JP3594990B2 - 3−デオキシオリゴ糖、その製造方法およびそれを含有する医薬組成物 - Google Patents

3−デオキシオリゴ糖、その製造方法およびそれを含有する医薬組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、3−デオキシオリゴ糖、その製造方法およびそれを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術発明が解決しようとする課題】
ヘパリンは、抗凝固性について知られているグリコサミノグリカン類の多糖類である。血液凝固が複雑な生理学的現象であることは知られている[アイ・ビョルク(I.Bjoerk)およびユー・リンダール(U.Lindahl)、「モレキュラー・アンド・セルーラー・バイオケミストリー(Molecular and Cellular Biochemistry)」、(1982)、ドクター・ダブリュ・ユンク・パブリシャーズ(Dr.W.JunkPublishers) − オランダ]。接触活性化因子および組織因子のようなある刺激は、血漿中に存在する一連の凝固因子の連続活性化を起こす。刺激の性質にかかわりなく、最終段階は同じである:活性化されたX因子(Xa因子)は、II因子(プロトロンビンとしても知られている)を活性化する。このII因子は、その活性形態(トロンビンとしても知られているIIa因子)で、可溶性フィブリノーゲンの部分タンパク分解を引き起こして血餅の主成分である不溶性フィブリンを放出する。
【0003】
通常の生理学的条件下、凝固因子の活性は、血漿中にも存在するアンチトロンビンIII(AT III)およびヘパリン補因子II(HC II)のようなタンパクによって調整される。AT IIIは、多くの凝固因子、特に、Xa因子およびIIa因子に対する阻害活性を有する。
したがって、Xa因子およびIIa因子は、凝固の最後の二段階に関係し、刺激の誘発には関係しないので、これら2つの因子の阻害は、抗凝固活性および抗血栓活性を得るのに好ましい手段を構成する。
【0004】
式:
【0005】
【化16】
Figure 0003594990
【0006】
[式中、(1)R=−COCH、(2)R=−SO
で示される五糖類は、AT IIIを結合するのに必要なヘパリンの最小配列を表す。この化合物(R=−SO )は、約10年前、全化学合成によって得られた[ピー・シナイ(P.Sinay)ら、カルボハイドレイト・リサーチ(Carbohydrate Research)(1984)、132 C5]。
次いで、全化学合成によって得られ、かつ、抗血栓活性および抗凝固活性を有する多くの合成オリゴ糖が文献に開示された。
【0007】
EP−B−0,084,999には、ウロン酸(グルクロン酸またはイズロン酸)およびグルコサミン単糖単位からなり、かつ、優れた抗血栓性を有する誘導体が開示されている。これらの化合物は、ヒドロキシル置換基に加えて、N−スルファート基およびN−アセチル基を含有しており、場合によっては、アノマーヒドロキシル基がメトキシ基に置換されている。
【0008】
EP−A−0,165,134には、抗血栓活性を有する合成オリゴ糖が開示されている。これらの化合物は、ウロン酸およびグルコサミン単糖単位からなり、O−スルファートまたはO−ホスファート基を含有する。EP−A−0,301,618には、グルコサミン単位の3位にO−スルファート基を含有するウロン酸およびグルコサミンの誘導体が開示されている。これらの化合物は、増強された抗血栓性および抗凝固性を有する。EP−A−0,454,220には、置換基としてO−アルキルまたはO−スルファート基を有するウロン酸およびグルコースの誘導体が開示されている。これら後者の化合物は、抗血栓性および抗凝固性を有する。
【0009】
EP−A−0,529,715には、N−スルファート、N−アセテートまたはヒドロキシル官能基をアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシまたはO−スルファート基によって置換した硫酸化されたグリコサミノグリカノイド誘導体が開示されている。これら化合物は、優れた抗血栓性を有する。それらは、平滑筋細胞の増殖の阻害剤でもある。
【0010】
オリゴ糖類、特に、AT IIIに結合するのに必要なヘパリンの最小配列の類似物である五糖類は、アンゲヴァンテ・ヒェミィ・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)(1993)、32、(3)、第434−436頁に開示されている。これらの化合物は、ヒドロキシル基をO−スルファートまたはO−メチル基によって置換したグルクロン酸またはグルコース単位を含む。
【0011】
今、驚くべきことに、1個以上の糖単位上で、3位の1個以上のヒドロキシル基またはO−アルキルもしくはO−スルファート基を水素原子によって置換することによって、優れた生物学的性質を有するオリゴ糖が得られることが見いだされた。実質的には、本発明化合物は、新規な構造および有効かつ予期しない生物学的性質によって、文献に開示されている他の合成ヘパリノイドと異なる。本発明化合物は、非常に大きな抗Xa因子活性(anti−factor Xa activity)およびAT IIIに対する大きな親和性を有する3−デオキシオリゴ糖類である。さらにまた、本発明化合物は、消化管を介してよく吸収される。したがって、それらは、経口投与することができる生成物である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式I:
【化17】
Figure 0003594990
[式中、
Xは、−OSO 、式A:
R−O (A)
で示される基、式B:
【化18】
Figure 0003594990
で示される基、または、式C:
【化19】
Figure 0003594990
で示される基を表し、
Yは、式D:
【化20】
Figure 0003594990
で示される基を表し、
Rは、炭素原子1〜6個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基を表し、
、R、R、R、R、R10、R12およびR13は、同一または異なって、各々、ヒドロキシル基、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
、R、R、RおよびR11は、同一または異なって、各々、水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
ただし、存在する置換基RまたはRまたはRまたはRまたはR11のうち少なくとも1つは、水素原子を表す]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは対応する酸を提供するものである。
【0013】
以下、「単糖単位」なる語は、グリコシド単位:
【化21】
Figure 0003594990
を示すために使用され、置換基は、独立して、2、3または5位でこの単位に結合する。
【0014】
B、CおよびD基に関して、折れ線で記した結合は、場合によっては、この結合を介して結合された置換基を有する炭素の配置がRであり、他の場合には、Sであり得ることを意味する。
【0015】
本発明化合物は、3−デオキシ糖類誘導体である。
【0016】
したがって、本発明化合物を形成する単糖単位の少なくとも1つは、3−デオキシ単糖の構造に対応しなければならない。
【0017】
結果として、式Iにおいて、置換基RまたはRまたはRまたはRまたはR11の少なくとも1つは、水素原子を表す。
【0018】
が水素原子を表す式Iで示される化合物は、本発明の好ましい生成物である。
【0019】
本発明の好ましい化合物は、Xが式(B)で示される基または式(C)で示される基を表す式Iで示される化合物でもある。
【0020】
これらの化合物は、下記式IaおよびIb:
【化22】
Figure 0003594990
【化23】
Figure 0003594990
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12およびR13は、式Iにおける定義と同じである]
に対応する。
【0021】
式Iaで示される化合物は、特に、より好ましい。
【0022】
、R、R、R、R、R10およびR13が同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
、R、RおよびRが同一または異なって、各々、水素原子または炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基を表し、
11が水素原子、炭素原子1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
ただし、少なくともRまたはRまたはRまたはRまたはR11は、水素原子を表し、
12がヒドロキシル基または−OSO 基を表す式Iで示される化合物、ならびに、特に、式IaおよびIbで示される化合物は、本発明の好ましい化合物である。
【0023】
より好ましくは、
およびRが水素原子を表し、
、R11およびR12−OSO を表し、
13が炭素原子1〜6個を有する直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基を表す式Iで示される化合物、特に、式IaおよびIbで示される化合物を提供するものである。
【0024】
また、より好ましくは、アルコキシ基がメトキシ基である式Iで示される化合物、特に、式IaおよびIbで示される化合物を提供するものでもである。
【0025】
また、本発明は、式II:
【化24】
Figure 0003594990
[式中、
X’は、クロロアセトキシ基、レブリニルオキシ基、式Aで示される基、式B
【化25】
Figure 0003594990
で示される基、または式C
【化26】
Figure 0003594990
で示される基を表し、
、P、PおよびPは、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する非環式アシル基、好ましくは、アセチル基、芳香族アシル基、好ましくは、ベンゾイル基、炭素原子2〜7個を有する2−アルケニル基、好ましくは、アリル基、またはベンジル基のような保護基を表し、
およびPは、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有するアルキル基、好ましくは、メチル基、またはベンジル基のような保護基を表し、
’、R’およびR’は、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基、炭素原子1〜6個を有する非環式アシルオキシ基、好ましくは、アセトキシ基、芳香族アシルオキシ基、好ましくは、ベンゾイルオキシ基、または炭素原子2〜7個を有する2−アルケニルオキシ基、好ましくは、アリルオキシ基を表し、
’およびR10’は、同一または異なって、R’の定義と同じであるか、あるいは、それらは、クロロアセトキシ基またはレブリニルオキシ基を表し、
’、R’およびR’は、同一または異なって、各々、水素原子を表すか、またはR’の定義と同じである]
で示される化合物を式III:
【化27】
Figure 0003594990
[式中、
は、式IIにおけるPの定義と同じであり、
は、式IIにおけるPの定義と同じであり、
’およびR11’は、同一または異なって、式IIにおけるR’の定義と同じであり、
