JP3589826B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワンウェイクラッチと多板クラッチとが並列で設けられた変速機構を備えた自動変速機において、アクセル急踏み操作時に変速機構のガタにより発生するピークトルクを抑える自動変速機の変速制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワンウェイクラッチと多板クラッチとが並列で設けられた変速機構を備えた自動変速機としては、例えば、特開昭62−288759号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、変速機構にワンウェイクラッチ12とエンジンブレーキ用の多板クラッチ13とが並列で設けられ、パワーオンダウンシフト時、変速ショックが発生しないように、ワンウェイクラッチ12の係合より多板クラッチ13の方が早く締結しないように制御する技術が記載されている。
【0004】
尚、公報の第3図に示されるように、多板クラッチ13(C0)は、Dレンジ4速を除いて締結される。
【0005】
ここで、多板クラッチ13の締結を維持する必要性について述べる。
【0006】
多板クラッチ13は、そもそもエンジンブレーキ用として使われるクラッチであるが、一定のギヤ位置で駆動状態からスロットル開度を戻した時、直ちにエンジンブレーキがかからないと空走感が生じ、違和感が出る場合がある。
【0007】
最近、平成7年5月1日モータマガジン社発行の『モータマガジン(5月号)』に記載のように、自動変速機のマニュアルシフト化が進む中で、上記のような違和感は運転性上、大きなマイナス点でもある。こういう違和感を防止するためには予め(ドライブ側であっても)多板クラッチ13を締結しておく必要があり、多板クラッチ13を締結しておくことでマニュアルミッションのようなダイレクト感が出る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機の変速制御装置にあっては、多板クラッチ13の締結により駆動側(ドライブ側)から被駆動側(コースト側)になった時に直ちにエンジンブレーキ感を得ることができるが、被駆動側から駆動側に移行する時にも多板クラッチ13が締結されたままであるため、アクセルの急で深い踏み操作により発生するピークトルクをクラッチプレートのスプライン嵌合部で受けてしまうという問題がある。
【0009】
すなわち、アクセル踏み込み操作を行なった場合、駆動時のトルクフローからすればワンウェイクラッチ12が係合して入力トルクを受け、多板クラッチ13にはトルクがかからないようになっているが、実際は、ワンウェイクラッチ12が係合するために必要な回転角度より、多板クラッチ13のクラッチプレートのスプライン嵌合ガタによる遊び角度が小さいため、ワンウェイクラッチ12が係合する前に入力トルクをスプライン嵌合部で受けてしまう。
【0010】
ここで、ワンウェイクラッチ12は、空転している被駆動側から駆動側に移行するとアウターレースとインナーレースとの間に介装されている複数のスプラグが転回し、スプラグを介して両レースが一体に回転する係合状態となるもので、係合するためには所定の回転角度を要する。
【0011】
特に、マニュアルシフト化をするとこの頻度はさらに高くなり、アクセルの急で深い踏み操作により発生するピークトルクをスプライン嵌合部で受けさせるためには、耐久性の面を考慮してスプライン嵌合部を厚くせざるを得ない。また、ピークトルクをワンウェイクラッチのみで受けるとワンウェイクラッチ係合ショックが問題となる。
【0012】
本来、エンジンブレーキ用に設計されているクラッチは、コースティングトルク(エンジンイナーシャ+トルクコンバータイナーシャ)を受けるだけのものである。しかし、エンジントルクやパワートレーンのガタによって発生するピークトルクを受けることになるとスプライン嵌合部の摩耗が進み、耐久性が低下するという結果につながる。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、駆動側から被駆動側になった時のエンジンブレーキ感の応答性向上と、ピークトルク発生操作を伴って被駆動側から駆動側になった時の多板クラッチ耐久性向上及びワンウェイクラッチ係合ショック防止との両立を達成する自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明はなされたもので、本発明では、エンジンブレーキ用の多板クラッチのスプライン嵌合部が大きな反力を受ける場合の入力トルクは、スロットル開度を全閉とするコースティング状態から、早く深く踏み込んだ際に発生するピークトルクにある点に着目し、このようなトルクが発生する時に、多板クラッチの締結圧を下げて滑らせて、ワンウェイクラッチの係合が終了した時点で多板クラッチの締結圧を元に戻し、コースティング時のエンジンブレーキに備えるように工夫したものである。
