JP3591317B2 - 内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置 - Google Patents

内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気再循環制御装置に対して設けられる排気還流バルブ強制駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
精密な排気再循環制御を行うために、排気還流バルブの開度を精密に制御する排気再循環制御装置が知られている。この排気再循環制御装置に用いられる排気還流バルブにおいては、排気還流バルブの開度が常に全開位置まで開かれるとは限らず、長期にわたって限られた開度範囲しか開度が調節されない場合が存在する。
【0003】
このような限られた範囲の開度調整が継続すると、排気還流バルブの弁体をアクチュエータ側に接続しているロッドにおいて、ロッドシール部を通過する部分が限られることになる。このためロッド表面の一部しか、ロッドシール部によるデポジットの除去がなされないことになり、他の部分ではデポジットが長期間剥がれずに存在することになる。このような状況が生じると、ロッドにデポジットが固着してロッドシール部が接触するようになっても簡単に剥がれなくなり、弁体移動の障害となって排気還流バルブ開度制御に支障を来すおそれが出てくる。
【0004】
デポジットの固着を防止するために、内燃機関の運転中に排気還流バルブを全開まで強制駆動することが考えられるが、このような強制的駆動は燃焼悪化を招き、内燃機関の出力、エミッションあるいは燃費に悪影響を与えるので、内燃機関運転中では排気還流バルブの強制駆動によるデポジットの除去は困難と考えられる。
【0005】
この問題を解決するために、内燃機関の運転停止時に排気還流バルブを全開状態と全閉状態との間で強制的に駆動させる装置が提案されている(特開平8−303307号公報)。すなわち、この機関停止時での排気還流バルブ強制駆動によって、ロッドの全摺動面に付着しているデポジットを剥がして、ロッドの固着を防止しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術は、内燃機関の停止タイミングにて排気還流バルブを全開状態と全閉状態との間で強制的に駆動しているので、内燃機関の停止後、直ちに再始動が行われた場合、排気還流バルブが大きく開いている状況での始動となってしまう。このような状態では十分な酸素がシリンダに供給されずに、始動不良を生じるおそれがあった。
【0007】
この他に、イグニッションをオンした際に、排気還流バルブを最大力で全開にする装置(特開平7−293355号公報)も提案されているが、上述した従来技術と同様な問題が存在する。
【0008】
本発明は、上述したごとくの内燃機関の始動への悪影響を生じることなく、内燃機関の運転中でも排気還流バルブを強制的に全開状態に駆動させてデポジットを取り除くことができる内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置は、内燃機関の排気の一部を吸気側に再循環させる排気還流経路と、前記排気還流経路に設けられて該排気還流経路の開度を調整する排気還流バルブと、前記排気還流バルブを駆動するアクチュエータと、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段にて検出された内燃機関の運転状態に基づいて前記排気還流バルブの要求開度を求める要求開度設定手段と、前記排気還流バルブの実開度が前記要求開度設定手段にて設定された要求開度となるように前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動制御手段とを備えた内燃機関の排気再循環制御装置に対して設けられる排気還流バルブ強制駆動装置であって、前記排気還流バルブに付着した異物を取り除くために、前記アクチュエータを作動させて、前記排気還流バルブを強制的に全開にする強制駆動手段と、前記要求開度設定手段にて求められた要求開度または前記排気還流バルブの実開度が強制駆動判定開度よりも大きい場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可する強制駆動許可手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
強制駆動許可手段は、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ない状況下にあることが判明すると、内燃機関が運転されていても排気還流バルブの全開制御が内燃機関の燃焼に悪影響を与えることがないことから、強制駆動手段の作動を許可する。このことにより、作動が許可された強制駆動手段は、アクチュエータを作動させて、排気還流バルブを強制的に全開まで駆動させる。
【0011】
こうして、排気還流バルブに付着した異物を、内燃機関の運転中においても取り除くことができる。しかも、排気還流バルブを全開にするのは内燃機関停止とは無関係なので従来技術におけるような始動不良を招くことはない。
【0013】
ここで、排気還流バルブの要求開度または実開度が全開に近いほど、強制駆動手段の作動前後、すなわち排気還流バルブの強制的全開制御の前後で、排気環流率の変動が少なくなる傾向にある。このことから、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ないとの推定は、具体的には、排気還流バルブの要求開度または実開度が全開に近いことを判定するための強制駆動判定開度を定めて、要求開度設定手段にて求められた要求開度または排気還流バルブの実開度が上記強制駆動判定開度よりも大きい場合になすことができる。このようにして、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ないとの推定を容易に行うことができる
【0014】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1記載の構成に対して、前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段とを備えるとともに、前記強制駆動許可手段は、更に、前記負荷検出手段により検出された前記内燃機関の負荷が強制駆動可能負荷範囲にある場合、および前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数が強制駆動可能回転数範囲にある場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする。
【0015】
この強制駆動許可手段においては、前記請求項に記載した条件に加えて、更に、内燃機関の負荷が強制駆動可能負荷範囲にある条件および内燃機関の回転数が強制駆動可能回転数範囲にある条件を判定して、この条件も満足された場合に、アクチュエータの作動を許可している。
【0016】
このような強制駆動可能負荷範囲や強制駆動可能回転数範囲は、排気環流率の変動が少々大きくなっても内燃機関の燃焼に悪影響を与えることのない内燃機関運転状態を意味する。例えば、排気還流バルブの開度が大きくなる中負荷中回転数の特定の範囲である。したがって、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ない状況を一層適切に判断でき、請求項1に述べた作用効果を適切に生じさせることができる。
【0017】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に対して、前記内燃機関の負荷は、燃料噴射量、吸入空気量、スロットル開度、空燃比および吸気管圧力から選ばれた1つ以上からなる状態量であることを特徴とする。
【0018】
このように、具体的には、燃料噴射量、吸入空気量、スロットル開度、空燃比および吸気管圧力から選ばれた1つ以上からなる状態量を、内燃機関の負荷として用いて前記請求項の作用効果を適切に生じさせることができる。
【0019】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1記載の構成に対して、前記内燃機関は、少なくとも成層燃焼を含む複数の燃焼方式から前記内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を選択し燃焼制御を実行するタイプであるとともに、前記強制駆動許可手段は、更に、前記成層燃焼が実行されている場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする。
【0020】
強制駆動許可手段において、前記請求項に記載した条件に加えて、更に、成層燃焼が実行されている条件を判定して、この条件も満足された場合に、アクチュエータの作動を許可している。成層燃焼は混合気中の燃料を希薄状態にする場合に実行される燃焼方式であり、吸入空気量を大きくするためにスロットルバルブは比較的大きく開かれる。このため排気還流バルブの開度変化に対する排気環流率の変動が少なくなる傾向にある。したがって、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ない状況を一層適切に判断でき、請求項1に述べた作用効果を適切に生じさせることができる。
【0021】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1記載の構成に対して、前記内燃機関は燃料を直接シリンダ内に噴射するタイプであるとともに、前記強制駆動許可手段は、更に、燃料噴射が圧縮行程にて実行される燃料噴射制御が実行されている場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする。
【0022】
燃料噴射が圧縮行程にて実行されるのは、前述した成層燃焼を行うためであり、このように圧縮行程噴射を条件に加えることにより、請求項にて述べた作用効果を生じる。
【0023】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置は、請求項1〜のいずれか記載の構成に対して、前記内燃機関は、該内燃機関の運転状態に応じて強制的に吸入空気量を減少させ、かつ燃料濃度を濃くするように空燃比を制御するリッチスパイク制御を実行するタイプであるとともに、前記強制駆動許可手段は、請求項1〜のいずれか記載の強制駆動許可手段の構成に加えて、更に、前記リッチスパイク制御が行われている場合には、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しないことを特徴とする。
【0024】
このようなリッチスパイク制御が行われている場合は、吸入空気量が少なくなって、排気還流バルブの開度変化に対する排気環流率の変動が大きくなる傾向にある。したがって強制的に全開にする影響が内燃機関の燃焼に大きく現れるおそれがあることから、強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しないこととして、内燃機関の燃焼を良好に維持する。
【0025】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に加えて、前記強制駆動許可手段は、更に、前記リッチスパイク制御が行われていない期間であっても前記リッチスパイクが実行された直後または実行される直前に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しない不許可期間を設けていることを特徴とする。
【0026】
排気還流バルブの応答遅れ、あるいは吸入空気量制御の応答遅れなどにより、リッチスパイク制御に入る直前や出た直後では、吸気の少ない状態と排気還流バルブ開度の変化とが重なる場合もあり、これを防止するために不許可期間を設けることとして、内燃機関の燃焼を良好に維持する。
【0027】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜のいずれか記載の構成に加えて、前記強制駆動許可手段は、更に、前記強制駆動手段の作動後に作動禁止期間を設定し、該作動禁止期間中は前記強制駆動手段の作動を許可しないことを特徴とする。
【0028】
