する第1の誤り訂正演算および第2のシンドローム計算回路13の処理が開始される。
【0084】
以上説明した実施の形態1の誤り訂正装置にあっては、以下のとおりの作用効果を奏することができる。
【0085】
(1) 記憶素子13bnは、シンドロームの計算途中経過を記憶するものであり、新たなデータが入力されるたびに順次上書きするように構成しているので、極めて少ない記憶容量を備えるだけでよく、回路面積および消費電力の増加を抑制することができる。
【0086】
たとえば、DVDフォーマットで1ブロック分のPO方向のシンドローム計算に必要なデータ量を見積もった場合、図13に示す記憶素子58にあっては、
8bit×208×172=約286kbit
であり、これに対し実施の形態1の記憶素子13bnにあっては、
172×8bit×16=約22kbit
であり、記憶素子13bnとして、従来の約1/10の記憶容量で済む。
【0087】
(2) 第1の誤り訂正演算回路9の訂正済みデータを、バッファメモリ5に転送するのと同時に第2の誤り訂正演算回路10の第2のシンドローム計算回路13に転送するよう構成したので、バッファメモリ5のアクセス回数が減少し、その分誤り訂正処理の高速化を実現することができる。
【0088】
たとえば、PI方向の1ライン分のデータを1回のバーストアクセスですべて読込み、PO方向の1ライン分のデータは、1回に1バイトずつ読込み、誤り訂正時の書込は1バイトずつ行ない、アクセスに要する時間を4サイクルとし、誤り数がPI、POそれぞれの方向に800個と仮定した場合、図11に示す回路にあっては、各処理に必要なサイクル数は、以下のようになる。
【0089】
PI方向の読出に必要なサイクル数(PIR)
PIR=(182+4)×208=38688サイクル
PI方向の誤り訂正に必要なサイクル数(PIE)
PIE=800×(1+4)=4000サイクル
PO方向の読出に必要なサイクル数(POR)
POR=(1+4)×208×172=178880サイクル
PO方向の誤り訂正に必要なサイクル数(POE)
POE=800×(1+1+4)=4800サイクル
したがって、合計226,368サイクルを必要とする。
【0090】
これに対し、実施の形態1の誤り訂正装置にあっては、PORが不要(0)となるため、合計47,488サイクルとなり、短時間で処理を行なうことができる。
【0091】
[実施の形態2]
以下、本発明に係る実施の形態2を図面に基づいて説明する。
【0092】
図8は、本発明の実施の形態2における誤り訂正回路20の構成を詳細に示すブロック図である。また、図9は、実施の形態2の第2の誤り訂正演算回路10の構成を説明するための概略ブロック図である。
【0093】
実施の形態2の誤り訂正回路20における第2の誤り訂正演算回路10が、実施の形態1の第2の誤り訂正演算回路10と異なるのは、実施の形態2の第2の誤り訂正演算回路10においては、図9に示すとおり、第2のシンドローム計算回路13とユークリッド実行回路55との間に、記憶素子21を設けたことのみであり、その他の構成は実施の形態1の第2の誤り訂正演算回路10の構成と同様である。
【0094】
なお、記憶素子21は、特に限定されないが、たとえば、SRAMからなるものとすることができる。さらに、この記憶素子21は、図2に示した積符号ブロックについて第2のシンドローム計算回路13が計算したシンドロームを保持することが可能なだけの記憶容量を有するものとする。
【0095】
すなわち、実施の形態2にあっては、図6に示した実施の形態1の処理フローにおいて、積符号ブロックDkに対して第2のシンドローム計算回路13で計算したシンドロームを記憶素子21に一時的に保持させた上で、この記憶素子21に保持されたデータ(シンドローム)に基づいて、ユークリッド法による誤り位置多項式と誤り数値多項式の計算(ステップS120)およびチェンサーチ法による誤り位置と誤り数値の計算が行なわれ(ステップS122)、訂正回路57により、バッファメモリ52から該当する符号データを読出し(ステップS124)、これを訂正した後(ステップS126)、再びバッファメモリ5に書込む(ステップS128)。
【0096】
そして、このステップS120〜S128の処理を行っている間、第2のシンドローム計算回路13では、次の積符号ブロックD(k+1)に対するシンドロームの計算を行なう。
