JP3590474B2 - 高炉用可縮性ラミング材及びそれを用いたライニング構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の長期操業時における、炉底や炉壁のカーボンれんがの熱応力を緩和させるために使用するラミング材とそれを用いたライニング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に高炉の炉底あるいは側壁は、外側からステーブ等で水冷することにより内張りされたれんがを冷却保護しており、れんがの熱膨張代として、また内張りカーボンれんがと炉外側のステーブあるいは鉄皮との間には、特開昭53−11106号公報、特開昭58−1006号公報に開示されているように、熱伝導性を有するカーボンや炭化珪素系のラミング(スタンプ)材が使用されている。
【0003】
近年、高炉の寿命は10〜15年であり、この長期使用の間には、湯溜まり部も浸食されていくので、例えば、炉底に配設されたカーボンれんがに対しても熱が伝わり易くなり、操業が続く間に少しずつカーボンれんがの温度が上昇していく。その結果、カーボンれんがは、炉外側から冷却されていても、その背面温度が約100〜450°C近くまで上昇し、カーボンれんが自身の熱膨張により熱応力が発生し、これがセリ出しによる割れの原因となる。即ち、カーボンれんが背面に打設されたラミング材には、圧縮応力が働くこととなる。
【0004】
現在、このラミング材としては、黒鉛とカーボンれんがの水蒸気酸化による耐食性低下を防ぐため、例えば、タールピッチなどの非水系バインダーを配合したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ラミング材としてタールピッチを使用した場合、ラミング材は、約50〜150°C付近の温度域で一旦軟化するものの、約450°C近くまで温度が上昇するにつれて徐々に固化していくため、温度上昇に伴いカーボンれんがの熱応力を緩和するための変形能が低下する。
【0006】
また、約200°C以上の温度になると、ラミング材からガスが揮発した後に施工体中に比較的大きな空洞を生成し、ラミング材の熱伝導率が低下する。その上、タールピッチ自体には、ベンツピレン等の有害物質を含むため、製造時における環境面でも好ましくない。
【0007】
このように、タールピッチなどの非水系バインダーを配合したラミング材は、熱伝導率が高くても、高炉の長期操業時においてはカーボンれんがの熱応力を緩和し、長期安定操業を図ると云う点では十分ではなかった。
【0008】
そこで、本発明は、高炉の長期操業時における、炉底や炉壁のカーボンれんがの60〜450°Cの温度域で発生する熱応力を連続して吸収緩和させるために使用する可縮性と高熱伝導性を持ったラミング材とライニング構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の高炉用可縮性ラミング材は、黒鉛原料を含有する骨材あるいは耐火原料の1種又は2種以上を10重量%以内と残部が黒鉛原料である骨材に対し、沸点の異なる2種以上の溶剤とフェノール樹脂とからなる可縮性剤を10〜30重量%混合した混合物であって、60〜450℃の温度上昇過程で空隙が形成され、かつ、熱伝導率が20W/m℃以上であることを特徴とし、高炉のカーボンれんがと接する部分に配設する。
【0010】
また、本発明の高炉用可縮性ラミング材は、カーボンれんがと鉄皮との間、カーボンれんがとステーブとの間等のカーボンれんがと接する部分や炉底のカーボンれんがの膨張代部分に配設して高炉ライニング構造を構成する。
【0011】
高炉は、炉内の最高温度が2000°C以上まで上昇する高温の連続操業を行うため、内張りされたカーボンれんがも約1600°C近くまで温度が上昇すると言われる。このためカーボンれんがは低熱膨張の材質ではあっても熱膨張により内部応力が発生する。そこで、本発明の高炉用可縮性ラミング材は、カーボンれんがが低熱膨張性であり、かつ、放熱可能な熱伝導率の高い特性を十分に生かして、カーボンれんがと鉄皮又はステーブとの間等のカーボンれんがと接する部分や炉底のカーボンれんがの膨張代部分で、カーボンれんがと同等の熱伝導率によりカーボンれんがの冷却効果を高め、さらにカーボンれんがの熱膨張を吸収する緩衝材として機能する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の高炉用可縮性ラミング材は、熱伝導率の高い黒鉛原料と、残炭率が高いフェノール樹脂を沸点の異なる複数の溶剤と組合せて使用することで、高熱伝導性かつ連続的可縮性を発現する。
