JP3608998B2 - 回路装置、パッケージ部材、回路試験方法および装置 - Google Patents

回路装置、パッケージ部材、回路試験方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路要素の回路特性が所定の試験温度で電気的に測定される回路装置、この回路装置の回路要素の回路特性を所定の試験温度で電気的に測定する回路試験方法および装置、に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、各種用途に集積回路装置が利用されており、その高集積化と長寿命化も進行している。しかし、金属は電流が一定方向に通電されると反対方向にイオンが移動するため、これが原因となって微細な金属配線に断線などが発生することがある。
【0003】
上述の現象はEMと呼称されており、このEMに起因した集積回路装置の寿命を試験する方法としてEM寿命試験がある。ここで、このEM寿命試験が実行される集積回路装置と、この集積回路装置にEM寿命試験を実行する回路試験装置との従来例を図15ないし図20を参照して以下に説明する。
【0004】
なお、図15は集積回路装置を示す縦断側面図、図16は回路要素である配線パターンの外形を示す平面図、図17は配線パターンの等価回路を示す回路図、図18は回路試験装置である回路試験システムの全体構造を示す模式図、図19は回路試験システムにより回路試験方法のメインルーチンを示すフローチャート、図20はサブルーチンを示すフローチャート、である。
【0005】
まず、ここで一従来例として例示する集積回路装置100は、例えば、EM寿命の試験対象となる開発途中の試作品であり、図15に示すように、主要部品として回路基板101とパッケージ部材102とを具備している。
【0006】
この回路基板101は、例えば、シリコン製の半導体基板からなり、図16に示すように、その表面には金属層からなる配線パターン104が形成されており、この配線パターン104の両端に一対の電流端子105と一対の電圧端子106とが各々一個ずつ接続されている。
【0007】
パッケージ部材102は、一個のセラミック製のパッケージ本体107と複数の金属製のリード端子108からなり、図15に示すように、これら複数のリード端子108がパッケージ本体107の周囲に配列されている。そして、回路基板101はパッケージ本体107の上面中央に搭載されており、回路基板101の端子105,106とパッケージ部材102のリード端子108とがボンディングワイヤ109により個々に結線されている。
【0008】
回路試験装置である回路試験システム110は、図18に示すように、複数のテストボード111、一個の恒温槽112、コントロールユニット113、等を主要部品として具備しており、複数のテストボード111の各々に集積回路装置100が着脱自在に実装される。
【0009】
より詳細には、テストボード111の表面には複数の回路ソケットが装着されており(図示せず)、これら複数の回路ソケットの各々に集積回路装置100が一個ずつ着脱自在に装着される。この回路ソケットはテストボード111のプリント配線に実装されており、このプリント配線は接続コネクタなどによりコントロールユニット113に結線されている(図示せず)。
【0010】
恒温槽112は、断熱性が良好なボックス状の槽本体や、その内部温度を可変するヒータ機構からなる(図示せず)。このような構造の恒温槽112は、集積回路装置100が装着されてコントロールユニット113に結線された状態の複数のテストボード111を装置保持手段として槽内に交換自在に保持し、外部操作に対応して槽内の温度を可変する。
【0011】
コントロールユニット113は、適切な制御プログラムが事前に実装されたコンピュータシステムからなり、制御プログラムに対応した処理動作により多数の集積回路装置100や恒温槽112を統合制御する。つまり、コントロールユニット113は、抵抗測定手段として集積回路装置100の配線パターン104の電気抵抗を測定し、要素通電手段として配線パターン104に電流を通電し、温度制御手段として恒温槽112の槽内温度を制御する。
【0012】
上述のような構成において、この回路試験システム110では、配線パターン104のEM寿命を試験することができる。その場合、配線パターン104が形成されている回路基板101をパッケージ本体102に搭載し、試験対象の集積回路装置100を用意しておく。
【0013】
そして、図19に示すように、EM寿命試験の試験精度を向上させるための初期設定として、複数種類の試験温度から一つを選択してコントロールユニット113にデータ設定してから(ステップS1)、EM寿命試験を実行することになる(ステップS2)。
【0014】
その場合、図20に示すように、複数のテストボード111の各々に複数の集積回路装置100を装着し(ステップT1)、これらのテストボード111をコントロールユニット113に配線してから恒温槽112の内部に設置する(ステップT2)。
【0015】
つぎに、コントロールユニット113の動作制御により恒温槽112の内部を前述の試験温度まで加熱させ(ステップT3)、この状態でコントロールユニット113により多数の集積回路装置100の配線パターン104の各々の電気抵抗を電圧端子106から個々に測定する(ステップT4)。これで試験温度に加熱されながら試験電流が通電されない状態の配線パターン104の電気抵抗が判明するので、この電気抵抗に“1.1”などの係数を乗算した許容抵抗を算出して登録する(ステップT5)。
【0016】
つぎに、コントロールユニット113により多数の配線パターン104の各々に試験電流を電流端子105から個々に通電するが(ステップT6)、このとき、多数の配線パターン104を複数グループに区分しておき、これらのグループごとに複数種類の試験電流の一つを通電する。
【0017】
この試験電流の通電の開始と同時に時間の積算も開始され、さらに、配線パターン104の電気抵抗も継続して測定される(ステップT7)。そして、この測定される電気抵抗が許容抵抗を超過すると(ステップT8)、その時間が配線パターン104ごとに記録される(ステップT9)。
【0018】
この寿命試験が全部の配線パターン104で完了すると(ステップT10)、図19に示すように、電気抵抗が許容抵抗を超過した時間から、複数種類の試験電流ごとに半分の配線パターン104が寿命となる時間が算出される(ステップS3)。
【0019】
