JP2007278144A - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、水分の氷結や、潤滑油の浸入等に関わらず、安定したエンジンの始動性を確保しつつ、筒内噴射弁を開作動させることができるエンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】作動室E1の筒内圧を補正するスロットル弁22と、直噴式水素インジェクタI1に供給する水素圧力を検出する圧力センサ17とを備え、コントロールユニット10は、始動時に作動室E1の筒内圧を増加補正すべくスロットル弁22を開作動させつつ、始動時の水素圧力が低い時は、高い時に対して増加補正量が低減されるようにスロットル弁22を制御するようにした。
【選択図】図6

Description

この発明は、作動室内に直接燃料を噴射する筒内噴射弁を備えたエンジンの燃料噴射装置に関する。
従来より、作動室内に直接燃料を噴射する直噴式の筒内噴射弁を備えたエンジンが知られており、例えば圧縮天然ガス、液化石油ガス、圧縮水素等の気体燃料を利用するエンジンが挙げられる。かかる気体燃料を使用するエンジンにおいては、燃焼に伴い生じる水分又は元々気体に含まれる水分が外気温の低下に伴い氷結し、それが気体燃料を噴射する噴射弁に付着して、その開作動を妨げるという問題が発生し得る。
また、気体燃料として圧縮水素を用いる水素エンジンでは、上述したような要因の他、水分が水素噴射孔付近に付着した状態のままエンジンの始動が行われると、水素噴射に伴う水素の断熱膨張による急冷によって前記噴射孔付近に付着した水分が氷結する可能性がある。
かかる問題に対処して、例えば特許文献1には、低温始動時に、噴射弁に対する駆動電流の供給時間を長く設定し、それに伴う発熱作用により氷結を溶解させる方法が提案されている。
特開平11−264334号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示されるように、通電時間を長くした場合には、結果的に燃料の噴射量が増え、始動時の空燃比がオーバーリッチとなることから、エンジン作動にも弊害が生じるおそれがある。従って、安定したエンジンの始動性を確保しつつ、噴射弁における開作動が確実に実行されることが切に望まれる。
また、潤滑油が筒内噴射弁に浸入し、該筒内噴射弁の作動を妨げるという問題がある。特に、トロコイド状の内周面を備えたロータハウジングと、平面状のサイドハウジングとを備え、その内部に形成された内部空間にロータが収納されることで複数の作動室が規定される所謂ロータリタイプのエンジンにおいては、ロータを円滑に回転させるために、ロータハウジングの内周面に潤滑油が供給される場合、大きな問題となる。
このように、前記潤滑油が筒内噴射弁内に浸入すると、潤滑油固有の粘性により、上述した水分の氷結の場合と同様、噴射弁の作動を妨げるという問題が発生し得る。
この発明は、水分の氷結や、潤滑油の浸入等に関わらず、安定したエンジンの始動性を確保しつつ、筒内噴射弁を開作動させることができる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
この発明のエンジンの燃料噴射装置は、作動室内に直接燃料を噴射する筒内噴射弁を備えたエンジンの燃料噴射装置であって、前記作動室の筒内圧を補正する筒内圧補正手段と、前記筒内噴射弁に供給する燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段とを備え、前記筒内圧補正手段は、始動時に前記作動室の筒内圧を増加補正するとともに、始動時の燃料圧力が低い時は高い時に対して前記筒内圧の増加補正量を低減することを特徴とする。
この構成によれば、前記筒内圧補正手段で始動時に作動室の筒内圧を増加補正することにより、作動室の筒内圧によって筒内噴射弁は開動作される方向に押圧されることになる。従って、増加補正された前記作動室の筒内圧により、筒内噴射弁の開動作を補助することができるため、水分の氷結や、潤滑油の浸入等に関わらず、安定したエンジンの始動性を確保しつつ、筒内噴射弁を開作動させることができる。
また、上述したように、作動室の筒内圧を増加させることは、結果としてエンジン回転数を急激に増加させることとなり、その増加の度合いが大きければ乗員が違和感を覚えるおそれがある。この構成によれば、始動時の燃料圧力が低い時は高い時に対して増加補正量を低減するように作動室の筒内圧を制御することにより、燃料圧力が低い時は前記作動室の筒内圧の増加量が低く抑えられるため、エンジン回転数の急激な増加を抑制し、乗員に違和感を覚えさせるといった事態を回避することができる。
また、燃料圧力が低い時は前記作動室の筒内圧の増加量を低く抑えることにより、前記作動室の筒内圧と、前記筒内噴射弁に供給される燃料圧力との差圧を小さくすることができるため、増加補正された作動室の筒内圧により燃料が作動室内に供給されにくくなるといった事態を回避することができる。
この発明の一実施態様においては、前記筒内圧補正手段は、前記燃料圧力検出手段により検出された燃料圧力と、前記作動室の筒内圧の増加補正量との関係を予め設定した筒内圧増加補正量判定マップに基づいて前記増加補正量を判定することを特徴とする。