【0013】
黒鉛に添加するフェノール樹脂については、その形状として固体状,粉体状,液体状に大別される。この中で固体状,粉体状のフェノール樹脂のみでは加熱されて一時軟化するものの、変形能は小さく、実炉操業中のカーボンれんがの熱膨張に伴う熱応力を受け止めて吸収するまでは至らない。
【0014】
また、液体状のフェノール樹脂では、通常溶剤が使用されている。この溶剤は、熱を受けると少しずつ蒸発するが、例えば、その沸点が約200°Cより低いと、約200°Cまでの温度上昇中に施工体中に空隙を形成し、この空隙が熱応力を吸収して緩和することができるが、約200°C以上の温度域ではラミング材中に新たな空隙を形成することが少なくなり、結果として約200°C以上では可縮性を持たせることが難しくなる。これを補うため、これらの溶剤を多量に添加することも考えられるが、溶剤の蒸発に伴い施工体内に非常に大きな空隙を形成し、熱伝導率の低下を招くことになる。そこで、約60〜250°C未満と約250〜450°Cの温度幅に分けて沸点の異なる溶剤を組み合わせると、溶剤の蒸発の始まりから終了に達するまでの時点が各溶剤と重複する状態で継続されるため、温度上昇に伴うカーボンれんがの熱膨張を連続して吸収することになる。
【0015】
なお、可縮率については、近年の高炉の大型化により、養生後から10%程度以上の可縮は必要と考えられるが、本発明のように、約60〜450°Cの間での温度上昇に伴い、徐々に高くする必要がある。
【0016】
本発明に使用する耐火骨材としては、ラミング材に高熱伝導性が要求されるため、黒鉛原料は90重量%を越えて主骨材として使用する。黒鉛原料を多量に使用するのは、カーボンれんがの冷却効果を高めるためであり、一般的には熱伝導率が高ければ高いほど望ましく、少なくとも最近使用されているカーボンれんがの熱伝導率と同等である20W/m・°C以上とするためである。これは、炉内の熱をできるだけ炉外に放出させることにあるが、ステーブ若しくは鉄皮間に充填されるラミング材の熱伝導率がカーボンれんがより低いと、カーボンれんがの冷却能力が低下するためである。また、低熱膨張性を主とする緩衝材としての機能も低下する。
【0017】
黒鉛原料としては、鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等の天然黒鉛の他に、黒鉛電極屑等の人造黒鉛を粒状または粉状にして使用する。
【0018】
黒鉛原料以外の骨材として、木炭,コークス,仮焼無煙炭,ピッチ粉,カーボンブラック等の炭素質、炭化珪素,炭化アルミニウム,炭化ジルコニウム等の炭化物、窒化ジルコニウム,窒化珪素,窒化アルミニウム,窒化珪素鉄,窒化硼素等の窒化物、珪素,フェロシリコン等の珪化物、炭化硼素などの硼化物、その他に酸化物を含む原料として、珪石,珪砂,電融シリカ,含水無定形シリカ,無水無定形シリカ等のシリカ質、ムライト,ボーキサイト,バン土頁岩,シリマナイト,カイヤナイト,焼結アルミナ,電融アルミナ,仮焼アルミナ等のアルミナ質,ロー石,シャモット,陶石,粘土,カオリン,ベントナイト等のアルミナ−シリカ質、ジルコン、ジルコニア等の耐火原料を選択して1種または2種以上併用することができる。
【0019】
これらの耐火原料は、ラミング材の粒度配分や可塑性などから、10重量%以内で使用することができるが、これより多いと熱伝導率が20W/m・°Cより低くなり、黒鉛の特性である高熱伝導性を生かすことができなくなる。
【0020】
本発明は、可縮性剤として、沸点の異なる2種以上の溶剤とフェノール樹脂とからなる可縮性剤を10〜30重量%使用する。可縮性剤が10重量%より少ないとラミング材中の液量が不足するため、スタンピング時の作業性が著しく低下して充填不足を招きやすくなり、30重量%を越えるとラミング材に揺変性が生じ、かえって充填不足を招き易くなって作業性が低下する。
【0021】
フェノール樹脂に使用する溶剤は、各溶剤間で化学反応を起こさないことを前提にして組み合わせて使用するが、カーボンれんがの強度や耐食性等の性能の低下をもたらしてはならないし、実炉操業上支障をきたすものは好ましくない。
【0022】