しかし、これでは複数種類の試験温度ごとの寿命時間は測定されていないので、試験温度が切り換えられて上述のような寿命試験が繰り返され(ステップS1〜S4)、複数種類の試験温度の全部でも寿命試験が実行される。これで複数種類の試験電流と複数種類の試験温度とで配線パターン104の寿命時間が測定されたことになるので、試験温度の相違に対応して寿命時間の温度依存性が検出され(ステップS5)、試験電流の相違に対応して寿命時間の電流密度依存性が検出される(ステップS6)。
【0020】
上述のような回路試験システム110では、多数の集積回路装置100の配線パターン104に複数種類の試験電流と複数種類の試験温度とを作用させてEM寿命試験を実行するので、その寿命時間を精度よく測定することが可能である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述の回路試験システム110では、多数の集積回路装置100の配線パターン104の寿命時間を精度よく測定するため、恒温槽112により多数の集積回路装置100の配線パターン104を試験温度に加熱している。しかし、恒温槽112は内部の上方と下方とで温度が相違するので、多数の配線パターン104を同一の試験温度に厳密に維持することは困難である。
【0022】
また、恒温槽112は装置が大規模であり、消費電力も膨大なので好ましくない。しかし、上述の回路試験システム110では、微細な配線パターン104を試験温度に加熱するため、恒温槽112の大容量の内部空間の全体を試験温度まで加熱するので、そのエネルギ効率が良好でない。
【0023】
しかも、複数の試験温度でEM寿命試験を実行するためには、前述のように恒温槽112が一個ならば試験温度を切り換えて寿命試験を繰り返す必要があるので作業が遅滞することになり、寿命試験を一度で完了するためには複数の恒温槽112が必要となるので装置規模が過大となる。
【0024】
上述のような課題の解決を目的とした集積回路装置は、例えば、特開平11−204607号公報や特開平07−201944号公報などに開示されている。これらの公報に開示された集積回路装置は、試験対象の配線パターンの近傍に発熱抵抗体を形成し、この発熱抵抗体により配線パターンを試験温度とする。
【0025】
しかし、発熱抵抗体は発熱温度を厳密に制御することが困難であり、配線パターンを試験温度に正確に維持することができないので、EM寿命試験の精度が低下することになる。さらに、寿命試験によっては試験対象の回路要素の冷却が必要な場合も想定できるが、発熱抵抗体では回路要素を冷却することはできない。
【0026】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、寿命試験を簡単に実行できる回路装置、寿命試験を簡単に実行できる回路装置のパッケージ部材、回路装置の寿命試験を簡単に実行できる回路試験方法および装置、の少なくとも一つを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路装置は、回路要素の回路特性が所定の試験温度で電気的に測定される試験対象の回路装置であって、
前記回路要素を熱電効果により前記試験温度とする熱電素子と、一個のパッケージ本体と複数のリード端子からなるパッケージ部材と、を具備しており、前記回路要素が前記熱電素子とは別体の回路基板に形成されており、この回路基板と前記熱電素子とが前記パッケージ部材のパッケージ本体に搭載されており、前記熱電素子と前記回路要素とが複数の前記リード端子に個々に結線されている
【0028】
従って、本発明の回路装置の回路特性を測定する場合、その熱電素子の熱電効果により回路要素が所定の試験温度とされる。熱電素子は熱電効果により温度が変化するので、通電量により所望の温度に制御される。一般的に熱電素子は通電方向により熱伝導の方向が切り換えられるので、回路要素の加熱と冷却とが所望により実行される。さらに、微小な回路基板が大型のパッケージ本体に搭載されているので取り扱いが容易であり、微細な回路要素と熱電素子とが大型のリード端子に結線されているので通電も容易である。試験対象の回路要素が形成されている回路基板と熱電素子とがパッケージ部材に搭載されているので、回路基板の近傍に別体の熱電素子を配置する必要もない。
【0029】
なお、このように試験温度で測定される回路要素の回路特性は、例えば、配線パターンのEM寿命時間、トランジスタのオン電流(の温度依存性)、トランジスタの閾値電圧(の温度依存性)、等がある。
【0036】
上述のような回路装置において、前記熱電素子は、一個の接合電極の両端と一対の端子電極とがn型半導体とp型半導体とを個々に介してП型に接続されたペルチェ素子からなり、前記回路基板は、前記熱電素子の接合電極に対して前記n型半導体および前記p型半導体とは反対の方向に配置されていることも可能である。この場合、П型のペルチェ素子は一対の端子電極に所定の電流が通電されると接合電極が所定の温度となるので、この接合電極に対して前記n型半導体および前記p型半導体とは反対の方向に位置する回路基板を介して回路要素が試験温度とされる。
【0037】
上述のような回路装置において、前記回路基板と前記熱電素子との間隙に熱を拡散して均一化する熱拡散手段が設けられていることも可能である。この場合、熱電素子の接合電極の温度変化により回路基板を介して回路要素が所定の試験温度とされるとき、熱電素子と回路基板とを伝導される熱が熱拡散手段により拡散されて均一化される。
【0038】
上述のような回路装置において、前記回路要素は、試験電流が通電されて電気抵抗の変化から回路特性としてEM寿命の寿命時間が測定される配線パターンからなることも可能である。この場合、回路要素である配線パターンは、試験電流が通電されて電気抵抗の変化からEM寿命の寿命時間が測定されるとき、熱電素子により試験温度とされる。
【0039】
本発明のパッケージ部材は、試験対象の回路装置の回路要素の回路特性が所定の試験温度で電気的に測定される回路基板が搭載されるパッケージ部材であって、
前記回路基板が搭載されるパッケージ本体と、前記回路基板の回路要素が一部に結線される複数のリード端子と、これら複数のリード端子の一部に結線されていて前記回路基板を介して前記回路要素を熱電効果により前記試験温度とする熱電素子と、を具備している。
【0040】
従って、本発明のパッケージ部材に回路基板を搭載して回路特性を測定する場合、微小な回路基板は大型のパッケージ本体に搭載されるので機械的な取り扱いが容易となり、微細な回路要素は大型のリード端子に結線されるので電気的な取り扱いも容易となる。そして、熱電素子の熱電効果により回路基板の温度が制御されるので、この回路基板の回路要素が所定の試験温度とされる。熱電素子は熱電効果により温度が変化するので、通電量により所望の温度に制御される。一般的に熱電素子は通電方向により熱伝導の方向が切り換えられるので、回路基板の加熱と冷却とが所望により実行される。