この構成によれば、燃料圧力検出手段により検出された燃料圧力の値に基づいて的確な筒内圧増加補正量を判定することができる。従って、増加補正量が大きすぎて不必要にエンジン回転数を増加させたり、増加補正量が小さすぎて前記筒内噴射弁の開作動が失敗したりするといった事態を回避することができる。
この発明の一実施態様においては、前記筒内噴射弁に関連する温度を検出する温度検出手段を備え、前記筒内圧補正手段は、始動時の温度が所定温度未満である時、前記作動室の筒内圧を増加補正することを特徴とする。
この構成によれば、氷結が発生した状態であったとしても、前記筒内噴射弁を強制的に開作動させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記筒内噴射弁の作動状態を検出する噴射弁作動状態検出手段を備え、始動時に前記筒内噴射弁の開作動が検出されない時、前記筒内圧補正手段を作動させることを特徴とする。
この構成によれば、前記筒内噴射弁の作動状態を検出することにより、不必要に作動室の筒内圧を増加補正する事態を確実に回避し、乗員に与える違和感を可及的に抑制できる。
この発明の一実施態様においては、前記噴射弁作動状態検出手段は、前記筒内噴射弁の作動状態をクランキング時間に基づいて検出することを特徴とする。
この構成によれば、クランキング時間をカウントするのみで、前記筒内噴射弁が開作動されたか否かを容易に検出することができる。
この発明の一実施態様においては、前記筒内噴射弁は、駆動電流の供給により開閉制御されるものであり、前記噴射弁作動状態検出手段は、前記筒内噴射弁の作動状態を前記駆動電流に基づいて検出することを特徴とする。
この構成によれば、前記駆動電流の変化を検出するのみで、容易に且つ確実に前記筒内噴射弁の開作動を検出できる。
この発明の一実施態様においては、前記筒内圧補正手段を、エンジンに供給される空気量を調整する空気量調整手段により構成したことを特徴とする。
この構成によれば、別途新たな手段を設けなくとも既存の構成を利用して作動室の筒内圧を増加補正できる。
この発明によれば、前記筒内圧補正手段で始動時に前記作動室の筒内圧を増加補正することにより、筒内噴射弁の開動作を補助することができるため、水分の氷結や、潤滑油の浸入等に関わらず、安定したエンジンの始動性を確保しつつ、筒内噴射弁を開作動させることができる。
また、筒内圧補正手段が、始動時の燃料圧力が低い時は高い時に対して増加補正量を低減するように作動室の筒内圧を制御することにより、燃料圧力が低い時は前記作動室の筒内圧の増加量を低く抑えることができる。従って、エンジン回転数の急激な増加を抑制し、乗員に違和感を覚えさせるといった事態を回避することができる。
また、燃料圧力が低い時は前記作動室の筒内圧の増加量を低く抑えることにより、前記作動室の筒内圧と、前記筒内噴射弁に供給される燃料圧力との差圧を小さくすることができるため、増加補正された作動室の筒内圧により燃料が作動室内に供給されにくくなるといった事態を回避することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係るロータリタイプのエンジン本体1を概略的に表す図である。エンジン本体1は、外形をなす構成として、トロコイド状の内周面を備えたロータハウジングH1と、ロータRの平面方向に沿って広がるほぼ平面状のサイドハウジングH2とを有している。これらハウジングH1及びH2が組み合わせられ、その内部に形成された内部空間にロータRが収納された状態で、ロータRの周囲には、ロータハウジングH1の内周面とサイドハウジングH2とにより、3つの作動室E1、E2、E3が規定される。各作動室E1、E2、E3は、偏心軸CのまわりにおけるロータRの回転に伴い、拡大及び伸縮を繰り返し、ロータRが1回転する間に、各作動室E1、E2、E3にて吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程からなる一連の行程が完了される。
ロータハウジングH1には、作動室E1、E2、E3内に気体水素を直接噴射する気体水素噴射弁I1(以下、直噴式水素インジェクタI1という)と、作動室E1、E2、E3内に供給された燃料(気体水素又はガソリン)及びエアからなる混合気に点火するための点火プラグ8とが設けられている。他方、サイドハウジングH2には、吸気通路2に連通する吸気ポート2aが形成されるとともに、排気通路3に連通する排気ポート3aが形成されている。
さらに、本実施形態では、ロータハウジングH1に設けられる直噴式水素インジェクタI1に加えて、吸気通路2に取付けられ、吸気通路2内にガソリンを噴射するガソリン噴射弁I2(以下、ポート噴射式ガソリンインジェクタI2という)が設けられるとともに、その上流側には、同様に吸気通路2に取付けられ、吸気通路2内に気体水素を噴射する気体水素噴射弁I3(以下、ポート噴射式水素インジェクタI3という)が設けられている。そして、エンジン本体1における作動室内への燃料供給が必要とされる場合には、エンジン回転数、水素又はガソリンの燃料残量等の各種状態に応じて、若しくは、乗員の要求に応じて、直噴式水素インジェクタI1、ポート噴射式ガソリンインジェクタI2、ポート噴射式水素インジェクタI3の中から適正なものが選択される。
