JP3590238B2 - パーキングブレーキ用スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーキングブレーキ用スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーキングブレーキ用スイッチは、ブレーキレバーを引いたり、パーキングブレーキペダルを踏んでパーキングブレーキを作動させたとき、シャフトの押圧が解かれることにより、パーキングブレーキ作動報知回路のランプを点灯させるものである。このため、従来のパーキングブレーキ用スイッチは、図5に示すようにスイッチ筺体aをボルト形状とし、中心にシャフトbを挿通してリターンバネの付勢力により、該シャフトbの先端部をスイッチ筺体aの頭部側から突出させている。そして、スイッチ筺体aの他端部から突出させてリード線cを接続したシャフトbに接点部dを形成して、シャフトbの摺動により該接点部dを前記スイッチ筺体aの他端部に対して接離させ、スイッチングするように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のパーキングブレーキ用スイッチは、ボルト形状のスイッチ筺体aが、切削加工及び転造加工により形成されるためコスト高となる。また、取付け部に溶接したL字形のブラケットeにスイッチ筺体aを挿通してウエルドナットfにより締着固定していたが、このウエルドナットfが高価であるため、コストの低減が妨げられていた。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、安価なパーキングブレーキ用スイッチを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の本発明のパーキングブレーキ用スイッチは、リターンバネの付勢力によりスイッチ筺体から突出するシャフトを該リターンバネの付勢力に抗して押圧することで、該シャフトと前記スイッチ筺体内に設けた接点との接続状態が切換えられるパーキングブレーキ用スイッチにおいて、略直角に折曲して、正面部と少なくとも被取付部材に当接する側面部とを形成するとともに、前記正面部の上下端から一対の脚部を後方へ折曲してなる導電性板部材を、前記スイッチ筐体の正面から嵌め込んで該正面部に設けた挿通孔にスイッチ筐体から突出するシャフトを挿通し、スイッチ筐体内に嵌着して抜け止めを施した前記一対の脚部の一方の脚部を前記接点のアース接点とし、さらに、該導電性板部材の前記側面部に、前記被取付部材に係合する回り止め片を形成し、該側面部を被取付部材に当接させて前記スイッチ筐体を取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0005】
また、請求項2に記載の本発明のパーキングブレーキ用スイッチは、リターンバネの付勢力によりスイッチ筺体から突出するシャフトを該リターンバネの付勢力に抗して押圧することで、該シャフトと前記スイッチ筺体内に設けた接点との接続状態が切換えられるパーキングブレーキ用スイッチにおいて、略直角に折曲して、正面部と少なくとも被取付部材に当接する側面部とを形成するとともに、前記正面部の上下端から一対の脚部を後方へ折曲してなる導電性板部材を、前記スイッチ筐体の正面から嵌め込んで該正面部に設けた挿通孔にスイッチ筐体から突出するシャフトを挿通し、スイッチ筐体内に嵌着して抜け止めを施した前記一対の脚部の一方の脚部を前記接点のアース接点とし、さらに、該導電性板部材に挿通して前記スイッチ筐体を被取付部材に締着する取付けネジとを設け、該取付けネジに螺合されるナット部材を前記スイッチ筐体内に回り止めを施して装着したことを特徴とする。
【0006】
【発明の作用及び効果】
請求項1に記載のパーキングブレーキ用スイッチによれば、略直角に折曲して、正面部と少なくとも被取付部材に当接する側面部とを形成するとともに、正面部の上下端から一対の脚部を後方へ折曲してなる導電性板部材をスイッチ筐体の正面から嵌め込んで、該導電性板部材の側面部に被取付部材に係合する回り止め片を形成し、該側面部を被取付部材に当接させてスイッチ筐体を取り付けるようにしたもので、取り付け部材としての L 字型ブラケットを省略できる。また、正面部の上下端から後方へ折曲した一対の脚部をスイッチ筐体に抜け止めを施して嵌着したから、導電性板部材とスイッチ筐体とをウエルドナットにより締着固定する必要がない。さらに、導電性板部材の一部を折曲することにより、回り止め片を簡単かつ容易に形成することができるとともに、一対の脚部の一方をアース接点とすることにより、全体の構成を簡易にしてコスト低減が可能で安価なパーキングブレーキ用スイッチを提供できる。
【0007】