【0041】
上述のようなパッケージ部材において、前記熱電素子は、一個の接合電極の両端と一対の端子電極とがn型半導体とp型半導体とを個々に介してП型に接続されたペルチェ素子からなり、前記回路基板は、前記熱電素子の接合電極に対して前記n型半導体および前記p型半導体とは反対の方向に配置されることも可能である。この場合、П型のペルチェ素子は一対の端子電極に所定の電流が通電されると接合電極が所定の温度となるので、この接合電極に対して前記n型半導体および前記p型半導体とは反対の方向に位置する回路基板の回路要素が試験温度とされる。
【0042】
上述のようなパッケージ部材において、前記回路基板が配置される位置と前記熱電素子との間隙に熱を拡散して均一化する熱拡散手段が設けられていることも可能である。この場合、熱電素子の接合電極の温度変化により回路基板が所定の試験温度とされるとき、熱電素子と回路基板とを伝導される熱が熱拡散手段により拡散されて均一化される。
【0046】
本発明の第一の回路試験方法は、試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験方法であって、
本発明の回路装置の前記配線パターンに前記試験電流を通電するとともに前記熱電素子に固有の電流を通電する。従って、本発明の回路試験方法では、本発明の回路装置の配線パターンに試験電流が通電されるとき、その熱電素子にも所定の電流が通電されるので、この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされる。
【0047】
本発明の第二の回路試験方法は、試験対象の回路装置の回路基板に形成されている回路要素を所定の試験温度にして回路特性を電気的に測定する回路試験方法であって、
本発明のパッケージ部材のパッケージ本体に前記回路基板を搭載し、この回路基板の回路要素を前記パッケージ部材のリード端子に結線し、前記熱電素子に所定の電流を通電しながら前記パッケージ部材のリード端子から前記回路基板の回路要素の回路特性を測定する。
【0048】
従って、本発明の回路試験方法では、微小な回路基板は大型のパッケージ本体に搭載されるので機械的な取り扱いが容易となり、微細な回路要素は大型のリード端子に結線されるので電気的な取り扱いも容易となる。そして、本発明の回路装置の回路要素の回路特性を測定するとき、パッケージ部材の熱電素子にも所定の電流を通電するので、この通電による熱電素子の熱電効果により回路要素が試験温度とされる。
【0049】
本発明の第三の回路試験方法は、試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験方法であって、
本発明のパッケージ部材のパッケージ本体に前記回路基板を搭載し、この回路基板の配線パターンを前記パッケージ部材のリード端子に結線し、前記パッケージ部材のリード端子から前記回路基板の配線パターンに前記試験電流を通電するとともに前記熱電素子に固有の電流を通電する。
【0050】
従って、本発明の回路試験方法では、微小な回路基板は大型のパッケージ本体に搭載されるので機械的な取り扱いが容易となり、微細な配線パターンは大型のリード端子に結線されるので電気的な取り扱いも容易となる。そして、本発明の回路装置の配線パターンに試験電流を通電するとき、パッケージ部材の熱電素子にも所定の電流を通電するので、この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされる。
【0051】
本発明の第一の回路試験装置は、試験対象の回路装置の回路基板に形成されている回路要素を所定の試験温度にして回路特性を電気的に測定する回路試験装置であって、
本発明の回路装置の熱電素子に所定の電流を通電する素子通電手段と、前記回路要素の回路特性を測定する特性測定手段と、を具備している。
【0052】
従って、本発明の回路試験装置による回路試験方法では、本発明の回路装置の回路要素の回路特性を特性測定手段が測定する。ただし、回路基板の熱電素子に素子通電手段が所定の電流を通電するので、この通電による熱電素子の熱電効果により回路要素が試験温度とされる。
【0053】
本発明の第二の回路試験装置は、試験対象の回路装置の回路基板に形成されている回路要素を所定の試験温度にして回路特性を電気的に測定する回路試験装置であって、
前記回路基板が搭載される本発明のパッケージ部材と、このパッケージ部材の熱電素子に所定の電流を通電する素子通電手段と、前記回路基板の回路要素の回路特性を測定する特性測定手段と、を具備している。
【0054】
従って、本発明の回路試験装置による回路試験方法では、試験対象の回路装置の回路基板が本発明のパッケージ部材に搭載され、このパッケージ部材に搭載された回路基板の回路要素の回路特性を特性測定手段が測定する。ただし、回路基板の熱電素子にも素子通電手段が所定の電流を通電するので、この通電による熱電素子の熱電効果により回路要素が試験温度とされる。
【0055】
本発明の第三の回路試験装置は、試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験装置であって、
本発明の回路装置の配線パターンの電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、前記配線パターンに前記試験電流を通電する要素通電手段と、前記回路基板の熱電素子に固有の電流を通電する素子通電手段と、を具備している。
【0056】
従って、本発明の回路試験装置による回路試験方法では、本発明の回路装置の配線パターンに要素通電手段が電流を通電し、配線パターンの電気抵抗を抵抗測定手段が測定する。ただし、回路基板の熱電素子にも素子通電手段が固有の電流を通電するので、この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされる。
【0057】
本発明の第四の回路試験装置は、試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験装置であって、
前記回路基板が搭載される本発明のパッケージ部材と、このパッケージ部材に搭載された前記回路基板の配線パターンの電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、前記回路基板の配線パターンに前記試験電流を通電する要素通電手段と、前記パッケージ部材の熱電素子に固有の電流を通電する素子通電手段と、を具備している。
【0058】
