JP3594660B2 - セラミックヒータ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はセラミックヒータに関し、特に、ディーゼルエンジンのセラミックグロープラグ等に好適に使用されるセラミックヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンの始動を補助するために、燃焼室内にセラミックグロープラグを配置し、発熱部に通電加熱して燃料の着火、燃焼を促すことが行なわれている。この発熱部を構成するセラミックヒータとしては、従来より種々のものが提案されており、例えば、特開昭62−140386号公報には、サイアロン焼結体中に導電性の窒化チタンを分散させた複合焼結体を用いたヒータが開示されている。
【0003】
また、絶縁性セラミックよりなる支持体の先端に、導電性セラミックよりなる発熱体を設けたセラミックヒータが知られ、例えば、窒化珪素、酸化アルミニウム等よりなる棒状の絶縁性セラミックの先端に、窒化珪素と珪化モリブデンの混合体等よりなるU字状の導電性セラミックを設けた構成のものがある。
【0004】
ところが、上記従来のセラミックヒータは、支持体と発熱体の熱膨張係数差から、急速な昇温、または冷却により両者の間に熱応力が発生し、接合部を破損するおそれがあった。そこで本出願人は、先に、支持体と発熱体とをいずれも導電性の珪化モリブデン(MoSi)と絶縁性の窒化珪素(Si)の混合体で構成し、支持体においては導電性のMoSi粒子がこれを包む絶縁性のSi粒子により互いに分断されることにより絶縁性を示し、発熱体においては、互いに連続する導電性のMoSi粒子で絶縁性のSi粒子を包むことにより導電性を示すようになしたセラミックヒータを提案した(特開昭63−96883号公報)。具体的には、支持体と発熱体の基本成分をいずれも70Si−30MoSi(重量%)とし、これらの総量に対し焼結助剤として、例えば酸化イットリウム(Y)を7重量%、酸化アルミニウム(Al)を3重量%添加しており、支持体と発熱体を同一組成とすることで、熱応力が大幅に緩和される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、セラミックヒータの速熱性をさらに向上し、エンジン始動までの待ち時間を短縮しようとする要求が高まっており、これに伴いヒータの温度を従来の1000℃〜1100℃から1300℃〜1400℃にする必要が生じている。
【0006】
しかしながら、最高温度を1400℃に設定した上記構成のセラミックヒータをエンジンで使用したところ、次のような問題が生じた。第1に、長時間の使用で抵抗値が上昇し、飽和温度が低くなってエンジンの始動性が悪くなる。第2に、ヒータの最高温度部近傍でガラスの溶出が見られ、使用を続けるとヒータの変形または変質が起こり、強度低下をきたすおそれがある。第3に、セラミックヒータの、噴霧燃料が直撃する部分にクラックが発生する場合があり、このクラックが進展すると、ヒータの一部がエンジン内に脱落し、エンジンが損傷するおそれがある。
【0007】
第1の問題点である抵抗値上昇については、本発明者等が、長時間使用して抵抗値が上昇したヒータを軸方向に切断し、発熱体およびその近傍を調査したところ、発熱体のU字状に屈曲する先端部の、正または負電極よりの端部で発熱体が最高温度になること、このうち負電極側の最高温度部にイットリウム(Y)が集中し、逆に正電極側にはYがほとんど存在せず、モリブデン(Mo)の酸化物が多くなっていることがわかった。また、発熱体の正または負電極側の最高温度部間に位置する支持体においても、同様に、負電極側でYが多く、次第にYが減少して正電極側ではYがほとんど存在していないことが判明した。
【0008】
このメカニズムは以下のように推定される。基本成分であるSi中には、通常、不純物として微量のSiOが存在する。この不純物としてのSiOは焼結助剤であるY、AlおよびSiと反応し、多成分系ガラスとなって粒界に析出する。この多成分系ガラスはAlを含むことから低融点であり、ヒータの最高温度が1400℃(局所的に1400℃以上の温度になっていると考えられる)という高温状態で、軟化、活性化状態となる。そして、通電により生じる電界の作用により、YがYとOに分解し、Yが負電極側に移動する。正電極側では残った酸素、および正電極側から負電極側へ移動した酸素により酸素リッチとなり、その結果、MoSiを酸化して、MoSiよりなる電流パスを細化または断線させ、これが抵抗値上昇の原因になったものと考えられる。
【0009】
