JP3597863B2 - タンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼの置換されたジ‐およびトリペプチド阻害剤 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明はヒト組織の制御されないまたは異常な増殖を予防的にまたは他の目的で処置する医療分野で使用されうる幾つかの化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は細胞***を活性化し、ガンおよび再狭窄症と関係があるラスタンパク質を活性化することが明らかにされているファルネシルトランスフェラーゼ酵素を阻害するよう作用する幾つかの化合物に関する。
発明の背景
ラスタンパク質(またはp21)はその突然変異体がヒトの殆どのタイプのガンの20%に、また結腸および膵臓ガンの50%以上に存在するため幅広く研究されている(Gibbs J.B.のCell,65:1(1991年);Cartwright T.らのChimica Ogg,10:26(1992年))。これらの突然変異のラスタンパク質は本来のラスに存在するフィードバック調節の能力に欠けており、そしてこの欠陥は正常な内因的調節因子が正常な細胞***を刺激する能力を制御できないためそれらの発ガン作用と関係がある。突然変異のラスの形質転換活性は翻訳後修飾に決定的に依存するという最近の発見(Gibbs J.らのMicrobiol.Rev.,53:171(1989年))はラスの機能の重要な面を明らかにし、ガン治療に新しい可能性をもたらした。
ガンの他に、天然のラスタンパク質の過剰発現および/または機能と関係がある制御されない細胞増殖の症状がある。手術後の血管性再狭窄症はこのような症状の1つである。伏在静脈バイパス移植、動脈内膜切除および経内腔冠状血管形成のような様々な外科的血管再形成術の使用は大抵、再狭窄症として知られている新生内膜組織の制御されない成長による合併症を伴う。再狭窄症の生化学的原因は十分に解明されておらず、数多くの成長因子およびガン原遺伝子が関係している(Naftilan A.J.らのHypertension,13:706(1989年)およびJ.Clin.Invest.,83:1419;Gibbsons G.H.らのHypertension,14:358(1989年);Satoh T.らのMollec.Cell.Biol.,13:3706(1993年))。ラスタンパク質が細胞***プロセスに関与することが知られていることからラスタンパク質は細胞***が制御されない多くの状況にみられる一因である。突然変異のラスが関与するガンの阻害と同様に、ラスに依存するプロセスの遮断は特に正常なラスの発現および/または機能が成長刺激因子により拡大される場合、再狭窄症と関係がある不適当な組織増殖を減少または排除する潜在能力を有する。
ラスの機能は血漿膜の内面と結合するために、タンパク質の修飾に依存する。他の膜結合タンパク質と異なって、ラスタンパク質は通常のトランスメンブランまたは疎水性配列を欠いており、最初に細胞質ゾル可溶性形態で合成される。ラスタンパク質と膜の結合はタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼにより認識されるカルボキシル末端のアミノ酸コンセンサス配列により示される一連の翻訳後プロセシング工程によって開始される。
このコンセンサス配列はカルボキシル末端、次に2個の親油性アミノ酸およびC−末端残基の4個のアミノ酸があるシステイン残基からなる。システイン残基のスルフヒドリル基はタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼが触媒する反応においてファルネシルピロホスフェートによりアルキル化される。プレニル化後、C−末端の3個のアミノ酸はエンドプロテアーゼにより開裂され、そしてプレニル化システインの新しく露出したα−カルボキシル基はメチルトランスフェラーゼによりメチル化される。ファルネシル化で開始するラスタンパク質の酵素的プロセシングはタンパク質と細胞膜の結合を可能にする。発ガン性ラスタンパク質の突然変異分析はこれらの翻訳後修飾が形質転換活性に不可欠であることを示唆している。コンセンサス配列のシステイン残基と他のアミノ酸との置換によりもはやファルネシル化されないラスタンパク質が得られ、それは細胞膜に移動せず、細胞増殖を刺激する能力に欠けている(Hancock J.F.らのCell,57:1617(1989年):Schafer W.R.らのScience,245:379(1989年);Casey P.J.のProc.Natl.Acad.Sci.USA,86:8323(1989年))。
最近、タンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼ(PFTs、ファルネシル:タンパク質トランスフェラーゼとも呼ぶ)が確認され、ラットの脳から特定のPFTが精製により、均質にされた(Reiss Y.らのBioch.Soc.Trans.,20:487〜88(1992年))。酵素は1個のα−サブユニット(49kDa)および1個のβ−サブユニット(46kDa)(これらは共に触媒活性に必要である)からなるヘテロダイマーとして特性付けられた。バクロウイルス系における哺乳動物PFTの高度の発現および活性形態の組換え酵素の精製もまた達成された(Chen W.−J.らのJ.Biol.Chem.,268:9675(1993年))。
上記に鑑みて、発ガン性ラスタンパク質の機能がそれらの翻訳後プロセシングに決定的に依存するという発見はプロセシング酵素の阻害によるガンの化学療法の手段をもたらす。ラスタンパク質へのファルネシル基の付加を触媒するタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼの確認および単離はこのような介在の有望なターゲットを提供する。最近、プロトタイプのPFT阻害剤がラスのプロセシングを阻害し、腫瘍細胞モデルにおいてガン性形態を変えることができるということが確認された(Kohl N.E.らのScience,260:1934(1993年);James G.L.らのScience,260:1937(1993年);Garcia A.M.らのJ.Biol.Chem.,268:18415(1993年))。したがって、PFTを遮断することにより突然変異のラスタンパク質を示すガンの細胞増殖の開始を防ぐ、または遅らせることができる。同様の原理により、PFTの阻害により特に天然のラスの発現および/または機能が過剰に刺激される場合に、再狭窄症と関係がある細胞増殖を抑制するための潜在的な手段が得られる。
PCT出願WO 91/16340は式CAAXのPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0461869は式Cys−Aaa1−Aaa2−XaaのPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0520823は式Cys−Xaa1−dXaa2−Xaa3のPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0523873は式Cys−Xaa1−Xaa2−Xaa3のPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0528486は式Cys−Xaa1−Xaa2−Xaa3−NRR1のPFTのシステイン含有テトラペプチドアミド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0535730は次の2つの式
のPFTのプソイドテトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0535731(US 5,238,922)は式
のPFTのプソイドテトラペプチドエステル阻害剤を開示している。
欧州特許出願0482539は式
のタキキニンアンタゴニストを開示している。
欧州特許出願0457195は式
のエンドテリンアンタゴニストを開示している。
US 4,022,759は式A−R1−Tyr(ベンジル)−Ser(ベンジル)−R2(式中、R1の定義の1つはHis(ベンジル)である)の黄体形成ホルモン放出因子のトリペプチドアンタゴニストを開示している。
上記の参考文献に開示されている化合物は後記の本発明に見い出される新規な組合せの構造変形を開示または示唆していない。すべての引用文献を参考文献として本明細書に組み込む。
発明の概要
したがって、本発明は式I
〔式中、nは1または2であり、
AはCOR3、CO2R3、CONHR3、CSR3、C(S)OR3、C(S)NHR3、CF3SO2、アリール−SO2またはアルキル−SO2であり、ここでR3はアルキル、(CH2)m−シクロアルキル、(CH2)m−アリール、(CH2)m−ヘテロアリールまたは(CH2)mO−アルキルであり、そしてmは0、1、2または3であり;
Rは独立してHまたはMeであり;
Yは独立してHまたはMeであり;
Zは独立してHまたはMeであり;
R1はH、CO−アリール、(CH2)m−アリール、O(CH2)m−シクロアルキル、O(CH2)m−アリールまたはO(CH2)m−ヘテロアリールであり、ここでmは上記で定義された通りであり、そしてR1はメタまたはパラ位にあり;
XはH、アルキル、CF3、F、Cl、Br、I、HO、MeO、NO2、NH2、N(Me)2、OPO3H2またはCH2PO3H2などの1〜4個の置換基であり;
R2はNR(CH2)nCO2R3、NR(CH2)nCONHR3、NR(CH2)nR3、NR(CH2)n+1OR4、NR(CH2)n+1SR4、NRCH(COR5)(CH2)n−ヘテロアリール、NRCH(COR5)(CH2)nOR3、NRCH(COR5)(CH2)nSR3または
であり、ここでR、R3およびnは上記で定義された通りであり、R4はHまたはR3であり、そしてR5はOH、NH2、OR3またはNHR3である〕の置換されたジまたはトリペプチド化合物、その光学異性体、ジアステレオマーまたは製薬上許容しうる塩である。
本発明はまた、組織増殖性疾患の治療法としてのタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼ酵素の活性を阻害する式Iの化合物またはその製薬上許容しうる塩の使用に関する。
本発明の別の態様はガンの治療法としての、有効量の式Iの化合物を含有する医薬組成物の使用である。
本発明のさらに別の態様は再狭窄症の治療法としての、有効量の式Iの化合物を含有する医薬組成物の使用である。
本発明のさらに別の態様は上記の治療法において単位投与形態の式Iの化合物を有効量投与するための医薬組成物である。
本発明の最後の態様は固相合成、液相合成および同時多重合成装置を使用する同時多重合成による式Iの化合物の製造法に関する。
好ましい態様の詳述
式Iの化合物において、「アルキル」なる用語は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどである。
「シクロアルキル」なる用語は3〜10固の炭素原子を有する未置換の、またはアルキルもしくはアリール基により置換された飽和炭化水素環を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどである。
「アリール」なる用語は未置換の、またはアルキル、O−アルキル、S−アルキル、O−アリール、OH、SH、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NHCO−アルキル、(CH2)mCO2H、(CH2)mCO2−アルキル、(CH2)mSO3H、(CH2)mPO3H2、(CH2)mPO3(アルキル)2、(CH2)mSO2NH2および(CH2)mSO2NH−アルキル(ここで、アルキルは上記で定義された通りであり、そしてmは0、1、2または3である)から選択される1〜3個の置換基により置換されたフェニル、5−フルオレニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル基である芳香環を意味する。
「ヘテロアリール」なる用語は未置換の、または上記のアリールについての置換基群から選択される1または2個の置換基により置換された2−または3−チエニル、2−または3−フラニル、2−または3−ピロリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル基であるヘテロ芳香環を意味する。
次の表に、本発明において使用される略語およびその定義を示す。
〔式中、A′はCO2R3、CONHR3、C(S)NHR3またはアリール−SO2であり、R3はアルキル、(CH2)m−シクロアルキル、(CH2)m−アリール、(CH2)m−ヘテロアリールであり、そしてmは0、1、2または3であり;
Rは独立してHまたはMeであり;
Yは独立してHまたはMeであり;
Zは独立してHまたはMeであり;
R1′は(CH2)m−アリール、O(CH2)m−アリール、OPO3H2またはCH2PO3H2であり、そしてmは上記で定義された通りであり;
R2′はNR(CH2)2OR4、NR(CH2)2SR4、NRCH(COR5)CH2OR3、NRCH(COR5)CH2SR3または
であり、ここでR、R3およびnは上記で定義された通りであり、R4はHまたはR3であり、そしてR5はOH、NH2、OR3またはNHR3である〕の化合物、その光学異性体、ジアステレオマーまたは薬学的に許容しうる塩である。
他の好ましい本発明の化合物はAがCO2R3またはCONHR3である;またはYおよびZの少なくとも一方がMeである;またはR2が(CH2)2OR4またはCH(COR5)CH2OR3である;またはAがCONHR3であり、R2が(CH2)2OR4であり、そしてYおよびZの少なくとも一方がMeである上記で定義された式Iの化合物である。
最も好ましい式Iの化合物には次の化合物が含まれる:
式Iの化合物の一般的製造法、評価および使用
式Iの化合物は適宜にカルボキシル末端への液相修飾を伴って、PAM、MBHAまたはNH2−リンク樹脂においてBocまたはFmoc保護アミノ酸の活性エステルまたは無水物、酸塩化物、イソシアネート、イソチオシアネートなどを使用してペプチド合成器、例えば応用バイオシステム431Aペプチド合成器での固相ペプチド合成により製造することができる。ペプチドの固相合成法は当業者に広く知られている(例えばJ.M.StewartおよびJ.D.Youngの「固相ペプチド合成」、Pierce Chemical Co.,Rockford,IL(1984年);Fields G.B.およびNoble R.L.のInt.J.Peptide Protein Res.,35:161〜214(1990年)を参照)。
さらに、式Iの化合物は適宜にアミノ酸誘導体の代わりにアミン、酸塩化物、イソシアネートなどを使用して慣用の液相ペプチド合成により製造することもできる。ペプチドの液相合成法は当業者に広く知られている(例えばM.Bodanszkyの「ペプチド合成の原理」、Springer−Verlag(1984年))。
最後に、式Iの化合物はS.H.DewittらのProc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6909(1993年)に記載されている、DiversomerTMという商標の装置(商標および装置の所有権は共にすべてワーナー・ランバート社にある)を使用して、同時多重固相合成により製造することができる。多重固相合成装置は現在、放棄された1992年10月8日出願の米国特許出願番号07/958,383および1993年2月2日に出願した未決の一部継続米国特許出願番号08/012,557の主題である。
例えば(下記のスキームI)、DIEAのような立体障害アミンをHClスカベンジャーとして使用して、Fmoc−D−His−Tyr(OBn)−CO2−CH2CH2Si(CH3)3を2−Cl−Tr樹脂に結合し、Fmoc保護基をピペリジンで除去し、得られる遊離アミノ末端基を一連のイソシアネート、イソチオシアネート、活性エステル、酸塩化物などでアシル化し、TMS−エチルエステルをTBAFで開裂し、得られる遊離カルボキシ末端基をEDAC、DCCまたはDICのようなカルボジイミド試薬で活性化し、活性カルボキシル基をHOBT、NHOSまたはペンタクロロフェノールと反応させて活性エステルとし、この活性エステルを一連のアミンと反応させ、得られる式Iの化合物の配列を熱HOAcで、または室温においてTFAで処理することにより樹脂から分離する。
上記の3つの合成法のすべてにおいて、反応性官能基の保護と脱保護、および合成工程の順序が適宜考慮される。通常の保護基の使用に関する知識および複合有機分子の構成の仕方は有機化学分野の当業者の専門的技術の一般的な範囲内にある(例えばT.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Chemistry」、John Wiley & Sons(1991年);E.J.CoreyおよびX.−M.Chengの「The Logic of Chemical Synthesis」、John Wiley & Sons(1989年)参照)。
得られる化合物の均質性および組成は逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)、細管電気泳動、薄層クロマトグラフィー(TLC)、プロトン核磁気共鳴スペクトロメトリー(NMR)、アミノ酸分析、高速原子衝撃質量スペクトロメトリー(FAB−MS)およびエレクトロスプレー質量スペクトロメトリー(ES−MS)により確認される。
式Iの化合物はさらに、製薬上許容しうる酸付加塩および/または塩基塩とすることができる。これらの形態はすべて本発明の範囲内である。
式Iの化合物の製薬上許容しうる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、沃化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などのような非毒性の無機酸から誘導された塩、並びに脂肪族のモノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジオン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸などのような非毒性の有機酸から誘導された塩が含まれる。したがって、このような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、沃化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが含まれる。アルギネートなどのようなアミノ酸の塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩、n−メチルグルカミンもまた包含される(例えばBerge S.M.らの「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science,66:1〜19(1977年)参照)。
前記塩基性化合物の酸付加塩は慣用の方法で遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させてその塩を生成することにより製造される。好ましくは、式Iの化合物は得られるpHが4未満である所望の酸の水溶液で処理することにより酸性塩に変換することができる。溶液をC18カートリッジを通過させて化合物を吸収させ、多量の水で洗浄し、化合物を例えばメタノール、アセトニトリルなどのような極性遊離溶媒で溶離し、そして減圧下で濃縮し、凍結乾燥することにより単離することができる。遊離塩基形態は慣用の方法で、または上記のようにしてその塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を単離することにより再生することができる。遊離塩基形態はそれらのそれぞれの塩形態とは極性溶媒に対する溶解度のようないくつかの物理的性質が幾らか異なるが、本発明の目的に関してこれらの塩はそれぞれの遊離塩基と同等である。
製薬上許容しうる塩基付加塩は金属またはアミン、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンを用いて製造される。カチオンとして使用される金属の例はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどである。適当なアミンの例はN,N′−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミンおよびプロカインである(例えばBerge S.M.らの「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science,66:1〜19(1977年)参照)。
前記酸性化合物の塩基付加塩は慣用の方法で遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させてその塩を生成することにより製造される。好ましくは、式Iの化合物は得られるpHが9以上である所望の塩基の水溶液で処理することにより塩基塩に変換することができる。溶液をC18カートリッジを通過させて化合物を吸収させ、多量の水で洗浄し、化合物を例えばメタノール、アセトニトリルなどのような極性有機溶媒で溶離し、そして減圧下で濃縮し、凍結乾燥することにより単離することができる。遊離酸形態は慣用の方法で、または上記のようにしてその塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することにより再生することができる。遊離酸形態はそれらのそれぞれの塩形態とは極性溶媒に対する溶解度のようないくつかの物理的性質が幾らか異なるが、本発明の目的に関してこれらの塩はそれぞれの遊離酸と同等である。