このように、強制駆動手段の作動後に作動禁止期間を設けることにより、強制駆動の回数を制御することができるので、必要以上に強制駆動が実行されることが抑制され、内燃機関の燃焼を良好に維持することができる。
【0029】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に対して、前記作動禁止期間は、前記強制駆動手段の作動後に前記内燃機関の運転が継続している期間であることを特徴とする。
【0030】
すなわち、強制駆動許可手段は、強制駆動手段が一旦作動した後において内燃機関の運転が継続している限りは、次の強制駆動手段の作動は許可しない。このようにアクチュエータの駆動頻度を制限することにより、必要以上に強制駆動が実行されるのを防止できる。
【0031】
請求項10記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置は、請求項記載の構成に対して、前記作動禁止期間は、時間の長さで設定されていることを特徴とする。
【0032】
このように作動禁止期間は、時間の長さで設定してもよく、必要以上に強制駆動が実行されるのを防止できる。
請求項11記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に対して、前記内燃機関は、自動車に搭載されて該自動車を駆動走行するためのものであり、前記作動禁止期間は、前記自動車の走行距離の長さで設定されていることを特徴とする。
【0033】
このように作動禁止期間は、自動車の走行距離の長さで設定してもよく、必要以上に強制駆動が実行されるのを防止できる。
請求項12記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜11のいずれか記載の構成に対して、前記強制駆動許可手段は、前記アクチュエータの作動を許可する条件成立の回数が、強制作動許容回数より大きくなった場合にのみ、実際に前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする。
【0034】
このように、各請求項における強制駆動許可手段において、各請求項において述べた条件が成立したら直ちに許可するのではなく、この条件成立の回数が、強制作動許容回数より大きくなった場合にのみ、実際に強制駆動手段によるアクチュエータの作動を許可するようにしてもよい。このことにより、強制駆動の回数を制限することができるので、必要以上に強制駆動が実行されることが抑制され、内燃機関の燃焼を良好に維持することができる。
【0035】
請求項13記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜12のいずれか記載の構成に対して、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動が実行されるに伴い、前記内燃機関の吸入空気量を増大させる吸入空気量増大手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
このように強制駆動手段によるアクチュエータの作動実行時に、積極的に吸入空気量を増加させることにより、より一層、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少なくなり、内燃機関の燃焼性を一層良好に維持することができる。
【0037】
請求項14記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項13記載の構成に対して、前記吸入空気量増大手段は、前記内燃機関のスロットルバルブの開度を増大させることにより、吸入空気量を増大させることを特徴とする。
【0038】
このように、スロットルバルブの開度を増大させることにより、吸入空気量を増大させることができ、請求項13に述べた作用効果を生じさせることができる。
【0039】
請求項15記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜14のいずれか記載の構成に対して、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動が実行されるに伴い、前記内燃機関の点火時期を進角させる点火時期進角手段を備えたことを特徴とする。
【0040】
排気還流バルブが開くと適切な点火時期は進角する傾向にある。したがって、強制駆動手段によるアクチュエータの作動実行時に、積極的に点火時期を進角させることにより、内燃機関の燃焼性を一層良好に維持することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1としての筒内噴射式内燃機関および排気再循環制御装置(以下、EGR装置と称する)の概略構成を表すブロック図である。
【0042】
筒内噴射式内燃機関としてのガソリンエンジン1は、4つのシリンダ1aを有している。図2〜図5にも示すごとく、各シリンダ1aには、シリンダブロック2、シリンダブロック2内で往復動するピストン3、およびシリンダブロック2上に取り付けられたシリンダヘッド4にて区画された燃焼室5がそれぞれ形成されている。
【0043】
そして各燃焼室5には、それぞれ第1吸気弁6a、第2吸気弁6bおよび一対の排気弁8が設けられている。この内、第1吸気弁6aは第1吸気ポート7aに接続され、第2吸気弁6bは第2吸気ポート7bに接続され、一対の排気弁8は一対の排気ポート9にそれぞれ接続されている。
【0044】
図2はシリンダヘッド4の平面断面図であって、図示されるように第1吸気ポート7aはヘリカル型吸気ポートであり、第2吸気ポート7bは略直線状に延びるストレート型吸気ポートである。また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、第1吸気弁6aおよび第2吸気弁6b近傍のシリンダヘッド4の内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置されている。
【0045】
図3はピストン3における頂面の平面図、図4は図2におけるX−X断面図、図5は図2におけるY−Y断面図であり、図示される様にピストン3の頂面上には燃料噴射弁11の下方から点火プラグ10の下方まで延びる略円形の輪郭形状を有する浅皿部12が形成され、浅皿部12の中央部には、略半球形状をなす深皿部13が形成され、点火プラグ下方の浅皿部12と深皿部13との接続部には略球形状をなす凹部14が形成されている。
【0046】
図1に示したごとく、各シリンダ1aの第1吸気ポート7aおよび第2吸気ポート7bはそれぞれ吸気マニホールド15内に形成された第1吸気通路15aおよび第2吸気通路15bを介してサージタンク16に連結され、各第2吸気通路15b内にはそれぞれ旋回流制御弁17が配置されている。これらの旋回流制御弁17は共通のシャフト18を介してモータ19(DCモータまたはステップモータ)に連結されている。このモータ19は電子制御ユニット(以下ECUという)30の出力信号に基づいて制御される。
【0047】
サージタンク16は吸気ダクト20を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20内にはモータ22(DCモータまたはステップモータ)によって駆動されるスロットルバルブ23が配置されている。このスロットルバルブ23は基本的には後述する図8に示すごとくの開度制御がなされる。
【0048】
また、各シリンダ1aの各排気ポート9はそれぞれ排気通路9aが設けられて第1三元触媒コンバータ9bに接続されている。この第1三元触媒コンバータ9bの下流側には排気マニホルド24が連結され、更に排気マニホルド24の下流側には第2三元触媒コンバータ24aが接続されている。なお、第1三元触媒コンバータ9bは通常タイプの三元触媒が用いられているが、第2三元触媒コンバータ24aは窒素酸化物吸蔵還元型三元触媒が用いられている。これは、希薄燃焼時に酸化雰囲気となって第1三元触媒コンバータ9bにより窒素酸化物が還元されなくても、第2三元触媒コンバータ24aが窒素酸化物を吸着し貯蔵することにより外部に窒素酸化物を放出しないようにするためである。ただし、第2三元触媒コンバータ24aでの吸蔵量が飽和状態に近づくと後述するリッチスパイク制御により一時的に空燃比が燃料濃度が濃い方に制御されて、第2三元触媒コンバータ24aに吸蔵されている窒素酸化物が還元され、吸蔵量が削減されるようになっている。
【0049】
また、排気マニホルド24からは、排気の一部をサージタンク16側に再循環させる排気還流経路29aが設けられ、排気還流経路29aの途中には排気還流バルブ(以下、EGRバルブと称する)29が設けられている。
【0050】
ガソリンエンジン1の燃焼制御やEGRバルブ29の開度制御等を行うECU30は、ディジタルコンピュータからなり、内部には双方向性バスを介して相互に接続されたCPU(マイクロプロセッサ)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、スタンバイRAM、入力ポート、出力ポート、AD変換器、各種駆動回路等を備えた構成とされている。
【0051】
アクセルペダル25にはアクセル開度センサ26が接続され、アクセルペダル25の踏込み量に比例した出力電圧を、ECU30に対してAD変換器を介して入力ポートに入力している。
【0052】
上死点センサ27は例えば1番シリンダ1aが吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、この出力パルスがECU30の入力ポートに入力される。クランク角センサ28は、例えば図示してないクランクシャフトが30度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスがECU30の入力ポートに入力される。ECU30のCPUでは上死点センサ27の出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスから現在のクランク角が計算され、クランク角センサ28の出力パルスからエンジン回転数が計算される。
【0053】
シャフト18にはSCV開度センサ19aが設けられて、旋回流制御弁17の開度に対応した出力電圧を、ECU30に対してAD変換器を介して入力ポートに入力している。サージタンク16には、吸気圧センサ39が設けられ、サージタンク16内の吸気圧PM(吸気管圧力:絶対圧)に対応した出力電圧を、ECU30に対してAD変換器を介して入力ポートに入力している。排気マニホルド24には空燃比センサ41が設けられ、空燃比に応じた出力電圧を、ECU30に対してAD変換器を介して入力ポートに入力している。
【0054】
また、ECU30の入力ポートには走行距離計32が接続されて自動車の走行距離データが入力されている。
ECU30の出力ポートは、駆動回路を介して各燃料噴射弁11および各モータ19,22に接続されている。
【0055】
また、ECU30の別の出力ポートは、EGRバルブ29用の駆動回路を介してEGRバルブ29に接続されている。ここで、電気制御式の流量制御弁として構成されているEGRバルブ29の構成の詳細を図6に示す。
【0056】
EGRバルブ29のハウジングは、コネクタ部52aとともにステッピングモータ52を固定板52bにて取り付けている上部ハウジング54と、弁体56を収容した下部ハウジング58と、これら各ハウジング54,58を上下方向で連結する中間ハウジング60とを備えて3分割で構成されている。これら各ハウジング54,58,60および固定板52bは、ボルト62によって一体に組み立てられている。
【0057】
下部ハウジング58には、排気還流経路29aの内の排気通路9a側部分に接続される流入口64と、排気還流経路29aの内のサージタンク16側部分に接続される流出口66とがそれぞれ形成され、これら流入口64と流出口66とは、下部ハウジング58の軸方向(図示上下方向)に形成された弁体収容孔68を介して接続されている。
【0058】
弁体収容孔68内には、弁体56が軸方向に移動可能に配置されている。この弁体56は、弁体収容孔68内に軸方向に挿通された小径棒状の弁軸56aと、この弁軸56aの下端側に一体的に形成され下面にテーパ状のバルブフェース56cを有する弁部56bとを備えて、内開き式のポペット弁として構成されている。
【0059】