’、R12’およびR13’は、同一または異なって、式IIにおけるR’の定義と同じである]
で示される化合物と反応させて、式IV:
【化28】
Figure 0003594990
[式中、
X’、P、P、P、P、R’およびR’は、式IIにおける定義と同じであり、
、R’およびR’は、式IIIにおける定義と同じであり、
Y’は、式D
【化29】
Figure 0003594990
(式中、P、R11’、R12’およびR13’は、式IIIにおける定義と同じである)で示される基である]
で示される化合物を製造し、次いで、接触水素添加し、次に、鹸化し、硫酸化するか、または、まず、鹸化し、次に、硫酸化し、その後、接触水素添加するか、または、まず、接触水素添加し、次に、硫酸化し、その後、鹸化して、式Iで示される化合物を得ることを特徴とする式Iで示される化合物の製造方法を提供するものでもある。
【0026】
前記製造方法は、本発明の好ましい方法である。しかしながら、式Iで示される化合物は、糖化学の他の公知方法によって、特に、例えば、プロテクティブ・グループズ・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)(ウイリィ、ニューヨーク、1981)においてティ・ダブリュ・グリーン(T.W.Green)によって開示されているような保護基を含有する単糖を、ヒドロキシル基上で、所望により、存在する場合にはカルボキシル基上で、他の保護単糖と反応させて、二糖類を形成し、次いで、該二糖類を他の保護単糖類と反応させて、保護三糖類を形成し、該保護三糖類から、保護四糖類、次いで、保護五糖類、その後、保護六糖類を得ることができること(「段階(stepwise)アプローチ」)によって製造してもよい。
【0027】
次いで、保護オリゴ糖類(四糖類、五糖類および六糖類)を脱保護し、所望により、硫酸化するか、または、まず、部分的に脱保護し、次いで、硫酸化し、次に、脱保護して式Iで示される化合物得る。
【0028】
かかる製造方法は、炭水化物化学で知られており、特に、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第897−900頁においてジー・ジョーランド(G.Jaurand)らによって、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal ChemistryLetters)(1992)、2(9号)、第901−904頁においてジェイ・バステン(J.Basten)らによって、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁においてジェイ・バステン(J.Basten)によって、および「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemistry of Organic Natural Products)、スプリンガー・ヴァーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)編、ニューヨーク(1992)においてエム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A. van Boeckel)によって開示されている。
【0029】
X’が式Bで示される基を表す場合、式IIで示される化合物は、カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.)、(1989)、67、第491−496頁においてティ・ピーターズ(T.Peters)らによって、およびテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)(1990)、31、第275−278頁においてジー・エイチ・ベーンマン(G.H.Veeneman)およびジェイ・エイチ・ファン・ブーム(J.H.van Boom)によって開示された方法に従って、例えば、式V:
【化30】
Figure 0003594990
[式中、P、R’、R’およびR’は、式Bにおける定義と同じである]
で示される化合物のようなアノマー炭素上で活性化された単糖を式VI:
【化31】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、P、PおよびPは、式IIにおける定義と同じである]で示される化合物と反応させて、式VII:
【化32】
Figure 0003594990
[式中、P、R’、R’およびR’は、式Vにおける定義と同じであり、R’、R’、P、PおよびPは、式IIにおける定義と同じである]
で示される化合物を得ることによって製造される。
【0030】
公知の方法[アール・シュミット(R.Schmidt)、アンゲヴァンテ・ヒェミィ・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)(1986)、25、(3)、第212−235頁]に従ってこの化合物を処理することによって、特に、アセトリシス、ベンジルアミンによる処理、次いで、トリクロロアセトニトリルによる処理によって、X’が式Bで示される基を表す式IIで示される化合物が得られる。
【0031】
式VIIで示されるいくつかの化合物、特に、R’およびR’がR’の定義と同じであり、水素原子以外を表す化合物の製造は、ジェイ・バステン(J.Basten)ら[バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁]によって開示されている。
【0032】
式VIIで示される化合物は、化合物VIを他の活性化された単糖類と、例えば、式V’:
【化33】
Figure 0003594990
[式中、P、R’、R’およびR’は、式Vにおける定義と同じである]
で示される化合物と反応させることによって製造することもできる。
【0033】
’がR’の定義と同じであり、水素原子以外を表す式V’で示される化合物は、「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemistry of Organic Natural Products)、スプリンガー・ヴァーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)、ニューヨーク(1992)においてエム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A.van Boeckel)によって開示されている公知化合物である。
【0034】
’が水素原子を表す式Vで示される化合物は、式VIII:
【化34】
Figure 0003594990
[式中、Bzは、ベンジル基を表す]
で示される化合物から得られる。
【0035】
式VIIIで示される化合物は、3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノース(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、(1988)、53、第4522−4530頁に開示されているティ・ブィ・ラジャンバブ(T.V.Rajanbabu)の方法に従って製造した)から製造され、これに、塩基性有機溶媒中で塩化ベンゾイルを作用させる。これによって得られた化合物にエタンチオールを作用させて式VIIIで示される化合物を得る。
【0036】
式VIで示される化合物は、R’が水素原子を表す場合、式VIIIで示される化合物から得ることもでき、これを1,6:2,3−ジアンヒドロ−β−D−マンノピラノースと反応させて、式IX:
【化35】
Figure 0003594990
[式中、Bzは、ベンゾイル基を表す]
で示される化合物を得る。
【0037】
次いで、この化合物に強塩基を作用させて、式X:
【化36】
Figure 0003594990
で示される1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース化合物を得る。
【0038】
標準的な方法[ジー・ジョーランド(G.Jaurand)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第897−900頁;ジェイ・バステン(J.Basten)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第901−904頁;ジェイ・バステン(J.Basten)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁;エム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A.van Boeckel)「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemical of Organic Natural Products)、スプリンガー・バーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)、ニューヨーク(1992)]を使用して、式Xで示される化合物から、式XI:
【化37】
Figure 0003594990
[式中、
’、P、PおよびPは、式VIIにおける定義と同じであり、
は、レブリニル基またはクロロアセチル基を表す]
で示される化合物を得る。
【0039】
次いで、式XIで示される化合物にヒドラジンを作用させて、R’が水素原子を表す式VIで示される化合物を得る。
【0040】
式IX、XおよびXIで示される化合物は、新規生成物であり、本発明の一部を形成する。
【0041】
出発物質として式VIIIで示される化合物の代わりにアノマー炭素上で活性化された保護グルコース誘導体を使用して、同様の方法で、R’がR’の定義と同じであり、水素原子以外を表す式VIで示される化合物を得る。かかる化合物の製造は、「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemical of Organic NaturalProducts)、スプリンガー・バーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)、ニューヨーク(1992)においてエム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A.van Boeckel)によって開示されている。同著者は、同様の、3位に保護されたヒドロキシル基を含有する式IXで示される化合物の製造も開示している。
【0042】
式IIで示される化合物は、X’が式C1a
【化38】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R’、R10’、PおよびPは、式Cにおける定義と同じである]
で示される基を表す場合、式VIで示される化合物を式XIIa:
【化39】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R’、R10’、PおよびPは、式Cにおける定義と同じである]
で示される化合物と反応させて、式XIIIa:
【化40】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R’、R10’、PおよびPは、式Cにおける定義と同じであり、R’、R’、P、PおよびPは、式IIにおける定義と同じである]
