JP3597625B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気シャッターバルブによって排気量を制限することにより暖機運転を行う車両に適用して好適な自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジン車等の車両においては、例えば特開平4−252828号公報に示されるように、排気シャッターバルブによる暖機運転が行われている。
すなわち、低温時、暖機スイッチからの信号を受けて、排気管の途中に設けられた排気シャッターバルブが排気量を絞ることにより、ディーゼルエンジンの排圧を高めて、燃焼室の燃料が自己着火し易い状態にし、燃焼室に多量の熱エネルギーを発散させる暖機促進装置が設けられる。
【0003】
一方、車両用の自動変速機の制御装置としては、例えば特開平2−42266号公報に示されるように、自動変速機の各摩擦要素を駆動する油圧を制御するコントロールバルブユニットと、このコントロールバルブユニットに設けられたライン圧ソレノイドや複数のシフトソレノイドの動作を制御することにより、前記各摩擦要素の動作、即ち自動変速機の変速動作を制御する制御回路(上記公報においては自動変速機制御コンピュータ)とを備えたものが知られている。
なお、ここでライン圧ソレノイドとは、いわゆるデューティソレノイドよりなり、各摩擦要素を駆動する油圧アクチュエータに加えられる油圧(即ちライン圧)を調整するもので、通常このライン圧ソレノイドのデューティ比を前記制御回路が変化させることによりライン圧制御が行われる。また、前記制御回路が、予め設定された変速線図に基づいて、複数のシフトソレノイドを所定の組合せでオンオフ制御することにより、各摩擦要素のうちの所定のものが適宜駆動され、これにより変速制御がなされる構成となっている。
【0004】
ところで、従来この種の自動変速機の制御装置では、このような暖機運転が行われている場合も、行われていない場合も、一律のライン圧で、一律の変速線図に基づく変速制御を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、この種の暖機促進装置を設けた車両においては、従来以下のような問題が生じていた。
すなわち、上記暖機促進装置の作動時は一般にエンジンが低温時であり、しかも暖機促進装置の作動により排気量が絞られているため、エンジン出力トルクが大幅に低下しているにもかかわらず、通常時ライン圧特性、すなわち暖機促進装置の作動によるエンジン出力トルクの低下分を考慮していないライン圧特性に従ってライン圧を決定しているため、通常時と同一のスロットル開度で変速が行われる場合にはエンジン出力トルクに対して相対的にライン圧が高すぎてしまい、変速ショックが悪化してしまうという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、暖機運転時の変速ショックの悪化が回避できる自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の自動変速機の制御装置は、エンジンの排気流量を制限して暖機を促進する暖機促進手段を有する車両の自動変速機であって、油圧駆動される各種摩擦要素の作動により前記エンジンの回転出力を変速する自動変速機の制御装置において、
前記自動変速機の各種摩擦要素に供給されるライン圧を制御するライン圧制御手段と、前記暖機促進手段の作動を検出する暖機作動検出手段と、前記自動変速機の変速の開始を検出する変速検出手段と、前記暖機作動検出手段が暖機促進手段の作動を検出するとともに前記変速検出手段が自動変速機の変速の開始を検出すると、前記ライン圧制御手段により制御されるライン圧を前記暖機促進手段の非作動時におけるライン圧よりも低下させるライン圧低下手段とを設けたことを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項1記載の自動変速機の制御装置では、暖機運転が行われている状態で、変速動作が行われる際には、ライン圧低下手段が、ライン圧制御手段により制御されるライン圧を暖機運転を行っていない場合のライン圧よりも自動的に低下させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、実施例として図面を参照して説明する。
【0015】
(第1実施例)
まず、請求項1に記載した発明の一形態例である第1実施例について説明する。