弁軸56aは、中間ハウジング60の弁軸貫通孔60dに嵌装されたガスシール70の貫通孔70aおよびストッパー72の貫通孔72b内に、微小クリアランスを介して挿通されている。また弁部56bのバルブフェース56cは、弁体収容孔68の下側に嵌着された弁座部材74に軸方向上側から当接するように配置されている。
【0060】
更に、中間ハウジング60に形成されている空間部60a内に達している弁軸56aの上端には、円盤状のバネ受け部材76が固着され、このバネ受け部材76と上部ハウジング54の下面との間には、弁体56を常時閉弁方向(下方向)へ付勢する弁バネ78が配設されている。なお、バネ受け部材76にはその縁部に突起76aが設けられて、空間部60aの内周面に上下方向に設けられた溝60bに挿入されている。このことでバネ受け部材76は上下方向に移動可能であるが軸方向に回転しないようにガイドされる。
【0061】
上部ハウジング54上に配置されているステッピングモータ52は、弁軸56aと同軸に配設されたロータ80と、このロータ80の外周側に上下に離間して設けられた2個のステータ82とを備えてステッピングモータとして構成されている。
【0062】
ロータ80は、略筒状のホルダ80aと、このホルダ80aの外周側に設けられた筒状の永久磁石80bとを備え、この永久磁石80bには、複数の磁極(N極,S極)が周方向に互い違いで着磁されている。そして、ホルダ80aの内周側にはロータ80の中心にロータシャフト86が取り付けられている。このロータシャフト86は上部ハウジング54の中心孔54aに取り付けられているベアリング84にて回転可能に支持されている。すなわち、ロータ80とロータシャフト86とは一体で回転可能にベアリング84を介して上部ハウジング54に支持されている。
【0063】
このロータシャフト86の下部はスパイラル状の溝が形成された雄ネジ部86aを形成し、上部ハウジング54の中心孔54aから、円筒状の貫通孔54b内を通過して、中間ハウジング60の空間部60aへ貫通している。
【0064】
貫通孔54b内には、雌ネジ部材88の円筒状の雌ネジ部88aが上下方向に摺動可能に挿入されている。この雌ネジ部88aの内周面にはスパイラル状の溝が形成されていて、ロータシャフト86の雄ネジ部86aが螺入されている。なお、雌ネジ部材88はバネ受け部材76に対してその脚部88bにて係合しているため、バネ受け部材76の突起76aと溝60bとの作用により、ロータシャフト86が回転しても雌ネジ部材88は回転せず、上下動のみ可能となっている。また、バネ受け部材76と雌ネジ部材88との間には、バネ90が配置されて、バネ受け部材76と雌ネジ部材88とが離間する方向に付勢力を与えている。このため、弁部56bと弁座部材74との間に異物が挟まれた場合にバネ90が縮むことでステッピングモータ52に大きな衝撃が生じることがなく、ステッピングモータ52の耐久性を向上させることができる。
【0065】
一方、上下に離間してロータ80の外周側に設けられた各ステータ82の各巻線は、それぞれ例えば3個の独立巻線からなり、ターミナル92にそれぞれ接続され、これら各ターミナル92は、上部ハウジング54に設けられたコネクタ部52a内に延びている。
【0066】
そして、このステッピングモータ52は、ECU30からターミナル92を介してパルス信号が印加されると、このパルス数に応じた分だけ正逆回転し、この回転力がロータシャフト86と雌ネジ部材88とによって、弁体56の上下方向の直線運動に変換される。このことにより、弁体56の開度制御を実行することができる。
【0067】
前述したごとく、ガスシール70の下側には、弁軸56aの外周側に位置して略円錐筒状のストッパー72が設けられている。このストッパー72は、弁部56b位置の上限を規定するとともに、弁軸56aに付着した異物を除去してガスシール70や空間部60a内への異物侵入を防止するためのものである。ストッパー72は、例えばステンレス鋼板等の少なくとも耐熱性を備えた材料からなり、弁軸56aの外径寸法よりも僅かに大きい内径寸法を有する貫通孔72bを有し、弁軸56aを貫通させている。そして、ストッパー72の小径側の下端面72aが弁体56の弁部56b側に対面するようにして配置されている。この下端面72aにおける貫通孔72bの内縁部が、弁軸56aの移動時に弁軸56aに付着した異物を剥ぎ落とす作用を生じる。
【0068】
なお、中間ハウジング60からは2本のニップル94(図6では2本のニップル94が重なっているので1本しか示していない)が突出している。このニップル94は、冷却水通路60cを介して中間ハウジング60の空間部60a内に冷却水を循環させる。このことにより、中間ハウジング60および弁体56等を冷却して、排気温度がステッピングモータ52に影響しないようにしている。
【0069】
次に、ガソリンエンジン1に対してECU30が実行する燃焼制御について説明する。
本ガソリンエンジン1では、エンジン回転数NEと、後述するリーン燃料噴射量QLとに基づいて図7(A)に示されるような4つのエンジン運転領域Rl,R2,R3,R4が定められており、各運転領域に対して目標空燃比および燃料噴射時期がそれぞれ定められている。すなわち、図7(B〉に示されるように運転領域Rl,R2,R3では目標空燃比が理論空燃比よりも燃料濃度が薄いリーン空燃比(第2三元触媒コンバータ24aへの窒素酸化物の吸蔵量に応じて後述するリッチスパイク制御されることもある)とされ、これに対し運転領域R4では目標空燃比が理論空燃比(あるいは運転状態により理論空燃比より燃料が濃いリッチ空燃比)とされる。なお、これら運転領域はエンジン回転数NEおよびリーン燃料噴射量QLとの関数として図7(A)に示すマップの形で予めECU30内のROM内に記憶されている。
【0070】
次に、3つの運転領域Rl,R2,R3における制御方法について説明する。まず、初めに、スロットルバルブ23の開度THROTを設定するためのテーブルを示す図8を参照すると、アクセルペダル25の踏み込み量ACCPが後述するしきい値ACCP3よりも小さい運転領域Rl,R2,R3において、スロットル開度THROTは各運転領域R1,R2,R3毎に、アクセルペダル25の踏み込み量ACCPが大きくなると大きくされる。
【0071】
一方、運転領域Rl,R2,R3において旋回流制御弁17の開度は小さくされるか、あるいは小さく維持される。したがって、目標空燃比がリーン空燃比である運転領域Rl,R2,R3には燃焼室5内に旋回流S(図2)が形成される。
【0072】
図9は運転領域Rl,R2,R3における燃料噴射量であるリーン燃料噴射量QLと燃料噴射時期とを示している。このリーン燃料噴射量QLは、目標空燃比がリーン空燃比であるときに、空燃比を目標リーン空燃比とし、かつ出力トルクを要求トルクとするのに最適な燃料噴射量であって、予め実験により求められている値である。
【0073】
図7(B)および図9を参照すると、リーン燃料噴射量QLがしきい値QQlよりも少なく、したがってアクセルペダル25の踏み込み量ACCPがしきい値ACCPlよりも小さい運転領域Rlでは、圧縮行程末期に1回だけ燃料が噴射される。このときの燃料噴射量QCは図9に示されるようにアクセルペダル25の踏み込み量ACCPが大きくなるにつれて増大する。この噴射燃料は深皿部13の周壁面に衝突する。深皿部13の周壁面に衝突した燃料は旋回流Sによって気化せしめられつつ拡散され、それによって凹部14および深皿部13内に混合気が形成される。このとき凹部14および深皿部13以外の燃焼室5内は空気で満たされている。そしてこの混合気が点火プラグ10によって着火される。この圧縮行程での燃料噴射は成層燃焼となる。
【0074】
一方、リーン燃料噴射量QLがしきい値QQlとしきい値QQ2との間であり、したがってアクセルペダル25の踏み込み量ACCPがしきい値ACCPlとしきい値ACCP2との間である運転領域R2では、図7(B)および図9に示されるように、吸気行程に第1回目の燃料噴射が行われ、次いで圧縮行程末期に第2回目の燃料噴射が行われる。すなわち、第1回目の噴射燃料は吸入空気と共に燃焼室5内に流入し、この噴射燃料によって燃焼室5内に均質な稀薄混合気が形成される。次いで圧縮行程末期に第2回目の燃料噴射が行われる。このときには深皿部13および浅皿部12の双方に向けて燃料が噴射される。この噴射の結果、凹部14および深皿部13内には火種となる着火可能な空燃比の混合気が形成される。この混合気が点火プラグ10によって着火され、この着火火炎によって燃焼室5内全体を占める稀薄混合気が燃焼される。この場合も圧縮行程での燃料噴射があるので成層燃焼となる。
【0075】
ところで運転領域R2では、次に説明する運転領域R3に比べて燃料噴射量が少ないので、燃焼室5内全体を占める混合気はかなり稀薄となる。しかしながらこのとき旋回流制御弁17の開度が小さく維持されるために燃焼室5内には強力な旋回流が発生する。このように運転領域R2では第1回目の燃料噴射により形成された燃焼室5内全体を占める混合気はかなり稀薄となるが強力な旋回流が発生するために、火炎が稀薄混合気中を急速に伝播する。したがって混合気が稀薄であっても良好な燃焼が得られることになる。なお、この場合、圧縮行程末期に噴射される燃料は火種を作れば十分であるのでアクセルペダル25の踏み込み量ACCPにかかわらずに圧縮行程末期に噴射される燃料噴射量QCは一定に維持されている。これに対して吸気行程に噴射される燃料噴射量QIはアクセルペダル25の踏み込み量ACCPが大きくなるにつれて増大する。
【0076】
リーン燃料噴射量QLがしきい値QQ2としきい値QQ3との間であり、したがってアクセルペダル25の踏み込み量ACCPがしきい値ACCP2としきい値ACCP3との間である運転領域R3では図7(B)および図9に示されるように、吸気行程に1回だけ燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と共に燃焼室5内に流入し、この噴射燃料によって燃焼室5内には着火可能な均質混合気が形成される。すなわち、運転領域R3は均質燃焼領域となる。このときの燃料噴射量QIはアクセルペダル25の踏み込み量ACCPが大きくなるにつれて増大する。
【0077】
次に、目標空燃比が理論空燃比である運転領域R4における制御方法について説明する。
リーン燃料噴射量QLがしきい値QQ3よりも多く、したがってアクセルペダル25の踏み込み量ACCPがしきい値ACCP3よりも大きい運転領域R4では図7(B)に示されるように、運転領域R3と同様に、吸気行程に1回だけ燃料噴射が行われ、この噴射燃料によって燃焼室5内に理論空燃比(場合により理論空燃比より燃料濃度が濃いリッチ空燃比)の均質混合気が形成される。すなわち、運転領域R4は均質燃焼領域となる。このときの燃料噴射量Qは、ECU30にて行われる燃料噴射量算出処理(図示していない)にて、理論空燃比基本燃料噴射量QBSや空燃比フィードバック補正係数FAF等に基づいて算出される。なお、理論空燃比基本燃料噴射量QBSは図7(A)に示される運転領域R4をカバーするように、サージタンク16内の吸気圧PMとエンジン回転数NEとの関数として図10に示すマップの形で予めECU30のROM内に記憶されている。空燃比フィードバック補正係数FAFは、空燃比を理論空燃比に一致させるためのものである。この空燃比フィードバック補正係数FAFは空燃比センサ41の出力信号に基づいて制御され、このとき空燃比フィードバック補正係数FAFは、安定した状態では1.0を中心として変動する。
【0078】
一方、再び図8を参照すると、アクセルペダル25の踏み込み量ACCPがしきい値ACCP3よりも大きい運転領域R4ではスロットル開度THROTはアクセルペダル25の踏み込み量ACCPが大きくなるにつれて大きくされる。なお、スロットル開度THROTはアクセルペダル25の踏み込み量ACCPの関数として図8に示されるテーブルの形で予めECU30のROM内に記憶されている。
【0079】
このように、運転領域R4ではリーン燃料噴射量QLを用いることなく燃料噴射量Qが算出される。したがって、運転領域R4ではリーン燃料噴射量QLを算出する必要はない。しかしながら、ここでは運転領域が図7(A)に示されるいずれの運転領域にあるかを判断するために運転領域R4においてもリーン燃料噴射量QLの算出が継続される。
【0080】