従って、本発明の回路試験装置による回路試験方法では、試験対象の回路装置の回路基板が本発明のパッケージ部材に搭載され、このパッケージ部材に搭載された回路基板の配線パターンに要素通電手段が電流を通電し、配線パターンの電気抵抗を抵抗測定手段が測定する。ただし、回路基板の熱電素子にも素子通電手段が固有の電流を通電するので、この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされる。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明の参考例を図1ないし図5を参照して以下に説明する。ただし、これより以下の説明において前述した一従来例と同一の部分は、同一の名称および符号を使用して詳細な説明は省略する。
【0060】
なお、図1は本発明の参考例の集積回路装置の回路要素である配線パターンや熱電素子であるペルチェ素子などの構造を示す平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は本参考例の回路試験装置の全体構造を示す模式図、図4および図5は本参考例の集積回路装置を製造する回路製造方法を示す工程図、図6は本参考例の集積回路装置の寿命時間を測定する回路試験方法を示すフローチャート、である。
【0061】
本参考例の集積回路装置200も、前述した集積回路装置100と同様に、図3に示すように、パッケージ部材102に回路基板201が搭載されており、この回路基板201の表面に配線パターン202と一対の電流端子203と一対の電圧端子204とが形成されている。
【0062】
ただし、本参考例の集積回路装置200では、前述した集積回路装置100とは相違して、回路基板201に熱電素子としてペルチェ素子210も形成されており、このペルチェ素子210の上方に配線パターン202が位置している。
【0063】
より詳細には、図1および図2に示すように、回路基板201の表面には一対の端子電極211,212が並列に形成されており、これら一対の端子電極211,212の各々の上面には、n型半導体213とp型半導体214とが個々に積層されている。
【0064】
これら一対の半導体213,214の上面には一個の接合電極215が積層されているので、これでП型のペルチェ素子210が形成されている。なお、このペルチェ素子210では、接合電極215が平面形状で配線パターン202をカバーする長方形状に形成されており、その長手方向の両端に半導体213,214や端子電極211,212が位置している。
【0065】
ペルチェ素子210の接合電極215の上面には、熱拡散手段である熱拡散板216が積層されており、この熱拡散板216の表面に絶縁層217を介して配線パターン202が積層されている。熱拡散板216は、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な金属からなり、その長手方向に多数のスリット218が形成されている。
【0066】
なお、配線パターン202の両端には電流端子203と電圧端子204とが接続されているが、ペルチェ素子210の端子電極211,212にも素子端子219が接続されており、これらの素子端子219が電流端子203と電圧端子204とに並設されている。
【0067】
本参考例の回路試験装置である回路試験システム220は、前述した回路試験システム110と同様に、複数のテストボード111と一個のコントロールユニット221とを具備しているが、恒温槽112は具備していない。コントロールユニット221は、適切な制御プログラムが事前に実装されたコンピュータシステムからなり、制御プログラムに対応した処理動作により多数の集積回路装置200を動作制御する。
【0068】
つまり、本参考例のコントロールユニット221は、前述したコントロールユニット113と同様に、要素通電手段として集積回路装置200の配線パターン202に試験電流を通電し、抵抗測定手段として配線パターン202の電気抵抗を測定することにより、特性測定手段として配線パターン202のEM寿命を測定する。しかし、前述したコントロールユニット113とは相違して、恒温槽112の温度制御は実行せず、素子通電手段としてペルチェ素子210にも所定の電流を通電する。
【0069】
ここで、本参考例の集積回路装置200を製造する回路製造方法を以下に簡単に説明する。まず、一般的なシリコン製の回路基板201を用意し、図4(a)に示すように、その表面にシリコン酸化物であるSiO2層231を成長させる。
【0070】
つぎに、図4(b)に示すように、このSiO層231をフォトリソグラフィ技術によりエッチングして一対の開口孔232を形成し、これら一対の開口孔232の底部に露出した回路基板201の表面にスパッタリング法により金属を堆積させて端子電極211,212を形成する。
【0071】
つぎに、図4(c)に示すように、この端子電極211,212の表面にBPSG等のシリコン酸化物234を堆積させて開口孔232を充填し、このシリコン酸化物234をフォトリソグラフィ技術によりエッチングして一対の開口孔235を形成し、図4(d)に示すように、これら一対の開口孔235の底部に露出した端子電極211,212の表面にn/p型半導体213,214を一個ずつ堆積させる。
【0072】
つぎに、図5(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術によりn/p型半導体213,214の間隙に突出しているSiO層231をエッチングして面一とし、さらに、フォトリソグラフィ技術により一対のシリコン酸化物234をエッチングして表面から端子電極211,212の外側の端部まで到達するスルーホールを形成する。
【0073】
つぎに、面一となったn/p型半導体213,214とSiO層231との表面にスパッタリング法により金属を堆積させて接合電極215を形成することによりペルチェ素子210を完成し、シリコン酸化物234のスルーホールにもスパッタリング法により金属を堆積させて素子配線236を形成する。
【0074】
つぎに、図4(b)に示すように、接合電極215の表面にスパッタリング法により金属を堆積させてからフォトリソグラフィ技術により多数のスリット218をパターニングして熱拡散板216を形成し、図4(c)に示すように、この熱拡散板216の表面にスパッタリング法によりBPSG等のシリコン酸化物を堆積させて絶縁層217を形成する。
【0075】
つぎに、図4(d)に示すように、絶縁層217の表面にスパッタリング法により金属を堆積させてからフォトリソグラフィ技術によりパターニングして配線パターン202を形成し、以下は従来と同様に、配線パターン202に接続された電流/電圧端子203,204や素子配線236に接続された素子端子219を形成する。