【0015】
(解決手段1)
上記課題の解決手段1(請求項1)は、図1のクレーム対応図に示すように、ワンウェイクラッチaと多板クラッチbとが第1回転メンバcと第2回転メンバdとの間に並列で設けられた変速機構を備え、
前記ワンウェイクラッチaは、エンジン側から車輪側への駆動時に係合し被駆動時に空転するクラッチであり、
前記多板クラッチbは、ドラムとハブにそれぞれスプライン嵌合されたプレートを有するクラッチであり、ピストンに印加される油圧により締結・解放が制御され、駆動側でもクラッチ締結を維持する自動変速機において、
ピークトルク発生操作を検出するピークトルク発生操作検出手段eと、
ピークトルク発生操作検出時、空転状態のワンウェイクラッチaが係合するのに必要な設定時間だけ多板クラッチbの締結圧を低下させる制御を行なうクラッチ油圧制御手段fと、
を備えていることを特徴とする。
【0016】
(解決手段2)
上記課題の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記ピークトルク発生操作検出手段eを、スロットル開度の開方向への変化速度であるスロットル開速度検出値が予め設定されたスロットル開速度しきい値を超えるとピークトルク発生操作とみなす手段としたことを特徴とする。
【0017】
(解決手段3)
上記課題の解決手段3(請求項3)は、請求項1または請求項2記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記クラッチ油圧制御手段fを、ピークトルク発生操作検出時、スロットル開度に応じたライン圧とする通常のライン圧制御に代え、ワンウェイクラッチaの係合に必要な設定時間だけ締結されている他の締結要素が滑らない程度の油圧レベルまでライン圧を低下させる制御を行なう手段としたことを特徴とする。
【0018】
(解決手段4)
上記課題の解決手段4(請求項4)は、請求項1または請求項2記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記クラッチ油圧制御手段fを、ピークトルク発生操作検出時、単独で多板クラッチbの締結圧をワンウェイクラッチaの係合に必要な設定時間だけドレーンまたは低下させる制御を行なう手段としたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、請求項1,2,3に記載の発明に対応する自動変速機の変速制御装置である。
【0020】
まず、構成を説明する。
【0021】
図2は実施の形態1の変速制御装置が適用された自動変速機のギヤトレーン(変速機構)を示す図である。
【0022】
ギヤトレーンは、遊星歯車2組、多板クラッチ4組、多板ブレーキ1組、バンドブレーキ1組及びワンウェイクラッチ2組で構成されている。
【0023】
図2において、1はトルクコンバータ、2はオイルポンプ、3はインプットシャフト、4はバンドブレーキ、5はリバースクラッチ、6はハイクラッチ、7はフロントサンギヤ、8はフロントピニオン、9はフロントリングギヤ、10はフロントキャリヤ、11はリヤサンギヤ、12はリヤピニオン、13はリヤリングギヤ、14はリヤキャリヤ、15はフォワードクラッチ、16はフォワードワンウェイクラッチ、17はオーバーランクラッチ、18はローワンウェイクラッチ、19はロー&リバースブレーキ、20はパーキングポール、21はパーキングギヤ、22はアウトプットシャフトである。
【0024】
図3は実施の形態1の変速制御装置が適用された自動変速機の制御システム図である。
【0025】
前進4段のフルレンジ電子制御が採用されていて、A/Tコントロールユニット30は、エンジン取り付けのアイドルスイッチ31,フルスロットルスイッチ32,スロットルセンサ33,エンジン回転センサ34や、トランスミッション取り付けのインヒビタースイッチ35,温度センサ36,車速センサ37等からの入力情報を電気信号により取り込み、設定されている制御プログラムに従って情報処理をし、変速アクチュエータであるシフトソレノイドA38,シフトソレノイドB39やオーバランクラッチソレノイド40やロックアップソレノイド41やライン圧ソレノイド42に対して制御指令を出力する。