本発明のいくつかの化合物は非溶媒和形態および溶媒和形態、例えば水和形態で存在する。一般に、溶媒和形態、例えば水和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本発明のいくつかの化合物は1個以上のキラル中心を有し、それぞれの中心はR(D)またはS(L)配置で存在する。本発明はすべてのエナンチオマーおよびエピマー形態、並びに適当なこれらの混合物を包含する。
式Iの化合物のPFT阻害活性は7mMのDTT、1.2mMのMgCl2、0.1mMのロイペプチン、0.1mMのペプスタチンおよび0.2mMのフッ化フェニルメチルスルホニルを含有する30mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)で試験した。試験は96穴プレート(Wallec)で行ない、100%DMSO中における式Iの化合物からなる様々な濃度の溶液を使用した。両方の基質、放射性標識ファルネシルピロホスフェート(〔1−3H〕、比活性15〜30Ci/ミリモル、最終濃度0.12μM)および(ビオチニル)−Ahe−Tyr−Lys−Cys−Val−Ile−Metペプチド(最終濃度0.1μM)を加えた後、40倍の精製したラットの脳のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを加えて酵素反応を開始した。37℃で30分間インキュベートした後、1.5Mの酢酸マグネシウム、0.2MのH3PO4、0.5%のBSAおよびストレプトアビジンビーズ(Amersham)を含有する1.3mg/mlの濃度の停止緩衝液を用いて2.5倍に希釈することにより反応を終了させた。プレートを室温で30分間放置した後、放射能の量をマイクロベータカウンター(1450型、Wallec)で測定した。式Iの化合物はこの試験で0.5nM〜80μMのIC50値(データ表を参照)を示し、そのためガンおよび再狭窄症を含む組織増殖性疾患の治療において使用されうる有用なタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼ酵素阻害剤である。
選択された式Iの化合物のPFTに対するIC50値
実施例番号 IC 50 (μM)
1 4.4
4 1.0
5(3) 2.1
5(4) 7.3
5(23) 0.64
5(27) 30
5(28) 0.73
5(30) 73
5(31) 0.76
5(35) 66
5(36) 1.9
5(46) 1.0
5(49) 2.9
5(40) 0.75
5(52) 1.6
5(56) 1.1
5(59) 20
実施例番号 IC 50 (μM)
5(60) 1.4
5(61) 7.2
5(62) 1.5
5(63) 1.0
5(64) 1.7
5(69) 0.48
5(79) 3.0
5(80) 1.6
6 0.42
7 0.26
8 0.074
9 0.27
10 0.10
11 0.17
12 0.028
13 0.083
15 30
16 0.60
17 0.039
18 0.82
19 0.31
21 0.31
22 0.37
23 1.9
24 1.0
25 3.7
28 11
29 3.0
本発明の化合物は多種多様の経口的、経腸的および非経口的投与形態で製造し、投与することができる。したがって、本発明の化合物は注射により、すなわち静脈内的に、筋肉内的に、皮内的に、皮下的に、十二指腸内的に、または腹腔内的に投与することができる。また、本発明の化合物は吸入により、例えば鼻内的に投与することができる。さらに、本発明の化合物は経皮的に投与することができる。下記の投与形態が活性成分として式Iの化合物または対応する式Iの化合物の製薬上許容しうる塩を含有することは、当業者には明らかであろう。
本発明の化合物から医薬組成物を製造する場合、製薬上許容しうる担体は固体または液体である。固体状の製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシエ剤、座剤および分散性顆粒剤が含まれる。固体状担体は希釈剤、芳香剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤または封入剤としても作用する1種以上の物質であってよい。
散剤において、担体は微細な活性成分と混合される微細な固体である。
錠剤において、活性成分は必要な結合性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形と大きさに圧縮される。
散剤および錠剤は好ましくは5または10〜約70%の活性化合物を含有する。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、スターチ、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ろう、カカオ脂などである。「製剤」なる用語は活性成分が他の担体と共に、または他の担体を含まずにある担体により取り囲まれ、すなわち担体と一体となっているカプセル剤を提供する、担体として封入剤を用いた活性化合物の配合物を包含する。同様に、カシエ剤およびトローチ剤もまた包含される。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシエ剤およびトローチ剤は経口投与に適した固体投与形態として使用することができる。
座剤の製造において、脂肪酸グリセリドの混合物またはカカオ脂のような低融点ろうが最初に溶融され、その中に活性成分が撹拌により均一に分散される。次に溶融均質混合物は都合のよい大きさの型に注ぎ込まれ、冷却され、それにより固化される。
液状製剤には、液剤、懸濁剤および乳剤、例えば水またはプロピレングリコール水溶液が含まれる。注射剤では、液状製剤はポリエチレングリコール水溶液を用いて溶液として製剤化されうる。
経口的に使用するのに適した水性液剤は活性成分を水に溶解し、所望により適当な着色剤、芳香剤、安定剤および濃稠化剤を加えることにより製造することができる。
経口的に使用するのに適した水性懸濁剤は天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび他のよく知られている懸濁化剤のような粘稠な物質と共に微細な活性成分を水に分散させることにより製造することができる。
経口的に投与するために使用直前に液状製剤に変える固体状製剤もまた包含される。このような液状形態には、溶液、懸濁液および乳濁液が含まれる。これらの製剤は活性成分の他に、着色剤、芳香剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然の甘味剤、分散剤、濃稠化剤、可溶化剤などを含有してもよい。
医薬製剤は好ましくは単位投与形態である。このような形態では、製剤は適当な量の活性成分を含有する単位投与量に小分けされる。単位投与形態は、パッケージが個別の量の製剤を含有するようなパッケージ製剤であり、例えば分包錠剤、カプセル剤およびバイアルまたはアンプル中の散剤であってよい。また、単位投与形態はカプセル剤、錠剤、カシエ剤またはトローチ剤そのもの、あるいはこれらの何れかが適当な数封入されたパッケージ形態であってよい。
単位投与製剤中の活性成分の量は特定の用途および活性成分の効力に応じて0.1mg〜100mg、好ましくは0.5mg〜100mgの範囲内で変化し、またはその範囲内に調整することができる。所望により、本組成物はさらに他の相溶性治療剤を含有してもよい。
PFT阻害剤として治療的に使用する場合、本発明の治療法において使用される化合物は1日あたり約0.01mg/kg〜約20mg/kgの初期投与量で投与される。1日の投与量範囲は約0.01mg/kg〜約10mg/kgが好ましい。しかしながら、投与量は患者における必要性、治療する症状の程度および使用する化合物に応じて変化する。特定の状況における適当な投与量の決定は当業者に委ねられる。一般に、治療は化合物の最適投与量よりも少ない投与量で開始される。その後、投与量はその環境下で最適な効果が達成されるまで少しずつ増加される。好都合には、1日の全投与量は分割され、所望により1日の間に何回かに分けて投与される。
次の実施例で本発明の化合物の好ましい製造法を説明するが、本発明はこれらに限定されない。さらに明瞭にするため、式Iの化合物を表わす複雑な化学名の後に省略構造を中括弧内に示す。構造の構成要素は上記の略語表で定義された通りである。
実施例1
Nα−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONH2}
ABI 431A型固相ペプチド合成器を使用して、Fmoc−NH2−リンク樹脂(0.25ミリモルスケール)をNMP中の20%ピペリジンで処理してNH2−リンク樹脂を得た。カップリング工程で4倍過剰の試薬を使用して、Fmoc−保護Ser(OBn)およびTyr(OBn)の逐次カップリング(NMP中のDCCおよびHOBT)およびFmocの脱保護(NMP中の20%ピペリジン)反応を行ない、そして慣用の樹脂洗浄サイクルに付してTyr(OBn)−Ser(OBn)−CONH2−リンク樹脂を得た。このジペプチド樹脂を器具が取り付けられていない反応容器に移し、4倍過剰のCbz−His、DCCおよびDMF中のHOBTで処理し、室温で一晩振とうした。過剰の試薬を除去した後、得られる置換トリペプチドを室温においてDCM中の50%TFAで2.5時間処理することにより樹脂から分離した。溶媒を蒸発させ、逆相クロマトグラフィー(C18−カラム、20〜70%勾配のMeCN水溶液(両方の溶媒を0.1%TFAで酸性にした)で溶離した)により精製し、凍結乾燥してCbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONH2をそのTFA塩として得た。ES−MS:719(m+1)。
同様の方法を使用して、C−末端にカルボキサミドを有する下記の最も好ましい式Iの化合物を製造することができる:
実施例2
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリン{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)}
PAM樹脂またはHMP樹脂で開始し、実施例1に記載の脱保護およびカップリング条件を使用してFmoc−Ser(OBn)、Fmoc−Tyr(OBn)およびCbz−Hisを逐次カップリングした。樹脂からの分離はPAMで支持されたトリペプチドについてはCF3SO2Hを用いて、またはHMPで支持されたトリペプチドについてはDCM中の50%TFAを用いて処理することにより行なった。実施例1のようにしてクロマトグラフィーを行ない、凍結乾燥してCbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)をそのTFA塩として得た。液相法については実施例7を参照。
同様の方法を使用して、遊離カルボキシル末端基を有する下記の最も好ましい式Iの化合物を製造することができる:
実施例3
固相で支持されたN−〔N−〔(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシン2−トリメチルシリルエチルエステル{Fmoc−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
2−トリメチルシリルエタノール(2.6g、22.6ミリモル)を乾燥THF(25ml)中におけるEDAC(4.3g、22.6ミリモル)、DMAP(0.5g)およびBoc−Tyr(OBn)−OH(7.0g、18.8ミリモル)の予備混合溶液に加えた。得られる混合物を室温で18時間撹拌した。溶液を1:1のEtOAc:Et2O(40ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(2×10ml)および飽和NaCl水溶液(2×10ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして真空濃縮して油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサン溶離剤)により精製して純粋なTMS−エチルエステルを油状物として得た。
1H NMR(HCDCl3):δ0.04(s,9H),1.43(s,9H),3.03(m,2H),4.22(m,2H),4.51(m,1H),4.95(m,1H),5.05(s,2H),6.85−7.48(m,9H)
工程2.Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
CH2Cl2(20ml、v/v)中の80%TFAをCH2Cl2(40ml)中におけるBoc−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(14.8g、31.4ミリモル)の氷***液に加えた。得られる混合物を1.0分間撹拌し、真空濃縮した。その操作をもう1度繰り返し、得られる残留物をCH2Cl2および飽和NaHCO3水溶液で希釈した。得られる混合物をセライトを通して濾過した。次に、有機層を分離し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および真空濃縮により油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して所望の生成物を得た。
1H NMR(HCDCl3):δ0.06(s,9H),1.68(br s,2H),2.85−3.03(m,2H),3.67(m,1H),4.22(m,2H),5.05(s,2H),6.91−7.45(m,9H)
工程3.Fmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
DMF(10ml)中におけるHOBT(2.6g、19.3ミリモル)の溶液に、Fmoc−His(Tr)(10.0g、16.1ミリモル)、次にEDAC(3.7g、19.3ミリモル)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、DMF(10ml)中におけるTyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の工程2から、5.8g、16.1ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水および1:1のEt2O:EtOAc(50ml)の混合物に分配した。層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液(4×20ml)で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および真空濃縮により油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して保護His−Tyrジペプチドを得た;FAB−MS 974(m+1)。
工程4.Fmoc−His−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
Fmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の工程3から、5.0g、5.1ミリモル)をMeOH(20ml)中のピリジン・HCl(1.0g)で処理した。混合物を65℃で8時間撹拌した。溶液を真空濃縮し、残留物をCH2Cl2に溶解し、水(1回)、飽和NaHCO3水溶液(2回)で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および真空濃縮により油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製してFmoc−His−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2STMSを白色の固体として得た;FAB−MS 731(m+1)。
工程5.Fmoc−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
CHCl3(20ml)中におけるFmoc−His−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の工程4から、5.3g、7.3ミリモル)の懸濁液に、2−クロロトリチルクロライド樹脂(Novabiochem)(7.1g)、水にDIEA(0.96g、7.4ミリモル)を加えた。得られる混合物を簡単な音波処理に付して樹脂を分散させ、振とう機で2.0時間撹拌した。変性樹脂を濾過により集め、DMF(2回)、MeOH(2回)、CHCl2(2回)で洗浄し、そして18時間真空乾燥して10.5g(約1ミリモル/gの樹脂に相当する量)を得た。
実施例4
N−〔3−フェノキシプロピル〕−O−(フェニルメチル)−Nα−〔N−〔〔(フェニルメチル)アミノ〕カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−L−チロシンアミド{BnNHCO−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh}
Fmoc−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の実施例3から、2.0g)をDMF中の20%ピペリジンに懸濁した。得られる懸濁液を音波処理に10分間付し、30分間振とうすることにより撹拌した。樹脂を濾過し、DMF(3回)で洗浄した。樹脂を再び同じ反応条件に20分間付した。樹脂を濾過し、DMF(4回)およびCHCl3(3回)で洗浄してHis(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMSを得、それをDCM(10ml)に懸濁し、30分間振とうすることにより撹拌し、ベンジルイソシアネート(1.1g、8.0ミリモル)で処理し、そしてさらに30分間撹拌した。樹脂を濾過し、DCM(3回)で洗浄し、DCMに再懸濁し、そしてベンジルイソシアネート処理を繰り返した。樹脂を濾過し、DMF(2回)およびCHCl3(5回)で洗浄してBnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMSを得、それを4:3のジオキサン:MeOHの混合物(14ml)に懸濁し、THF中の1.0M TBAF(2.0ml、2.0ミリモル)で処理した。懸濁液を18時間振とうすることにより撹拌し、濾過し、そしてジオキサンおよび10%クエン酸の2:1混合物(3×10ml)、ジオキサン:MeOH(3×10ml)、ジオキサン(3×10ml)およびCHCl3(3×10ml)で連続的に洗浄してBnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)を得た。BnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)をDMF(10ml)に懸濁し、DIC(0.2g、1.6ミリモル)およびHOBT(0.22g、1.6ミリモル)のようなカルボジイミドカップリング試薬で処理した。得られる混合物を30分間撹拌し、3−フェノキシプロピルアミン(0.24g、1.6ミリモル)を加えた。得られる混合物を18時間振とうし、樹脂を濾過し、そしてDMF(3回)およびCHCl3(3回)で洗浄した。樹脂をDMF(10ml)に懸濁し、カルボジイミド/HOBT/3−フェノキシプロピルアミンカップリング反応を繰り返した。18時間後、樹脂を濾過し、それぞれ10mlのMeOH(2回)、DCM(3回)、DMF(2回)、MeOH(2回)およびCHCl3(2回)で洗浄してBnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た。高度に置換されたジペプチドをDCM中の40%TFAで処理し、室温で1時間振とうすることにより樹脂から分離した。遊離ジペプチドを含有する上澄みを濾過して樹脂を取り除き、樹脂をDCM(6回)で洗浄した。合一した上澄みおよび洗浄液を真空濃縮してBnNHCO−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh・TFAを得た。生成物を水およびDCMに分配し、両方の層に飽和NaHCO3水溶液を滴加して処理し、水層を塩基性にした。層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および濃縮により、BnNHCO−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た。ES−MS 675(m+1)。
実施例5
同時多重固相合成
実施例4に記載の方法はS.H.DeWittらのProc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6909(1993年)に記載されているDiversomer装置を使用する同時多重合成において採用することができる。実施例3の工程3でFmoc−His(Tr)の代わりにFmoc−D−His(Tr)を使用して製造したFmoc−D−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2iPr(100〜200mg)を40個の気体分散管のそれぞれに入れ、そしてこれらの管をDiversomer装置に置いた。その後、次のアシル化剤およびアミンを様々に組合わせて使用して、実施例4に記載の脱保護およびカップリング反応を逐次行なった。
