JP3599938B2 - 流体計測装置および流体計測方法 - Google Patents

流体計測装置および流体計測方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体計測装置および流体計測方法に関し、より詳細には、流体場の定量的情報を得るために、粒子追跡法で可視化した流れ場を撮像し、時間的に隣接する画像の対応付け情報から、流れ場のベクトル情報を獲得するPTV法を使用する流体計測装置および流体計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、流体現象を解析するために、粒子状のトレーサーを多数流れに混入させ流れの挙動を明確化する粒子追跡法が用いられている。より具体的には、かかる粒子追跡方法は、流れの中に流れを構成する媒質(水、空気等)と同比重で十分小さい粒子を縣濁させ、その粒子の挙動によって、流れの性質を可視化させる手法である。この手法を特にトレーサー法という。対象となる流れによってトレーサーの種類は異なるが、一般に、空気流では煙・火花、液体流ではナイロン球・アルミ粉等が使用される。例えば,この可視化手法は、自動車・飛行機周辺の流れの解析で頻繁に使用されている。ただし、この粒子の挙動は、人間の主観で判断する場合が多く、一般にそのままでは、定量的情報を得ることができない。
【0003】
そこで、従来、粒子追跡法を利用して定量的情報を得るための種々の手法が提案されている。以下、その手法を説明する。
【0004】
先ず、特開昭59−87369では、水流中のオリフィスから多数の微細な気泡を発生させ、スリット光を当てて気泡の乱反射により流れ場を可視化し、散乱光の変化を異なる2点間でフォトセンサで測定し、流体の速度を計測する水流モデルにおける速度測定方法が開示されている。
【0005】
ところが、かかる測定方法は、解析精度が高い反面、水流に限る等、汎用性が殆どなく、非定常現象に対応できないという課題がある。
【0006】
また、特開昭63−179218では、専用の相関器を用いて、流れに混入されたトレーサーの散乱光の相関により、流れを計測する相関式流量計が開示されている。
【0007】
ところが、かかる流量計では、相関器を用いた構成であるため、コストが高くなるという課題がある。
【0008】
また、特開平1−178823では、ガスに特殊なトレーサーを注入して流れを可視化し、専用のセンサを用いて流れを計測する水流モデルにおける速度測定方法が開示されている。
【0009】
ところが、かかる測定方法では、解析精度が高い反面、汎用性が殆ど無いという課題がある。
【0010】
そこで、従来、解析精度が高く、かつ汎用性に富むPTV(Particle Tracking Velocimetry )法が提案されている。かかるPTV法は、可視化画像の相関を用いて、時間的に隣接する画像の対応付け情報から、流れ場のベクトル情報を獲得し定量的情報を得るものであり、換言すると、PTV法は、粒子追跡法によって、可視化された流れを撮影した動画像を用いて、画像パターン対応付によって流れの速度ベクトル場情報を獲得する手法である。
【0011】
かかるPTV法は、演算量が膨大になるため演算時間を大量に要し、従来あまり利用されていなかったが、近年の計算機の発達により高速に演算することが可能となり、利用されるようになってきた。
【0012】
このPTV法は上記のような解析手法に比して、特殊なセンサ類が不必要なこと、汎用性が格段に高いこと、低コストであること、および非定常現象に対応できること等の長所がある。
【0013】
以下、PTV法による流体解析手法を具体的に説明する。PTV法は、上記した如く、画像処理の一技法である粒子対応付けを使用することが多い。粒子対応付けとは、複数の画像間において、一方の画像の着目するひとつのかたまりの画像群(以後、粒子という)が他方の画像群のどの粒子に対応するかを判定する手法である。特に、ひとかたまりの画像群を粒子として認識する手法は、ラベリングと呼ばれる。一般に、画像は、グレースケール、若しくは2値で表され、グレースケールの場合、画像の各画素の濃度を示す数値は濃度の大きさに従って連続的に変化していなくてはならない。階調レベルの表現は256レベル(8ビット)が一般的である。
【0014】
PTV法では、粒子追跡法によって可視化された時系列的に連続する2枚の流れ画像を用いて、流れ場全体に亘ってすべての粒子についてこの粒子対応付け操作を行い、流れ場の速度ベクトル情報を求める。すなわち、対応づけられた粒子の移動ベクトルを、画像間の隔たった時間間隔で割り、その粒子の座標における流れの速度ベクトルが得られるからである。
【0015】
例えば、このPVC法のパターンマッチングの精度向上および計算の高速化の技術に関しては、日本機械学会論文集(B編)55巻509号(1988−1)小林敏夫氏らの「2次元流れ場実時間ディジタル画像計測システムの開発」による報告例として、時系列的に連続する3枚以上の画像間でトレーサーを追跡する複数時刻間追跡アルゴリズム等の研究がある。
【0016】
上記した粒子対応付けのアルゴリズムは、解析精度に直接関わり、流体解析を行う上で重要な技術である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粒子相互の対応付けをとるアルゴリズムを使用するPTV法は、一般に精度が良いとされているが、解析対象である流れの可視化画像の品質に依存している部分が多く、特にノイズが混入している画像を使用すると、全く異なった解析結果が得られるという問題点があった。なお、かかる問題については、解析結果が出た後に修正を行う後処理が一般的であるが、この後処理は、解析を行う者のの主観が入ったり、解析に要する時間が長くなるという問題点があった。