【0026】
図4は実施の形態1の変速制御装置が適用された自動変速機で行なわれる変速制御で用いられる変速スケジュールを示す図、図5は変速制御での各ギヤ位置でのシフトソレノイド作動表を示す図、図6は各ギヤ位置での締結作動表を示す図である。
【0027】
変速制御は、検出されたスロットル開度と車速により決まる運転点が図4の変速スケジュールにおいてシフトアップ線やシフトダウン線を横切るとシフト判断指令が出力され、図5に示すシフトソレノイド作動表に従ってシフトソレノイドA38,シフトソレノイドB39に対し変速後のギヤ位置に応じたON,OFF指令が出力され、油路を切り換えるシフトバルブを作動させることで行なわれる。
【0028】
各ギヤ位置では、変速要素が図6に示すように作動する。尚、フォワードワンウェイクラッチ16(F/O・C)は、Dレンジ4速を除いて駆動状態では係合状態となり動力の伝達をするが、被駆動側では空転状態となるため、前進走行レンジでフォワードクラッチ15(F/C)を常時締結すると共に、オーバーランクラッチ17(O/C)をDレンジ4速を除いてアクセル開度1/16以下で締結状態にしてエンジンブレーキを効かせる。
【0029】
図7は実施の形態1の変速制御装置を示す要部システム図である。
【0030】
図7において、16はフォワードワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチaに相当)、17はオーバーランクラッチ(多板クラッチbに相当)、45はフォワード&オーバーランクラッチドラム(第1回転メンバcを兼用するドラムに相当)、46はオーバーランクラッチハブ(第2回転メンバdを兼用するハブに相当)、30はA/Tコントロールユニット(スロットル開速度検出手段eとクラッチ油圧制御手段fの電子制御部に相当)、42はライン圧ソレノイド(クラッチ油圧制御手段fのアクチュエータに相当)、2はオイルポンプ、47はパイロットバルブ、48はプレッシャモディファイヤバルブ、49はプレッシャレギュレータバルブ、50は変速系コントロールバルブ、51はライン圧油路、52はオーバーランクラッチ圧油路(これらはクラッチ油圧制御手段fの油圧制御部に相当)、15はフォワードクラッチ、53はフォワードクラッチハブ、54はフォワードクラッチ圧油路である。
【0031】
前記フォワードワンウェイクラッチ16とオーバーランクラッチ17とは、フォワード&オーバーランクラッチドラム45とオーバーランクラッチハブ46との間に並列で設けられている。
【0032】
前記フォワードワンウェイクラッチ16は、シフトダウン時のエンジン側から車輪側への駆動時に係合し被駆動時に空転するクラッチであり、インナーレース16aとアウターレース16bとスクラブ16cを有して構成されている。インナーレース16aには、リヤリングギヤ13とオーバーランクラッチハブ46が一体に固定されている。アウターレース16bには、フォワードクラッチハブ53が一体に固定されている。スクラブ16cは、レース16a,16bとの間に保持器で複数個等分に介装されていて、アウターレース16bが駆動方向に回転すると同一方向に回転するが内外面の曲率中心が偏心しているためにくさび作用が発生し、トルクを伝達する。
【0033】
前記オーバーランクラッチ17は、フォワード&オーバーランクラッチドラム45にスプライン嵌合されたドライブプレート17aと、オーバーランクラッチハブ46にスプライン嵌合されたドリブンプレート17bと、交互に配置された両プレート17a,17bを締結するクラッチピストン17cを有するクラッチあり、オーバーランクラッチ圧油路52を経過してクラッチピストン17cに印加される油圧により締結・解放が制御され、駆動側でもクラッチ締結を維持するる。前記フォワード&オーバーランクラッチドラム45の一端部には、フロントピニオン8を支持するフロントキャリヤ10がスプライン嵌合され、他端部はフォワードクラッチ15のピストンシリンダの一部として使用されている。
【0034】