で示される化合物を得ることによって得られる。
【0043】
次いで、式XIIIaで示される化合物を、式VIIで示される化合物と同様に処理して、X’が式C1aで示される基を表す式IIで示される化合物を得る。
式XIIaで示される化合物は、R’が水素原子を表す場合、式XIV:
【化41】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R10’およびPは式Cにおける定義と同じである]で示される化合物から得られ、これを、アセトリシス、脱保護、次いで、トリクロアセトニトリルの作用に付す。
【0044】
式XIIaで示される化合物は、R’がR’の定義と同じであり、水素原子以外を表す場合、前記製造方法を適用することによって、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(β−D−グルコピラノシル)−β−D−マンノピラノース誘導体から製造される。1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(β−D−グルコピラノシル)−β−D−マンノピラノース誘導体は、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal ChemistryLetters)(1992)、2(9号)、第905−910頁においてジェイ・バステン(J.Basten)らによって開示された公知の生成物である。
【0045】
式IIで示される化合物は、X’が式C1b
【化42】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R’、R10’、PおよびPは、式Cにおける定義と同じである]
で示される基を表す場合、式XIIb:
【化43】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R’、R10’、PおよびPは、Cにおける定義と同じである]
で示される化合物を式VIで示される化合物と反応させて、式XIIIb:
【化44】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R’、R’、R10’、P、P、P、PおよびPは、式XIIIaにおける定義と同じである]
で示される化合物を得ることによって得られる。
【0046】
次いで、式XIIbで示される化合物を式XIIIaで示される化合物と同様に処理して、X’が式C1bで示される基を表す式IIで示される化合物を得る。
【0047】
式XIIbで示される化合物は、R’が水素原子を表す場合、式Xで示される化合物から得られる。この化合物は、カルボハイドレイト・リサーチ(Carbohydrate Research)、(1988)、172、第37−64頁においてイチカワ(Ichikawa)らによって開示されている方法と同様の方法に従って、式XV:
【化45】
Figure 0003594990
で示される化合物に変換される。
【0048】
ジー・ジョーランド(G.Jaurand)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第897−900頁;ジェイ・バステン(J.Basten)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第901−904頁;ジェイ・バステン(J.Basten)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁;エム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A.van Boeckel)「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemical of Organic Natural Products)、スプリンガー・バーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)、ニューヨーク(1992)によって開示された公知の方法を使用して、この化合物から、式XVI:
【化46】
Figure 0003594990
[式中、R’、R’、R’、R10’およびPは、式XIIbにおける定義と同じである]
で示される化合物を得る。
【0049】
次に、これらの化合物をアセトリシスに付し、次いで、ベンジルアミンおよびトリクロロアセトニトリルで処理して、式XIIbで示される化合物を得る。
【0050】
同様の方法で、R’が水素原子以外を表すが、R’の定義と同じである式XIIbで示される化合物が得られる。
【0051】
’、R’、R’、R10’、PおよびPが式Cにおける定義と同じであり、R’がR’の定義と同じであるが、水素原子以外を表す式XIIbで示される化合物を得ることが可能である種々の中間体は、公知の生成物であり、それらの製造方法は、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第897−900頁においてジー・ジョーランド(G.Jaurand)らによって開示されている。
【0052】
式IIで示される化合物は、X’が式Aで示される基を表し、R’が水素原子を表す場合、式Xで示される化合物から得られ、これは式XVII:
【化47】
Figure 0003594990
で示される化合物に変換される。
【0053】
次に、式XVIIで示される化合物をナトリウムベンジラートで処理し、次いで、アシル化するか、あるいは、アラルキルハライド、好ましくはベンジルブロミドまたは2−アルケニルハライド、好ましくは、臭化アリルで処理し、次いで、ナトリウムベンジラートで処理し、その後、アシル化して、式XVIII:
【化48】
Figure 0003594990
[式中、R’、PおよびPは、式IIにおける定義と同じである]
で示される化合物を得る。
【0054】
次いで、式XVIIIで示される化合物を酸性媒質中で処理して、式XIX:
【化49】
Figure 0003594990
[式中、R’、PおよびPは、式IIにおける定義と同じである]
で示される化合物を得る。
【0055】
次いで、式XIXで示される化合物を6’位で選択的シリル化に付して、無水レブリン酸で処理し、ジョーンズの条件に従って酸化し、次いで、アルキルハライドを使用してエステル化し、レブリニル基を除去し、酸性または中性媒質中でアルキル化して、X’が式Aで示される基を表し、R’が水素原子を表す式IIで示される化合物を得る。
【0056】
式IIで示される化合物は、X’が式Aで示される基を表し、R’がR’の定義と同じである場合、同様の方法で得られる。これらの化合物の製造に必要な中間体は、文献に開示されており、特に、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁においてジェイ・バステン(J.Basten)らによって、およびジャーナル・オブ・カルボハイドレイト・ケミストリー(J.Carbohedrate Chem.)(1985)、4、第293頁においてシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A.van Boeckel)らによって開示されている。
【0057】
式IIIで示される化合物は、R’が水素原子を表す場合、式XX:
【化50】
Figure 0003594990
[式中、R’、R11’、PおよびPは、式IIIにおける定義と同じであり、
10は、レブリニル基またはクロロアセチル基を表す]
で示される化合物から製造される。
【0058】
式XXで示される化合物をアセトリシスに付し、次いで、ベンジルアミンで処理し、フィルスマイヤー試薬で処理し、炭酸銀の存在下でアルコールで処理し、次いで、ヒドラジンの作用に付して、式III(R’=H)で示される所望の化合物を得る。
【0059】
式IIIで示される化合物は、R’がR’の定義と同じである場合、公知化合物である。かかる化合物の製造は、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁においてジェイ・バステン(J.Basten)らによって文献に開示されている。
【0060】
前記方法によって、本発明の化合物を塩の形態で得ることができる。対応する酸を得るためには、塩の形態の本発明化合物を酸型のカチオン交換樹脂と接触させる。
【0061】
次いで、酸形態の本発明化合物を塩基で中和して、所望の塩を得る。
【0062】
式Iで示される化合物の塩の製造について、式Iで示される化合物と一緒に医薬的に許容される塩を提供する無機または有機塩基を使用する。
【0063】
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを使用するのが好ましい。式Iで示される化合物のナトリウムおよびカルシウム塩は、好ましい塩である。
【0064】
本発明の式Iで示される化合物は、優れた薬理特性および生化学特性を有する。それらは、特に、大きな抗Xa因子活性およびAT IIIに対する大きな親和性を有する。
【0065】
前記のように、凝固カスケードにおいて、Xa因子はプロトロンビンをトロンビンに活性化させ、これによって、血餅の主成分である不溶性フィブリンの放出と共に可溶性フィブリノーゲンのタンパク分解を引き起こす。したがって、Xa因子の阻害は、抗凝固および抗血栓活性を得るための好ましい手段からなる。
【0066】
本発明の生成物の抗Xa因子(抗Xa)活性は、トロンボウシス・リサーチ(Thrombosis Research)(1977)、10、第399−410頁においてテイエン・エイ・エヌ(Teien A.N.)およびリー・エム(Lie M.)によって開示された方法に従って、pH8.4で評価され、これによって、本発明の生成物が、既に知られている合成ヘパリノイドの抗Xa因子活性と同じかまたはそれよりも大きい抗Xa因子活性を有することが証明された。
【0067】
AT IIIに対する式Iで示される化合物の親和性は、バイオケミストリー(Biochemistry)(1987)、26、第6454−6461頁においてディ・アタ(D.Atha)らによって開示された条件下で分光蛍光法によって測定された。試験結果から、本発明化合物がAT IIIに対する非常に大きな親和性を有することが判明した。
【0068】
さらにまた、トロンボウシス・リサーチ(Thrombosis Research)(1980)、18、第669−674頁においてジェイ・レイヤーズ(J.Reyers)らによって開示された方法に従って、静脈鬱血およびトロンボプラスチンによる誘発のモデルによってラットにおいて、式Iで示される生成物の全体的な抗血栓活性を評価した。本発明化合物のED50は、既に知られている他の合成ヘパリノイドのED50と少なくとも同一の桁またはそれ以下である。したがって、本発明化合物は、特に優れた作用の特異性ならびに抗凝固および抗血栓活性を示す。
【0069】
本発明の生成物を用いて行われた種々の薬物動態学研究において得られた結果は、それらが非常によく吸収されること、およびそれらの半減期が長いことを示した。これにより、それらが治療において使用される場合、1日1回投与が可能になると思われる。
【0070】
これらの研究は、本発明の式Iで示される生成物が、投与量がヒト治療において使用するのに禁止的でなければ、消化管を介して吸収されることも示した。したがって、本発明化合物は、非経口および経口投与することができる医薬組成物の調製に有用である。