【0018】
また、一般に可視化画像から判断する場合、トレーサーかノイズかの判断を計算機に行わせることは大変難しく、トレーサーかノイズかの判断を計算機に行わせるためには、その手法にユニークなトレーサーを使用しなければならないため、極端に汎用性が低くなるという問題点が発生する。
【0019】
また、流れの様々な性質、乱流の程度・速度などを加味し、精度を向上させる有効な解析アルゴリズムが提案されていないという問題点もあった。
【0020】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡便な手段を用いてノイズに強く、後処理の必要のないPTV法の解析手法を用いた流体計測装置および流体計測方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測装置において、前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けの最適値を得る粒子対応付け手段を具備した構成としたものである。
【0022】
上記構成によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測装置において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士を対応付る構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測装置を提供することが可能となる。
【0023】
上記課題を解決すべく、請求項2記載の発明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測装置において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標を有するトレーサー粒子像Qを対応先とする粒子対応付け手段を具備した構成としたものである。
【0024】
上記構成によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測装置において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Qを対応先とする構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測装置を提供することが可能となる。
【0025】
また、この場合、請求項3記載の発明の如く、請求項1または2記載の発明において、前記粒子対応付け手段は、対応付けの基準となるトレーサー粒子Pの相対座標情報を周囲の近傍のi(但し、i≧4)個のトレーサー粒子P〜Pのうち、4粒子の重心座標との相対位置ベクトルを利用して算出する構成としたものである。
【0026】
上記構成によれば、粒子Pにおける最適な解析条件を提示する構成であるので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、解析精度を向上させるという目的の上で、適切な解析に使用する情報の設定を行うことができる。
【0027】
また、この場合、請求項4記載の発明の如く、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記粒子対応付け手段は、対応先となるトレーサー粒子Qの相対座標情報を周囲の近傍のj個のトレーサー粒子Q〜Qのうち、4粒子の重心座標との相対位置ベクトルを利用して算出する構成としたものである。
【0028】
上記構成によれば、粒子Qにおける最適な解析条件を提示する構成であるので、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、解析精度を向上させるという目的の上で、適切な解析に使用する情報の設定を行うことができる。
【0029】
また、この場合、請求項5記載の発明の如く、請求項4記載の発明において、前記粒子対応付け手段は、対応付けの基準となるトレーサー粒子Pとトレーサー粒子Qとの対応度を下記式1で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Qを、粒子Pの対応粒子とする構成としたものである。
【数4】
Figure 0003599938
【0030】
上記構成によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、適切な対応付けの評価値の設定を行う構成であるので、通常の流れ場(定常状態)を解析する場合に、上記相対座標情報を利用する上で、適切な対応付の評価値の算出を行うことのできる式を提示することが可能となる。
【0031】
また、この場合、請求項6記載の発明の如く、請求項4記載の発明において、前記粒子対応付け手段は、対応元のトレーサー粒子Pとトレーサー粒子Qとの対応度を下記式2で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Qを、粒子Pの対応粒子とする構成としたものである。
【0032】
【数5】
Figure 0003599938
【0033】