請求項2に記載のパーキングブレーキ用スイッチによれば、略直角に折曲して、正面部と少なくとも被取付部材に当接する側面部とを形成するとともに、正面部の上下端から一対の脚部を後方へ折曲してなる導電性板部材をスイッチ筐体の正面から嵌め込んで、該導電性板部材の側面部を被取付部材に当接させ、スイッチ筐体に挿通する取付けネジを、スイッチ筐体内に回り止めを施して装着したナット部材に螺合して、スイッチ筐体を被取付部材に締着するもので、取付けネジをネジ込むだけで簡単にスイッチ筐体を被取付部材に締着できる。さらに、一対の脚部の一方をアース接点とすることにより、全体の構成を簡易にしてコスト低減が可能で安価なパーキングブレーキ用スイッチを提供できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1はパーキングブレーキ用スイッチ(以下単にスイッチという)1の正面図、図2は同、側面図、図3は図1に於けるA−A線断面図である。スイッチ1の外郭を構成するすスイッチ筺体2は、正面3と該正面3に続く一方の側面4の前半部分に、略直角に折曲して正面部5aと側面部5bとが形成さ れた導電性板部材5が嵌め込まれている。スイッチ筐体2の正面3に嵌め込まれた導電性板部材5の正面部5aには、シャフト挿通孔6が穿設され、後述するシャフト19が挿通される。また、スイッチ筐体2の側面4に嵌め込まれた側面部5bには、ネジ挿通孔7が穿設されるとともに、矩形の回り止め片8が曲げ起こされている。導電性板部材5の正面部5aの上下端を略直角に後方へ折曲して形成した一対の脚部9,10は、スイッチ筺体2の正面3から形成した嵌着孔11,12に嵌め込み、該脚部9,10の途中に形成した抜け止め係合片9a,10aを、嵌着孔11,12の係合孔11a,12aに係合させて抜け止めを施している。
【0009】
スイッチ筺体2の内部には、導電性板部材5の正面部5aのシャフト挿通孔6に対応する部分に、シャフト作動孔13が形成されている。シャフト作動孔13の孔壁には、半径方向で対向する接点摺動溝14,14が形成されている。一方の接点摺動溝14には、上記導電性板部材5の一方の脚部10が露出している。また、他方の接点摺動溝14には、スイッチ筺体2に嵌着された接点部材15の該脚部10に対向する部分が露出している。接点部材15は、直角曲げを二度施してスイッチ筺体2の背面方向に延びるターミナル16が形成されている。さらに、スイッチ筺体2の上記ネジ挿通孔7に対応する部分に形成したナット部材装着凹部17には、ナット部材18が装着されて回り止めされている。該ナット部材装着凹部17は、導電性板部材5の側面4に嵌め込んだ側面部5bにより塞がれる。
【0010】
シャフト作動孔13に挿通したシャフト19は、先端部をシャフト挿通孔6からスイッチ筺体2の正面3をカバーする正面部5aから突出させ、中間に形成した鍔部20をシャフト作動孔13の拡径段部13aに当接させて、スイッチ筺体2の正面側への抜け止めとしている。シャフト19の縮径軸部21には、一対の摺擦部22,22を上記接点摺動溝14,14内に弾接した橋絡接点23が嵌められるとともに、コイル状のリターンバネ24が付装されている。スイッチ筺体2の背面は、キャップ体25を嵌着して塞ぐ。該キャップ体25には、シャフト作動孔13及び接点摺動溝14の一部を構成する孔部26と、その孔部26の底部にリターンバネ24の端部を掛けるバネ掛け突部27、及び上記接点部材15の端部に形成したターミナル16を突出させたコネクタ嵌着凹部28が一体成形されている。そして、キャップ体25に形成した係合突部29,29を、スイッチ筺体2の係合孔30,30に係合させている。
【0011】
上記構成のスイッチ1は、図1の2点鎖線で示すようにスイッチ1の被取付け部材31に穿設した軸孔32に、導電性板部材5のスイッチ筺体2の側面4に嵌め込んだ側面部5bのネジ挿通孔7を合致させるとともに、曲げ起こした回り止め片8を回り止め孔33に挿して、該側面4を被取付け部材31に当接し、ネジ挿通孔7に挿通した取付けネジ34をナット部材18にネジ込む。該ナット部材18は回り止めが施されているから、ネジ込みにより取付けネジ34上を移動し、ナット部材装着凹部17を塞ぐ導電性板部材5の側面部5bに当接して、該側面部5bをナット部材18と被取付け部材31間に挾着する。そして、コネクタ嵌着凹部28に突出させたターミナル16を、該コネクタ嵌着凹部28に嵌着するコネクタ(図示せず)に挿し込んで電気的接続を行う。
【0012】
上記スイッチ1は、図示しないブレーキレバーを引いたり、パーキングブレーキペダルを踏んでパーキングブレーキを作動させたとき、シャフト19の押圧が解かれリターンバネ24の付勢力により押し戻されると、接点摺動溝14,14を摺擦する橋絡接点23の摺擦部22,22により、該接点摺動溝14,14に露出する接点部材15と接点をなす脚部10間が橋絡される。これにより、パーキングブレーキ作動報知回路35のランプ36を点灯させる(図4)。ブレーキレバー又はパーキングブレーキペダルが戻されると、シャフト19が押し込まれ、橋絡接点23の摺擦部22,22がそれぞれ脚部10及び接点部材15から離れて、ランプ36が消灯する。
【0013】