図2は、エンジン本体1及びそれに関連する構成を概念的に表す制御系統図である。直噴式水素インジェクタI1、ポート噴射式ガソリンインジェクタI2及びポート噴射式水素インジェクタI3には、それぞれ、電磁弁V1、V2及びV3が設けられ、各インジェクタI1、I2、I3における燃料噴射は、各電磁弁V1、V2、V3の開閉動作に基づき制御される。なお、図2では、各インジェクタI1、I2、I3に対して、電磁弁V1、V2、V3が別個に設けられるように示されるが、実際には、直噴式水素インジェクタI1の断面構造を表す図3及び図4に示すように、電磁弁V1、V2、V3が各インジェクタI1、I2、I3内部に組み込まれている。
また、図2に示すように、本実施形態では、エンジン本体1の本体に対して、エンジン1の冷却水の水温を検出するための水温センサ18と、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数センサ19と、イグニションスイッチ(不図示)によって駆動されエンジン本体1をクランキングさせるスタータ20とが設けられている。また、上記吸気通路2には、アイドリング時において、アイドル回転数が目標回転数に一致するようにアクチュエータ21により作動室E1へ供給される空気量を増減補正するアイドルスピードコントロール機能と、非アイドリング時において、アクセルペダル(不図示)の踏込量または、後述する直噴式水素インジェクタI1の駆動制御時におけるコントロールユニット10の駆動信号の出力に応じて作動室E1へ供給される空気量を増加補正する機能とを備えたスロットル弁22が設けられている。また、吸気通路2には、吸気通路2内に流れる空気の温度を検出する吸気温センサ23が設けられ、他方、排気通路3には、作動室E1、E2、E3内の空燃比を算出すべく酸素濃度を検出するための酸素濃度センサ(所謂λセンサ)24が設けられている。
さらに、図2に示すように、エンジン本体1をなすロータハウジングH1に設けられた直噴式水素インジェクタI1と、吸気通路2に取付けられたポート噴射式水素インジェクタI3とは、水素供給管9を介して、気体水素を貯留する水素貯留タンク14に接続されている。また、一方、吸気通路2に取付けられたポート噴射式ガソリンインジェクタI2は、ガソリン供給管13を介して、ガソリン貯留タンク(不図示)に接続されている。水素貯留タンク14の排出口には、水素貯留タンク14から水素供給管9への水素排出を制御すべく開閉制御される停止弁15が設けられている。さらに、水素供給管9内には、直噴式水素インジェクタI1及びポート噴射式水素インジェクタI3の各インジェクタに対する水素供給を制御するための遮断弁16が設けられている。また、さらに、水素供給管9内には、遮断弁16と直噴式水素インジェクタI1との間に、水素貯留タンク14内の水素残量を算出すべく水素供給管9内の残圧を検出するための圧力センサ17が設けられている。
なお、特に図示しないが、エンジン本体1に関連する構成としては、吸気通路2内に設けられるエアクリーナ、吸入エア量を検出するエアフローセンサと、スロットル弁22の開度を検出するスロットル開度センサ、エアの流れを安定化させるサージタンク等、及び、排気通路3内に設けられる排気ガス浄化触媒、排気温センサ等、並びに、水素供給管9又はガソリン供給管13内に設けられ、各種インジェクタへ供給される燃料の流量を検出する燃料流量計等、上記以外の構成が設けられる。
さらに、図2に示すように、以上のようなエンジン本体1及びそれに関連する構成を制御するコントロールユニット10が設けられている。このコントロールユニット10は、コンピュータからなる、エンジン本体1の総合的な制御装置であって、水素エンジン駆動モード、ガソリンエンジン駆動モードのいずれかを乗員が選択する選択スイッチ(不図示)からの操作信号、エアフローセンサによって検出される吸入エア量、圧力センサ17によって検出される水素供給管9内の残圧、水温センサ18によって検出されるエンジン水温、スロットル開度センサやアイドルスイッチ(アクセルペダル全閉時にオンされるスイッチであるが、ここでは不図示)によって検出されるスロットル開度、エンジン回転数センサ19によって検出されるエンジン回転数、排気温センサによって検出される排気温度、燃料流量計によって検出されるインジェクタへの燃料流量等の各種制御情報に基づいて、エンジン1の燃料噴射制御や点火時期調整制御などの各種制御を行うとともに、後述するインジェクタI1、I2、I3の駆動制御処理を行うようになっている。なお、このコントロールユニット10は、その内部に、マイクロコンピュータ(不図示)を有しており、各インジェクタI1、I2、I3の駆動制御を含む各種制御を行うに際して実行される補正演算、判断等の処理は、そのマイクロコンピュータによってなされる。また、コントロールユニット10は、その内部にタイマ手段25を有しており、乗員のスタータ20の操作によりスタータ20作動時間をカウントするようになっている。
