JP3594206B2 - 光学用粘着剤組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、セルロース系フィルムを保護層に持つ偏光板または位相差フィルムと液晶セルとを接着させる等の光学用に特に有用な粘着剤組成物に関するものである。更に詳しくは、耐久性試験後クロスニコル状態での光漏れ、および光学ムラを抑制する粘着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、2枚の電極基盤の間に液晶を封入し、電極基盤の電極に電圧を印加することによって光学的性質が変化する液晶の特性を利用し、所望の表示パターンを得る素子である。この様な液晶表示素子は、素子の厚みが薄く表示パターンを自由に選択することが出来、かつ、消費電力が非常に低く、低電圧駆動が可能であり、CMOS−ICの直接駆動が出来ることから、電卓、エアコン、電話機などの殆どの表示部分の表示素子として使用されている。例えば、ツイストネマチック型液晶表示素子は、前記2枚の上下電極基盤の外側に偏光板を備えている素子であり、この素子の各ドットにスイッチング素子(TFT)を付けて駆動させられ、カラーフィルターと組み合わせた表示体が液晶テレビや液晶ムービーに使用されている。
【0003】
この液晶表示素子に使用される偏光板の殆どは、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素または2色性色素を吸着または分散させ、一定方向にフィルムを延伸することにより得られる偏光素子膜を使用している。この偏光素子膜は、非常に薄い膜であり、しかも、延伸軸と直角方向の引っ張り力に対して弱いため、一般的には支持体に貼合わせて使用される。この支持体には、三酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロースアセテート等のセルロース系フィルムが一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のセルロース系フィルムを支持体に使用した偏光板は、信頼性試験において光軸のずれを生じ、そして、上下電極基板側に対応する支持体の光軸のずれにより、黒色表示状態で面内のコントラストにバラツキを起こすことが見いだされた。本発明の目的は、信頼性試験後クロスニコル状態での光漏れを制御した偏光板を提供することにあり、具体的には、偏光板の信頼性試験において、光軸のずれに基づく光漏れが発生せず、特に、上下電極基板側に対応する支持体の光軸のずれにより、黒色表示状態で粘着層を介してガラス電極に貼り合わせた偏光板を有する液晶表示素子が信頼性試験後に光漏れが発生しないようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ガラス電極に粘着層を介して貼り合わせた偏光板を有する液晶表示素子について、耐久性試験後に黒色表示状態で生じる光漏れ防止のため、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)アクリル樹脂系粘着剤に可塑剤及び架橋剤を配合したことを特徴とする光学用粘着剤組成物。
(2)アクリル樹脂系粘着剤が異なる重量平均分子量を有するアクリル樹脂の混合物である(1)の光学用粘着剤組成物、
(3)異なる重量平均分子量を有するアクリル樹脂の混合物が重量平均分子量120〜160万のアクリル樹脂と重量平均分子量50〜90万のアクリル樹脂との混合物である(2)の光学用粘着剤組成物、
(4)アクリル樹脂の1成分が分子中にアミド基を有するモノマーの共重合体である(1)ないし(3)の光学用粘着剤組成物、
(5)(1)ないし(4)の光学用粘着剤組成物の層を有する位相差板、
(6)(1)ないし(4)の光学用粘着剤組成物の層を有する偏光板、
(6)MD(Machinery Direction) 方向の抗張力が15kg/mm以上、TD(Transverse Direction) 方向の抗張力が12.5kg/mm以上であるセルロース系フィルムを支持体とする(6)の偏光板、
に関する。
【0006】
【発明の実施の態様】