第2の問題点である溶出ガラスは、SiO、Y、Alを主成分とするもので、上述した不純物としてのSiOがY、Alと反応して生じた多成分系ガラスと見られる。この多成分系ガラスは低融点であるため、1400℃という高温状態で軟化し、ヒータ表面に溶出してきたものと考えられる。
【0010】
第3の問題点であるクラックの発生について、ヒータは、通電による最高温度が1400℃という高温状態では、SiとMoSiの粒界の多成分系ガラスが軟化し、高温強度が低下した状態となっている。この強度が低下した部分に噴霧燃料が直撃すると、その熱衝撃によりヒータ表面にクラックが発生するものと思われる。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、1400℃前後の高温条件下でも抵抗値の変化が小さく、ガラスの溶出がなく、しかもクラックの生じにくい耐熱衝撃性に優れたセラミックヒータを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成を図1で説明すると、セラミックヒータ1は、電気絶縁性の支持体3と、その先端部に一体に形成される導電性の発熱体2を備え、上記支持体3および上記発熱体2はいずれも導電性セラミックと絶縁性セラミックの混合焼結体よりなる。上記支持体3は、導電性セラミック粒子がこれを包む絶縁性セラミック粒子により互いに分断されることにより絶縁性を示し、上記発熱体2は、互いに連続する導電性セラミック粒子で絶縁性セラミック粒子を包むことにより導電性を示している。そして、上記支持体3および発熱体2に、焼結助剤として希土類元素の酸化物を1種以上添加するとともに、その添加総量が導電性セラミックと絶縁性セラミックの総量に対して3〜25重量%となるようにする(請求項1)。
【0013】
また、上記発熱体2の焼結助剤の添加総量をX重量%、上記支持体3の焼結助剤の添加総量をY重量%としたときに、X、Yが、式:X≧0.7×Yが満足するようになしてある(請求項2)。上記絶縁性セラミックとしては、窒化珪素が好適に使用される。また、上記導電性セラミックとしては、金属の炭化物、珪化物、窒化物、またはホウ化物が使用でき、これらより選ばれた少なくとも1種を使用すればよい(請求項3)。
【0014】
【作用】
焼結助剤として用いられる希土類元素の酸化物は、ヒータ材を構成する焼結体中の不純物とともにガラス化し、粒界に存在することになる。この多成分系ガラスは、少なくともAlを含有しないので、従来のヒータ材の粒界に存在するガラスより高融点であり、軟化しにくい。従って、1400℃という高温状態においても、粒界ガラス相の軟化、活性化の程度が低く抑えられ、電界の作用による粒界ガラスの分解が大幅に抑制される。その結果、粒界ガラス相の分解により生じる金属元素の負電極側への移動、および正電極側における導電性セラミックの酸化が防止され、導電性セラミックの酸化による導電パスの細化、断線を防止できる。
【0015】
また、粒界ガラス相が高融点で、軟化しにくいので、ガラス溶出が起こりにくい。さらにガラスの軟化が低く抑えられることにより、高温状態でも強度の低下が小さく、高い耐熱衝撃性を保持できる。
【0016】
また、発熱体の焼結助剤の添加量が、支持体に比べて少なすぎると、両者の最適な焼成条件にずれが生じ、発熱体が焼結不足となるおそれがある。発熱体の焼結助剤の添加量を、上記式のように一定量以上にすると焼成条件のずれが小さくなり、焼結不足が解消される。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
図2には本発明を適用したディーゼルエンジンのグロープラグを示す。6は両端開口の筒状金属ハウジングであり、その下端開口内に筒状金属部材61が固着してある。上記ハウジング6内には下方より本発明のセラミックヒータ1が挿通され、その中間部を、上記筒状金属部材61に嵌合固定してある。ハウジング6の中央部外周には取付けネジ62が形成してあり、グロープラグは該取付けネジ62にて図略のエンジンに取付けられる。
【0018】
上記セラミックヒータ1の上端部には、電源接続用の金属キャップ7が固定してあり、金属キャップ7は、上記ハウジング6の上半部内に挿通された金属製の中軸8と、金属線71により接続されている。上記ハウジング6上端部の、中軸8周りにはガラスシール9が配設され、さらに上方より絶縁ブッシュ10が嵌着されて、上記中軸8を電気的に絶縁している。中軸8の基端部には、図略の電源に接続される雄ネジ81が形成してあり、上記絶縁ブッシュ10は上記雄ネジ81に螺着されたナット82にて固定される。
【0019】