また、コントロールユニット10は、適宜の記憶手段(不図示)を有しており、該記憶手段には、氷結の可能性の有無を判断するための温度閾値データ、直噴式水素インジェクタI1の開作動の有無を判断するためのスタータ作動時間閾値データ、筒内圧増加補正量判定マップ、エンジン本体1の始動判定回転数データ等、後述の各種設定データ、及び必要なプログラムが記憶されている。
次に、コントロールユニット10により駆動制御される直噴式水素インジェクタI1の構造について説明する。図3及び図4は、それぞれ、閉状態及び開状態にある直噴式水素インジェクタI1を示す縦断面図である。この水素インジェクタI1は、軸方向に沿って延びる気体通路4aを備えたインジェクタ本体4と、該インジェクタ本体4の気体通路4a内に設けられ、同じく軸方向に沿って延びる気体通路5aを備えたニードルバルブ5とを有している。
インジェクタ本体4は、その一端側(図3及び図4における上端側)で水素供給管9(図2参照)に連通する一方、その他端側(図3及び図4における下端側)で噴射孔4bを構成しつつエンジン本体1の作動室E1に対向している。また、気体通路4a内に設けられるニードルバルブ5の可動部5bは、その一端側(図3及び図4における上端側)で気体通路4aの内周面に沿って摺動するように保持される一方、その他端側(図3及び図4における下端側)で、シール部5cを構成するとともに、該シール部5cの上流側に、気体通路5aから分岐しニードルバルブ5の側面で開口するように形成された複数の分岐通路5dを備えている。ニードルバルブ5のシール部5cに対応して、インジェクタ本体4の気体通路4a内には、噴射孔4bの上流側に弁座面4cが形成されている。ニードルバルブ5のシール部5cが弁座面4cに着座することで、インジェクタ本体4の噴射孔4bからの水素噴射が妨げられ、直噴式水素インジェクタI1からエンジン本体1の作動室内への水素供給が停止される。
また、ニードルバルブ5には、磁性体(不図示)が取付けられる一方、インジェクタ本体4には、気体通路4aの周囲に、ニードルバルブ5とともに電磁弁V1を構成するソレノイドコイル6が組み込まれている。
また、ニードルバルブ5のうち、気体通路5aは、インジェクタ本体4に取付けられていることにより所定位置に固定された部材である一方、可動部5bは、気体通路4aに沿って上下方向にシフト可能な部材である。
気体通路5aと可動部5bとの間には、これらに挟まれるようにしてコイルスプリング7が設けられており、該コイルスプリング7は、その一端部が気体通路5aの端部と当接していることにより、可動部5bを常に下方に押圧している。
かかる構成を備えることにより、直噴式水素インジェクタI1では、ソレノイドコイル6への駆動電流の供給に際して、図4に示すように、可動部5bがコイルスプリング7の弾性力に抗してインジェクタ本体4の気体通路4cに沿って上方へシフトさせられる。可動部5bの移動範囲内においては、駆動電流が大きくなるにつれ、可動部5bの上方へのシフト量が大きくなる。
即ち、駆動電流がソレノイドコイル6に供給されていない状態では、コイルスプリング7の弾性力によって可動部5bが下方に押圧され、シール部5cが、インジェクタ本体4の気体通路4a内に形成された弁座面4cに着座することで、電磁弁V1が閉じ(図3参照)、他方、駆動電流がソレノイドコイル6に供給されている状態では、コイルスプリング7の弾性力に抗してシール部5cが弁座面4cから離間することで、電磁弁V1が開く(図4参照)。電磁弁V1が開いた状態では、図4中の破線の矢印で示すように、気体水素が、インジェクタ本体4の気体通路4a、ニードルバルブ5の気体通路5a、ニードルバルブ5の分岐通路5d、インジェクタ本体4の気体通路4a、インジェクタ本体4の噴射孔4bの順に流れ、インジェクタ本体4の噴射孔4bから噴射されることとなる。
かかる構成を備えた直噴式水素インジェクタI1における気体水素の噴射タイミング及び噴射量は、マイクロコンピュータを含むコントロールユニット10によって制御される。より詳しくは、コントロールユニット10は、前記記憶手段に記憶されたプログラムに従って、エアフローメータ、スロットルセンサ、圧力センサ17、水温センサ18及びエンジン回転数センサ19等の各種センサから検出される信号に基づき、直噴式水素インジェクタI1へ出力するパルスのタイミング及びそのパルス幅、つまり、電磁弁V1の開作動タイミング及び開弁時間を算出するようにして、気体水素の噴射タイミング及び噴射量を、前記記憶手段に記憶されたプログラムに従って制御する。
なお、ここでは、ロータハウジングH1に設けられた直噴式水素インジェクタI1を取り上げて説明したが、本実施形態では、吸気通路2に取付けられるポート噴射式水素インジェクタI3においても、同じ構成を有するものが用いられている。