ある溶剤に沸点の高い別の溶剤を溶かして溶液を作ると、一般にその混合溶剤の沸点は純粋な初めの溶剤よりも必ず高い温度になる。これらの混合溶剤が、約60〜450°Cの温度域で連続的に蒸発することにより、温度上昇する過程で連続的にラミング材の組織中に空隙を発生させることができる。
【0023】
約60〜450°Cの温度域でラミング材の組織中に連続的に空隙を有する必要があるのは、この温度範囲の下限である約60°Cより低い温度で空隙を有する材料設計にすると、常温施工後から約60°Cに加熱されるまでの間に、溶剤のほとんどが蒸発するためである。約60°Cまでの温度域においてラミング材中の組織中に内在する気泡が多くなり、熱伝導率の低下をもたらしては実用的に意味がなく、このような低温で蒸発する溶剤は、それ自体が取扱い上の危険を伴うケースも多い。また、上限の約450°Cより高い温度で不定形耐火物組織中に空隙を有するように材料設計しても、この温度以上ではカーボンれんがの熱応力は、むしろ鉄の降伏点以上となるので鉄皮の変形の方が問題となる。
【0024】
本発明に使用するフェノール樹脂の原料となるフェノール類としては、フェノール,オルソクレゾール,メタクレゾール,パラクレゾール,キシレノール,エチルフェノール,プルピレフェノール,プチルフェノール,オクチフェノール,ノニフェノール,フェニルフェノール,クミルフェノール,カテコール,レゾルシノール,ハイドロキノン,ビスフェノールA等のフェノール類があり、これらを単独または2種以上組み合わせて使用できる。
【0025】
フェノール樹脂の形態は、固体状,粉体状,液体状があるが、フェノール樹脂を予め有機溶剤に溶解したもの、あるいは固体状,粉体状のフェノール樹脂と溶剤を同時に耐火骨材と混合して使用できる。
【0026】
本発明の溶剤として、後述の有機溶剤が使用できる。例えば、一価アルコール類,二価アルコール類,多価アルコール類,ケトン類,エステル類,エーテル類,ケトンエステル類,エステルエーテル類,芳香族系溶剤,脂肪族系溶剤等が挙げられる。このうちの沸点が異なるものを、例えば、二価アルコール(グリコール類)、三価アルコール類のトリオール類等のような多価アルコール類等の沸点の高い溶剤と併用して1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0027】
具体的例として、沸点が60〜100°C前後では、メタノール,エタノール,1及び2−プロパノール,2−ブタノール,n−ブタノール,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,エチレングリコールエーテル類、酢酸プロピル/イソプロピル/ブチル等がある。沸点200°C前後では、オクタノール,エチレングリコール,プロピレン或いはジエチレングリコール類、ベンジルアルコール,1及び3−プロパまたはブタンジオール類、フルフリアルコール,フルフラール,ジエチレングリコール・エーテル類、炭酸エチル/プロピル等がある。沸点300°C前後では、グリセリン,トリエチレン或いはテトラエチレングリコール類、トリアセチン、フタル酸ジメチル/ジエチルあるいはジプチル類などがある。沸点400°C前後では、フタル酸ジオクチル/ジイソノニル/ジイソデシル/ブチルベンゼン等がある。
【0028】
この他に、この種の不定形耐火物用の添加物として既知の、各種金属ファイバーやその他のファイバー類、例えば、炭素繊維、SiC繊維等の他、さらに、動物性繊維や植物性天然繊維、ビスコース等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維,ポリアミド系,ポリエステル系,ポリウレタン系,ポリオレフィン系,ポリ塩化ビニル系,ポリ塩化ビニリデン系,ポリフルオロエチレン系,ポリアクリル系,PVA等の合成繊維等の有機繊維を添加することができる。
【0029】
本発明のライニング構造の施工については、本発明のラミング材をそのままウェット状の配合混練物として施工箇所または、施工部位に搬送する。この際、あらかじめアムスラー成形機等を用いて成形し、プレホームの状態で搬送することもできる。次に、施工箇所または、施工部位に搬送されたラミング材をエアーランマー、バイブロランマー、電磁振動で直接または間接的に打撃あるいは振動を与えてラミング材中の空気を追い出し、高炉炉底、炉壁等に配設されたカーボンれんがと鉄皮や、カーボンれんがとステーブ間のラミング材の組織が良好になるように充填を密にさせて施工する。