【0097】
図10は、実施の形態2の誤り訂正回路20が、積符号ブロックDk(k:自然数)を順次処理する過程を示す概念図である。
【0098】
図10において、たとえば、区間PAにおいては、記憶素子21に記憶された積符号ブロックDkについての第2のシンドローム計算の結果の読出し→第2のユークリッド計算→第2のチェンサーチ→第2の誤り訂正という処理と、積符号ブロックDk+1についての第2のシンドローム計算処理とを並列して行うことが可能である。
【0099】
なお、記憶素子21が2バンク構成であれば、例えば、積符号ブロックDkについてのシンドロームの読出しと、積符号ブロックDk+1についてのシンドロームの書込みとを、さらに並列して行うことも可能である。
【0100】
すなわち、実施の形態2では、k番目の積符号ブロックDkに対するPO方向の誤り訂正を行なっている間、(k+1)番目の積符号ブロックD(k+1)に対するPO方向のシンドロームを並行して計算させることができるので、実施の形態1よりもさらに高速で誤り訂正処理を行なうことができる。
【0101】
[実施の形態3]
本発明を具体化した実施の形態3を図面に基づいて説明する。
【0102】
図11は、実施の形態3における誤り訂正回路30の構成を詳細に示すブロック図である。
【0103】
実施の形態3が実施の形態1と異なるのは、バッファメモリ5と第1の誤り訂正演算回路9との間に、記憶素子31を設けたことのみであり、その他の構成は実施の形態1の誤り訂正回路10の構成と同様である。また、記憶素子31の内部は、4個のバンク32a〜32dに区分けされ、各バンクは互いに独立に、データの書込みおよび読出しができるものとする。ここで、記憶素子31は、特に限定されないが、たとえば、4バンク構成のSRAMからなるものとすることができる。
【0104】
図11に示したような構成とすることにより、実施の形態3の誤り訂正回路30は、コントローラ8の制御に従って、積符号ブロック化された1ブロック分のデータを、1ライン分のデータ単位ごとに、第1の誤り訂正演算回路9においてパイプライン処理するという特徴を有する。
【0105】
図12は、誤り訂正回路30の動作を説明するための概念図である。
以下、図11および図12を参照して誤り訂正回路30の動作を説明する。
【0106】
コントローラ8からデコード命令が誤り訂正回路30に与えられると、誤り訂正回路30は、積符号ブロック化された1ブロック分のデータに対する誤り訂正処理を開始する。
【0107】
まず、ステージ1では、バッファメモリ5から記憶素子31のバンク32aに、図2におけるROW0のPI系列ラインデータが転送される。
【0108】
次のステージ2では、以下の動作が並行処理される。
i) バッファメモリ5から記憶素子31のバンク32bに、図2におけるROW1のPI系列ラインデータが転送される。
【0109】
ii) バンク32aから第1のシンドローム計算回路12にROW0のPI系列ラインデータが転送されて、実施の形態1と同様にシンドロームの計算が行なわれる。
【0110】
次のステージ3では、以下の動作が並行処理される。
iii) バッファメモリ5から記憶素子31のバンク32cに、図2におけるROW2のPI系列ラインデータが転送される。
【0111】
iv) バンク32bから第1のシンドローム計算回路12にROW1のPI系列ラインデータが転送されてシンドロームの計算が行なわれる。
【0112】
v) 第1のシンドローム計算回路12からユークリッド実行回路55に、ROW0のPI系列のラインデータのシンドロームが転送されて、誤り位置多項式、誤り評価多項式が求められる。
【0113】
次のステージ4では、以下の動作が並行処理される。
vi) バッファメモリ5から記憶素子31のバンク32dに、図2におけるROW3のPI系列ラインデータが転送される。
【0114】
vii) バンク32cから第1のシンドローム計算回路12にROW2のPI系列ラインデータが転送されてシンドロームの計算が行なわれる。
【0115】
viii) 第1のシンドローム計算回路12からユークリッド実行回路55に、ROW1のPI系列のラインデータのシンドロームが転送されて、誤り位置多項式、誤り評価多項式が求められる。