【0071】
式Iで示される化合物は、非常に低い毒性を持っている;それらの毒性は、全体的に、医薬としての使用に適合する。
【0072】
本発明化合物は、それらが平滑筋細胞の増殖に対してヘパリンの阻害効果よりも実質的に大きな阻害効果を及ぼすことを示したので、平滑筋細胞の増殖の治療における適用を見いだすこともできる。
【0073】
本発明化合物は、また、血管形成に対して活性であり、レトロウイルスによって引き起こされたいくつかの感染症の治療に有用である。
【0074】
さらにまた、本発明化合物は、神経線維に対する保護作用および再生作用を及ぼす。
【0075】
本発明化合物は、非常に安定であり、したがって、それらは、医薬の有効成分を形成するのに特に好適である。
【0076】
本発明は、有効成分として式Iで示される化合物またはその医薬的に許容される塩のうち1つを、所望により1種以上の不活性の好適な賦形剤と混合して含有する医薬組成物にまで及ぶ。
【0077】
これによって得られた医薬組成物は、例えば、注射または嚥下される溶液、糖衣剤、錠剤またはゼラチン硬カプセルのような種々の形態で存在するのが好都合である。注射用溶液は、好ましい医薬投与形態である。
【0078】
有効成分として少なくとも1つの式Iで示される化合物またはその塩のうち1つを含有する医薬組成物は、特に、アテローム性動脈硬化症および動脈硬化症のような血管壁の障害、ならびに、例えば術後に観察される高凝固性状態、細菌性、腫瘍の増殖またはウイルス性または酵素性活性剤によって誘発される凝固の障害の予防的または治療的処置に有用である。
【0079】
投与量は、患者の年齢、体重および健康状態、病訴の性質および重篤度ならびに投与経路にしたがって広範囲に変えることができる。この投与量は、筋肉内または皮下への、毎日約0.5mg〜1000mg、好ましくは、毎日約1〜100mg、例えば、毎日約20mgの1回または数回投与、不連続投与または規則的な間隔で、あるいは経口経路を介して約200〜1000mgの日用量で投与することからなる。
【0080】
これらの投与量は、当然、観察された結果および前以て示された血液分析にしたがって、各患者に対して適合させられる。
【0081】
以下の実施例によって、本発明を説明する。
【0082】
【実施例】
調製例
調製例1
エチル2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−1−チオ−D−リボ−ヘキソピラノシド(式VIIIで示される化合物)
【0083】
段階A
1,2,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノース
ダウエックス(Dowex)酸性樹脂の存在下で水およびエタノールの混合物に溶解した3−デオキシ−1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−リボ−ヘキソフラノース[ティ・ヴィ・ラジャンバブ(T.V.Rajanbabu)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)(1988)、53、第4522−4530頁]66mmolを、60℃で4時間加熱して、3−デオキシ−D−リボ−ヘキソピラノースを得た。蒸発乾固させ、次いで、ピリジンの存在下、蒸発によって乾燥させた。
【0084】
得られたシロップをピリジン150mlに溶解し、次いで、塩化ベンゾイル356mmolを添加した。次いで、室温で3時間撹拌した後、蒸発乾固させ、ジクロロメタン中に希釈し、水で洗浄し、酢酸エチル中で結晶化して、1,2,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノース7.66gを得た。
【0085】
収率:30%。
融点:164℃。
[α] 20=+1°(CHCl中C=1.33)。
【0086】
段階B
アルゴン雰囲気下、20℃で、前記段階で得られた化合物4.51mmolを無水トルエンに溶解し、次いで、エタンチオール9.03mmolを添加した。
【0087】
エチルエーテルに溶解した三フッ化ホウ素4.51mmolを添加し、3時間撹拌した。水で洗浄した後、蒸発乾固させ、シロップ形態で得られた残留物をシリカカラム上で精製した。これによって、エチル2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−1−チオ−D−リボ−ヘキソピラノシドのαおよびβアノマーの混合物1.64gを得た。
【0088】
この化合物を、さらには精製せずに使用した。
収率:70%。
【0089】
調製例2
エチル2,4,6−トリ−O−ベンジル−3−デオキシ−1−チオ−D−リボ−ヘキソピラノシド(式Vで示される化合物)
メタノールおよびジクロロメタンの混合物(1:1 V/V)に調製例1で得た化合物5.82mmolを溶解した。ナトリウムメタノラート0.90mmolを添加した。該反応混合物を20℃で3時間撹拌し、次いで、ダウエックス(Dowex)酸性樹脂(AG 50 WX2)を使用して中和した。次いで、濾過し、蒸発乾固させた。該残留物を無水ジメチルホルムアミド18mlに溶解し、次いで、0℃で、水素化ナトリウム19.7mmolおよび臭化ベンゾイル17.0mmolを添加した。2時間撹拌し、次いで、メタノール34.1mmolを添加した。
【0090】
反応溶媒を蒸発させ、次いで、シリカカラム上で精製して、アノマー混合物形態の所望の生成物2.12gを得た。
収率:76%。
【0091】
調製例3
1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース(式IXで示される化合物)
テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)(1990)、31、第275−278頁においてジー・エイチ・ヴィーンマン(G.H.Veeneman)およびジェイ・エイチ・ファン・ブーム(J.H.van Boom)によって開示された方法に従って、−20℃で、モレキュラーシーブおよびN−ヨードスクシンイミド21.3mmolの存在下、トルエン220mlに調製例1の生成物8.53mmolおよび1,6:2,3−ジアンヒドロ−β−D−マンノピラノース7.25mmolを溶解し、次いで、0.04Mトリフルオロメタンスルホン酸溶液1.7mmolを滴下した。反応媒質を2.5時間撹拌し、濾過し、次いで、シリカカラム上で精製して、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース3.07gを得た。
【0092】
酢酸エチルおよびヘキサンの混合物(90:10 V/V)中で結晶化させた。
収率:65%。
融点:153℃。
[α] 20=−12°(CHCl中C=1.10)。
【0093】
調製例4
1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース(式Xで示される化合物)
ナトリウムメタノラートを使用して、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースを脱ベンゾイル化して、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースを得た。
収率:95%
[α] 20=−46°(CHOH中C=1.02)。
【0094】
調製例5
3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノース(式VIで示される化合物)
「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemistry of Organic Natural Products)、スプリンガー・ヴァーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)編、ニューヨーク(1992)においてエム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A. van Boeckel)によって既に開示された方法と同様の方法を使用して、特に、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−β−D−リボ−ヘキサピラノシル)−β−D−マンノピラノースを形成し、ナトリウムベンジラートと反応させ、アセチル化し、酢酸を使用してイソプロピリデン基を除去し、シリル化し、無水レブリン酸と反応させ、ジョーンズ条件に従って酸化し、臭化ベンジルを使用してエステル化し、次いで、ヒドラジンによって処理することによって、調製例4に記載された化合物である1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースから標記化合物を製造した。
【0095】
個々の段階を以下に示す。
【0096】
段階A
【化51】
Figure 0003594990
【0097】
アルゴン下、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースのジメチルホルムアミド中溶液(35ml中5mmol)にp−トルエンスルホン酸(ショウノウスルホン酸を使用してもよい)1.5mmolおよび2,2−ジメトキシプロパン250mmolを滴下した。2.5時間撹拌し、次いで、トリエチルアミン1.8mmolを添加した。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、蒸発乾固させて、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースを得た。さらには精製せずにこの化合物を次工程で使用した。
収率:81%。
【0098】
段階B
【化52】
Figure 0003594990
【0099】
段階Aで得た化合物5.0mmolにナトリウムベンジラート(ベンジルアルコール中1M溶液)25mmolを添加した。次いで、110℃に30分間加熱した後、冷却し、ダウエックス(Dowex)酸性樹脂(AG 50 WX2)を使用して中和し、濾過し、次いで、真空下で蒸発させることによってベンジルアルコールを除去した。溶離液としてトルエンおよびアセトンの混合物(3:1 V/V)を使用してシリカカラム上で残留物を精製した。所望の生成物をシロップの形態で得た。
収率:81%。
【0100】
段階C
【化53】
Figure 0003594990
【0101】
ジクロロメタン22mlに段階Bで得た化合物4.90mmolを溶解し、0℃に冷却し、無水酢酸19.6mmol、4−ジメチルアミノピリジン1.96mmolおよびトリエチルアミン9.81mmolを添加した。室温で45分間撹拌した。メタノールを添加し、さらに30分間撹拌し続けた。次いで、反応媒質をジクロロメタンで希釈し、KHSO水溶液で、次いで、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、蒸発乾固させて、シロップ形態の所望の生成物を得た。次いで、溶離液としてトルエンおよびアセトンの混合物(9:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
収率:85%。
【0102】
【化54】
Figure 0003594990
【0103】