アミン化剤
1) ベンジルイソシアネート
2) p−トルエンスルホニルクロライド
3) シクロヘキシルイソシアネート
4) フェニルイソシアネート
5) i−プロピルイソシアネート
6) n−ブチルイソシアネート
7) 4−クロロフェニルイソシアネート
8) 1−ナプチルイソシアネート
9) 3−メトキシプロピルイソシアネート
10) 4−エトキシフェニルイソシアネート
11) 2−フェネチルイソシアネート
12) 3−フェニルプロピオニルクロライド
14) フェニルアセチルクロライド
15) 4−フェノキシフェニルイソシアネート
16) ベンジルクロロホルメート
17) (トランス)−2−フェニルシクロプロピルイソシアネート
18) 1−アダマンチルクロロホルメート
アミン
1) 3−フェノキシプロピルアミン
2) 2−(フェニルメトキシ)エチルアミン
3) 2−〔(フェニルメチル)チオ〕エチルアミン
4) 4−フェニルブチルアミン
5) 3−(2−メトキシフェニル)プロピルアミン
6) 1−ベンジルピペラジン
7) o−ベンジル−ヒドロキシルアミン
8) メチオニンメチルエステル
9) ベンジルアミン
10) 2−フェニルエチルアミン
配列1.実施例4に記載のようにして樹脂から分離し、後処理した後、次の式Iの置換ジペプチド(1〜40)を製造した:
配列2.実施例4に記載のようにして樹脂から分離し、後処理した後、次の式Iの置換ジペプチド(41〜80)を製造した:
実施例6
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
EtOAc(30ml)中におけるBoc−Tyr(OBn)(1.88g、6.50ミリモル)の溶液に0℃で、HOBT水和物(1.19g、7.80ミリモル)、次にDCC(1.61g,7.80ミリモル)を加えた。EtOAc(20ml)中におけるSer(OBn)−CO2Me・TFA(2.1g、6.50ミリモル)の溶液、次にEt3M(1.09ml、7.80ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濾過し、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)により、2.67g(73%)の表題化合物を白色の固体として得た。融点81〜84℃
工程2.Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・TFA
Boc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程1から、2.64g、4.69ミリモル)をCH2Cl2(15ml)に溶解し、0℃まで冷却し、そしてTFA(5ml)を加えた。溶液を室温まで加温し、4時間撹拌した。溶液を濃縮し、CH2Cl2に取り、そして2回濃縮した。得られる油状物をエーテルで摩砕して2.7gの表題化合物を白色の固体として得た。
工程3.Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
DMF(15ml)中におけるCbz−His(1.00g、3.47ミリモル)の溶液に0℃で、HOBT(0.64g、4.16ミリモル)およびDCC(0.86g、4.16ミリモル)を加えた。Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・TFA(上記の工程2から、2.0g、3.47ミリモル)の溶液、次にEt3N(0.58ml、4.16ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液をCHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2〜5%MeOH/CHCl3)により、2.14gの表題化合物を白色の固体として得た。融点175〜176℃;FAB−MS 734(m+1)。
元素分析値(C41H43N5O8として):
理論値:C 67.11% H 5.91% N 9.54%
実測値:C 66.96% H 6.01% N 9.41%
実施例7
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリン{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)}
THF(50ml)およびMeOH(15ml)中におけるCbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の実施例6から、2.02g、2.75ミリモル)の溶液に0℃で、0.1N LiOH(30.3ml、3.03ミリモル)を加えた。溶液を0℃で6時間撹拌し、濃縮した。水を加え、pHを1N HClで4〜5に調整した。混合物を濾過し、固体を集め、乾燥して1.55g(78%)の表題化合物を白色の固体として得た。融点187〜192℃;ES−MS 720(m+1)。
元素分析値(C40H41N5O8・1.5H2Oとして):
理論値:C 64.33% H 5.94% N 9.38%
実測値:C 64.29% H 5.73% N 9.15%
実施例8
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−D−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・HCl
EtOAc中におけるBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の実施例6、工程1から、9.90g、17.6ミリモル)の溶液を0℃まで冷却した。無水HCl気体を***液中で5分間泡立たせた。溶液を室温まで加温し、一晩撹拌した。溶液を濃縮し、EtOAcに取り、そして再濃縮して8.75gの表題化合物を泡状物として得た。CI−MS 463(m+1)。
工程2.Cbz−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例6、工程3に従って、Cbz−Hisの代わりにCbz−D−His(Tr)を、そしてTyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・THFの代わりにTyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・HClを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点78〜88℃;FAB−MS 976(m+1)。
工程3.Cbz−D−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
HOAc:水(4:1、2ml)中におけるCbz−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程2から、0.27g、0.28ミリモル)の溶液を80℃で5分間撹拌し、室温まで冷却した。溶液をEtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2〜5%MeOH:CHCl3)により、0.10gの表題化合物を泡状物として得た。FAB−MS 734(m+1)。
実施例9
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−D−セリンメチルエステル{Cbz−His−Tyr(OBn)−D−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でSer(OBn)−CO2Me・TFAの代わりにD−Ser(OBn)−CO2Me・TFAを使用して表題化合物を得た。融点168〜170℃;FAB−MS 734(m+1)。
実施例10
N−〔α−メチル−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−DL−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His−DL−(α−Me)Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でBoc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−DL−(α−Me)Tyr(OBn)を使用して表題化合物を得た。FAB−MS 748(m+1)。
実施例11
N−エチル−Nα−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEt}
実施例6に従って、工程2でBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEtを使用して表題化合物を得た。融点182〜188℃;FAB−MS 747(m+1)。
実施例12
N−エチル−Nα−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEt}
実施例6に従って、工程2でBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEtを、そして工程3でCbz−Hisの代わりにCbz−D−Hisを使用して表題化合物を得た。融点193〜196℃;ES−MS 747(m+1)。
実施例13
N−〔N−〔1−メチル−N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His(1−Me)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Cbz−His(1−Me)
ベンジルクロロホルメート(0.24ml、1.7ミリモル)をTHF(5ml)およびNaHCO3水溶液(5ml)中における1−メチル−L−ヒスチジン(0.25g、1.5ミリモル)のスラリーに0℃で滴加した。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濃縮し、水で希釈し、エーテルで洗浄し、そしてpHを1N HClで6〜7に調整した。混合物を濃縮し、CHCl3(150ml)およびMeOH(15ml)で希釈し、そして1時間撹拌した。混合物を乾燥(MgSO4)し、濃縮して0.48gの表題化合物を得、それをさらに精製することなく使用した。
工程2.Cbz−His(1−Me)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
CH2Cl2中におけるCbz−His(1−Me)(上記の工程1から、0.36g、1.2ミリモル)、Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・HCl(上記の実施例8、工程1から、0.60g、1.2ミリモル)、DCC(0.30g、1.4ミリモル)およびHOBT(0.19g、1.4ミリモル)のスラリーに、Et3N(0.17ml、1.2ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をCHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(1%MeOH:CHCl3)により、表題化合物を白色の固体として得た。融点161.5〜163.5℃;FAB−MS 748(m+1)。
実施例14
N−〔N−〔1−メチル−N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−D−His(1−Me)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例13に従って、1−メチル−L−ヒスチジンの代わりに1−メチル−D−ヒスチジンを使用して表題化合物を得た。FAB−MS 748(m+1)。
実施例15
N−〔L−2−アミノ−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−4−〔4−(フェニルメトキシ)フェニル〕ブタノイル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−D−His−ホモTyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でBoc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−ホモTyr(OBn)を使用し、そして工程3でCbz−Hisの代わりにCbz−D−Hisを使用して表題化合物を得た。FAB−MS 748(m+1)。
実施例16
N−〔4−フェニル−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−L−フェニルアラニル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His−Phe(4−Ph)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でBoc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−Phe(4−Ph)を使用して表題化合物を得た。融点184〜187℃。FAB−MS 704(m+1)。
実施例17
N−〔O−(フェニルメチル)−N−〔N−〔〔(フェニルメチル)アミノ〕カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−セリンメチルエステル{BnNHCO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Fmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例13、工程2に従ってCbz−His(1−Me)の代わりにFmoc−His(Tr)を使用して表題化合物を得た。融点82〜92℃。
工程2.His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
ピペリジン(4.0ml)をCH2Cl2(20ml)中におけるFmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程1から、1.85g、1.74ミリモル)のスラリーに加えた。溶液を室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物をEtOAc(150ml)に取り、水(3×50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮した。得られる油状物をEt2O/ヘキサンで摩砕した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CHCl3)により、1.03gの表題化合物を泡状物として得た。融点61.5〜70℃;ES−MS 843(m+1)。
工程3.BnNHCO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
ベンジルイソシアネート(0.053ml、0.43ミリモル)をEtOAc(5ml)中におけるHis(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程2から、0.33g、0.39ミリモル)の溶液に一度で加えた。得られるスラリーを室温で3時間撹拌し、濃縮して表題化合物(0.4g)を得、それをさらに精製することなく使用した。
工程4.BnNHCO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例8に従って、Cbz−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにBnNHCO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meを使用して表題化合物を得た。融点196.5〜199℃;ES−MS 733(m+1)。
実施例18
N−〔N−〔N−〔(1−オキソ−3−フェニルプロピル)−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{PhCH2CH2CO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.PhCH2CH2CO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
THF(5ml)中におけるHis(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の実施例17、工程2から、0.33g、0.39ミリモル)の冷却(0℃)溶液に、Et3N(0.06ml、0.43ミリモル)、次にフェニルプロピオニルクロライド(0.064ml、0.43ミリモル)を加えた。得られるスラリーを室温まで戻し、一晩撹拌した。混合物をEtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮して表題化合物を固体として得、それをさらに精製することなく使用した。
工程2.PhCH2CH2CO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例8、工程3に従って、Cbz−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにPhCH2CH2CO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meを使用して表題化合物を得た。融点193〜196.5℃;ES−MS 732(m+1)。
実施例19
Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−L−チロシンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
工程1.Cbz−His−Tyr(OBn)−CO2Me
実施例6、工程3に従って、Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・TFAの代わりにTyr(OBn)−CO2Me・TFAを使用して表題化合物を白色の粉末として得た。融点145〜148℃;CI−MS 557(m+1)。
工程2.Cbz−His−Tyr(OBn)
実施例7に従って、Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにCbz−His−Tyr(OBn)−CO2Meを使用して表題化合物を白色の粉末として得た。融点79〜92℃;CI−MS 543(m+1)。
工程3.Cbz−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn
DMF(4ml)中におけるCbz−His−Tyr(OBn)(上記の工程2から、0.43g、0.79ミリモル)の溶液に0℃で、HOBT(0.15g、0.95ミリモル)およびDCC(0.20g、0.95ミリモル)を加えた。DMF(1ml)中における2−(フェニルメトキシ)エチルアミン(0.12g、0.79ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濾過し、CHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で2回洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3〜5%MeOH/CHCl3)により、0.34g(63%)の表題化合物を白色の固体として得た。融点136〜150℃;FAB−MS 676(m+1)。
元素分析値(C39H41N5O6として):
理論値:C 69.32% H 6.12% N 10.36%
実測値:C 69.43% H 6.24% N 10.45%
実施例20
Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−D−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
実施例6に従って、工程1でSer(OBn)・TFAの代わりに2−(フェニルメトキシ)エチルアミンを使用し、Et3Nを省略し、そして工程3でCbz−Hisの代わりにCbz−D−His−を使用して表題化合物を製造した。融点161〜165℃;FAB−MS 676(m+1)。
実施例21
Nα−〔N−メチル−N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−D−His−(N−Me)Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
実施例20に従って、Boc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−(N−Me)Tyr(OBn)を使用して表題化合物を得た。融点64〜78℃;ES−MS 690(m+1)。
実施例22
Nα−〔α−メチル−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−D−His−(α−Me)Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