【0116】
ix) ユークリッド実行回路55からチェンサーチ実行回路56に、ROW0のPI系列ラインデータの誤り位置多項式、誤り評価多項式が転送されて、誤り位置、誤り数値が求められ、さらに、記憶素子31のバンク32aからデータが読み出されて訂正回路57により訂正が行なわれる。
【0117】
次のステージ5では、以下の動作が並行処理される。
x) バッファメモリ5から記憶素子31のバンク32aに、図2におけるROW4のPI系列ラインデータが転送される。
【0118】
xi) バンク32dから第1のシンドローム計算回路12にROW3のPI系列ラインデータが転送されてシンドロームの計算が行なわれる。
【0119】
xii) 第1のシンドローム計算回路12からユークリッド実行回路55に、ROW2のPI系列ラインデータのシンドロームが転送されて、誤り位置多項式、誤り評価多項式が求められる。
【0120】
xiii) ユークリッド実行回路55からチェンサーチ実行回路56に、ROW1のPI系列ラインデータの誤り位置多項式、誤り評価多項式が転送されて、誤り位置、誤り数値が求められ、さらに記憶素子31のバンク32bからデータが読み出されて訂正回路57により訂正が行なわれる。
【0121】
なお、訂正回路57からの訂正済みデータは、バッファメモリ5に転送されるのと同時に第2の誤り訂正演算回路10の第2のシンドローム計算回路13に転送される。
【0122】
それ以後の第2の誤り訂正演算回路10の動作は、図6に示した実施の形態1におけるステップS116〜ステップS128の動作と同様である。
【0123】
なお、ステージ6以降も、上記ステージ5と同様に、PI系列ラインデータを単位としてパイプライン処理が行なわれる。
【0124】
以上のとおり、実施の形態3においては、4個のバンク32a〜32dを持つ記憶素子31に必要なデータを備えることにより、バッファメモリ5に頻繁にアクセスすることなく、パイプライン処理を効率よく動作させることができる。その結果、より高速な誤り訂正処理を行なうことができる。
【0125】
なお、実施の形態3にあっては、4段パイプライン動作を行なわせたが、これに限定されるものではなく、パイプラインの段数および記憶素子31内のバンクの数は、誤り訂正回路30の仕様に応じて適宜決定される。
【0126】
なお、第2の実施例と同様に、さらに記憶素子21を設ける構成としてもよい。
【0127】
また、第1の誤り訂正演算回路9だけでなく、第2の誤り訂正演算回路10における処理も含めたパイプライン制御を行なってもよい。
【0128】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0129】
【発明の効果】
本発明にあっては、以上説明したとおり、回路面積および消費電力の増加を抑制しつつ、高速な誤り訂正処理を行なうことができる誤り訂正装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の誤り訂正回路を用いた光ディスク再生システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】実施の形態1における積符号ブロックの説明図である。
【図3】実施の形態1における誤り訂正回路6の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】実施の形態1における第1のシンドローム計算回路12の概略を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1における第2のシンドローム計算回路13の概略を示すブロック図である。
【図6】図3に示した誤り訂正回路6の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】誤り訂正回路10が、積符号ブロックDk(k:自然数)を順次処理する過程を示す概念図である。
【図8】実施の形態2における誤り訂正回路20の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】実施の形態2における第2の誤り訂正演算回路10の概略を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2の誤り訂正回路20が、積符号ブロックDk(k:自然数)を順次処理する過程を示す概念図である。
