JP3604735B2 - ねじ締めロボット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ホッパ内に雑然と投入されたねじを逐次に導出してねじ締め作業を行うねじ締めロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家電製品の生産現場などで使用されているねじ締めロボットには、スカラ型や直角座標型などの種類があるが、昨今の多品種少量生産の傾向を反映して、使用するねじの種類の切り替えに迅速に対応できる低コストのねじ締めロボットが求められている。
【0003】
図7に示す従来のスカラ型ねじ締めロボットでは、ロボット本体1にねじ締めドライバ2が搭載されており、ロボット本体1外に設けられたねじ供給器3が、ロボット本体1に軟質のエアホース4で連結されている。そして、ねじ供給器3内に貯蔵されているねじが、エアホース4内を流通するエアの圧力でロボット本体1に送り込まれるようになっている。つまり、ねじ供給器3内に雑然と投入されているねじが整列・分離されてエアホース4内を流通し、ねじ締めドライバ2の先端付近に設けられた保持用爪5に保持される。この状態でねじ締めドライバ2の先端ビット部6が回転し、エアシリンダ7による押し下げ動作で、ワーク8にねじが締め込まれる。
【0004】
一方、図8および図9に示す直角座標型のロボットでは、ホッパ9内に雑然と投入されたねじが、すくい板10によるすくい上げ動作でシュート11に乗り移り、エスケープシリンダ12がねじを1本ずつ分離してキャッチャ13に送り込む。ねじ締めドライバ14に設けられた真空チャック15にねじが保持され、ねじ締めドライバ14および真空チャック15が、エアシリンダ16によって押し下げられる。キャッチャ13は支点17で支承され、ばね18とストッパ19とで位置決めされており、下降した真空チャック15に当接して押し下げられる。
【0005】
ねじ締めドライバ14が先端ビット部20を回転させながら下降していく過程で真空チャック15がワーク21に当たると、ばね22がたわみ、ねじ23はエアシリンダ16の推力と先端ビット部20の回転とによってワーク21に締め込まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
スカラ型ねじ締めロボットにおいては、エアホース4の内径に対してねじの長さが短すぎたり長すぎたりすると、図10の(a)、(b)に示すようにエアホース4内でねじ詰まりを起こしやすい。また、エアホース4の内面が磨耗しやすいので、その交換を頻繁に行う必要があるのみならず、ねじの種類を切り替える場合、ねじ供給器3、エアホース4および保持用爪5等を交換しなければならないという煩わしさがあった。
【0007】
一方、直角座標型のロボットでは、ねじ締めドライバ14とポッパ9とが一体化されているので、ねじの種類を切り替える場合、ホッパ9、すくい板10、シュート11、エスケープシリンダ12およびキャッチャ13等を交換しなければならず、ここに少なからぬ労力および時間を要した。ねじの種類を早急に切り替える必要がある場合、ホッパ9とこれに一体化されているねじ締めドライバ14とを交換すれば対応できるものの、高価なねじ締めドライバ14をねじごとに準備しておかねばならず、維持費が高くつく。
【0008】
したがって本発明の目的は、ねじの種類を短時間で切り替えることのできる低コストのねじ締めロボットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によると上述した目的を達成するために、雑然と投入されたねじを貯蔵するホッパと、このホッパに連なり且つねじの呼び径よりも広く頭径よりは狭い溝を長手方向に有するシュートと、ホッパ内のねじをすくい上げ動作でシュートに乗り移らせるすくい板と、すくい板を駆動させるすくい板駆動部と、シュート上でねじを1本単位に分離するエスケープ部と、エスケープ部で1本単位に分離されて送り込まれたねじを受けるキャッチャと、シュート上でねじの有無を検出するねじ検出部と、すくい板駆動部の動力およびねじ検出部の信号を連結しうる動力・信号接続部とを備え、ホッパ、シュート、すくい板、すくい板駆動部、エスケープ部、キャッチャ、ねじ検出部および動力・信号接続部をベースに固定して形成されたねじ供給部ユニットを有すると共に、ロボット本体と、ロボット本体に搭載されたねじ締めドライバとを有し、前記ねじ締めドライバの下部に前記ねじ供給部ユニットのキャッチャが位置するように、ねじ供給部ユニットのベースをロボット本体に着脱自在に固定することで、ねじ供給部ユニットの動力・信号接続部にロボット本体の動力・信号接続部が接続されることを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明においては、ホッパ、シュート、すくい板、すくい板駆動部、エスケープ部、キャッチャ、ねじ検出部および動力・信号接続部を備えた1ユニットのねじ供給部がロボット本体に着脱自在に接続されるので、ねじ締めに使用するねじの種類(仕様)を切り替える場合、ユニット化されたねじ供給部を交換するだけの手間で簡便に対応できる。