【0030】
【実施例】
本発明の実施例に使用する可縮性剤として、沸点(b.p.)が異なる複数の溶剤に粉末ノボラック型フェノール樹脂を溶かした液体状のフェノール樹脂A〜Dを作成した。
【0031】
また、比較例に使用する可縮性剤として、単品あるいは同等の沸点を有する溶剤に粉末ノボラック型フェノール樹脂を溶かした液体状のフェノール樹脂E〜Hを作成した。
【0032】
フェノール樹脂Aは、エチレングリコール(b.p.198°C)、ジエチレングリコール(b.p.254°C)、グリセリン(b.p.290°C)、ジプチルフタレート(b.p.339°C)の同一割合の混合溶剤と、粉末状のノボラック型フェノール樹脂を重量比で1:1の割合に溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0033】
フェノール樹脂Bは、エチレングリコール(b.p.198°C)、ジエチレングリコール(b.p.254°C)、グリセリン(b.p.290°C)、ジプチルフタレート(b.p.339°C)をそれぞれ1:2:1:1の割合とした混合溶剤と、粉末状のノボラック型フェノール樹脂を重量比で3:2の割合に溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0034】
フェノール樹脂Cは、メチルアルコール(b.p.64.5°C)、フタル酸ジイソニル(b.p.403°C)の同一割合の混合溶剤と、粉末状のノボラック型フェノール樹脂を重量比で1:1の割合に溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0035】
フェノール樹脂Dは、エチレングリコール(b.p.198°C)、メチルアルコール(b.p.64.5°C)、グリセリン(b.p.290°C)、プチルフタレート(b.p.339°C)をそれぞれ1:1:1:2の割合で混合溶剤とし、粉末状ノボラック型フェノール樹脂と重量比で2:1の割合で溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0036】
フェノール樹脂Eは、エチレングリコール(b.p.198°C)のみを溶剤とし、粉末状のノボラック型フェノール樹脂と重量比で2:1の割合に溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0037】
フェノール樹脂Fは、フルフリールアルコール(b.p.170°C)、2−ブトキシエタノール(b.p.170°C)の同一割合の混合溶剤と、粉末状ノボラック型フェノール樹脂を重量比で1:1の割合に溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0038】
フェノール樹脂Gは、エチレングリコール(b.p.198°C)のみを溶剤とし、粉末状レゾール型フェノール樹脂と重量比で2:1の割合で溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0039】
フェノール樹脂Hは、フルフリールアルコール(b.p.170°C)、2−ブトキシエタノール(b.p.170°C)の同一割合の混合溶剤と、粉末状レゾール型フェノール樹脂を重量比で1:1の割合に溶解、液体状のフェノール樹脂を得た。
【0040】
以下に各フェノール樹脂を本発明の高炉用可縮性ラミング材へ実施した例及び比較例を表1と表2に示す。各表におけるフェノール樹脂は外掛け使用のため数値の前に+表示した。
【0041】
なお、本発明における実施例及び比較例の可縮率,熱伝導率は次のようにして求めた。
【0042】
黒鉛原料を含む粉末配合の粒度を全て1mmアンダーになるように調整後、液体状フェノール樹脂を添加し、混練後50φ×50mmの型に入れてスタンピングによる成形を行い、100°C未満で24時間の乾燥後、100°C、200°C、300°C、450°Cと加熱した後の可縮率を求めた。
【0043】
また、前記同様に混練後40mm×40mm×160mm金型に入れてスタンピングによる成形を行い、100°C未満で24時間の乾燥後、100°C、200°C、300°C、450°Cと加熱した後の熱伝導率を求めた。
【0044】
【表1】
Figure 0003590474