図1には上記セラミックヒータ1の詳細を示す。図において、セラミックヒータ1は、断面円形の棒状体である支持体3と、支持体3の先端部内に埋設される断面U字形の発熱体2からなる。発熱体2の一端には電極線4の先端41が埋設され、電極線4の他端は支持体3の基端部へ延びて支持体3の外周表面に露出する端子部42を形成している。また発熱体2の他端には電極線5の先端51が埋設され、電極線5の他端は支持体3の中間部で支持体3の外周表面に露出する端子部52を形成している。なお、上記電極線4、5はタングステン、モリブデン等の高融点金属またはその合金からなる。
【0020】
上記電極線4、5の端子部42、52が露出する支持体3の外周表面にはニッケルメッキが施されている。しかして、セラミックヒータ1をハウジング6内に挿通すると(図2)、上記支持体3は、このニッケルメッキ層を介して上記筒状金属部材61内周面にロウ付けされる。上記筒状金属部材61はセラミックヒータ1を保持するとともに、上記電極線5の端子部52と電気的に接続される。一方、支持体3の基端部に露出する上記電極線4の端子部42は、上記金属キャップ7の内周面にロウ付けされ、金属線71より中軸8を経て電源に接続している。かくして図示しない電源より、中軸8、金属線71、金属キャップ7、電極線4、発熱体2、電極線5、筒状部材61、ハウジング6を経て、図示しないエンジンブロックへ通電が可能となる。
【0021】
セラミックヒータ1の上記支持体3は、導電性セラミックであるMoSiと、絶縁性セラミックであるSiを基本成分とし、焼結助剤としてYを添加したセラミック焼結体よりなる。Yの添加量はMoSiとSiの総量に対して10重量%としてある。そして、Siの粒径を、MoSiと同じかやや小さくすることにより、導電性のMoSi粒子が絶縁性のSi粒子で囲まれて分断された組織となり、絶縁性を発現する。具体的には、例えば、平均粒径0.9μm のMoSiと、平均粒径0.6μm のSiを用いることができる。
【0022】
上記発熱体2は、導電性セラミックであるMoSiと、絶縁性セラミックであるSiを基本成分とし、焼結助剤としてYを添加したセラミック焼結体よりなる。Yの添加量はMoSiとSiの総量に対して10重量%としてある。そして、Siの粒径をMoSiより大きくすることにより、絶縁性のSi粒子が、互いに連続する導電性のMoSi粒子で包まれた組織となり、導電性を発現する。具体的には、例えば、平均粒径0.9μm のMoSiと、平均粒径13μm のSiを用いることができる。
【0023】
上記発熱体2または支持体3における導電性セラミックとしては、上記したMoSi以外の金属の炭化物、珪化物、窒化物、またはホウ化物を用いてもよく、これらの少なくとも一種を使用する。導電性セラミックと絶縁性セラミックの配合割合は、例えば10〜40:90〜60(重量%)の範囲で適宜選択される。発熱体2、支持体3で同一またはそれに近い配合割合とすれば熱膨張係数等の差が小さくなるのでより好ましい。焼結助剤としては、Y以外の希土類元素の酸化物、例えばイッテルビウム、ランタン、ネオジム等の酸化物を用いてもよく、これらから選ばれる一種以上を使用する。
【0024】
焼結助剤として使用される希土類元素の酸化物の添加総量は、導電性セラミックと絶縁性セラミックの総量に対して、3〜25重量%とする。また、発熱体2の焼結助剤の添加総量をX重量%、支持体3の焼結助剤の添加総量をY重量%としたときに、X、Yが、式:X≧0.7×Yを満足するようにすることが好ましい。このようにすることで、長時間使用による抵抗値の上昇が抑えられ、また、ガラスの溶出やクラックの発生が抑制できる。
【0025】
次に、本発明の効果を確認するための試験を行なった。
(1)まず、以下のようにして試験用の試料を作成した。支持体と発熱体の基本成分をいずれも70Si−30MoSi(重量%)とし、支持体は平均粒径が0.9μm のMoSiと平均粒径が0.6μm のSiを、発熱体には平均粒径が0.9μm のMoSiと平均粒径が13μm のSiを使用した。焼結助剤としてYを用い、その添加量を支持体と発熱体で同量として、上記図1の構成のセラミックヒータを作成した。SiとMoSiの総量に対するYの添加量を、1〜30重量%の範囲で表1に示すように変更し、試料No1〜6とした。次いで、発熱体、支持体ともにY7重量%、Al3重量%とした従来の組成によるヒータを作成し、比較用の試料No7とした。
【0026】
焼成は、アルゴンガス雰囲気下、1気圧で、圧力は500Kgf/cmとし、焼結助剤量の変更による焼成条件の変化に対しては、各々の最適な焼成条件となるように、焼成温度を1560℃〜1850℃の範囲内で変えて行なった(以下に説明する試料は全て、各々の最適な焼成条件となるように、焼成温度を適宜変更して作成した)。
【0027】