前記オーバーランクラッチ17の締結圧制御としてこの実施の形態1では、締結圧の元圧であるライン圧を制御するライン圧制御を採用している。このライン圧制御は、スロットルセンサ33がスロットル開度を検出してA/Tコントロールユニット30に信号を送ると、A/Tコントロールユニット30がライン圧ソレノイド42をデューティ制御してパイロット油圧を最大圧とするスロットル圧を調圧する。このスロットル圧を信号圧としてプレッシャモディファイヤバルブ48によりプレッシャモディファイヤ圧に調圧し、さらに、プレッシャモディファイヤ圧を信号圧としてプレッシャレギュレータバルブ49によりオイルポンプ吐出圧をライン圧に調圧することでなされる。そして、ライン圧はシフトバルブ等の変速系コントロールバルブ50やオーバーランクラッチ圧油路52を経過してオーバーランクラッチ17のピストン油室に導かれる。すなわち、ライン圧が変更されると、オーバーランクラッチ17以外にも同時に締結されている締結要素の締結圧が変更されることになる。
【0035】
次に、作用を説明する。
【0036】
[ライン圧制御作動]
図8はA/Tコントロールユニット30で行なわれるライン圧制御作動の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0037】
ステップ80では、スロットル開度THが読み込まれる。
【0038】
ステップ81では、スロットル開度THを単位時間ΔTで割る微分演算処理によりスロットル開速度TH/ΔTが算出され(スロットル開速度検出手段eに相当)、このスロットル開速度TH/ΔTがピークトルク発生操作とみなされるスロットル開速度しきい値Aを越えているかどうかが判断される。
【0039】
ステップ82では、TH/ΔT≦Aであるとの判断時、通常のライン圧制御が実行される。
【0040】
ステップ83では、TH/ΔT>Aであるとの判断時、通常のライン圧制御に代え、空転状態のフォワードワンウェイクラッチ16が係合するのに必要な設定時間Tだけギヤ位置を成立させるために締結されている他の締結要素が滑らない程度の油圧レベル(デューティ比=B)までライン圧を低下させる制御が行なわれる。
【0041】
[通常のライン圧制御作用]
通常のライン圧制御は、図8のフローチャートで、ステップ80→ステップ81→ステップ82へと進む流れにより行なわれる。
【0042】
この制御では、図9に示すように、エンジン負荷をスロットル開度により判断しているもので、スロットル開度に応じたライン圧特性が各レンジ毎に予め設定されている。
【0043】
よって、検出されたスロットル開度と選択されているレンジ位置により、クラッチやブレーキ等の各締結要素が締結を維持するのに必要な圧力で、且つ、ポンプ損失が少ない圧力のライン圧に調圧される。
【0044】
[ピークトルク発生操作時のライン圧制御作用]
ピークトルク発生操作時のライン圧制御は、図8のフローチャートで、ステップ80→ステップ81→ステップ83へと進む流れにより行なわれる。
【0045】
この制御では、ライン圧を低下させる時間Tとライン圧の低下レベルBとが予め設定されていて、ライン圧低下時間Tは、フォワードワンウェイクラッチ16が係合するだけの時間が必要であるから、T=0.2〜0.3sec 程度であり、ライン圧低下レベルBは、例えば、ホールドモードの絡みから各ギヤ位置を構成するための締結要素の容量をストール容量から保障している場合、トルクコンバータ領域を外れれば通常時に使用している油圧レベルの約半分の圧力でも締結要素が滑り出す心配はない。
【0046】
よって、オーバーランクラッチ17を締結させたままで、ピークトルク発生操作を伴って被駆動側から駆動側になった時、オーバーランクラッチ17の締結圧を一時的に低下させることで、スプライン嵌合部が受けるべきピークトルクがオーバーランクラッチ17の滑りにより逃がされ、ピークトルクをオーバーランクラッチ17とフォワードワンウェイクラッチ16の両方で受ける。従って、オーバーランクラッチ17を締結させたままの場合と比べてスプライン嵌合部の耐久性が向上する。また、ピークトルクをワンウェイクラッチのみで受ける従来例と比べて、フォワードワンウェイクラッチ16の過大な係合ショックが防止される(図10参照)。
【0047】
そして、フォワードワンウェイクラッチ16が係合し、フォワードワンウェイクラッチ16がトルクを持った後は、再びオーバーランクラッチ17の締結圧を元の圧力に戻すことでコースティング時のエンジンブレーキの確保に備えられることになる。
【0048】
次に、効果を説明する。
【0049】