【0076】
上述のような構成において、本参考例の集積回路装置200は、本参考例の回路試験システム220により、配線パターン202のEM寿命が試験される。その場合、複数のテストボード111を一個のコントロールユニット221に結線して常温常圧の位置に設置し、図3および図6に示すように、これら複数のテストボード111の各々に多数の試験対象の集積回路装置200を所定個数ずつ装着する(ステップE1)。
【0077】
つぎに、所望により多数の集積回路装置200を複数種類の試験温度に対応した複数グループに区分し、この複数グループの集積回路装置200のペルチェ素子210をコントロールユニット221により複数種類の試験温度まで各々発熱させる(ステップE2)。
【0078】
このとき、多数の集積回路装置200は、例えば、テストボード111の表面での配列の各行ごとなどで複数種類の試験温度にグループ区分される。また、ペルチェ素子210の発熱はコントロールユニット221から所定の電流を通電することにより実行され、その発熱温度は配線パターン202が試験温度となるように制御される。
【0079】
つぎに、複数グループごとに複数種類の試験温度まで加熱された多数の集積回路装置200の配線パターン202の電気抵抗をコントロールユニット221により電圧端子204から個々に測定し(ステップE3)、この試験温度に加熱されながら試験電流が通電されない状態の配線パターン202の電気抵抗に“1.1”などの係数を乗算した許容抵抗を算出して登録する(ステップE4)。
【0080】
つぎに、所望により多数の集積回路装置200を複数種類の試験電流に対応した複数グループに区分し、この複数グループの集積回路装置200の配線パターン202にコントロールユニット221により複数種類の試験電流を電流端子203から通電する(ステップE5)。
【0081】
このとき、多数の集積回路装置200は、例えば、テストボード111の表面での配列の各列ごとなどで、複数種類の試験温度のグループとは相違するように複数種類の試験電流にグループ区分されるので、これで多数の集積回路装置200が複数種類の試験温度と複数種類の試験電流との組み合わせでグループ区分されることになる。
【0082】
この試験電流の通電の開始と同時に時間の積算も開始され、さらに、配線パターン202の電気抵抗も継続して測定される(ステップE6)。そして、この測定される電気抵抗が許容抵抗を超過すると(ステップE7)、その時間が配線パターン202ごとに記録される(ステップE8)。
【0083】
この寿命試験が全部の配線パターン202で完了すると(ステップE9)、電気抵抗が許容抵抗を超過した時間から、試験温度と試験電流との組み合わせのグループごとに、半数の配線パターン202が寿命となる時間が算出される(ステップE10)。
【0084】
これで複数種類の試験電流と複数種類の試験温度とで配線パターン202の寿命時間が測定されたことになるので、以下は従来と同様に、試験温度の相違に対応して寿命時間の温度依存性が検出され(ステップE11)、試験電流の相違に対応して寿命時間の電流密度依存性が検出される(ステップE12)。
【0085】
本参考例の回路試験システム220では、多数の集積回路装置200の配線パターン202に複数種類の試験電流と複数種類の試験温度とを作用させてEM寿命試験を実行するので、その寿命時間を精度よく測定することが可能である。
【0086】
ただし、本参考例の集積回路装置200は、配線パターン202の下方にペルチェ素子210が形成されており、このペルチェ素子210により配線パターン202を試験温度まで加熱する。このため、本参考例の集積回路装置200にEM寿命試験を実行する回路試験システム220は、集積回路装置200を試験温度まで加熱する大規模な恒温槽が不要であり、従来より装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0087】
特に、上述のように多数の集積回路装置200のEM寿命試験を複数種類の試験温度で実行する場合、従来は複数の恒温槽か、一個の恒温槽による複数の作業か、が必要であったが、本参考例の回路試験システム220では、複数の恒温槽を必要とすることなく一回の作業で複数種類の試験温度でのEM寿命試験を完了することができる。
【0088】
さらに、本参考例の集積回路装置200では、熱電素子であるペルチェ素子210の熱電効果により配線パターン202を加熱するので、発熱抵抗体とは相違して通電量の制御により配線パターン202を試験温度に正確に加熱することができ、精度よくEM寿命試験を実行することができる。
【0089】
特に、本参考例の集積回路装置200では、ペルチェ素子210がП型に形成されており、その接合電極215の上方に配線パターン202が位置しているので、ペルチェ素子210により配線パターン202を簡単な構造で良好に加熱することができる。
【0090】
しかも、本参考例の集積回路装置200では、配線パターン202とペルチェ素子210との間隙に熱拡散板216が形成されているので、ペルチェ素子210と配線パターン202とを伝導される熱を熱拡散板216により拡散して均一化することができ、配線パターン202の全体を試験温度に均一に加熱することができ、さらに精度よくEM寿命試験を実行することができる。
【0091】
また、一般的にEM寿命試験を完了すると集積回路装置200の配線パターン202を上方から観察することになるが、本参考例の集積回路装置200では、ペルチェ素子210の上方に配線パターン202が位置しており、配線パターン202を上方から観察するときにペルチェ素子210が邪魔となることはない。
【0092】
なお、上記の参考例ではペルチェ素子210の接合電極215が平面形状で配線パターン202をカバーする長方形状に形成されており、その長手方向の両端に半導体213,214や端子電極211,212が位置していることを例示したが、図7および図8に示すように、ペルチェ素子230のn/p型半導体231,232や端子電極233,234を短手方向の両端に位置させることも可能である。
【0093】
また、上記の参考例ではペルチェ素子210と熱拡散板216とを配線パターン202の下方のみに位置させることを例示したが、図9および図10に示すように、熱拡散板240の短手方向の両側に凸部241を形成し、熱拡散板240を配線パターン202の下方と両側とに位置させることも可能である。上述のように熱拡散板216を形成する場合には、図11に示すように、その金属層242を厚膜に堆積させてから中央に凹部をエッチングすれば良い。