エンジン本体1においては、上述した構造を備えた水素インジェクタ(直噴式水素インジェクタI1及びポート噴射式水素インジェクタI3)がエンジン回転数センサ19により検出されるエンジン回転数に応じて使い分けられ、また、その噴射タイミングが変更される。ここで、前記水素インジェクタを使い分ける制御について具体的に説明する。図5は、各エンジン回転数に応じて採用される水素インジェクタ及びその噴射タイミングを表す説明図である。まず、低回転領域(800〜2500rpm程度)では、直噴式水素インジェクタI1が採用され、圧縮行程での噴射が実行される。ここでは、吸気行程中に体積が大きい気体水素を供給すると、水素のボリュームでエアが吸気ポート2aを介して作動室に十分に入らないという問題に対処して、吸気行程が済んだ後の圧縮行程時に気体水素が供給され、燃料の充填効率の低下が抑制される。
また、中回転領域(2500〜5000rpm程度)では、直噴式水素インジェクタI1が採用され、吸気行程での噴射が実行される。ここでは、気体水素とエアとが分離したまま点火が行われると、異常燃焼が生じるという問題に対処して、吸気行程の早い段階で直噴式水素インジェクタI1から気体水素が噴射され、ミキシング時間が確保されることで、気体水素とエアとのミキシング性が向上させられる。
最後に、高回転領域(5000〜7000rpm程度)では、直噴式水素インジェクタI1及びポート噴射式水素インジェクタI3が併用される。ここでは、気体水素とエアとのミキシング性を向上させるべく、ポート噴射式水素インジェクタI3が用いられ、予混合噴射が実行されると同時に、トルク低下を抑制すべく、直噴式水素インジェクタI1が用いられ、圧縮行程での噴射が実行される。一例として、水素供給量の割合は、ポート噴射式水素インジェクタI3からの供給量が80%であり、直噴式水素インジェクタI1からの供給量が20%である。
ところで、従来の直噴式燃料インジェクタを備えたエンジンでは、気体燃料の燃焼に伴い生じる水分等が直噴式燃料インジェクタI1に付着して、外気温の低下や、燃料噴射に伴う気体燃料の断熱膨張による急冷によって氷結したりすることで、その作動を妨げる可能性があった。また、図1に示すようなロータリタイプのエンジンにおいては、ロータを円滑に回転させるための潤滑油が直噴式燃料インジェクタI1へ浸入することにより、上述した水分の氷結の場合と同様、噴射弁の作動を妨げるおそれがあった。
そこで、本実施形態では、スロットル弁22が始動時に直噴式水素インジェクタI1に直接水素が噴射される作動室E1の筒内圧を増加補正し、作動室E1の筒内圧により直噴式水素インジェクタI1の開方向へのシフトを補助することで、水分の氷結の発生に関わらず、直噴式水素インジェクタI1が開作動できるようにした。
また、本実施形態では、スロットル弁22が始動時の水素圧力が低い時は高い時に対して増加補正量を低減するように作動室E1の筒内圧が補正されることで、水素圧力が低い場合、エンジン回転数の急激な増加が抑制されるようにし、乗員が違和感を覚える事態が抑制されるようにした。
以下、コントロールユニット10により実行される直噴式燃料インジェクタI1の駆動制御について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、例えば図2に示す、エンジン本体1に関連する構成により検出された各種信号が読み込まれ(ステップs1)、それらの信号に基づき、コントロールユニット10は、乗員によって水素エンジン駆動モードの選択操作がなされたか否かを判断し、その結果、水素エンジン駆動モードの選択操作がなされたと判断すると(ステップs2:YES)、ステップs1にて読み込まれた信号に基づいて、エンジン本体1の始動時であるか否か、即ちイグニションスイッチがオフ状態からオンされたか否かを判断する(ステップs3)。
ここで、コントロールユニット10が、エンジン本体1の始動時であると判断すると(ステップs3:YES)、直噴式水素インジェクタI1のソレノイドコイル6(図3、図4参照)に駆動電流を供給すべく噴射指示信号を出力し、直噴式水素インジェクタI1(図1参照)を駆動させる(ステップs4)。
直噴式水素インジェクタI1の温度は、エンジン本体1の冷却水の水温に略関連して変動すると考えることができ、コントロールユニット10は、水温センサ18により検出された信号に基づいて、直噴式水素インジェクタI1の温度を間接的に判定できる。ここで、例えば、温度閾値を0℃とし、コントロールユニット10が前記冷却水の水温を0℃未満であると判断すると(ステップs5:YES)、所定の低温状態となっており、氷結の可能性があるとして、タイマ手段25の作動を開始させ、スタータ20(図2参照)の作動時間、即ちクランキングを実行している時間をカウントする(ステップs6)。
また、一方、コントロールユニット10は、前記水温が0℃未満でない、即ち0℃以上であると判断すると(ステップs5:NO)、直噴式水素インジェクタI1の温度が氷結の可能性がないとして、処理をリターンする。
ここで、ステップs6において、スタータ20の作動時間が予め設定された所定時間(スタータ作動時間閾値)を経過すると(ステップs7:YES)、コントロールユニット10は、直噴式水素インジェクタI1に付着した水分が氷結したことにより直噴式水素インジェクタI1の開作動が行われていないものと判断する。そして、圧力センサ17により検出された水素圧力(残圧)の値と、作動室E1の筒内圧の増加補正量との関係を予め設定した筒内圧増加補正量判定マップ(図7参照)に基づいて、コントロールユニット10は、圧力センサ17の検出結果から作動室E1の筒内圧の増加補正量を決定する。さらにコントロールユニット10は、作動室E1の筒内圧の増加補正量に応じたスロットル開度となるようにアクチュエータ21に駆動信号を出力して、スロットル弁22を開作動させる(ステップs8)。
