JP3603378B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内燃機関の冷却装置に関し、詳しくは、2系統の冷却水経路を用い、暖機状況に応じた冷却が可能な水冷の冷却装置に関する。
【0002】
【先行技術】
2系統の冷却水経路を暖機状況に応じて使い分ける内燃機関の冷却装置としては、従来、図10に示すようなものがあった。
図10において、シリンダヘッド31側のウォータジャケット32と、シリンダブロック33側のウォータジャケット34とは相互に独立に形成され、ウォータポンプ35の吐出側に対して両ウォータジャケット32、34が並列に接続される。
【0003】
各ウォータジャケット32、34をそれぞれに通過した冷却水は合流し、ラジエータ36を介して、又は、バイパス通路37によりラジエータ36を迂回してウォータポンプ35に循環される。前記ラジエータ36に対する循環・迂回は、ラジエータ36の出口とバイパス通路37との合流部に介装されたサーモスタットバルブ38によって選択される。
【0004】
また、シリンダブロック側ウォータジャケット34を通過した冷却水が、シリンダヘッド側ウォータジャケット32を通過した冷却水に合流する合流部よりも上流側に、バルブ39が設けられている。
かかる構成により、暖機後においては、図11に示すように、各ウォータジャケット32、34それぞれに冷却水を通過させ、通過後の冷却水を合流させてラジエータ36に循環して冷却水の放熱を図る。
【0005】
暖機中には、サーモスタットバルブ38によってラジエータ36の出口通路を閉じる一方、バイパス通路37を開くことで、各ウォータジャケット32、34をそれぞれ通過して合流した冷却水を、前記ラジエータ36を迂回してウォータポンプ35に循環させることができるようにしてある。
また、前記バルブ39を閉じると、図12に示すように、シリンダブロック側ウォータジャケット34における冷却水の通過が堰き止められ、結果的に、シリンダヘッド側ウォータジャケット32のみで冷却水の循環が行われ、シリンダブロック側ウォータジャケット34においては冷却水が滞留することになる。従って、前記バルブ39を機関負荷や冷却水温度等に応じて選択的に閉じれば、ボア内壁温をより高く設定でき、暖機状況に応じた冷却が可能となる。
【0006】
図13は、本出願人により特願平6−286620号にて提案されている冷却装置のシステム構成図である。シリンダヘッド31において冷却水を循環させるウォータジャケット32と、シリンダブロック33において冷却水を循環させるウォータジャケット34とがそれぞれ形成されており、前記ウォータジャケット32、34は、連通部40によって相互に連通される。
【0007】
シリンダヘッド側ウォータジャケット32に形成された出口32aは、サーモースタットバルブ41を介しラジエータ36を迂回してウォータポンプ35の吸込側に冷却水通路42によって接続され、ウォータポンプ35の吐出側はシリンダヘッド側ウォータジャケット32にのみ接続される。
また、シリンダブロック側ウォータジャケット34に形成された出口34aは、ラジエータ36の入口側36aに冷却水通路43を介して接続される。
【0008】
ラジエータ36の出口側36bは、冷却水通路44を介してサーモスタットバルブ41に接続され、前記冷却水通路42と合流して前記ウォータポンプ35に接続される。前記サーモスタットバルブ41は、冷却水通路42と冷却水通路44とを冷却水温度に応じて選択的に開口させることで、いずれか一方の経路のみをウォータポンプ35と接続し、ラジエータ36を迂回する冷却水の循環経路とラジエータ36を介した冷却水の循環経路とを切り換えるものである。
【0009】
暖機中で、冷却水通路44を介する冷却水の循環が前記サーモスタットバルブ41によって堰き止められると、シリンダブロック側ウォータジャケット34からラジエータ36を介してウォータポンプ35に至る循環経路が断たれることになり、ウォータポンプ35からシリンダヘッド側ウォータジャケット32に入った冷却水は、図14に示すように、出口32aを介しラジエータ36を迂回してウォータポンプ35に循環されることになる。
【0010】
このとき、シリンダブロック側ウォータジャケット34内では、冷却水が循環されることなく滞留することになるから、シリンダブロック33のボア内壁温の昇温が早まり、もって、暖機中のフリクションを低減できる。