そのうえ、高価にして着脱のやっかいなねじ締めドライバをねじごとに準備する必要がないので、維持費を低減させることができる。
【0012】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例と参考例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1および図2に示す参考例のねじ締めロボットは直角座標型のもので、ロボット本体24に、ねじ供給部25とねじ締めドライバ26とが搭載されている。ねじ供給部25は、雑然と投入された多数のねじを貯蔵するホッパ27、すくい板28およびシュート29を相互に連結して1ユニットに構成したもので、ロボット本体24に着脱自在に搭載されている。
【0014】
すくい板28は、ホッパ27内に雑然と投入されているねじをすくい上げて、シュート29に乗り移らせる。シュート29は、ねじの呼び径よりも広く頭径よりは狭い溝を長手方向に有し、水平面に対し20°以上の開き角度で配置されている。シュート29上のエスケープ部30は、シュート29に乗り移ったねじを1本単位に分離してキャッチャ31に送り込む。キャッチャ31に送り込まれたねじは、ねじ締めドライバ26に設けられた真空チャック32で保持される。
【0015】
エアシリンダによってねじ締めドライバ26および真空チャック32を下降させる。支点で支承され、かつ、ばねとストッパとで位置決めされているキャッチャ31は、下降した真空チャック32に当接して押し下げられる。ねじ締めドライバ26は先端ビット部を回転させながら下降して行く。
【0016】
その過程において真空チャック32がワークに当接すると、ばねがたわみ、ねじはエアシリンダの推力と先端ビット部の回転力とによってワークに締め込まれる。
【0017】
このように構成されたねじ締めロボットにおいて、ねじの種類(仕様)を切り替える場合、図2の下部に示したねじ供給部25を交換するだけでよい。ねじ供給部25をねじ仕様ごとに準備しておくことになるが、ねじ供給部25はホッパ27、すくい板28およびシュート29をベース41で連結してユニット化した比較的安価なものであり、単純な操作で交換することができる。
【0018】
本例でのシュート29は図3に示すような断面形状を有している。この場合、使用するねじの呼び径に応じて、1対のシュート板42、43間に介在するスペーサ44を交換するだけで、その厚みによって溝幅を調整することができる。
【0019】
図4および図5に示す実施例のねじ締めロボットでは、直角座標型のロボット本体45に、ねじ供給部46とねじ締めドライバ47とが搭載されている。この場合、雑然と投入された多数のねじを貯蔵するホッパ48と、ホッパ48内のねじをすくい上げるために、すくい板駆動シリンダ49で駆動されるすくい板50と、ねじの呼び径よりも広く頭径よりは狭い溝を長手方向に有し、水平面に対し20°以上の開き角度で斜設されたシュート51と、シュート51上に乗り移ったねじを1本単位に分離するエスケープシリンダ52と、1本ずつ送り込まれたねじを受けるキャッチャ53と、ねじ検出センサ54と、真空チャック55と、エアシリンダ56とを備える。
【0020】
すくい板駆動シリンダ49は、シュート51上のねじ検出センサ54がシュート51上にねじ無しを検出した場合に限り動作する。ねじ締めドライバ47に設けられた真空チャック55でねじを保持しながら、エアーシリンダ56でねじ締めドライバ47および真空チャック55を下降させる。この下降過程において真空チャック55が、支点を有してばねとストッパとで位置決めされているキャッチャ53を押し下げる。そして、ねじ締めドライバ47が先端ビット部を回転させながら下降していくのであり、真空チャック55がワークに当接することによってばね62がたわみ、ねじはシリンダ56の推力と先端ビットの回転とによってワークに締め込まれる。
【0021】