(1) フォワードワンウェイクラッチ16とオーバーランクラッチ17とが2つの回転メンバの間に並列で設けられた変速機構を備えた自動変速機において、フォワードワンウェイクラッチ16が係合状態から空転状態となる駆動側から被駆動側への移行時に直ちにエンジンブレーキが確保されるように駆動側であってもオーバーランクラッチ17の締結を維持すると共に、スロットル開速度検出値TH/ΔTがピークトルク発生操作とみなされるスロットル開速度しきい値Aを超えると、空転状態のフォワードワンウェイクラッチ16が係合するのに必要な設定時間Tだけオーバーランクラッチ17の締結圧を低下させる制御を行なうクラッチ油圧制御を行なう装置としたため、駆動側から被駆動側になった時のエンジンブレーキ感の応答性向上と、ピークトルク発生操作を伴って被駆動側から駆動側になった時の多板クラッチ耐久性向上及びワンウェイクラッチ係合ショック防止との両立を達成することができる。
【0050】
(2) スロットル開度の開方向への変化速度であるスロットル開速度検出値TH/ΔTが予め設定されたスロットル開速度しきい値Aを超えるとピークトルク発生操作とみなすようにしたため、既存のスロットルセンサ33をそのまま流用してピークトルク発生操作を検出することができる。
【0051】
(3) オーバーランクラッチ17の締結圧を制御するにあたって、スロットル開速度検出値TH/ΔTがスロットル開速度しきい値Aを超えた時、スロットル開度THに応じたライン圧とする通常のライン圧制御に代え、フォワードワンウェイクラッチ16の係合に必要な設定時間Tだけ締結されている他の締結要素が滑らない程度の油圧レベルまでライン圧を低下させる制御を行なうため、既存のライン圧制御のハード部をそのまま利用し、A/Tコントロールユニット30のソフトを変更するだけで容易にピークトルク対応制御を行なうことができると共に、ライン圧制御に伴う他の締結要素の不用意な再締結ショックを防止することができる。
【0052】
(他の実施の形態)
実施の形態1では、オーバーランクラッチ17の締結圧制御をライン圧制御により行なう例を示したが、単独でオーバーランクラッチ17の締結圧を、オン・オフ型のオーバランクラッチソレノイド40を用いて設定時間だけドレーンするようにしても良いし、また、デューティ型のオーバランクラッチソレノイドを用いて設定時間だけ低下させるようにしても良く、この場合、そのギヤ位置を構成するのに必要な他の締結要素の締結に影響を与えることなく、ピークトルクの入力を十分に抑えるオーバランクラッチの締結圧制御を行なうことができる(請求項4に対応)。
【0053】
本願発明の変速制御装置は、実施の形態1で示した自動変速機以外にも、ワンウェイクラッチと多板クラッチとが第1回転メンバと第2回転メンバとの間に並列で設けられた変速機構を備えた自動変速機に適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の自動変速機の変速制御装置にあっては、ワンウェイクラッチと多板クラッチとが第1回転メンバと第2回転メンバとの間に並列で設けられた変速機構を備え、ワンウェイクラッチは、エンジン側から車輪側への駆動時に係合し被駆動時に空転するクラッチであり、多板クラッチは、ドラムとハブにそれぞれスプライン嵌合されたプレートを有するクラッチであり、ピストンに印加される油圧により締結・解放が制御され、駆動側でもクラッチ締結を維持する自動変速機において、ピークトルク発生操作を検出するピークトルク発生操作検出手段と、ピークトルク発生操作検出時、空転状態のワンウェイクラッチが係合するのに必要な設定時間だけ多板クラッチの締結圧を低下させる制御を行なうクラッチ油圧制御手段と、を備えたため、駆動側から被駆動側になった時のエンジンブレーキ感の応答性向上と、ピークトルク発生操作を伴って被駆動側から駆動側になった時の多板クラッチ耐久性向上及びワンウェイクラッチ係合ショック防止との両立を達成することができる。
【0055】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の変速制御装置において、ピークトルク発生操作検出手段を、スロットル開度の開方向への変化速度であるスロットル開速度検出値が予め設定されたスロットル開速度しきい値を超えるとピークトルク発生操作とみなす手段としたため、上記効果に加え、既存のスロットルセンサ33をそのまま流用してピークトルク発生操作を検出することができる。