実施例20に従って、Boc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−(α−Me)Tyr(OBn)を使用して表題化合物を得た。融点66〜78℃;ES−MS 690(m+1)。
実施例23
N−(2−フェニルエチル)−Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2Ph}
実施例19、工程3に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりに2−フェニルエチルアミンを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点188〜189.5℃;FAB−MS 646(m+1)。
実施例24
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−3−(3−ピラジニル)−L−アラニンメチルエステル{Cbz−His−Tyr(OBn)−Pyr−CO2Me}
実施例19、工程3に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりにPyr−CO2Meを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点180〜182.5℃(分解);FAB−MS 705(m+1)。
実施例25
(S,R)−N−〔2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−(3−フェノキシ−プロピルカルバモイル)−エチル〕−2−〔3−(4−エトキシ−フェニル)−ウレイド〕−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−プロピオンアミド{(4−EtOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
2−(フェニルメトキシ)エチルアミン(0.81g、5.4ミリモル)を乾燥DMF(15ml)中におけるEDAC(1.2g、6.5ミリモル)、HOBT(0.87g、6.5ミリモル)およびBoc−Tyr(OBn)−OH(2.0g、5.4ミリモル)の予備混合溶液に加えた。得られる混合物を室温で18時間撹拌した。溶液を1:1のEtOAc:Et2O(40ml)で希釈し、飽和NaCl水溶液(4×10ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして真空濃縮して固体を得、それをヘキサンで摩砕することによりさらに精製して純粋な生成物を得た。融点145〜146℃。
工程2.Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
乾燥HCl気体をMeOH(15ml)中におけるBoc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程1から、2.0g、3.9ミリモル)の氷***液中で4分間泡立たせた。得られる混合物を0℃で1時間撹拌し、室温まで加温し、そして1時間撹拌した。溶液を真空濃縮して固体を得、それをエーテルで摩砕してTyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh・HClを得た;CI−MS 405(m+1)。表題化合物をCHCl3に懸濁し、氷浴中で冷却し、そしてNH3気体を混合物中で2分間泡立たせた。NH4Clを濾去し、上澄みを真空濃縮して表題化合物の遊離塩基を得、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
DMF(10ml)中におけるHOBT(0.48g、3.5ミリモル)の溶液にFomc−D−His(Tr)−CO2H(2.0g、3.2ミリモル)、次にEDAC(0.67g、3.5ミリモル)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、DMF(10ml)中におけるTyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程2から、1.4g、3.2ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水(20ml)および1:1のEt2O:EtOAc(50ml)の混合物に分配した。層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液(4×20ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。濾過し、真空濃縮して油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して保護His−Tyrジペプチドを得た;FAB−MS 1006(m)。
工程4.D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
CH2Cl2(5ml)中のFomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程3から、1.0g、0.99ミリモル)をピペリジン(0.18g、2.1ミリモル)で処理した。得られる混合物を2時間撹拌し、真空濃縮し、得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た;ES−MS 784(m+1)。
工程5.(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
CH2Cl2(5ml)中のD−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程4から、0.55g、0.7ミリモル)を4−エトキシフェニルイソシアネート(0.1g、0.7ミリモル)で処理した。得られる混合物を室温で1時間撹拌した。真空濃縮した。得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た;ES−MS 947(m+1)。
工程6.(4−EtOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
MeOH(5ml)中の(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程5から、0.5g、0.52ミリモル)をピリジン・HCl(触媒量)で処理した。得られる混合物を65℃で6時間撹拌した。真空濃縮して油状物を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して(4−EtO−Ph)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た。融点185〜187℃;ES−MS 705(m+1)。
実施例26
(S,R)−N−{2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−〔3−(2−メトキシ−フェニル)−プロピルカルバモイル〕−エチル}−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニルアセチルアミノ−プロピオンアミド{PhCH2CO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程1に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりに3−(2−メトキシフェニル)プロピルアミンを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点125〜126.5℃。
工程2.Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程2に従って、Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにBoc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 419(m+1)。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程3に従って、Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにTyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を泡状物として得た;ES−MS 1020(m)。
工程4.D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程4に従って、Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにFomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を白色の泡状物として得た;ES−MS 798(m+1)。
工程5.PhCH2CO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
CH2Cl2(5ml)中におけるD−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)(0.4g、0.5ミリモル)の溶液に、N−メチルモルホリン(0.05g、0.5ミリモル)、次にフェニルアセチルクロライド(0.08g、0.5ミリモル)を加えた。得られる混合物を室温で2時間撹拌した。DCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製した。表題化合物を泡状物として得た;FAB−MS 916(m)。
工程6.PhCH2CO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程6に従って、(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにPhCH2CO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を白色の泡状物として得た;ES−MS 674(m+1)。
実施例27
(S,R)−N−〔2−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−フェネチルカルバモイル−エチル〕−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−〔3−(4−フェノキシ−フェニル)−ウレイド〕−プロピオンアミド{(4−PhOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph}
工程1.Boc−Tyr(OBn)CONH(CH2)2Ph
実施例25、工程1に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりにフェネチルアミンを使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 475(m+1)。
工程2.Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
実施例25、工程2に従って、BocTyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにBocTyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 375(m+1)。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
実施例25、工程3に従って、Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにTyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを使用して表題化合物を泡状物として得た;ES−MS 977(m+1)。
工程4.Fomc−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
MeOH(5ml)中のFomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph(1.2g、1.6ミリモル)をピリジン・HCl(触媒量)で処理した。得られる混合物を65℃で一晩撹拌し、真空濃縮して油状物を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して白色の固体を得た;ES−MS 734(m+1)。
工程5.(4−PhOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
CH2Cl2(5ml)中のFomc−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph(0.6g、0.8ミリモル)をピペリジン(0.14g、1.6ミリモル)で処理した。得られる混合物を2時間撹拌し、真空濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製してD−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを得た。泡状物をCH2Cl2(5ml)に溶解し、4−フェノキシフェニルイソシアネート(0.05g、0.23ミリモル)で処理した。得られる混合物を室温で1時間撹拌し、真空濃縮し、そして得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3;MeOH溶離剤)により精製して(4−PhOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを泡状物として得た;ES−MS 723(m+1)。
実施例28
(S,R)−N−〔1−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル〕−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−プロピオンアミド{(4−MePh)SO2−D−His−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)・HCl}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
実施例25、工程1に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりに1−ベンジルピペリジンを使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 530(m+1)。
工程2.Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
実施例25、工程2に従って、Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにBoc−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)を使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 430(m+1)。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
実施例25、工程3に従って、Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにTyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)を使用して表題化合物を泡状物として得た;ES−MS 1032(m+1)。
工程4.(4−MePh)SO2−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
CH2Cl2(5ml)中のFomc−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(0.7g、0.69ミリモル)をピペリジン(0.14g、1.6ミリモル)で処理した。得られる混合物を2時間撹拌し、真空濃縮し、そして得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製してD−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを得た。泡状物をCH2Cl2(5ml)に溶解し、ピリジン(0.05g、0.63ミリモル)、次に4−トルエンスルホニルクロライド(0.12g、0.63ミリモル)で処理した。得られる混合物を室温で3時間撹拌し、真空濃縮し、そして得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶解剤)により精製して(4−MePh)SO2−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)を得た;ES−MS 963(m+1)。
工程5.(4−MePh)SO2−D−His−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)・HCl
(4−MePh)SO2−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)(0.21g、0.22ミリモル)を80%HCl水溶液(3ml)で処理し、5分間80℃まで加熱した。混合物を冷却し、水(5ml)で希釈した。固体を濾去し、上澄みを真空濃縮して油状物を得た。油状物を水(15ml)に溶解し、凍結し、そして凍結乾燥して(4−MePh)SO2−D−His−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)・HClを得た;ES−MS 720(m)。
実施例29
Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−N−メチル−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−L−チロシンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−CON(Me)CH2CH2OBn}
実施例19、工程3に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりにN−メチル−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕アミンを使用して表題化合物を製造した;FAB−MS 690(m+1)。
本発明はその精神または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することができる。記載した実施態様はすべて単なる例示であり、本発明を制限するものではない。従って、本発明の範囲は上記の記載よりもむしろ添付した請求の範囲により示される。請求の範囲に記載の発明と同等の意味および範囲の中に入る変形はすべて本発明の範囲内に包含される。
本発明はヒト組織の制御されないまたは異常な増殖を予防的にまたは他の目的で処置する医療分野で使用されうる幾つかの化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は細胞***を活性化し、ガンおよび再狭窄症と関係があるラスタンパク質を活性化することが明らかにされているファルネシルトランスフェラーゼ酵素を阻害するよう作用する幾つかの化合物に関する。
発明の背景
ラスタンパク質(またはp21)はその突然変異体がヒトの殆どのタイプのガンの20%に、また結腸および膵臓ガンの50%以上に存在するため幅広く研究されている(Gibbs J.B.のCell,65:1(1991年);Cartwright T.らのChimica Ogg,10:26(1992年))。これらの突然変異のラスタンパク質は本来のラスに存在するフィードバック調節の能力に欠けており、そしてこの欠陥は正常な内因的調節因子が正常な細胞***を刺激する能力を制御できないためそれらの発ガン作用と関係がある。突然変異のラスの形質転換活性は翻訳後修飾に決定的に依存するという最近の発見(Gibbs J.らのMicrobiol.Rev.,53:171(1989年))はラスの機能の重要な面を明らかにし、ガン治療に新しい可能性をもたらした。
ガンの他に、天然のラスタンパク質の過剰発現および/または機能と関係がある制御されない細胞増殖の症状がある。手術後の血管性再狭窄症はこのような症状の1つである。伏在静脈バイパス移植、動脈内膜切除および経内腔冠状血管形成のような様々な外科的血管再形成術の使用は大抵、再狭窄症として知られている新生内膜組織の制御されない成長による合併症を伴う。再狭窄症の生化学的原因は十分に解明されておらず、数多くの成長因子およびガン原遺伝子が関係している(Naftilan A.J.らのHypertension,13:706(1989年)およびJ.Clin.Invest.,83:1419;Gibbsons G.H.らのHypertension,14:358(1989年);Satoh T.らのMollec.Cell.Biol.,13:3706(1993年))。ラスタンパク質が細胞***プロセスに関与することが知られていることからラスタンパク質は細胞***が制御されない多くの状況にみられる一因である。突然変異のラスが関与するガンの阻害と同様に、ラスに依存するプロセスの遮断は特に正常なラスの発現および/または機能が成長刺激因子により拡大される場合、再狭窄症と関係がある不適当な組織増殖を減少または排除する潜在能力を有する。