前記段階で得た化合物4.11mmolを1,1−ジクロロエタン2.2mlに溶解し、次いで、酢酸水溶液(70%)123mlを添加した。次いで、50℃で35分間撹拌した後、濃縮し、トルエンを添加し、蒸発させて、シロップ形態の所望の生成物を得た。溶離液としてシクロヘキサンおよびアセトンの混合物(1:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
収率:90%。
【0104】
段階E
【化55】
Figure 0003594990
【0105】
段階Dで得た化合物3.61mmolをジクロロメタン3.3mlに溶解し、4−ジメチルアミノピリジン1.42mmol、トリエチルアミン10.82mmolおよびtert−ブチルジメチルシリルクロリド5.41mmolを添加した。
【0106】
20℃で約1時間撹拌し、次いで、無水ジクロロメタン43mlおよび無水レブリン酸10.8mmolを添加した。2時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン150mlを添加し、まず、KHSO水溶液で、次いで、NHSO水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、茶色のシロップが得られるまで蒸発させた。
次工程で該生成物をそのまま使用した。
【0107】
段階F
【化56】
Figure 0003594990
【0108】
前記段階で得たシロップ2.51gをアセトン26mlに溶解し、0℃に冷却し、次いで、三酸化クロム9.56mmolおよび3.5M硫酸溶液4.2mlを添加した。次いで、室温で4時間撹拌した。次いで、ジクロロメタン250mlを添加し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、茶色のシロップが得られるまで蒸発させた。
【0109】
段階G
3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノース(式XIで示される化合物)
【化57】
Figure 0003594990
【0110】
前記段階で得た生成物2.15gを無水ジメチルホルムアミド22mlに溶解し、アルゴン下、炭酸水素カリウム7.22mmolおよび臭化ベンジル10.83mmolを添加した。3時間撹拌し、次いで、メタノール0.5mlを添加し、室温で1時間撹拌し続けた。
【0111】
該反応媒質を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、茶色のシロップが得られるまで蒸発させた。
段階E、F、Gの合計収率:81%。
【0112】
段階H
【化58】
Figure 0003594990
【0113】
段階Gで得た化合物である3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノース3.61mmolをピリジン13mlに溶解した。次いで、0℃に冷却し、ヒドラジン[ピリジンおよび酢酸の混合物(3:2 V/V)中1M溶液]18.1mmolを添加した。該反応混合物を室温で15分間撹拌した。濃縮し、ジクロロメタンを添加し、KHSO水溶液で、次いで、水で、その後、NaHCO水溶液で、次に再度、水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、蒸発乾固させて、茶色のシロップを得た。溶媒としてシクロヘキサンおよびアセトンの混合物(2:1 V/V)を使用して、シリカカラム上で、3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノースを精製した。
収率:86%。
[α] 20=−78°(CHCl中C=0.7)。
【0114】
調製例6
O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル)トリクロロアセトイミダート(式XIIaで示される化合物)
公知の方法に従って、特に、アセトリシスに付し、アノマー脱保護し、次いで、イミダートを形成させることによって、調製例5に開示されている化合物である3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノースから、標記化合物を製造した。個々の段階を以下に示す。
【0115】
段階A
【化59】
Figure 0003594990
【0116】
調製例5で得た生成物1.02mmolに無水酢酸102mmolおよびトリフルオロアセトアミド10.2molを添加した。アルゴン下、該混合物を2時間撹拌した。茶色のシロップを得るまで蒸発させ、次いで、溶離液としてシクロヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(2:3 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
【0117】
段階B
【化60】
Figure 0003594990
【0118】
前記段階で得た化合物1.52mmolをジクロロメタンに溶解し、ベンジルアミン57.9mmolを添加した。室温で4時間撹拌し、次いで、−20℃で一晩放置した。エチルエーテルを添加し、次いで、1N塩酸水溶液で洗浄した。ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、茶色のシロップが得られるまで蒸発させた。溶離液としてトルエンおよびアセトンの混合物(5:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
【0119】
段階C
【化61】
Figure 0003594990
【0120】
前記段階で得た二糖類0.246mmolを使用して、ジクロロメタンに溶解した。アルゴン下、炭酸カリウム0.39mmolおよびトリクロロアセトニトリル1.23mmolを添加した。16時間撹拌し、濾過し、次いで、蒸発乾固させた。アノマーの混合物形態のO−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル)トリクロロアセトイミダートを得た。
収率:62%(合計)。
【0121】
調製例7
1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース(式XVで示される化合物 − グルコおよびイド混合物)
【0122】
段階A
1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−6−イド−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース
1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース(22.81mmol)のジクロロメタンおよびアセトニトリルの混合物400ml中溶液に、トリフェニルホスフィン68.43mmol、イミダゾール68.43mmolおよびヨウ素29.65mmolを添加した。70℃で4時間撹拌した。溶液を蒸発させ、これによって得られたシロップを、溶媒としてジクロロメタンおよびアセトンの混合物(10:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。これによって、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−6−イド−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースを得た。
収率:72%。
【0123】
段階B
メタノール150mlに1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−6−イド−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース23.4mmolを溶解し、次いで、メタノール(1M)に溶解したナトリウムメチラート42mmolを添加した。該混合物を80℃で9時間加熱し、冷却し、次いで、セファデックス(Sephadex) LH−20カラム上で、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物(1:1 V/V)で溶離して精製した。これによって、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−5,6−エキソ−メチレン−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースが得られる。この化合物13.3mmolをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、次いで、20℃で、テトラヒドロフランに溶解したジボラン54.4mmolを滴下した。2時間撹拌し、次いで、エタノール65.28mmolを添加した。1時間撹拌し、次いで、3M水酸化ナトリウム溶液24mlおよび30%過酸化水素水溶液24mlを添加した。50℃に加熱し、ダウエックス(Dowex)酸性樹脂(AG 50WX4)で中和し、蒸発乾固させて、グルコおよびイド二糖類の混合物(1:6.25)の形態で1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースを得た。
【0124】
調製例8
3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−α−L−リキソ−ヘキソピラルシルウロナート)−β−D−グルヒピラノース(式XVIで示される化合物)
標準的な方法[ジー・ジョーランド(G.Jaurand)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第897−900頁;ジェイ・バステン(J.Basten)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第901−904頁;ジェイ・バステン(J.Basten)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicial Chemistry Letters)(1992)、2(9号)、第905−910頁]を使用して、特に、2つの対応する4’,6’−イソプロピリデンを形成し、精製し、次いで、シリカカラム上でグルコおよびイド異性体を分離し、ナトリウムベンジラートと反応させ、アセチル化し、イソプロピリデン基を除去し、選択的にシリル化し、無水レブリン酸と反応させ、ジョーンズの条件に従って酸化し、次いで、臭化ベンジルを使用してエステル化することによって、調製例7の化合物から3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノースを製造する。
収率:45%。
以下に、個々の段階を示す。
【0125】
段階A
【化62】
Figure 0003594990
【0126】
ジメチルホルムアミド25mlに1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノース3.6mmolを溶解し、ジメトキシプロパン21.64mmolおよびp−トルエンスルホン酸(ショウノウスルホン酸を使用してもよい)3.96mmolを添加した。1時間30分撹拌し、トリエチルアミン5.94mmolを導入した。シロップが得られるまで濃縮し、トルエンおよび酢酸エチルの混合物(2:3 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