ここで使用されるアクリル樹脂系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の重合性モノマーとの共重合体があげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル等があげられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは1種または2種以上使用してもよい。他の重合性モノマーとしては、例えば次の3種の重合性モノマー、即ち、分子中にカルボキシル基を有する重合性モノマーや分子中に水酸基を有する重合性モノマー、分子中にアミド基を有する重合性モノマー等があげられる。分子中にカルボキシル基を有する重合性モノマーや分子中に水酸基を有する重合性モノマーは高温下もしくは高湿熱下(信頼性試験)における発泡や剥離を押さえる必要がある場合に使用され、分子中にアミド基を有する重合性モノマーは信頼性試験での酸による劣化を押さえる必要がある場合に使用される。これらの他の重合性モノマーは通常2種以上使用される。又、必要に応じ、任意成分としてさらにスチレン等の官能基不含有の重合性モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル等の、上記の3種の重合性モノマー以外の、重合性モノマーも併用される。
【0007】
分子中にカルボキシル基を有する重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等があげられる。分子中に水酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ(炭素数1〜5)アルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート等のジエチレングリコール(メタ)アクリレート等があげられ、さらにグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等があげられる。分子中にアミド基を有する重合性モノマーとしては、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマーがあげられる。
【0008】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の重合性モノマーの使用割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが50〜98重量%、好ましくは70〜95重量%、他の重合性モノマーが50〜2重量%、好ましくは30〜5重量%程度である。他の重合性モノマー中、分子中にカルボキシル基を有する重合性モノマーを使用する場合は0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、分子中に水酸基を有する重合性モノマーを使用する場合は0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、分子中にアミド基を有する重合性モノマーを使用する場合は1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%程度である。又、任意成分として使用する重合性モノマーは0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%程度である。又、分子中にカルボキシル基を有する重合性モノマーと分子中にアミド基を有する重合性モノマーを併用する場合、分子中にアミド基を有する重合性モノマー成分のアミド基の数は、高温高湿での耐久性や粘着力を考慮すると、樹脂全体のカルボキシル基の数の3〜5倍程度が好ましい。
【0009】
本発明で使用されるアクリル樹脂系粘着剤は、使用するモノマーを有機溶剤に溶解し、一般的な周知方法によりラジカル共重合させることにより容易に製造できる。有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等があげられる。重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等があげられる。
【0010】
本発明で使用されるアクリル樹脂系粘着剤としては、重量平均分子量が120万〜160万、更に好ましくは130万〜150万程度の高分子量のものと、重量平均分子量が50万〜90万、更に好ましくは60万〜80万程度の低分子量のものとの2種の粘着剤を混合したものが好ましい。その混合割合は、高分子量のものを8〜3重量部に対し低分子量のものを3〜7重量部、好ましくは前者を6〜4重量部に対し後者を4〜6重量部程度がよい。又、位相差板や偏光板の支持体であるトリアセテートの信頼性試験での酸による劣化を防止するために、高分子量のものと低分子量のものとのどちらか一方もしくは双方、好ましくは高分子量のもの、に他の重合性モノマーの成分として分子中にアミド基を有する重合性モノマーを使用することが好ましく、更に信頼性試験における発泡や剥離をも考慮すると、分子中にカルボキシル基を有する重合性モノマー、分子中に水酸基を有する重合性モノマー及び分子中にアミド基を有する重合性モノマーの三者を併用することが好ましい。
【0011】