図11は、運転領域R4における旋回流制御弁17の目標開度OPを設定するためのマップを示している。このマップは図中で、大中小にて値の傾向を表しているごとく、エンジン負荷を表す吸気圧PMが高くなるにつれて、あるいはエンジン回転数NEが高くなるにつれて、旋回流制御弁の目標開度OPが大きくなるように設定されている。なお、この大中小にて傾向を示している部分は、例えば30%以下の小さい開度の範囲で調整されている。そして、ある程度、吸気圧PMとエンジン回転数NEとが高い領域Tで旋回流制御弁の目標開度OP=100%、すなわち旋回流制御弁17が全開に制御される。その結果、高負荷高回転域では、多量の吸入空気量を確保することができ、ポンピングロスを低減することができる。このように旋回流制御弁17は吸気制御弁としても作用する。
【0081】
次に、本実施の形態において、ECUにより実行される制御のうち、EGRバルブ強制駆動処理について説明する。まず、図12は、ECU30により実行されるEGRバルブ強制駆動処理を示すフローチャートである。このルーチンは、予め設定された制御周期で割り込み実行される。なお各処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0082】
処理が開始されると、まず、EGRバルブ29における全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「OFF」に設定されているか否かが判定される(S110)。ここで、全開実行履歴フラグXEGRFOEXは図示していないイグニッションスイッチによりECU30の電源がオンとなった際に、「OFF」に初期設定されているものである。すなわち、ステップS110は、電源がオンされてガソリンエンジン1が継続的に運転されている期間(以下、ワントリップと称する)内において、以前に、全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「ON」となったか否かを判定するための処理である。
【0083】
ワントリップ中において全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「OFF」である場合には(S110で「YES」)、次にECU30による燃料噴射制御において燃料噴射弁11から噴射される現在の燃料噴射量Qが、最低量Q1および最高量Q2で表される強制駆動可能負荷範囲に存在するか否かが判定される(S120)。この強制駆動可能負荷範囲(Q1〜Q2)は、排気環流率の変動が少々大きくなってもガソリンエンジン1の燃焼に悪影響を与えることないエンジン運転状態を意味する。
【0084】
現在の燃料噴射量Qが、強制駆動可能負荷範囲に存在する場合には(S120で「YES」)、次にクランク角センサ28の検出値から得られるガソリンエンジン1の現在の回転数NEが最低回転数NELおよび最高回転数NEHで表される強制駆動可能回転数範囲に存在するか否かが判定される(S130)。この強制駆動可能回転数範囲(NEL〜NEH)は、排気環流率の変動が少々大きくなってもガソリンエンジン1の燃焼に悪影響を与えることないエンジン運転状態を意味する。
【0085】
現在の回転数NEが、強制駆動可能回転数範囲に存在する場合には(S130で「YES」)、次に図13に示すEGRバルブ29開度を設定するためのマップにより、燃料噴射量Qと回転数NEとに応じて得られるEGRバルブ開度EGRRATが、強制駆動判定開度TEGR以上か否かが判定される(S140)。この強制駆動判定開度TEGRは、EGRバルブ29の開度が全開に移行した場合に、この全開前後で排気環流率の変動を少なく抑えることができる、全開前のEGRバルブ開度の下限値を示している。
【0086】
EGRRAT≧TEGRであれば(S140で「YES」)、次にEGR全開許可領域カウンタEGRWOCが許可容認時間TTime以上となったか否かが判定される(S150)。許可容認時間TTimeは、ステップS110〜S140の全てにおいて肯定判定された状態が、一時的でなく確実に発生していると判断するために設けた猶予時間である。
【0087】
なお、ステップS110〜S140のいずれか1つの条件でも「NO」と判定されると、EGR全開許可領域カウンタEGRWOCはゼロクリアされる(S190)。EGR全開許可領域カウンタEGRWOCはECU30内のCPUに備えられているタイマカウンタであり、電源がオンされている限り常にカウントアップしているが、ステップS110〜S140のすべてが満足されていない限り、「0」に絶えず戻され(S190)、カウントアップは阻止される。
【0088】
ステップS110〜S140のすべてが満足された状態が許可容認時間TTime以上継続すると(S150で「YES」)、次にEGRバルブ29の要求開度EGRREQに全開を示す最大開度EGRMAXが設定される(S160)。このことにより、図13に示したマップにて設定されるEGRバルブ開度EGRRATの値に関わらず、ECU30よりEGRバルブ29のステッピングモータ52へ駆動信号が出力されて、EGRバルブ29が全開まで強制的に開かれる。
【0089】
次に、このEGRバルブ29の開度変化をステッピングモータ52への駆動信号の出力状態から判定して、EGRバルブ29の実開度EGRNOWが最大開度EGRMAX以上となったか否かが判定される(S170)。EGRNOW<EGRMAXである限り(S170で「NO」)、EGRバルブ29は全開へ移行する途中であることから、このまま一旦、EGRバルブ強制駆動処理を終了する。EGRNOW≧EGRMAXとなれば(S170で「YES」)、強制的にEGRバルブ29を全開まで開く処理が完了したので、全開実行履歴フラグXEGRFOEXに「ON」が設定される(S180)。
【0090】
したがって、以後、ガソリンエンジン1の運転が継続している限り、全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「ON」である状態が継続するので、ステップS110では「NO」と判定されるようになる。したがって、EGR全開許可領域カウンタEGRWOCはゼロクリアされ(S190)、EGRバルブ29の要求開度EGRREQが図13のマップから運転状態に応じて得られるEGRバルブ開度EGRRATに補正Fe()を行って求められる(S220)。このことにより、図13に示したマップにて設定されるEGRバルブ開度EGRRATの値に応じて、ECU30よりEGRバルブ29に存在するステッピングモータ52へ駆動信号が出力されて、EGRバルブ29がガソリンエンジン1の運転状態に応じた開度に制御される状態となる。
【0091】
上述した実施の形態1においては、ステップS160,S170が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS110,S120,S130,S140,S180が強制駆動許可手段としての処理に相当する。
【0092】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ステップS120〜S140の判定により、EGRバルブ29を全開に移行した場合に、その前後で排気環流率の変動が少ないか否かを推定している。そして、ステップS120〜S140の判定が全て「YES」であった場合には、EGRバルブ29が全開となるのを許可している。このことにより、図6に示す弁軸56aが一時的に上方の使用限界まで引き上げられ、ストッパー72の下端面72aにおける貫通孔72bの内縁部により、弁軸56aの表面に存在する付着物を取り除くことができる。
【0093】
しかも、ステップS120〜S140の判定がすべて「YES」と判定されている場合は、EGRバルブ29の全開作動の前後で排気環流率の変動が少ない状況に該当するので、ガソリンエンジン1が運転されていてもガソリンエンジン1の燃焼に悪影響(出力トルク変動、出力トルク段差等)を与えることない状態である。したがって、ガソリンエンジン1の運転状態に影響することなくEGRバルブ29に付着したデポジット等の異物を取り除くことができる。
【0094】
しかも、EGRバルブ29を全開にするのはガソリンエンジン1の運転停止タイミングとは無関係なので従来技術で述べた始動不良を招くことはない。
(ロ).EGRバルブ29の実開度EGRNOWが完全に最大開度EGRMAXとなった後に、ステップS180にて全開実行履歴フラグXEGRFOEXを「ON」に設定している。このことにより、ガソリンエンジン1の運転が継続している限り、以後の処理ではステップS110にて「NO」と判定されて、強制的な全開処理(S160,S170)は実行されない。
【0095】
このようにEGRバルブ29の強制的全開制御後に、強制的全開作動の禁止期間を設けることにより、ステッピングモータ52等の強制的駆動の回数を制限できるので、必要以上に強制的全開制御が実行されることが抑制され、これに伴うガソリンエンジン1の燃焼変動が最小限にとどめられ、燃焼を良好に維持することができる。
【0096】
[実施の形態2]
本実施の形態2におけるEGRバルブ強制駆動処理を図14のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図14の処理において実施の形態1と異なる処理は、ステップS335における噴射タイミングの判定である。
【0097】
すなわち、EGRバルブ29を強制的に全開にする条件として、ワントリップ中に未だ1度も強制的に全開制御がなされていないか否か(S310)、現在の燃料噴射量Qが最低量Q1および最高量Q2で表される強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か(S320)、現在のエンジン回転数NEが最低回転数NELおよび最高回転数NEHで表される強制駆動可能回転数範囲に存在するか否か(S330)、マップから得られているEGRバルブ開度EGRRATが強制駆動判定開度TEGR以上か否か(S340)の4条件以外に、燃料噴射タイミングが圧縮行程噴射(前述した運転領域R1,R2)であるか否か(S335)が判定される。他の処理については、実施の形態1と同じであり、実施の形態1の図12に示した各処理と、図12のステップ番号に「200」を加えたステップ番号の図14における処理とは同じである。
【0098】
圧縮行程噴射は、前記実施の形態1の図8,9にて述べたごとく、燃料噴射量の割にはスロットル開度THROTが大きくされ、希薄燃焼とされている。このため燃焼性を高めるために、図9に示したごとく圧縮行程噴射がなされて成層燃焼が実行されている。
【0099】
本実施の形態2では、燃料噴射制御が上記圧縮行程噴射状態にある場合に限ってEGRバルブ29の強制的全開制御が許可される。
上述した実施の形態2においては、ステップS360,S370が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS310,S320,S330,S335,S340,S380が強制駆動許可手段としての処理に相当する。
【0100】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).更に、強制全開実行条件に圧縮行程噴射(成層燃焼の実施を意味する)を加えているので、前述したごとく吸入空気量が大きい状態でEGRバルブ29を強制的に全開にできる。このためEGRバルブ29の開度変化に対する排気環流率の変動を更に抑制でき、強制的にEGRバルブ29を全開にする制御が内燃機関の燃焼に与える影響を一層小さいものとできる。
【0101】
(ハ).更に、エンジン1の燃焼制御側ではヒステリシスにより、燃料噴射量Qやエンジン回転数NEの判定が、ステップS320,S330の条件判断とはずれている場合があり、ステップS320,S330の条件判断のみでは強制的にEGRバルブ29を全開にさせるには適切でないモードが生じている可能性がある。しかし、ステップS335にて圧縮行程噴射を条件とすることにより、より確実に、強制的にEGRバルブ29を全開にさせるに適切なモードが判定できる。
【0102】
[実施の形態3]
本実施の形態3におけるEGRバルブ強制駆動処理を図15のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図15の処理において実施の形態1と異なる処理は、ステップS532におけるリッチスパイク制御未実行の判定と、ステップS534における短時間にリッチスパイク制御に入る可能性が低い状態の判定である。
【0103】