図1は、本実施例の自動変速機の制御装置を備えた自動車の要部の概略構成図であり、ディーゼルエンジン1、コントロールユニット2によって制御される自動変速機3、プロペラシャフト4、およびディファレンシャルギア5などによって自動車の駆動系が構成されている。エンジン1の排気管6には排気バルブ7が備えられており、この排気バルブ7は、リンケージ8によってシリンダ9内のピストン10に連結されており、そのピストン10の移動によって排気管6を絞り調整する構成となっている。
【0016】
すなわち、ピストン10は図示省略したリターンスプリングによりリンケージ8が後退する側(加圧室側)に付勢されており、シリンダ9の加圧室には電磁弁である排気シャッターバルブ11を介してエアタンク12が接続されている。そして、排気シャッターバルブ11のオンによってシリンダ9の加圧室内にエアタンク12内の加圧エアが導入されると、ピストン10が加圧室と反対側(即ちリンケージ8が前進する側)に移動して、排気バルブ7が排気管6を絞る位置に揺動する。また、排気シャッターバルブ11のオフによってシリンダ9の加圧室が大気に解放されると、前述のリターンスプリングの復元力によりピストン10とともにリンケージ8が後退して、排気バルブ7が排気管6を開放する位置に揺動するようになっている。なお、排気シャッターバルブ11は、後述するようにコントロールユニット2によって制御される。
【0017】
自動変速機3は、例えばトルクコンバータと複数組のプラネタリギアを有する補助変速機とからなるもので、補助変速機における各回転要素間の連結、或いは各回転要素の固定又は開放を、各種摩擦要素(クラッチやブレーキ等)により選択的に行うことにより、各種速比の変速動作を実現するものである。
この自動変速機3には、トルクコンバータへの油の供給等を行うとともに、コントロールユニット2の指令に応じて、各摩擦要素を駆動する油圧アクチュエータに所定のライン圧を所定のタイミングで加えるコントロールバルブユニット15が設けられ、またこのコントロールバルブユニット15には、ライン圧ソレノイド16やこの場合二つのシフトソレノイド17,18が設けられている。
【0018】
なお、ここでライン圧ソレノイド16は、前述したようにいわゆるデューティソレノイドよりなり、各摩擦要素を駆動するためのライン圧を調整するもので、このライン圧ソレノイドのデューティ比(1サイクル中にオンしている時間の割合)をコントロールユニット2が変化させることによりライン圧制御が行われる。
また、コントロールユニット2が、予め設定され内部のメモリに記憶された変速線図に基づいて、二つのシフトソレノイドを所定の組合せでオンオフ制御することにより、各摩擦要素のうちの所定のものが適宜駆動され、これにより変速制御がなされる構成となっている。
【0019】
コントロールユニット2は、マイクロコンピュータを含む電気回路よりなるもので、このコントロールユニット2には、車両の運転者によってオン,オフ操作される暖機スイッチ21が接続されている。この暖機スイッチ21は、プッシュ操作される毎にオンとオフを繰返すものであり、例えば、手を離しても操作部がプッシュ操作位置にロックされるロック型のプッシュスイッチ、あるいは操作部をプッシュ操作しているときにのみオンとなるモーメンタリー型のプッシュスイッチなどを用いることができる。なお本実施例のように、暖機運転を自動的に解除する場合には、オン操作とオフ操作が同一のモーメンタリー型のプッシュスイッチを用いることが望ましい。
【0020】
また、コントロールユニット2には、運転状態の検出手段として、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ22と、エンジン1の冷却水の温度を検出する温度センサ23と、スロットルの開度(アクセルの踏角)を検出するスロットル開度センサ24と、車速(プロペラシャフト4の回転数)を検出する車速センサ25とが接続されている。
そして、コントロールユニット2は、これらセンサからの検出信号と暖機スイッチ21からの信号を受けて、図3及び図4に示すフローチャートの処理を行って、ライン圧ソレノイド16やシフトソレノイド17,18を介して自動変速機3の変速動作やライン圧調整動作を制御するとともに、排気シャッターバルブ11を介して排気バルブ7を制御する機能を有する。なお、このコントロールユニット2の制御機能については、後述する。
【0021】
次に図2は、請求項1記載の発明の思想に対応したシステムの概念図であり、図1と同一の構成については同符号を用いている。