一方、暖機後で、サーモスタットバルブ41により冷却水通路42が閉じられ、かつ、冷却水通路44が開かれると、図15に示すように、ウォータポンプ35からシリンダヘッド側ウォータジャケット32を通過した後、シリンダブロック側ウォータジャケット34を通過した冷却水を、ラジエータ36において放熱させた後にウォータジャケット32、34に再循環させることができる。従って、暖機後は、シリンダヘッド31とシリンダブロック33とをそれぞれ冷却することが可能である。
【0011】
図13の構成では、図10の構成に比較し、サーモスタットバルブ41以外のバルブを必要としないという利点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような内燃機関の冷却装置にあっては、ウォータポンプから吐出された冷却水をシリンダヘッド側のウォータジャケットに流入しなければならないので、ウォータポンプをシリンダヘッド側に取り付けなければならない。
しかし、図16に示すように、エンジン45の上部にはカム駆動用スプロケット46や吸気マニホールド47、排気マニホールド48などがあり、ウォータポンプを設置するのは空間的に困難である。
【0013】
また、カム駆動用スプロケット46に対し、カム軸方向の反対側にウォータポンプを設置しようとすると、ウォータポンプはエンジン45とトランスミッション49との結合部上方のシリンダヘッド端部50にレイアウトされる。このため、ウォータポンプ駆動用のベルトは、オルタネータ51等の補機類を駆動するベルト52と共用することができず、独立のベルトとする必要があり、製造コストの上昇につながるので改善が求められていた。
【0014】
本発明は、このような点に鑑み、暖機状況に応じた冷却制御を行うことのできる内燃機関の冷却装置を安価に提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、シリンダヘッド及びシリンダブロックに冷却水を循環させるウォータジャケットをそれぞれ形成してなる内燃機関の冷却装置において、ウォータポンプの吐出側をシリンダブロック側ウォータジャケットに気筒列設方向の一端部にて接続し、シリンダブロック側ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケットとを気筒列設方向の前記一端部側でのみ連通させ、シリンダヘッド側ウォータジャケット及びシリンダブロック側ウォータジャケットに気筒列設方向の前記一端部とは反対側の端部側にそれぞれ冷却水出口を形成する一方、一端がシリンダヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口に接続される第1冷却水通路と、一端がシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水出口に接続され、その途中にラジエータが介装される第2冷却水通路と、一端が前記第1冷却水通路の他端と前記第2冷却水通路の他端との合流部に接続され、他端が前記ウォータポンプの吸入側に接続される第3冷却水通路と、少なくとも前記第2冷却水通路を冷却水温度に応じて開閉するバルブとを設け、前記バルブを閉じることにより前記ラジエータからの放熱を抑制しつつ前記シリンダブロック側ウォータジャケット内で冷却水を滞留させる一方、前記バルブを開くことにより前記ラジエータからの放熱を図りつつ前記シリンダヘッド側ウォータジャケットと前記シリンダブロック側ウォータジャケットとの両方に冷却水を循環させてシリンダヘッドとシリンダブロックとをそれぞれ冷却することを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に係る発明では、シリンダヘッド側ウォータジャケットとシリンダブロック側ウォータジャケットとの連通部を、前記ウォータポンプの吐出側の接続部位に最も近いシリンダより、前記接続部位の側に、前記シリンダの周形状に沿って設けたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明では、シリンダヘッド側ウォータジャケットとシリンダブロック側ウォータジャケットとの連通部を、前記ウォータポンプの吐出側の接続部位に最も近いシリンダと該シリンダに隣接するシリンダとの間に設けたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に係る発明では、シリンダブロック側ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケットとの連通部は.シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるヘッドガスケットに、気筒列設方向の一端部側にのみ水穴を形成してなるものであることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明では、シリンダブロックはボア部壁と外壁とがシリンダブロック上面において接続していないオープンデッキ構造であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に係る発明では、シリンダブロックのボア部壁と外壁とをシリンダブロック上面において接続する上壁に形成された複数の穴の間を連通する溝を前記上壁上面に設けたことを特徴とする。
【0019】
【作用】
請求項1に係る発明では、バルブによって第2冷却水通路が閉じられると、シリンダブロック側ウォータジャケットからラジエータに流れる冷却水は循環されることなく堰き止められる。従って、ウォータポンプからシリンダブロック側ウォータジャケットに入った冷却水は、シリンダブロック側ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケットとの連通部を通ってシリンダヘッド側ウォータジャケットに流れ込み、該シリンダヘッド側ウォータジャケットに形成された出口からラジエータを迂回してウォータポンプに戻る経路のみを循環される。
【0020】
一方、前記バルブが開かれると、シリンダブロック側ウォータジャケットに入った冷却水は、前記第1冷却水通路を流れるものと、シリンダブロック側ウォータジャケットに形成された出口から第2冷却水通路を流れるものとに分かれて循環される。
このような暖機状況に応じた制御が可能である一方、ウォータポンプの吐出側はシリンダブロック側にのみ接続すればよいので、ウォータポンプをシリンダブロック側にレイアウトできる。
【0021】
また、請求項2に係る発明では、暖機中に冷却水が第1冷却水経路のみを循環する場合、冷却水はウォータポンプの吐出口からシリンダブロック側ウォータジャケットに流れ込むとすぐに、シリンダヘッド側ウォータジャケットへ抜ける連通部へ流れるので、シリンダブロック側ウォータジャケット内において冷却水の流れる範囲が最小となり、暖機効果が向上する。
【0022】
また、請求項3に係る発明では、暖機中に冷却水が第1冷却水経路のみを循環する場合、冷却水はウォータポンプの吐出口からシリンダブロック側ウォータジャケットに流れ込むと、ウォータポンプの吐出口に最も近いシリンダのボア部壁を通過した後、シリンダヘッド側ウォータジャケットへ抜ける連通部へ流れるので、スムーズな流れとなり、通水抵抗が減少する。
【0023】
また、請求項4に係る発明では、シリンダヘッドやシリンダブロックの大規模な設計変更をすることなく、ヘッドガスケットの交換のみでシリンダヘッド側ウォータジャケットとシリンダブロック側ウォータジャケットとの連通部の位置を容易に変更することができる。
また、請求項5に係る発明では、シリンダブロックはオープンデッキ構造で、そのウォータジャケットの上側は平板なガスケットによって画成されるため、冷却水に混入した空気がシリンダブロック側ウォータジャケットの上部に溜まることなく、シリンダブロック側ウォータジャケットからシリンダヘッド側ウォータジャケットへの連通部を通って抜けてゆく。
【0024】
即ち、シリンダブロックボア部壁と外壁とがシリンダブロックの上面において上壁によって接続しているクローズドデッキ構造を有する従来のシリンダブロックでは、シリンダブロック側ウォータジャケット上壁には鋳造時の中子砂抜き穴があり、その上部がガスケットによって塞がれ、冷却水に混入した空気がそこに溜まることによって、シリンダブロック上部の冷却効率が悪化するという問題点があったが、請求項5に係る発明によって解決できる。
【0025】
また、請求項6に係る発明では、冷却水に混入した空気が、シリンダブロック側ウォータジャケットの上壁に形成された複数の中子砂抜き穴を抜け、前記シリンダブロック側ウォータジャケットの上壁上面に設けられた溝を通って、シリンダブロック側ウォータジャケットからシリンダヘッド側ウォータジャケットへの連通部へ導かれ、シリンダヘッド側ウォータジャケットへと抜けてゆく。これをもって、請求項5に係る発明と同様、シリンダブロック上部の冷却効率の向上が図れる。