【0094】
なお、ペルチェ素子210の接合電極215の短手方向の両側に凸部を形成し、ペルチェ素子210を配線パターン202の下方と両側とに位置させることも同様に可能であり(図示せず)、図12および図13に示すように、一対のペルチェ素子250を配線パターン202の両側に一個ずつ配置することも可能である。
【0095】
また、上記の参考例では試験対象の回路要素として配線パターン202を例示し、これをペルチェ素子250により加熱してEM寿命を試験することを例示した。しかし、このような試験対象の回路要素をトランジスタとし、その回路特性としてオン電流(オン状態でのドレインの電流値)の温度依存性(例えば、−40〜125(℃))や、閾値電圧(VT)の温度依存性を測定することも可能である。この場合も、試験対象の回路要素であるトランジスタを恒温槽内に配置する必要がなく、トランジスタの近傍に別体の熱電素子を配置する必要もない。
【0096】
さらに、上記の参考例では試験対象の回路要素である配線パターン202をEM寿命を試験するため、これをペルチェ素子250により加熱することを例示したが、このペルチェ素子250などの熱電素子は通電方向により加熱と冷却とを自在に切り換えることができるので、例えば、回路特性を測定する回路要素を熱電素子により冷却することも可能である。
【0097】
また、上記の参考例ではペルチェ素子210の発熱温度をコントロールユニット221が単純に通電量により制御することを例示したが、例えば、ペルチェ素子210の発熱温度を温度センサなどの温度計測手段で計測し、この計測結果に対応してコントロールユニット221が通電量をフィードバック制御することも可能である。
【0098】
つぎに、本発明の実施の第一の形態の集積回路装置を図14を参照して以下に説明する。なお、図14は集積回路装置の内部構造を示す縦断側面図である。本実施の形態の集積回路装置300も、パッケージ部材301に回路基板101が搭載されているが、この回路基板101の構造は前述した集積回路装置100と同一であり、パッケージ部材301の構造が前述した集積回路装置100とは相違している。
【0099】
本実施の形態の集積回路装置300のパッケージ部材301では、セラミック製の一個のパッケージ本体302の周囲に金属製の複数のリード端子303が配列されているが、回路基板101はパッケージ本体302の上面中央に熱電素子であるペルチェ素子310を介して搭載されており、このペルチェ素子310も回路基板101とともにリード端子303にボンディングワイヤ109で個々に結線されている。
【0100】
より詳細には、パッケージ本体302は上面中央が凹状に形成されており、その底面に一対の端子電極311,312が並列に形成されている。これら一対の端子電極311,312の各々の上面には、n型半導体313とp型半導体314とが個々に積層されており、これら一対の半導体313,314の上面には一個の接合電極315が積層されている。これでП型のペルチェ素子310が形成されており、このペルチェ素子310の接合電極315の上面には、熱拡散手段である熱拡散板316と絶縁材317とを介して回路基板101が積層されている。
【0101】
なお、本実施の形態の回路試験装置である回路試験システム(図示せず)も、前述した回路試験システム220と同様に、複数のテストボード111と一個のコントロールユニット221とを具備しており、恒温槽112は具備していない。
【0102】
上述のような構成において、本実施の形態の集積回路装置300も、前述した集積回路装置200と同様に回路試験システムにより配線パターン104のEM寿命が試験されるが、その場合、試験対象である配線パターン104はペルチェ素子310により回路基板101とともに試験温度まで加熱される。
【0103】
このため、本実施の形態の集積回路装置300にEM寿命試験を実行する回路試験システムも、集積回路装置300を試験温度まで加熱する大規模な恒温槽が不要であり、従来より装置規模と消費電力とを削減することができ、複数種類の試験温度でのEM寿命試験を一回の作業で完了することができる。
【0104】
なお、前述した参考例の集積回路装置200では、ペルチェ素子210により試験対象の配線パターン202のみを加熱するので、回路基板101の全体をペルチェ素子310により加熱する第一の形態の集積回路装置300より消費電力を削減することができる。
【0105】
一方、第一の形態の集積回路装置300では、回路基板101の構造を実際の製品と完全に同一にしてEM寿命試験の精度を向上させることができ、例えば、回路基板101のみ交換してパッケージ部材301を繰り返し使用するようなことも可能である。
【0106】
なお、パッケージ本体302の材料は、試験温度、熱膨張率、耐久性、加工性、等の各種要因を考慮して選択され、ここでは試験温度が200(℃)となることを考慮してセラミックを選択している。特に、試験対象である配線パターン104が銅製の場合には試験温度が300(℃)以上となるため、パッケージ本体302の材料としてはセラミックが好適である。
【0107】
また、上述の第一の形態のパッケージ部材301をトランジスタなどの回路特性の測定に利用することも当然ながら可能である。
【0108】
【発明の効果】
本発明の回路装置は、回路要素を熱電効果により試験温度とする熱電素子を具備しており、回路基板と熱電素子とがパッケージ部材のパッケージ本体に搭載されていることにより、
熱電効果により温度が変化する熱電素子は通電量により所望の温度に制御することができるので、回路要素の回路特性の測定を正確な試験温度で精度よく実行することができ、熱電素子は通電方向により熱伝導の方向が切り換えられるので、回路特性を測定するときに回路要素を加熱するだけでなく冷却することも可能であり、回路特性の測定に恒温槽が必要でないので、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができ、複数の熱電素子により複数の回路要素を相互に相違する試験温度とすることもできるので、複数種類の試験温度での回路特性の測定を同時に実行することもでき、作業を効率良く迅速に実行することができ、さらに、回路基板の近傍に別体の熱電素子を配置する必要がなく、簡単な構造で回路基板を介して回路要素を試験温度とすることができる。
【0114】
また、回路要素がП型のペルチェ素子の接合電極に対してn型半導体およびp型半導体とは反対の方向に位置していることにより、
П型のペルチェ素子は一対の端子電極に所定の電流が通電されると接合電極が所定の温度となるので、簡単な構造で回路基板を介して回路要素を試験温度とすることができる。