このシステムは、エンジン1と、このエンジン1の排気流量を制限して暖機を促進する暖機促進手段31と、油圧駆動される各種摩擦要素3aの作動によりエンジン1の回転出力を変速する自動変速機3と、この自動変速機3の各種摩擦要素3aの油圧アクチュエータに供給されるライン圧を制御するライン圧制御手段32と、暖機促進手段31の作動を検出する暖機作動検出手段33と、自動変速機3の変速の開始を検出する変速検出手段34と、暖機作動検出手段33が暖機促進手段31の作動を検出するとともに変速検出手段34が自動変速機3の変速の開始を検出すると、ライン圧制御手段32により制御されるライン圧を暖機促進手段31の非作動時におけるライン圧よりも低下させるライン圧低下手段35とよりなる。
【0022】
そして、図1に示す本実施例の具体的構成例においては、排気バルブ7、リンケージ8、シリンダ9、ピストン10、排気シャッターバルブ11、及びエアタンク12等が、上記暖機促進手段31を構成しており、ライン圧ソレノイド16等がライン圧制御手段32を構成している。また、コントロールユニット2が、上記暖機作動検出手段33、変速検出手段34、及びライン圧低下手段35として機能している。
【0023】
次に、本実施例におけるコントロールユニット2の機能及び制御内容を、図3及び図4のフローチャートに従って説明する。
なお、図3のフローチャートは、車両のイグニションスイッチが操作されてコントロールユニット2が起動することにより、所定の周期で繰返されるコントロールユニット2の処理におけるメインルーチンあるいはサブルーチンの一部として繰返し実行されるものである。また、図4のフローチャートは、図3の処理におけるサブルーチン(ステップS2)の詳細を示すものである。
【0024】
図3の処理が開始されると、まずステップS2において、排気シャッターソレノイドの作動要否判定処理が行われる。
この作動要否判定処理は、この場合図4に示すフローにより行われ、作動要であればEX−FLAGが1とされ、作動否であればEX−FLAGが0とされる。すなわち、ステップS20で、暖機スイッチ21がオンされているかオフされているか判定し、オフであればステップS36に、オンであればステップS22に進む。
【0025】
次いで、ステップS22では、エンジンの回転が設定値であるEXENG1(例えば、1800rpm)より小さいか否か判定され、小さい場合にはステップS26に、設定値以上であればステップS24に進む。
ステップS24では、エンジンの回転が設定値であるEXENG0(例えば、1900rpm)より小さいか否か判定され、小さい場合にはステップS25に進み、設定値以上であればステップS36に進む。
ステップS25では、EX−FLAGを判定し、EX−FLAGが0の場合には、このサブルーチン処理を終了して図3のフローに戻り、EX−FLAGが1の場合には、ステップS26に進む。
【0026】
次にステップS26では、スロットル開度が設定値であるEXTVO1(例えば、3/8)より小さいか否か判定され、小さい場合にはステップS30に、設定値以上であればステップS28に進む。
ステップS28では、スロットル開度が設定値であるEXTVO0(例えば、4/8)より小さいか否か判定され、小さい場合にはステップS27に進み、設定値以上であればステップS36に進む。
ステップS27では、EX−FLAGを判定し、EX−FLAGが0の場合には、このサブルーチン処理を終了して図3のフローに戻り、EX−FLAGが1の場合には、ステップS30に進む。
【0027】
次にステップS30では、エンジン水温が設定値であるEXTHW1(例えば、80℃)より小さいか否か判定され、小さい場合にはステップS34に、設定値以上であればステップS32に進む。
ステップS32では、エンジン水温が設定値であるEXTHW0(例えば、90℃)より小さいか否か判定され、小さい場合にはこのサブルーチン処理を終了して図3のフローに戻り、設定値以上であればステップS36に進む。
そして、ステップS34では、EX−FLAGが1とされ、ステップS36では、EX−FLAGが0とされて、図3のフローに戻る。
【0028】
次に、図3のステップS4では、EX−FLAGの値が1か0か判定され、1であればステップS6に、0であればステップS8に進む。ステップS6では、排気シャッターバルブ11のソレノイドに励磁電圧が印加され、これにより、排気シャッターバルブ11がオンして、前述したように排気バルブ7が排気管6を絞る位置に揺動し暖機運転が実行される。
一方、ステップS8では、排気シャッターバルブ11のソレノイドへの励磁電圧の印加が解除され、これにより、排気シャッターバルブ11がオフして、前述したように排気バルブ7が排気管6を開放する位置に戻って暖機運転が停止される。
【0029】