すなわち、EGRバルブ29を強制的に全開にする条件として、ワントリップ中に未だ1度も強制的に全開制御がなされていないか否か(S510)、現在の燃料噴射量Qが最低量Q1および最高量Q2で表される強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か(S520)、現在のエンジン回転数NEが最低回転数NELおよび最高回転数NEHで表される強制駆動可能回転数範囲に存在するか否か(S530)、マップから得られているEGRバルブ開度EGRRATが強制駆動判定開度TEGR以上か否か(S540)の4条件以外に、次の2つの条件が判断される。
【0104】
まず、1つの条件として、リッチスパイク制御がなされていない状態か否かが判定される(S532)。この判定は、運転モードを示す状態値NMODEが「0」(「0」はリッチスパイク制御を行っていない成層燃焼運転モード中を表す)か否かによりなされる。リッチスパイク制御は、ガソリンエンジン1の運転状態(ここでは希薄燃焼の程度とその継続時間)に応じて強制的に吸入空気量を減少させ、かつ燃料濃度を濃くするように空燃比を制御する空燃比制御である。実施の形態1にて述べたごとく第2三元触媒コンバータ24aに吸蔵された窒素酸化物が飽和状態に近づいた場合に、第2三元触媒コンバータ24aに吸蔵されている窒素酸化物を還元して減少させるために実行される。この処理のため、ECU30においては、実施の形態1にて述べたリーン空燃比を実行している領域R1,R2,R3にある場合に、希薄の程度とその継続時間とに応じて第2三元触媒コンバータ24aに吸蔵される窒素酸化物の量QNOXCNTが吸蔵量計算処理(図示していない)にて常に計算されている。そして、この吸蔵量QNOXCNTがリッチスパイク実行吸蔵量以上となった場合に、リッチスパイク制御が実行され、運転モードを示す状態値NMODEは「0」以外の値に設定される。
【0105】
更に、他の1つの条件として、前記吸蔵量QNOXCNTが前記リッチスパイク制御が実行される直前ではないか否かが判定される(S534)。この判定は、前記吸蔵量QNOXCNTが判定値XNOX以下であるか否かで判定する。この判定値XNOXは、前記リッチスパイク実行吸蔵量よりも少し小さい値である。このことにより、未だリッチスパイク制御に入っていない(S532で「YES」)が、吸蔵量QNOXCNTが判定値XNOXを越えていれば、リッチスパイク制御が開始される限度に近づいていることが判る。
【0106】
他の処理については、実施の形態1と同じであり、実施の形態1の図12に示した各処理と、図12のステップ番号に「400」を加えたステップ番号の図15における処理とは同じである。
【0107】
このように燃料噴射制御がリッチスパイク制御を実行しておらず、短時間以内にリッチスパイク制御が行われる可能性もない期間に限ってEGRバルブ29の強制的全開制御が許可される。
【0108】
上述した実施の形態3においては、ステップS560,S570が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS510,S520,S530,S532,S534,S540,S580が強制駆動許可手段としての処理に相当する。
【0109】
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).運転領域R1,R2,R3に在ったとしてもリッチスパイク制御が行われている場合は、吸入空気量が少なくなって、EGRバルブ29の開度変化に対する排気環流率の変動が大きくなる傾向にある。このため、強制全開実行条件にリッチスパイク制御の未実行の条件を加えて、EGRバルブ29の開度変化の影響が大きくなる状態で、EGRバルブ29の強制的な全開制御が行われることを未然に防止している。したがって、EGRバルブ29の開度変化に対する排気環流率の変動を一層確実に抑制でき、強制的にEGRバルブ29を全開にする制御がエンジン1の燃焼に与える影響を一層小さいものとできる。
【0110】
(ハ).EGRバルブ29の応答遅れなどにより、リッチスパイク制御に入る直前の領域では、吸気の少ない状態とEGRバルブ29の開度変化とが重なる場合があり、これを防止するために、強制全開実行条件にリッチスパイク制御に短時間内に入る可能性がない条件を加えている。すなわち、リッチスパイク制御の実行可能性が高い場合は、EGRバルブ29を強制的に全開にすることを許可しない不許可期間を設けている。このことによりEGRバルブ29の開度変化がエンジン1の燃焼に与える影響を、より一層小さいものとできる。
【0111】
[実施の形態4]
本実施の形態4におけるEGRバルブ強制駆動処理を図16のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図16の処理において実施の形態1と異なる処理は、ステップS702,S704,S706の処理が、全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「OFF」か否かの判定(S710)の前に実行されることと、全開実行履歴フラグXEGRFOEXに「ON」を設定する処理(S780)の直後にエンジン駆動時間タイマCENGをゼロクリアする処理(S782)が実行される点である。他の処理については、実施の形態1と同じであり、実施の形態1の図12に示した各処理と、このステップ番号に「600」を加えたステップ番号の図16における処理とは同じである。
【0112】
まず、本処理が開始されると、エンジン1が運転中であることを示すフラグXSTEFIが「ON」か否かを判定する(S702)。XSTEFI=「ON」でなければ(S702で「NO」)、ステップS790,S820(実施の形態1のステップS190,S220と同じ)の処理の後、処理を一旦終了する。
【0113】
エンジン1が運転中であれば(S702で「YES」)、次にECU30内に設けられているスタンバイRAMに設定されているカウンタCENGを時間周期でカウントアップする割り込みルーチン(図示していない)を開始させる(S704)。このことにより、カウンタCENGはスタンバイRAMに設定されたタイマカウンタとしての動作を行う。したがってカウンタCENGはエンジン1が運転中であればカウントアップし、電源がオフされてエンジン1が停止すると値を維持したまま待機する。このことでカウンタCENGはエンジン1の運転時間を累積した値を記憶することができる。
【0114】
次に、カウンタCENGの値が、作動禁止時間Tx以上となったか否かが判定される(S706)。CENG≧Txでなければ(S706で「NO」)、ステップS790,S820を実行して一旦、処理を終了する。
【0115】
CENG≧Txであれば(S706で「YES」)、以後、ステップS710の処理に移行する。ステップS710〜S780までの処理は、実施の形態1のステップS110〜S180までの処理と同じであるので説明は省略する。なお、強制的にEGRバルブ29が全開制御されて(S770で「YES」)、全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「ON」に設定された(S780)直後には、カウンタCENGはゼロクリアする処理(S782)が行われる。
【0116】
すなわち、EGRバルブ29を強制的に全開にする条件として、ワントリップ中に未だ1度も強制的全開制御がなされていないか否か(S710)、現在の燃料噴射量Qが最低量Q1および最高量Q2で表される強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か(S720)、現在のエンジン回転数NEが最低回転数NELおよび最高回転数NEHで表される強制駆動可能回転数範囲に存在するか否か(S730)、マップから得られているEGRバルブ開度EGRRATが強制駆動判定開度TEGR以上か否か(S740)の4条件以外に、前回EGRバルブ29が強制的に全開制御なされてから作動禁止時間Tx経過したか(S706)という条件が加えられている。
【0117】
上述した実施の形態4においては、ステップS760,S770が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS702,S704,S706,S710,S720,S730,S740,S780,S782が強制駆動許可手段としての処理に相当する。
【0118】
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).更に、ワントリップにおいてEGRバルブ29の強制的全開制御は最大1回に限るとともに、この強制的全開制御は、少なくとも作動禁止時間Tx経過しないと実行しないこととしている。このため、EGRバルブ29の強制的全開制御が確実に十分な時間間隔で行われるよう制限できるので、エンジン1の始動が短時間に繰り返されてもEGRバルブ29が頻繁に全開制御されることが防止できる。
【0119】
[実施の形態5]
本実施の形態5におけるEGRバルブ強制駆動処理を図17のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図17の処理において実施の形態1と異なる処理は、ステップS902,S904,S906の処理が、全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「OFF」か否かの判定(S910)の前に実行されることと、全開実行履歴フラグXEGRFOEXに「ON」を設定する処理(S980)の直後に走行距離カウンタCDISをゼロクリアする処理(S982)が実行される点である。他の処理については、実施の形態1と同じであり、実施の形態1の図12に示した各処理と、このステップ番号に「800」を加えたステップ番号の図17における処理とは同じである。
【0120】
まず、本処理が開始されると、エンジン1が運転中であることを示すフラグXSTEFIが「ON」か否かを判定する(S902)。XSTEFI=「ON」でなければ(S902で「NO」)、ステップS990,S1020(実施の形態1のステップS190,S220と同じ)の処理の後、処理を一旦終了する。
【0121】
エンジン1が運転中であれば(S902で「YES」)、次にECU30内に設けられているスタンバイRAMに設定されている走行距離カウンタCDISを走行距離計32の走行距離値の増加に応じてカウントアップする割り込みルーチン(図示していない)を開始させる(S904)。このことにより、走行距離カウンタCDISはスタンバイRAMに設定された累積距離計としての動作を行う。したがって走行距離カウンタCDISはエンジン1が運転中であれば走行距離をカウントアップし、電源がオフされてエンジン1が停止すると値を維持したまま待機する。このことで走行距離カウンタCDISはエンジン運転中における走行距離を累積した値を記憶することができる。
【0122】
次に、走行距離カウンタCDISの値が、作動禁止距離Dx以上となったか否かが判定される(S906)。CDIS≧Dxでなければ(S906で「NO」)、ステップS990,S1020を実行して一旦、処理を終了する。
【0123】
CDIS≧Dxであれば(S906で「YES」)、以後、ステップS910の処理に移行する。ステップS910〜S980までの処理は、実施の形態1のステップS110〜S180までの処理と同じであるので説明は省略する。なお、強制的にEGRバルブ29が全開制御されて(S970で「YES」)、全開実行履歴フラグXEGRFOEXが「ON」に設定された(S980)直後には、走行距離カウンタCDISはゼロクリアされる(S982)。
【0124】
すなわち、EGRバルブ29を強制的に全開にする条件として、ワントリップ中に未だ1度も強制的に全開制御がなされていないか否か(S910)、現在の燃料噴射量Qが最低量Q1および最高量Q2で表される強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か(S920)、現在のエンジン回転数NEが最低回転数NELおよび最高回転数NEHで表される強制駆動可能回転数範囲に存在するか否か(S930)、マップから得られているEGRバルブ開度EGRRATが強制駆動判定開度TEGR以上か否か(S940)の4条件以外に、前回EGRバルブ29が強制的に全開制御されてから作動禁止距離Dx走行したか(S906)という条件が加えられている。
【0125】