【図11】実施の形態3における誤り訂正回路30の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態3における誤り訂正回路30の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】積符号がデジタルデータに付加される態様を模式的に示す図である。
【図14】第1の従来の誤り訂正装置における誤り訂正処理でのデータの伝送経路を簡単に示したブロック図である。
【図15】一般的な誤り訂正回路の概略を示すブロック図である。
【図16】第2の従来例における誤り訂正装置の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 読出2値化回路、3 サーボ制御回路、4 復調・デフォーマット回路、5 バッファメモリ、6,20,30 誤り訂正回路、7 出力インターフェイス回路、8 コントローラ、9 第1の誤り訂正演算回路、10 第2の誤り訂正演算回路、11 データバス、12 第1のシンドローム計算回路、13 第2のシンドローム計算回路、21,31 記憶素子、32 バンク、55 ユークリッド演算回路、56 チェンサーチ実行回路、57 訂正回路。
Claims (16)
- 異なる方向の誤り訂正符号を付加された積符号ブロックを記憶する第1の記憶回路と、
前記積符号ブロックにおける第1の方向に配列されたデータを前記第1の記憶手段から受けて、前記第1の方向に関して誤り訂正処理を行なう第1の誤り訂正演算回路と、
前記第1の誤り訂正手段で訂正されたデータを前記第1の誤り訂正手段から受けて、前記積符号ブロックにおける第2の方向に配列されたデータに対する誤り訂正のための処理を逐次行なう第2の誤り訂正演算回路とを備え、
前記第1の誤り訂正演算回路は、前記積符号ブロックの第1の方向に配列されたデータを有する単位ブロックごとに誤り訂正処理を行ない、
前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロックごとのデータを順次受けて、前記積符号ブロックの第2の方向に配列されたデータに対する誤り訂正のための処理を、前記単位ブロックに含まれるデータごとに分割して行なう、誤り訂正装置。 - 前記第2の方向に配列されたデータに対する誤り訂正のための処理は、前記第2の方向に配列されたデータに対するシンドローム計算処理を含み、
前記第2の誤り訂正演算回路は、前記シンドローム計算処理を、前記単位ブロックに含まれるデータごとに分割し、かつ前記第2の方向について積算することで行う、請求項1に記載の誤り訂正装置。 - 前記第1の誤り訂正演算回路は、訂正したデータを前記第1の記憶回路に送出するとともに、前記第2の誤り訂正演算回路にも送出する、請求項2に記載の誤り訂正装置。
- 前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第2の方向に配列されるデータからなる符号の原始多項式の複数の根にそれぞれ対応して設けられる複数の積算回路を含み、
各前記積算回路は、
前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロック内のデータを順次一方入力に受ける排他的論理和演算回路と、
前記排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じて、それぞれ異なるアドレスに格納する第2の記憶回路と、
前記排他的論理和演算回路の一方入力に与えられる入力データの前記単位ブロック内の位置に対応し、かつ前記第2の記憶回路にすでに格納されている記憶データと、前記複数の根のうち対応する根とを乗算して、前記排他的論理和演算回路の他方入力に与える乗算回路とを有する、請求項1に記載の誤り訂正装置。 - 前記第2の記憶回路は、前記排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じたそれぞれ異なるアドレスに上書きして格納する、請求項4に記載の誤り訂正装置。
- 前記第1の誤り訂正演算回路は、訂正したデータを前記第1の記憶回路に送出するとともに、前記第2の誤り訂正演算回路にも送出する、請求項4に記載の誤り訂正装置。