上記構成によれば、適切な対応付けの評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の効果に加えて、特に、微細な流れ場の構造を把握した場合に、適切な対応づけの評価値の算出を行うことのできる式を提示することが可能となる。
【0034】
また、この場合、請求項7記載の発明の如く、請求項4記載の発明において、前記粒子対応付け手段は、対応元のトレーサー粒子Pとトレーサー粒子Qとの対応度を下記式3で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Qを、粒子Pの対応粒子とする構成としたものである。
【0035】
【数6】
Figure 0003599938
【0036】
上記構成によれば、適切な対応付の評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の効果に加えて、特に乱れた流れ場を解析する場合に、適切な対応付の評価値の算出を行うことのできる式を提示することが可能となる。
【0037】
また、この場合、請求項8記載の発明の如く、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明において、i=4としたものである。
【0038】
上記構成によれば、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノイズが十分少ないと思われる可視化結果に対して、対応付を行う基準となる粒子Pに関して、使用する情報の条件を設定し、計算時間を短縮化する。
【0039】
また、この場合、請求項9記載の発明の如く、請求項4〜7のいずれか1つに記載に発明において、j=4としたものである。
【0040】
上記構成によれば、請求項4〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノイズが十分少ないと思われる可視化結果に対して、対応付けを評価する粒子Qに関して、使用する情報の条件を設定し、計算時間を短縮化する。
【0041】
また、この場合、請求項10記載の発明の如く、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明において、i=5〜6としたものである。
【0042】
上記構成によれば、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、解析精度を向上させる構成であるので、ノイズが多いと思われる可視化結果に対して、対応づけを行う基となる粒子Pに関して、使用する情報の条件を設定し、解析精度を向上させることが可能となる。
【0043】
また、この場合、請求項11記載の発明の如く、請求項4〜7のいずれか1つに記載の発明において、j=5〜6としたものである。
【0044】
上記構成によれば、請求項4〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、解析精度を向上させる構成であるので、ノイズが多いと思われる可視化結果に対して、対応づけを評価する粒子Qに関して、使用する情報の条件を設定し、解析精度を向上させることが可能となる。
【0045】
上記課題を解決すべく、請求項12記載の発明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測方法において、前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けの最適値を得るステップを含むものである。
【0046】
上記構成によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測方法において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士を対応付る構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測方法を提供することが可能となる。
【0047】
上記課題を解決すべく、請求項13記載の発明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測方法において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標を有するトレーサー粒子像Qを対応先とするステップを含むものである。
【0048】
上記構成によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測方法において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Qを対応先とする構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測方法を提供することが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0050】
本発明では、PTV法において、時間的に連続した複数枚の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けを行うアルゴリズムを用いている。
【0051】
より具体的には、本発明では、対応付けに使用する粒子がトレーサーかノイズかの判断は行わず、粒子像をトレーサーと判断して、顕著な誤差が出ない場合、そのトレーサーの座標を対応付けの情報に使用するといるアルゴリズムを用いる。すなわち、画像に粒子と誤認されたノイズが混入してもそのノイズに対応した粒子が存在しないので、ノイズの情報は使用されることがない。従って、この手法により解析精度を向上できる。