上記試料No1〜7のセラミックヒータを用いて上記図2に示したグロープラグを作成し、以下の試験を行なった。まず、通電の繰り返しによる抵抗値変化を調べるため、通電1分、非通電1分の繰り返しを1サイクルとした冷熱試験を行なった。このときのヒータ温度は初期に通電時の発熱による飽和温度を1400℃にし、非通電時はファンでヒータを100℃以下に冷却した。評価は各試料につき4本づつ同様の試験を実施して、そのうちの1本が抵抗値上昇により通電時のヒータ飽和温度が100℃低下して1300℃になったサイクル数を寿命サイクルとした。表1に結果を示す。また、この時のガラスの溶出の有無を表1に併せて記した。
【0028】
次に、クラックの発生に関し、水中スポーリング試験を行なった。まず、グロープラグに通電し、所定の飽和温度に発熱させた後、20℃の水中に金属パイプから突出しているヒータ先端部を浸漬させ、表面に発生するクラックの有無を調査することにより評価した。具体的には、飽和温度が500℃で水中スポーリング試験を行ない、クラックが発生していなければ、飽和温度を100℃上げ、600℃として水中スポーリング試験を行なった。このようにして1400℃まで、もしくはクラックが発生するまで、100℃づつ温度を上げて評価した。評価は各試料について4本づつ同様の試験を実施し、結果を表1に併記した。
【0029】
表1より、冷熱試験、ガラス溶出については、Yを単独で添加した試料No1〜6のいずれも、従来組成の試料No7に比べ、寿命が向上している。なお、寿命サイクルは市場での信頼性を考慮すると10000サイクル以上であることが好ましく、試料No1〜6では10000〜15000サイクルと良好な結果が得られている。また、クラックの発生についても、試料No1〜6ともに試料No7より改善されており、特に、Yの添加量を3〜25重量%とした試料No2〜5では1400℃においてもクラックの発生が全く見られなかった。以上より、Yを3〜25重量%添加することで、1400℃という高温使用において抵抗値変化が小さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性のよいセラミックヒータが得られることがわかる。
【0030】
(2)次に、焼結助剤としてYに加え、他の希土類元素の酸化物を添加した試料を作成した。基本成分は上記(1)と同一とし、焼結助剤の種類と添加量を表2のように変更した。焼結助剤の添加量は発熱体と支持体で同量とした。上記(1)と同様にして試料を作成し(試料No8〜16)、評価を行なった。結果を表2に併記する。
【0031】
表2の結果を従来組成の試料No7(表1)と比較すると、全試料で冷熱試験結果が向上しており、ガラス溶出、クラックの発生も見られない。このように、Yと他の希土類元素の酸化物を組み合わせた場合でも、添加総量を3〜25重量%とすることで、抵抗値変化が小さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性のよいセラミックヒータが得られる。
【0032】
(3)続いて、Y以外の希土類元素の酸化物を1種以上添加した試料を作成した。希土類元素の酸化物として、Yb、La、Nd、およびこれらを組み合わせたものを用い、それぞれにつき、焼結助剤の添加総量が3重量%、25重量%の2種類の試料を作成した。基本成分は上記(1)と同一とし、焼結助剤の添加量は発熱体と支持体で同量とした。上記(1)と同様にして試料を作成し(試料No17〜26)、評価を行なった。結果を表3に示す。
【0033】
表3の結果を従来組成の試料No7(表1)と比較すると、全試料で冷熱試験結果が向上しており、ガラス溶出、クラックの発生も見られない。このように、焼結助剤としてはY以外の他の希土類元素の酸化物のいずれを使用してもよく、その添加総量を3〜25重量%とすることで、同様の効果が得られることがわかる。
【0034】
以上(1)〜(3)の結果より、焼結助剤として希土類元素の酸化物を一種以上使用し、その添加総量を3〜25重量%とすることで、抵抗値変化が小さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性のよいセラミックヒータが実現できることがわかる。
【0035】
(4)さらに、発熱体と支持体とで焼結助剤の添加量を変更した場合について調べた。表4に示すように、支持体のY添加量を7重量%または20重量%とし、発熱体のY添加量を3〜25重量%の範囲で変更して試料を作成した(試料No27〜34)。それぞれの試料につき、上記(1)と同様の試験を行ない、結果を表4に併記した。
【0036】