収率:70%。
【0127】
段階B
【化63】
Figure 0003594990
【0128】
段階Aで得た化合物6.81mmolに、ベンジルアルコール(1M)に溶解したナトリウムベンジラート29.7mmolを添加した。1時間撹拌しつつ110℃で加熱した。次いで、ジクロロメタン200mlで希釈し、次に、ダウエックス(Dowex)酸性樹脂(AG 50 WX4)を使用して中和し、濾過し、次いで、真空蒸発させて、茶色のシロップを得た。溶離液としてジクロロメタンおよびアセトンの混合物(10:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
収率:85%。
【0129】
段階C
【化64】
Figure 0003594990
【0130】
段階Bで得た化合物5.76mmolをジクロロメタンに溶解し、次いで、4−ジメチルアミノピリジン3.92mmol、トリエチルアミン72.27mmolおよび無水酢酸65.7mmolを添加した。室温で2時間30分撹拌し、次いで、ジクロロメタン100mlを添加し、10%KHSO水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、濾過した。
次に、濃縮し、これによって得られたシロップを、溶離液としてジクロロメタンおよびアセトンの混合物(10:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
[α] 20=−102°(CHCl中C=1.37)。
【0131】
段階D
【化65】
Figure 0003594990
【0132】
段階Cで得た化合物5.74mmolに70%酢酸水溶液25mlを添加した。80℃で6時間加熱した。トルエンの存在下で蒸発させることによって濃縮して、黄色粉末を得た。
【0133】
段階E
【化66】
Figure 0003594990
【0134】
前記段階で得た生成物を使用して、調製例5の段階E、FおよびGの記載に従って処理して、3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノースを得た。
全収率:59%。
【0135】
調製例9
メチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコ−ピラノシド(式IIIで示される化合物)
調製例8で得た二糖類をアセトリシスに付し、ベンジルアミンで処理し、フィルスマイヤー試薬と反応させ、次いで、炭酸銀の存在下でメタノールと反応させた。次いで、得られた化合物をヒドラジンで処理して、メチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル−2−O−アセチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシドを得た。個々の段階を以下に示す。
【0136】
段階A
【化67】
Figure 0003594990
【0137】
調製例8で得た二糖類1.02mmolに無水酢酸102mmolおよびトリフルオロ酢酸10.2mmolを添加し、次いで、アルゴン下、50℃で2時間加熱した。次いで、茶色のシロップが得られるまで蒸発させ、調製例6の段階Aの記載に従って精製して、所望の生成物を得た。
収率:92%。
【0138】
段階B
【化68】
Figure 0003594990
【0139】
段階Aで得た化合物1.52mmolを無水エチルエーテルに溶解し、次いで、ベンジルアミン57.9mmolを添加した。調製例6の段階Bの記載に従って処理して、所望の精製物を得た。
収率:79%。
【0140】
段階C
【化69】
Figure 0003594990
【0141】
0℃で、ジメチルホルムアミド5ml中で臭素2.15mmolおよびトリフェニルホスフィン2.15mmolを混合することによって、フィルスマイヤー試薬を調製した。アルゴン下、白色沈殿物を濾過し、段階Bで得た生成物0.269mmolを添加し、同一温度に維持しつつ、無水ジクロロメタン15mlに溶解した。該反応混合物を室温で2日間撹拌した。次いで、ジクロロメタンで希釈し、pH6が得られるまで、0℃に冷却した水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、シロップが得られるまで濃縮した。ジクロロメタンおよびエチルエーテルの混合物(5:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
収率:77%。
【0142】
段階D
【化70】
Figure 0003594990
【0143】
アルゴン雰囲気下、0℃で1時間、ジクロロメタン3ml中でメタノール0.46ml、炭酸銀0.34mmolおよび硫酸カルシウム150mgを混合した。段階Cで得た化合物0.227mmolをジクロロメタン8mlに溶解した。この溶液を反応混合物に滴下し、20℃で20時間撹拌した。光から保護した。次いで、ジクロロメタンで希釈し、濾過し、次いで、濃縮して、シロップ形態のメチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシドを得た。溶離液としてジクロロメタンおよびエチルエーテルの混合物(5:1 V/V)を使用して、シリカカラム上で精製した。
収率:75%。
[α] 20=+27°(CHCl中C=1.18)。
【0144】
段階E
【化71】
Figure 0003594990
【0145】
前記段階で得た生成物0.276mmolを0℃に冷却したピリジン2mlに溶解し、ヒドラジン・水和物の、ピリジンおよび酢酸の混合物(3:2 V/V)中1M溶液1.38mlを添加した。次いで、該反応混合物を濃縮し、塩化メチレンを添加し、KHSO水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、シロップが得られるまで濃縮した。ジクロロメタンおよびエチルエーテルの混合物(3:1 V/V)を使用してシリカカラム上で精製した。
収率:87%。
[α] 20=+10°(CHCl中のC=0.99)。
【0146】
調製例10
O−(2,4,6−トリ−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース(式VIIで示される化合物)
ジクロロメタンにエチル2,4,6−トリ−O−ベンジル−3−デオキシ−1−チオ−D−リボ−ヘキソピラノシド(調製例2)2.03mmolおよび3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノース(調製例5)1.69mmolを溶解し、20℃で多少のモレキュラーシーブを、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸銀5.07mmolおよび臭素1.52mmolを添加した。45分間撹拌し、次いで、該反応混合物を濾過し、水で洗浄し、次いで、蒸発乾固させた。
【0147】
シリカカラム上で精製して所望の生成物を得た。
収率:35%。
【0148】
調製例11
O−(6−O−アセチル−2,4−ジ−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(式IIで示される化合物)
トリフルオロ酢酸および無水酢酸の混合物に溶解した調製例10で得た化合物0.51mmolをアセトリシスに付し、次いで、エチルエーテル中、ベンジルアミンで処理し、その後、炭酸カリウムの存在下、ジクロロメタン中、トリクロロアセトニトリルで処理して、所望の生成物を得た。
収率:50%。
【0149】
実施例1
メチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・トリデカキスナトリウム塩
【0150】
段階A
メチルO−(6−O−アセチル−2,4−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシド
調製例11の化合物0.121mmolおよび調製例9の化合物0.093mmolをジクロロメタン3.2mlに溶解した。アルゴン雰囲気下、モレキュラーシーブの存在下、−20℃に冷却し、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルのジクロロメタン0.470mlを添加した。−20℃で1時間撹拌し、次いで、該反応媒質を濾過し、水で洗浄し、蒸発させ、溶媒としてジクロロメタンおよびメタノールの混合物(1:1 V/V)を使用してセファデックス(Sephadex)LH−20カラム上で精製し、次いで、溶媒としてシクロヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(3:2 V/V)を使用してシリカカラム上で精製して、所望の生成物を得た。
収率:62%。
【0151】
段階B
ジクロロメタン(0.43ml)およびメタノール(1.7ml)の混合物に前記段階で得た生成物0.052mmolを溶解した。次いで、10%パラジウム−炭85mgを添加し、次いで、わずかな水素圧下、20℃で4時間、該混合物を放置した。濾過し、次いで、蒸発乾固させて、メチルO−(6−O−アセチル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロン酸)−(1→4)−O−(3,6−ジ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロン酸)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−β−D−グルヒピラノシドを得た。該化合物をエタノール0.96mlに溶解し、0℃に冷却し、次いで、5M水酸化ナトリウム0.30mlを添加した。0℃で5時間撹拌し、溶離液として水を使用してセファデックス(Sephadex)G−25カラム上で精製した。蒸発乾固させて、メチルO−(3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロン酸)−(1→4)−O−(α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロン酸)−(1→4)−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0152】
この化合物をジメチルホルムアミド5mlに溶解し、蒸発乾固させ、次いで、アルゴン雰囲気下、無水ジメチルホルムアミド2.6mlに再度溶解した。三酸化硫黄/トリエチルアミン複合物302mgを添加し、55℃で20時間撹拌した。反応媒質を冷却し、水に溶解した炭酸水素ナトリウム491mgを添加し、3時間撹拌した。
【0153】
溶媒として水を使用してセファデックス(Sephadex)G−25カラム上で精製し、次いで、凍結乾燥させて、メチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・トリデカキスナトリウム塩を得た。
収率:65%。
[α] 20=+25°(HO中C=0.52) − バッチ1。
[α] 20=+33°(HO中C=0.64) − バッチ2。
【0154】
プロトン核磁気共鳴スペクトル:(500MHz、溶媒DO)
H1:4.78ppm J1−2:7.3Hz;H’1:5.22ppm,J1’−2’:1.8Hz;H”1:5.26ppm,J1”−2”:3.5Hz;H”’1:4.78ppm,J1”’−2”’:5.4Hz;H””:5.16ppm,J1””−2””:3.3Hz。