【0052】
以下、本発明に係る流体計測装置および流体計測方法で用いられる粒子対応付けアルゴリズムを、図1を参照して説明する。
【0053】
図1は、本発明に係る流体計測装置および流体計測方法で用いられる粒子対応付けアルゴリズムを説明するためのモデル図である。図1において、対応付けを行う時間的に連続しているフレームの時間的に前のものを図1(a)に示すPlain1、後のものを図2(b)に示すPlain2とする。対応づけの基準となる粒子PはPlain1に、対応付けを評価される粒子QはPlain2に夫々分布している。
【0054】
図1(a)に示すように、対応付の基準となる粒子Pの近傍粒子を近い方から順にP〜Pとする(但し、i≧4の整数)。ここで、i個存在する粒子のうち、下記式1の条件を満たす粒子のうち4つの粒子(P、P、P、P)の重心座標を対応付けの情報に使用することが好ましい。
【0055】
また、図1(b)に示すように、粒子Pとの対応度を評価するPlain2内の粒子Qについて、粒子Qの近傍粒子を近い方から順にQ〜Q とする。j個存在するこの粒子のうち、下記数1の条件を満たす粒子のうち、4つの粒子(Q、Q、Q、Q )の重心座標を対応付の情報に使用することが好ましい。
【0056】
重心座標の対応付け情報に、4つの粒子を用いることとしたのは、解析精度を維持したまま、計算時間を可能な限り小さくできるからである。情報を利用する粒子の数を3以下にすると、計算速度は早いが解析精度は落ち、粒子の数を5以上にすると計算時間が遅くなるのに比して解析精度は殆ど上がらないためである。
【0057】
対応付けの評価判断は、「対応する粒子は、周囲の粒子との相対的位置関係が最も似ている粒子である。」という仮説に基づいて以下の如く行う。図2は、対応付けの基準となる粒子Pと対応先として評価される粒子Qとの位置関係を示す図である。図2においては、対応づけの基準となる粒子Pと当該粒子Pの近傍にある粒子P,P,P,Pとの相対的位置関係と、対応先の粒子Qと当該粒子Qの近傍にある粒子Q ,Q,Q,Qとの相対的位置関係が最も類似していることを示している。
【0058】
通常の流れ場の解析(定常状態)、すなわち、ほぼ層流の流れで顕著な渦・乱流などが存在しない場の解析には、Pの近傍粒子P〜P、Qの近傍粒子Q〜Qの粒子の重心座標を用いて、下記式1によって表される誤差値ERをもって対応づけを評価する。
【0059】
【数7】
Figure 0003599938
【0060】
上記式1によって、解析空間内のすべての粒子についてERを計算し、得られたERが最も小さい値を持つ粒子Qを、Pに対応する粒子であると判断することができる。上記粒子の相対ベクトルの情報を効果的に利用し、解析精度を上げる効果を達成することができる。
【0061】
又、通常の流れ場の解析では、上記式1に示す式でも評価は可能であるが、より微細な流れの構造を把握したいという要求がある場合がある。この場合には、下記式2による評価式を用いる。
【0062】
【数8】
Figure 0003599938
【0063】
これにより、より綿密に相互の粒子ベクトルの移動度を評価することができるという効果を得ることができる。
【0064】
他方、流れ場が激しく乱れている場合、上記評価では問題が生じる場合がある。つまりトレーサーが激しく運動し互いの相対位置関係が大きく変動してしまい、上記式1や式2に示す評価式では、各ベクトルの差の値が大きくなりすぎる場合である。このような条件下では、下記式3に示す評価式を用いる。
【0065】
【数9】
Figure 0003599938
【0066】
上記式3の評価式により、乱流の影響などにより、激しくトレーサーの位置関係が変動するような流れ場でも適切に対応度の評価が可能になるという効果を得ることができる。
【0067】
上記の仮定は、流体の可視化画像の撮影間隔が十分小さければ、ほぼ成立する仮定であるが、対象となる流れの可視化方法・代表の長さ・速度など、様々な周囲の条件や、特に画像ノイズの混入度から一概にどの条件が最適かを選択するのは一般に難しい。
【0068】
上記式1〜3においては、使用するPとQの周囲の粒子情報の個数iとjを変化させることで、簡便に対処できる。すなわち、殆どノイズの影響を無視できる理想に近い可視化条件では、i=4かつj=4に設定することで、計算時間を短縮化し、かつ、解析精度を向上するという効果を得ることができる。
【0069】
また、実験条件によっては、明瞭な可視化画像がえられず、画像にノイズが多く混入する場合が多い。このような場合は、i=5〜6かつj=5〜6に設定することで通常精度が落ちるとされているこういった場合でも、解析結果の信頼性を増すことができる。
【0070】
この場合、iの値(或いはj)の値をnにするということは、すなわち、平均的にn−i個(n−j個)のノイズが画像上に存在していることになる。ノイズが多いと考えられる可視化結果について、i,jそれぞれに対してn=5〜6の値が、最も精度を効率的に上げることができる。
【0071】
ノイズが更に多い場合でも、nが7以上の値では、計算時間が多くかかりすぎ、かつ解析精度はかえって落ちる傾向にある。このため、n=5〜6の値が最も効果的である。
【0072】
