JP3603844B2 - 熱回収外調システム - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱回収外調システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、室内などに対して換気が必要な空調をする場合、給気された空気は全排気し、排気熱（還気熱）は屋外に捨てられていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、外気処理を行う場合など、ランニングコストがかかり無駄が多かった。そこで、これらの問題点を解決する熱回収外調システムを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、局所排気を行う屋内ゾーンに対して給排気する熱回収外調システムであって、屋内ゾーンの還気から熱回収して屋外へ排気しかつこの回収熱を利用して屋外からの外気を熱交換して屋内ゾーンへ給気するヒートポンプ式外調機を、備え、このヒートポンプ式外調機と屋外と屋内ゾーンとを給排気自在に連通連結するダクト群に、所定給気量を維持しつつすくなくとも局所排気量相当の回収熱を含む外気量を前記還気に補給してヒートポンプ式外調機へ流す風量調整自在なダンパ機構を、設けたものである。さらに、局所排気量の増減に比例してすくなくともヒートポンプ式外調機への還気量の割合が増減するように自動制御するダンパ機構と、した。さらに、ダクト群のうちで、屋外からヒートポンプ式外調機へ外気を送る外気ダクトと、屋内ゾーンからヒートポンプ式外調機へ還気を送る還気ダクトと、還気ダクトと外気ダクトを連通連結するバイパスダクトと、に夫々風量調整ダンパを設けてダンパ機構を、構成した。
【０００５】
【発明の実施の形態】
図１と図２は、本発明の熱回収外調（外気処理空調）システムの一実施例を示している。この熱回収外調システムは、局所排気を行う屋内ゾーンＡに対して給排気するもので、屋内ゾーンＡの還気（ＲＡ）から熱回収して屋外Ｂへ排気しかつこの回収熱を利用して屋外Ａからの外気（ＯＡ）を熱交換して屋内ゾーンＡへ給気するヒートポンプ式外調機Ｈを、備えている。このヒートポンプ式外調機Ｈと屋外Ｂと屋内ゾーンＡとを給排気自在に連通連結するダクト群Ｃに、所定給気量を維持しつつすくなくとも局所排気量相当の回収熱を含む外気量を前記還気（ＲＡ）に補給してヒートポンプ式外調機Ｈへ流す風量調整自在なダンパ機構Ｄを、設ける。実線及び点線の白抜き矢印は送風方向を示す。
【０００６】
ダクト群Ｃは、屋外Ｂからヒートポンプ式外調機Ｈへ外気（ＯＡ）を送る外気ダクト１６と、屋内ゾーンＡからヒートポンプ式外調機Ｈへ還気（ＲＡ）を送る還気ダクト１７と、還気ダクト１７と外気ダクト１６をその途中で連通連結するバイパスダクト１８と、ヒートポンプ式外調機Ｈから屋内ゾーンＡへ給気（ＳＡ）を送る給気ダクト１９と、ヒートポンプ式外調機Ｈから屋外Ｂへ排気（ＥＡ）を送る排気ダクト２０と、を備える。このダクト群Ｃのうちで、外気ダクト１６と、還気ダクト１７と、バイパスダクト１８と、に夫々手動又は自動の風量調整ダンパ２１、２２、２３を設けてダンパ機構Ｄを、構成する。局所排気量が一定の場合は、風量調整ダンパ２１、２２、２３の風量調整を固定し、局所排気量が増減する場合には、局所排気量の増減に比例してすくなくともヒートポンプ式外調機Ｈへの還気量の割合が増減するようにセンサー等を用いて自動制御するダンパ機構Ｄと、することができる。
【０００７】
ヒートポンプ式外調機Ｈは、ケーシング１内に、凝縮器２を設けた排気用送風路５と、蒸発器３を設けた外気用送風路６と、冷媒循環回路７と、を備えている。凝縮器２と蒸発器３と圧縮機４などから成る冷媒循環回路７は、図示省略の受液器と膨張弁と冷媒循環方向の切換弁等も有し、凝縮器２及び蒸発器３の吸熱と放熱を切換自在に構成される。ケーシング１には、外気取入口１０、給気口１１、還気取入口１２及び排気口１３を形成し、外気取入口１０と給気口１１を外気用送風路６にて連通連結し、還気取入口１２と排気口１３を排気用送風路５にて連通連結する。還気取入口１２は還気ダクト１７や吸込口等を介して屋内ゾーンＡと連通連結し、給気口１１は給気ダクト１９や吹出口等を介して屋内ゾーンＡと連通連結する。屋内ゾーンＡには局所排気用の排気口やファン、換気扇などを設ける。