【0026】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる内燃機関の2系統冷却装置の一実施例を示すシステム構成図である。
シリンダヘッド1において冷却水を循環させるウォータジャケット2と、シリンダブロック3において冷却水を循環させるウォータジャケット4とがそれぞれ形成されている。
【0027】
ウォータポンプ5の吐出側はシリンダブロック側ウォータジャケット4にのみ気筒列設方向の一端部にて接続され、シリンダブロック側ウォータジャケット4とシリンダヘッド側ウォータジャケット2とは気筒列設方向の前記一端部側でのみ連通部6によって連通されている。
シリンダヘッド側ウォータジャケット2及びシリンダブロック側ウォータジャケット4には、気筒列設方向の前記一端部とは反対側の端部側にそれぞれ冷却水出口2a、4aが形成されている。
【0028】
シリンダヘッド側ウォータジャケット2に形成された出口2aは、第1冷却水通路7によりラジエータ8を迂回しサーモスタットバルブ9に接続され、更に第3冷却水通路11によりウォータポンプ5の吸入側に接続される(第1冷却水経路)。
また、シリンダブロック側ウォータジャケット4に形成された出口4aは、第2冷却水通路10により、ラジエータ8を介しサーモスタットバルブ9に接続され、更に第3冷却水通路11により前記ウォータポンプ5の吸入側に接続される(第2冷却水経路)。
【0029】
かかる構成において、冷却水通路7と冷却水通路10との合流部に介装される前記サーモスタットバルブ9は、冷却水に感応する感熱部材により開閉動作する単純な構造のバルブであり、冷却水温度が低いとき(暖機中)には、冷却水通路10を閉じてラジエータ8からウォータポンプ5側への冷却水の流れを堰き止め、冷却水温度が高くなると(暖機後)、冷却水通路10を開いてラジエータ8からウォータポンプ5側へ冷却水を循環させる。
【0030】
即ち、前記サーモスタットバルブ9は、冷却水温度に応じて冷却水通路10を開閉することで、前記第2冷却水経路における冷却水の循環の断続を行うものである。
暖機中で、冷却水通路10を介する冷却水の循環が前記サーモスタットバルブ9によって堰き止められると、シリンダブロック側ウォータジャケット4からラジエータ8を介してウォータポンプ5に至る循環経路が断たれることになり、ウォータポンプ5からシリンダブロック側ウォータジャケット4及び連通部6を経てシリンダヘッド側ウォータジャケット2に入った冷却水は、図2に示すように、出口2aを介しラジエータ8を迂回してウォータポンプ5に循環されることになる。
【0031】
このとき、シリンダブロック側ウォータジャケット4内では冷却水が循環されることなく滞留することになるから、ブロックのボア内壁温の上昇が早まり、もって、暖機中のフリクションを低減できる。
然も、図1に示す構成では、サーモスタットバルブ9以外のバルブを必要とせず、かつ、サーモスタットバルブ9によってシリンダブロック側ウォータジャケット4からラジエータ8への冷却水の流れをウォータポンプ5の上流で堰き止めるから、シリンダブロック側ウォータジャケット4における冷却水の動きは、ウォータポンプ5の吐出側からシリンダブロック側ウォータジャケット4に入り、連通部6を経てシリンダヘッド側ウォータジャケット2に流れる部分のみとなり、シリンダブロック側ウォータジャケット4内のほとんどの場所において冷却水の循環が停止されるため、高いボア内壁温を安定的に維持できる。
【0032】
一方、暖機後で、サーモスタットバルブ9により冷却水通路10が開放されると、図3に示すように、シリンダブロック側ウォータジャケット4からラジエータ8を介してウォータポンプ5に戻る第2冷却水経路においても冷却水を循環させることができ、ウォータポンプ5からシリンダブロック側ウォータジャケット4を通過した冷却水を、ラジエータ8において放熱させた後にウォータジャケット2、4に再循環させることができる。従って、暖機後は、シリンダヘッド1とシリンダブロック3とをそれぞれ冷却することが可能である。
【0033】