ラスの機能は血漿膜の内面と結合するために、タンパク質の修飾に依存する。他の膜結合タンパク質と異なって、ラスタンパク質は通常のトランスメンブランまたは疎水性配列を欠いており、最初に細胞質ゾル可溶性形態で合成される。ラスタンパク質と膜の結合はタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼにより認識されるカルボキシル末端のアミノ酸コンセンサス配列により示される一連の翻訳後プロセシング工程によって開始される。
このコンセンサス配列はカルボキシル末端、次に2個の親油性アミノ酸およびC−末端残基の4個のアミノ酸があるシステイン残基からなる。システイン残基のスルフヒドリル基はタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼが触媒する反応においてファルネシルピロホスフェートによりアルキル化される。プレニル化後、C−末端の3個のアミノ酸はエンドプロテアーゼにより開裂され、そしてプレニル化システインの新しく露出したα−カルボキシル基はメチルトランスフェラーゼによりメチル化される。ファルネシル化で開始するラスタンパク質の酵素的プロセシングはタンパク質と細胞膜の結合を可能にする。発ガン性ラスタンパク質の突然変異分析はこれらの翻訳後修飾が形質転換活性に不可欠であることを示唆している。コンセンサス配列のシステイン残基と他のアミノ酸との置換によりもはやファルネシル化されないラスタンパク質が得られ、それは細胞膜に移動せず、細胞増殖を刺激する能力に欠けている(Hancock J.F.らのCell,57:1617(1989年):Schafer W.R.らのScience,245:379(1989年);Casey P.J.のProc.Natl.Acad.Sci.USA,86:8323(1989年))。
最近、タンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼ(PFTs、ファルネシル:タンパク質トランスフェラーゼとも呼ぶ)が確認され、ラットの脳から特定のPFTが精製により、均質にされた(Reiss Y.らのBioch.Soc.Trans.,20:487〜88(1992年))。酵素は1個のα−サブユニット(49kDa)および1個のβ−サブユニット(46kDa)(これらは共に触媒活性に必要である)からなるヘテロダイマーとして特性付けられた。バクロウイルス系における哺乳動物PFTの高度の発現および活性形態の組換え酵素の精製もまた達成された(Chen W.−J.らのJ.Biol.Chem.,268:9675(1993年))。
上記に鑑みて、発ガン性ラスタンパク質の機能がそれらの翻訳後プロセシングに決定的に依存するという発見はプロセシング酵素の阻害によるガンの化学療法の手段をもたらす。ラスタンパク質へのファルネシル基の付加を触媒するタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼの確認および単離はこのような介在の有望なターゲットを提供する。最近、プロトタイプのPFT阻害剤がラスのプロセシングを阻害し、腫瘍細胞モデルにおいてガン性形態を変えることができるということが確認された(Kohl N.E.らのScience,260:1934(1993年);James G.L.らのScience,260:1937(1993年);Garcia A.M.らのJ.Biol.Chem.,268:18415(1993年))。したがって、PFTを遮断することにより突然変異のラスタンパク質を示すガンの細胞増殖の開始を防ぐ、または遅らせることができる。同様の原理により、PFTの阻害により特に天然のラスの発現および/または機能が過剰に刺激される場合に、再狭窄症と関係がある細胞増殖を抑制するための潜在的な手段が得られる。
PCT出願WO 91/16340は式CAAXのPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0461869は式Cys−Aaa1−Aaa2−XaaのPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0520823は式Cys−Xaa1−dXaa2−Xaa3のPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0523873は式Cys−Xaa1−Xaa2−Xaa3のPFTのシステイン含有テトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0528486は式Cys−Xaa1−Xaa2−Xaa3−NRR1のPFTのシステイン含有テトラペプチドアミド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0535730は次の2つの式
のPFTのプソイドテトラペプチド阻害剤を開示している。
欧州特許出願0535731(US 5,238,922)は式
のPFTのプソイドテトラペプチドエステル阻害剤を開示している。
欧州特許出願0482539は式
のタキキニンアンタゴニストを開示している。
欧州特許出願0457195は式
のエンドテリンアンタゴニストを開示している。
US 4,022,759は式A−R1−Tyr(ベンジル)−Ser(ベンジル)−R2(式中、R1の定義の1つはHis(ベンジル)である)の黄体形成ホルモン放出因子のトリペプチドアンタゴニストを開示している。
上記の参考文献に開示されている化合物は後記の本発明に見い出される新規な組合せの構造変形を開示または示唆していない。すべての引用文献を参考文献として本明細書に組み込む。
発明の概要
したがって、本発明は式I
〔式中、nは1または2であり、
AはCOR3、CO2R3、CONHR3、CSR3、C(S)OR3、C(S)NHR3、CF3SO2、アリール−SO2またはアルキル−SO2であり、ここでR3はアルキル、(CH2)m−シクロアルキル、(CH2)m−アリール、(CH2)m−ヘテロアリールまたは(CH2)mO−アルキルであり、そしてmは0、1、2または3であり;
Rは独立してHまたはMeであり;
Yは独立してHまたはMeであり;
Zは独立してHまたはMeであり;
R1はH、CO−アリール、(CH2)m−アリール、O(CH2)m−シクロアルキル、O(CH2)m−アリールまたはO(CH2)m−ヘテロアリールであり、ここでmは上記で定義された通りであり、そしてR1はメタまたはパラ位にあり;
XはH、アルキル、CF3、F、Cl、Br、I、HO、MeO、NO2、NH2、N(Me)2、OPO3H2またはCH2PO3H2などの1〜4個の置換基であり;
R2はNR(CH2)nCO2R3、NR(CH2)nCONHR3、NR(CH2)nR3、NR(CH2)n+1OR4、NR(CH2)n+1SR4、NRCH(COR5)(CH2)n−ヘテロアリール、NRCH(COR5)(CH2)nOR3、NRCH(COR5)(CH2)nSR3または
であり、ここでR、R3およびnは上記で定義された通りであり、R4はHまたはR3であり、そしてR5はOH、NH2、OR3またはNHR3である〕の置換されたジまたはトリペプチド化合物、その光学異性体、ジアステレオマーまたは製薬上許容しうる塩である。
本発明はまた、組織増殖性疾患の治療法としてのタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼ酵素の活性を阻害する式Iの化合物またはその製薬上許容しうる塩の使用に関する。
本発明の別の態様はガンの治療法としての、有効量の式Iの化合物を含有する医薬組成物の使用である。
本発明のさらに別の態様は再狭窄症の治療法としての、有効量の式Iの化合物を含有する医薬組成物の使用である。
本発明のさらに別の態様は上記の治療法において単位投与形態の式Iの化合物を有効量投与するための医薬組成物である。
本発明の最後の態様は固相合成、液相合成および同時多重合成装置を使用する同時多重合成による式Iの化合物の製造法に関する。
好ましい態様の詳述
式Iの化合物において、「アルキル」なる用語は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどである。
「シクロアルキル」なる用語は3〜10固の炭素原子を有する未置換の、またはアルキルもしくはアリール基により置換された飽和炭化水素環を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどである。
「アリール」なる用語は未置換の、またはアルキル、O−アルキル、S−アルキル、O−アリール、OH、SH、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NHCO−アルキル、(CH2)mCO2H、(CH2)mCO2−アルキル、(CH2)mSO3H、(CH2)mPO3H2、(CH2)mPO3(アルキル)2、(CH2)mSO2NH2および(CH2)mSO2NH−アルキル(ここで、アルキルは上記で定義された通りであり、そしてmは0、1、2または3である)から選択される1〜3個の置換基により置換されたフェニル、5−フルオレニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル基である芳香環を意味する。
「ヘテロアリール」なる用語は未置換の、または上記のアリールについての置換基群から選択される1または2個の置換基により置換された2−または3−チエニル、2−または3−フラニル、2−または3−ピロリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル基であるヘテロ芳香環を意味する。
次の表に、本発明において使用される略語およびその定義を示す。
〔式中、A′はCO2R3、CONHR3、C(S)NHR3またはアリール−SO2であり、R3はアルキル、(CH2)m−シクロアルキル、(CH2)m−アリール、(CH2)m−ヘテロアリールであり、そしてmは0、1、2または3であり;
Rは独立してHまたはMeであり;
Yは独立してHまたはMeであり;
Zは独立してHまたはMeであり;
R1′は(CH2)m−アリール、O(CH2)m−アリール、OPO3H2またはCH2PO3H2であり、そしてmは上記で定義された通りであり;
R2′はNR(CH2)2OR4、NR(CH2)2SR4、NRCH(COR5)CH2OR3、NRCH(COR5)CH2SR3または
であり、ここでR、R3およびnは上記で定義された通りであり、R4はHまたはR3であり、そしてR5はOH、NH2、OR3またはNHR3である〕の化合物、その光学異性体、ジアステレオマーまたは薬学的に許容しうる塩である。
他の好ましい本発明の化合物はAがCO2R3またはCONHR3である;またはYおよびZの少なくとも一方がMeである;またはR2が(CH2)2OR4またはCH(COR5)CH2OR3である;またはAがCONHR3であり、R2が(CH2)2OR4であり、そしてYおよびZの少なくとも一方がMeである上記で定義された式Iの化合物である。
最も好ましい式Iの化合物には次の化合物が含まれる:
式Iの化合物の一般的製造法、評価および使用
式Iの化合物は適宜にカルボキシル末端への液相修飾を伴って、PAM、MBHAまたはNH2−リンク樹脂においてBocまたはFmoc保護アミノ酸の活性エステルまたは無水物、酸塩化物、イソシアネート、イソチオシアネートなどを使用してペプチド合成器、例えば応用バイオシステム431Aペプチド合成器での固相ペプチド合成により製造することができる。ペプチドの固相合成法は当業者に広く知られている(例えばJ.M.StewartおよびJ.D.Youngの「固相ペプチド合成」、Pierce Chemical Co.,Rockford,IL(1984年);Fields G.B.およびNoble R.L.のInt.J.Peptide Protein Res.,35:161〜214(1990年)を参照)。
さらに、式Iの化合物は適宜にアミノ酸誘導体の代わりにアミン、酸塩化物、イソシアネートなどを使用して慣用の液相ペプチド合成により製造することもできる。ペプチドの液相合成法は当業者に広く知られている(例えばM.Bodanszkyの「ペプチド合成の原理」、Springer−Verlag(1984年))。
最後に、式Iの化合物はS.H.DewittらのProc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6909(1993年)に記載されている、DiversomerTMという商標の装置(商標および装置の所有権は共にすべてワーナー・ランバート社にある)を使用して、同時多重固相合成により製造することができる。多重固相合成装置は現在、放棄された1992年10月8日出願の米国特許出願番号07/958,383および1993年2月2日に出願した未決の一部継続米国特許出願番号08/012,557の主題である。
例えば(下記のスキームI)、DIEAのような立体障害アミンをHClスカベンジャーとして使用して、Fmoc−D−His−Tyr(OBn)−CO2−CH2CH2Si(CH3)3を2−Cl−Tr樹脂に結合し、Fmoc保護基をピペリジンで除去し、得られる遊離アミノ末端基を一連のイソシアネート、イソチオシアネート、活性エステル、酸塩化物などでアシル化し、TMS−エチルエステルをTBAFで開裂し、得られる遊離カルボキシ末端基をEDAC、DCCまたはDICのようなカルボジイミド試薬で活性化し、活性カルボキシル基をHOBT、NHOSまたはペンタクロロフェノールと反応させて活性エステルとし、この活性エステルを一連のアミンと反応させ、得られる式Iの化合物の配列を熱HOAcで、または室温においてTFAで処理することにより樹脂から分離する。
上記の3つの合成法のすべてにおいて、反応性官能基の保護と脱保護、および合成工程の順序が適宜考慮される。通常の保護基の使用に関する知識および複合有機分子の構成の仕方は有機化学分野の当業者の専門的技術の一般的な範囲内にある(例えばT.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Chemistry」、John Wiley & Sons(1991年);E.J.CoreyおよびX.−M.Chengの「The Logic of Chemical Synthesis」、John Wiley & Sons(1989年)参照)。
得られる化合物の均質性および組成は逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)、細管電気泳動、薄層クロマトグラフィー(TLC)、プロトン核磁気共鳴スペクトロメトリー(NMR)、アミノ酸分析、高速原子衝撃質量スペクトロメトリー(FAB−MS)およびエレクトロスプレー質量スペクトロメトリー(ES−MS)により確認される。
式Iの化合物はさらに、製薬上許容しうる酸付加塩および/または塩基塩とすることができる。これらの形態はすべて本発明の範囲内である。
式Iの化合物の製薬上許容しうる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、沃化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などのような非毒性の無機酸から誘導された塩、並びに脂肪族のモノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジオン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸などのような非毒性の有機酸から誘導された塩が含まれる。したがって、このような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、沃化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが含まれる。アルギネートなどのようなアミノ酸の塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩、n−メチルグルカミンもまた包含される(例えばBerge S.M.らの「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science,66:1〜19(1977年)参照)。
前記塩基性化合物の酸付加塩は慣用の方法で遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させてその塩を生成することにより製造される。好ましくは、式Iの化合物は得られるpHが4未満である所望の酸の水溶液で処理することにより酸性塩に変換することができる。溶液をC18カートリッジを通過させて化合物を吸収させ、多量の水で洗浄し、化合物を例えばメタノール、アセトニトリルなどのような極性遊離溶媒で溶離し、そして減圧下で濃縮し、凍結乾燥することにより単離することができる。遊離塩基形態は慣用の方法で、または上記のようにしてその塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を単離することにより再生することができる。遊離塩基形態はそれらのそれぞれの塩形態とは極性溶媒に対する溶解度のようないくつかの物理的性質が幾らか異なるが、本発明の目的に関してこれらの塩はそれぞれの遊離塩基と同等である。
製薬上許容しうる塩基付加塩は金属またはアミン、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンを用いて製造される。カチオンとして使用される金属の例はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどである。適当なアミンの例はN,N′−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミンおよびプロカインである(例えばBerge S.M.らの「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science,66:1〜19(1977年)参照)。
前記酸性化合物の塩基付加塩は慣用の方法で遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させてその塩を生成することにより製造される。好ましくは、式Iの化合物は得られるpHが9以上である所望の塩基の水溶液で処理することにより塩基塩に変換することができる。溶液をC18カートリッジを通過させて化合物を吸収させ、多量の水で洗浄し、化合物を例えばメタノール、アセトニトリルなどのような極性有機溶媒で溶離し、そして減圧下で濃縮し、凍結乾燥することにより単離することができる。遊離酸形態は慣用の方法で、または上記のようにしてその塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することにより再生することができる。遊離酸形態はそれらのそれぞれの塩形態とは極性溶媒に対する溶解度のようないくつかの物理的性質が幾らか異なるが、本発明の目的に関してこれらの塩はそれぞれの遊離酸と同等である。
本発明のいくつかの化合物は非溶媒和形態および溶媒和形態、例えば水和形態で存在する。一般に、溶媒和形態、例えば水和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本発明のいくつかの化合物は1個以上のキラル中心を有し、それぞれの中心はR(D)またはS(L)配置で存在する。本発明はすべてのエナンチオマーおよびエピマー形態、並びに適当なこれらの混合物を包含する。
式Iの化合物のPFT阻害活性は7mMのDTT、1.2mMのMgCl2、0.1mMのロイペプチン、0.1mMのペプスタチンおよび0.2mMのフッ化フェニルメチルスルホニルを含有する30mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)で試験した。試験は96穴プレート(Wallec)で行ない、100%DMSO中における式Iの化合物からなる様々な濃度の溶液を使用した。両方の基質、放射性標識ファルネシルピロホスフェート(〔1−3H〕、比活性15〜30Ci/ミリモル、最終濃度0.12μM)および(ビオチニル)−Ahe−Tyr−Lys−Cys−Val−Ile−Metペプチド(最終濃度0.1μM)を加えた後、40倍の精製したラットの脳のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを加えて酵素反応を開始した。37℃で30分間インキュベートした後、1.5Mの酢酸マグネシウム、0.2MのH3PO4、0.5%のBSAおよびストレプトアビジンビーズ(Amersham)を含有する1.3mg/mlの濃度の停止緩衝液を用いて2.5倍に希釈することにより反応を終了させた。プレートを室温で30分間放置した後、放射能の量をマイクロベータカウンター(1450型、Wallec)で測定した。式Iの化合物はこの試験で0.5nM〜80μMのIC50値(データ表を参照)を示し、そのためガンおよび再狭窄症を含む組織増殖性疾患の治療において使用されうる有用なタンパク質:ファルネシルトランスフェラーゼ酵素阻害剤である。
選択された式Iの化合物のPFTに対するIC50値