本発明の粘着剤組成物に使用される可塑剤としては、フタル酸エステル系のもの、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル、リン酸エステル系としてリン酸トリフェニルが好ましい。更に好ましくは信頼性の面からフタル酸ジ−2−エチルヘキシルが有用である。また、アクリル樹脂共重合体系粘着剤に対して常用のその他の可塑剤を使用しても良い。可塑剤の使用量はアクリル樹脂系粘着剤に対して1〜40重量%、好ましくは10〜30重量%程度がよい。フタル酸エステル系やリン酸トリフェニル系の可塑剤の場合は20〜30重量%がより好ましい。
【0012】
本発明に用いられる架橋剤としてはアクリル樹脂系粘着剤に対して常用のものであれば特に制限はなく、例えば脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、ブチルエーテル化スチロールメラミン、トリメチロールメラミン等のメラミン化合物、エポキシ樹脂系化合物、金属塩等が用いられる。架橋剤の使用量はアクリル樹脂系粘着剤100重量部あたり0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部程度がよい。
【0013】
ここで、イソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物等があげられる。エポキシ樹脂系化合物としては、例えばビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノエチル)シクロヘキサン等があげられる。金属塩としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム等の多価金属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩、具体的には、例えば塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロム等があげられる。
【0014】
本発明の光学用粘着剤組成物を製造するには、例えばアクリル樹脂系粘着剤、可塑剤、架橋剤を均一に混合すればよい。又、支持体への塗布の容易さを考慮すると、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸エチル等のアクリル樹脂系粘着剤の希釈に通常一般的に使用される溶剤で、不揮発分が15〜20%となるように希釈することが好ましい。
【0015】
本発明の偏光板は、偏光素子膜(偏光フィルム)の少なくとも片面を、例えば三酢酸セルロース膜等のセルロースフィルムから成る支持体で積層接着(粘着)し、該支持体上に本発明の光学用粘着剤組成物の層を、15〜30μm、好ましくは20〜25μmの厚さで、形成することにより作成される。本発明の光学用粘着剤組成物の層にはさらに剥離フィルムでカバーされていてもよい。ここで使用する偏光フィルムは、特に限定されるものではないが、例えば、PVAフィルムにヨウ素または2色性色素を吸着または分散させ、ホウ酸水溶液中でエステル化しながら一軸方向に約3〜5倍に延伸し、加熱乾燥して得ることが出来る。2色性色素としては、例えば酸性染料や直接染料から任意に選ぶことが出来、アゾ系色素、アントラキノン系色素、メチン系色素、シアニン系色素などが挙げられる。また、積層接着(粘着)に使用される接着(粘着)剤としては、例えば、透明性の良好なエポキシ系、ポリエステル系、酢酸ビニルなどの溶剤型接着剤(粘着)、または、アクリル系重合樹脂、ウレタン樹脂などの重合反応により硬化し得る接着(粘着)性樹脂が挙げられる。
【0016】
ここで使用する偏光素子膜の支持体としては、例えばMD方向の抗張力が15kg/mm以上、好ましくは15〜20kg/mm、TD方向の抗張力が12.5kg/mm以上、好ましくは12.5〜15kg/mmのセルロース系フィルムがあげられる。その素材としては、例えば三酢酸セルロースが挙げられる。このセルロース系フィルムは、例えば特開平5−185445号公報に記載の溶液製膜方法で製造される。ここで使用するセルロース系フィルムの膜厚は、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜200μm、更に好ましくは50〜100μm程度である。
【0017】