かかる機能を備えたねじ締めロボットにおいて、使用するねじの仕様を切り替える場合は以下のようになる。図5に示すようにねじ供給部46は、ホッパ48、すくい板駆動シリンダ49、すくい板50、シュート部51、エスケープシリンダ52、キャッチャ53、ねじ検出部54および動力・信号接続部63をベース64に固定してなるので、ベース64をロボット本体45に固定すればよい。このため、ロボット本体45からの取り外しや取り付けは容易であり、多種少量生産への対応が極めて効率的に行える。
【0022】
動力・信号接続部63は図6にその断面図を示すように、ベース64をロボット本体45に脱着するのに伴い自動的に、エア径路66または絶縁体67に保持された電気接触子68を介して電気回路が開閉する構成となっている。
【0023】
【発明の効果】
本発明によると、使用する締め付け用ねじの仕様変更がユニットの交換によって容易に達成できるので、生産性の向上に役立ち、材料費・人件費の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例のねじ締めロボットの斜視図。
【図2】本発明の参考例のねじ締めロボットの一部分を分解した斜視図。
【図3】本発明の参考例のねじ締めロボットのシュートの断面図。
【図4】本発明の実施例のねじ締めロボットの斜視図。
【図5】本発明の実施例のねじ締めロボットの一部分を分解した斜視図。
【図6】本発明の実施例のねじ締めロボットの接続部の断面図。
【図7】従来のねじ締めロボットの斜視図。
【図8】従来のねじ締めロボットの斜視図。
【図9】ねじ締めロボットのねじ締めドライバの先端部の断面図。
【図10】エアホース内でのねじ詰まり状態を示す断面図。
【符号の説明】
45 ロボット本体
46 ねじ供給部
47 ねじ締めドライバ
48 ホッパ
50 すくい板
51 シュート
52 エスケープシリンダ
Claims (1)
- 雑然と投入されたねじを貯蔵するホッパと、
このホッパに連なり且つねじの呼び径よりも広く頭径よりは狭い溝を長手方向に有するシュートと、
ホッパ内のねじをすくい上げ動作でシュートに乗り移らせるすくい板と、
すくい板を駆動させるすくい板駆動部と、
シュート上でねじを1本単位に分離するエスケープ部と、
エスケープ部で1本単位に分離されて送り込まれたねじを受けるキャッチャと、
シュート上でねじの有無を検出するねじ検出部と、
すくい板駆動部の動力およびねじ検出部の信号を連結しうる動力・信号接続部とを備え、
ホッパ、シュート、すくい板、すくい板駆動部、エスケープ部、キャッチャ、ねじ検出部および動力・信号接続部をベースに固定して形成されたねじ供給部ユニットを有すると共に、
ロボット本体と、
ロボット本体に搭載されたねじ締めドライバとを有し、
前記ねじ締めドライバの下部に前記ねじ供給部ユニットのキャッチャが位置するように、ねじ供給部ユニットのベースをロボット本体に着脱自在に固定することで、ねじ供給部ユニットの動力・信号接続部にロボット本体の動力・信号接続部が接続されることを特徴とするねじ締めロボット。
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JP16565694A JP3604735B2 (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | ねじ締めロボット |
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ID=15816510
Family Applications (1)
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JP16565694A Expired - Fee Related JP3604735B2 (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | ねじ締めロボット |
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Cited By (1)
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1994
- 1994-07-18 JP JP16565694A patent/JP3604735B2/ja not_active Expired - Fee Related
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