このように、以上のステップS2〜S8の処理によれば、例えば図5の(a)に示すように、暖機スイッチのオン、エンジン回転数<1800rpm、スロットル開度<3/8、エンジン水温<80℃、の各条件が全て成立しているときに、排気シャッターバルブ11がオンして、暖機運転が自動的に開始され、図5の(b)に示すように、暖機スイッチのオフ、エンジン回転数≧1900rpm、スロットル開度≧4/8、エンジン水温≧90℃、のうちのいずれかの条件が成立しているときに、排気シャッターバルブ11がオフして、暖機運転が自動的に停止される。そして、図5の(a)に示す条件を一旦満足して暖機運転が開始された後、図5の(b)に示す条件のいずれもが成立しない場合には、EX−FLAGが1のままとされ、そのまま暖機運転が継続される。
【0030】
次に、ステップS10以降を説明する。ステップS6又はS8の処理が終了すると、ステップS10において、変速を行うべきか否か判定され、現状の変速比を維持すべきであればステップS16に進んで他の制御処理に移行し、変速を行うべきであればステップS12に進み所定の変速を行う。
なおここで、ステップS10での変速を行うべきか否かの判定は、例えば後述する図11に示すような、車速とスロットル開度の関係により予め設定登録された変速線図に従って行われる。また、ステップS12では、前述のシフトソレノイド17,18の作動状態が変更されることにより、ステップS10で判定された所定の変速比に切換えられる。
【0031】
そして、ステップS12で変速が行われると、ステップS14で、変速ライン圧制御が行われる。
このライン圧制御は、図7に示すように予めスロットル開度に対して設定されたライン圧線図に従って、前述のライン圧ソレノイド16のデューティ比をコントロールユニット2が変更することにより行われるのであるが、この場合上記ライン圧線図は、暖機運転が行われている場合(EX−FLAG=1)と、行われていない場合(EX−FLAG=0)とについて、2種類用意され、図6に示すように変速の種類毎にコントロールユニット2の不揮発性メモリに設定登録されている。しかも、この2種類のライン圧線図のデータは、図7に例示するように、暖機運転が行われている場合(図7の(a))の方が、行われていない場合(図7の(b))よりも小さい値に設定されている。
【0032】
そして、コントロールユニット2は、EX−FLAGの値とステップS10における処理結果から、その時点で暖機運転が行われているか否か、及び変速はどの変速段への変速であるかを判定し、この判定に基づいて、図6のように設定登録されたライン圧線図の各データのうち該当するものを読み出して、このデータとその時点でのスロットル開度に基づいて、前述のライン圧ソレノイド16のデューティ比を決定してライン圧を制御する。
【0033】
なお、上記ライン圧線図のデータにおける、暖機運転が行われている場合と行われていない場合との差は、暖機運転が行われることによるエンジンの出力の低下の程度に応じて決定すればよい。例えば、暖機運転が行われることによりエンジンの出力が10%程度低下するのであれば、上記ライン圧線図の2種類のデータにも10%程度の差を設ければよい。
また、上述したようなライン圧線図のデータは、従来よりエンジン水温等により差を設ける場合があるが、このようにライン圧線図のデータをエンジン水温等により補正する場合でも、暖機運転が行われている場合には、この補正されたライン圧データよりもさらに低いライン圧を目標にライン圧制御を行うようにしてもよい。
【0034】
以上説明したような機能を有するコントロールユニット2を備えた本実施例の自動変速機の制御装置によれば、以下のような優れた作用効果が奏される。
すなわち、暖機運転が行われている状態で、変速動作が行われる際には、コントロールユニット2が、ライン圧の制御目標値を暖機運転を行っていない場合よりも自動的に低下させる。
このため、暖機運転によりエンジン出力が低下しても、それに応じるようにライン圧が低下するから、エンジン出力トルクに対して相対的にライン圧が高すぎてしまい、変速ショックが悪化してしまうという問題が解消される。
しかも、暖機運転が行われている場合に常にライン圧が低下するのではなく、変速動作が行われる場合のみライン圧が低下させられるので、変速動作が終了した後に、一定の変速段で車両が走行している場合には、高いライン圧が保持されて、自動変速機3の摩擦要素の信頼性の高い作動が実現されるとともに、摩擦要素の摺動による摩耗が確実に防止される効果もある。
【0035】
(第2実施例)
次に、請求項2及び3に記載した発明の一形態例である第2実施例について説明する。
なお、この第2実施例の自動変速機の制御装置を備えた自動車の要部の具体的な構成例は、コントロールユニット2の機能を除いて、前述の第1実施例で説明した図1に示すものと同様であるので、その説明は省略する。
【0036】