【0155】
実施例2
メチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソ−ピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−メチル−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ドデカキスナトリウム塩
実施例1に記載の方法に従って、O−(6−O−アセチル−2,4−ジ−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトアミダートおよびメチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシドから標記化合物を製造した。調製例7、8および9に記載の方法と同様の方法に従って、1,6:2,3−ジアンヒドロ−4−O−(3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−β−D−マンノピラノースからメチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシドを製造した。
[α] 20=+25°(HO中C=0.48)。
【0156】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz、溶媒DO)
H1:4.82ppm J1−2:4.2Hz;H’1:5.08ppm,J1’−2’:1.0Hz;H”1:5.27ppm,J1”−2”:3.7Hz;H”’1:4.76ppm,J1”’−2”’:7.7Hz;H””:5.15ppm,J1””−2””:3.5Hz。
【0157】
実施例3
メチルO−(3−デオキシ−2,4−ジ−O−メチル−6−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ウンデカキスナトリウム塩
実施例1に記載の方法に従って、O−(6−O−ベンジル−2,4−ジ−O−メチル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトアミダートおよびメチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシドから標記化合物を製造した。調製例10に記載の方法に従って、エチル6−O−ベンジル−2,4−ジ−O−メチル−3−デオキシ−1−チオ−β−D−リボ−ヘキソピラノシドおよび3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノースから、O−(6−O−ベンジル−2,4−ジ−O−メチル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトイミダートを製造した。
[α] 20=+24°(HO中C=0.6)。
【0158】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz、溶媒DO)
H1:4.77ppm J1−2:5.0Hz;H’1:5.22ppm,J1’−2’:2.2Hz;H”1:5.24ppm,J1”−2”:3.7Hz;H”’1:4.76ppm,J1”’−2”’:7.5Hz;H””:5.10ppm,J1””−2””:3.6Hz。
【0159】
実施例4
メチルO−(3−デオキシ−4−O−メチル−2,6−ジ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ドデカキスナトリウム塩
実施例1に記載の方法に従って、調製例9に記載の化合物およびO−(2,6−ジ−O−ベンジル−4−O−メチル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル−2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトイミダートから、標記化合物を製造した。後者の三糖類誘導体は、調製例10および11に記載の方法に従って、エチル2,6−ジ−O−ベンジル−4−O−メチル−3−デオキシ−1−チオ−D−リボ−ヘキソピラノシドおよび調製例5に記載の化合物から製造した。
[α] 20=+22°(HO中C=0.54)。
【0160】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz、溶媒DO)
H1:4.78ppm J1−2:5.1Hz;H’1:5.22ppm,J1’−2’:2.6Hz;H”1:5.27ppm,J1”−2”:3.9Hz;H”’1:4.75ppm,J1”’−2”’:7.9Hz;H””:5.11ppm,J1””−2””:3.5Hz。
【0161】
実施例5
メチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−メチル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−メチル−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ウンデカキスナトリウム塩
実施例1に記載の方法に従って、メチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシドおよびO−(6−O−アセチル−2,4−ジ−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトイミダートから標記化合物を製造した。出発物質として使用した三糖類は、調製例10および11に記載の方法に従って、3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノースおよび調製例2に記載の化合物から製造した。
[α] 20=+20°(HO中C=0.39)。
【0162】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz,溶媒DO)
H1:4.83ppm J1−2:3.0Hz;H’1:5.11ppm,J1’−2’:2.0Hz;H”1:5.31ppm,J1”−2”:3.3Hz;H”’1:4.68ppm,J1”’−2”’:7.7Hz;H””:5.18ppm,J1””−2””:3.2Hz。
【0163】
実施例6
メチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−メチル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ドデカキスナトリウム塩
実施例1に記載の方法に従って、O−(6−O−アセチル−2,4−ジ−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトイミダートおよび調製例9に記載の化合物から標記化合物を製造した。
[α] 20=+30℃(HO中C=0.40)。
【0164】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz,溶媒DO)
H1:4.77ppm J1−2:5.0Hz;H’1:5.20ppm,J1’−2’:2.5Hz;H”1:5.27ppm,J1”−2”:4.0Hz;H”’1:4.67ppm,J1”’−2”’:8.0Hz;H””:5.14ppm,J1””−2””:3.5Hz。
【0165】
実施例7
メチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−メチル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−O−メチル−2−O−スルホ−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシド・ドデカキスナトリウム塩
実施例1に記載の方法に従って、O−(6−O−アセチル−2,4−ジ−O−ベンジル−3−デオキシ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(ベンジル2−O−メチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトイミダートおよびメチル2,3,6−トリ−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−ベンジル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−α−D−グルコピラノシドから標記化合物を製造した。後者の化合物は、「ケミカル・シンセシス・オブ・ヘパリン・フラグメンツ・アンド・アナログズ(Chemical Synthesis of heparin fragments and analogues)」、第203−210頁、プログレス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダクツ(Progress in the Chemistry of Organic Natural Products)、スプリンガー・ヴァーラグ・ヴィエンナ(Springer Verlag Vienna)編、ニューヨーク(1992)においてエム・ペティトウ(M.Petitou)およびシー・エイ・エイ・ファン・ベッケル(C.A.A. van Boeckel)によって開示された方法に従って製造した。
[α] 20=+46°(HO中C=0.58)。
【0166】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz,溶媒DO)
H1:5.10ppm J1−2:3.0Hz;H’1:5.10ppm,J1’−2’:5.0Hz;H”1:5.48ppm,J1”−2”:3.60Hz;H”’1:4.68ppm,J1”’−2”’:7.5Hz;H””:5.16ppm,J1””−2””:3.6Hz。
【0167】
実施例8
メチルO−(3−デオキシ−2,4−ジ−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ヘキサデカキスナトリウム塩
O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−4−O−レブリニル−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−D−グルコピラノシル・トリクロロアセトイミダート(調製例6)および3−O−アセチル−1,6−アンヒドロ−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノース(調製例5)から標記化合物を製造した。実施例1の段階Aに記載の条件下、これら2つの化合物を反応させることによって下記化合物を得た。収率:64%。
【0168】
【化72】
Figure 0003594990
【0169】
これによって得られた生成物を調製例6の段階Aに記載の方法に従ってアセトリシスに付し、次いで、調製例6の段階Bに記載の条件下、ベンジルアミンを作用させてアノマーヒドロキシルを遊離させた。次いで、調製例6の段階Cに記載の方法に従って、炭酸カリウムの存在下、トリクロロアセトニトリルと反応させることによって対応するイミダートを得た。
【0170】