また、一方、スタータの作動時間が所定時間内であれば(ステップs7:NO)、コントロールユニット10は、氷結の可能性があったにも関わらず、直噴式水素インジェクタI1が正常に開作動され、エンジン本体1が通常運転状態に移行できたものと判断して、処理をリターンする。
前記筒内圧増加補正量判定マップは、図7に示すように、始動時の水素圧力が低い時は高い時に対して増加補正量を低減するように、経験則的にこれらの関係が設定されたものであり、本実施形態では、図示のように、増加補正量が水素圧力の値に略比例する関係となっている。
このように、ステップs8において、スロットル弁22を開作動させることにより、エンジン本体1の作動室E1の筒内圧が増加補正されることとなるため、ソレノイドコイル6による電磁力に加え、この筒内圧の増加によって図3に示す直噴式水素インジェクタI1の可動部5bは上方へシフトする方向に押圧されることになる。つまり、増加補正された前記筒内圧により、可動部5bの上方へのシフトを補助することができるため、水分の氷結に関わらず、しかも、空燃比をオーバーリッチとすることなく安定したエンジンの始動性を確保しつつ、直噴式水素インジェクタI1を強制的に開作動させることができる。
このような、作動室E1の筒内圧の増加補正がなされた後、直噴式水素インジェクタI1が開作動され、エンジン本体1が通常運転状態に移行したことをコントロールユニット10が判断すると(ステップs9:YES)、コントロールユニット10は、アクチュエータ21に対し、スロットル弁22を閉作動させるための駆動信号を出力して、アイドル時のスロットル開度状態とするとともに(ステップs10)、タイマ手段25のカウンタをリセットする(ステップs11)。
なお、エンジン本体1が通常運転状態に移行したか否かは、予め所定の始動判定回転数(例えば500rpm)が設定されることで、コントロールユニット10が判断可能となっており、エンジン回転数センサ19(図2参照)の検出結果により間接的にこれを判断できる。
エンジン本体1が通常運転状態に移行すると、コントロールユニット10は、エンジン回転数センサ19の検出結果に基づき、先に図5を参照して説明したエンジン回転数に応じて直噴式水素インジェクタI1及びポート噴射式水素インジェクタI3の駆動を切替制御し(ステップs12)、処理をリターンする。
また、ステップs9で、コントロールユニット10がエンジン本体1が完爆して通常運転状態に移行していないと判断した場合は(ステップs9:NO)、乗員がイグニションスイッチの操作を中断し、エンジン本体1の始動を断念したか否かが判断される(ステップs13)。ここで、乗員がイグニションスイッチを操作し続け、エンジン本体1の始動を試みていることを検出すれば(ステップs13:NO)、コントロールユニット10はエンジン本体1が通常運転状態に移行したか否かを判断するステップs9に戻ってステップs9、s13の処理を繰り返す。一方、乗員がイグニションスイッチの操作を中断し、エンジン本体1の始動を断念したと判断すると(ステップs13:YES)、コントロールユニット10は処理をリターンする。
また、ステップs3で、コントロールユニット10が、エンジン本体1の始動時でないと判断した場合(ステップs3:NO)、コントロールユニット10は、エンジン回転数センサ19の検出結果に基づき、先に図5を参照して説明したエンジン回転数に応じて直噴式水素インジェクタI1及びポート噴射式水素インジェクタI3の駆動を切替制御し(ステップs12)、処理をリターンする。
また、ステップs2で、乗員によって水素エンジン駆動モードの選択操作がなされなかったと判断された場合は(ステップs2:NO)、コントロールユニット10は、ポート噴射式ガソリンインジェクタI2(図1参照)を開作動させて(ステップ14)、ガソリンエンジン駆動モードとし、処理をリターンする。
以上の作動により、直噴式水素インジェクタI1に付着した水分が氷結したとしても、エンジン本体1の作動室E1の筒内圧の増加補正により、直噴式水素インジェクタI1の可動部5bの上方へのシフトを補助することができるため、安定したエンジンの始動性を確保しつつ、直噴式水素インジェクタI1を開作動させることができる。
ところで、水素圧力が低い時は、可動部5bを下方に押圧し、直噴式水素インジェクタI1を閉じさせようとする気体水素の作用が小さいため、この場合、作動室E1の筒内圧の増加補正量は少量で済む。また、エンジン本体1の作動室E1の筒内圧の増加は、エンジン回転数を急激に増加させることとなり、その増加の度合いが大きければ乗員が違和感を覚えるおそれがある。
そこで、本実施形態のように、始動時の水素圧力が低い時は高い時に対して増加補正量を低減するように作動室E1の筒内圧を制御することで、水素圧力が低い時は作動室E1の筒内圧の増加量が低く抑えられるため、エンジン回転数の急激な増加を抑制し、乗員に違和感を覚えさせるといった事態を回避することができる。