- 前記誤り訂正符号は、リード・ソロモン符号である、請求項4に記載の誤り訂正装置。
- 前記第1の記憶回路は、前記積符号ブロックにおける第1の方向に配列されたデータに対しバーストアクセスが可能であって、前記積符号ブロックにおける第2の方向に配列されたデータに対し、ランダムアクセスが可能である、請求項1に記載の誤り訂正装置。
- 前記第1の誤り訂正演算回路は、前記積符号ブロックにおける第1の方向に配列されたデータのシンドロームを計算する第1のシンドローム計算回路を含み、
前記第2の誤り訂正演算回路は、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロックごとのデータを順次受けて、前記第2の方向に配列されたデータに対するシンドローム計算処理を、前記単位ブロックに含まれるデータごとに分割し、かつ前記第2の方向について積算することで行う第2のシンドローム計算回路を含む、請求項1に記載の誤り訂正装置。 - 前記第1のシンドローム計算回路は、前記第1の方向に配列されるデータからなる符号の原始多項式の複数の根にそれぞれ対応して設けられる複数の第1の積算回路を含み、
各前記第1の積算回路は、
前記第1の記憶回路から読み出された前記単位ブロック内のデータを順次一方入力に受ける第1の排他的論理和演算回路と、
前記第1の排他的論理和演算回路の出力を格納する第2の記憶回路と、
前記第2の記憶回路にすでに格納されている記憶データと、前記複数の根のうち対応する根とを乗算して、前記第1の排他的論理和演算回路の他方入力に与える第1の乗算回路とを有する、請求項9に記載の誤り訂正装置。 - 前記第2のシンドローム計算回路は、前記第2の方向に配列されるデータからなる符号の原始多項式の複数の根にそれぞれ対応して設けられる複数の第2の積算回路を含み、
各前記第2の積算回路は、
前記第1の誤り訂正演算回路で訂正された前記単位ブロック内のデータを順次一方入力に受ける第2の排他的論理和演算回路と、
前記第2の排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じて、それぞれ異なるアドレスに格納する第3の記憶回路と、
前記第2の排他的論理和演算回路の一方入力に与えられる入力データの前記単位ブロック内の位置に対応し、かつ前記第3の記憶回路にすでに格納されている記憶データと、前記複数の根のうち対応する根とを乗算して、前記第2の排他的論理和演算回路の他方入力に与える第2の乗算回路とを有する、請求項9に記載の誤り訂正装置。 - 前記第3の記憶回路は、前記第2の排他的論理和演算回路の出力を、前記単位ブロック内におけるデータの位置に応じたそれぞれ異なるアドレスに上書きして格納する、請求項11に記載の誤り訂正装置。
- 前記第2の誤り訂正演算回路は、
前記第2のシンドローム計算回路による前記積算符号ブロックごとの第2の方向のシンドローム計算結果を一時的に保持する第4の記憶回路をさらに含む、請求項11に記載の誤り訂正装置。 - 前記第2の誤り訂正演算回路は、
前記第4の記憶回路に格納された第2の方向のシンドローム計算結果に基づいて、前記第2の方向についての前記積符号ブロックの誤り位置および誤り数値の検出と誤り訂正とを行うための第2方向訂正回路をさらに含み、
前記第1の誤り訂正演算回路は、前記第2方向訂正回路の演算処理と並行して、次の積符号ブロックに対する誤り訂正処理を行う、請求項13に記載の誤り訂正装置。 - 前記第1の誤り訂正演算回路は、訂正したデータを前記第1の記憶回路に送出するとともに、前記第2のシンドローム計算回路にも送出する、請求項14に記載の誤り訂正装置。
- 前記第1の記憶回路から前記第1の誤り訂正演算回路に至るデータの転送経路途中に、前記第1の誤り訂正演算回路で訂正処理を行なわせるためのデータを単位ブロックごとに個々に記憶する複数の記憶領域を備えた第5の記憶回路と、
前記第5の記憶回路に記憶されたデータに対する前記第1の誤り訂正演算回路での誤り訂正処理を、前記単位ブロックごとにパイプライン処理するように制御するための制御手段とをさらに備える、請求項9に記載の誤り訂正装置。
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