後者の生成物をメチル3,6−ジ−O−アセチル−2−O−ベンジル−4−O−(ベンジル2−O−アセチル−3−デオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−β−D−グルコピラノシド(調製例9)と反応させることによって、メチルO−(3−デオキシ−2,4−ジ−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ)−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシド・ヘキサデカキスナトリウム塩を製造した。
【0171】
プロトン核磁気共鳴スペクトル;(500MHz,溶媒DO)
H1:4.78ppm J1−2:7.0Hz;H’1:5.22ppm,J1’−2’:1.9Hz;H”1:5.25ppm,J1”−2”:3.50Hz;H”’1:4.79ppm,J1”’−2”’:5.6Hz;H””:5.31ppm,J1−2:3.50Hz;H””’:4.80ppm,J1””’−2””’:5.9Hz。
【0172】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬として有用な抗血栓活性および抗凝固活性を有する新規な式Iで示される化合物が提供される。

Claims (16)

  1. 式I:
    Figure 0003594990
    [式中、
    Xは、−OSO 、式A:
    R−O (A)
    で示される基、式B:
    Figure 0003594990
    で示される基、または、式C:
    Figure 0003594990
    で示される基を表し、
    Yは、式D:
    Figure 0003594990
    で示される基を表し、
    Rは、炭素原子1〜6個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基を表し、
    、R、R、R、R、R10、R12およびR13は、同一または異なって、各々、ヒドロキシル基、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
    、R、R、RおよびR11は、同一または異なって、各々、水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
    ただし、存在する置換基RまたはRまたはRまたはRまたはR11のうち少なくとも1つは、水素原子を表す]
    で示される化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは対応する酸。
  2. 式Ia:
    Figure 0003594990
    [式中、R、R、R、R、R、R、R、R11、R12およびR13は、請求項1の式Iにおける定義と同じである]
    で示される請求項1記載の式Iで示される化合物。
  3. 式Ib:
    Figure 0003594990
    [式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12およびR13は、請求項1の式Iにおける定義と同じである]
    で示される請求項1記載の式Iで示される化合物。
  4. 、R、R、R、R、R10およびR13が同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
    、R、RおよびRが同一または異なって、水素原子または炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基を表し、
    11が水素原子、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基または−OSO を表し、
    ただし、存在する置換基RまたはRまたはRまたはRまたはR11のうち少なくとも1つが水素原子を表し、
    12がヒドロキシル基または−OSO を表す請求項1記載の式Iで示される化合物。
  5. が水素原子を表す請求項1記載の式Iで示される化合物。
  6. およびRが水素原子を表し、
    、R11およびR12−OSO を表し、
    13が炭素原子1〜6個を有する直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基を表す請求項1記載の式Iで示される化合物。
  7. 請求項1記載の式Iで示される化合物であるメチルO−(3−デオキシ−2,4,6−トリ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドおよび塩基とのその医薬的に許容される塩。
  8. 請求項1記載の式Iで示される化合物であるメチルO−(3−デオキシ−2,4−ジ−O−メチル−6−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドおよび塩基とのその医薬的に許容される塩。
  9. 請求項1記載の式Iで示される化合物であるメチルO−(3−デオキシ−4−O−メチル−2,6−ジ−O−スルホ−α−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−β−D−リボ−ヘキソビラノシルウロナート)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−スルホ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(3−デオキシ−2−O−スルホ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシルウロナート)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドおよび塩基とのその医薬的に許容される塩。
  10. 式II:
    Figure 0003594990
    [式中、
    X'は、クロロアセトキシ基、レブリニルオキシ基、請求項1記載の式Aで示される基、式B
    Figure 0003594990
    で示される基、または式C
    Figure 0003594990
    で示される基を表し、
    、P、PおよびPは、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する非環式アシル基、芳香族アシル基、炭素原子2〜7個を有する2−アルケニル基またはベンジル基のような保護基を表し、
    およびPは、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有するアルキル基またはベンジル基のような保護基を表し、
    '、R'およびR'は、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基、炭素原子1〜6個を有する非環式アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ基または炭素原子2〜7個を有する2−アルケニルオキシ基を表し、
    'およびR10'は、同一または異なって、R'の定義と同じであるか、あるいは、それらは、クロロアセトキシ基またはレブリニルオキシ基を表し、
    '、R'およびR'は、同一または異なって、各々、水素原子を表すか、またはR'の定義と同じである]
    で示される化合物を式III:
    Figure 0003594990
    [式中、
    は、式IIにおけるPの定義と同じであり、
    は、式IIにおけるPの定義と同じであり、
    'およびR11'は、同一または異なって、式IIにおけるR'の定義と同じであり、
    '、R12'およびR13'は、同一または異なって、式IIにおけるR'の定義と同じである]
    で示される化合物と反応させて、式IV:
    Figure 0003594990
    [式中、
    X'、P、P、P、P、R'およびR'は、式IIにおける定義と同じであり、
    、R'およびR'は、式IIIにおける定義と同じであり、
    Y'は、式D
    Figure 0003594990
    (式中、P、R11'、R12'およびR13'は、式IIIにおける定義と同じである)
    で示される基である]
    で示される化合物を製造し、次いで、接触水素添加し、次に、鹸化し、硫酸化するか、または、まず、鹸化し、次に、硫酸化し、その後、接触水素添加するか、または、まず、接触水素添加し、次に、硫酸化し、その後、鹸化して、式Iで示される化合物を得ることを特徴とする請求項1記載の式Iで示される化合物の製造方法。
  11. 、P、PおよびPが、同一または異なって、各々、アセチル基、ベンゾイル基、アリル基またはベンジル基のような保護基を表し、
    およびPが、同一または異なって、各々、メチル基またはベンジル基のような保護基を表し、
    '、R'およびR'が、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基またはアリルオキシ基を表す請求項10記載の製造方法。
  12. 医薬用の請求項1〜9のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
  13. 式IX:
    Figure 0003594990
    [ 式中、B z は、ベンゾイル基を表す ]
    で示される化合物である1 , : , 3−ジアンヒドロ−4−O− ( , , 6−トリ−O−ベンゾイル−3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル ) −β−D−マンノピラノース。
  14. 式X:
    Figure 0003594990
    で示される化合物である1 , : , 3−ジアンヒドロ−4−O− ( 3−デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル ) −β−D−マンノピラノース。
  15. 式XI:
    Figure 0003594990
    [ 式中、
    ' は、炭素原子1〜6個を有する直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基、炭素原子1〜6個を有する非環式アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ基または炭素原子2〜7個を有する2−アルケニルオキシ基を表し、
    およびP は、同一または異なって、各々、炭素原子1〜6個を有する非環式アシル基、芳香族アシル基、炭素原子2〜7個を有する2−アルケニル基またはベンジル基から選択される保護基を表し、
    は、炭素原子1〜6個を有するアルキル基またはベンジル基から選択される保護基を表し、
    は、レブリニル基またはクロロアセチル基を表す ]
    で示される化合物。
  16. ' が、炭素原子1〜6個を有する直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基またはアリルオキシ基を表し、
    およびP が、同一または異なって、各々、アセチル基、ベンゾイル基、アリル基またはベンジル基から選択される保護基を表し、
    が、メチル基またはベンジル基から選択される保護基を表す請求項15記載の化合物。
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