上述した実施の形態5においては、ステップS960,S970が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS902,S904,S906,S910,S920,S930,S940,S980,S982が強制駆動許可手段としての処理に相当する。
【0126】
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).更に、ワントリップにEGRバルブ29の強制的全開制御は最大1回に限るとともに、この全開制御は、少なくとも作動禁止距離Dx走行しないと実行しないこととしている。このため、EGRバルブ29の強制的全開制御が確実に十分な走行距離間隔で行われるよう制限できるので、エンジン1の始動が短時間に繰り返されてもEGRバルブ29が頻繁に全開制御されることが防止できる。
【0127】
[実施の形態6]
本実施の形態6におけるEGRバルブ強制駆動処理を図18,19のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図18,19の処理において実施の形態1と異なる処理は、処理の最初に行われるエンジン運転中であることを示すフラグXSTEFIが「ON」か否かを判定する処理(S1102)、ステップS1102にて肯定判定された場合に行われる条件成立カウント処理(S1200)、ステップS1200の次に行われる条件成立カウント値Cn(スタンバイRAMに設定されている)が強制作動許容回数Kx以上となったか否かを判定する処理(S1106)、およびステップS1180にて全開実行履歴フラグXEGRFOEXを「ON」に設定した後に行われる条件成立カウント値Cnをゼロクリアする処理(S1182)である。
【0128】
ステップS1102は前記実施の形態4のステップS702と同じく、エンジン1が運転中であるか否かを判定するためである。
ステップS1200の条件成立カウント処理は、図19に示す処理が実行される。まず、ここで、ステップS1110〜S1150,S1190は、実施の形態1にて説明したステップS110〜S150,S190とそれぞれ同じ処理であるのでこれらのステップの詳細な説明は省略する。
【0129】
この条件成立カウント処理(S1200)では、条件成立カウント値Cnをインクリメントする条件として、ワントリップ中に未だ1度も強制的全開制御がなされていないか否か(S1110)、現在の燃料噴射量Qが最低量Q1および最高量Q2で表される強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か(S1120)、現在のエンジン回転数NEが最低回転数NELおよび最高回転数NEHで表される強制駆動可能回転数範囲に存在するか否か(S1130)、マップから得られているEGRバルブ開度EGRRATが強制駆動判定開度TEGR以上か否か(S1140)の4条件がすべて満足されているか否かが判定される。この4条件は実施の形態1においてEGRバルブ29を強制的に全開制御するための条件と同じである。
【0130】
ステップS1110〜S1140の条件の1つでも不成立であれば、EGR全開許可領域カウンタEGRWOCをゼロクリアし(S1190)、条件成立フラグXCnを「OFF」に設定して(S1195)、一旦、条件成立カウント処理(S1200)を抜け、図18に示すごとく、条件成立カウント値Cnが強制作動許容回数Kx以上となったか否かが判定される(S1106)。Cn<Kxであれば(S1106で「NO」)、実施の形態1のステップS220と同様にEGRバルブ29の要求開度EGRREQが、図13のマップから運転状態に応じて得られるEGRバルブ開度EGRRATに補正Fe()を行うことで求められる(S1220)。
【0131】
ステップS1110〜S1140の条件が全て満足されると、実施の形態1と同じくステップS1150にてステップS1110〜S1140のすべてが満足された状態が許可容認時間TTime以上継続したか否かを判定する(S1150)。上記4つの条件成立が許可容認時間TTime以上継続すると(S1150で「YES」)、条件成立フラグXCnが「OFF」か否かが判定される(S1152)。前記4つの条件が成立した当初はXCn=「OFF」であることから(S1152で「YES」)、条件成立カウント値Cnのインクリメントが行われ(S1154)、次に条件成立フラグXCnが「ON」に設定される(S1156)。
【0132】
この後、ステップS1110〜S1150の条件成立が継続しても、XCn=「ON」であることから(S1152で「NO」)、ステップS1154は実行されず、条件成立カウント値Cnは増加しない。次に増加するのは、ステップS1110〜S1140の4条件のいずれかが成立しなくなり、ステップS1195にてXCn=「OFF」とされた後、再度、ステップS1110〜S1150の条件のすべてが成立した場合である。このことにより、条件成立の回数がカウントされて条件成立カウント値Cnに記憶される。
【0133】
上述のごとく条件成立カウント値Cnが増加して、Cn≧Kxとなると(S1106で「YES」)、EGRバルブ29の要求開度EGRREQに全開を示す最大開度EGRMAXが設定され(S1160:実施の形態1のステップS160と同じ処理)、EGRバルブ29の実開度EGRNOWが最大開度EGRMAX以上となったか否かが判定される(S1170:実施の形態1のステップS170と同じ処理)。EGRNOW<EGRMAXである限り(S1170で「NO」)、このまま一旦、EGRバルブ強制駆動処理を終了する。EGRNOW≧EGRMAXとなれば(S1170で「YES」)、強制的にEGRバルブ29を全開までに開く処理が完了したので、全開実行履歴フラグXEGRFOEXに「ON」が設定される(S1180:実施の形態1のステップS180と同じ処理)。そして、条件成立カウント値Cnがゼロクリアされる(S1182)。
【0134】
このようにEGRバルブ29を強制的に全開制御した後に、Cn=0としているので、次に条件成立カウント値CnがKx以上となるまでEGRバルブ29が強制的に全開制御されることはない。
【0135】
上述した実施の形態6においては、ステップS1160,S1170が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS1200,S1106,S1180,S1182が強制駆動許可手段としての処理に相当する。
【0136】
以上説明した本実施の形態6によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).更に、強制全開実行条件としては、実施の形態1と同じ条件が強制作動許容回数Kxだけ成立する必要があるので、EGRバルブ29の全開制御の回数が制限され、ガソリンエンジン1の燃焼を一層良好に維持することができる。
【0137】
[実施の形態7]
本実施の形態7におけるEGRバルブ強制駆動処理を図20のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図20の処理において実施の形態1と異なる処理は、EGRバルブ29の要求開度EGRREQに全開を示す最大開度EGRMAXを設定する処理(S1360)の次にステップS1362の処理、およびEGRバルブ29の要求開度EGRREQを図13のマップから運転状態に応じて得られるEGRバルブ開度EGRRATに補正Fe()を行って求める処理(S1420)の次にステップS1422の処理が付加された点である。他の処理については、実施の形態1と同じであり、実施の形態1の図12に示した各処理と、このステップ番号に「1200」を加えたステップ番号の図20における処理とは同じである。
【0138】
したがって、EGRバルブ29を強制的に全開制御する条件は、実施の形態1と同じ条件であるが、これらの条件が成立した後の処理に、ステップS1362の処理が加わった点が実施の形態1と異なる。
【0139】
ステップS1310〜S1350の条件のいずれかが成立していない場合に実行されるステップS1422では、スロットルバルブ23の要求開度TRTREQに、図8に示したテーブルから求められるスロットル開度THROTがそのまま設定されるが、ステップS1310〜S1350の条件がすべて成立している場合に実行されるステップS1362では、図8に示したテーブルから求められるスロットル開度THROTをα(α>0)分増加補正されたものが設定される。
【0140】
したがって、EGRバルブ29を強制的に全開制御する時のスロットルバルブ23の開度は、EGRバルブ29に通常の制御をしている時の開度よりも大きくされ、吸入空気量が増量されることになる。
【0141】
上述した実施の形態7においては、ステップS1360,S1370が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS1310,S1320,S1330,S1340,S1380が強制駆動許可手段としての処理に相当し、ステップS1362が吸入空気量増大手段としての処理に相当する。
【0142】
以上説明した本実施の形態7によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).更に、EGRバルブ29を強制的に全開制御する時に、吸入空気量を積極的に増大させているので、一層、強制的全開制御前後で排気環流率の変動が少なくなり、エンジン1の燃焼性を一層良好に維持することができる。
【0143】
[実施の形態8]
本実施の形態8におけるEGRバルブ強制駆動処理を図21のフローチャートに示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。図21の処理において実施の形態1と異なる処理は、EGRバルブ29の要求開度EGRREQに全開を示す最大開度EGRMAXを設定する処理(S1560)の次にステップS1562の処理、およびEGRバルブ29の要求開度EGRREQを図13のマップから運転状態に応じて得られるEGRバルブ開度EGRRATに補正Fe()を行って求める処理(S1620)の次にステップS1622の処理が付加された点である。他の処理については、実施の形態1と同じであり、実施の形態1の図12に示した各処理と、このステップ番号に「1400」を加えたステップ番号の図21における処理とは同じである。
【0144】
したがって、EGRバルブ29を強制的に全開制御する条件は、実施の形態1と同じ条件であるが、これらの条件が成立した後の処理に、ステップS1562の処理が加わった点が実施の形態1と異なる。
【0145】
ステップS1510〜S1550の条件のいずれかが成立していない場合に実行されるステップS1622では、要求点火進角量SAREQには、エンジン運転状態に応じて求められる通常の点火進角SAに対して必要な補正Fs()を行った進角値が設定されるが、ステップS1510〜S1550の条件のすべてが成立している場合に実行されるステップS1562では、要求点火進角量SAREQに、通常の点火進角SAに必要な補正Fs()を行って得られた進角量Fs(SA)に更にβ(β>0)分の進角補正を行った進角値が設定される。この進角補正量βはEGRバルブ29の全開に対応して適切な燃焼が行われるための進角値が予め設定されている。
【0146】
したがって、EGRバルブ29を強制的に全開制御する時の点火時期は、全開に対応して進角されることになる。
上述した実施の形態8においては、ステップS1560,S1570が強制駆動手段としての処理に相当し、ステップS1510,S1520,S1530,S1540,S1580が強制駆動許可手段としての処理に相当し、ステップS1562が点火時期進角手段としての処理に相当する。
【0147】
以上説明した本実施の形態8によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)および(ロ)と同じ効果が存在する。
(ロ).EGRバルブ29が開くと適切な点火時期は進角する傾向にある。このためEGRバルブ29を強制的に全開制御する時に、点火時期を積極的に進角させることにより、エンジン1の燃焼性を一層良好に維持することができる。