粒子追跡法によって可視化された時系列的に連続する2枚の流れ画像を用いて、流れ場全体に亘ってすべての粒子についてこの粒子対応付け操作を行えば、流れ場の速度ベクトル情報が求めることができる。
【0073】
図3は、上記粒子対応付けアルゴリズムを利用して流体解析を行う流体計測装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【0074】
流体計測装置1は、被検知体(流体)の可視化像を撮像する撮像部4と、光源3と、撮像された可視化像をデータ処理して流体解析を行うデータ処理装置5と、解析結果を表示する表示部12等とから構成される。
【0075】
撮像部4は、CCDビデオカメラ等を用いることができ、光源3で照光された被検知体(例えば、水槽で、毎秒10回転する撹拌翼によって撹拌させた液流の表面を多数のナイロン球により流れを可視化された像)を、所定時間間隔で撮像して、例えば、時間的に連続した2枚の静止画像をデータ処理装置5に出力する。
【0076】
データ処理装置5では、先ず、フィルタ部6が、画像処理フィルタにより入力される画像のノイズを除去した後、2値化部7により、適切な閾値によって2値化する。そして、ラベリング処理部8は、2値化した画像をラベリング処理によって予め粒子像を認識し、その重心座標を算出する。このラベリング処理には特に流れや粒子の情報を使用した特殊な処理を行う必要はない。
【0077】
続いて、粒子対応付け処理部9は、上記式1〜式3で示した粒子対応付けアルゴリズムを用いて、前フレームの画像内の粒子Pと後フレーム内の画像内の粒子Qとを対応付ける。式1〜式3のいずれかを用いるかは、上記した如く、通常の解析条件か、過度状態かにより選択される。この対応づけを、撮像したフレーム内のすべての粒子について行う。
【0078】
速度ベクトル算出部10では、互いに対応づけされたすべての粒子P、Qの重心座標の移動ベクトルPQを算出し、この移動ベクトルPQを、画像間の隔たった時間間隔tで割り、その粒子の重心座標における流れの速度ベクトルを算出する。
【0079】
表示出力部11は、算出された速度ベクトルに基づいて解析モデル図を作成してを表示部12に表示させる。
【0080】
なお、上記において、ラベリング処理部8から表示出力部11までは、画像処理プロセッサ、制御用ソフトウエア(記憶媒体に格納されているプログラム)およびマイクロコンピュータを組み合わせて具体化できる。
【0081】
図4は、データ処理装置5で処理される手順を示すフローチャートである。
【0082】
撮像部4により、被検知体(例えば、水槽で、毎秒10回転する撹拌翼によって撹拌させた液流の表面を多数のナイロン球により流れを可視化された像)が、所定時間間隔で撮像されて、例えば、時間的に連続した2枚の静止画像がデータ処理装置5に入力される(ステップS1)。次いで、データ処理装置5では、フィルタ処理により、入力される画像のノイズを除去し(ステップS2)、ノイズ除去された画像を、A/D変換し、適切な閾値によって2値化する(ステップS3)。
【0083】
さらに、2値化した画像をラベリング処理によって、予め粒子像を認識し、その重心座標を算出する(ステップS4)。続いて、粒子対応づけ処理により、上記式1〜式3で示した粒子対応付けアルゴリズムを用いて、前フレームの画像内のすべての粒子と後フレーム内の画像内の粒子とを対応付ける(ステップS5)。そして、速度ベクトル算出処理により、互いに対応付けされたすべての粒子P、Qの重心座標の移動ベクトルPQを算出し、この移動ベクトルPQを、画像間の隔たった時間間隔tで割り、その粒子の重心座標における流れの速度ベクトルを算出する(ステップS6)。最後に、算出された速度ベクトルに基づいて解析モデル図を作成して解析結果を表示出力する(ステップS7)。
【0084】
次に、本発明による粒子対応付けアルゴリズムの処理による効果を、従来技術との比較において、図5を参照して説明する。
【0085】
解析例として、装置の表面流れを扱う。トレーサーとしてナイロンの微細粒子を用いる。可視化はこの粒子を液流に混入させることで行う。液表面の可視化は光源の乱反射などによる影響で、画像ノイズの影響が避けられず、一般に解析が困難である。本発明による技術でこの現象の解析をおこなった。
【0086】
実験は、毎秒10回転する撹拌翼によって撹拌させた液流の表面を多数のナイロン球により流れを可視化し、撮像部4(例えば、一般の家庭用ビデオ)によってその様子を撮影する。撮影された画像をデータ処理装置に取り込んだ。取り込んだ画像はフィルタ部6で、画像処理フィルタ−をかけた後、2値化部7で、適切な閾値によって2値化する。2値化した画像はラベリング処理部8で、予め粒子像を認識し、各粒子の重心座標を把握しておく。
【0087】
本発明では、このラベリング処理には特に流れや粒子の情報を使用した特殊な処理を行う必要はない。このようにして、得られた画像には、光源などによる画像ノイズが多く混入している。この画像を、従来の粒子像単体の情報のみを使用する手法と、本発明による手法によりそれぞれ解析を行った。
【0088】
従来の手法では、計算速度は高速であるが、図5(a)に示す如く、明らかに流体の連続の式に合致していない箇所が多く見られ、不適切な解析結果と言える。
【0089】