表1において、本発明における沸点の異なる溶剤によるフェノール樹脂を使用したラミング材の実施例1〜9は、いずれも、100°Cから450°Cへの温度上昇に伴い可縮率の上昇が確認された。また、この温度域での熱伝導率はいずれも≧20W/m・°Cであり、さらに、スタンピングによる作業性についても問題はなかった。
【0045】
【表2】
Figure 0003590474
表2において、比較例1は、実施例1で用いたフェノール樹脂Aを使用したが、液量が少なすぎてスタンピング不能となりサンプルの作成ができなかった。
【0046】
比較例2は、実施例1で用いたフェノール樹脂Aを多量に使用したため、液量が多すぎて充填不足を招いたためか、熱伝導率が低下した。
【0047】
比較例3は、液量は規定内であったが、黒鉛原料が少ないため熱伝導率が低下した。
【0048】
比較例4〜7はフェノール樹脂の性状が不良であるため、温度上昇に伴う可縮率の上昇が十分でなく、また、熱伝導率も100〜450°Cの温度域で<20W/m・°Cとなった。
【0049】
次に、従来のラミング材に代わる本発明のラミング材により施工した高炉のライニング構造を図によって説明する。
【0050】
図1は、本発明の高炉用可縮性ラミング材を用いた高炉側壁及び炉底部部分の縦断面図であり、炉外側から鉄皮1、ステーブ2、ラミング材3、そしてカーボンれんが4の順に内張りされている。
【0051】
ラミング材3に本発明の可縮性ラミング材を使用することにより、カーボンれんが4の熱膨張による熱応力が発生してセリ出す力、即ちラミング材3への圧縮応力を吸収し割れの原因がなくなり、また、熱伝導性も良いためステーブ2による冷却効果も上がり鉄皮1の損傷も防ぐことができる。
【0052】
図1において5はカーボン保護リングれんが、6は本発明が適用できるラミング材によるスタンプ代、7は保護れんがを示す。
【0053】
本実施例の他に図示しないが、鉄皮1、ラミング材3、カーボンれんが4の順に配設した内張り構造もある。この場合においてもカーボンれんが4の熱応力を緩和し、高炉の長期安定操業を図ることができる。なお、冷却方法については、鉄皮1の外側に水冷ジャケットが配設されている。
【0054】
【発明の効果】
(1) 本発明の可縮性ラミング材とこのラミング材を使用したライニング構造は、高炉の長期操業時における、炉底や炉壁部のカーボンれんがの約60〜450°Cで発生する熱膨張による熱応力を、ラミング材の可縮により連続して吸収緩和することが可能となり、カーボンれんがのセリ割れ、ステーブまたは鉄皮の熱応力による変形を防止する。
【0055】
(2) 本発明の可縮性ラミング材は、高い熱伝導性を持つため、カーボンれんが背面からの奪熱によってカーボンれんがの温度を低下させることができ、その結果、カーボンれんがの熱膨張を抑制し、高炉の高寿命化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高炉用可縮性ラミング材を用いた高炉炉壁及び炉底部分の縦断面図である。
【符号の説明】
1 鉄皮
2 ステーブ
3 ラミング材
4 カーボンれんが
5 カーボン保護リングれんが
6 ラミング材のスタンプ代
7 保護れんが

Claims (3)

  1. 黒鉛原料を含有する骨材に対し、沸点の異なる2種以上の溶剤とフェノール樹脂とからなる可縮性剤を10〜30重量%混合した混合物であって、60〜450℃の温度上昇過程で空隙が形成され、かつ、熱伝導率が20W/m・℃以上であることを特徴とし、高炉のカーボンれんがと接する部分に配設する高炉用可縮性ラミング材。
  2. 耐火原料の1種又は2種以上を10重量%以内と残部が黒鉛原料である骨材に対し、沸点の異なる2種以上の溶剤とフェノール樹脂とからなる可縮性剤を10〜30重量%混合した混合物であって、60〜450℃の温度上昇過程で空隙が形成され、かつ、熱伝導率が20W/m℃以上であることを特徴とする請求項1記載の高炉用可縮性ラミング材。
  3. 黒鉛原料を含有する骨材に対し、沸点の異なる2種以上の溶剤とフェノール樹脂とからなる可縮性剤を10〜30重量%混合した混合物であって、60〜450℃の温度上昇過程で空隙が形成され、かつ、熱伝導率が20W/m・℃以上である高炉用可縮性ラミング材をカーボンれんがと接する部分に配設した高炉ライニング構造。
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