【０００８】
この熱回収外調システムでは、外気取入口１０から取入れた外気（ＯＡ）を蒸発器３で熱交換し、必要に応じて加湿器９を作動させて給気口１１から所定風量給気し、同時に還気取入口１２から取入れた還気（ＲＡ）で凝縮器２の循環冷媒を熱交換して吸熱又は放熱（熱回収）しつつ排気口１３から屋外へ排気する。局所排気を行う場合、ダンパ機構Ｄによって、所定給気量を維持しつつすくなくとも局所排気量相当の回収熱（局所排気により不足することとなる還気分の熱量）を含む外気量を、ヒートポンプ式外調機Ｈへの還気に補給して、全排気時の還気量により凝縮器２で交換できる熱量（風量）をすくなくとも得られるようにし、熱交換能力の低下を防止する。また、換気扇の入切等によって局所排気量が増減する場合には、前述の比例制御のダンパ機構Ｄを用いることにより、自動的にヒートポンプ式外調機Ｈへの還気量の割合を増減させて、回収されずに損失する屋内ゾーンＡの還気熱量を最小限に抑える。例えば、局所排気量の減少に比例してヒートポンプ式外調機Ｈへの還気量を増加させ、局所排気量の増加に比例してヒートポンプ式外調機Ｈへの還気量を減少させる。これに加えて局所排気量の減少に比例して凝縮器２への補助外気量を減少させ、局所排気量の増加に比例して凝縮器２への補助外気量を増加させるも自由で、省エネ化を図れる。
【０００９】
なお、ヒートポンプ式外調機Ｈは図例の構造のものに限定されず、天井設置構造など種々に変更自由である。
【００１０】
【発明の効果】
請求項１の発明では、排気熱（還気熱）を利用して外調機を運転できるので熱交換能力が高く小型化できて省エネを図れる。ヒートポンプ式外調機の熱交換能力を高く保ちつつ、給気量に対する局所排気量の割合をより幅広くとることができて熱回収外調システムの利用範囲が広がる。ダンパ機構をダクト側に設けるのでヒートポンプ式外調機の簡素化と小型化が図れて製作が容易となり設置面積が小さくてすむ。
請求項２の発明では、局所排気量が減少したときに、ヒートポンプ式外調機へ送る風量当たりの回収熱量が多い還気を増加させることができるので、ヒートポンプ式外調機の成績係数が上がり省エネとなる。
請求項３の発明では、ダクトに設けるダンパ数が少なくてすみコストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示すシステム図である。
【図２】ヒートポンプ式外調機の断面図である。
【符号の説明】
Ａ 屋内ゾーン
Ｂ 屋外
Ｃ ダクト群
Ｄ ダンパ機構
Ｈ ヒートポンプ式外調機
１６ 外気ダクト
１７ 還気ダクト
１８ バイパスダクト

Claims (3)

1. 局所排気を行う屋内ゾーンに対して給排気する熱回収外調システムであって、前記屋内ゾーンの還気から熱回収して屋外へ排気しかつこの回収熱を利用して前記屋外からの外気を熱交換して前記屋内ゾーンへ給気するヒートポンプ式外調機を、備え、このヒートポンプ式外調機と前記屋外と前記屋内ゾーンとを給排気自在に連通連結するダクト群に、所定給気量を維持しつつすくなくとも局所排気量相当の回収熱を含む外気量を前記還気に補給して前記ヒートポンプ式外調機へ流す風量調整自在なダンパ機構を、設けたことを特徴とする熱回収外調システム。
2. 局所排気量の増減に比例してすくなくともヒートポンプ式外調機への還気量の割合が増減するように自動制御するダンパ機構と、した請求項１記載の熱回収外調システム。
3. ダクト群のうちで、屋外からヒートポンプ式外調機へ外気を送る外気ダクトと、屋内ゾーンから前記ヒートポンプ式外調機へ還気を送る還気ダクトと、前記還気ダクトと前記外気ダクトを連通連結するバイパスダクトと、に夫々風量調整ダンパを設けてダンパ機構を、構成した請求項１又は２記載の熱回収外調システム。

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