また、水素圧力が低い時は作動室E1の筒内圧の増加量を低く抑えることにより、エンジン本体1の作動室E1の筒内圧と、直噴式水素インジェクタI1に供給される水素圧力との差圧を小さくすることができるため、増加補正された前記筒内圧により作動室E1内に気体水素が供給されにくくなるといった事態を回避することができる。
また、コントロールユニット10は、図7に示すような筒内圧増加補正量判定マップに基づいて前記増加補正量を判定することにより、圧力センサ19により検出された水素圧力の値に基づいて的確な筒内圧増加補正量を判定することができる。従って、増加補正量が大きすぎて不必要にエンジン回転数を増加させたり、増加補正量が小さすぎて直噴式水素インジェクタI1の開作動が失敗したりするといった事態を回避することができる。
また、本実施形態では、ステップs6において、直噴式水素インジェクタI1の作動状態を検出し、この検出結果に基づいて、始動時に直噴式水素インジェクタI1の開作動が検出されないと判断された場合にエンジン本体1の作動室E1の筒内圧を増加補正するようにしているが、これは、図6のステップs5において、エンジン本体1の冷却水の水温が0℃未満であると判断されたとしても、必ずしも氷結の影響で直噴式水素インジェクタI1の開作動が妨げられているとは限らないという理由からである。つまり、直噴式水素インジェクタI1の作動状態を検出することにより、不必要に作動室E1の筒内圧を増加補正する事態を確実に回避し、上述したような乗員に与える違和感を可及的に抑制しているのである。
ところで、本実施形態においては、コントロールユニット10が、図6のステップs5にて、エンジン1の冷却水の水温に基づいて、氷結の可能性を判断しているが、エンジン本体1を図1に示すようなロータリタイプのエンジンとした場合において、直噴式水素インジェクタI1の開作動を妨げる主要因が潤滑油であれば、上述したステップs5の判断処理を省略し、作動室E1の筒内圧の増加補正の要否の判断をクランキング時間に基づいて判断するステップs6、s7で実行させることもできる。
ここで、直噴式水素インジェクタI1の作動状態を、タイマ手段25を用い、クランキング時間に基づいて間接的に検出するようにしたことにより、直噴式水素インジェクタI1が開作動されたか否かを容易に検出することができる。
また、作動室E1の筒内圧増加補正をスロットル弁22の制御により行うようにすることで、別途新たな手段を設けなくとも既存の構成を利用して作動室E1の筒内圧を増加補正することができる。
なお、直噴式水素インジェクタI1が開作動されたか否かを判断する方法としては、上述したようなクランキング時間に基づく検出方法に限定されるものではない。図8は、直噴式水素インジェクタI1を駆動する際の駆動電流波形を表す図、図9は、別の実施形態に係るエンジン本体1及びそれに関連する構成を概念的に表す制御系統図である。なお、図9に示す各構成要素について、上述した最初の実施形態と同様のものについては同一の符号を付して、その説明を省略する。図3に示す直噴式水素インジェクタI1おいて、ソレノイドコイル6に駆動電流が供給され、図4に示すように可動部5bが上方にシフトした時、ソレノイドコイル6と可動部5bとの位置関係がずれることにより電磁誘導が発生し、逆起電力が発生する。これにより、図8のように、駆動電流の値が一時的にi1まで低下することになる。なお、氷結や潤滑油等の影響により直噴式水素インジェクタI1が所定の開作動を実行できない場合は、図8にて二点鎖線で示すように、駆動電流の値が時間経過とともに上昇する。
そこで、図9に示すように、直噴式水素インジェクタI1の駆動電流の値を検出する電流検出手段26を設けることにより、図6におけるステップs6、s7の処理に代えて、電流検出手段26により駆動電流の値が低下したことが検出された時、直噴式水素インジェクタI1の開作動がなされたことをコントロールユニット10に判断させることができる。
なお、直噴式水素インジェクタI1が所定の開作動を実行できた場合は、コントロールユニット10は、供給する駆動電流を、分岐通路5dを上方位置に保持し、開状態を保持できる最低限の電流値i2まで減少させる。
電流検出手段26は、例えば電気抵抗素子により構成することができ、該電気抵抗素子の端子間電圧の電圧降下の変化により容易に且つ確実に前記電流値の低下、即ち直噴式水素インジェクタI1の開作動を検出できる。
また、上述の実施形態においては、エンジン本体1をロータリタイプのエンジンとしているが、これに限定されることはなく、本発明は、レシプロエンジンであってもよい。特に、エンジン本体1をレシプロエンジンとした場合は、上述の実施形態のように、作動室の筒内圧を増加補正する手段を、スロットル弁とする他、例えば、特開昭59−188056号公報、特開平3−124923号公報等に開示されているように、ピストンの位置を変えることにより、作動室の容積を可変とすることで圧縮比を可変とする構成としてもよい。
この場合、例えば、燃料圧力の検出結果に応じて、前記ピストンの変位量を制御する制御手段を設け、始動時の燃料圧力が低い時は高い時に対して筒内圧の増加補正量を低減できるようにピストンの位置が段階的に変更される構成とすればよい。