実施例番号 IC 50 (μM)
1 4.4
4 1.0
5(3) 2.1
5(4) 7.3
5(23) 0.64
5(27) 30
5(28) 0.73
5(30) 73
5(31) 0.76
5(35) 66
5(36) 1.9
5(46) 1.0
5(49) 2.9
5(40) 0.75
5(52) 1.6
5(56) 1.1
5(59) 20
実施例番号 IC 50 (μM)
5(60) 1.4
5(61) 7.2
5(62) 1.5
5(63) 1.0
5(64) 1.7
5(69) 0.48
5(79) 3.0
5(80) 1.6
6 0.42
7 0.26
8 0.074
9 0.27
10 0.10
11 0.17
12 0.028
13 0.083
15 30
16 0.60
17 0.039
18 0.82
19 0.31
21 0.31
22 0.37
23 1.9
24 1.0
25 3.7
28 11
29 3.0
本発明の化合物は多種多様の経口的、経腸的および非経口的投与形態で製造し、投与することができる。したがって、本発明の化合物は注射により、すなわち静脈内的に、筋肉内的に、皮内的に、皮下的に、十二指腸内的に、または腹腔内的に投与することができる。また、本発明の化合物は吸入により、例えば鼻内的に投与することができる。さらに、本発明の化合物は経皮的に投与することができる。下記の投与形態が活性成分として式Iの化合物または対応する式Iの化合物の製薬上許容しうる塩を含有することは、当業者には明らかであろう。
本発明の化合物から医薬組成物を製造する場合、製薬上許容しうる担体は固体または液体である。固体状の製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシエ剤、座剤および分散性顆粒剤が含まれる。固体状担体は希釈剤、芳香剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤または封入剤としても作用する1種以上の物質であってよい。
散剤において、担体は微細な活性成分と混合される微細な固体である。
錠剤において、活性成分は必要な結合性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形と大きさに圧縮される。
散剤および錠剤は好ましくは5または10〜約70%の活性化合物を含有する。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、スターチ、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ろう、カカオ脂などである。「製剤」なる用語は活性成分が他の担体と共に、または他の担体を含まずにある担体により取り囲まれ、すなわち担体と一体となっているカプセル剤を提供する、担体として封入剤を用いた活性化合物の配合物を包含する。同様に、カシエ剤およびトローチ剤もまた包含される。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシエ剤およびトローチ剤は経口投与に適した固体投与形態として使用することができる。
座剤の製造において、脂肪酸グリセリドの混合物またはカカオ脂のような低融点ろうが最初に溶融され、その中に活性成分が撹拌により均一に分散される。次に溶融均質混合物は都合のよい大きさの型に注ぎ込まれ、冷却され、それにより固化される。
液状製剤には、液剤、懸濁剤および乳剤、例えば水またはプロピレングリコール水溶液が含まれる。注射剤では、液状製剤はポリエチレングリコール水溶液を用いて溶液として製剤化されうる。
経口的に使用するのに適した水性液剤は活性成分を水に溶解し、所望により適当な着色剤、芳香剤、安定剤および濃稠化剤を加えることにより製造することができる。
経口的に使用するのに適した水性懸濁剤は天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび他のよく知られている懸濁化剤のような粘稠な物質と共に微細な活性成分を水に分散させることにより製造することができる。
経口的に投与するために使用直前に液状製剤に変える固体状製剤もまた包含される。このような液状形態には、溶液、懸濁液および乳濁液が含まれる。これらの製剤は活性成分の他に、着色剤、芳香剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然の甘味剤、分散剤、濃稠化剤、可溶化剤などを含有してもよい。
医薬製剤は好ましくは単位投与形態である。このような形態では、製剤は適当な量の活性成分を含有する単位投与量に小分けされる。単位投与形態は、パッケージが個別の量の製剤を含有するようなパッケージ製剤であり、例えば分包錠剤、カプセル剤およびバイアルまたはアンプル中の散剤であってよい。また、単位投与形態はカプセル剤、錠剤、カシエ剤またはトローチ剤そのもの、あるいはこれらの何れかが適当な数封入されたパッケージ形態であってよい。
単位投与製剤中の活性成分の量は特定の用途および活性成分の効力に応じて0.1mg〜100mg、好ましくは0.5mg〜100mgの範囲内で変化し、またはその範囲内に調整することができる。所望により、本組成物はさらに他の相溶性治療剤を含有してもよい。
PFT阻害剤として治療的に使用する場合、本発明の治療法において使用される化合物は1日あたり約0.01mg/kg〜約20mg/kgの初期投与量で投与される。1日の投与量範囲は約0.01mg/kg〜約10mg/kgが好ましい。しかしながら、投与量は患者における必要性、治療する症状の程度および使用する化合物に応じて変化する。特定の状況における適当な投与量の決定は当業者に委ねられる。一般に、治療は化合物の最適投与量よりも少ない投与量で開始される。その後、投与量はその環境下で最適な効果が達成されるまで少しずつ増加される。好都合には、1日の全投与量は分割され、所望により1日の間に何回かに分けて投与される。
次の実施例で本発明の化合物の好ましい製造法を説明するが、本発明はこれらに限定されない。さらに明瞭にするため、式Iの化合物を表わす複雑な化学名の後に省略構造を中括弧内に示す。構造の構成要素は上記の略語表で定義された通りである。
実施例1
Nα−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONH2}
ABI 431A型固相ペプチド合成器を使用して、Fmoc−NH2−リンク樹脂(0.25ミリモルスケール)をNMP中の20%ピペリジンで処理してNH2−リンク樹脂を得た。カップリング工程で4倍過剰の試薬を使用して、Fmoc−保護Ser(OBn)およびTyr(OBn)の逐次カップリング(NMP中のDCCおよびHOBT)およびFmocの脱保護(NMP中の20%ピペリジン)反応を行ない、そして慣用の樹脂洗浄サイクルに付してTyr(OBn)−Ser(OBn)−CONH2−リンク樹脂を得た。このジペプチド樹脂を器具が取り付けられていない反応容器に移し、4倍過剰のCbz−His、DCCおよびDMF中のHOBTで処理し、室温で一晩振とうした。過剰の試薬を除去した後、得られる置換トリペプチドを室温においてDCM中の50%TFAで2.5時間処理することにより樹脂から分離した。溶媒を蒸発させ、逆相クロマトグラフィー(C18−カラム、20〜70%勾配のMeCN水溶液(両方の溶媒を0.1%TFAで酸性にした)で溶離した)により精製し、凍結乾燥してCbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONH2をそのTFA塩として得た。ES−MS:719(m+1)。
同様の方法を使用して、C−末端にカルボキサミドを有する下記の最も好ましい式Iの化合物を製造することができる:
実施例2
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリン{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)}
PAM樹脂またはHMP樹脂で開始し、実施例1に記載の脱保護およびカップリング条件を使用してFmoc−Ser(OBn)、Fmoc−Tyr(OBn)およびCbz−Hisを逐次カップリングした。樹脂からの分離はPAMで支持されたトリペプチドについてはCF3SO2Hを用いて、またはHMPで支持されたトリペプチドについてはDCM中の50%TFAを用いて処理することにより行なった。実施例1のようにしてクロマトグラフィーを行ない、凍結乾燥してCbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)をそのTFA塩として得た。液相法については実施例7を参照。
同様の方法を使用して、遊離カルボキシル末端基を有する下記の最も好ましい式Iの化合物を製造することができる:
実施例3
固相で支持されたN−〔N−〔(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシン2−トリメチルシリルエチルエステル{Fmoc−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
2−トリメチルシリルエタノール(2.6g、22.6ミリモル)を乾燥THF(25ml)中におけるEDAC(4.3g、22.6ミリモル)、DMAP(0.5g)およびBoc−Tyr(OBn)−OH(7.0g、18.8ミリモル)の予備混合溶液に加えた。得られる混合物を室温で18時間撹拌した。溶液を1:1のEtOAc:Et2O(40ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(2×10ml)および飽和NaCl水溶液(2×10ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして真空濃縮して油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサン溶離剤)により精製して純粋なTMS−エチルエステルを油状物として得た。
1H NMR(HCDCl3):δ0.04(s,9H),1.43(s,9H),3.03(m,2H),4.22(m,2H),4.51(m,1H),4.95(m,1H),5.05(s,2H),6.85−7.48(m,9H)
工程2.Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
CH2Cl2(20ml、v/v)中の80%TFAをCH2Cl2(40ml)中におけるBoc−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(14.8g、31.4ミリモル)の氷***液に加えた。得られる混合物を1.0分間撹拌し、真空濃縮した。その操作をもう1度繰り返し、得られる残留物をCH2Cl2および飽和NaHCO3水溶液で希釈した。得られる混合物をセライトを通して濾過した。次に、有機層を分離し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および真空濃縮により油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して所望の生成物を得た。
1H NMR(HCDCl3):δ0.06(s,9H),1.68(br s,2H),2.85−3.03(m,2H),3.67(m,1H),4.22(m,2H),5.05(s,2H),6.91−7.45(m,9H)
工程3.Fmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
DMF(10ml)中におけるHOBT(2.6g、19.3ミリモル)の溶液に、Fmoc−His(Tr)(10.0g、16.1ミリモル)、次にEDAC(3.7g、19.3ミリモル)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、DMF(10ml)中におけるTyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の工程2から、5.8g、16.1ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水および1:1のEt2O:EtOAc(50ml)の混合物に分配した。層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液(4×20ml)で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および真空濃縮により油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して保護His−Tyrジペプチドを得た;FAB−MS 974(m+1)。
工程4.Fmoc−His−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
Fmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の工程3から、5.0g、5.1ミリモル)をMeOH(20ml)中のピリジン・HCl(1.0g)で処理した。混合物を65℃で8時間撹拌した。溶液を真空濃縮し、残留物をCH2Cl2に溶解し、水(1回)、飽和NaHCO3水溶液(2回)で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および真空濃縮により油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製してFmoc−His−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2STMSを白色の固体として得た;FAB−MS 731(m+1)。
工程5.Fmoc−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS
CHCl3(20ml)中におけるFmoc−His−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の工程4から、5.3g、7.3ミリモル)の懸濁液に、2−クロロトリチルクロライド樹脂(Novabiochem)(7.1g)、水にDIEA(0.96g、7.4ミリモル)を加えた。得られる混合物を簡単な音波処理に付して樹脂を分散させ、振とう機で2.0時間撹拌した。変性樹脂を濾過により集め、DMF(2回)、MeOH(2回)、CHCl2(2回)で洗浄し、そして18時間真空乾燥して10.5g(約1ミリモル/gの樹脂に相当する量)を得た。
実施例4
N−〔3−フェノキシプロピル〕−O−(フェニルメチル)−Nα−〔N−〔〔(フェニルメチル)アミノ〕カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−L−チロシンアミド{BnNHCO−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh}
Fmoc−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMS(上記の実施例3から、2.0g)をDMF中の20%ピペリジンに懸濁した。得られる懸濁液を音波処理に10分間付し、30分間振とうすることにより撹拌した。樹脂を濾過し、DMF(3回)で洗浄した。樹脂を再び同じ反応条件に20分間付した。樹脂を濾過し、DMF(4回)およびCHCl3(3回)で洗浄してHis(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMSを得、それをDCM(10ml)に懸濁し、30分間振とうすることにより撹拌し、ベンジルイソシアネート(1.1g、8.0ミリモル)で処理し、そしてさらに30分間撹拌した。樹脂を濾過し、DCM(3回)で洗浄し、DCMに再懸濁し、そしてベンジルイソシアネート処理を繰り返した。樹脂を濾過し、DMF(2回)およびCHCl3(5回)で洗浄してBnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2CH2CH2TMSを得、それを4:3のジオキサン:MeOHの混合物(14ml)に懸濁し、THF中の1.0M TBAF(2.0ml、2.0ミリモル)で処理した。懸濁液を18時間振とうすることにより撹拌し、濾過し、そしてジオキサンおよび10%クエン酸の2:1混合物(3×10ml)、ジオキサン:MeOH(3×10ml)、ジオキサン(3×10ml)およびCHCl3(3×10ml)で連続的に洗浄してBnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)を得た。BnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)をDMF(10ml)に懸濁し、DIC(0.2g、1.6ミリモル)およびHOBT(0.22g、1.6ミリモル)のようなカルボジイミドカップリング試薬で処理した。得られる混合物を30分間撹拌し、3−フェノキシプロピルアミン(0.24g、1.6ミリモル)を加えた。得られる混合物を18時間振とうし、樹脂を濾過し、そしてDMF(3回)およびCHCl3(3回)で洗浄した。樹脂をDMF(10ml)に懸濁し、カルボジイミド/HOBT/3−フェノキシプロピルアミンカップリング反応を繰り返した。18時間後、樹脂を濾過し、それぞれ10mlのMeOH(2回)、DCM(3回)、DMF(2回)、MeOH(2回)およびCHCl3(2回)で洗浄してBnNHCO−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た。高度に置換されたジペプチドをDCM中の40%TFAで処理し、室温で1時間振とうすることにより樹脂から分離した。遊離ジペプチドを含有する上澄みを濾過して樹脂を取り除き、樹脂をDCM(6回)で洗浄した。合一した上澄みおよび洗浄液を真空濃縮してBnNHCO−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh・TFAを得た。生成物を水およびDCMに分配し、両方の層に飽和NaHCO3水溶液を滴加して処理し、水層を塩基性にした。層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過および濃縮により、BnNHCO−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た。ES−MS 675(m+1)。
実施例5
同時多重固相合成
実施例4に記載の方法はS.H.DeWittらのProc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6909(1993年)に記載されているDiversomer装置を使用する同時多重合成において採用することができる。実施例3の工程3でFmoc−His(Tr)の代わりにFmoc−D−His(Tr)を使用して製造したFmoc−D−His(2−Cl−Tr樹脂)−Tyr(OBn)−CO2iPr(100〜200mg)を40個の気体分散管のそれぞれに入れ、そしてこれらの管をDiversomer装置に置いた。その後、次のアシル化剤およびアミンを様々に組合わせて使用して、実施例4に記載の脱保護およびカップリング反応を逐次行なった。
アミン化剤
1) ベンジルイソシアネート
2) p−トルエンスルホニルクロライド
3) シクロヘキシルイソシアネート
4) フェニルイソシアネート
5) i−プロピルイソシアネート
6) n−ブチルイソシアネート
7) 4−クロロフェニルイソシアネート
8) 1−ナプチルイソシアネート
9) 3−メトキシプロピルイソシアネート
10) 4−エトキシフェニルイソシアネート
11) 2−フェネチルイソシアネート
12) 3−フェニルプロピオニルクロライド
14) フェニルアセチルクロライド
15) 4−フェノキシフェニルイソシアネート
16) ベンジルクロロホルメート
17) (トランス)−2−フェニルシクロプロピルイソシアネート
18) 1−アダマンチルクロロホルメート
アミン
1) 3−フェノキシプロピルアミン
2) 2−(フェニルメトキシ)エチルアミン
3) 2−〔(フェニルメチル)チオ〕エチルアミン
4) 4−フェニルブチルアミン
5) 3−(2−メトキシフェニル)プロピルアミン
6) 1−ベンジルピペラジン
7) o−ベンジル−ヒドロキシルアミン
8) メチオニンメチルエステル
9) ベンジルアミン
10) 2−フェニルエチルアミン
配列1.実施例4に記載のようにして樹脂から分離し、後処理した後、次の式Iの置換ジペプチド(1〜40)を製造した:
配列2.実施例4に記載のようにして樹脂から分離し、後処理した後、次の式Iの置換ジペプチド(41〜80)を製造した:
実施例6
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
EtOAc(30ml)中におけるBoc−Tyr(OBn)(1.88g、6.50ミリモル)の溶液に0℃で、HOBT水和物(1.19g、7.80ミリモル)、次にDCC(1.61g,7.80ミリモル)を加えた。EtOAc(20ml)中におけるSer(OBn)−CO2Me・TFA(2.1g、6.50ミリモル)の溶液、次にEt3M(1.09ml、7.80ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濾過し、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)により、2.67g(73%)の表題化合物を白色の固体として得た。融点81〜84℃