他方、本発明による手法では、図5(b)に示す如く、画像ノイズに影響されること無く、良好な解析結果を得ることができる。同図(b)は本発明による特にノイズが多い場合の処理技術を利用した解析結果であるが、良好な解析結果をことができている。換言すれば、画像ノイズに惑わされることなく、精度の良い解析結果をきわめて簡便に獲得することができる。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態においては、PTV法を使用した流体解析手法において、認識されたトレーサー粒子に対応する別画面内での粒子を探索するために行う対応付け処理において、対象となるそれぞれに粒子の対応度を評価するために、それぞれの粒子の周囲に存在する複数の粒子との相対位置座標の差、すなわち、ベクトル情報を利用して対応づけを行う構成であるので、簡便な手段により、ノイズに強く、かつ後処理の必要のない解析手法を提供することが可能となる。
【0091】
なお、上記した実施の形態では、水流の解析に関して説明したが、本発明は、空気流の解析に適用可能であり、汎用性が高い。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測装置において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士を対応付る構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測装置を提供することが可能となる。
【0093】
請求項2記載の発明によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測装置において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Qを対応先とする構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測装置を提供することが可能となる。
【0094】
請求項3記載の発明によれば、粒子Pにおける最適な解析条件を提示する構成であるので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、解析精度を向上させるという目的の上で、適切な解析に使用する情報の設定を行うことができる。
【0095】
請求項4記載の発明によれば、粒子Qにおける最適な解析条件を提示する構成であるので、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、解析精度を向上させるという目的の上で、適切な解析に使用する情報の設定を行うことができる。
【0096】
請求項5記載の発明によれば、適切な対応付けの評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の効果に加えて、通常の流れ場(定常状態)を解析する場合に、上記相対座標情報を利用する上で、適切な対応付の評価値の算出を行うことのできる式を提示することが可能となる。
【0097】
請求項6記載の発明によれば、適切な対応付けの評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の効果に加えて、特に、微細な流れ場の構造を把握した場合に、適切な対応づけの評価値の算出を行うことのできる式を提示することが可能となる。
【0098】
請求項7記載の発明によれば、適切な対応付の評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の効果に加えて、特に乱れた流れ場を解析する場合に、適切な対応付の評価値の算出を行うことのできる式を提示することが可能となる。
【0099】
請求項8記載の発明によれば、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノイズが十分少ないと思われる可視化結果に対して、対応付を行う基準となる粒子Pに関して、使用する情報の条件を設定し、計算時間を短縮化する。
【0100】
請求項9記載の発明によれば、請求項4〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノイズが十分少ないと思われる可視化結果に対して、対応付けを評価する粒子Qに関して、使用する情報の条件を設定し、計算時間を短縮化する。
【0101】
請求項10記載の発明によれば、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、解析精度を向上させる構成であるので、ノイズが多いと思われる可視化結果に対して、対応づけを行う基となる粒子Pに関して、使用する情報の条件を設定し、解析精度を向上させることが可能となる。
【0102】
請求項11記載の発明によれば、請求項4〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行う上で、解析精度を向上させる構成であるので、ノイズが多いと思われる可視化結果に対して、対応づけを評価する粒子Qに関して、使用する情報の条件を設定し、解析精度を向上させることが可能となる。
【0103】
請求項12記載の発明によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測方法において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士を対応付る構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測方法を提供することが可能となる。
【0104】