【0056】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載の自動変速機の変速制御装置において、クラッチ油圧制御手段を、ピークトルク発生操作検出時、スロットル開度に応じたライン圧とする通常のライン圧制御に代え、ワンウェイクラッチの係合に必要な設定時間だけ締結されている他の締結要素が滑らない程度の油圧レベルまでライン圧を低下させる制御を行なう手段としたため、上記効果に加え、既存のライン圧制御のハード部をそのまま利用し、ライン圧制御のソフトを変更するだけで容易にピークトルク対応制御を行なうことができると共に、ライン圧制御に伴う他の締結要素の不用意な再締結ショックを防止することができる。
【0057】
請求項4記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載の自動変速機の変速制御装置において、クラッチ油圧制御手段を、ピークトルク発生操作検出時、単独で多板クラッチの締結圧をワンウェイクラッチの係合に必要な設定時間だけドレーンまたは低下させる制御を行なう手段としたため、上記効果に加え、そのギヤ位置を構成するのに必要な他の締結要素の締結に影響を与えることなく、ピークトルクの入力を十分に抑える多板クラッチの締結圧制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の変速制御装置を示すクレーム対応図である。
【図2】実施の形態1の変速制御装置が適用された自動変速機のギヤトレーンを示す図である。
【図3】実施の形態1の変速制御装置が適用された自動変速機の制御システム図である。
【図4】実施の形態1の変速制御装置が適用された自動変速機で行なわれる変速制御で用いられる変速スケジュールを示す図である。
【図5】変速制御での各ギヤ位置でのシフトソレノイド作動表を示す図である。
【図6】各ギヤ位置での締結作動表を示す図である。
【図7】実施の形態1の変速制御装置を示す要部システム図である。
【図8】実施の形態1のA/Tコントロールユニットで行なわれるライン圧制御作動の流れを示すフローチャートである。
【図9】通常のライン圧制御で用いられるライン圧制御特性図である。
【図10】ピークトルク発生操作時のスロットル開度,油圧デューティ,車両前後駆動度,エンジン回転数の各特性を対比したタイムチャートである。
【符号の説明】
a ワンウェイクラッチ
b 多板クラッチ
c 第1回転メンバ
d 第2回転メンバ
e ピークトルク操作検出手段
f クラッチ油圧制御手段

Claims (4)

  1. ワンウェイクラッチと多板クラッチとが第1回転メンバと第2回転メンバとの間に並列で設けられた変速機構を備え、
    前記ワンウェイクラッチは、エンジン側から車輪側への駆動時に係合し被駆動時に空転するクラッチであり、
    前記多板クラッチは、ドラムとハブにそれぞれスプライン嵌合されたプレートを有するクラッチであり、ピストンに印加される油圧により締結・解放が制御され、駆動側でもクラッチ締結を維持する自動変速機において、
    ピークトルク発生操作を検出するピークトルク発生操作検出手段と、
    ピークトルク発生操作検出時、空転状態のワンウェイクラッチが係合するのに必要な設定時間だけ多板クラッチの締結圧を低下させる制御を行なうクラッチ油圧制御手段と、
    を備えていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記ピークトルク発生操作検出手段を、スロットル開度の開方向への変化速度であるスロットル開速度検出値が予め設定されたスロットル開速度しきい値を超えるとピークトルク発生操作とみなす手段としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記クラッチ油圧制御手段を、ピークトルク発生操作検出時、スロットル開度に応じたライン圧とする通常のライン圧制御に代え、ワンウェイクラッチの係合に必要な設定時間だけ締結されている他の締結要素が滑らない程度の油圧レベルまでライン圧を低下させる制御を行なう手段としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1または請求項2記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記クラッチ油圧制御手段を、ピークトルク発生操作検出時、単独で多板クラッチの締結圧をワンウェイクラッチの係合に必要な設定時間だけドレーンまたは低下させる制御を行なう手段としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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