工程2.Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・TFA
Boc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程1から、2.64g、4.69ミリモル)をCH2Cl2(15ml)に溶解し、0℃まで冷却し、そしてTFA(5ml)を加えた。溶液を室温まで加温し、4時間撹拌した。溶液を濃縮し、CH2Cl2に取り、そして2回濃縮した。得られる油状物をエーテルで摩砕して2.7gの表題化合物を白色の固体として得た。
工程3.Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
DMF(15ml)中におけるCbz−His(1.00g、3.47ミリモル)の溶液に0℃で、HOBT(0.64g、4.16ミリモル)およびDCC(0.86g、4.16ミリモル)を加えた。Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・TFA(上記の工程2から、2.0g、3.47ミリモル)の溶液、次にEt3N(0.58ml、4.16ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液をCHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2〜5%MeOH/CHCl3)により、2.14gの表題化合物を白色の固体として得た。融点175〜176℃;FAB−MS 734(m+1)。
元素分析値(C41H43N5O8として):
理論値:C 67.11% H 5.91% N 9.54%
実測値:C 66.96% H 6.01% N 9.41%
実施例7
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリン{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)}
THF(50ml)およびMeOH(15ml)中におけるCbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の実施例6から、2.02g、2.75ミリモル)の溶液に0℃で、0.1N LiOH(30.3ml、3.03ミリモル)を加えた。溶液を0℃で6時間撹拌し、濃縮した。水を加え、pHを1N HClで4〜5に調整した。混合物を濾過し、固体を集め、乾燥して1.55g(78%)の表題化合物を白色の固体として得た。融点187〜192℃;ES−MS 720(m+1)。
元素分析値(C40H41N5O8・1.5H2Oとして):
理論値:C 64.33% H 5.94% N 9.38%
実測値:C 64.29% H 5.73% N 9.15%
実施例8
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−D−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・HCl
EtOAc中におけるBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の実施例6、工程1から、9.90g、17.6ミリモル)の溶液を0℃まで冷却した。無水HCl気体を***液中で5分間泡立たせた。溶液を室温まで加温し、一晩撹拌した。溶液を濃縮し、EtOAcに取り、そして再濃縮して8.75gの表題化合物を泡状物として得た。CI−MS 463(m+1)。
工程2.Cbz−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例6、工程3に従って、Cbz−Hisの代わりにCbz−D−His(Tr)を、そしてTyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・THFの代わりにTyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・HClを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点78〜88℃;FAB−MS 976(m+1)。
工程3.Cbz−D−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
HOAc:水(4:1、2ml)中におけるCbz−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程2から、0.27g、0.28ミリモル)の溶液を80℃で5分間撹拌し、室温まで冷却した。溶液をEtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2〜5%MeOH:CHCl3)により、0.10gの表題化合物を泡状物として得た。FAB−MS 734(m+1)。
実施例9
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−D−セリンメチルエステル{Cbz−His−Tyr(OBn)−D−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でSer(OBn)−CO2Me・TFAの代わりにD−Ser(OBn)−CO2Me・TFAを使用して表題化合物を得た。融点168〜170℃;FAB−MS 734(m+1)。
実施例10
N−〔α−メチル−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−DL−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His−DL−(α−Me)Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でBoc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−DL−(α−Me)Tyr(OBn)を使用して表題化合物を得た。FAB−MS 748(m+1)。
実施例11
N−エチル−Nα−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEt}
実施例6に従って、工程2でBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEtを使用して表題化合物を得た。融点182〜188℃;FAB−MS 747(m+1)。
実施例12
N−エチル−Nα−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEt}
実施例6に従って、工程2でBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにBoc−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CONHEtを、そして工程3でCbz−Hisの代わりにCbz−D−Hisを使用して表題化合物を得た。融点193〜196℃;ES−MS 747(m+1)。
実施例13
N−〔N−〔1−メチル−N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His(1−Me)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Cbz−His(1−Me)
ベンジルクロロホルメート(0.24ml、1.7ミリモル)をTHF(5ml)およびNaHCO3水溶液(5ml)中における1−メチル−L−ヒスチジン(0.25g、1.5ミリモル)のスラリーに0℃で滴加した。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濃縮し、水で希釈し、エーテルで洗浄し、そしてpHを1N HClで6〜7に調整した。混合物を濃縮し、CHCl3(150ml)およびMeOH(15ml)で希釈し、そして1時間撹拌した。混合物を乾燥(MgSO4)し、濃縮して0.48gの表題化合物を得、それをさらに精製することなく使用した。
工程2.Cbz−His(1−Me)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
CH2Cl2中におけるCbz−His(1−Me)(上記の工程1から、0.36g、1.2ミリモル)、Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・HCl(上記の実施例8、工程1から、0.60g、1.2ミリモル)、DCC(0.30g、1.4ミリモル)およびHOBT(0.19g、1.4ミリモル)のスラリーに、Et3N(0.17ml、1.2ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をCHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(1%MeOH:CHCl3)により、表題化合物を白色の固体として得た。融点161.5〜163.5℃;FAB−MS 748(m+1)。
実施例14
N−〔N−〔1−メチル−N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−D−His(1−Me)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例13に従って、1−メチル−L−ヒスチジンの代わりに1−メチル−D−ヒスチジンを使用して表題化合物を得た。FAB−MS 748(m+1)。
実施例15
N−〔L−2−アミノ−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−4−〔4−(フェニルメトキシ)フェニル〕ブタノイル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−D−His−ホモTyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でBoc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−ホモTyr(OBn)を使用し、そして工程3でCbz−Hisの代わりにCbz−D−Hisを使用して表題化合物を得た。FAB−MS 748(m+1)。
実施例16
N−〔4−フェニル−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−L−フェニルアラニル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{Cbz−His−Phe(4−Ph)−Ser(OBn)−CO2Me}
実施例6に従って、工程1でBoc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−Phe(4−Ph)を使用して表題化合物を得た。融点184〜187℃。FAB−MS 704(m+1)。
実施例17
N−〔O−(フェニルメチル)−N−〔N−〔〔(フェニルメチル)アミノ〕カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−セリンメチルエステル{BnNHCO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.Fmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例13、工程2に従ってCbz−His(1−Me)の代わりにFmoc−His(Tr)を使用して表題化合物を得た。融点82〜92℃。
工程2.His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
ピペリジン(4.0ml)をCH2Cl2(20ml)中におけるFmoc−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程1から、1.85g、1.74ミリモル)のスラリーに加えた。溶液を室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物をEtOAc(150ml)に取り、水(3×50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮した。得られる油状物をEt2O/ヘキサンで摩砕した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CHCl3)により、1.03gの表題化合物を泡状物として得た。融点61.5〜70℃;ES−MS 843(m+1)。
工程3.BnNHCO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
ベンジルイソシアネート(0.053ml、0.43ミリモル)をEtOAc(5ml)中におけるHis(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の工程2から、0.33g、0.39ミリモル)の溶液に一度で加えた。得られるスラリーを室温で3時間撹拌し、濃縮して表題化合物(0.4g)を得、それをさらに精製することなく使用した。
工程4.BnNHCO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例8に従って、Cbz−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにBnNHCO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meを使用して表題化合物を得た。融点196.5〜199℃;ES−MS 733(m+1)。
実施例18
N−〔N−〔N−〔(1−オキソ−3−フェニルプロピル)−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−O−(フェニルメチル)−L−セリンメチルエステル{PhCH2CH2CO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me}
工程1.PhCH2CH2CO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
THF(5ml)中におけるHis(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me(上記の実施例17、工程2から、0.33g、0.39ミリモル)の冷却(0℃)溶液に、Et3N(0.06ml、0.43ミリモル)、次にフェニルプロピオニルクロライド(0.064ml、0.43ミリモル)を加えた。得られるスラリーを室温まで戻し、一晩撹拌した。混合物をEtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして濃縮して表題化合物を固体として得、それをさらに精製することなく使用した。
工程2.PhCH2CH2CO−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me
実施例8、工程3に従って、Cbz−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにPhCH2CH2CO−His(Tr)−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meを使用して表題化合物を得た。融点193〜196.5℃;ES−MS 732(m+1)。
実施例19
Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−L−チロシンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
工程1.Cbz−His−Tyr(OBn)−CO2Me
実施例6、工程3に従って、Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Me・TFAの代わりにTyr(OBn)−CO2Me・TFAを使用して表題化合物を白色の粉末として得た。融点145〜148℃;CI−MS 557(m+1)。
工程2.Cbz−His−Tyr(OBn)
実施例7に従って、Cbz−His−Tyr(OBn)−Ser(OBn)−CO2Meの代わりにCbz−His−Tyr(OBn)−CO2Meを使用して表題化合物を白色の粉末として得た。融点79〜92℃;CI−MS 543(m+1)。
工程3.Cbz−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn
DMF(4ml)中におけるCbz−His−Tyr(OBn)(上記の工程2から、0.43g、0.79ミリモル)の溶液に0℃で、HOBT(0.15g、0.95ミリモル)およびDCC(0.20g、0.95ミリモル)を加えた。DMF(1ml)中における2−(フェニルメトキシ)エチルアミン(0.12g、0.79ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を濾過し、CHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で2回洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3〜5%MeOH/CHCl3)により、0.34g(63%)の表題化合物を白色の固体として得た。融点136〜150℃;FAB−MS 676(m+1)。
元素分析値(C39H41N5O6として):
理論値:C 69.32% H 6.12% N 10.36%
実測値:C 69.43% H 6.24% N 10.45%
実施例20
Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−D−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
実施例6に従って、工程1でSer(OBn)・TFAの代わりに2−(フェニルメトキシ)エチルアミンを使用し、Et3Nを省略し、そして工程3でCbz−Hisの代わりにCbz−D−His−を使用して表題化合物を製造した。融点161〜165℃;FAB−MS 676(m+1)。
実施例21
Nα−〔N−メチル−N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−D−His−(N−Me)Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
実施例20に従って、Boc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−(N−Me)Tyr(OBn)を使用して表題化合物を得た。融点64〜78℃;ES−MS 690(m+1)。
実施例22
Nα−〔α−メチル−N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−D−ヒスチジル〕−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−D−His−(α−Me)Tyr(OBn)−CONHCH2CH2OBn}
実施例20に従って、Boc−Tyr(OBn)の代わりにBoc−(α−Me)Tyr(OBn)を使用して表題化合物を得た。融点66〜78℃;ES−MS 690(m+1)。
実施例23
N−(2−フェニルエチル)−Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−CONHCH2CH2Ph}
実施例19、工程3に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりに2−フェニルエチルアミンを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点188〜189.5℃;FAB−MS 646(m+1)。
実施例24
N−〔N−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−L−チロシル〕−3−(3−ピラジニル)−L−アラニンメチルエステル{Cbz−His−Tyr(OBn)−Pyr−CO2Me}
実施例19、工程3に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりにPyr−CO2Meを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点180〜182.5℃(分解);FAB−MS 705(m+1)。
実施例25
(S,R)−N−〔2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−(3−フェノキシ−プロピルカルバモイル)−エチル〕−2−〔3−(4−エトキシ−フェニル)−ウレイド〕−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−プロピオンアミド{(4−EtOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