本発明の位相差板を製造するために使用しうる位相差膜としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)系位相差膜、ポリカーボネート系位相差膜、ポリアリレート系位相差膜、ポリスルホン系位相差膜等があげられるが、特に限定されるものではない。その製法は、例えばPVA系位相差板の場合、PVA膜からなる公知の位相差膜(位相差フィルム)の少なくとも片面を、例えば三酢酸セルロース膜等のセルロースフィルムから成る支持体で積層接着(粘着)し、該支持体上に本発明のの光学用粘着剤組成物の層を、15〜30μm、好ましくは20〜25μmの厚さで、形成することにより作成される。本発明の光学用粘着剤組成物の層にはさらに剥離フィルムでカバーされていてもよい。ここで使用する位相差フィルムは、PVAフィルムをホウ酸水溶液中でエステル化しながら一軸方向に約1.1〜1.2倍に延伸し、加熱乾燥して得ることが出来る。また、積層接着(粘着)に使用される接着(粘着)剤としては、例えば、透明性の良好なエポキシ系、ポリエステル系、酢酸ビニルなどの溶剤型接着剤(粘着)、または、アクリル系重合樹脂、ウレタン樹脂などの重合反応により硬化し得る接着(粘着)性樹脂が挙げられる。
【0018】
ここで使用する位相差膜の支持体としては、例えばMD方向の抗張力が15kg/mm以上、好ましくは15〜20kg/mm、TD方向の抗張力が12.5kg/mm以上、好ましくは12.5〜15kg/mmのセルロース系フィルムがあげられる。その素材としては、例えば三酢酸セルロースが挙げられる。このセルロース系フィルムは、例えば特開平5−185445号公報に記載の溶液製膜方法で製造される。ここで使用するセルロース系フィルムの膜厚は、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜200μm、更に好ましくは50〜100μm程度である。
【0019】
本発明の位相差板は、例えば本発明の偏光板の粘着剤面に貼付され、楕円偏光板として使用される。本発明の位相差板を使用することにより、偏光板の支持体であるセルロース系フィルムの軸ずれを防ぎ、色ムラの発生を解消することができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0021】
実施例1
膜厚25μmのPVA系偏光フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度99.8モル%のPVAフィルムを4倍延伸して得たもの)の両側をMD方向の抗張力が17.1kg/mm、TD方向の抗張力が13.1kg/mmの三酢酸セルロースフィルム(膜厚80μm、商品名TD80U(富士写真フィルム社製))で積層し、図1に示すような偏光板を作成し、基材として用意した。
【0022】
下記の2種類のアクリル樹脂を用意した。
【0023】
アクリル樹脂(A)は次の方法により得た。すなわち、重量平均分子量140万のアクリル樹脂系粘着剤(樹脂成分:アクリル酸n−ブチル/2−ヒドロキシエチルアクリレート/アクリル酸/N,N−ジメチルアクリルアミド=80重量%/1重量%/3重量%/16重量%の共重合物)100重量部に、トリレンジイソシアネート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物(架橋剤)3重量部、γ−グリシドキシプロピルシラン1重量部を配合して高分子量タイプのアクリル樹脂(A)を得た。
【0024】
アクリル樹脂(B)は次の方法により得た。重量平均分子量70万のアクリル樹脂系粘着剤(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=80重量%/18重量%/2重量%の共重合物)100重量部に、トリレンジイソシアネート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物(架橋剤)3重量部、γ−グリシドキシプロピルシラン1重量部を配合して低分子量タイプのアクリル樹脂(B)を得た。
【0025】
上記、アクリル樹脂(A)と(B)を1対1の割合で配合し、フタル酸ジオクチル(可塑剤)を3重量部添加配合した後、不揮発分が15%になるようにMEKで希釈し、本発明の粘着剤組成物とした。この本発明の粘着剤組成物を剥離フィルム上に乾燥後の膜厚が20〜30μmになるように塗布し乾燥後、三酢酸セルロースフィルムを保護層とするポリビニルアルコール系偏光板(ポリビニルアルコール系偏光性フィルムの平均重合度1700、平均ケン化度99.5モル%、5倍延伸)の三酢酸セルロースフィルム側に積層し、ローラーで押圧して本発明の粘着剤組成物層を有する偏光板を作成した。
【0026】
実施例2
実施例1の粘着剤組成物中の可塑剤のフタル酸ジオクチルをリン酸トリフェニルに代えた他は、実施例1と同様にして本発明の粘着剤組成物層を有する偏光板を作成した。
【0027】
比較例1