また、作動室の筒内圧を増加補正する手段を、作動室内を加熱する加熱手段により構成してもよい。この場合、前記加熱手段が作動室内を加熱することにより作動室の筒内圧を増加させることができるとともに、作動室内の気温が上昇することにより、直噴式水素インジェクタI1を加熱することもできる。これにより、氷結を溶解させることができるため、より短時間で直噴式水素インジェクタI1を開動作させることができる。
また、上述の各実施形態においては、気体水素を利用するエンジンについて述べているが、エンジン本体の作動室内に直接燃料を噴射する方式であれば、圧縮天然ガス、液化石油ガス等の気体燃料を利用したエンジンであってもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の筒内噴射弁は、直噴式水素インジェクタI1に対応し、
以下同様に、
筒内圧補正手段、及び空気量調整手段は、スロットル弁22に対応し、
燃料圧力検出手段は、圧力センサ17に対応し、
温度検出手段は、水温センサ19に対応し、
噴射弁作動状態検出手段は、タイマ手段25、電流検出手段26に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
本発明の実施形態に係るロータリタイプのエンジン本体を概略的に表す図。 本発明の実施形態に係るエンジン本体及びそれに関連する構成を概念的に表す制御系統図。 閉状態にある直噴式水素インジェクタを示す縦断面図。 開状態にある直噴式水素インジェクタを示す縦断面図。 各エンジン回転数に応じて採用される水素インジェクタ及びその噴射タイミングを表す説明図。 コントロールユニットにより実行される直噴式水素インジェクタの駆動制御処理を示すフローチャート。 筒内圧増加補正量判定マップを示す図。 直噴式水素インジェクタを駆動する際の駆動電流波形を表す図。 本発明の別の実施形態に係るエンジン本体及びそれに関連する構成を概念的に表す制御系統図。
符号の説明
1…エンジン本体
17…圧力センサ
18…水温センサ
22…スロットル弁
25…タイマ手段
26…電流検出手段
I1…気体水素噴射弁

Claims (7)

  1. 作動室内に直接燃料を噴射する筒内噴射弁を備えたエンジンの燃料噴射装置であって、
    前記作動室の筒内圧を補正する筒内圧補正手段と、
    前記筒内噴射弁に供給する燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段とを備え、
    前記筒内圧補正手段は、始動時に前記作動室の筒内圧を増加補正するとともに、
    始動時の燃料圧力が低い時は高い時に対して前記筒内圧の増加補正量を低減する
    エンジンの燃料噴射装置。
  2. 前記筒内圧補正手段は、前記燃料圧力検出手段により検出された燃料圧力と、前記作動室の筒内圧の増加補正量との関係を予め設定した筒内圧増加補正量判定マップに基づいて前記増加補正量を判定する
    請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
  3. 前記筒内噴射弁に関連する温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記筒内圧補正手段は、始動時の温度が所定温度未満である時、前記作動室の筒内圧を増加補正する
    請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
  4. 前記筒内噴射弁の作動状態を検出する噴射弁作動状態検出手段を備え、
    始動時に前記筒内噴射弁の開作動が検出されない時、前記筒内圧補正手段を作動させる
    請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
  5. 前記噴射弁作動状態検出手段は、前記筒内噴射弁の作動状態をクランキング時間に基づいて検出する
    請求項4記載のエンジンの燃料噴射装置。
  6. 前記筒内噴射弁は、駆動電流の供給により開閉制御されるものであり、
    前記噴射弁作動状態検出手段は、前記筒内噴射弁の作動状態を前記駆動電流に基づいて検出する
    請求項4記載のエンジンの燃料噴射装置。
  7. 前記筒内圧補正手段を、エンジンに供給される空気量を調整する空気量調整手段により構成した
    請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010156289A (ja) * 2008-12-27 2010-07-15 Mazda Motor Corp ロータリーピストンエンジンの燃料噴射制御装置
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CN114665129A (zh) * 2022-04-29 2022-06-24 北京亿华通科技股份有限公司 用于燃料电池低温冷启动的氢气喷射器控制方法及装置

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