【0148】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1のステップS120にては、エンジン1の負荷として燃料噴射量Qの大きさを判定したが、燃料噴射量Qの代用として、吸入空気量が強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か、スロットル開度が強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か、空燃比が強制駆動可能負荷範囲に存在するか否か、あるいは吸気圧が強制駆動可能負荷範囲に存在するか否かを判断するようにしてもよい。他の実施の形態においても同様である。
【0149】
・前記実施の形態1のステップS140にては、マップにより、燃料噴射量Qとエンジン回転数NEとに応じて得られるEGRバルブ開度EGRRATの大きさを判定したが、EGRバルブ開度EGRRATの代用として、EGRバルブ29の実開度EGRNOWが強制駆動判定開度よりも大きいか否か、あるいはEGRバルブ開度EGRRATに補正Fe()を行って求められるEGRバルブ29の要求開度EGRREQが強制駆動判定開度よりも大きいか否かを判断するようにしてもよい。他の実施の形態においても同様である。
【0150】
・前記実施の形態3では、リッチスパイク制御の実行中とリッチスパイク制御に入る直前の状態を避けることを、EGRバルブ29を強制的に全開とする処理の条件に加えたが、リッチスパイク制御に入る直前の状態の代わりに、あるいはこの条件に加えて、リッチスパイク制御から出た直後の状態を、リッチスパイク制御終了からの時間の長さで判断して、そのリッチスパイク制御終了直後の時間帯を避けることをEGRバルブ29を強制的に全開とする処理の条件に加えてもよい。
【0151】
・前記実施の形態4では、ワントリップにEGRバルブ29の強制的な全開制御は最大1回に限られるとともに、この全開制御は、少なくとも作動禁止時間Tx経過しないと実行されないようにされていたが、ワントリップに最大1回の条件は無くして、単に、少なくとも作動禁止時間Tx経過しないと実行されないようにしてもよい。
【0152】
・前記実施の形態5では、ワントリップにEGRバルブ29の強制的な全開制御は最大1回に限られるとともに、この全開制御は、少なくとも作動禁止距離Dx走行しないと実行されないようにされていたが、ワントリップに最大1回の条件は無くして、単に、少なくとも作動禁止距離Dx走行しないと実行されないようにしてもよい。
【0153】
・前記各実施の形態において、ワントリップ中に未だ1度も強制的全開制御がなされていないことを強制的全開制御の条件としていたが、これを条件から省いてもよい。また、現在の燃料噴射量Qが強制駆動可能負荷範囲に存在する条件と、現在のエンジン回転数NEが強制駆動可能回転数範囲に存在する条件とを省いてもよい。
【0154】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実施形態を有するものであることを付記しておく。
【0155】
(1).前記吸入空気量増大手段は、前記内燃機関のアイドルスピードコントロールバルブを開くことにより、吸入空気量を増大させることを特徴とする請求項13記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
【0156】
(2).前記強制駆動許可手段は、前記排気還流バルブの要求開度を求める状態量の大きさに基づき、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
【0157】
【発明の効果】
請求項1記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、強制駆動許可手段は、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ない状況下にあることが判明すると、内燃機関が運転されていても排気還流バルブの全開制御が内燃機関の燃焼に悪影響を与えることがないことから、強制駆動手段の作動を許可する。このことにより、作動が許可された強制駆動手段は、アクチュエータを作動させて、排気還流バルブを強制的に全開まで駆動させる。こうして、排気還流バルブに付着した異物を、内燃機関の運転中においても取り除くことができる。しかも、排気還流バルブを全開にするのは内燃機関停止とは無関係なので従来技術におけるような始動不良を招くことはない。
【0158】
ここで、排気還流バルブの要求開度または実開度が全開に近いほど、強制駆動手段の作動前後、すなわち排気還流バルブの強制的全開制御の前後で、排気環流率の変動が少なくなる傾向にある。このことから、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ないとの推定は、具体的には、排気還流バルブの要求開度または実開度が全開に近いことを判定するための強制駆動判定開度を定めて、要求開度設定手段にて求められた要求開度または排気還流バルブの実開度が上記強制駆動判定開度よりも大きい場合になすことができる。このようにして、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ないとの推定を容易に行うことができる
【0159】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1記載の構成に対して、強制駆動許可手段は、前記請求項に記載した条件に加えて、更に、内燃機関の負荷が強制駆動可能負荷範囲にある条件および内燃機関の回転数が強制駆動可能回転数範囲にある条件を判定して、この条件も満足された場合に、アクチュエータの作動を許可している。このような強制駆動可能負荷範囲や強制駆動可能回転数範囲は、排気環流率の変動が少々大きくなっても内燃機関の燃焼に悪影響を与えることのない内燃機関運転状態を意味する。したがって、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ない状況を一層適切に判断でき、請求項1に述べた作用効果を適切に生じさせることができる。
【0160】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に対して、前記内燃機関の負荷として、燃料噴射量、吸入空気量、スロットル開度、空燃比および吸気管圧力から選ばれた1つ以上からなる状態量を挙げている。このような状態量を、内燃機関の負荷として用いて前記請求項の作用効果を適切に生じさせることができる。
【0161】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1記載の構成に対して、強制駆動許可手段は、前記請求項に記載した条件に加えて、更に、成層燃焼が実行されている条件を判定して、この条件も満足された場合に、アクチュエータの作動を許可している。成層燃焼は混合気中の燃料を希薄状態にする場合に実行される燃焼方式であり、吸入空気量を大きくするためにスロットルバルブは比較的大きく開かれる。このため排気還流バルブの開度変化に対する排気環流率の変動が少なくなる傾向にある。したがって、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少ない状況を一層適切に判断でき、請求項1に述べた作用効果を適切に生じさせることができる。
【0162】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1記載の構成に対して、燃料噴射が圧縮行程にて実行される燃料噴射制御が実行されている条件を、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可する条件に加えている。燃料噴射が圧縮行程にて実行されるのは、前述した成層燃焼を行うためであり、このように圧縮行程噴射を条件に加えることにより、請求項にて述べた作用効果を生じる。
【0163】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置は、請求項1〜のいずれか記載の構成に対して、リッチスパイク制御が行われている場合には、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しないこととしている。このようなリッチスパイク制御が行われている場合は、吸入空気量が少なくなって、排気還流バルブの開度変化に対する排気環流率の変動が大きくなる傾向にある。したがって強制的に全開にする影響が内燃機関の燃焼に大きく現れるおそれがあることから、強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しないこととして、内燃機関の燃焼を良好に維持する。
【0164】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に加えて、前記強制駆動許可手段は、更に、前記リッチスパイク制御が行われていない期間であっても前記リッチスパイクが実行された直後または実行される直前に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しない不許可期間を設けることとしている。排気還流バルブの応答遅れ、あるいは吸入空気量制御の応答遅れなどにより、リッチスパイク制御に入る直前や出た直後では、吸気の少ない状態と排気還流バルブ開度の変化とが重なる場合もあり、これを防止するために不許可期間を設けることとして、内燃機関の燃焼を良好に維持する。
【0165】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜のいずれか記載の構成に加えて、前記強制駆動許可手段は、更に、前記強制駆動手段の作動後に作動禁止期間を設定し、該作動禁止期間中は前記強制駆動手段の作動を許可しないこととしている。このように、強制駆動手段の作動後に作動禁止期間を設けることにより、強制駆動の回数を制御することができるので、必要以上に強制駆動が実行されることが抑制され、内燃機関の燃焼を良好に維持することができる。
【0166】
請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に対して、前記作動禁止期間は、前記強制駆動手段の作動後に前記内燃機関の運転が継続している期間であることとしている。すなわち、強制駆動許可手段は、強制駆動手段が一旦作動した後において内燃機関の運転が継続している限りは、次の強制駆動手段の作動は許可しない。このようにアクチュエータの駆動頻度を制限することにより、必要以上に強制駆動が実行されるのを防止できる。
【0167】
請求項10記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置は、請求項記載の構成に対して、前記作動禁止期間は、時間の長さで設定されていることとしている。このように作動禁止期間は、時間の長さで設定してもよく、必要以上に強制駆動が実行されるのを防止できる。
【0168】
請求項11記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項記載の構成に対して、前記内燃機関は、自動車に搭載されて該自動車を駆動走行するためのものであり、前記作動禁止期間は、前記自動車の走行距離の長さで設定されていることとしている。このように作動禁止期間は、自動車の走行距離の長さで設定してもよく、必要以上に強制駆動が実行されるのを防止できる。
【0169】
請求項12記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜11のいずれか記載の構成に対して、前記強制駆動許可手段は、前記アクチュエータの作動を許可する条件成立の回数が、強制作動許容回数より大きくなった場合にのみ、実際に前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することとしている。このように、各請求項における強制駆動許可手段において、各請求項において述べた条件が成立したら直ちに許可するのではなく、この条件成立の回数が、強制作動許容回数より大きくなった場合にのみ、実際に強制駆動手段によるアクチュエータの作動を許可するようにしてもよい。このことにより、強制駆動の回数を制限することができるので、必要以上に強制駆動が実行されることが抑制され、内燃機関の燃焼を良好に維持することができる。
【0170】