アクリル樹脂(C)を次の方法により得た。重量平均分子量140万のアクリル樹脂系粘着剤(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート=94.5重量%/5重量%/0.5重量%の共重合物)100重量部に、トリレンジイソシアネート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物3重量部、γ−グリシドキシプロピルシラン1重量部を配合して本発明に対する比較のための酸を有する高分子量タイプのアクリル樹脂(C)を得た。以下、可塑剤を添加せずに、実施例1と同様にして、粘着剤組成物層を有する偏光板を作成した。
【0028】
比較例2
実施例1の粘着剤組成物で、架橋剤及び可塑剤を添加せずにアクリル樹脂(A)だけを使用した他は、実施例1と同じ方法で粘着剤組成物層を有する偏光板を作成した。
【0029】
試験例1
吸収軸を45゜(又は135゜)とし、実施例1〜2及び比較例1で作成した偏光板を120mm×90mmのサイズにカットして剥離フィルムを剥離した後ガラス板に貼り合わせ、各2枚ごとを100℃の条件下または60℃/95%RHの条件下に24時間放置した(信頼性試験条件に相当する)。次いで、クロスニコル状態とし、図2に示す測定位置(A:面内中央部、B:長辺中央より1cm内側部)での輝度%(C1,C2)を測定し、輝度比(C2/C1)を算出した。図2中、(10)、(20)はそれぞれ偏光板を表す。輝度%は、光源の輝度を100としたときの値であり、その値が小さいほど光漏れが少ないことを意味する。また、輝度比は、その値が小さいほど液晶表示装置面内のコントラストのバラツキが少ないことを意味する。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003594206
【0031】
実施例3
実施例1で得た本発明の粘着剤組成物を剥離フィルム上に乾燥後の膜厚が20〜30μmになるように塗布し乾燥後、三酢酸セルロースフィルムを保護層とするポリビニルアルコール(PVA)系位相差板(PVA系位相差フィルムの平均重合度1700、平均ケン化度99.5モル%、1.1倍延伸、位相差値450nm)の三酢酸セルロースフィルム側に積層し、ローラーで押圧して本発明の粘着剤組成物層を有する位相差板を作成した。
【0032】
試験例2
実施例1で得た本発明の偏光板の上に本発明の粘着剤組成物を乾燥後の膜厚が20〜30μmになるように塗布し乾燥後、偏光板を15°、実施例3の粘着剤組成物層を有するPVA系位相差板を75°の軸角度で貼り合わせて楕円偏光板を作成した。このものを120mm×90mmのサイズにカットし剥離フィルムを剥離した後ガラス板に貼り合わせ、70℃の恒温糟中に48時間放置後図4に示す測定位置(A:面内中央部、B:長辺中央より1cm内側部)での色相(L、a、b:CIA1976により定められた表色法である)を輝度計「TOPCON BM−5A」((株)トプコン製)で測定し、耐久性試験前後の色相変化を比較した。尚、比較例1で使用したアクリル樹脂(C)を粘着剤組成物として使用したものを比較例3とした。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0003594206
【0034】
【発明の効果】
本発明の粘着剤組成物を使用することにより、光漏れによる液晶表示装置面内のコントラストのバラツキが少なくなり表示品位が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の構成の説明図である。
【図2】実施例1、2および比較例1、2における透過率の測定位置(AおよびB)を示す説明図である。
【図3】楕円偏光板の構成の説明図である。
【図4】実施例3および比較例3における輝度計による色相変化の測定の説明図である。
【符号の説明】
1:支持体
2:偏光素子膜
10:偏光板
20:偏光板
30:位相差板

Claims (5)

  1. 重量平均分子量120万〜160万のアクリル樹脂と重量平均分子量50万〜90万のアクリル樹脂の混合物からなるアクリル樹脂系粘着剤に可塑剤及び架橋剤を配合したことを特徴とする光学用粘着剤組成物。
  2. アクリル樹脂の1成分が分子中にアミド基を有するモノマーの共重合体である請求項1の光学用粘着剤組成物。
  3. 請求項1ないし2のいずれか一項の光学用粘着剤組成物の層を有する位相差板。
  4. 請求項1ないし2のいずれか一項の光学用粘着剤組成物の層を有する偏光板。
  5. MD(Machinery Direction)方向の抗張力が15kg/mm以上、TD(Transverse Direction)方向の抗張力が12.5kg/mm以上であるセルロース系フィルムを支持体とする請求項4の偏光板。
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