上記した構成及び作用のスイッチ1は、略直角に折曲して正面部5aと少なくとも被取付部材31に当接する側面部5bとを形成するとともに、正面部5aの上下端から一対の脚部9,10を後方へ折曲してなる導電性板部材5をスイッチ筐体2の正面3から嵌め込んで、該導電性板部材5の側面部5bに被取付部材31に係合する回り止め片8を形成し、該側面部5bを被取付部材31に当接させてスイッチ筐体2を取り付けるようにしたもので、取り付け部材としての L 字型ブラケットを省略できる。また、正面部5aの上下端から後方へ折曲した一対の脚部9,10をスイッチ筐体2に抜け止めを施して嵌着したから、導電性板部材5とスイッチ筐体2とをウエルドナットにより締着固定する必要がない。
【0014】
そして、導電性板部材5の側面部5bを被取付部材31に当接させ、スイッチ筐体2に挿通する取付けネジ34を、スイッチ筐体2内に回り止めを施して装着したナット部材18に螺合して、スイッチ筐体2を被取付部材31に締着するもので、取付けネジ34をネジ込むだけで簡単にスイッチ筐体2を被取付部材31に締着できる。
【0015】
さらに、導電性板部材5の側面部5aの一部を折曲することにより、回り止め片8を簡単かつ容易に形成することができるとともに、ナット部材18及び取付けネジ34は市販のものでよいからコスト低減が可能となる。また、シャフト19の先端部が突出するスイッチ筺体2の正面3と被取付け部材31に当接する側面4及び脚部9,10とが、折曲した導電性板部材5により形成されるとともに、スイッチ筺体2内に挿し込んで嵌着した脚部10を一方の接点としたものであるから、取付け面と接点とを一枚の導電性板部材5から形成することができる。そして、その接点をアース接点とすることにより、全体の構成を簡易にしてコスト低減に寄与できる。
【0016】
さらに、スイッチ筺体2に形成したコネクタ嵌着凹部28内に突出する接点板15の一端部をターミナル16とし、該コネクタ嵌着凹部28に嵌着するコネクタに挿し込んで電気的接続を行うことができるから、従来のように接点部をシャフトの端部に設けるとともに、該端部にリード線を接続し、シャフトの摺動により接点部をスイッチ筺体の外部で移動させてスイッチングするものでないから、接点部に塵埃が付着するような不都合を回避でき、スイッチングの安定性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スイッチ1の正面図である。
【図2】同、側面図である。
【図3】図1に於けるA−A線断面図である。
【図4】パーキングブレーキ作動報知回路35の回路図である。
【図5】従来例を示した断面図である。
【符号の説明】
1...スイッチ
2...スイッチ筺体
3...正面
4...側面
5...導電性板部材
5a ... 正面部
5b ... 側面部
8...回り止め片
9,10...脚部
9a,10a…抜け止め係合片
11,12…嵌着孔
11a,12a…係合孔
15...接点部材
16...ターミナル
17...ナット部材装着凹部
18...ナット部材
19...シャフト
23...橋絡接点
24...リターンバネ
28...コネクタ嵌着凹部
31...被取付け部材
34...取付けネジ
Claims (2)
- リターンバネの付勢力によりスイッチ筺体から突出するシャフトを該リターンバネの付勢力に抗して押圧することで、該シャフトと前記スイッチ筺体内に設けた接点との接続状態が切換えられるパーキングブレーキ用スイッチにおいて、
略直角に折曲して、正面部と少なくとも被取付部材に当接する側面部とを形成するとともに、前記正面部の上下端から一対の脚部を後方へ折曲してなる導電性板部材を、前記スイッチ筐体の正面から嵌め込んで該正面部に設けた挿通孔にスイッチ筐体から突出するシャフトを挿通し、スイッチ筐体内に嵌着して抜け止めを施した前記一対の脚部の一方の脚部を前記接点のアース接点とし、さらに、該導電性板部材の前記側面部に、前記被取付部材に係合する回り止め片を形成し、該側面部を被取付部材に当接させて前記スイッチ筐体を取り付けるようにしたことを特徴とするパーキングブレーキ用スイッチ。 - リターンバネの付勢力によりスイッチ筺体から突出するシャフトを該リターンバネの付勢力に抗して押圧することで、該シャフトと前記スイッチ筺体内に設けた接点との接続状態が切換えられるパーキングブレーキ用スイッチにおいて、
略直角に折曲して、正面部と少なくとも被取付部材に当接する側面部とを形成するとともに、前記正面部の上下端から一対の脚部を後方へ折曲してなる導電性板部材を、前記スイッチ筐体の正面から嵌め込んで該正面部に設けた挿通孔にスイッチ筐体から突出するシャフトを挿通し、スイッチ筐体内に嵌着して抜け止めを施した前記一対の脚部の一方の脚部を前記接点のアース接点とし、さらに、該導電性板部材に挿通して前記スイッチ筐体を被取付部材に締着する取付けネジとを設け、該取付けネジに螺合されるナット部材を前記スイッチ筐体内に回り止めを施して装着したことを特徴とするパーキングブレーキ用スイッチ。
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- 1997-08-11 JP JP23024597A patent/JP3590238B2/ja not_active Expired - Fee Related
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