尚、前記サーモスタットバルブ9は、シリンダブロック側ウォータジャケット4内の水温を直接検知しないが、シリンダヘッド側ウォータジャケット2内の水温とシリンダブロック側ウォータジャケット4内の水温との関係を予め調べておけば、シリンダブロック側ウォータジャケット4内の水温を所定値に制御することが可能である。例えば、シリンダブロック側ウォータジャケット4内の水温の目標を90℃とする場合であって、シリンダヘッド側ウォータジャケット2内の水温が80℃のときにシリンダブロック側が90℃となる相関である場合には、サーモスタットバルブ9は80℃で開(冷却水通路10を開とする状態)となる特性とすればよい。
【0034】
また、本実施例では冷却水通路7、10の合流部にサーモスタットバルブ9を介装させる構成としたが、サーモスタットバルブをシリンダブロック側ウォータジャケット4の出口4aと、ラジエータ6の入口6aとの間の冷却水通路10に介装する、図4に示すような構造としてもよい。
この場合、暖機時で冷却水通路10がサーモスタットバルブによって閉じられると、シリンダブロック側ウォータジャケット4に入り込んだ冷却水の出口が堰き止められるため、第2冷却水経路における冷却水の循環は停止される。そして、ウォータポンプ5からシリンダブロック側ウォータジャケット4に入った冷却水は、連通部6を経てシリンダヘッド側ウォータジャケット2に入り、第1冷却水経路において循環される。
【0035】
一方、図4に示す構成において、暖機後は、冷却水通路10がサーモスタットバルブによって開かれるため、シリンダブロック側ウォータジャケット4に入り込んだ冷却水は、連通部6を経て第1冷却水経路に流れるものと、第2冷却水経路に流れるものとに分かれ、両方の冷却水経路において循環される。
この場合、サーモスタットバルブが感知する水温がシリンダブロック側ウォータジャケット4内の水温に近くなるので、シリンダブロック3のボア内壁温をより正確に制御することが可能となる。
【0036】
また、図4において、サーモスタットバルブが閉状態でも微少流量を許容する***を設けておき、閉状態においても僅かな冷却水の循環が行われる構成とすれば、シリンダブロック温度の検知をより正しく行わせることが可能である。また、本実施例ではバルブとしてサーモスタットバルブを用いたが、冷却水温度センサで検出される冷却水温度に基づいて開閉制御される電磁バルブ等でもよい。
【0037】
図5(A)は本発明におけるシリンダヘッド側ウォータジャケット2とシリンダブロック側ウォータジャケット4との連通部6のより具体的な実施例を示すシリンダブロック3の平面図であり、図5(B)はシリンダヘッド側ウォータジャケット2及びシリンダブロック側ウォータジャケット4の、前記図5(A)のA−A断面図である。
【0038】
シリンダヘッド1において冷却水を循環させるウォータジャケット2と、シリンダブロック3において冷却水を循環させるウォータジャケット4とがそれぞれ形成されている。シリンダヘッド1とシリンダブロック3とはヘッドガスケット12を介して接合され、前記ウォータジャケット2、4はヘッドガスケット12に形成された水穴を連通部6として相互に連通されている。
【0039】
本実施例のシリンダブロック3はシリンダブロックボア部壁13と外壁14とがシリンダブロック3の上面において接続していないオープンデッキ構造で、シリンダブロック側ウォータジャケット4の上側は平板なヘッドガスケット12によって画成されている。
図6の参考例に示すように、通常のクローズドデッキ構造のシリンダブロックでは、シリンダブロックボア部壁と外壁とがシリンダブロック3の上面において上壁15によって接続している。この場合、シリンダブロック側ウォータジャケット4の上壁15には鋳造時の中子砂抜き穴16があり、その上部をヘッドガスケット12が塞いでしまうと、そこに冷却水に混入した空気が溜まり、シリンダブロック3の上面部分の冷却効率が悪化することになる。
【0040】
本実施例の図5のようなオープンデッキ構造では、シリンダブロック側ウォータジャケット4の上側は平板なガスケット12によって画成されているため、混入している空気が滞留する場所はなく、冷却水の流れとともに連通部6を通ってシリンダヘッド側ウォータジャケット2に抜けて行くので、シリンダブロック3の上面部分の冷却効率が改善される。
【0041】
また、図7のように、クローズドデッキ構造のシリンダブロックにあっては、上壁15の上面に溝17を形成し、中子砂抜き穴16と連通部6とを相互に連通することで、中子砂抜き穴16に溜まった空気をシリンダヘッド側ウォータジャケット2に排出でき、前記オープンデッキ構造のシリンダブロックの場合と同様の効果が得られる。