請求項13記載の発明によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測方法において、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Qを対応先とする構成であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体計測装置および流体計測方法で用いられる粒子対応付けアルゴリズムを説明するためのモデル図である。
【図2】対応付けの基準となる粒子Pと対応先として評価される粒子Qとの位置関係を示す図である。
【図3】本発明に係る粒子対応付けアルゴリズムを利用して流体解析を行う流体計測装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【図4】図3のデータ処理装置5で処理される手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明による粒子対応付けアルゴリズムの処理による効果を、従来技術との比較において説明するための図である。
【符号の説明】
1 流体計測装置
2 被検知体
3 光源
4 撮像部
5 データ処理装置
6 フィルタ部
7 2値化部
8 ラベリング処理部
9 粒子対応付け処理部
10 速度ベクトル算出部
11 表示出力部
12 表示部

Claims (13)

  1. 被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測装置において、
    前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けの最適値を得る粒子対応付け手段を具備したことを特徴とする流体計測装置。
  2. 被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測装置において、
    前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Qを対応先とする粒子対応付け手段を具備したことを特徴とする流体計測装置。
  3. 前記粒子対応付け手段は、対応付けの基準となるトレーサー粒子Pの相対座標情報を周囲の近傍のi(但し、i≧4)個のトレーサー粒子P〜Pのうち、4粒子の重心座標との相対位置ベクトルを利用して算出することを特徴とする請求項1または2に記載の流体計測装置。
  4. 前記粒子対応付け手段は、対応先となるトレーサー粒子Qの相対座標情報を周囲の近傍のj個のトレーサー粒子Q〜Qのうち、4粒子の重心座標との相対位置ベクトルを利用して算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  5. 前記粒子対応付け手段は、対応付けの基準となるトレーサー粒子Pとトレーサー粒子Qとの対応度を下記式1で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Qを、粒子Pの対応粒子とすることを特徴とする請求項4に記載の流体計測装置。
    Figure 0003599938
  6. 前記粒子対応付け手段は、対応元のトレーサー粒子Pとトレーサー粒子Qとの対応度を下記式2で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Qを、粒子Pの対応粒子とすることを特徴とする請求項4に記載の流体計測装置。
    Figure 0003599938
  7. 前記粒子対応付け手段は、対応元のトレーサー粒子Pとトレーサー粒子Qとの対応度を下記式3で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Qを、粒子Pの対応粒子とすることを特徴とする請求項4に記載の流体計測装置。
    Figure 0003599938
  8. i=4であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つにに記載の流体計測装置。
  9. j=4であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  10. i=5〜6であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  11. j=5〜6であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  12. 被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測方法において、
    前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けの最適値を得るステップを含むことを特徴とする流体計測方法。
  13. 被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体現象を解析する流体計測方法において、
    前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像Pの空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Qを対応先とするステップを含むことを特徴とする流体計測方法。
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