請求項13記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜12のいずれか記載の構成に対して、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動が実行されるに伴い、前記内燃機関の吸入空気量を増大させる吸入空気量増大手段を備えている。このように強制駆動手段によるアクチュエータの作動実行時に、積極的に吸入空気量を増加させることにより、より一層、強制駆動手段の作動前後で排気環流率の変動が少なくなり、内燃機関の燃焼性を一層良好に維持することができる。
【0171】
請求項14記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項13記載の構成に対して、前記吸入空気量増大手段は、前記内燃機関のスロットルバルブの開度を増大させることにより、吸入空気量を増大させることとしている。このように、スロットルバルブの開度を増大させることにより、吸入空気量を増大させることができ、請求項13に述べた作用効果を生じさせることができる。
【0172】
請求項15記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置においては、請求項1〜14のいずれか記載の構成に対して、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動が実行されるに伴い、前記内燃機関の点火時期を進角させる点火時期進角手段を備えている。排気還流バルブが開くと適切な点火時期は進角する傾向にある。したがって、強制駆動手段によるアクチュエータの作動実行時に、積極的に点火時期を進角させることにより、内燃機関の燃焼性を一層良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての筒内噴射式内燃機関およびEGR装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】前記筒内噴射式内燃機関のシリンダヘッドの平面断面図。
【図3】前記筒内噴射式内燃機関のピストン頂面の平面図。
【図4】図2におけるX−X断面図。
【図5】図2におけるY−Y断面図。
【図6】実施の形態1におけるEGRバルブの断面図。
【図7】実施の形態1における運転領域の説明図。
【図8】実施の形態1におけるスロットル開度THROTを設定するためのテーブルの説明図。
【図9】実施の形態1における運転領域毎の燃料噴射量および燃料噴射時期を示す説明図。
【図10】実施の形態1における理論空燃比基本燃料噴射量QBSを求めるためのマップの説明図。
【図11】実施の形態1における運転領域R4にて旋回流制御弁の目標開度OPを設定するためのマップの説明図。
【図12】実施の形態1においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図13】実施の形態1において用いられるエンジン運転状態をパラメータとするEGRバルブ開度のマップ説明図。
【図14】実施の形態2においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図15】実施の形態3においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図16】実施の形態4においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図17】実施の形態5においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図18】実施の形態6においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図19】実施の形態6においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図20】実施の形態7においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【図21】実施の形態8においてECUが実行するEGRバルブ強制駆動処理のフローチャート。
【符号の説明】
1…ガソリンエンジン、1a…シリンダ、2…シリンダブロック、3…ピストン、4…シリンダヘッド、5…燃焼室、6a…第1吸気弁、6b…第2吸気弁、7a…第1吸気ポート、7b…第2吸気ポート、8…排気弁、9…排気ポート、9a…排気通路、9b…第1三元触媒コンバータ、10…点火プラグ、11…燃料噴射弁、12…浅皿部、13…深皿部、14…凹部、15…吸気マニホールド、15a… 第1吸気通路、15b…第2吸気通路、16…サージタンク、17…旋回流制御弁、18…シャフト、19…モータ、19a…SCV開度センサ、20…吸気ダクト、21…エアクリーナ、22…モータ、23…スロットルバルブ、24…排気マニホルド、24a…第2三元触媒コンバータ、25…アクセルペダル、26…アクセル開度センサ、27…上死点センサ、28…クランク角センサ、29…排気還流バルブ(EGRバルブ)、29a…排気還流経路、30…電子制御ユニット(ECU)、32…走行距離計、39…吸気圧センサ、41…空燃比センサ、52…ステッピングモータ、52a…コネクタ部、52b… 固定板、54…上部ハウジング、54a…中心孔、54b… 貫通孔、56…弁体、56a…弁軸、56b…弁部、56c…バルブフェース、58…下部ハウジング、60…中間ハウジング、60a…空間部、60b…溝、60c…冷却水通路、60d…弁軸貫通孔、62…ボルト、64…流入口、66…流出口、68… 弁体収容孔、70…ガスシール、70a…貫通孔、72…ストッパー、72a…下端面、72b…貫通孔、74…弁座部材、76…バネ受け部材、76a…突起、78…弁バネ、80…ロータ、80a…ホルダ、80b…永久磁石、82…ステータ、84…ベアリング、86…ロータシャフト、86a…雄ネジ部、88…雌ネジ部材、88a…雌ネジ部、88b…脚部、90…バネ、92… ターミナル、94…ニップル。

Claims (15)

  1. 内燃機関の排気の一部を吸気側に再循環させる排気還流経路と、前記排気還流経路に設けられて該排気還流経路の開度を調整する排気還流バルブと、前記排気還流バルブを駆動するアクチュエータと、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段にて検出された内燃機関の運転状態に基づいて前記排気還流バルブの要求開度を求める要求開度設定手段と、前記排気還流バルブの実開度が前記要求開度設定手段にて設定された要求開度となるように前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動制御手段とを備えた内燃機関の排気再循環制御装置に対して設けられる排気還流バルブ強制駆動装置であって、
    前記排気還流バルブに付着した異物を取り除くために、前記アクチュエータを作動させて、前記排気還流バルブを強制的に全開にする強制駆動手段と、
    前記要求開度設定手段にて求められた要求開度または前記排気還流バルブの実開度が強制駆動判定開度よりも大きい場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可する強制駆動許可手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  2. 前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
    を備えるとともに、
    前記強制駆動許可手段は、更に、前記負荷検出手段により検出された前記内燃機関の負荷が強制駆動可能負荷範囲にある場合、および前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数が強制駆動可能回転数範囲にある場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  3. 前記内燃機関の負荷は、燃料噴射量、吸入空気量、スロットル開度、空燃比および吸気管圧力から選ばれた1つ以上からなる状態量であることを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  4. 前記内燃機関は、少なくとも成層燃焼を含む複数の燃焼方式から前記内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を選択し燃焼制御を実行するタイプであるとともに、
    前記強制駆動許可手段は、更に、前記成層燃焼が実行されている場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  5. 前記内燃機関は、燃料を直接シリンダ内に噴射するタイプであるとともに、
    前記強制駆動許可手段は、更に、燃料噴射が圧縮行程にて実行される燃料噴射制御が実行されている場合に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  6. 前記内燃機関は、該内燃機関の運転状態に応じて強制的に吸入空気量を減少させ、かつ燃料濃度を濃くするように空燃比を制御するリッチスパイク制御を実行するタイプであるとともに、
    前記強制駆動許可手段は、請求項1〜5のいずれか記載の強制駆動許可手段の構成に加えて、更に、前記リッチスパイク制御が行われている場合には、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  7. 請求項6記載の構成に加えて、前記強制駆動許可手段は、更に、前記リッチスパイク制御が行われていない期間であっても前記リッチスパイクが実行された直後または実行される直前に、前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可しない不許可期間を設けていることを特徴とする内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の構成に加えて、前記強制駆動許可手段は、更に、前記強制駆動手段の作動後に作動禁止期間を設定し、該作動禁止期間中は前記 強制駆動手段の作動を許可しないことを特徴とする内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  9. 前記作動禁止期間は、前記強制駆動手段の作動後に前記内燃機関の運転が継続している期間であることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  10. 前記作動禁止期間は、時間の長さで設定されていることを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  11. 前記内燃機関は、自動車に搭載されて該自動車を駆動走行するためのものであり、
    前記作動禁止期間は、前記自動車の走行距離の長さで設定されていることを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  12. 前記強制駆動許可手段は、前記アクチュエータの作動を許可する条件成立の回数が、強制作動許容回数より大きくなった場合にのみ、実際に前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動を許可することを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか記載の構成に対して、
    前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動が実行されるに伴い、前記内燃機関の吸入空気量を増大させる吸入空気量増大手段を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  14. 前記吸入空気量増大手段は、前記内燃機関のスロットルバルブの開度を増大させることにより、吸入空気量を増大させることを特徴とする請求項13記載の内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか記載の構成に対して、
    前記強制駆動手段による前記アクチュエータの作動が実行されるに伴い、前記内燃機関の点火時期を進角させる点火時期進角手段を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置。
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