図8は、請求項2及び3記載の発明の思想に対応したシステムの概念図であり、図1と同一の構成については同符号を用いている。
このシステムは、エンジン1と、このエンジン1の排気流量を制限して暖機を促進する暖機促進手段41と、予め設定登録された変速線に従って各種摩擦要素3aの作動によりエンジン1の回転出力を変速する自動変速機3と、暖機促進手段41の作動を検出する暖機作動検出手段42と、この暖機作動検出手段42が暖機促進手段41の作動を検出すると、暖機促進手段41の作動により変化するエンジンの出力トルクのピークを発生する車速方向に前記変速線を変更する変速線変更手段43とよりなる。
なおここで、出力トルクのピークを発生する車速方向とは、具体的には通常低車速側である。というのは、段機運転がなされると、前述したように通常エンジンの出力トルクのピークを発生する車速が低車速側に移るからである。
【0037】
そして、図1に示す本実施例の具体的構成例においては、排気バルブ7、リンケージ8、シリンダ9、ピストン10、排気シャッターバルブ11、及びエアタンク12等が、上記暖機促進手段41を構成している。また、コントロールユニット2が、上記暖機作動検出手段42、及び変速線変更手段43として機能している。
【0038】
次に、本実施例におけるコントロールユニット2の機能及び制御内容を、図9のフローチャートに従って説明する。
なお、図9のフローチャートは、第1実施例の場合と同様に、車両のイグニションスイッチが操作されてコントロールユニット2が起動することにより、所定の周期で繰返されるコントロールユニット2の処理におけるメインルーチンあるいはサブルーチンの一部として繰返し実行されるものである。
【0039】
図9の処理が開始されると、まずステップS40〜S46において、前述の第1実施例の図3に示す処理におけるステップS2〜S8と同様の処理がなされる。
これらステップS40〜S46によれば、前述のステップS2〜S8の処理と同様に、例えば図5の(a)に示すように、暖機スイッチのオン、エンジン回転数<1800rpm、スロットル開度<3/8、エンジン水温<80℃、の各条件が全て成立しているときに、排気シャッターバルブ11がオンして、暖機運転が自動的に開始され、図5の(b)に示すように、暖機スイッチのオフ、エンジン回転数≧1900rpm、スロットル開度≧4/8、エンジン水温≧90℃、のうちのいずれかの条件が成立しているときに、排気シャッターバルブ11がオフして、暖機運転が自動的に停止される。そして、図5の(a)に示す条件を一旦満足して暖機運転が開始された後、図5の(b)に示す条件のいずれもが成立しない場合には、EX−FLAGが1のままとされ、そのまま暖機運転が継続される。
【0040】
次に、ステップS48では、変速を行うべきか否か判定され、現状の速比を維持すべきであればステップS50に進んで他の制御処理に移行し、変速を行うべきであれば、前述のシフトソレノイド17,18の作動状態が変更されることにより、判定された所定の速比に切換えられる。
そしてここで、変速を行うべきか否かの判定は、例えば図11に示すような、車速とスロットル開度の関係により予め設定登録された変速線図に従って行われるのであるが、この場合上記変速線図のデータは、暖機運転が行われている場合(EX−FLAG=1)と、行われていない場合(EX−FLAG=0)とについて、2種類用意され、図10に示すように変速の種類毎にコントロールユニット2の不揮発性メモリに設定登録されている。しかも、この2種類のライン圧線図のデータは、図11に例示するように、暖機運転が行われている場合(図11の(a))の方が、行われていない場合(図11の(b))よりも、エンジン出力のピークを発生する車速方向(即ち、低車速側)に移行した値に設定されている。
【0041】
なお、上記変速線図のデータにおける、暖機運転が行われている場合と行われていない場合との差は、暖機運転が行われることによってエンジン出力のピークが移動する幅に応じて決定すればよい。
【0042】
以上説明したような機能を有するコントロールユニット2を備えた本実施例の自動変速機の制御装置によれば、以下のような優れた作用効果が奏される。
すなわち、暖機運転が行われている状態では、変速動作を行うタイミングを決定する変速線図のデータが、コントロールユニット2の処理により、暖機運転を行っていない場合よりも自動的に低車速側に変更される。
このため、暖機運転によりエンジン出力のピークが低車速側に移行しても、それに応じるように変速線図のデータが低車速側に変更されるから、暖機運転時においてもエンジン出力トルクのピークで変速が行われるようになり、エンジン出力トルクが低下してから変速が行われて車両の動力性能がよりいっそう低下してしまうという問題が回避され、良好な車両の加速性が維持できる。