【0042】
図8はヘッドガスケット12における水穴、即ち連通部6の位置と冷却水の流れ方との関係を示した図である。
本実施例では、ヘッドガスケット12に形成された水穴を連通部6として用いている。図8(A)に示すように、ウォータポンプ5の吐出側との接続部位に近い一端に、その端部に形成されたシリンダ18の周形状に沿って連通部6を設けると、暖機中、シリンダブロック側ウォータジャケット4からシリンダヘッド側ウォータジャケット2への冷却水の流れは、図8(B)のようになる。この場合、シリンダブロック側ウォータジャケット4において暖機中に冷却水の循環する範囲が最小となり、暖機効率が向上する。
【0043】
また、図9(A)に示すように、連通部6を前記シリンダ18とそれに隣接するシリンダ19との間に設けた場合、図9(B)のように、シリンダブロック側ウォータジャケット4で暖機中に冷却水の流れる範囲は広がり、暖機効率は低下するが、冷却水がシリンダヘッド側ウォータジャケットへ流れ込む際に曲がる角度が緩やかになることから、通水抵抗が減少するというメリットがある。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、暖機時にはシリンダヘッド側ウォータジャケットのみに冷却水が流れるので、暖機性が向上するという効果が得られ、暖機後の冷却水の通路はシリンダヘッド側ウォータジャケットを通る第1冷却水経路と、シリンダブロック側ウォータジャケット及びラジエータを通る第2冷却水経路との並列の流れになるので、冷却水の通水抵抗が低くなり、ウォータポンプ単体流量を落とすことができ、もって燃費低減の効果もある。
【0045】
また、ウォータポンプがシリンダブロックに取り付けられるので、構造が単純になり、製造コストの面でも有利である。
請求項2に係る発明によれば、暖機時にシリンダブロック側ウォータジャケット内の冷却水の滞留範囲が広くなるので、暖機効率が向上するという効果がある。
【0046】
請求項3に係る発明によれば、シリンダブロック側ウォータジャケットからシリンダヘッド側ウォータジャケットへの冷却水の流れがスムーズになるので、通水抵抗が低く抑えられ、ウォータポンプの負荷が減少するという効果がある。
請求項4に係る発明によれば、シリンダヘッドやシリンダブロックの大規模な設計変更をすることなく、ヘッドガスケットの交換のみでシリンダヘッド側ウォータジャケットとシリンダブロック側ウォータジャケットとの連通部の位置を容易に変更することができるという効果がある。
【0047】
請求項5に係る発明によれば、冷却水に混入した空気がシリンダブロック側ウォータジャケットから抜けるのが容易になり、シリンダブロック上部の冷却効率を増大することができるという効果がある。
請求項6に係る発明によれば、シリンダブロックボア部壁と外壁とがシリンダブロックの上面において接続しているクローズドデッキ構造のシリンダブロックにおいても、冷却水に混入した空気がシリンダブロック側ウォータジャケットから抜けるのが容易になり、シリンダブロック上部の冷却効率を増大することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図
【図2】同上実施例における暖機中の冷却水の流れを示す状態図
【図3】同上実施例における暖機後の冷却水の流れを示す状態図
【図4】同上実施例においてサーモスタットバルブを別の位置に設けた場合のシステム構成図
【図5】本発明のより具体的な実施例を示すシリンダブロック部の平面図及びシリンダブロック・シリンダヘッド部の断面図
【図6】参考例を示すシリンダブロック部の平面図及びシリンダブロック・シリンダヘッド部の断面図
【図7】他の実施例を示すシリンダブロック部の平面図及びシリンダブロック・シリンダヘッド部の断面図
【図8】ヘッドガスケットにおける水穴(連通部)の位置及び冷却水の通水経路を示す図
【図9】水穴(連通部)を別の位置に設けた場合の冷却水の通水経路を示す図
【図10】従来の冷却装置を示すシステム構成図
【図11】図9のシステムにおける暖機中の冷却水の流れを示す状態図
【図12】図9のシステムにおける暖機後の冷却水の流れを示す状態図
【図13】従来の冷却装置の他の例を示すシステム構成図
【図14】図12のシステムにおける暖機中の冷却水の流れを示す状態図
【図15】図12のシステムにおける暖機後の冷却水の流れを示す状態図
【図16】ウォータポンプとエンジンとの位置関係を示す正面図及び側面図