2−(フェニルメトキシ)エチルアミン(0.81g、5.4ミリモル)を乾燥DMF(15ml)中におけるEDAC(1.2g、6.5ミリモル)、HOBT(0.87g、6.5ミリモル)およびBoc−Tyr(OBn)−OH(2.0g、5.4ミリモル)の予備混合溶液に加えた。得られる混合物を室温で18時間撹拌した。溶液を1:1のEtOAc:Et2O(40ml)で希釈し、飽和NaCl水溶液(4×10ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして真空濃縮して固体を得、それをヘキサンで摩砕することによりさらに精製して純粋な生成物を得た。融点145〜146℃。
工程2.Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
乾燥HCl気体をMeOH(15ml)中におけるBoc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程1から、2.0g、3.9ミリモル)の氷***液中で4分間泡立たせた。得られる混合物を0℃で1時間撹拌し、室温まで加温し、そして1時間撹拌した。溶液を真空濃縮して固体を得、それをエーテルで摩砕してTyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh・HClを得た;CI−MS 405(m+1)。表題化合物をCHCl3に懸濁し、氷浴中で冷却し、そしてNH3気体を混合物中で2分間泡立たせた。NH4Clを濾去し、上澄みを真空濃縮して表題化合物の遊離塩基を得、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
DMF(10ml)中におけるHOBT(0.48g、3.5ミリモル)の溶液にFomc−D−His(Tr)−CO2H(2.0g、3.2ミリモル)、次にEDAC(0.67g、3.5ミリモル)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、DMF(10ml)中におけるTyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程2から、1.4g、3.2ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水(20ml)および1:1のEt2O:EtOAc(50ml)の混合物に分配した。層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液(4×20ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。濾過し、真空濃縮して油状物を得、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して保護His−Tyrジペプチドを得た;FAB−MS 1006(m)。
工程4.D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
CH2Cl2(5ml)中のFomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程3から、1.0g、0.99ミリモル)をピペリジン(0.18g、2.1ミリモル)で処理した。得られる混合物を2時間撹拌し、真空濃縮し、得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た;ES−MS 784(m+1)。
工程5.(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
CH2Cl2(5ml)中のD−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程4から、0.55g、0.7ミリモル)を4−エトキシフェニルイソシアネート(0.1g、0.7ミリモル)で処理した。得られる混合物を室温で1時間撹拌した。真空濃縮した。得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た;ES−MS 947(m+1)。
工程6.(4−EtOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh
MeOH(5ml)中の(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(上記の工程5から、0.5g、0.52ミリモル)をピリジン・HCl(触媒量)で処理した。得られる混合物を65℃で6時間撹拌した。真空濃縮して油状物を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して(4−EtO−Ph)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhを得た。融点185〜187℃;ES−MS 705(m+1)。
実施例26
(S,R)−N−{2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−〔3−(2−メトキシ−フェニル)−プロピルカルバモイル〕−エチル}−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニルアセチルアミノ−プロピオンアミド{PhCH2CO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程1に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりに3−(2−メトキシフェニル)プロピルアミンを使用して表題化合物を白色の固体として得た。融点125〜126.5℃。
工程2.Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程2に従って、Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにBoc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 419(m+1)。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程3に従って、Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにTyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を泡状物として得た;ES−MS 1020(m)。
工程4.D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程4に従って、Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにFomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を白色の泡状物として得た;ES−MS 798(m+1)。
工程5.PhCH2CO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
CH2Cl2(5ml)中におけるD−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)(0.4g、0.5ミリモル)の溶液に、N−メチルモルホリン(0.05g、0.5ミリモル)、次にフェニルアセチルクロライド(0.08g、0.5ミリモル)を加えた。得られる混合物を室温で2時間撹拌した。DCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製した。表題化合物を泡状物として得た;FAB−MS 916(m)。
工程6.PhCH2CO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)
実施例25、工程6に従って、(4−EtOPh)NHCO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにPhCH2CO−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3(2−MeOPh)を使用して表題化合物を白色の泡状物として得た;ES−MS 674(m+1)。
実施例27
(S,R)−N−〔2−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−フェネチルカルバモイル−エチル〕−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−〔3−(4−フェノキシ−フェニル)−ウレイド〕−プロピオンアミド{(4−PhOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph}
工程1.Boc−Tyr(OBn)CONH(CH2)2Ph
実施例25、工程1に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりにフェネチルアミンを使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 475(m+1)。
工程2.Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
実施例25、工程2に従って、BocTyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにBocTyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 375(m+1)。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
実施例25、工程3に従って、Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにTyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを使用して表題化合物を泡状物として得た;ES−MS 977(m+1)。
工程4.Fomc−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
MeOH(5ml)中のFomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph(1.2g、1.6ミリモル)をピリジン・HCl(触媒量)で処理した。得られる混合物を65℃で一晩撹拌し、真空濃縮して油状物を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製して白色の固体を得た;ES−MS 734(m+1)。
工程5.(4−PhOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph
CH2Cl2(5ml)中のFomc−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Ph(0.6g、0.8ミリモル)をピペリジン(0.14g、1.6ミリモル)で処理した。得られる混合物を2時間撹拌し、真空濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製してD−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを得た。泡状物をCH2Cl2(5ml)に溶解し、4−フェノキシフェニルイソシアネート(0.05g、0.23ミリモル)で処理した。得られる混合物を室温で1時間撹拌し、真空濃縮し、そして得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3;MeOH溶離剤)により精製して(4−PhOPh)NHCO−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを泡状物として得た;ES−MS 723(m+1)。
実施例28
(S,R)−N−〔1−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル〕−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−プロピオンアミド{(4−MePh)SO2−D−His−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)・HCl}
工程1.Boc−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
実施例25、工程1に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりに1−ベンジルピペリジンを使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 530(m+1)。
工程2.Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
実施例25、工程2に従って、Boc−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにBoc−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)を使用して表題化合物を白色の固体として得た;CI−MS 430(m+1)。
工程3.Fomc−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
実施例25、工程3に従って、Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPhの代わりにTyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)を使用して表題化合物を泡状物として得た;ES−MS 1032(m+1)。
工程4.(4−MePh)SO2−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)
CH2Cl2(5ml)中のFomc−D−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)3OPh(0.7g、0.69ミリモル)をピペリジン(0.14g、1.6ミリモル)で処理した。得られる混合物を2時間撹拌し、真空濃縮し、そして得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶離剤)により精製してD−His−Tyr(OBn)−CONH(CH2)2Phを得た。泡状物をCH2Cl2(5ml)に溶解し、ピリジン(0.05g、0.63ミリモル)、次に4−トルエンスルホニルクロライド(0.12g、0.63ミリモル)で処理した。得られる混合物を室温で3時間撹拌し、真空濃縮し、そして得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH溶解剤)により精製して(4−MePh)SO2−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)を得た;ES−MS 963(m+1)。
工程5.(4−MePh)SO2−D−His−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)・HCl
(4−MePh)SO2−D−His(Tr)−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)(0.21g、0.22ミリモル)を80%HCl水溶液(3ml)で処理し、5分間80℃まで加熱した。混合物を冷却し、水(5ml)で希釈した。固体を濾去し、上澄みを真空濃縮して油状物を得た。油状物を水(15ml)に溶解し、凍結し、そして凍結乾燥して(4−MePh)SO2−D−His−Tyr(OBn)−CO(4−Bn−ピペラジン−1−イル)・HClを得た;ES−MS 720(m)。
実施例29
Nα−〔N−〔(フェニルメトキシ)カルボニル〕−L−ヒスチジル〕−O−(フェニルメチル)−N−メチル−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕−L−チロシンアミド{Cbz−His−Tyr(OBn)−CON(Me)CH2CH2OBn}
実施例19、工程3に従って、2−(フェニルメトキシ)エチルアミンの代わりにN−メチル−N−〔2−(フェニルメトキシ)エチル〕アミンを使用して表題化合物を製造した;FAB−MS 690(m+1)。
本発明はその精神または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することができる。記載した実施態様はすべて単なる例示であり、本発明を制限するものではない。従って、本発明の範囲は上記の記載よりもむしろ添付した請求の範囲により示される。請求の範囲に記載の発明と同等の意味および範囲の中に入る変形はすべて本発明の範囲内に包含される。
Claims (19)
- 式I
〔式中、nは1または2であり、
AはCOR3、CO2R3、CONHR3、CSR3、C(S)OR3、C(S)NHR3、CF3SO2、アリール−SO2またはアルキル−SO2であり、ここでR3はアルキル、(CH2)m−シクロアルキル、(CH2)m−アリール、(CH2)m−ヘテロアリールまたは(CH2)mO−アルキルであり、そしてmは0、1、2または3であり;
Rは独立してHまたはMeであり;
Yは独立してHまたはMeであり;
Zは独立してHまたはMeであり;
R1はH、CO−アリール、(CH2)m−アリール、O(CH2)m−シクロアルキル、O(CH2)m−アリールまたはO(CH2)m−ヘテロアリールであり、ここでmは上記で定義された通りであり、そしてR1はメタまたはパラ位にあり;
XはH、アルキル、CF3、F、Cl、Br、I、HO、MeO、NO2、NH2、N(Me)2、OPO3H2またはCH2PO3H2などの1〜4個の置換基であり;
R2はNR(CH2)nCO2R3、NR(CH2)nCONHR3、NR(CH2)nR3、NR(CH2)n+1OR4、NR(CH2)n+1SR4、NRCH(COR5)(CH2)n−ヘテロアリール、NRCH(COR5)(CH2)nOR3、NRCH(COR5)(CH2)nSR3または
であり、R、R3およびnは上記で定義された通りであり、R4はHまたはR3であり、そしてR5はOH、NH2、OR3またはNHR3である〕の化合物、その光学異性体、ジアステレオマーまたは製薬上許容しうる塩、ただしCbz−His−Phe−Gly−OmeおよびCbz−His−Phe(NO2)−Gly−Omeを除く。 - 式II
〔式中、A′はCO2R3、CONHR3C(S)NHR3またはアリール−SO2であり、R3はアルキル、(CH2)m−シクロアルキル、(CH2)m−アリール、(CH2)m−ヘテロアリールであり、そしてmは0、1、2または3であり;
Rは独立してHまたはMeであり;
Yは独立してHまたはMeであり;
Zは独立してHまたはMeであり;
R1′は(CH2)m−アリール、O(CH2)m−アリール、OPO3H2またはCH2PO3H2であり、ここでmは上記で定義された通りであり;
R2′はNR(CH2)2OR4、NR(CH2)2SR4、NRCH(COR5)CH2OR3またはNRCH(COR5)CH2SR3であり、ここでR3およびnは上記で定義された通りであり、R4はHまたはR3であり、そしてR5はOH、NH2、OR3またはNHR3である〕の化合物、その光学異性体、ジアステレオマーまたは製薬上許容しうる塩である請求項1記載の化合物。 - AがCO2R3またはCONHR3である請求項1記載の化合物。
- 治療的に有効な量の請求項1記載の化合物を製薬上許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と混合して含有する、増殖抑制剤用医薬組成物。
- 治療的に有効な量の請求項1記載の化合物を製薬上許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と混合して含有する、抗ガン剤用医薬組成物。
- 治療的に有効な量の請求項1記載の化合物を製薬上許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と混合して含有する、再狭窄症抑制剤用医薬組成物。
- 固相支持体法を使用し、固相ペプチド合成器により構成単位を逐次カップリングし、有機化合物を固相支持体から分離し、その後場合により有機化合物のC−末端を液相で修飾して式Iの化合物またはその製薬上許容しうる塩を得る工程を包含する請求項1記載の有機化合物またはその製薬上許容しうる塩の製造法。
- 液相法を使用し、構成単位を逐次カップリングして式Iの化合物またはその製薬上許容しうる塩を得る工程を包含する、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩の製造法。
- 2−クロロトリチル樹脂で支持されたD−またはL−ヒスチジン含有ジペプチド誘導体を使用して多数の同時合成装置で式Iの化合物を同時に合成し、逐次N−末端基の脱保護およびアシル化を行ない、その後逐次カルボキシ末端基の脱保護、カルボキシルの活性化および一連のアミンとの縮合を行ない、その後固体支持体から分離することを包含する、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩の製造法。
Applications Claiming Priority (5)
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