【0043】
(他の実施例)
なお本発明は、上記実施例に限られず、各種の態様があり得る。例えば、上記第1実施例の特徴と第2実施例の特徴とを合わせもつような態様でもよい。すなわち、例えばコントロールユニット2が、段機運転が行われておりかつ変速動作が行われる場合にライン圧を低下させる機能を有するとともに、段機運転が行われている場合に変速線を変更する機能をも有するものであってもよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の自動変速機の制御装置によれば、暖機運転が行われている状態で、変速動作が行われる際には、ライン圧低下手段が、ライン圧制御手段により制御されるライン圧を暖機運転を行っていない場合のライン圧よりも自動的に低下させる。このため、暖機運転によりエンジン出力が低下しても、それに応じるようにライン圧が低下するから、エンジン出力トルクに対して相対的にライン圧が高すぎてしまい、変速ショックが悪化してしまうという問題が解消される。しかも、暖機運転が行われている場合に常にライン圧が低下するのではなく、変速動作が行われる場合のみライン圧が低下させられるので、変速動作が終了した後に、一定の変速段で車両が走行している場合には、高いライン圧が保持されて、自動変速機の摩擦要素の信頼性の高い作動が実現されるとともに、摩擦要素の摺動による摩耗が確実に防止される効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である自動変速機の制御装置を備えた自動車の要部の概略構成図である。
【図2】請求項1記載の発明の概念図である。
【図3】本発明の第1実施例におけるコントロールユニットの処理内容を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートにおけるサブルーチンの詳細内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例における暖機運転条件を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施例におけるライン圧制御において使用されるライン圧線図のデータを説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施例におけるライン圧制御において使用されるライン圧線図のデータを説明するための図である。
【図8】請求項2及び3記載の発明の概念図である。
【図9】本発明の第2実施例におけるコントロールユニットの処理内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例における変速制御において使用される変速線図のデータを説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施例における変速制御において使用される変速線図のデータを説明するための図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 コントロールユニット(暖機作動検出手段、変速検出手段、ライン圧低下手段、変速線変更手段)
3 自動変速機
3a 摩擦要素
7 排気バルブ(暖機促進手段)
8 リンケージ(暖機促進手段)
9 シリンダ(暖機促進手段)
10 ピストン(暖機促進手段)
11 排気シャッターバルブ(暖機促進手段)
12 エアタンク(暖機促進手段)
16 ライン圧ソレノイド(ライン圧制御手段)
17,18 シフトソレノイド
21 暖機スイッチ

Claims (1)

  1. エンジンの排気流量を制限して暖機を促進する暖機促進手段を有する車両の自動変速機であって、油圧駆動される各種摩擦要素の作動により前記エンジンの回転出力を変速する自動変速機の制御装置において、
    前記自動変速機の各種摩擦要素に供給されるライン圧を制御するライン圧制御手段と、
    前記暖機促進手段の作動を検出する暖機作動検出手段と、
    前記自動変速機の変速の開始を検出する変速検出手段と、
    前記暖機作動検出手段が暖機促進手段の作動を検出するとともに前記変速検出手段が自動変速機の変速の開始を検出すると、前記ライン圧制御手段により制御されるライン圧を前記暖機促進手段の非作動時におけるライン圧よりも低下させるライン圧低下手段と
    を設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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