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 シリンダヘッド側ウォータジャケット
3 シリンダブロック
4 シリンダブロック側ウォータジャケット
5 ウォータポンプ
6 連通部
7 冷却水通路
8 ラジエータ
9 サーモスタットバルブ
10 冷却水通路
11 冷却水通路
12 ヘッドガスケット
13 シリンダブロックボア部壁
14 シリンダブロック外壁
15 シリンダブロック上壁
16 中子砂抜き穴
17 溝
18 シリンダ
19 シリンダ

Claims (6)

  1. シリンダヘッド及びシリンダブロックに冷却水を循環させるウォータジャケットをそれぞれ形成してなる内燃機関の冷却装置において、
    ウォータポンプの吐出側をシリンダブロック側ウォータジャケットに気筒列設方向の一端部にて接続し、
    シリンダブロック側ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケットとを気筒列設方向の前記一端部側でのみ連通させ、
    シリンダヘッド側ウォータジャケット及びシリンダブロック側ウォータジャケットに気筒列設方向の前記一端部とは反対側の端部側にそれぞれ冷却水出口を形成する一方、
    一端がシリンダヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口に接続される第1冷却水通路と、
    一端がシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水出口に接続され、その途中にラジエータが介装される第2冷却水通路と、
    一端が前記第1冷却水通路の他端と前記第2冷却水通路の他端との合流部に接続され、他端が前記ウォータポンプの吸入側に接続される第3冷却水通路と、
    少なくとも前記第2冷却水通路を冷却水温度に応じて開閉するバルブと、
    を設け
    前記バルブを閉じることにより前記ラジエータからの放熱を抑制しつつ前記シリンダブロック側ウォータジャケット内で冷却水を滞留させる一方、
    前記バルブを開くことにより前記ラジエータからの放熱を図りつつ前記シリンダヘッド側ウォータジャケットと前記シリンダブロック側ウォータジャケットとの両方に冷却水を循環させてシリンダヘッドとシリンダブロックとをそれぞれ冷却することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記シリンダヘッド側ウォータジャケットとシリンダブロック側ウォータジャケットとの連通部を、前記ウォータポンプの吐出側の接続部位に最も近いシリンダより、前記接続部位の側に、前記シリンダの周形状に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 前記シリンダヘッド側ウォータジャケットとシリンダブロック側ウォータジャケットとの連通部を、前記ウォータポンプの吐出側の接続部位に最も近いシリンダと該シリンダに隣接するシリンダとの間に設けたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記シリンダブロック側ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケットとの連通部は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるヘッドガスケットに、気筒列設方向の一端部側にのみ水穴を形成してなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置。
  5. 前記シリンダブロックはボア部壁と外壁とがシリンダブロック上面において接続していないオープンデッキ構造であることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の冷却装置。
  6. 前記シリンダブロックのボア部壁と外壁とをシリンダブロック上面において接続する上壁に形成された複数の穴の間を連通する溝を前記上壁上面に設けたことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の冷却装置。
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