【0115】
また、熱電素子と回路基板とを伝導される熱が熱拡散手段により拡散されて均一化されることにより、
回路基板の全体が均一に試験温度となるので、回路要素の回路特性の測定精度を向上させることができる。
【0116】
本発明のパッケージ部材は、複数のリード端子の一部に結線されている熱電素子が回路基板を介して回路要素を熱電効果により試験温度とすることにより、
回路基板の近傍に別体の熱電素子を配置する必要がなく、簡単な構造で回路基板を介して回路要素を試験温度とすることができる。
【0117】
また、上述のようなパッケージ部材において、П型のペルチェ素子の接合電極に対してn型半導体およびp型半導体とは反対の方向に回路基板が搭載されることにより、
簡単な構造で回路基板を介して回路要素を試験温度とすることができる。
【0118】
また、熱電素子と回路基板とを伝導される熱が熱拡散手段により拡散されて均一化されることにより、
回路基板の全体が均一に試験温度となるので、回路要素の回路特性の測定精度を向上させることができる。
【0121】
本発明の第一の回路試験方法では、本発明の回路装置の配線パターンに試験電流が通電されるとき、その熱電素子にも所定の電流が通電されることにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされるので、配線パターンのEM寿命の時間測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0122】
本発明の第二の回路試験方法では、本発明の回路装置の回路要素の回路特性を測定するとき、パッケージ部材の熱電素子にも所定の電流を通電することにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により回路要素が試験温度とされるので、回路要素の回路特性の測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0123】
本発明の第三の回路試験方法では、本発明の回路装置の配線パターンに試験電流を通電するとき、パッケージ部材の熱電素子にも所定の電流を通電することにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされるので、配線パターンのEM寿命の時間測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0124】
本発明の第一の回路試験装置による回路試験方法では、本発明の回路装置の回路要素の回路特性を特性測定手段が測定するとき、回路基板の熱電素子に素子通電手段が所定の電流を通電することにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により回路要素が試験温度とされるので、回路要素の回路特性の測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0125】
本発明の第二の回路試験装置による回路試験方法では、試験対象の回路装置の回路基板が本発明のパッケージ部材に搭載され、このパッケージ部材に搭載された回路基板の回路要素の回路特性を特性測定手段が測定するとき、回路基板の熱電素子にも素子通電手段が所定の電流を通電することにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により回路要素が試験温度とされるので、回路要素の回路特性の測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0126】
本発明の第三の回路試験装置による回路試験方法では、本発明の回路装置の配線パターンに要素通電手段が電流を通電し、配線パターンの電気抵抗を抵抗測定手段が測定するとき、回路基板の熱電素子にも素子通電手段が固有の電流を通電することにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされるので、配線パターンのEM寿命の時間測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。
【0127】
本発明の第四の回路試験装置による回路試験方法では、試験対象の回路装置の回路基板が本発明のパッケージ部材に搭載され、このパッケージ部材に搭載された回路基板の配線パターンに要素通電手段が電流を通電し、配線パターンの電気抵抗を抵抗測定手段が測定するとき、回路基板の熱電素子にも素子通電手段が固有の電流を通電することにより、
この通電による熱電素子の熱電効果により配線パターンが試験温度とされるので、配線パターンのEM寿命の時間測定に恒温槽が必要でなく、回路試験装置の装置規模と消費電力とを削減することができる。

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例の回路装置の回路要素である配線パターンや熱電素子であるペルチェ素子などの構造を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】参考例の回路試験装置の全体構造を示す模式図である。
【図4】参考例の回路装置を製造する回路製造方法の前半部分を示す工程図である。
【図5】後半部分を示す工程図である。
【図6】参考例の回路装置の回路特性を測定する回路試験方法を示すフローチャートである。
【図7】第一の変形例の回路装置の配線パターンやペルチェ素子などの構造を示す平面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】第二の変形例の回路装置の配線パターンやペルチェ素子などの構造を示す平面図である。
【図10】図9のC−C断面図である。
【図11】第三の変形例の回路装置の回路製造方法の要部を示す工程図である。
【図12】第四の変形例の回路装置の配線パターンやペルチェ素子などの構造を示す平面図である。
【図13】図12のD−D断面図である。
【図14】本発明の実施の第一の形態の回路装置の回路要素である配線パターンや熱電素子であるペルチェ素子などの構造を示す平面図である。
【図15】回路装置を示す縦断側面図である。
【図16】回路要素である配線パターンの外形を示す平面図である。
【図17】配線パターンの等価回路を示す回路図である。
【図18】回路試験装置である回路試験システムの全体構造を示す模式図である。
【図19】回路試験システムにより回路試験方法のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図20】サブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