表4の結果より、全試料において、ガラス溶出およびクラックの発生に対する効果が見られる。冷熱試験では、上記試料No7に比べいずれも寿命サイクルが向上しているが、上述したように、市場での信頼性を考慮すると、試料No27、31は10000サイクルに満たず、やや寿命が短い。これは、支持体への添加量に比べて発熱体の添加量がかなり少ない場合で、逆に、大きな効果が見られるのは、支持体のY添加量が7重量%で、発熱体が5重量%以上、支持体のY添加量が20重量%で、発熱体が15重量%以上の場合であるといえる。この関係を式で表すと、発熱体の焼結助剤の添加総量をX重量%、支持体の焼結助剤の添加総量をY重量%としたときに、式:X≧0.7×Yが成り立つようにすると、寿命サイクルの向上に有効であるといえる。
【0037】
ここで、試料No27、31のように、支持体の添加量に比べて発熱体の添加量がかなり少ない場合には、支持体と発熱体の焼成条件のずれが大きくなる。従って、支持体に最良の焼成条件となるように焼結すると、発熱体は焼結不足になるものと考えられる。一方、発熱体が最良の焼成条件となるようにすると、支持体は過焼結状態となり、Siが粒成長しすぎるため、強度が低下してクラックが発生する。よって、上述した3〜25重量%の範囲内で、上記式が成立するようにそれぞれの添加量を決めるのがよい。
【0038】
(5)なお、上記実施例では導電性セラミックとして、MoSiの場合について述べたが、導電性セラミックを他の金属の炭化物、窒化物、ホウ化物としてもよく、同様の効果が得られる。これを確認するため、表5に示すように、導電性セラミックをWC、TaC、TiN、ZrBに変更し、それぞれについて、焼結助剤の添加量を上記試料No3(Y:10重量%)、試料No7(Y:7重量%、Al:3重量%)と同じにした2種類の試料を作成して(試料No35〜42)、上記(1)と同様の試験を行なった。結果を表5に併記する。表に明らかなように、導電性セラミックの種類を変更した場合においても、Y添加量を本発明の範囲とすることで、抵抗値変化が小さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性のよいセラミックヒータが得られる。
【0039】
【表1】
Figure 0003594660
【0040】
【表2】
Figure 0003594660
【0041】
【表3】
Figure 0003594660
【0042】
【表4】
Figure 0003594660
【0043】
【表5】
Figure 0003594660
【0044】
【発明の効果】
このように、本発明のセラミックヒータは、高温で使用しても抵抗値の変化が小さく、ガラスの溶出も見られない。しかも耐熱衝撃性に優れ、クラックの発生を防止することができる。従って、グロープラグ等に適用されてその信頼性を大きく向上することができ、工業的利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すセラミックヒータの断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータを適用したディーゼルエンジンのグロープラグの全体断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックヒータ
2 発熱体
3 支持体
4、5 電極線

Claims (3)

  1. 電気絶縁性の支持体と、その先端部に一体に形成される導電性の発熱体を備え、上記支持体および上記発熱体はいずれも導電性セラミックと絶縁性セラミックの混合焼結体よりなり、上記支持体は、導電性セラミック粒子がこれを包む絶縁性セラミック粒子により互いに分断されることにより絶縁性を示し、上記発熱体は、互いに連続する導電性セラミック粒子で絶縁性セラミック粒子を包むことにより導電性を示すセラミックヒータにおいて、上記支持体および発熱体に、焼結助剤として希土類元素の酸化物を1種以上添加するとともに、その添加総量が導電性セラミックと絶縁性セラミックの総量に対して3〜25重量%となるようにしたことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 上記発熱体の焼結助剤の添加総量をX重量%、上記支持体の焼結助剤の添加総量をY重量%としたときに、X、Yが式:X≧0.7×Yを満足するようにしたことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 上記絶縁性セラミックが窒化珪素であり、上記導電性セラミックが金属の炭化物、珪化物、窒化物、またはホウ化物より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし2記載のセラミックヒータ。
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