101,201 回路基板
102,301 パッケージ部材
104,202 回路要素である配線パターン
107,302 パッケージ本体
108,303 リード端子
111 テストボード
200,300 集積回路装置
210,230,250,310 熱電素子であるペルチェ素子
211,212,233,234,311,312 端子電極
213,231,313 n型半導体
214,232,314 p型半導体
215,315 接合電極
216,240,316 熱拡散手段である熱拡散板
220 回路試験装置である回路試験システム
221 各種手段として機能するコントロールユニット

Claims (14)

  1. 回路要素の回路特性が所定の試験温度で電気的に測定される試験対象の回路装置であって、
    前記回路要素を熱電効果により前記試験温度とする熱電素子と、一個のパッケージ本体と複数のリード端子からなるパッケージ部材と、を具備しており、
    前記回路要素が前記熱電素子とは別体の回路基板に形成されており、
    この回路基板と前記熱電素子とが前記パッケージ部材のパッケージ本体に搭載されており、
    前記熱電素子と前記回路要素とが複数の前記リード端子に個々に結線されている回路装置。
  2. 前記熱電素子は、一個の接合電極の両端と一対の端子電極とがn型半導体とp型半導体とを個々に介してП型に接続されたペルチェ素子からなり、
    前記回路基板は、前記熱電素子の接合電極に対して前記n型半導体および前記p型半導体とは反対の方向に配置されている請求項1に記載の回路装置。
  3. 前記回路基板と前記熱電素子との間隙に熱を拡散して均一化する熱拡散手段が設けられている請求項1または2に記載の回路装置。
  4. 前記回路要素は、試験電流が通電されて電気抵抗の変化から回路特性としてEM(Electro-Migration)寿命の寿命時間が測定される配線パターンからなる請求項1ないし3の何れか一項に記載の回路装置。
  5. 試験対象の回路装置の回路要素の回路特性が所定の試験温度で電気的に測定される回路基板が搭載されるパッケージ部材であって、
    前記回路基板が搭載されるパッケージ本体と、
    前記回路基板の回路要素が一部に結線される複数のリード端子と、
    これら複数のリード端子の一部に結線されていて前記回路基板を介して前記回路要素を熱電効果により前記試験温度とする熱電素子と、
    を具備しているパッケージ部材。
  6. 前記熱電素子は、一個の接合電極の両端と一対の端子電極とがn型半導体とp型半導体とを個々に介してП型に接続されたペルチェ素子からなり、
    前記回路基板は、前記熱電素子の接合電極に対して前記n型半導体および前記p型半導体とは反対の方向に配置される請求項5に記載のパッケージ部材。
  7. 前記回路基板が配置される位置と前記熱電素子との間隙に熱を拡散して均一化する熱拡散手段が設けられている請求項5または6に記載のパッケージ部材。
  8. 試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験方法であって、
    請求項4に記載の回路装置の前記配線パターンに前記試験電流を通電するとともに前記熱電素子に固有の電流を通電する回路試験方法。
  9. 試験対象の回路装置の回路要素を所定の試験温度にして回路特性を電気的に測定する回路試験方法であって、
    請求項5ないし7の何れか一項に記載のパッケージ部材のパッケージ本体に前記回路基板を搭載し、
    この回路基板の回路要素を前記パッケージ部材のリード端子に結線し、
    このパッケージ部材のリード端子から前記熱電素子に所定の電流を通電しながら前記回路要素の回路特性を測定する回路試験方法。
  10. 試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験方法であって、
    請求項5ないし7の何れか一項に記載のパッケージ部材のパッケージ本体に前記回路基板を搭載し、
    この回路基板の配線パターンを前記パッケージ部材のリード端子に結線し、
    前記パッケージ部材のリード端子から前記回路基板の配線パターンに前記試験電流を通電するとともに前記熱電素子に固有の電流を通電する回路試験方法。
  11. 試験対象の回路装置の回路基板に形成されている回路要素を所定の試験温度にして回路特性を電気的に測定する回路試験装置であって、
    請求項1ないし4の何れか一項に記載の回路装置の熱電素子に所定の電流を通電する素子通電手段と、
    前記回路要素の回路特性を測定する特性測定手段と、
    を具備している回路試験装置。
  12. 試験対象の回路装置の回路基板に形成されている回路要素を所定の試験温度にして回路特性を電気的に測定する回路試験装置であって、
    前記回路基板が搭載される請求項5ないし7の何れか一項に記載のパッケージ部材と、
    このパッケージ部材の熱電素子に所定の電流を通電する素子通電手段と、
    前記回路基板の回路要素の回路特性を測定する特性測定手段と、
    を具備している回路試験装置。
  13. 試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験装置であって、
    請求項4に記載の回路装置の配線パターンの電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、
    前記配線パターンに前記試験電流を通電する要素通電手段と、
    前記回路基板の熱電素子に固有の電流を通電する素子通電手段と、
    を具備している回路試験装置。
  14. 試験対象の回路装置の回路基板に回路要素として形成されている配線パターンを所定の試験温度にするとともに所定の試験電流を通電し、前記配線パターンの回路特性としてEM寿命を電気抵抗の変化により試験する回路試験装置であって、
    前記回路基板が搭載される請求項5ないし7の何れか一項に記載のパッケージ部材と、
    このパッケージ部材に搭載された前記回路基板の配線パターンの電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、
    前記回路基板の配線パターンに前記試験電流を通電する要素通電手段と、
    前記パッケージ部材の熱電素子に固有の電流を通電する素子通電手段と、
    を具備している回路試験装置。
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